JPH0679987A - 基板上に金属の平面要素を作製する方法および装置 - Google Patents

基板上に金属の平面要素を作製する方法および装置

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JPH0679987A
JPH0679987A JP5078345A JP7834593A JPH0679987A JP H0679987 A JPH0679987 A JP H0679987A JP 5078345 A JP5078345 A JP 5078345A JP 7834593 A JP7834593 A JP 7834593A JP H0679987 A JPH0679987 A JP H0679987A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】規定の金属表面構造体を有する基板を製造する
新規方法を提供する。 【構成】マスター、例えば、プレスロール11に金属の
平面要素2を取り外し可能な形態で作製し、次いでこれ
らの金属の平面要素2をマスター11から特定の基板4
に転写する。この方法は、特に紙幣上に反射ホログラム
を作製するのに有利に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属層を転写表面に調
製し、次いで基板に転写する転写方法により、可及的に
粗い表面を有する基板上に局所的に限定された金属層を
作製する方法および装置に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】金属の
平面要素は変造防止書類の分野においてかなり重要であ
る。まず、金属表面はそれらの反射特性により良好なコ
ピー保護をもたらす。というのは、反射表面をコピー技
術により再現することができないからである。最も簡単
な場合には、金属光沢を持つ平面像またはプリント像を
生じさせるのに、金属インクが慣習的に使用されてい
る。しかしながら、粒状の微細構造により、これらの方
法は、高い反射挙動または任意の規定表面構造体を示さ
なくてもよい金属表面にしか使用することができない。
【0003】今日、偽造からの非常に広い範囲の保護と
なる金属被覆ホログラムの製造において、金属表面につ
いて最も高い要求がなされている。ホログラムは、それ
らの製造が精巧且つ高価であることにより、もしあった
としても、比較的高い努力でもって模造することができ
るだけであり、また見る角度に依存したそれらの光学特
性により、良好なコピー保護をもたらす。ホログラム
は、しばしば、防護のためだけでなく、美的のために
も、防護文書に適用されている。
【0004】反射ホログラムは、通常、ホログラムの干
渉パターンに対応する表面レリーフを有する特別に調製
されたダイプレート(die-plate )を使用して、表面レ
リーフを硬化されたラッカー層中にエンボス加工し、次
いでこれを金属被覆して保護ラッカー層を設けることに
より製造される。変更例として、ダイプレート上のレリ
ーフを薄い金属層中に直接エンボス加工し、次いで保護
ラッカー層を設けることもできる。金属被覆によって、
ホログラムが視覚で容易に確認できるようにホログラム
の十分な明度が確保される。
【0005】このような金属層またはホログラムを局所
的に限定された形態で紙幣(papersof value )、銀行
券または身分証明書に適用する種々の可能性が提案され
てきた。最も完全な技術のうちの1つであって、ホログ
ラムを適用するのにも主として使用されている技術は、
そこからホログラムが最終のキャリアに転写される別体
のホットスタンピングバンドを調製することである(DE
-A 33 08 831号およびU.S.-C 4,758,296 号) 。容易に
取り外し可能な分離層を備えた基板に、転写すべき層を
文書上でのそれらの後の順序とは逆の順序で付ける。最
も上方の層は接着剤層、例えば、熱シール性接着剤層で
ある。この接着剤層を使用して熱および圧力の作用下で
ホットスタンピングバンド(hot-stamping band )と文
書とを相互に接続する。すると、分離層により、ホット
スタンピングバンドの基板を楽に取り外すことができ
る。
【0006】転写バンドを連続バンドとして製造する
が、すなわち、連続法で(例えば、真空蒸着設備におい
て)金属被覆が起こるが、所望の平面領域のみを文書に
転写する。平面領域は異なる方法で転写することができ
る。例えば、転写すべき層構造体が(可及的に大表面加
熱により)ある箇所でのみ文書に付着するように、接着
剤層をあるパターンで印刷することができ、あるいは熱
シール性接着剤を大きい表面にわたって塗布しても、プ
レスダイの圧力および熱を受ける接着剤層の領域のみが
活性化されるように、積層のために使用される圧力スタ
ンプは転写すべき形状に対応する輪郭形状を有している
(DE-A 33 08 831号) 。
【0007】しかしながら、このホットスタンピング転
写方法は銀行券にホログラムを付けるのに十分には適し
ていない。銀行券は粗い紙材表面を必要とする鋼沈み彫
り印刷により印刷されるので、紙材の表面構造体は通
常、薄い転写層にエンボス加工される。従って、紙材表
面の粗さがホログラムのレリーフ構造体、回折格子等に
重なって、ホログラムがその尖鋭性および明度の幾らか
を失う。この作用は、付けるべきホログラムの領域にお
いて銀行券を艶出しする追加の手段をとることによって
回避しなければならない(EP-A 0 440 045号) 。
【0008】液体状態で塗布されるラッカー層が銀行券
表面の一様でない領域を補償するような方法でエンボス
加工すべきラッカー層を銀行券紙材に設けることによっ
て上記追加の手段を回避することができる。
【0009】例えば、EP-A 0 338 378号は、初めにロー
ル形態の銀行券紙材を両面で印刷し、次いである領域に
ホログラム構造体を設ける連続方法を述べている。プレ
スダイの表面構造体を光硬化性ラッカーで覆うことによ
って、エンボス加工すべきラッカーおよびレリーフ構造
体を同時に紙材に転写する。紙材およびプレスダイを接
触させるとすぐに、ラッカーを紫外線照射または電子ビ
ームにより硬化する。このとき、ラッカーは紙材の表面
に付着し、ホログラムレリーフ構造体を有することにな
る。次の工程において、マスクを使用して、このレリー
フ構造体を真空蒸着設備において金属被覆する。薄い金
属層および微細レリーフ構造体を摩耗および破壊から保
護するために、さらなる工程においてホログラム領域に
保護層を設ける。
【0010】DE-A 25 55 215号から同様な方法が知られ
ている。この場合、加熱されたダイプレートによって熱
可塑性層をホットスタンピングフィルムから文書に転写
し、光マスキングを同時に熱可塑性層にエンボス加工す
る。エンボス加工後にのみ、キャリア基板を取り外し、
次いでレリーフ構造体を金属被覆する。
【0011】この手順、すなわち、まずエンボス加工
し、次いで金属被覆することは、金属層が微細レリーフ
構造体の輪郭を正確には再構成しないが、垂直または水
平の構造要素上の異なる堆積によって上記輪郭をぼかす
と言う重大な欠点がある。これは、堆積すべき金属層が
ほんの数ナノメートル厚である場合にも言える。従っ
て、ホログラムは同様にその明度のいくらかを失う。
【0012】金属被覆後にのみエンボス加工する別の手
順も同様に従来技術である。U.S.-C4,420,515 号は、例
えば、すでに金属被覆されたラッカー表面にレリーフ構
造体を設ける方法を開示している。際限なく循環する転
写バンドを連続的に金属被覆し、ラッカーが選択的に塗
布された文書と接触させる。ラッカーを硬化して金属を
転写バンドより大きい程度にまで結合し、かくして転写
バンドおよび文書を分離するときに金属被覆を転写バン
ドから部分的に取り外す。最後の工程において、基板上
に位置決めされた金属被覆済みラッカーにエンボス加工
を施す。
【0013】硬化されたラッカー層にエンボス加工を行
うので、エンボス加工されたレリーフは低い輪郭尖鋭性
を有する。従って、ホログラムの質はこの方法でも損な
われる。また、エンボス加工を高圧で行わなければなら
ず、ダイプレートが高い摩耗を受ける。
【0014】従って、本発明は上記欠点を回避しなが
ら、可及的に局所的に限定された金属層を基板に付ける
ための方法および装置を提供すると言う課題に基づいて
いる。特に、この方法および装置は、異なる二次条件下
での異なる基板上への融通性のあるホログラムの製造に
適している。
【0015】この課題の解決法は主請求項の特徴部分に
見られる。特別な実施例および展開は従属請求項の目的
である。
【0016】
【課題を解決する手段】本発明の基本観念は、事実上全
く変造なしでマスター構造体から転写すべき構造体を
得、最終の基板への転写中、転写すべき構造体もマスタ
ーの構造体も変化されたり損傷されたりしない場合にだ
け、表面構造体を最適な方式で作製して転写することが
できると言う点である。
【0017】従って、本発明によれば、転写すべき構造
体は、既存の平面金属層をエンボス加工することによる
のではなく、マスター構造体に金属層を“堆積”させ、
それにより金属層が、鋳型(cast) のようなマスター構
造体のすべての構造要素に充填し、これらの要素を覆う
ことによって調製される。従って、マスターおよび金属
層は互いに完全に補い且つ互いに密着接合される陰/陽
構造体を有している。転写中あるいはマスターからの金
属層の取り外し中、変化または損傷を回避するために、
金属層を最終基板に固定し、基板および接着層により機
械的に安定化した後にのみ、2つの構造体を分離する。
【0018】語「構造体」とは非常に一般的に意図され
ており、すなわち、極めて滑らかな反射表面であって
も、任意のレリーフ構造であってもよい。本発明にとっ
ては、特定の選択された、あるいは与えられた構造体を
事実上全く変造のない陽または陰の構造体として表し、
この構造体をほとんど変造なしに基板に転写することが
重要である。
【0019】語「ラッカー層」とは、金属層をその裏面
で損傷なしにその層内にプレスすることができるよう
に、金属層の転写中、接触時に軟質且つ粘着性にするこ
とができるすべての材料および物質を含む。それによ
り、金属層は、ラッカー層と密着接合し、基板表面と裏
の金属表面との間のすべての一様でない領域を補償する
一方、可及的に追加の硬化段階後、金属層をマスターか
ら完全に取り外すことができるようにしっかり付着す
る。
【0020】実際、これは下記の事項を意味している。
【0021】─金属層を堆積することによって、マスタ
ー構造体上に1:1の再現が行われる。
【0022】─基板およびマスターを接触させるとき十
分に軟質且つ粘着性であるラッカー層を金属層あるいは
基板の一方に付ける。
【0023】─基板を金属層と共にマスターから取り外
し、この際、ラッカー層は、マスターからの金属層の取
り外しを行い得、且つマスターから取られる構造体が保
持されるようにマスターからの分離後でも金属層を安定
化するような程度まで本来、安定である。
【0024】これにより、金属層中に存在する構造体は
基板に押しつけられている間は、マスター構造体により
安定化され、ついにはラッカー層がこの支持機能を受け
継ぐ。これに引続き、マスターからの分離、およびさら
なる安定化、環境影響からの保護、さらなる設計手段な
どのための可及的なさらなる処理が行われる。かかる手
段は、ラッカー層のさらなる硬化、保護ラッカー層を付
けること、盲スタンプに異なる構造体を設けること、イ
ンクによる過印刷などであることができる。
【0025】金属層の調製中、あるいはその転写中、点
状の機械的な力がマスター構造体に作用しないので、マ
スター構造体と、金属層に作製される構造体との両方に
ついて、作製操作および転写操作が極めて穏やかであ
る。この作製段階中、機械的摩耗を大いに排除すること
ができる。
【0026】マスター構造体のキャリアは、例えば、円
筒形プレスロール、エンドレスバンドまたはダイ等であ
ることができる。真空蒸着、電解または光分解のような
公知の金属被覆方法、および「ガスジェット蒸着(GJ
D)」、「スプレー蒸着」、「レーザ蒸着」等のような
名で技術的に知られている他の特別な方法を使用して金
属層が作製される。ラッカー層を異なる方法で硬化する
ことができる。例えば、液状融合接着剤を使用する場
合、ラッカー層を単に冷却することができ、多成分ラッ
カーを使用する場合、ラッカー層を加熱することがで
き、あるいは他の物質を使用する場合、ラッカー層に、
他のエネルギ、例えば、紫外線照射、マイクロウェーブ
照射、電子ビームによる硬化等を施すことができる。
【0027】本発明の方法は、金属被覆および転写操作
の両方を局所的に正確な様式で定めて構造化することが
できるので、局所的に限定された金属層を転写するのに
特に適している。
【0028】すでに説明したように、金属の平面要素
は、そこからこれらが基板に転写されるマスター構造体
を有する中間キャリア上に作製される。金属被覆を基板
自身上に直接行う公知の方法と異なって、この手順は、
基板への直接付着の場合に基板を破壊したり損傷したり
する方法を含めて、いずれの金属被覆方法をも使用する
ことができると言う利点をもたらす。
【0029】特に簡単な様式で金属の平面要素の輪郭形
状を変更する可能性をもたらす光分解方法、例えば、DE
-A 38 40 199号またはDE-A 38 40 200号に記載の光分解
方法を使用して金属被覆を行うことが特に有利である。
従って、特に経済的な方法で、一連の異なる平面要素ま
たは色々な追加の情報内容を有する平面要素を製造する
ことができる。
【0030】金属被覆操作は基本的には、次の工程を有
する。
【0031】─中間キャリアを調整し、すなわち、金属
被覆形成方法と協調されて金属被覆すべき中間キャリア
の領域を選択するための手段をとり、 ─中間キャリアを金属被覆し、 ─局部金属層を基板に転写し、 ─中間キャリアを清浄する。
【0032】光分解方法においては、中間キャリア(マ
スター)の調整を個々の工程、すなわち、 ─触媒または前駆体、例えば、酢酸パラジウムによりマ
スターの表面を感光化し、 ─紫外線照射により酢酸パラジウムを光活性化し、 ─感光化且つ活性化された平面領域に金属を堆積する、 工程に分割することができる。
【0033】これらの3工程のうちの1つまたはそれ以
上に選択的に影響を及ぼすことにより、連続的に調製さ
れた金属層の種々の変更例を得ることができる。例え
ば、マスターを局所的に限定された方法で感光化するこ
とができる。金属付着は触媒が存在するところでのみ起
こるので、次いで、すべての引き続く作業工程を大きい
表面にわたって行うことができる。変更例として、大き
い表面の感光化、次いで選択的活性化を行うことができ
る。この変更例は、このようにして、例えば制御された
UVレーザを使用して非常に微細な鋭く制限された線を
表示することができるので、特に有利である。これらの
構造体は、無電流金属被覆形成のために湿式薬品浴にお
ける全体的湿潤が引続き行われても、それらの微細性が
保持される。最後に、大きい表面にわたって感光化され
且つ活性化されたマスターに湿式薬品剤を限定された様
式で塗布することによって金属層の局所的限定を生じる
こともできる。
【0034】金属層の形態が幾つかのサイクル全体にわ
たって同じままであるなら、中間キャリアの繰り返し調
整なしに済ませてもよい。すなわち、中間キャリアは最
後の工程において完全には清浄されないが、金属残存物
がない。
【0035】ホログラムまたは回折構造体を付ける特別
な場合、本発明によれば、エンボス加工ロールに金属塗
布する。この結果、本発明のさらなる特徴が得られる。
本発明の方法によれば、初めにホログラムの製造または
エンボス加工、エンボス加工されたホログラムの金属被
覆、および金属被覆されたホログラムの転写を一連続法
で行うことができる。
【0036】これは、特に圧力シリンダがマスターおよ
び金属層用の中間キャリアとして作用する場合に、印刷
技術から知られている方法のすべての工程および公差範
囲を利用することができるので、金属被覆を引続き適用
することで、これまでの整合問題を解決しなければなら
ないときに特に有利である。また、本発明の方法は初め
て、平面要素の変更例において現在のデータを含ませる
可能性をもたらす。これは、例えば、紙幣、身分証明書
などの場合に有用である。何故なら、金属層の調製にお
いて通し番号、個人の文字数字データまたは画像データ
(写真!)を含ませることができるからである。
【0037】これらの利点および設計可能性と共に、金
属層がマスター構造体を完全に型取るので、マスター構
造体の完全に真の再現を達成する。すでに述べたよう
に、これはホログラム回折構造体等の光学特性に有利に
反映される。
【0038】本発明のさらなる利点および特別な実施例
は、図面を参照して説明する下記の実施例から現れるで
あろう。
【0039】
【実施例】図1は本発明の基本原理を概略的に示してい
る。この図によれば、第1のユニットにおいて、マスタ
ー1に金属層を設ける。初めに既に述べたように、マス
ター1はある種類の表面構造体3、図示の場合には表面
レリーフ、を有している。構造体3が正確なネガ構造体
として金属層2に存在するような方法で金属層2をレリ
ーフ3に付ける。金属層2は、好ましくは、局所的に限
定されているか、あるいは規定の輪郭を有している。
【0040】第2の作業(work)ユニットにおいて、基
板4を準備する。この基板は殆どいずれの種類の媒体で
もよい。この説明においては、基板は寸法決めされ、本
来粗い表面を有する紙幣材である。
【0041】局所的に限定されたラッカー(lacquer )
層を金属層2または基板4に付けるためのさらなる作用
ユニットとして、ラッカー塗布手段が設けられている。
ラッッカー層の局所的限定は、好ましくは、金属層2の
局所的限定に相当する。しかしながら、2つの輪郭が異
なり、それにより、金属層がラッカー層と一致するよう
な領域においてのみ、限定された様式で、マスターから
金属層を除去しなければならないことも考えられる。
【0042】ラッカー塗布後、マスター1、金属層2、
ラッカー層6および基板3を集合させてプレスする。矢
印7、8はプレス力を表している。
【0043】どのラッカーを使用するかにより、少なく
とも、金属層2および基板4に対する十分な付着と、金
属層2を同時に安定化しつつマスターの取り外しを可能
にする固有強度とを確保するような程度まで、ラッカー
層6を可及的に追加の手段により硬化する。ラッカー層
6が、マスター1および金属層2を集合後に冷却すると
きに比較的速く固化する加熱融合(heated fusion )接
着剤であれば、硬化を最も簡単に行うことができる。し
かしながら、赤外線、紫外線、マイクロ波、電子ビーム
等の作用下で硬化する物質も使用することができる。ラ
ッカー層が、両層をプレスして接着することができ、且
つ追加手段なしに金属層を取り外し、安定化することが
できるコンシステンシー(consistency )を有している
場合、望むなら、最終硬化がより遅い時点で起こること
もできる。
【0044】図1に示す最後のユニットにおいて、基板
4を金属層2と共に、例えば矢印9の方向に、マスター
1から取り外す。後の応用によっては、このように基板
に転写された金属層に、さらなる処理工程を施してもよ
く、例えば、この基板に透明な保護ラッカー層を設けて
もよい。これらのさらなる工程は専門家には良く知られ
ており、ここで説明するには及ばない。
【0045】以下に述べる実施例は、本発明の原理を適
用する種々の方法を説明している。
【0046】明確化のために、図1およびさらなる図
は、縮尺に忠実にまたは細部に忠実に表示しているわけ
ではない。それよりむしろ、これらの図は本発明の方法
を実施し得る基本的な構成を示している。諸図におい
て、機能的に同じ要素には、同じ参照番号を付してあ
る。実施例1 図2において、滑らかな表面を有する円筒形プレスロー
ルを電解により部分的に金属被覆し、接着剤塗布基板と
接触させる。
【0047】ウェッブ(web )形態の基板4、本例の場
合、紙材、をロール10により図2に示す搬送装置で搬
送する。ウェッブ材料4をプレスロール11へ送る前
に、このウェッブ材料4はラッカー塗布ユニット5を通
る。ここで、彫刻シリンダすなわちマスターシリンダ1
2を使用してウェッブ4に、ある表面領域において、透
明な接着剤を塗布する。
【0048】次いで、基板4は円筒形転写ロール11お
よび同様に円筒形の背圧ロール13により形成された転
写帯域を通る。塗布された基板4と金属によって被覆さ
れた転写ロール11との接触帯域において、例えば、電
子ビームまたは紫外線による重合により、接着剤の硬化
がさらに起こり得る。材料ウェッブ4のさらなる搬送
中、金属被膜2は中間キャリア11から取り外される。
さらなる処理ユニット14において、必要なら、金属被
覆領域2または材料ウェッブ4の全領域または大領域
に、透明な保護ラッカー層を設けることができる。この
ようにして金属の平面要素2を設けた材料ウェッブ4を
最終的にさらなる印刷ユニット15へ送って、文字と数
字の符号またはパターンを付ける。これらの符号または
パターンは金属被膜2の諸部分を覆ってもよい。また、
従来のインクの代わりに、可視スペクトル範囲で透明で
ある特徴物質を含有する特別なインクを使用することが
考えられる。適切な特徴物質は例えば蛍光物質、磁気顔
料または光沢のある顔料である。
【0049】図3は、保護ラッカー塗布ユニット14の
後の、金属が被覆された基板4の層構造を示している。
ユニット5において局所的に塗布された接着剤層6を基
板4上に直接配設する。この層6が透明であり、非常に
薄く、従って最終製品の視覚印象を害さないので、層6
の領域範囲は金属被覆2の寸法に正確に一致する必要は
ない。いずれの場合にも、接着剤層6の範囲は金属被覆
2より小さくてはいけない。何故なら、その結果、金属
転写が不完全になるからである。金属被覆2を摩耗およ
び破壊から保護するには、同様に透明な保護ラッカー層
16により金属被覆2を覆う。
【0050】図2に示す金属被覆ユニットにおいて、既
に述べたように、中間キャリア、ここでは円筒形ロール
11、に転写すべき金属の平面要素2を設ける。
【0051】この例では、転写ロール11を電解により
金属被覆する。ユニット19において、金属被覆すべき
でないシリンダの部分に電気絶縁材料、例えば、ラッカ
ー層、を塗布する。プレスロール11の回転方向に見
て、次のユニットにおいて、ロール11は直流浴(galv
anic bath )17を通る。浴に溶解された金属が、転写
シリンダ11および浴に存在する電圧により、ロール1
1の導電表面領域に堆積してロール表面に金属パターン
を生じる。次の洗浄ユニット18において、化学残留物
を除去する。そして、今、金属被膜2を基板に転写す
る。次いで、ユニット20において、いずれの金属残存
物を取り除いてロール11を清浄する。金属被膜の輪郭
(すなわち、形状)を変える場合、清浄ユニット20に
おいてロール11の電気絶縁被膜を同様に除去する。最
後に、ラッカー塗布ユニット19において、ロール11
を次の金属被覆サイクルのために準備をする。実施例2 図4は、上記円筒形転写ロールを光分解により部分的に
金属被覆し、接着剤が塗布された基板と接触させる、金
属被覆ユニットを示している。基板4の前/後処理およ
び金属領域の転写は実施例1と同様である。従って、対
応するさらなる処理ユニットは図4においては省略して
ある。
【0052】光分解は、半導体構成要素を金属被覆する
(DE-A 38 40 199号) 際、および電場を遮蔽するための
金属マットを製造する(DE-A 38 40 200号) 際に、数年
にわたり首尾良く使用されてきた現代の金属被覆方法で
ある。
【0053】金属被覆サイクルの初めに、中間キャリア
11を酢酸パラジウムフィルムで湿潤する。この目的の
ために、粉末状酢酸パラジウムを溶媒、例えば、クロロ
フォルムに溶解し、浸漬、スプレーまたは遠心法により
塗布する。図4は例として浸漬ユニット21を示してい
る。溶媒はすぐに蒸発して、薄い酢酸パラジウムフィル
ムを残す。その厚さは、溶液の濃度および塗布操作によ
り調整することができる。ユニット22において、金属
被覆すべきプレスロールの諸部分を紫外線にさらして露
光された箇所における選択的光核分裂(photofission)
により薄いパラジウム層を生じさせる。厚さがほんの数
nmであるこのパラジウム層は次の化学的金属被覆形成
のための活性剤として作用し、この化学的金属被覆形成
中、数ミクロメートルの厚さの銅層、ニッケル層および
金層を設けることができる。図4は中間キャリアロール
11を浸漬する金属被覆浴23を示している。他の変形
例では、適切な印刷方法、例えば、スクリーン印刷を使
用して、金属被覆を中間キャリア11に直接印刷するこ
ともできる。
【0054】清浄ユニット24において、酢酸パラジウ
ム残留物は露光されず、従って金属被覆されず、金属被
覆浴23からの液体のロール11上の残留物がゆすぎ除
去される。
【0055】金属2は酢酸パラジウムフィルムの活性化
箇所すなわち露光箇所と正確に一致して堆積されるの
で、この方法は、はっきり輪郭決めされた高分解能の露
光、例えばコンピュータ制御UVレーザビーム(例え
ば、エキシマーレーザ)を使用して、各露光操作におい
て異なるものを含めて、いずれの所望の微細に構造化さ
れた表面を金属被覆することができると言う極めて重要
な利点を有している。
【0056】金属被覆2を基板4に転写した後、ユニッ
ト25において中間キャリア11を清浄する。その後、
上記手順を周期的に繰り返す。
【0057】完成後の基板は、この実施例においては、
図3を参照して説明した実施例1におけるのと同じ層構
造を有している。実施例3 滑らかな表面を有するプレスロールの代わりに、例え
ば、図5に示すような円筒形の凸版ロール(letterpres
s roll)を使用することもできる。図示の例では、この
ロールは同様に光分解法により金属被覆される。また、
基板4の前/後処理は実施例1と同様である。
【0058】凸版ロール26を金属被覆する工程は実施
例2と同様である。プレスロール26の隆起領域27を
酢酸パラジウム21で湿潤し、これらの隆起領域27
に、転写すべき情報に応じた大きい表面にわたって、紫
外線22を照射する。金属被覆浴23に溶解された金属
を活性領域に堆積させ、清浄ユニット24において非露
光領域を清浄する。
【0059】基板4と隆起印刷領域27との接触帯域に
おいて、基板に先に塗布された接着剤を硬化し、従って
この接着剤により金属層2を基板4に結合する。金属被
覆サイクルが再び開始する前に、ユニット25において
印刷領域27を完全に清浄にする。実施例4 図6に示すこの実施例では、滑らかな表面を有するエン
ドレスバンド28が、電解により部分的に金属被覆さ
れ、接着剤が塗布された基板4と接触される中間キャリ
アとして作用する。
【0060】しかしながら、ここでは、基板は、中間キ
ャリア28から金属被膜2を取り外すラッカーの成分2
9で局所的に被覆されるだけである。次いで、前述した
実施例におけるように、基板4を転写帯域を通して搬送
し、実施例1に従って、可及的に後処理する。
【0061】金属被覆ユニットは、この場合、ロール3
0、31上を循環するエンドレスバンド28を備えてお
り、このバンド28は電解により金属被覆される。実施
例1に従って、エンドレスバンド28をユニット20、
19内に用意し、次いで直流浴17において、このバン
ド28を局所的に金属被覆する。ユニット18において
スプリアス(spurious)浴残留物を除去した後、取り外
し用ラッカーの第2成分32、例えば、転写すべき金属
層用の結合剤(bonding agent )および/または第1成
分用の硬化剤を金属被覆2に塗布する。転写帯域におい
て2成分が接触すると、特定の使用物質と協調しなけれ
ばならないエネルギの供給と共に硬化剤の拡散により、
促進硬化を起こして転写金属層と基板との非常に良好な
接合を行う。
【0062】上記他のすべての実施例において、この2
成分接着剤をもちろん使用することもできる。実施例5 金属被覆ユニットのさらなる変形例を図7に示す。基板
4の前/後処理は例1と同様である。従って、図7はエ
ンドレスバンド28を金属被覆するために必要な手段お
よび転写帯域を構成するロール13、30のみを示して
いる。
【0063】中間キャリア28の部分金属被覆はここで
は実施例2におけるように光分解法により行われる。金
属浴23における金属付着のために、ある箇所において
UV照射22により活性化された酢酸パラジウムフィル
ム21でエンドレスバンド28を湿潤する。ユニット2
4、25により、すでに述べたバンド2の清浄を行う。実施例6 この実施例における基板の前/後処理は、再び先行する
実施例に対応しているので、図8における表示は同様に
金属被覆ユニットおよび転写帯域に制限されている。こ
こでは、中間キャリアとして作用するエンドレスバンド
28を、マスクを介して真空コーティングにより部分的
に金属被覆する。
【0064】各金属被覆サイクル前に、ユニット33に
おいていずれの金属残存物をも除去してバンド28を清
浄する。被覆すべき領域の調整(conditioning)は、で
きるだけマスク35を使用して、真空室自身内で行われ
る。真空コーティング方法は真空蒸着または陰極線スッ
パリングであることができる。すでに述べたように、ロ
ール13、30間における基板4とエンドレスバンド2
8との接触帯域において、接着剤を硬化する、または、
冷却することにより、金属領域の転写を行う。
【0065】回折構造体、好ましくはホログラムを金属
被覆するのに、図2乃至8に示し且つ実施例1乃至6で
述べた基板を局所的に金属被覆する方法を非常に有利に
使用することもできる。この場合、中間キャリアをマト
リックスとして形成し、すなわち、この中間キャリア
は、従来技術によって基板上のラッカーにエンボス加工
された回折レリーフ構造体をその表面に有している。既
に述べたように、変更例として、ラッカーを中間キャリ
アの金属被覆領域に塗布し、金属層と同時に基板に転写
することができる。
【0066】感応性基板の代わりに、不感応性マトリッ
クスの本発明による金属被覆により、攻撃的化学薬品で
化学的金属被覆形成を行うことが可能となる。下記の実
施例は、マトリックスとして形成されたこのような中間
キャリアを有する金属被覆ユニットを説明するものであ
る。
【0067】上記の実施例に関連して方法の制御変更例
について述べたすべてを下記の実施例に容易に移すこと
ができる。実施例7 レリーフ表面構造体を有する円筒形プレスロールを電解
により部分的にあるいは全体にわたって金属被覆し、接
着剤が塗布された基板と接触させる。
【0068】図2に示す装置を基本的に使用することが
できる。円筒形プレスロール11のみがホログラムに対
応するレリーフ表面を有していなければならない。
【0069】基板4、例えば、紙ウェッブを、好ましく
は、彫刻シリンダすなわちマスターシリンダ12に設置
し、この基板4に局所的に、すなわち、ホログラムをエ
ンボス加工すべき箇所においてラッカー5を塗布する。
次いで、基板4を圧力ロール13と金属被覆されたマト
リックス36との間のエンボス加工および金属転写帯域
へ搬送する。円筒形マトリックス36は、基板4の局所
的被覆表面に対して正確に整合して設けられた、エンボ
スされた加工ホログラム構造体を有している。
【0070】実施例1において既に述べた電解方法によ
り、マトリックス36の表面レリーフを全体にわたって
あるいは部分的に金属被覆する。正確に整合した転写が
基板4上の被覆箇所により定められるので、金属被覆は
全体にわたって行うこともできる。しかしながら、マト
リックス36の部分的な金属被覆により、金属表面2
の、よりはっきりした輪郭決めが達成される。
【0071】被覆された基板4と取り外し可能に金属被
覆されたマトリックス36との接触帯域において、レリ
ーフ構造体をラッカーに忠実に転写する。同時に、ラッ
カーを、例えば、冷却、UV照射または電子ビームによ
る重合により硬化する。実施例1におけるように、ラッ
カーの硬化層が金属被覆をマトリックス36から取り外
す。
【0072】従って、レリーフ構造体のエンボス加工お
よび金属被覆形成を一操作で同時に行うので、ホログラ
ム製造における処理工程を省くことができる。
【0073】方法の他の工程は実施例1と同様である。実施例8 実施例2および図4について説明した金属被覆手段にお
いて、滑らかな表面を有する円筒形プレスロール11を
同様に円筒形のマトリックス36と交換し、光分解によ
り金属被覆する。実施例9乃至11 中間キャリアとしてエンドレスバンドを使用している実
施例4乃至実施例6で説明した金属被覆手段を、本発明
による組み合わせ式ホログラムエンボス加工/金属被覆
形成のために使用することもできる。これらの場合、エ
ンドレスバンド28はホログラムレリーフ構造体を支持
している。
【0074】図9は、基板4と接触される前に光分解に
より金属被覆されたエンボス加工バンド37(図7)の
一部を示している。エンドレスバンド37はレリーフ構
造体38を有している。レリーフ構造体38の上方に
は、酢酸パラジウムフィルムの光分解により生じた薄い
パラジウム層39が設けられている。このフィルムの未
露光領域はユニット24において除去されている。パラ
ジウム層39上には、金属2が堆積されている。この金
属2はパラジウム層39の輪郭形状を正確に有してお
り、レリーフ構造体38を正確に表示したものである。
【0075】金属被覆およびレリーフ構造体を同時転写
すれば、後に堆積される金属層がレリーフ構造体をぼか
すために金属被覆の後の塗布から生じる質の損失を回避
することができる。同時に、ラッカー層が基部の粗さを
補償するため、基板の表面構造体の悪影響を回避する。
【0076】それにもかかわらず、後に付加されるホロ
グラムの領域において基部を艶出しするための EP-A 0
440 045 号から知られている手段は、特別な状況下で必
要であれば、例えば、特に薄いラッカー層をある理由で
使用すべきであるので、勿論、行うことができる。
【0077】すでに説明したように、マトリックスの光
分解金属被覆形成は微細に構造化された金属表面を生じ
る可能性をもたらす。この事実は、特に、他の特徴との
組み合わせでホログラムを設計するときに、非常に有利
である。例えば、ホログラムには、背景プリントが見え
るままであるように線または縄編み模様を設けたり、ス
クリーンを設けたり(screened)することができる。ま
た、金属被覆に符号またはパターンの形態で凹部を設け
ることも考えられる。酢酸パラジウムを露光する可変の
可能性により、ホログラムに金属製番号の形態で連続番
号を設けることもできる。
【0078】金属被膜ができるだけ良好に付着すべきで
あると言う技術上の慣習的要件とは対照的に、本発明は
マスター表面への金属層の取り外し可能な付着を必要と
する。
【0079】これは良好な付着を生じさせるよりも重要
でない問題である。殆どの材料が互いに良好に付着せ
ず、殆どが追加の手段(表面を荒削りのような)を必要
する一方、劣った付着が被膜にとって普通であり、下記
のことを留意すれば、容易に達成することができる。
【0080】─「マスター」表面構造は「アンダカッ
ト」、「くぼみ」または「張出し部」を有してはいけな
いが、簡単な「丘部」および「谷部」のみを有しなけれ
ばならない。これは滑らかな表面またはホログラムレリ
ーフの場合に得られる。
【0081】─「マスター」物質および金属被覆物質は
化学的にあまりにも密接に関連してはならず、例えば、
黄銅上の銅は取り外し可能な接続を生じるには不適当で
あるが、アルミニウム上または多くのプラスチック上の
銅は適切である。
【0082】─光分解金属被覆形成中に前駆体の層厚お
よび活性化度を適合させることにより、金属層の取り外
し性を調整することができる。
【0083】─電流の強さ、従って堆積速度を変化させ
ることにより、電解コーティング中に層の付着を調整す
ることができる。速く堆積させることにより、取り外し
可能な膜が得られる。
【0084】─金属層を堆積させるとき、金属層にとっ
て劣った付着をもたらす物質から、直接、マスターモー
ルドを製造しようとしなければ、離型剤の単分子層を予
め塗布することによって取り外し可能な層を得ることが
できる。
【0085】最初の説明は、変形範囲が上記実施例によ
り尽くされてはいないということを示している。本発明
の方法は、基本的に、幾つかの非常に異なる変形例をも
たらす数個の機能性ブロックを含んでいる。特に下記の
事項を選択する際に、変形が現れる。
【0086】─中間キャリア(円筒形プレスロール、エ
ンドレスバンド、ダイ)、 ─構造(高光沢、マクロ構造、ミクロ構造、ホログラ
ム、回折格子等) ─金属被覆形成方法、 ─局所限定の種類(マスター上の限定された金属層また
は限定された接着剤層)、 ─接着剤の(金属層または基板上)設置、 ─接着剤および対応する硬化方法、 ─安定化等のための追加工程。
【0087】さらなる基本変形例は基板なしで済ませる
ことである。この実施例においては、ラッカーを金属中
間キャリア上で直接硬化し、自己支持フィルムとしての
金属層とともに取り外す。
【0088】上記実施例において可能性のある組み合わ
せのうちのほんの幾つかを示したが、これらの組み合わ
せは最終的選択を含んでいない。一般的な本発明の観念
内に入るさらなる組み合わせも同様に保護範囲に含まれ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本的な発明原理を示す図である。
【図2】円筒形プレスロールまたはマトリックスの電解
金属被覆形成および基板への金属被覆の転写を示す図で
ある。
【図3】金属転写後の基板の層構造を示す図である。
【図4】円筒形プレスロールまたはマトリックスの電解
金属被覆形成を示す図である。
【図5】円筒形凸版ロールの電解金属被覆形成および基
板への金属被覆の転写を示す図である。
【図6】印刷またはエンボス加工用エンドレスバンドの
電解金属被覆形成および基板への金属被覆の転写を示す
図である。
【図7】印刷またはエンボス加工用エンドレスバンドの
電解金属被覆形成を示す図である。
【図8】印刷またはエンボス加工用エンドレスバンドへ
の金属真空蒸着を示す図である。
【図9】光分解金属被覆されたエンボス加工バンドの層
構造を示す図である。
【符号の説明】
1…マスター 2…金属層 3…表面構造体 4…基板 5…ラッカー塗布ユニット 6…ラッカー層 7、8…プレス力 11…転写ロール 13…背圧ロール 17…直流浴 19…ラッカー塗布ユニット 22…紫外線 23…金属被覆浴 24…清浄ユニット 26…凸版ロール 27…隆起領域 28…エンドレスバンド 30、31…ロール 34…真空室 35…マスク 36…マトリックス 37…エンボス加工バンド 38…レリーフ構造体 39…パラジウム層

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、基板と、規定の表面構造体を
    有する金属層とを備えた、好ましくは変造防止紙、身分
    証明書等の多層データキャリアにおいて、金属層の表面
    構造体がマスター構造の輪郭尖鋭性を同一に再現するマ
    スター構造体の鋳型であることを特徴とする多層データ
    キャリア。
  2. 【請求項2】金属層を取り外し可能な形態で中間キャリ
    ア上に調製し、次いで基板に転写する、規定の表面構造
    を有する金属層を転写方法により基板上に作製する方法
    において、中間キャリア上に存在するマスター構造体上
    に金属層を取り外し可能な形態で作製し、この金属層を
    マスター構造体から基板へ直接転写し、金属層を転写時
    には軟質且つ粘性であるラッカー層と接触させ、可及的
    に硬化されたラッカー層により金属層の十分な固有安定
    化を確保した後にのみ、金属層を中間キャリアから分離
    することを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】前記硬化ラッカー層は基板を構成すること
    を特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】(a)転写すべきマスター構造体を中間キ
    ャリアに備え、 (b)金属層を可及的に局所的に限定された形態で中間
    キャリアのマスター構造体に付け、 (c)規定条件下で硬化可能であるラッカー層を金属層
    に塗布し、 (d)ラッカー層を硬化し、 (e)中間キャリアおよび硬化ラッカー層を分離し、同
    時にラッカー層と接触している金属層を中間キャリアか
    ら取り外す、 諸工程を有することを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】(a)転写すべきマスター構造体を中間キ
    ャリアに備え、 (b)金属層を可及的に局所的に限定された形態で中間
    キャリアのマスター構造体に付け、 (c)規定条件下で硬化可能であるラッカー層を、可及
    的に局所的に限定された形態で基板または金属層に塗布
    し、 (d)ラッカー層が十分に軟質且つ粘性である段階で金
    属層、ラッカー層および基板よりなる層構造体を集合さ
    せ、 (e)金属層を、基板上に可及的に配設されたラッカー
    層と接触させている間、ラッカー層を可及的に硬化さ
    せ、 (f)中間キャリアおよび基板を分離し、同時にラッカ
    ー層と接触している金属層を中間キャリアから取り外
    す、 諸工程を有することを特徴とする請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】工程(a)において、前記中間キャリア
    が、極めて滑らかな表面を備えていることを特徴とする
    請求項4または5記載の方法。
  7. 【請求項7】工程(a)において、前記中間キャリア
    が、回折構造体、特にホログラム、の形態の表面レリー
    フを備えていることを特徴とする請求項4または5記載
    の方法。
  8. 【請求項8】工程(b)において、前記金属層が、光分
    解、電解、真空蒸着、ガスジェット蒸着、スプレー蒸着
    またはレーザ蒸着により製造されることを特徴とする請
    求項4乃至5のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(e)または(d)において、温度変
    化により、あるいはUV、マイクロウェーブまたは電子
    線照射によりラッカー層を硬化することを特徴とする請
    求項4乃至8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】工程(c)の前に、塗布すべき領域にお
    いて基板を艶出しすることを特徴とする請求項5乃至9
    のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】金属層を転写した後、基板に後処理を施
    すことを特徴とする請求項5乃至10のいずれかに記載
    の方法。
  12. 【請求項12】金属層の領域において基板に保護ラッカ
    ーを設けることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】可及的にさらに金属層の領域において、
    基板に盲スタンプを印刷する、または設けることを特徴
    とする請求項4乃至11のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】工程(a)において円筒形プレスロー
    ル、凸版シリンダ、ダイ、またはエンドレスバンド上に
    マスター構造体を作製することを特徴とする請求項4乃
    至11のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】転写すべき金属層を中間キャリア上に調
    製し、次いでこの金属層を基板に転写する、転写方法に
    より規定の表面構造体を備えた金属層を基板上に作製す
    る装置において、前記装置が、その上に金属層が取り外
    し可能な形態で製造されるマスター構造体を備えた中間
    キャリアと、金属層を基板に転写するための転写手段と
    を有し、転写時には軟質且つ粘着性であるラッカー層に
    金属層がプレスされ、可及的に硬化されたラッカー層に
    より金属層の十分な固有安定化を確保した後にのみ、金
    属層を中間キャリアから分離することを特徴とする装
    置。
  16. 【請求項16】(a)基板および/または金属層にラッ
    カーを塗布するためのユニット(5、12、32)と、 (b)マスター構造体を備えた中間キャリア(11、2
    6、27、28、36)に金属層を付けるための少なく
    とも1つのユニットを備えた手段(17、18、19、
    20、21、22、23、24、25、33、35)
    と、 (c)中間キャリアと基板とを一時的に集合させるため
    のユニット(11、13、27、30、36)と、 (d)キャリア上の金属層が、軟質の粘性ラッカー層を
    介して基板と密着接触される箇所で、ラッカー層を完全
    に固化させる手段と、 を有していることを特徴とする請求項15記載の装置。
  17. 【請求項17】キャリア(28、36)は回折構造体、
    特にホログラム、の形態の表面レリーフを有しているこ
    とを特徴とする請求項15または16記載の装置。
  18. 【請求項18】中間キャリア(11、27、28)が極
    めて滑らかな表面を有していることを特徴とする請求項
    15または16に記載の装置。
  19. 【請求項19】中間キャリアが円筒形プレスロール(1
    1、36)、エンドレスバンド(28)、凸版シリンダ
    (26)またはダイであることを特徴とする請求項15
    乃至18のいずれかに記載の装置。
  20. 【請求項20】手段(b)は下記の手段、 (e)電気絶縁材料を塗装すべきでない中間キャリアの
    領域を設けるためのコーティングユニット(19)と、 (f)中間キャリアの導電性領域に金属を塗布するため
    の電解浴(17)、 を有していることを特徴とする請求項16乃至19のい
    ずれかに記載の装置。
  21. 【請求項21】ユニット(e)の前、且つ可及的にユニ
    ット(f)の後に、清浄手段(18、20)が設けられ
    ていることを特徴とする請求項20記載の装置。
  22. 【請求項22】手段(b)は下記の手段、 (e)中間キャリアを酢酸パラジウムフィルムで湿潤す
    るための湿潤ユニット(21)と、 (f)酢酸パラジウムを、可及的に局所的に、活性化す
    るためのUV露光ユニット(22)と、 (g)露光された酢酸パラジウム領域を金属被覆するた
    めの金属被覆ユニット(23)、 を有していることを特徴とする請求項14乃至19のい
    ずれかに記載の装置。
  23. 【請求項23】ユニット(e)の前、且つ可及的にユニ
    ット(f)の後に、清浄手段(24、25)が設けられ
    ていることを特徴とする請求項22記載の装置。
  24. 【請求項24】手段(b)は下記の手段、 (e)中間キャリアに、可及的にマスク(35)を介し
    て、金属層を設けるための真空コーティング手段(3
    4)と、 (f)清浄手段(33)、 を有していることを特徴とする請求項14乃至19のい
    ずれかに記載の装置。
  25. 【請求項25】真空コーティング手段(34)は真空蒸
    着設備または陰極スパッタリング設備であることを特徴
    とする請求項24記載の装置。
  26. 【請求項26】請求項5乃至14のいずれかに記載の方
    法により製造された、好ましくは変造防止紙である、多
    層データキャリア。
  27. 【請求項27】好ましくは変造防止紙である、多層デー
    タキャリアを製造するための請求項15乃至25のいず
    れかに記載の装置の用途。
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