JPH0679962B2 - 熱膨張性黒鉛の製造方法 - Google Patents

熱膨張性黒鉛の製造方法

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JPH0679962B2
JPH0679962B2 JP4133158A JP13315892A JPH0679962B2 JP H0679962 B2 JPH0679962 B2 JP H0679962B2 JP 4133158 A JP4133158 A JP 4133158A JP 13315892 A JP13315892 A JP 13315892A JP H0679962 B2 JPH0679962 B2 JP H0679962B2
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graphite
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concentrated sulfuric
hydrogen peroxide
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慎 木村
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Chuo Kasei Co Ltd
Sumikin Kako KK
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Chuo Kasei Co Ltd
Sumikin Kako KK
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/20Graphite
    • C01B32/21After-treatment

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NOx 公害やクロム公
害等がない熱膨張性黒鉛の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に黒鉛は平坦な六員環重合体層が重
なり合った六方晶系結晶であり、各層間の結合力は非常
に弱い。従ってこの黒鉛の六員環重合面の層と層との間
に種々の物質を挿入することによって黒鉛層間化合物を
生成することができる。この黒鉛層間化合物は、挿入物
質の種類によっては、加熱することによって挿入物質を
活性化させて流体圧を発生させ、黒鉛間の層間を大きく
拡げて膨脹させることができるので、いゆる熱膨張性黒
鉛として知られている。
【0003】このような熱膨張性黒鉛は、発煙硫酸や硫
酸と濃硝酸、硝酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、クロム
酸、クロム酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤の混合液に黒
鉛を浸漬して反応させることによって生成される黒鉛層
間化合物を水洗、乾燥することによって従来から製造さ
れている。しかし硝酸や硝酸塩を使用する方法では反応
に際して濃厚なNOx が発生して作業環境を悪化させる
おそれがあり、また過塩素酸や過塩素酸塩のようなハロ
ゲンの酸素酸や酸素酸塩、あるいはクロム酸やクロム酸
塩、重クロム酸塩等のクロム化合物では腐食性が激し
く、また6価クロムイオンによるクロム公害を引き起こ
す危険性があるという種々の問題がある。
【0004】そこでこのような問題のない熱膨張性黒鉛
の製造方法が、本出願人によって特公昭60−3449
2号公報として提供されている。すなわちこの方法は、
濃硫酸と過酸化水素の作用で生成するペルオキソ一硫酸
で黒鉛を処理するようにしたものであり、上記のような
硝酸類や過塩素酸類、クロム酸類を使用しないために公
害等の問題なく熱膨張性黒鉛を製造することができるも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ペルオキソ一硫酸の生
成反応及びその分解反応は次の通りであり、 H2 SO4 +H22 ⇔H2 SO5 +H2 O H2 SO5 ⇒H2 SO4 +1/2O2 前記特公昭60−34492号公報における濃硫酸と過
酸化水素の作用で生成するペルオキソ一硫酸は酸化力が
強く、反応性高く黒鉛を処理することができ、黒鉛層間
化合物を非常に迅速に生成させることができる。上記の
硝酸等を酸化剤として用いるものが反応終了まで数時間
から数日必要であるのに対して、数分から数十分で反応
が終了する。このことは生産効率の上では非常に優れた
特長であるが、その反面、反応を制御して反応時間を調
整することは非常に困難である。
【0006】熱膨張性黒鉛の加熱時の膨張率を変えるた
めには、酸化剤の量を管理するか、あるいは反応時間を
管理するかいずれかが必要であるが、酸化剤の量の調整
では膨張率を精密に制御することが難しいのに対して、
反応時間を調整することによって容易に且つ精密に膨張
率を制御することができる。しかし上記のように反応時
間が短か過ぎると反応時間を調整して膨張率を制御する
ことは事実上不可能になるものである。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、濃硫酸及び過酸化水素で黒鉛を処理することによ
って膨張性黒鉛を製造するにあたって、膨張率を精密に
制御することができるようにすることを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、濃硫酸及び過
酸化水素で黒鉛を処理することによって熱膨張性黒鉛を
製造するにあたって、アミノカルボン酸類とフェノール
類の少なくとも一方を反応抑制剤として配合して濃硫酸
及び過酸化水素で黒鉛を処理することを特徴とするもの
である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、黒鉛としては特に制限なく、例えば天然黒鉛、
熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛など熱膨張性黒鉛の製造に用
いられるあらゆるものを使用することができる。この黒
鉛を濃硫酸と過酸化水素で処理するにあたっては、先ず
濃硫酸に過酸化水素を60℃以下、好ましくは20℃以
下に冷却しながら混合する。濃硫酸としては濃度90%
以上、望ましくは95〜98%のものを用いるのが好ま
しく、過酸化水素としては濃度30%〜60%のものを
用いるのが好ましい。また濃硫酸と過酸化水素との混合
比率は、濃硫酸100重量部に対して過酸化水素2.0
重量部〜5.0重量部の範囲が好ましい。
【0010】次いでこれに反応抑制剤を混合する。反応
抑制剤としては、グルシン、α−アミノ酪酸、アセチル
アミノ酢酸、ロイシン、アラニン、グリシン、グルタミ
ン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノ
カルボン酸類や、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル、カルバクロール、チモール、ナフトール、カテコー
ル、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロール、フロ
ログルシン等のフェノール類を使用することができる。
これらは一種を単独で、あるいは複数種を組み合わせて
用いることができる。反応抑制剤の配合量は、硫酸重量
の0.1ppm〜10%、好ましくは100ppm〜5
000ppmの範囲に設定するのがよい。また、反応抑
制剤を添加するにあたって、濃硫酸と過酸化水素とを混
合した後に反応抑制剤を添加するようにしても、あるい
は濃硫酸に反応抑制剤を添加してその後に過酸化水素を
添加するようにしても、いずれも問題はない。
【0011】そして、この混合液を良く攪拌しながら上
記原料黒鉛を投入すると、濃硫酸と過酸化水素とにより
生じたペルオキソ一硫酸が黒鉛に作用し、黒鉛層間化合
物が生成される。この黒鉛層間化合物を水洗等して乾燥
することによって、熱膨張性黒鉛を得ることができる。
このとき、反応抑制剤を使用しないときには、反応は5
分〜30分で終了するが、反応抑制剤を使用することに
よって反応を抑制して黒鉛層間化合物を生成する反応が
徐々に進行するようにすることができ、熱膨張性黒鉛の
加熱膨張率が最大膨張率に達するまで例えば数時間の反
応時間を要するようにすることができるものである。こ
のように、反応を抑制して反応時間が長時間になるよう
にすることによって、所定の時間で反応を停止させるこ
とにより熱膨張性黒鉛を加熱して膨張させる際の膨張率
を所定の膨張率に精密に制御することが容易になるもの
である。
【0012】尚、硫酸に反応抑制剤を混合してこれに黒
鉛を投入してスラリー状にした後に、過酸化水素を滴下
して混合することによって、黒鉛層間化合物を生成させ
ることも可能であるが、この方法では黒鉛層間化合物の
生成が不均一になって膨張率の精密な制御が困難にな
る。従って本発明では濃硫酸に過酸化水素を作用させて
ペルオキソ一硫酸を生成させ、そしてこれに黒鉛を投入
してペルオキソ一硫酸を含有する濃硫酸で黒鉛を処理す
るようにするのが好ましい。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によって例証する。 (実施例1) 98%濃硫酸 …300重量部 60%過酸化水素 …5重量部 フェノール …0.09重量部 中国産鱗片状天然黒鉛 …100重量部 上記配合で、濃硫酸を500mlのビーカーにとり、2
0℃以下に冷却しながら濃硫酸に過酸化水素を混合し
た。これにフェノールを溶解した後に、攪拌しながら黒
鉛を投入して反応させた。そして、この反応を0.5時
間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間でそれぞ
れ停止して終了させた。反応の停止は、上記反応混合物
のスラリーを800重量部の水中に投入して濃硫酸の濃
度を希釈することによっておこなった。次にこれをブフ
ナー漏斗で吸引濾過して反応で生成した黒鉛層間化合物
を回収し、これを1000重量部の水で洗浄すると共に
希アンモニア水で洗浄した後にさらに少量の水で洗浄
し、100℃で乾燥することによって熱膨張性黒鉛を得
た。
【0014】次に、1000℃に保持された電気炉内に
10分以上保持して加熱した250ccの石英ガラスビ
ーカーを炉外に取り出し、直ちにこのビーカーに上記の
ようにして得た熱膨張性黒鉛0.5gを素早く投入して
再び炉に入れ、そのまま10秒間保持することによっ
て、熱膨張性黒鉛を膨張させた。そしてこの後に炉外に
取り出した膨張黒鉛の容積を測定し、容積/重量比(c
c/g)を算出した。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】(実施例2) 98%濃硫酸 …300重量部 60%過酸化水素 …5重量部 EDTA …0.09重量部 中国産鱗片状天然黒鉛 …100重量部 上記配合で、実施例1と同様にして熱膨張性黒鉛を得
た。さらにこのようにして得た熱膨張性黒鉛を実施例1
と同様にして膨張させ、容積/重量比(cc/g)を算
出した。結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】(比較例) 98%濃硫酸 …300重量部 60%過酸化水素 …5重量部 中国産鱗片状天然黒鉛 …100重量部 上記配合で、実施例1と同様にして熱膨張性黒鉛を得
た。さらにこのようにして得た熱膨張性黒鉛を実施例1
と同様にして膨張させ、容積/重量比(cc/g)を算
出した。結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】反応抑制剤を用いた実施例1や実施例2の
ものでは、表1及び表2にみられるように、最大膨張率
になるまでの反応時間は5時間であり、反応途中の所定
時間で反応を停止させて終了させることによって、反応
時間に応じた所望の膨張率に制御するとができるもので
あった。これに対して反応抑制剤を用いない比較例のも
のでは、0.25時間の反応で最大膨張率に近くまで、
さらに0.5時間の反応で最大膨張率に達するまで反応
が進行しており、反応途中で反応を停止させても所望の
膨張率に制御することは不可能であった。
【0021】
【発明の効果】上記のように本発明は、濃硫酸及び過酸
化水素で黒鉛を処理することによって熱膨張性黒鉛を製
造するにあたって、アミノカルボン酸類とフェノール類
の少なくとも一方を反応抑制剤として配合して濃硫酸及
び過酸化水素で黒鉛を処理するようにしたので、反応抑
制剤で反応を抑制して反応時間が長くなるようにするこ
とができるものであり、反応を所定の時間で停止させる
ことによって、熱膨張性黒鉛を加熱して膨張させる際の
膨張率を所定の膨張率に精密に制御することができるも
のである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃硫酸及び過酸化水素で黒鉛を処理する
    ことによって熱膨張性黒鉛を製造するにあたって、アミ
    ノカルボン酸類とフェノール類の少なくとも一方を反応
    抑制剤として配合して濃硫酸及び過酸化水素で黒鉛を処
    理することを特徴とする熱膨張性黒鉛の製造方法。
  2. 【請求項2】 濃硫酸に過酸化水素を作用させてペルオ
    キソ一硫酸を生成させ、ペルオキソ一硫酸を含有する濃
    硫酸で黒鉛を処理することを特徴とする請求項1に記載
    の熱膨張性黒鉛の製造方法。
JP4133158A 1992-05-26 1992-05-26 熱膨張性黒鉛の製造方法 Expired - Lifetime JPH0679962B2 (ja)

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