JPH06287528A - 炭素繊維成型断熱材用高純度接着剤 - Google Patents

炭素繊維成型断熱材用高純度接着剤

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JPH06287528A
JPH06287528A JP7204893A JP7204893A JPH06287528A JP H06287528 A JPH06287528 A JP H06287528A JP 7204893 A JP7204893 A JP 7204893A JP 7204893 A JP7204893 A JP 7204893A JP H06287528 A JPH06287528 A JP H06287528A
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JP
Japan
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adhesive
resin
solvent
carbon fiber
insulating material
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JP7204893A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kawamata
裕 川俣
Akio Kato
明男 加藤
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明により、高温下で使用しても、環境を
汚染しない炭素繊維成型断熱材用接着剤を得る。 【構成】 樹脂、溶剤および高純度化処理された炭素フ
ィラーから成る炭素繊維成型断熱材用接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温炉用の、とりわけ高
純度であることが要求される半導体引上げ炉用等の炭素
繊維成型断熱材用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維成型断熱材は高温炉用の断熱材
として広く使用されている。特に炭素繊維フェルトや炭
素繊維ウェッブ等に熱硬化性樹脂等を含浸させ、板状、
円筒状等に成型した後炭化、黒鉛化して得られる炭素繊
維成型断熱材は、保形性があり取扱いが容易であるこ
と、炭素繊維粉の脱落等が少ないこと、等の利点があり
現在の主流となっている。
【0003】しかし、成型品であるが故に複雑な形状の
ものを製造することは困難である。一方、半導体引上げ
炉用断熱材に代表される様に炭素繊維断熱材に要求され
る形状は複雑化する方向に向っている。この要求に応じ
るひとつの方法として、幾つかの炭素繊維断熱材のピー
スを接着剤で貼り合わせて所定の形状となし、次いでこ
れを加熱処理して完全に接着された一体物とする方法が
あり、そのための接着剤が提案されている(特公昭56
−39353、特開平−300983各号公報)。ま
た、炭素製品用の接着剤として既に各社よりの市販品が
ある(ジグリ社“V−58a”、大日本インキ化学工業
社“GC−HS)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各接着
剤はそのほとんどすべてが樹脂、炭素フィラー、溶剤と
からなる系であるが、灰分量に代表される不純物量が多
く、これを使用した場合は、断熱材本体自身は例えば灰
分量30ppm以下の純度で製造しうるのに、接着一体
化品はより多くの灰分を持つ様になってしまう。
【0005】断熱材本体自身は通常2000℃以上の高
温で処理されているので、断熱材を炉に装着し、炉を運
転しても断熱材中に含まれる灰分が揮散し炉内を汚染す
ること、ひいては被処理物を汚染することはほとんどな
い。しかし、接着剤によって持ち込まれる灰分は高温処
理されていないため炉の運転によって揮散して炉内を汚
染し、被処理物を汚染するという課題が生じた。
【0006】この様な汚染は例えば半導体引上げ炉にお
ける半導体結晶にとっては致命的なものであり、炉内材
料の高純度化が強く望まれている。断熱材も含め、黒鉛
系の炉内材料を高純度化する方法としては例えば、塩素
ガスの雰囲気下で2000℃以上の高温加熱する方法が
知られているが、再度の高温処理をするという意味で不
経済であるし、断熱材の様な低密度製品では消耗の恐れ
もあり、より簡易な方法で灰分の揮散を生じない断熱材
を得ることが課題となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は市販の炭素
製品様接着剤を分析した結果、接着剤全体としての灰分
量は数千ppm有るものの、そのほとんど総てが配合さ
れている黒鉛粉、カーボンブラック粉等の炭素フィラー
に由来することを見出した。さらにこれを高純度化処理
して例えば50ppm以下の灰分量にしておけば、例え
ば2500℃以上の高温にさらされたとしても実質的に
それ以上の灰分の揮散が起らないことを見出し発明を完
成した。
【0008】すなわち本発明の要旨は樹脂と溶剤および
炭素フィラーから成る接着剤において、高純度化処理さ
れた炭素フィラーを使用することを特徴とする炭素繊維
成型断熱材用高純度接着剤にある。以下本発明をより詳
細に説明する。本発明で使用する炭素フィラーは例えば
1000℃以上に加熱した時に形状が変化することな
く、かつ寸法が大きく変るものでなければ、特に制限は
ないが、特に本発明の目的に合うものとして炭素樹脂粉
や人造あるいは天然の黒鉛粉が挙げられる。
【0009】これらの炭素フィラーは通常数十〜数千p
pmの灰分量を有するので本発明の目的に適う様にすべ
く高純度化処理を行なう。高純度化の方法としては例え
ば以下の様な方法が挙げられる。最も単純な方法は20
00℃以上の高温で、好ましくは2500℃以上の高温
で加熱する方法である。
【0010】不純物は金属あるいはアルカリ土類金属等
およびそれらの酸化物、炭化物、窒化物等から成るが、
それぞれ固有の蒸発、分解あるいは昇華温度を持ってお
り、その温度より高い温度にさらされると炭素フィラー
中から揮散してゆく。ただし、酸化物、炭化物、窒化物
等の中には蒸発、分解あるいは昇華温度が2500℃を
越えるものがあるのでそれらの含有割合が多いものや、
全体の不純物量が多いものは、他の方法との組合わせで
高純度化処理することが望ましい。
【0011】高温によって不純物を揮散させる方法を進
めた方法としてハロゲンガス雰囲気中で高温加熱する方
法がある。ハロゲン化合物は酸化物、炭化物、窒化物等
に比べてはるかに蒸発、揮散する温度が低いので、ハロ
ゲンガス雰囲気中で加熱することによって、それらの酸
化物、炭化物、窒化物等をハロゲン化合物に転換させ、
相対的に低い温度で揮散させることができる。
【0012】この方法は装置が複雑になること、および
均一なガスの拡散を図る必要がある等運転も難しくなる
といった問題はあるが、黒鉛材料の高純度化処理方法と
しては良く知られた方法である。高温での処理に頼らな
い別の方法としては弗酸、塩酸等の無機酸類で洗浄する
方法が挙げられる。
【0013】不純物種である金属あるいはアルカリ土類
金属等およびそれらの酸化物、炭化物、窒化物等を酸に
よって溶解除去する方法であり、酸溶液の浸透しがたい
ブロック材の様なものには向かないが、また不純物種に
よっては酸に溶解しがたいものもないわけではないが、
簡便容易な方法であり、本発明の対象である粉状物には
適した方法である。
【0014】本発明ではこれらの手段を適宜使用して炭
素フィラーを高純度化するが、高純度化の効果と処理の
容易さ、コストを考え併わせると酸で洗浄する方法が最
も適した方法といえる。通常もとの不純物量が1000
ppm程度までならば酸での洗浄だけでも充分な効果が
得られるが、もし不足な場合はさらに高温での処理を行
なうといったことを行なえば良い。
【0015】上述のような方法によって炭素フィラーの
灰分量を50ppm以下、好ましくは30ppm以下に
なるまで高純度化して本発明の接着剤に使用する。この
レベルまで高純度化してなお残る不純物は著しく除去し
がたいものであり、それ故に実際の炉中で使用した場合
にも最早炉内を汚染する恐れはほとんどなく、実質的に
は不純物を含まないものと同等とみなせる。
【0016】そして炭素繊維粉を炭素フィラーとして使
用する場合は繊維径が20μm以下であり、長さが10
〜50μmの範囲であることが好ましい。径、長さがこ
の範囲を外れると炭素性成型断熱材への接着剤の浸透が
なくなり、炭素繊維成型断熱材と複合された接着剤層の
形成ができなくなり、接着強度の劣った、靱性のない接
着剤層となってしまう。また上限を超えると接着中の均
一な分散が困難になるとともに、塗布性も低下する。
【0017】炭素繊維の種類には特に制限はなくPAN
系、ピッチ系、フェノール樹脂系等いずれも好適に用い
ることができる。一方黒鉛粉を炭素フィラーとして使用
する場合は平均粒径が30〜70μmであり、200μ
m以上の粒径のものを含まないものであることが好まし
い。この範囲を外れると炭素繊維粉をフィラーとした場
合と同様、複合化された接着剤層の形成が阻害された
り、また分散性、塗布性に問題を生じる恐れがある。
【0018】本発明で使用する樹脂は粘結性があって溶
剤に可溶であり、加熱によって炭化するものであれば制
限されるものではないがフェノール樹脂、フラン樹脂等
が、とりわけフェノール樹脂が好適に使用できる。ま
た、溶剤は上記樹脂を溶解できるものであれば制限はな
いがアルコール類、ケトン類等、とりわけメタノール、
エタノール、プロピルアルコール等のアルコール類が好
適に使用できる。
【0019】本発明において、上記の溶剤および高純度
化された炭素フィラーの配合は、重量比で樹脂1に対
し、それぞれ0.5〜1.0、0.5〜1.0が好適で
ある。上記各成分をダマ等がなくなるまで攪拌混合する
ことによって目的とする炭素繊維成型断熱材用の高純度
接着剤を得ることが出来る。この接着剤は組成の変化、
変質を防ぐため、使用の都度必要量を調合するか、また
は調合後に密栓のうえ冷凍庫中等の冷暗所に保管するこ
とが好ましい。
【0020】炭素繊維成型断熱材の接着は通常この接着
剤を、接着する双方のピースの接着面に、ハケ塗り、ロ
ーラー塗り、ヘラ塗り等の方法で0.1〜5g/c
2 、好ましくは0.5〜2g/cm2 塗布し、接着面
を突合わせて固定する。固定は金属ピン、黒鉛ピン等を
使用するか、あるいは荷重を与えることによって行な
い、このままの状態で120〜130℃で10〜300
分加熱し樹脂分を熱硬化させる。これによってある程度
の強度が発現し、接着が保たれるので、固定に使用した
ピンを取外き、あるいは荷重を外し、次いで不活性雰囲
気下中で800℃以上に加熱する。この処理によって接
着剤は完全に炭素質に変換するとともに最大の接着力を
発現する様になる。接着から、最後の加熱処理に至るま
での工程は高純度化品の製造という目的に従い、再汚染
のない環境のもとで行われることが望ましい。
【0021】
【実施例】
(実施例−1)日本黒鉛工業(株)製黒鉛粉“CB−1
50”(径63μm以下、75〜90%、灰分10,0
00ppm)を50%弗酸水溶液中で72時間浸漬洗浄
した後35%塩酸水溶液中で72時間浸漬洗浄し、次い
で水洗、乾燥して灰分330ppmの黒鉛粉とした。さ
らにこの黒鉛粉をアルゴン雰囲気中2650℃まで加熱
し、灰分量28ppmの黒鉛粉を得た。この高純度化処
理した黒鉛粉0.45重量部を、群栄化学(株)製レゾ
ール型フェノール樹脂“PL−2211”(樹脂分60
%、溶剤にメタノール40%)1重量部と混合、充分に
攪拌して接着剤を得た。
【0022】この接着剤302gをシャーレ上に採り、
−200mmHgの減圧下で48時間放置して溶剤を揮
散させ、次いで140℃で4時間加熱して樹脂分を熱硬
化させた。さらにこの硬化品を窒素雰囲気下1000℃
まで加熱して接着剤の炭化物159gを得た。この接着
剤の炭化物を空気中800℃で灰化して灰分量を測定し
た所20ppmであった。一方、同じ様にして得た接着
剤の炭化物をアルゴン雰囲気中2400℃まで加熱した
後に灰分量を測定した所16ppmであった。すなわ
ち、差の4ppm分が汚染物質として炉内に揮散したと
考えられる。
【0023】(比較例−1)実施例1で使用したのと同
じ日本黒鉛工業(株)製黒鉛粉“CB−150”0.4
5重量を何の処理を行うことなくそのまま、群栄化学
(株)性レゾール型フェノール樹脂PL−2211(樹
脂分60%、溶剤=メタノール40%)1重量部と混
合、充分に攪拌して接着剤を得た。
【0024】この接着剤を実施例1の場合と同様に処理
して接着剤の炭化物を得、その灰分量を測定した所48
00ppmであった。一方、同じ様にして得た接着剤の
炭化物をアルゴン雰囲気中2400℃まで加熱した後に
灰分量を測定した所280ppmであった。すなわち、
差の4520ppm分が汚染物質として炉内に揮散した
と考えられる。
【0025】
【発明の効果】本発明により、高温下で使用しても環境
を汚染しない炭素繊維成型断熱材用接着剤を得ることが
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂、溶剤および高純度化処理された炭
    素フィラーから成る炭素繊維成型断熱材用接着剤。
  2. 【請求項2】 該炭素フィラーの灰分量が50ppm以
    下である請求項1記載の接着剤。
  3. 【請求項3】 該炭素フィラーが径20μm以下、長さ
    10〜50μmの炭素繊維粉である請求項1又は2に記
    載の接着剤。
  4. 【請求項4】 炭素フィラーが平均粒径30〜70μm
    であり、200μm以上の粒径のものを含まない黒鉛粉
    である請求項1又は2記載の接着剤。
JP7204893A 1993-03-30 1993-03-30 炭素繊維成型断熱材用高純度接着剤 Pending JPH06287528A (ja)

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JP7204893A JPH06287528A (ja) 1993-03-30 1993-03-30 炭素繊維成型断熱材用高純度接着剤

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JP (1) JPH06287528A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002093777A (ja) * 2000-07-11 2002-03-29 Nisshinbo Ind Inc ドライエッチング装置
EP1881049A4 (en) * 2005-04-22 2011-07-27 Kureha Corp ADHESIVE AGENT FOR THERMALLY INSULATING MATERIAL AND CARBON LAMINATE FOR THERMALLY INSULATING MATERIAL USING THE SAME

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002093777A (ja) * 2000-07-11 2002-03-29 Nisshinbo Ind Inc ドライエッチング装置
EP1881049A4 (en) * 2005-04-22 2011-07-27 Kureha Corp ADHESIVE AGENT FOR THERMALLY INSULATING MATERIAL AND CARBON LAMINATE FOR THERMALLY INSULATING MATERIAL USING THE SAME

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