JPH067951A - 複層鋼板の溶接方法 - Google Patents

複層鋼板の溶接方法

Info

Publication number
JPH067951A
JPH067951A JP4136736A JP13673692A JPH067951A JP H067951 A JPH067951 A JP H067951A JP 4136736 A JP4136736 A JP 4136736A JP 13673692 A JP13673692 A JP 13673692A JP H067951 A JPH067951 A JP H067951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
based metal
iron
steel sheet
welding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4136736A
Other languages
English (en)
Inventor
Hatsuhiko Oikawa
初彦 及川
Masahiro Obara
昌弘 小原
Toru Saito
亨 斉藤
Teruki Hayashida
輝樹 林田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP4136736A priority Critical patent/JPH067951A/ja
Publication of JPH067951A publication Critical patent/JPH067951A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複層鋼板の溶接時に発生する脆弱な金属間化
合物の形成及びそれによる継手強度の劣化を防止して溶
接部の強化を図ること。 【構成】 アルミ系金属層と鉄系金属層とを積層接合し
て成り、かつ、最外層が鉄系金属である3層以上の複層
鋼板同士をスポット溶接する際、あるいは、この複層鋼
板と鉄系金属とをスポット溶接する際、スポット溶接時
の加圧力と電流値とを調整して、内層のアルミ系金属を
溶接部以外の領域に押し出して除去するか、スポット溶
接する際、予め、重ね合わせる側と逆側の鉄系金属層の
溶接部付近に穴を開けておき、溶接中にこの穴を介して
溶融したアルミ系金属を吹き出させて逃がすことによ
り、複層鋼板の溶接部付近で脆弱な金属間化合物を形成
させることなく複層鋼板同士または複層鋼板と鉄系金属
とを強固に溶接させる複層鋼板の溶接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、船舶、調理器
または電磁材料等に用いる複層鋼板のスポット溶接方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車、電車、船舶等を構成する
材料自体を軽量化する要請から、アルミ材の使用や、ア
ルミ材を主体として複数の金属を組み合わせて構成した
もの、例えばアルミ層又はアルミ合金層とステンレス層
又は鋼層とを積層接合してなる複層鋼板の使用が提案さ
れている。これらに関連して、特開昭58−16358
4号公報のように、冶金学的に接合された軽金属部分と
重金属部分とから成る接合部材を介して、軽金属部分と
重金属部分が溶接によって接合された異材接合体があ
る。
【0003】また、特開昭64−66076号公報に示
すように鋼製部材の少なくとも一側面をアルミ系材で被
覆形成すると共に、該アルミ被覆側面にアルミ製部材を
溶接により接合してなる異種金属の接合構造体がある。
同様に特開平1−289574号公報のように、アルミ
ニウム製構体とアルミニウムと異なる金属製構体とを結
合する車両の構体と同質の結合用金属材をアルミニウム
と一体的に形成したアルミニウム形材をアルミニウム製
構体の結合部に用い、アルミニウム形材の結合用金属材
とアルミニウムと異なる金属製構体とを溶接結合する車
両の構体結合方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、いずれ
もアルミニウム部材とアルミニウムと異なる金属製構体
とを結合するものであるが、複層鋼板同士の溶接に関す
るものではなく、また、Fe−Al異材接合部での金属
間化合物の生成あるいは、それによる継手部の強度劣化
については何ら解明されておらず、溶接部材の充分な強
度を得るまでに至っていないのが実状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記したような問題に対
して、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、複層鋼板を
溶接する際、複層鋼板溶接部付近で形成される脆弱な金
属間化合物の形成を防ぐため、内層のアルミ層またはア
ルミ合金層を溶接部以外の領域へ押し出して除去する
か、あるいは、溶接時に溶融する内層のアルミ層または
アルミ合金層を溶接部付近から穴を介して外へ導き出し
て除去し、溶接による鉄とアルミの合金化を防ぐことで
目的を達成せんとするものである。
【0006】その発明の要旨とするところは、 (1)アルミ系金属層と鉄系金属層とを積層接合して成
り、かつ最外層が鉄系金属である3層以上の複層鋼板同
士をスポット溶接する際、あるいは、この複層鋼板と鉄
系金属とをスポット溶接する際、スポット溶接時の加圧
力と電流値とを調整して内層のアルミ系金属を溶接部以
外の領域に押し出して除去し、複層鋼板の溶接部付近で
脆弱な金属間化合物を形成させることなく、複層鋼板同
士または複層鋼板と鉄系金属とを強固に溶接することを
特徴とする複層鋼板の溶接方法。 (2)アルミ系金属層と鉄系金属層とを積層接合して成
り、かつ最外層が鉄系金属である3層以上の複層鋼板同
士をスポット溶接する際、あるいは、この複層鋼板と鉄
系金属とをスポット溶接する際、予め、重ね合わせる側
と逆側の鉄系金属層の溶接部付近に穴をあけておき、溶
接中にこの穴を介して溶融したアルミ系金属を吹き出さ
せて逃がすことにより、複層鋼板の溶接部付近で脆弱な
金属間化合物を形成させることなく、複層鋼板同士また
は複層鋼板と鉄系金属とを強固に溶接し、かつ、複層鋼
板の溶接部周辺に発生する内層アルミ系金属の両側への
押し出しまたは膨張による鉄系金属層の膨れを防止する
ことを特徴とする複層鋼板の溶接方法。 (3)アルミ系金属層と鉄系金属層とを積層接合して成
り、かつ最外層が鉄系金属である3層以上の複層鋼板同
士をスポット溶接する際、あるいは、この複層鋼板と鉄
系金属とをスポット溶接する際、予め重ね合わせる側と
逆側の最外層鉄系金属の溶接部付近に穴を設けた構造を
持つ(2)の複層鋼板にある。
【0007】以下本発明について図面に従って詳細に説
明する。図1はFe/Al/Fe3層複層鋼板のFe層
1表面に穴3をあけ、図2に示すように穴を開けた側の
Fe層側を外側にして、複層鋼板同士を組み合わせた状
態で、電極4を用い、加圧方向の矢印5の方向に加圧力
を与え、複層鋼板同士をスポット溶接する状態を示して
いる。図3は本発明に係る複層鋼板同士をスポット溶接
した状態を示す概念図である。図3に示すように、電極
4を用い、加圧力を与えながらスポット溶接を行なった
ところ、アルミはスポット溶接部付近から、矢印に示す
左右方向に押し出され、その押し出された部分にはアル
ミは殆んど存在しなかった。ただ加圧力を増加させると
アルミの押し出しは顕著となる反面、鉄層表面の凹みも
大きくなる。そのため、鉄層の厚さ及び強度に合わせ
て、加圧力は適宜選択する必要がある。
【0008】図4は本発明に係る外層の鉄に穴を開けた
場合の溶接鋼板同士をスポット溶接した状態を示す概念
図である。図4に示すように、穴を開けた鉄層側を外側
にして、複層鋼板同士を組み合わせ、電極で加圧力を与
えながらスポット溶接を行なった。この場合にアルミは
スポット溶接部付近から穴を介して溶融状態でチリ状に
吹き出し、溶接部付近にアルミは残存しなかった。ま
た、溶接部付近には脆弱な金属間化合物は生成されてい
なかった。なお、本発明に用いる複層鋼板の製造法とし
ては爆着法、圧延法、ろう付法など、Fe/Al界面で
の圧接または拡散接合などの手法を用いたものなら、い
ずれの方法であっても良い。
【0009】
【実施例】
実施例1 Fe素材が冷延鋼板、Al素材がA5052から成る3
0×60mmのFe(0.4)/Al(0.4)/Fe
(0.4)3層(総厚さ:1.2mm 但し、()内は
各素材の厚さ)複層鋼板同士を、CF型(先端径:4.
5mm径)電極を用い、加圧力:200kg、通電時
間:10cyc、溶接電流範囲:5.7〜9.2KAの条
件でスポット溶接を行なったところ、溶接電流の値が
7.7KA以上では、アルミはスポット溶接部付近から左
右方向に押し出されており、その部分にアルミは殆ど存
在していなかった。また、溶接部付近の組織を観察した
が、脆弱な金属間化合物は生成されていなかった。Fe
素材である冷延鋼板をSUS304に変えても、Al素
材であるA5052をA1050に変えても、ある条件
範囲で同様の結果が得られた。
【0010】実施例2 実施例1において、加圧力を200kgから250kg
に変えて、同様の実験を行なうと、7.0KA以上で同様
の結果が得られた。しかし、加圧力を増加させると、ア
ルミの押し出しは顕著になる反面、鋼板表面の凹みも大
きくなるため、鋼板の厚さ、および強度に合わせて、加
圧力を適当に選択するのが良いものと考えられる。
【0011】実施例3 実施例1で用いた3層の複層鋼板と0.8mmの冷延鋼
板とを、CF型(先端径:4.5mm径)電極を用い、
加圧力:200kg、通電時間:10cyc、溶接電流
範囲:5.1〜9.9KAの条件でスポット溶接を行なっ
たところ、溶接電流の値が7.7KA以上では、アルミは
スポット溶接部付近から左右方向に押し出されており、
その部分にアルミは殆ど存在していなかった。また、溶
接部付近の組織を観察したが、脆弱な金属間化合物は生
成されていなかった。さらに、複層鋼板の溶接部側とは
逆側の鋼板まで同時に溶接されており、引張剪断荷重も
7.7KAを境に通常の電流値の増加に対する増加量に対
して3.0倍も増加した。
【0012】実施例4 実施例1で用いた3層の複層鋼板の溶接部付近に、表面
から、図1に示すように、直径2mm程度の穴をあけ、
図2に示すように、穴を開けた側を外側にして、複層鋼
板同士の組み合わせで、CF型(先端径:4.5mm
径)電極を用い、加圧力:200kg、通電時間:10
cyc、溶接電流範囲:6.0〜9.2KAの条件でスポ
ット溶接を行なったところ、全ての条件範囲で、アルミ
はスポット溶接部付近から穴を介して溶融状態でチリ状
に外に吹き出し、溶接部付近にアルミは残存していなか
った。また、溶接部付近の組織を観察したが、脆弱な金
属間化合物は生成されていなかった。さらに、複層鋼板
側のスポット溶接部付近を表面から観察すると、実施例
1の時に観察された、内層Alの押し出し、または膨張
による複層鋼板表面の膨れが観察されなかった。複層鋼
板と0.8mmの冷延鋼板との組み合わせでも実施して
みたが、結果は同様であった。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により従来複
層鋼板の溶接時に発生する脆弱な金属間化合物の生成及
びそれによる継手強度の劣化が完全に防止され、しか
も、アルミを押し出して除去することにより、溶接部が
純鉄、鋼あるいはステンレス板同士のみの溶接となり、
極めて優れた溶接部の強化を図ることが出来、しかも、
溶接部周辺に発生する鋼板の膨らみを防ぐことが出来る
優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るFe/Al/Fe3層複層鋼板の
Fe層表面に穴を開けた状態を示す概念図
【図2】穴を開けた側のFe層側を外側にして、複層鋼
板同士を組み合わせた状態を示す概念図
【図3】本発明に係る複層鋼板同志をスポット溶接した
状態を示す概念図
【図4】本発明に係る外層鉄に穴を開けた場合の溶接鋼
板同士をスポット溶接した状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 Fe層 2 アルミ層 3 穴 4 電極 5 加圧力 6 ナゲット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林田 輝樹 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ系金属層と鉄系金属層とを積層接
    合して成り、かつ最外層が鉄系金属である3層以上の複
    層鋼板同士をスポット溶接する際、あるいは、この複層
    鋼板と鉄系金属とをスポット溶接する際、スポット溶接
    時の加圧力と電流値とを調整して、内層のアルミ系金属
    を溶接部以外の領域に押し出して除去し、複層鋼板の溶
    接部付近で脆弱な金属間化合物を形成させることなく、
    複層鋼板同士または複層鋼板と鉄系金属とを強固に溶接
    することを特徴とする複層鋼板の溶接方法。
  2. 【請求項2】 アルミ系金属層と鉄系金属層とを積層接
    合して成り、かつ最外層が鉄系金属である3層以上の複
    層鋼板同士をスポット溶接する際、あるいは、この複層
    鋼板と鉄系金属とをスポット溶接する際、予め、重ね合
    わせる側と逆側の鉄系金属層の溶接部付近に穴をあけて
    おき、溶接中にこの穴を介して溶融したアルミ系金属を
    吹き出させて逃がすことにより、複層鋼板の溶接部付近
    で脆弱な金属間化合物を形成させることなく、複層鋼板
    同士または複層鋼板と鉄系金属とを強固に溶接し、か
    つ、複層鋼板の溶接部周辺に発生する内層アルミ系金属
    の両側への押し出しまたは膨張による鉄系金属層の膨れ
    を防止することを特徴とする複層鋼板の溶接方法。
  3. 【請求項3】 アルミ系金属層と鉄系金属層とを積層接
    合して成り、かつ最外層が鉄系金属である3層以上の複
    層鋼板同士をスポット溶接する際、あるいは、この複層
    鋼板と鉄系金属とをスポット溶接する際、予め、重ね合
    わせる側と逆側の最外層鉄系金属の溶接部付近に穴を設
    けた構造を持つ請求項2記載の複層鋼板。
JP4136736A 1992-05-28 1992-05-28 複層鋼板の溶接方法 Withdrawn JPH067951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4136736A JPH067951A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 複層鋼板の溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4136736A JPH067951A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 複層鋼板の溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH067951A true JPH067951A (ja) 1994-01-18

Family

ID=15182308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4136736A Withdrawn JPH067951A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 複層鋼板の溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH067951A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014094408A (ja) * 2012-10-11 2014-05-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal 溶接継手及び溶接継手の製造方法
CN110270750A (zh) * 2018-03-14 2019-09-24 通用汽车环球科技运作有限责任公司 包括具有钢板的钢工件和铝工件的电阻点焊工件堆叠

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014094408A (ja) * 2012-10-11 2014-05-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal 溶接継手及び溶接継手の製造方法
CN110270750A (zh) * 2018-03-14 2019-09-24 通用汽车环球科技运作有限责任公司 包括具有钢板的钢工件和铝工件的电阻点焊工件堆叠

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10500679B2 (en) Resistance welding electrode and method of resistance welding
US5302797A (en) Resistance welding of aluminum
JPH07214338A (ja) 鉄系金属材料とアルミニウム系金属材料との接合方法
US20070221631A1 (en) Method for joining or repairing metal surface parts
JP6410003B1 (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法
US6153854A (en) Aluminum sheet product and method of welding structural components
JP4185930B2 (ja) 異材接合体
JPH07178563A (ja) 圧接を併用したスポット溶接による接合方法および接合構造体
JP3157373B2 (ja) 複層鋼板のレーザ溶接方法
JP2007283313A (ja) 異材接合体
CA2501202A1 (en) Method for joining two metal sheets respectively consisting of an aluminium material and an iron or titanium material by means of a braze welding joint
JPH067951A (ja) 複層鋼板の溶接方法
JP6399266B1 (ja) 抵抗スポット溶接継手の製造方法
JP2861819B2 (ja) 異種金属の抵抗溶接方法
JP3504790B2 (ja) アルミニウム系材と鋼系材との異材接合方法
JPH10328856A (ja) 摩擦溶接方法および溶接継手構造
JPH067952A (ja) 複層鋼板の溶接方法
JP3323299B2 (ja) 複層鋼板のスポット溶接方法およびスポット溶接用複層鋼板
JPH0796380A (ja) 複層鋼板のレーザ溶接方法及びレーザ溶接用複層鋼板
WO2007063646A1 (ja) 異材接合体
JPH0663762A (ja) 異種金属接合用材料
Imaizumi Welding of aluminium to dissimilar metals
WO2006105658A1 (en) Laser welding of galvanized steel
JP2009056492A (ja) 異材接合体及びその製造方法
JPH10262363A (ja) リニアモーターカー用リアクションプレートおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990803