JPH0679665B2 - 弗素吸着剤 - Google Patents
弗素吸着剤Info
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- JPH0679665B2 JPH0679665B2 JP12709285A JP12709285A JPH0679665B2 JP H0679665 B2 JPH0679665 B2 JP H0679665B2 JP 12709285 A JP12709285 A JP 12709285A JP 12709285 A JP12709285 A JP 12709285A JP H0679665 B2 JPH0679665 B2 JP H0679665B2
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- adsorbent
- cerium
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水中に低濃度に溶存する弗素を高い効率で選
択的に除去することのできる吸着剤に関する。さらに、
本発明は、飲料水の原水または産業排水中に溶存する弗
素を吸着除去し、該吸着剤は簡単な操作で吸着イオンを
脱着、再生し、繰り返し使用可能な、操作性、経済性の
高い吸着剤に関する。
択的に除去することのできる吸着剤に関する。さらに、
本発明は、飲料水の原水または産業排水中に溶存する弗
素を吸着除去し、該吸着剤は簡単な操作で吸着イオンを
脱着、再生し、繰り返し使用可能な、操作性、経済性の
高い吸着剤に関する。
(従来の技術) 元来、自然界において弗素は極く微量、例えば海水中に
1.2〜1.4ppm、河川水中に通常0.1〜0.3ppm程度溶存する
が、この程度の量は生態学的環境として支障がない。し
かし、火山活動による弗化水素の排出により、地下水中
の弗素イオン濃度が10ppmを越えることが知られてお
り、また、産業排水、特に金属精練、金属表面処理、ガ
ラス、窯業工業、電子工業、化学工業等から排出される
弗素排水は濃度が高く、かつ近年の弗素化学の進歩によ
り、これら工業からの弗素の排出は日々増加している。
1.2〜1.4ppm、河川水中に通常0.1〜0.3ppm程度溶存する
が、この程度の量は生態学的環境として支障がない。し
かし、火山活動による弗化水素の排出により、地下水中
の弗素イオン濃度が10ppmを越えることが知られてお
り、また、産業排水、特に金属精練、金属表面処理、ガ
ラス、窯業工業、電子工業、化学工業等から排出される
弗素排水は濃度が高く、かつ近年の弗素化学の進歩によ
り、これら工業からの弗素の排出は日々増加している。
このような高濃度の弗素含有水は、環境水として人体お
び動植物に種々の悪影響をおよぼすことから、できるだ
け低水準に維持、管理されなければならず、このような
見地から水質基準として、飲料水の場合には0.8ppm以
下、また、産業排水の場合15ppm以下にしなければなら
ないことが規定されている。
び動植物に種々の悪影響をおよぼすことから、できるだ
け低水準に維持、管理されなければならず、このような
見地から水質基準として、飲料水の場合には0.8ppm以
下、また、産業排水の場合15ppm以下にしなければなら
ないことが規定されている。
水中に溶存する弗素の除去方法として、弗素を0.8ppm以
上含む飲料水の原水に対しては、従来活性アルミナ吸着
法またはイオン交換樹脂と活性アルミナの併用処理等が
行なわれている。しかし、活性アルミナ吸着法において
は、活性アルミナの弗素イオン吸着量が低い上に、炭酸
イオン等の共存イオンの影響を受け、期待する除去効果
が得られない欠点がある。この点に関して、予め他の共
存イオンをイオン交換樹脂で吸着除去した液を活性アル
ミナで処理して弗素イオンを除去する試みがあるが、こ
の場合は、必要以上の無害イオンをも除去してしまうた
め、飲料水としての望ましい水質でなくなり、また、処
理に多大の費用を要するなどの問題がある。
上含む飲料水の原水に対しては、従来活性アルミナ吸着
法またはイオン交換樹脂と活性アルミナの併用処理等が
行なわれている。しかし、活性アルミナ吸着法において
は、活性アルミナの弗素イオン吸着量が低い上に、炭酸
イオン等の共存イオンの影響を受け、期待する除去効果
が得られない欠点がある。この点に関して、予め他の共
存イオンをイオン交換樹脂で吸着除去した液を活性アル
ミナで処理して弗素イオンを除去する試みがあるが、こ
の場合は、必要以上の無害イオンをも除去してしまうた
め、飲料水としての望ましい水質でなくなり、また、処
理に多大の費用を要するなどの問題がある。
一方、産業排液中の弗素イオンおよび弗素錯イオンを除
去する方法としては、消石灰や塩化カルシウム等のカル
シウム塩を用い、溶解度の小さな弗化カルシウムとして
沈でん分離させる方法が一般的に行なわれている。しか
し、弗化カルシウムは水に溶解性を有し、理想的な処理
においても、弗素濃度を8ppm以下にすることができな
い。また、弗素イオンは排水中のケイ素、鉄やアルミニ
ウム等と錯イオンを形成する傾向が大きく、それらのカ
ルシウム塩の溶解度は大きいため、沈でん分離による処
理は非常に困難なものとなる。
去する方法としては、消石灰や塩化カルシウム等のカル
シウム塩を用い、溶解度の小さな弗化カルシウムとして
沈でん分離させる方法が一般的に行なわれている。しか
し、弗化カルシウムは水に溶解性を有し、理想的な処理
においても、弗素濃度を8ppm以下にすることができな
い。また、弗素イオンは排水中のケイ素、鉄やアルミニ
ウム等と錯イオンを形成する傾向が大きく、それらのカ
ルシウム塩の溶解度は大きいため、沈でん分離による処
理は非常に困難なものとなる。
また、活性アルミナや金属担持キレート吸着剤(特開昭
58-36632)により、弗素イオンを吸着処理する方法が提
案されているが、弗素錯イオンに対する吸着性能は不明
であり、実用上の問題点が残る。さらに、弗素イオンを
ケイ素(特開昭58-8582)や鉄、アルミニウムやジルコ
ニウム(特開昭58-64181)と反応させて弗素錯イオンと
し選択吸着性を高めてから、アニオン交換樹脂を用いて
吸着処理する方法が提案されているが、この方法では吸
着前処理が必要となることにより、工程が複雑になつた
り、弗素錯イオンは解離定数を有するため、排水中には
弗素イオンが残存するので、弗素イオン濃度を1ppm以下
にする高度処理の条件設定が難しいものと考えられる。
58-36632)により、弗素イオンを吸着処理する方法が提
案されているが、弗素錯イオンに対する吸着性能は不明
であり、実用上の問題点が残る。さらに、弗素イオンを
ケイ素(特開昭58-8582)や鉄、アルミニウムやジルコ
ニウム(特開昭58-64181)と反応させて弗素錯イオンと
し選択吸着性を高めてから、アニオン交換樹脂を用いて
吸着処理する方法が提案されているが、この方法では吸
着前処理が必要となることにより、工程が複雑になつた
り、弗素錯イオンは解離定数を有するため、排水中には
弗素イオンが残存するので、弗素イオン濃度を1ppm以下
にする高度処理の条件設定が難しいものと考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) 現在、環境保全、公害防止の観点から、公共水域に放出
される排水中の弗素濃度は15ppm以下に規制されてお
り、一方では排水基準をさらに厳しく規制しようとする
自治体もあり、さらに効率的な高度処理の確立が望まれ
ている。
される排水中の弗素濃度は15ppm以下に規制されてお
り、一方では排水基準をさらに厳しく規制しようとする
自治体もあり、さらに効率的な高度処理の確立が望まれ
ている。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、このような問題を解決するため、水中に
溶存する弗素を選択的かつ効率的に分離除去する方法を
鋭意検討した結果、本発明に到達した。
溶存する弗素を選択的かつ効率的に分離除去する方法を
鋭意検討した結果、本発明に到達した。
したがって、本発明の目的は、低濃度で溶存する弗素を
効率的に除去する吸着剤を提供することにあり、さら
に、本発明の目的は、弗素を規制値以上に溶存する水ま
たは排水から効率的に弗素を除去し、弗素濃度が規制値
以下の飲料水または排水に処理するとともに、該吸着剤
の吸着弗素を経済的に脱着、再生することにより、循環
使用を可能とする吸着剤を提供することにある。
効率的に除去する吸着剤を提供することにあり、さら
に、本発明の目的は、弗素を規制値以上に溶存する水ま
たは排水から効率的に弗素を除去し、弗素濃度が規制値
以下の飲料水または排水に処理するとともに、該吸着剤
の吸着弗素を経済的に脱着、再生することにより、循環
使用を可能とする吸着剤を提供することにある。
すなわち、本発明の吸着剤は、セリウムのリン酸または
ピロリン酸化合物からなることを特徴とする。
ピロリン酸化合物からなることを特徴とする。
本発明の吸着剤は、pH7以下の範囲の弗素溶存水と接触
させることにより効率的に弗素を吸着し、吸収した弗素
はpH10〜14のアルカリ水溶液と接触させることで容易に
脱着再生でき、再使用が可能となる。
させることにより効率的に弗素を吸着し、吸収した弗素
はpH10〜14のアルカリ水溶液と接触させることで容易に
脱着再生でき、再使用が可能となる。
以下、本発明の吸着剤につき詳細に説明する。
本発明の吸着剤は、3価あるいは4価のセリウムとリン
酸あるいはピロリン酸からなる化合物であり、その代表
的なものとしては、リン酸第一セリウム、酸性ピロリン
酸第一セリウム、ピロリン酸第一セリウム、リン酸第二
セリウム、酸性リン酸第二セリウム、ピロリン酸第二セ
リウム、リン酸第二セリウムナトリウムやピロリン酸第
二セリウムナトリウムがある。
酸あるいはピロリン酸からなる化合物であり、その代表
的なものとしては、リン酸第一セリウム、酸性ピロリン
酸第一セリウム、ピロリン酸第一セリウム、リン酸第二
セリウム、酸性リン酸第二セリウム、ピロリン酸第二セ
リウム、リン酸第二セリウムナトリウムやピロリン酸第
二セリウムナトリウムがある。
これらのリン酸化合物やピロリン酸化合物は、単独で用
いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
また、他の吸着剤、例えば、活性炭、活性アルミナ、含
水酸化チタン等と共に用いてもよい。
いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
また、他の吸着剤、例えば、活性炭、活性アルミナ、含
水酸化チタン等と共に用いてもよい。
本発明のセリウムとリン酸の化合物は、例えば、リン酸
第一セリウムは硫酸酸性の塩化第一セリウム溶液にリン
酸水素二ナトリウムの塩酸酸性の溶液を加え加温するこ
とにより、リン酸第二セリウムはリン酸水素ナトリウム
溶液に可溶性第二セリウム塩の溶液を添加することによ
り、また、酸性リン酸第二セリウムはリン酸水素二ナト
リウムの硝酸酸性溶液に可溶性第二セリウム塩の溶液を
加えることにより、沈でん物として得ることができる。
第一セリウムは硫酸酸性の塩化第一セリウム溶液にリン
酸水素二ナトリウムの塩酸酸性の溶液を加え加温するこ
とにより、リン酸第二セリウムはリン酸水素ナトリウム
溶液に可溶性第二セリウム塩の溶液を添加することによ
り、また、酸性リン酸第二セリウムはリン酸水素二ナト
リウムの硝酸酸性溶液に可溶性第二セリウム塩の溶液を
加えることにより、沈でん物として得ることができる。
セリウムとピロリン酸の化合物は、例えば、ピロリン酸
第一セリウムは可溶性第一セリウム塩の溶液にピロリン
酸ナトリウムの溶液を添加することにより、ピロリン酸
第二セリウムナトリウムはピロリン酸ナトリウムの溶液
に硝酸第二セリウムアンモニウムの溶液を添加すること
におり、沈でん物として得ることができる。
第一セリウムは可溶性第一セリウム塩の溶液にピロリン
酸ナトリウムの溶液を添加することにより、ピロリン酸
第二セリウムナトリウムはピロリン酸ナトリウムの溶液
に硝酸第二セリウムアンモニウムの溶液を添加すること
におり、沈でん物として得ることができる。
また、上記調製法によつて本発明の吸着剤を調製するに
際し、各種の金属イオンを共存させて生成される複合金
属リン酸化合物あるいは複合金属ピロリン酸化合物であ
つてもよい。共存できる金属元素の例としては、La、P
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Y、Sc、Th、Al、Cr、Co、Ga、Fe、Mn、Ni、Ti、
V、Sn、Ge、Nb、Ta等が挙げられ、これらが2種類以上
共存していてもよい。これらの共存できる金属元素の量
は、本発明の金属元素に対し40mol%以下、好ましくは2
0mol%以下である。
際し、各種の金属イオンを共存させて生成される複合金
属リン酸化合物あるいは複合金属ピロリン酸化合物であ
つてもよい。共存できる金属元素の例としては、La、P
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Y、Sc、Th、Al、Cr、Co、Ga、Fe、Mn、Ni、Ti、
V、Sn、Ge、Nb、Ta等が挙げられ、これらが2種類以上
共存していてもよい。これらの共存できる金属元素の量
は、本発明の金属元素に対し40mol%以下、好ましくは2
0mol%以下である。
また、上記の調製に使用する陽イオンおよび陰イオン
が、本発明のリン酸化合物またはピロリン酸化合物の構
造の一部として存在していてもよい。これらの共存でき
る陽イオンおよび陰イオンは、例えば、NH4、Na、K、C
a、Mg、およびCl、Br、SO4、PO4、CO3等である。
が、本発明のリン酸化合物またはピロリン酸化合物の構
造の一部として存在していてもよい。これらの共存でき
る陽イオンおよび陰イオンは、例えば、NH4、Na、K、C
a、Mg、およびCl、Br、SO4、PO4、CO3等である。
上記製法によつて調製された該リン酸化合物およびピロ
リン酸化合物の構造的特徴について説明する。
リン酸化合物の構造的特徴について説明する。
リン酸化合物の例として、リン酸第一セリウム(CePO4・
nH2O)は、X線回折では六方晶系のリン酸第一セリウム
の回折パターンを示すが、結晶性は悪く、回折線幅が広
い。赤外線吸収スペクトルでは3500cm-1付近と1620cm-1
に水酸基による吸収帯、および1050cm-1にはリン酸基に
よる吸収帯を示す。
nH2O)は、X線回折では六方晶系のリン酸第一セリウム
の回折パターンを示すが、結晶性は悪く、回折線幅が広
い。赤外線吸収スペクトルでは3500cm-1付近と1620cm-1
に水酸基による吸収帯、および1050cm-1にはリン酸基に
よる吸収帯を示す。
ピロリン酸化合物の例として、ピロリン酸第一セリウム
〔Ce4(P2O7)3・nH2O〕は、X線回折では特定の回折線を
示さず、緩慢な散乱線のみが検出される。赤外線吸収ス
ペクトルは3400cm-1付近と1650cm-1に水酸基による吸収
帯、および1100cm-1付近にピロリン酸基によるものと考
えらられる幅の広い吸収帯を示す。
〔Ce4(P2O7)3・nH2O〕は、X線回折では特定の回折線を
示さず、緩慢な散乱線のみが検出される。赤外線吸収ス
ペクトルは3400cm-1付近と1650cm-1に水酸基による吸収
帯、および1100cm-1付近にピロリン酸基によるものと考
えらられる幅の広い吸収帯を示す。
酸性リン酸化合物の例として、酸性リン酸第二セリウム
〔Ce4H2(PO4)6・nH2O〕は、X線回折では特定の回折線を
示さず、緩慢な散乱線のみが検出される。赤外線吸収ス
ペクトルは3400cm-1付近と1650cm-1、1400cm-1および13
00cm-1に水酸基による吸収帯、および1000〜1100cm-1に
リン酸基によるものと考えられる幅広い吸収帯を示す。
〔Ce4H2(PO4)6・nH2O〕は、X線回折では特定の回折線を
示さず、緩慢な散乱線のみが検出される。赤外線吸収ス
ペクトルは3400cm-1付近と1650cm-1、1400cm-1および13
00cm-1に水酸基による吸収帯、および1000〜1100cm-1に
リン酸基によるものと考えられる幅広い吸収帯を示す。
本発明のセリウムのリン酸またはピロリン酸化合物は、
加熱することにより重量が減少し、その減量する主な成
分は水分子であつて、熱減量は5〜40重量%となる。
加熱することにより重量が減少し、その減量する主な成
分は水分子であつて、熱減量は5〜40重量%となる。
なお、本発明でいう熱減量とは、試料を500℃において
5時間加熱した時の初期の重量に対する減少百分率であ
る。
5時間加熱した時の初期の重量に対する減少百分率であ
る。
本発明の吸着剤は、前述の調製法等によるセリウムのリ
ン酸またはピロリン酸の化合物を過して得られるケー
キ、または乾燥した粉体およびこれを適当な多孔質担体
に担持させる等の方法で粒状、糸状、紐状、帯状、板状
等任意の形状に成形された成形体である。該成形体は吸
着操作の実用性を高める上で極めて有効である。
ン酸またはピロリン酸の化合物を過して得られるケー
キ、または乾燥した粉体およびこれを適当な多孔質担体
に担持させる等の方法で粒状、糸状、紐状、帯状、板状
等任意の形状に成形された成形体である。該成形体は吸
着操作の実用性を高める上で極めて有効である。
担体に用いる材料は、本発明の効果を奏しうる無機、有
機の種々の材料が使用できるが、担持加工性、担持体強
度、化学的耐久性等の面から各種の有機高分子材料が好
ましい。
機の種々の材料が使用できるが、担持加工性、担持体強
度、化学的耐久性等の面から各種の有機高分子材料が好
ましい。
有機高分子材料としては、フエノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、キシレン樹脂、アルキルベンゼン樹脂、エポ
キシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ケイ素樹脂、ウ
レタン樹脂、フツ素樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリ
デン樹脂、ポリエチレン、塩素化ポリオレフイン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、メ
タクリル樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、セ
ルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、
ポリスルホン、ポリアクリロニトリル等および上記の共
重合体が使用できるが、適当な耐水性、耐薬品性をも
ち、かつ親水性が大きく、多孔質な構造を形成し得るも
のが好ましく、ポリアミド、セルロース系樹脂、ポリス
ルホン、ポリアクリロニトリル、塩化ビニル、エチレン
−ビニルアルコール共重合体等が特に好ましい。
脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、キシレン樹脂、アルキルベンゼン樹脂、エポ
キシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ケイ素樹脂、ウ
レタン樹脂、フツ素樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリ
デン樹脂、ポリエチレン、塩素化ポリオレフイン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、メ
タクリル樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、セ
ルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、
ポリスルホン、ポリアクリロニトリル等および上記の共
重合体が使用できるが、適当な耐水性、耐薬品性をも
ち、かつ親水性が大きく、多孔質な構造を形成し得るも
のが好ましく、ポリアミド、セルロース系樹脂、ポリス
ルホン、ポリアクリロニトリル、塩化ビニル、エチレン
−ビニルアルコール共重合体等が特に好ましい。
上記の有機高分子材料による担持方法は、公知の種々の
方法が適用できる。例えば、適当な高分子重合体を溶解
した溶液に、該セリウムのリン酸またはピロリン酸化合
物の粒子を懸濁分散させ、粒状、糸状、紐状、帯状に成
形する方法、または適当な高分子単量体を、該セリウム
のリン酸またはピロリン酸化合物の粒子の存在下で、乳
化または懸濁重合法で重合させて粒状に成形する方法、
あるいは適当な高分子重合体と該セリウムのリン酸また
はピロリン酸化合物および種々の抽出剤を混練し成形し
た後、適当な溶媒で抽出剤を抽出し多孔化する等の方法
が採用できる。いずれの場合も多孔質な構造を持ち、該
セリウムのリン酸またはピロリン酸化合物が成形体に十
分量担持され、漏失し難い構造体である必要があり、こ
のような目的が達成できる方法であれば、いかなる方法
であつてもよい。
方法が適用できる。例えば、適当な高分子重合体を溶解
した溶液に、該セリウムのリン酸またはピロリン酸化合
物の粒子を懸濁分散させ、粒状、糸状、紐状、帯状に成
形する方法、または適当な高分子単量体を、該セリウム
のリン酸またはピロリン酸化合物の粒子の存在下で、乳
化または懸濁重合法で重合させて粒状に成形する方法、
あるいは適当な高分子重合体と該セリウムのリン酸また
はピロリン酸化合物および種々の抽出剤を混練し成形し
た後、適当な溶媒で抽出剤を抽出し多孔化する等の方法
が採用できる。いずれの場合も多孔質な構造を持ち、該
セリウムのリン酸またはピロリン酸化合物が成形体に十
分量担持され、漏失し難い構造体である必要があり、こ
のような目的が達成できる方法であれば、いかなる方法
であつてもよい。
これらのうち特に好ましい方法は、上記のポリアミド、
セルロース系樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリ
ル、塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合体
等の親水性重合体を適当な溶媒に溶解し、これを該セリ
ウムのリン酸またはピロリン酸化合物を懸濁させ、水を
凝固浴として粒子状に成形する方法である。
セルロース系樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリ
ル、塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合体
等の親水性重合体を適当な溶媒に溶解し、これを該セリ
ウムのリン酸またはピロリン酸化合物を懸濁させ、水を
凝固浴として粒子状に成形する方法である。
この方法により得られる粒状体は、多孔質な構造をも
ち、十分な吸着速度と物理的強度を有し、固定床また流
動床等の工学的方法により、吸着および脱着再生操作を
行なうのに適している。
ち、十分な吸着速度と物理的強度を有し、固定床また流
動床等の工学的方法により、吸着および脱着再生操作を
行なうのに適している。
特に、使用する重合体の量は、該セリウムのリン酸また
はピロリン酸化合物の5〜50重量%、特に好ましくは10
〜30重量%である。5重量%以下では十分な担持効果が
発揮されず、強度面でも不十分であり、一方、50重量%
を超えると吸着速度が著しく低下する。
はピロリン酸化合物の5〜50重量%、特に好ましくは10
〜30重量%である。5重量%以下では十分な担持効果が
発揮されず、強度面でも不十分であり、一方、50重量%
を超えると吸着速度が著しく低下する。
また、該造粒体の粒子径および体積空隙率は、本発明の
吸着作用、特に速度に影響を与える。粒子径は平均粒径
で0.1〜5mm,または体積空隙率は0.5〜0.85が好適であ
る。
吸着作用、特に速度に影響を与える。粒子径は平均粒径
で0.1〜5mm,または体積空隙率は0.5〜0.85が好適であ
る。
本発明でいう体積空隙率とは、該粒状体の乾燥状態での
見掛け体積(VI)に対する、加圧圧縮時の圧縮体積
(VO)への体積変化量(VI-VO)の値、すなわち、(VI-
VO)/VIで表わされる。ここで、見掛け体積(VI)は一
定重量の粒状体の水銀ピクノメーター法で測定される体
積であり、一方、圧縮体積(VO)は同重量の試料をプレ
ス板間で100℃で50kg/cm3の圧力で加圧成型したものの
体積である。体積空隙率が0.5以下では吸着速度が遅す
ぎ、また、0.85以上では強度面が不十分である。
見掛け体積(VI)に対する、加圧圧縮時の圧縮体積
(VO)への体積変化量(VI-VO)の値、すなわち、(VI-
VO)/VIで表わされる。ここで、見掛け体積(VI)は一
定重量の粒状体の水銀ピクノメーター法で測定される体
積であり、一方、圧縮体積(VO)は同重量の試料をプレ
ス板間で100℃で50kg/cm3の圧力で加圧成型したものの
体積である。体積空隙率が0.5以下では吸着速度が遅す
ぎ、また、0.85以上では強度面が不十分である。
また、該セリウムのリン酸またはピロリン酸化合物の粒
子の性状および表面状態が、本発明の効果を奏する上で
極めて重要であり、該粒子の構造水または付着水量およ
び粒子の粒子径、凝集度を調整することが好ましく、粒
子径については、可能な限り微粒子であることが好まし
く、平均粒子径として一次粒子径は0.01μ〜1μ、特に
好ましくは0.01〜0.5μであり、かつ凝集度の低い凝集
粒子として0.05〜5μ程度の微粒子であることが好まし
い。
子の性状および表面状態が、本発明の効果を奏する上で
極めて重要であり、該粒子の構造水または付着水量およ
び粒子の粒子径、凝集度を調整することが好ましく、粒
子径については、可能な限り微粒子であることが好まし
く、平均粒子径として一次粒子径は0.01μ〜1μ、特に
好ましくは0.01〜0.5μであり、かつ凝集度の低い凝集
粒子として0.05〜5μ程度の微粒子であることが好まし
い。
該吸着剤に弗素を吸着させる方法は、セリウムのリン酸
またはピロリン酸化合物を、弗素を溶存する水と接触さ
せる方法であればどのような方法でもよい。例えば、セ
リウムのリン酸またはピロリン酸化合物のケーキ、粉体
あるいは前述の成形体を該水に加え分散させて接触させ
る方法、成形体または粉体を充填した塔に該水を通水し
て接触させる方法等が有効である。
またはピロリン酸化合物を、弗素を溶存する水と接触さ
せる方法であればどのような方法でもよい。例えば、セ
リウムのリン酸またはピロリン酸化合物のケーキ、粉体
あるいは前述の成形体を該水に加え分散させて接触させ
る方法、成形体または粉体を充填した塔に該水を通水し
て接触させる方法等が有効である。
本発明の弗素吸着剤であるセリウムのリン酸またはピロ
リン酸化合物は、水中における弗素が弗素イオンのみで
なく、弗素錯イオンという形で存在していても優れた吸
着性能を有するものであり、従来にない全く新しい吸着
剤である。水中に存在する弗素錯イオンとしては、ヘキ
サフルオロケイ酸イオン、ホウフツ化イオン、ヘキサフ
ルオロアルミニウムイオン、ヘキサフルオロ鉄イオン、
ヘキサフルオロチタニウムイオンやヘキサフルオロジル
コニウムイオン等があり、これらが単独あるいは2種以
上が水中に溶存していてもよい。なかでも、弗素はヘキ
サフルオロケイ酸イオンとして存在する場合が多いが、
例えば、本発明の酸性リン酸第二セリウムを用いれば、
pH6以下において優れた吸着性能を示す。
リン酸化合物は、水中における弗素が弗素イオンのみで
なく、弗素錯イオンという形で存在していても優れた吸
着性能を有するものであり、従来にない全く新しい吸着
剤である。水中に存在する弗素錯イオンとしては、ヘキ
サフルオロケイ酸イオン、ホウフツ化イオン、ヘキサフ
ルオロアルミニウムイオン、ヘキサフルオロ鉄イオン、
ヘキサフルオロチタニウムイオンやヘキサフルオロジル
コニウムイオン等があり、これらが単独あるいは2種以
上が水中に溶存していてもよい。なかでも、弗素はヘキ
サフルオロケイ酸イオンとして存在する場合が多いが、
例えば、本発明の酸性リン酸第二セリウムを用いれば、
pH6以下において優れた吸着性能を示す。
しかし、ヘキサフルオロアルミニウムイオンやヘキサフ
ルオロチタニウムイオン等は、pHの変化によつて解離し
たり、場合によつては沈でんが生じたりするため、各錯
イオンの正確な吸着量を求めることは困難である。本発
明の吸着剤は、弗素イオンおよび弗素錯イオンが共存し
ていても優れた吸着性能を有するため、上記のような弗
素錯イオンの吸着処理に対しても優れた有効性を発揮す
ることができる。
ルオロチタニウムイオン等は、pHの変化によつて解離し
たり、場合によつては沈でんが生じたりするため、各錯
イオンの正確な吸着量を求めることは困難である。本発
明の吸着剤は、弗素イオンおよび弗素錯イオンが共存し
ていても優れた吸着性能を有するため、上記のような弗
素錯イオンの吸着処理に対しても優れた有効性を発揮す
ることができる。
本発明の弗素吸着剤であるセリウムのリン酸またはピロ
リン酸化合物が弗素イオンや弗素錯イオンを吸着する機
構は、該フツ素吸着体表面に存在する水酸基、リン酸基
あるいはピロリン酸基が溶存する弗素イオンまたは弗素
錯イオンとイオン交換する陰イオン交換反応と考えられ
る。水溶液のpHが7より低い場合、好ましくは6以下に
おいてフツ素の吸着性能が高く、pH7以上になると吸着
性能は著しく低下する。したがつて、弗素を吸着した吸
着剤は、pH8以上の水溶液と接触させることにより、容
易に再生することができる。
リン酸化合物が弗素イオンや弗素錯イオンを吸着する機
構は、該フツ素吸着体表面に存在する水酸基、リン酸基
あるいはピロリン酸基が溶存する弗素イオンまたは弗素
錯イオンとイオン交換する陰イオン交換反応と考えられ
る。水溶液のpHが7より低い場合、好ましくは6以下に
おいてフツ素の吸着性能が高く、pH7以上になると吸着
性能は著しく低下する。したがつて、弗素を吸着した吸
着剤は、pH8以上の水溶液と接触させることにより、容
易に再生することができる。
本発明の弗素吸着剤の単位重量当りの飽和吸着量は、溶
液中の弗素濃度と相関関係がる。例えば、酸性リン酸第
二セリウムの場合、吸着平衡時の水溶液のpHが3.5であ
れば、水溶液中の弗素イオン濃度が0.04mmol/l、0.1mmo
l/l、1.0mmol/lにおいて、該吸着体の弗素イオンの飽和
吸着量は、それぞれ0.52mmol/g−吸着剤、0.75mmol/g−
吸着剤、1.90mmol/g−吸着剤となる。したがつて、該弗
素吸着剤を用いて弗素を吸着する場合、弗素の初濃度と
目標到達濃度とによつて、該弗素吸着剤と弗素含有水の
好適な混合割合を設定することができる。
液中の弗素濃度と相関関係がる。例えば、酸性リン酸第
二セリウムの場合、吸着平衡時の水溶液のpHが3.5であ
れば、水溶液中の弗素イオン濃度が0.04mmol/l、0.1mmo
l/l、1.0mmol/lにおいて、該吸着体の弗素イオンの飽和
吸着量は、それぞれ0.52mmol/g−吸着剤、0.75mmol/g−
吸着剤、1.90mmol/g−吸着剤となる。したがつて、該弗
素吸着剤を用いて弗素を吸着する場合、弗素の初濃度と
目標到達濃度とによつて、該弗素吸着剤と弗素含有水の
好適な混合割合を設定することができる。
上記の吸着操作の温度は、吸着速度に影響を与え、加温
することは効果がある。しかし、常温においても実用上
十分な速度を有しており、5〜90℃、実用的には20〜60
℃の範囲が好ましい。また、接触時間は、接触させる方
法、該吸着剤の種類によつて異なるが、通常、吸着量が
飽和に達するには1分〜3日程度であるが、実用的には
1分〜60分でよい。これらの温度、時間条件は、後述す
る脱着、再生操作にも適用できる。
することは効果がある。しかし、常温においても実用上
十分な速度を有しており、5〜90℃、実用的には20〜60
℃の範囲が好ましい。また、接触時間は、接触させる方
法、該吸着剤の種類によつて異なるが、通常、吸着量が
飽和に達するには1分〜3日程度であるが、実用的には
1分〜60分でよい。これらの温度、時間条件は、後述す
る脱着、再生操作にも適用できる。
本発明の吸着体は、弗素を吸着後にアルカリ溶液と接触
することにより、弗素を脱離し、繰り返し吸着操作に供
することができる。上記の脱着操作では、該吸着体に吸
着されている弗素量、脱着液の濃度、吸着体と脱着液の
混合比および温度が、脱着率および脱着液中の弗素濃度
に影響を及ぼす。例えば、本発明の酸性リン酸第二セリ
ウムを用いる場合の脱着液の平衡pHと脱着率の関係は、
表2のように、脱着液の平衡pHと共に脱着率が急激に大
きくなる。したがつて、脱着操作における脱着液の平衡
pHは、好ましくは8以上、より好ましくは12以上であ
る。
することにより、弗素を脱離し、繰り返し吸着操作に供
することができる。上記の脱着操作では、該吸着体に吸
着されている弗素量、脱着液の濃度、吸着体と脱着液の
混合比および温度が、脱着率および脱着液中の弗素濃度
に影響を及ぼす。例えば、本発明の酸性リン酸第二セリ
ウムを用いる場合の脱着液の平衡pHと脱着率の関係は、
表2のように、脱着液の平衡pHと共に脱着率が急激に大
きくなる。したがつて、脱着操作における脱着液の平衡
pHは、好ましくは8以上、より好ましくは12以上であ
る。
上記脱着操作では、アルカリ水溶液として水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等の無機ア
ルカリを使用することができる。水酸化ナトリウムおよ
び水酸化カリウムは、脱着効率が大きく特に好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は0.01mol/l以上、好ましくは0.0
5mol/l以上である。
ウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等の無機ア
ルカリを使用することができる。水酸化ナトリウムおよ
び水酸化カリウムは、脱着効率が大きく特に好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は0.01mol/l以上、好ましくは0.0
5mol/l以上である。
本発明の吸着体に固定された弗素を脱着させる方法は、
該吸着体をアルカリ水溶液に接触させる方法であればど
のような方法でもよく、前述の吸着方法と同様の方法を
採用することができる。
該吸着体をアルカリ水溶液に接触させる方法であればど
のような方法でもよく、前述の吸着方法と同様の方法を
採用することができる。
(発明の効果) 次に、本発明の弗素吸着剤の特徴について述べると、次
のようである。
のようである。
(1)pH7以下において優れた弗素吸着性能を示す。
(2)弗素イオンの液相中の低濃度の範囲においても平
衡吸着量が大きく、例えば、液相弗素イオン濃度が0.1m
mol/lの時に、吸着量は0.75mmol/g−吸着体にもなり、
処理水中弗素濃度を低くすることができる。
衡吸着量が大きく、例えば、液相弗素イオン濃度が0.1m
mol/lの時に、吸着量は0.75mmol/g−吸着体にもなり、
処理水中弗素濃度を低くすることができる。
(3)アルカリ水溶液によつて吸着している弗素を脱着
することができ、繰り返し使用することができる。
することができ、繰り返し使用することができる。
(実施例) 以下、実施例により詳細に説明する。
なお、本文中の吸着量、除去率は、下記式により求め
た。
た。
実施例1 本発明の酸性リン酸第二セリウム〔Ce4H2(PO4)6・nH2O,
熱減量22%、一次粒子の平均粒子径0.12μ、X線回折第
3a図、赤外吸収スペクトル第3b図〕の弗素イオンに対す
る吸着性能のpH依存性について例を示す。
熱減量22%、一次粒子の平均粒子径0.12μ、X線回折第
3a図、赤外吸収スペクトル第3b図〕の弗素イオンに対す
る吸着性能のpH依存性について例を示す。
弗化水素酸(試薬特級)を用いて弗素イオンが100ppmの
水溶液を調製し、該水溶液に該吸着体を1g−吸着体/1
の割合で混合し、攪拌した。該混合液に0.1N水酸化ナト
リウム水溶液を加え、所定のpHとした。2時間後、混合
液中に溶存する弗素イオンの濃度をイオンクロマトグラ
フイー(装置Dionex社製20201型)により測定した。こ
の結果を、溶液のpHと弗素イオンの吸着量の関係として
第1図に示す。
水溶液を調製し、該水溶液に該吸着体を1g−吸着体/1
の割合で混合し、攪拌した。該混合液に0.1N水酸化ナト
リウム水溶液を加え、所定のpHとした。2時間後、混合
液中に溶存する弗素イオンの濃度をイオンクロマトグラ
フイー(装置Dionex社製20201型)により測定した。こ
の結果を、溶液のpHと弗素イオンの吸着量の関係として
第1図に示す。
吸着剤製法1 リン酸水素二ナトリウム(試薬特級)の硝酸酸性溶液に
硝酸第二セリウム溶液を添加する。生成するゲル状沈で
んは、数回デカンテーシヨンすることにより洗浄し、風
乾後、100℃で乾燥する。
硝酸第二セリウム溶液を添加する。生成するゲル状沈で
んは、数回デカンテーシヨンすることにより洗浄し、風
乾後、100℃で乾燥する。
実施例2 酸性リン酸第二セリウム(実施例1と同一物質)を用い
て、液相の弗素濃度とその時の平衡吸着量の関係を求め
た。実験方法は実施例1と同じであり、比較例として活
性アルミナを用いた場合も含めて、結果を第2図に示
す。
て、液相の弗素濃度とその時の平衡吸着量の関係を求め
た。実験方法は実施例1と同じであり、比較例として活
性アルミナを用いた場合も含めて、結果を第2図に示
す。
実施例3〜5 本発明の吸着剤の弗素イオンに対する吸着性能について
例を示す。
例を示す。
弗素イオンを100ppm含有した水溶液を調製し、該水溶液
にリン酸第一セリウム(調製法後述、熱減量11%、一次
粒子の平均粒子径0.1μ、X線回折第4a図、赤外吸収ス
ペクトル第4b図)、ピロリン酸第一セリウム(調製法後
述、熱減量19%、一次粒子の平均粒子径0.15μ、X線回
折第5a図、赤外吸収スペクトル第5b図)、あるいはリン
酸第二セリウム(調製法後述、熱減量29%、一次粒子の
平均粒子径0.12μ)を1/1g−吸着剤の割合で混合
し、攪拌した。該混合液に0.1N塩酸または0.1N水酸化ナ
トリウム水溶液を添加して、該混合液のpHを3.5とし
た。2時間後、該混合液中のフツ素イオン濃度を実施例
1と同様の方法により測定し、フツ素吸着量を算出し
た。その結果を表1に示す。
にリン酸第一セリウム(調製法後述、熱減量11%、一次
粒子の平均粒子径0.1μ、X線回折第4a図、赤外吸収ス
ペクトル第4b図)、ピロリン酸第一セリウム(調製法後
述、熱減量19%、一次粒子の平均粒子径0.15μ、X線回
折第5a図、赤外吸収スペクトル第5b図)、あるいはリン
酸第二セリウム(調製法後述、熱減量29%、一次粒子の
平均粒子径0.12μ)を1/1g−吸着剤の割合で混合
し、攪拌した。該混合液に0.1N塩酸または0.1N水酸化ナ
トリウム水溶液を添加して、該混合液のpHを3.5とし
た。2時間後、該混合液中のフツ素イオン濃度を実施例
1と同様の方法により測定し、フツ素吸着量を算出し
た。その結果を表1に示す。
なお、比較例として活性アルミナ(市販品、ネオビード
D3)についても、実施例3と同様の実験を行ない、その
結果を表1に示す。
D3)についても、実施例3と同様の実験を行ない、その
結果を表1に示す。
吸着剤製法2 塩化第一セリウム(試薬特級)の硫酸酸性の水溶液にリ
ン酸水素二ナトリウム(試薬特級)の塩酸酸性溶液を添
加し、60℃で1時間加熱後、1晩熱成する。数回デカン
テーシヨンを繰り返し沈でんを水洗し、風乾後、100℃
で乾燥する。
ン酸水素二ナトリウム(試薬特級)の塩酸酸性溶液を添
加し、60℃で1時間加熱後、1晩熱成する。数回デカン
テーシヨンを繰り返し沈でんを水洗し、風乾後、100℃
で乾燥する。
吸着剤製法3 リン酸水素二ナトリウム(試薬特級)の水溶液に硝酸第
二セリウムアンモニウム(試薬特級)の水溶液を添加す
る。生成するゲル状沈でんは熱水を用いて数回デカンテ
ーシヨンして洗浄し、風乾後、100℃で乾燥する。
二セリウムアンモニウム(試薬特級)の水溶液を添加す
る。生成するゲル状沈でんは熱水を用いて数回デカンテ
ーシヨンして洗浄し、風乾後、100℃で乾燥する。
吸着剤製法4 塩化第一セリウム(試薬特級)の水溶液にピロリン酸ナ
トリウム(試薬特級)の水溶液を添加し、1晩熟成す
る。沈でんは過後、塩化イオンが認められなくなるま
で水洗し、100℃で乾燥する。
トリウム(試薬特級)の水溶液を添加し、1晩熟成す
る。沈でんは過後、塩化イオンが認められなくなるま
で水洗し、100℃で乾燥する。
実施例5 酸性リン酸第二セリウム(実施例1と同一物質)のケイ
フツ化イオンの吸着性能について例を示す。
フツ化イオンの吸着性能について例を示す。
ケイフツ化イオンの濃度が100ppmとなるように、ケイフ
ツ化ナトリウム(試薬特級)を用いて水溶液を調製し
た。該水溶液中に該吸着剤を1g−吸着剤/1の割合で混
合し、pH3.5に調製して24時間攪拌した。
ツ化ナトリウム(試薬特級)を用いて水溶液を調製し
た。該水溶液中に該吸着剤を1g−吸着剤/1の割合で混
合し、pH3.5に調製して24時間攪拌した。
水溶液中の残存ケイフツ化イオン濃度をイオンクロマト
グラフイーで測定し、該吸着剤の吸着量を求めたとこ
ろ、55mg/g−吸着体と優れた吸着性能を示すことがわか
つた。
グラフイーで測定し、該吸着剤の吸着量を求めたとこ
ろ、55mg/g−吸着体と優れた吸着性能を示すことがわか
つた。
実施例6 本発明の吸着剤のアルカリ水溶液による脱着再生操作に
おける脱着率のpH依存性について例を示す。
おける脱着率のpH依存性について例を示す。
予め弗素イオンを2.8mmol/g−吸着剤を吸着した酸性リ
ン酸第二セリウムを0.01〜0.1Nの水酸化ナトリウム水溶
液と10g−吸着剤/1の割合で混合し、攪拌し、2時間
後、混合液のpHと弗素イオン濃度を測定した。その結果
を表2に示す。
ン酸第二セリウムを0.01〜0.1Nの水酸化ナトリウム水溶
液と10g−吸着剤/1の割合で混合し、攪拌し、2時間
後、混合液のpHと弗素イオン濃度を測定した。その結果
を表2に示す。
実施例7〜9 本発明の吸着剤の脱着・再生操作において、種々のアル
カリ種を用いた脱着・再生操作の例を示す。
カリ種を用いた脱着・再生操作の例を示す。
予め弗素イオン2.8mmol/g−吸着剤を吸着した酸性リン
酸第二セリウムを、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液、水
酸化カリウム水溶液、あるいはアンモニア水と10g−吸
着剤/1の割合で混合、攪拌し、2時間後、混合液のpH
と弗素イオン濃度を測定した。その結果を表3に示す。
酸第二セリウムを、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液、水
酸化カリウム水溶液、あるいはアンモニア水と10g−吸
着剤/1の割合で混合、攪拌し、2時間後、混合液のpH
と弗素イオン濃度を測定した。その結果を表3に示す。
実施例10 エチレン−ビニルアルコール共重合体で造粒した酸性リ
ン酸第二セリウムを用いて行つた吸・脱着操作の例を示
す。
ン酸第二セリウムを用いて行つた吸・脱着操作の例を示
す。
弗化ナトリウム(試薬特級)を蒸留水で希釈して、弗素
イオン濃度が100ppmであるpH3の溶液を調製し、これを
原水とした。
イオン濃度が100ppmであるpH3の溶液を調製し、これを
原水とした。
該造粒体(平均粒径0.68mmφ、体積空隙率0.61)の15ml
をカラムに充填し、上記の原水を空塔速度SV=20he-1の
条件で通水し、カラム出口の処理水中の弗素濃度を測定
した。処理水中の弗素濃度が1ppmになるまでの吸着剤1m
l当りの処理倍率は90倍と優れた性能を示した。
をカラムに充填し、上記の原水を空塔速度SV=20he-1の
条件で通水し、カラム出口の処理水中の弗素濃度を測定
した。処理水中の弗素濃度が1ppmになるまでの吸着剤1m
l当りの処理倍率は90倍と優れた性能を示した。
次いで、水洗後に0.1Nの水酸化ナトリウムの水溶液を空
塔速度SV=3hr-1の条件で通水したところ、脱着液中の
弗素イオン濃度が1,300ppm(68.4mmol/l)という高濃度
で得られた。弗素イオン濃度に対してアルカリを当量で
1.3倍使用することによつて、100%の脱着率にすること
ができた。
塔速度SV=3hr-1の条件で通水したところ、脱着液中の
弗素イオン濃度が1,300ppm(68.4mmol/l)という高濃度
で得られた。弗素イオン濃度に対してアルカリを当量で
1.3倍使用することによつて、100%の脱着率にすること
ができた。
第1図は本発明の酸性リン酸第二セリウムによる弗素イ
オンの吸着量のpH依存性を示す図表、第2図は液相中の
弗素イオン濃度に対する本発明の酸性リン酸第二セリウ
ムの吸着量の関係を示す図表、第3a図は酸性リン酸第二
セリウムのCuKα線によるX線回折図、第3b図はその赤
外吸収スペクトル、第4a図はリン酸第一セリムのCuKα
線によるX線回折図、第4b図はその赤外吸収スペクト
ル、第5a図はピロリン酸第一セリウムのCuKα線による
X線回折図、第5b図はその赤外吸収スペクトルを示す図
表である。
オンの吸着量のpH依存性を示す図表、第2図は液相中の
弗素イオン濃度に対する本発明の酸性リン酸第二セリウ
ムの吸着量の関係を示す図表、第3a図は酸性リン酸第二
セリウムのCuKα線によるX線回折図、第3b図はその赤
外吸収スペクトル、第4a図はリン酸第一セリムのCuKα
線によるX線回折図、第4b図はその赤外吸収スペクト
ル、第5a図はピロリン酸第一セリウムのCuKα線による
X線回折図、第5b図はその赤外吸収スペクトルを示す図
表である。
Claims (1)
- 【請求項1】セリウムのリン酸またはピロリン酸化合物
からなる弗素吸着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12709285A JPH0679665B2 (ja) | 1985-06-13 | 1985-06-13 | 弗素吸着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12709285A JPH0679665B2 (ja) | 1985-06-13 | 1985-06-13 | 弗素吸着剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61287443A JPS61287443A (ja) | 1986-12-17 |
JPH0679665B2 true JPH0679665B2 (ja) | 1994-10-12 |
Family
ID=14951381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12709285A Expired - Fee Related JPH0679665B2 (ja) | 1985-06-13 | 1985-06-13 | 弗素吸着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0679665B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114318590B (zh) * | 2022-01-19 | 2024-06-25 | 武夷学院 | 磁性铈铝复合氧化物多孔纳米纤维的制备方法和应用 |
-
1985
- 1985-06-13 JP JP12709285A patent/JPH0679665B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61287443A (ja) | 1986-12-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |