JPH0679322A - タンデムミルでの片クラウン金属帯の圧延における板クラウン制御方法 - Google Patents

タンデムミルでの片クラウン金属帯の圧延における板クラウン制御方法

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JPH0679322A
JPH0679322A JP4257594A JP25759492A JPH0679322A JP H0679322 A JPH0679322 A JP H0679322A JP 4257594 A JP4257594 A JP 4257594A JP 25759492 A JP25759492 A JP 25759492A JP H0679322 A JPH0679322 A JP H0679322A
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JP
Japan
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work roll
plate thickness
rolling
roll
plate
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Application number
JP4257594A
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English (en)
Inventor
Atsushi Aizawa
敦 相沢
Kenji Hara
健治 原
Kazunari Nakamoto
一成 中本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 片クラウン金属帯を板幅方向両側の板厚分布
が対称に近付くようにタンデムミルによって圧延する。 【構成】 最終段の圧延スタンドより上流側に一方のワ
ークロール3の胴部3bの一端に先細りとなるテーパ部
3aが形成されている2基以上の圧延スタンドで金属帯
1の板厚の薄い側の板幅方向側端部を前記テーパ部3a
に位置せしめ、金属帯1の板厚の厚い側の端部における
出側板厚hと各圧延スタンドのロール寸法によって決ま
る定数a,bとから導き出される値ah+bと前記テー
パ部3のテーパ角度θの正接tanθから求められる値W
RT=100×2×tanθと板側端からワークロールの
テーパ開始点T0までの距離を示すワークロールのシフ
ト位置WRδとの積で表される左右板厚差改善量△h=
(ah+b)×WRT×WRδをそれぞれ出側板厚hの
0.5%以下となる値の範囲でワークロールのシフト位
置WRδを配分設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板幅の側端から他方の
側端に向かって板厚が幅方向に漸減する形状の片クラウ
ン金属帯を板幅方向両側の板厚分布が対称に近付くよう
にタンデムミルによって圧延することのできるタンデム
ミルでの片クラウン金属帯の圧延における板クラウン制
御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属帯の圧延は古くから一般に左右(駆
動側と操作側)が対称な条件で行われており、一般に圧
延された金属帯(以下、材の語に代えて言うことがあ
る)の板厚は幅の中央部分が最も厚くて幅方向の両側端
に向かってほぼ対称的に漸減している板厚分布、即ち凸
クラウン形状を成している。しかるに近年、板厚精度に
対する要求がますます厳しくなってきており、板クラウ
ンの低減及び圧延材の左右板厚差の低減が強く求められ
ている。
【0003】このような要求に答えるため、それぞれ胴
部の一端に先細りとなるテーパを付されたテーパ部が形
成されている上下一方のワークロールがそのテーパ部を
左右反対側に位置して対向せしめられ且つ軸方向に移動
自在に設置されている圧延機によって金属帯の幅方向側
端部をワークロールの前記テーパ部に位置せしめた状態
で圧延することによって金属帯の幅方向の端部近傍にお
ける板厚の減少を抑えて板厚精度を高くする圧延方法が
提案されている。これはこのような圧延方法によって金
属帯を圧延すると、ワークロールのテーパ部における対
向するワークロールの間隔が増加するために、板厚の薄
い側端部の板厚の減少が板厚の厚い側端(中央部)に比
べて抑制されて板幅全体における板厚差が低減するから
である。
【0004】しかるに近年、一旦中間厚さまで圧延した
広幅金属材を長手方向にスリットして狭幅材とし、それ
を更に圧延するケースが増えている。上記スリットは広
幅材の幅の真中で左右にスリットする場合が多いので、
このようにして得られるスリット材は板幅の側端から他
方の側端に向かって板厚が幅方向に漸減する片クラウン
の板厚分布となっている。
【0005】このような片クラウンの板厚分布となって
いる狭幅材に対しても当然、板クラウンの低減及び圧延
材の左右板厚差の低減が強く求められているにも拘ら
ず、適切な低減方法が従来は存在しなかった。そこで、
本発明者らは上記従来の方法を応用した方法として、上
下のワークロールのうち胴部の一端に先細りとなるテー
パを付されたテーパ部が形成されている一方のワークロ
ールが軸方向に移動自在に設置されている圧延機によっ
て板幅の側端から他方の側端に向かって板厚が幅方向に
漸減する形状の片クラウン金属帯を圧延する方法に着目
した。
【0006】しかしながらこの方法を実施するに際し
て、板側端から胴部の一端に先細りとなるテーパを付さ
れたテーパ部が形成されている一方のワークロールのテ
ーパ開始点までの距離に関する適切な設定方法が存在し
ておらず、特に上下のワークロールのうち胴部の一端に
先細りとなるテーパを付されたテーパ部が形成されてい
る一方のワークロールが軸方向に移動自在に設置されて
いる2基以上の圧延スタンドが配設せしめられているタ
ンデムミルを使用する場合については板側端から胴部の
一端に先細りとなるテーパを付されたテーパ部が形成さ
れている一方のワークロールの各テーパ開始点までの距
離に関する適切な設定方法が存在していないため、左右
板厚差の改善量が不充分であったり、左右板厚差を大き
く変更することにより圧延材の形状不良(片伸び)が発
生し、著しい場合には板破断を生じることがあるという
問題点が生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決して、上下のワークロールのうち胴部の一端に先
細りとなるテーパを付されたテーパ部が形成されている
一方のワークロールが軸方向に移動自在に設置されてい
る2基以上の圧延スタンドが配設せしめられているタン
デムミルを使用して片クラウン金属帯を圧延するに際
し、各圧延スタンドにおいてワークロールのテーパ開始
点から片クラウン金属帯の板側端までの距離を予め適正
値に設定し、形状不良を発生させることなく所望の左右
板厚差改善量が得られるように圧延を行うことを可能と
させることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく鋭意研究の結果、以下に一部推測を交えな
がら説明する理由により、上下の円柱状のワークロール
のうち胴部の一端に先細りとなるテーパを付されたテー
パ部が形成されている一方のワークロールが軸方向に移
動自在に設置されている2基以上の圧延スタンドが配設
せしめられているタンデムミルを使用して板幅の側端か
ら他方の側端に向かって板厚が幅方向に漸減する形状の
片クラウン金属帯の板厚の薄い側の板幅方向側端部をワ
ークロールの前記テーパ部に位置せしめて圧延した場合
に、片クラウン金属帯の幅方向の板端近傍の所定の位置
における左右板厚差改善量が、片クラウン金属帯の出側
板厚,板側端からワークロールのテーパ開始点までの距
離及びワークロールに付されたテーパのテーパ角度にそ
れぞれ比例することを見出して本発明を完成したのであ
る。
【0009】 上下のワークロールのうち胴部の一端
に先細りとなるテーパを付されたテーパ部が形成されて
いる一方のワークロールが軸方向に移動自在に設置され
ている圧延スタンドにおいて、無負荷時におけるテーパ
部が形成された側(即ち、片クラウン金属帯の板厚の薄
い側)の板幅方向側端の対向するワークロール間の間隔
の増加量は、ワークロールのテーパ角度θの正接tanθ
から求められる値WRT(テーパ部のロール軸方向の長
さ100mm当りのワークロールの直径の減少量)、即ち WRT=100×2×tanθ とワークロールのシフト位置WRδとの積を100で除
した値によって表され、片クラウン金属帯の板幅方向側
端近傍の所定位置におけるワークロール間の間隔の増加
量は WRT×WRδ/100 として近似できる。
【0010】 ワークロールのテーパ部が圧延時にお
いてワークロールの弾性変形に及ぼす影響は、テーパ部
が片クラウン金属帯の板幅方向側端付近に位置するよう
に局所的に形成されているものであるからワークロール
のロール偏平が主となり、ロールの軸心たわみへ影響す
るところの小さいものである。従って、ワークロールの
テーパ部に位置する片クラウン金属帯の板幅方向側端近
傍の所定位置においては、片クラウン金属帯の張力の増
加により圧延荷重が減少するので、ワークロールの偏平
量が減少する。
【0011】 ワークロールの偏平減少量と圧延荷重
減少量,圧延荷重減少量と張力増加量,及び張力増加量
と出側板厚増加量はそれぞれほぼ比例関係にあるので、
ワークロールの偏平減少量と出側板厚増加量とがほぼ比
例関係にある。ここでテーパ部がワークロールの軸心の
たわみへ与える影響を無視すると、出側板厚増加量は無
負荷時における片クラウン金属帯のテーパ部が形成され
ている側(即ち、片クラウン金属帯の板厚の薄い側)の
板幅方向側端近傍の対向するワークロール間の間隔の増
加量からワークロールの偏平減少量を差し引いたものと
なり、出側板厚増加量はワークロールの間隔の増加量に
ほぼ比例する。
【0012】 ワークロールの胴部の一端に先細りと
なるテーパが付されていることによって片クラウン金属
帯の板厚の薄い側の板幅方向側端近傍の板厚が増加する
と、この側端近傍における片クラウン金属帯の幅方向中
心に対する伸び率が減少し、この伸び率の減少量は出側
板厚の変更によって増減し前記した張力の増加量とほぼ
比例関係にあるだけで他の圧延条件とはほとんど関係が
無い。
【0013】 テーパ部が形成されていない側(即
ち、片クラウン金属帯の板厚の厚い側)は無負荷時にお
けるワークロール間の間隔が変化しないので、板厚はほ
とんど変化しない。従って、左右板厚差改善量は、テー
パ部が形成されている側(即ち、片クラウン金属帯の板
厚の薄い側)の出側板厚増加量にほぼ等しい。
【0014】以上の〜項の知見から、片クラウン金
属帯の板厚の厚い側の端部における出側板厚hと各圧延
スタンドのロール寸法によって決まる定数a,bとから
導き出される値ah+bと、前記ワークロールのテーパ
角度θの正接tanθから求められる値WRTと、片クラ
ウン金属帯の側端からワークロールのテーパ開始点まで
の距離を示すワークロールのシフト位置WRδとの積に
よって左右板厚差改善量△h、即ち △h=(ah+b)×WRT×WRδ を推測することができることを究明して本発明を完成し
たのである。
【0015】以下、図面により本発明に係るタンデムミ
ルでの片クラウン金属帯の圧延における板クラウン制御
方法について詳細に説明する。図1は本発明方法を実施
するために最終段の圧延スタンドの前に一端にテーパを
付された上ワークロールを備えた3基の圧延スタンドを
配設したタンデムミルの1例を示す側面説明図、図2は
図1におけるA−A線断面説明図、図3は図2における
B部拡大説明図、図4はテーパを付された上ワークロー
ルを備えた1基の圧延スタンドで圧延された片クラウン
金属帯の板幅方向側端から所定位置における左右板厚差
改善量について測定量と式より求めた値との関係を示す
図、図5は図1に示すタンデムミルによって本発明方法
を実施して圧延された片クラウン金属帯と円柱状のワー
クロールを備えた4基の圧延スタンドを配設されたタン
デムミルによって圧延された片クラウン金属帯とについ
てそれぞれ板幅方向中央部に対する板厚偏差の分布を示
す図、図6はテーパを付された上ワークロールを備えた
1基の圧延スタンドについて片クラウン金属帯を出側板
厚及びワークロールのテーパ角度を一定にして圧延した
ときの左右板厚差改善量とワークロールのシフト位置と
の関係を示す図、図7はテーパを付された上ワークロー
ルを備えた1基の圧延スタンドについて片クラウン金属
帯を出側板厚及びワークロールのシフト位置を一定にし
て圧延したときの左右板厚差改善量とワークロールのテ
ーパ角度の正接との関係を示す図、図8はテーパを付さ
れた上ワークロールを備えた1基の圧延スタンドについ
て片クラウン金属帯をワークロールのテーパ角度及びワ
ークロールのシフト位置を一定にして圧延したときの左
右板厚差改善量と出側板厚との関係を示す図である。
【0016】本発明方法を実施するには、先ず図1〜図
3にその1例を示す如く上下のワークロール3のうち胴
部の一端に先細りとなるテーパを付されたテーパ部3a
が形成されている一方のワークロール3(図示した実施
例では上ワークロール)が軸方向に移動自在に設置され
ている2基以上の圧延スタンド2が最終段の圧延スタン
ド2より上流側に配設せしめられているタンデムミルを
準備する。このテーパ部3aが形成されているワークロ
ール3は、同一直径の胴部3bとテーパ部3aとの境界
点をなすテーパ開始点T0から片クラウン金属帯1の板
幅方向側端までの距離、即ちワークロール3のシフト位
置WRδを所定の値に設定できるように片クラウン金属
帯1の幅方向に移動自在に設置されている。
【0017】このようなワークロール3を設置される圧
延スタンド2としては、図1及び図2に示す如く片クラ
ウン金属帯1を挾んで両側にワークロール3が、またこ
のワークロール3の外側に中間ロール4が、更にその外
側にバックアップロール5がそれぞれ1組づつ配置され
ている6重圧延機の他に、クラスタミル,センジミヤミ
ル等種々の圧延スタンドを利用することができる。また
最終段の圧延スタンド2としては、通常の円柱状のワー
クロールが配設されているものを使用するが、テーパ部
3aが形成されているワークロール3が配置されている
圧延スタンド2を使用してこのテーパ部3aが形成され
ているワークロール3の同一径を有する胴部のみによっ
て片クラウン金属帯1を圧延してもよい。
【0018】このようなタンデムミルにおいて、最終段
の圧延スタンド2の出側及び/又は第1段の圧延スタン
ド2の入側で片クラウン金属帯1の板厚の薄い側の板幅
方向側端近傍の板厚を板厚測定器6により測定し、この
測定値に基づいて最終段より上流側の圧延スタンド2の
テーパ部3aが形成されているワークロール3のシフト
位置WRδを修正することが好ましい。
【0019】
【作用】このようなタンデムミルによって本発明方法を
実施するに際し、テーパ部3aが形成されているワーク
ロール3を軸方向に移動させ、片クラウン金属帯1の板
厚の薄い側の板幅方向側端部がワークロール3のテーパ
部3aに位置せしめられ且つワークロール3のシフト位
置WRδを以下に説明する如く設定するのである。
【0020】そのためには、先ずテーパ部3aが形成さ
れているワークロール3を備えた各圧延スタンド2につ
いて改善すべき左右板厚差改善量△hを決めるのである
が、1基の圧延スタンド2における左右板厚差改善量△
hは前記した如く片クラウン金属帯1の板幅方向中央に
おける出側板厚hと各圧延スタンド2のロール寸法によ
って決まる定数a,bとから導き出される値ah+b
と、ワークロール3のテーパ角度θの正接tanθから
求められる値WRT WRT=100×2×tanθ と、ワークロール3のシフト位置WRδとの積、即ち △h=(ah+b)×WRT×WRδ によって推測される。
【0021】即ち、テーパ部3aが形成されているワー
クロール3を備えた或る圧延スタンド2において片クラ
ウン金属帯1の板厚の厚い側の端部における出側板厚h
及びワークロール3のテーパ角度θを共に一定にして片
クラウン金属帯1を圧延したときの左右板厚差改善量△
hは図6に示す如くワークロール3のシフト位置WRδ
の増加に比例して増加し、片クラウン金属帯1の板厚の
厚い側の端部における出側板厚h及びワークロール3の
シフト位置WRδを共に一定にして片クラウン金属帯1
を圧延したときの左右板厚差改善量△hは図7に示す如
くワークロール3のテーパ角度θの正接tanθの増加に
比例して増加し、更にワークロール3のテーパ角度θ及
びワークロール3のシフト位置WRδを共に一定にして
片クラウン金属帯1を圧延したときの左右板厚差改善量
△hは図8に示す如く片クラウン金属帯1の板厚の厚い
側の端部における出側板厚hの増加に比例して増加する
ことが実験によって確認された。更に、片クラウン金属
帯1の板厚の厚い側の端部における出側板厚hと圧延ス
タンド2のロール寸法によって決まる定数a,bとから
導き出される値ah+bとワークロール3のテーパ角度
θの正接tanθから求められる値WRTとワークロール
3のシフト位置WRδとの積から求めた左右板厚差改善
量△hと片クラウン金属帯1を圧延スタンド2の出側に
おいて測定した測定値とを比較したところ、図4に示す
如くほぼ一致していることが確認された。
【0022】このときのワークロール3のテーパ部3a
が形成されている側の片クラウン金属帯1の板厚の薄い
側の板幅方向側端近傍の所定位置におけるワークロール
3間の間隔の増加量はWRT×WRδ/100として近
似しており、また圧延された片クラウン金属帯1の板厚
は板厚の厚い側の端部から側端に行くに従って緩やかに
2次曲線的に減少し側端から20mm前後の位置より側端
側では通常板厚が急激に減少するので、本実施例におい
ては側端から20mmの位置における左右板厚差改善量△
hを設定する。また左右板厚差改善量△hは、1基の圧
延スタンドにおいてテーパ部3aが形成されていない上
下の円柱状のワークロール3によって圧延した片クラウ
ン金属帯1と一方ワークロール3が板厚の薄い側の板幅
方向側端部にテーパ部3aを形成されている上下のワー
クロール3によって圧延した片クラウン金属帯1との板
幅方向側端近傍における左右板厚差の差であるから、テ
ーパ部3aが形成されていない上下の円柱状のワークロ
ール3によって圧延した片クラウン金属帯1の前記側端
から20mmの位置における左右板厚差から左右板厚差改
善量△hを設定する。この左右板厚差改善量△hは、圧
延率,板厚等によってその設定値を適切な値に設定する
のであり、板端近傍の張力増加による板破断を防止する
ために出側板厚hの0.5%以下となる値の範囲内に設
定する。
【0023】次いで、片クラウン金属帯1の板厚の厚い
側の端部における出側板厚h,即ち対向するワークロー
ル3の胴部3b間の間隔と圧延スタンド2のロール寸法
によって決まる定数a,bとから導き出される値ah+
bの値を導き出す。この圧延スタンド2のロール寸法に
よって決まる定数a及びbは、ロール径,ロール胴長,
ロールチョック間距離によって異なるのであるが、同一
圧延スタンドにおいてはこれらのロール寸法の変動は小
さい。従って、或るロール寸法ではWRδ及びWRTを
一定にして出側板厚hを変化させた実験を行い、そのと
きの左右板厚差改善量△hを測定することにより求める
ことができ、例えば後述する実施例においては、aは
0.145で、bは0.03として上記値が求められた。
【0024】以上の如く求めた値からワークロール3の
シフト位置WRδを前記した関係、即ち左右板厚差改善
量△hは片クラウン金属帯1の板厚の厚い側の端部にお
ける出側板厚hと圧延スタンド2のロール寸法によって
決まる定数a,bとから導き出される値ah+bと前記
ワークロール3のテーパ角度θの正接tanθから求めら
れる値WRTと片クラウン金属帯1の板厚の薄い側の側
端からワークロール3のテーパ開始点T0までの距離を
示すワークロール3のシフト位置WRδとの積によって
表されるから WRδ=△h/{(ah+b)×WRT} から各圧延スタンドについて配分するように求めて設定
する。左右板厚差改善量△hの配分にあたっては、各圧
延スタンドにおける左右板厚差改善量△hの最終段の圧
延スタンド出側まで残留する量及び板端近傍の張力増加
量を考慮した設定が必要である。
【0025】ここで、各圧延スタンドにおける左右板厚
差改善量△hの最終段の圧延スタンド出側まで残留する
量はその圧延スタンド以降の圧下率に応じて減少する
が、最終段の圧延スタンド出側の板厚をhfとすると、
左右板厚差改善量△hの最終圧延スタンド出側まで残留
する量△hfは △hf=△h×hf/h×α で表される。ここで、係数αは左右板厚差改善量△hの
残留比率を表す係数であって実験によって求めることが
でき、例えば後述する実施例においては各圧延スタンド
とも、αは0.7として上記値が求められた。このよう
にして求められる各圧延スタンドでの左右板厚差改善量
△hの最終段の圧延スタンド出側まで残留する量△hf
の合計が目標値となるように左右板厚差改善量△hを配
分設定するのである。
【0026】この設定は、第1段の圧延スタンドでは片
クラウン金属帯1の変形抵抗が低いので、△h/h(こ
の値は板端近傍の張力増加量とほぼ比例する)を小さく
し、最終段の圧延スタンド2の一つ手前の圧延スタンド
2まで△h/hが順次増加するように左右板厚差改善量
△hを配分することが好ましい。このとき、片クラウン
金属帯1の板幅が広い場合やワークロール3の軸方向へ
の移動範囲が小さい場合等の理由によってワークロール
3のシフト位置WRδを所定の値に設定することができ
ない場合には、板厚の薄い側の板幅方向側端部に大きな
テーパ角度θを有するテーパ部3aの形成されたワーク
ロール3に交換してワークロール3のテーパ角度θを設
定してから上記した如くワークロール3のシフト位置W
Rδを設定すればよい。
【0027】また図1に示す如く最終段の圧延スタンド
2を通板せしめられた片クラウン金属帯1の板幅方向側
端近傍の板厚を板厚測定器6により測定し、この測定値
に基づいて左右板厚差を算出することにより最終段より
上流側の圧延スタンド2のワークロール3のシフト位置
WRδを修正すれば、より効果的に板厚精度を得ること
ができ、また第1段の圧延スタンド2に通板せしめる片
クラウン金属帯1の板幅方向側端近傍の板厚を板厚測定
器6により測定し、この測定値に基づいて左右板厚差を
算出することにより最終段より上流側の圧延スタンド2
のワークロール3のシフト位置WRδを修正すれば、よ
り効果的に板厚精度を得ることができるのである。
【0028】
【実施例】図1及び図2に示す如く、上ワークロールの
一端にテーパ角度θが4.00×10-4radのテーパを
付され、胴部直径が420mmで胴部3bの長さが188
0mmを有し且つチョック間距離が3030mmであるワー
クロール3と、胴部直径が550mmで胴部の長さが17
20mmを有し且つチョック間距離が3590mmである中
間ロール4と、胴部直径が1330mmで胴部の長さが1
730mmを有し且つチョック間距離が2830mmである
バックアップロール5とから成る6重圧延スタンド2を
第1段の圧延スタンドに、また上ワークロールの一端に
テーパ角度θが5.00×10-4radのテーパを付さ
れ、胴部直径が430mmで胴部3bの長さが1880mm
を有し且つチョック間距離が3030mmであるワークロ
ール3と、胴部直径が540mmで胴部の長さが1720
mmを有し且つチョック間距離が3590mmである中間ロ
ール4と、胴部直径1330mmで胴部に長さが1730
mmを有し且つチョック間距離が2830mmであるバック
アップロール5とから成る6重圧延スタンド2を第2段
の圧延スタンドに、また上ワークロールの一端にテーパ
角度θが6.00×10-4radのテーパを付され、胴部直
径が460mmで胴部3bの長さが1880mmを有し且つ
チョック間距離が3030mmであるワークロール3と、
胴部直径が510mmで胴部の長さが1720mmを有し且
つチョック間距離が3590mmである中間ロール4と、
胴部直径が1360mmで胴部に長さが1730mmを有し
且つチョック間距離が2830mmであるバックアップロ
ール5とから成る6重圧延スタンド2を第3段の圧延ス
タンドに、そして胴部直径が430mmで胴部の長さが1
880mmを有し且つチョック間距離が3030mmである
円柱状ワークロール3と、胴部直径が590mmで胴部の
長さが1720mmを有し且つチョック間距離が3590
mmである中間ロール4と、胴部直径が1360mmで胴部
の長さが1730mmを有し且つチョック間距離が283
0mmであるバックアップロール5とから成る6重圧延ス
タンド2を最終段の圧延スタンドに、それぞれ図1に示
す如く配設された4基の圧延スタンドから成るタンデム
ミルによって、板幅1220mm,板厚3.15mmの片ク
ラウン普通鋼帯を最終段の圧延スタンドの出側板厚hが
1.01mmとなるように圧延するに際し、第1段の圧延
スタンド2で左右板厚差改善量△hを出側板厚2.21m
mの0.5%以下の値である5.6μmとするためには上ワ
ークロール3の直径の100mm当りの減少量WRTが
0.08mmであるから上ワークロール3のシフト位置W
Rδを200mmに設定し、そして第2段の圧延スタンド
2で左右板厚差改善量△hを出側板厚1.55mmの0.5
%以下の値である5.1μmとするためには上ワークロー
ル3の直径の100mm当りの減少量WRTが0.10mm
であるから上ワークロール3のシフト位置WRδを20
0mmに設定し、更に第3段の圧延スタンド2で左右板厚
差改善量△hを出側板厚1.13mmの0.5%以下の値で
ある4.7μmとするためには上ワークロール3の直径の
100mm当りの減少量WRTが0.12mmであるから上
ワークロール3のシフト位置WRδを200mmに設定し
て圧延した。左右板厚差改善量△hの最終段の圧延スタ
ンド出側まで残留する量△hfは、第1段の圧延スタン
ドで1.8μm,第2段の圧延スタンドで2.3μm,第3
段の圧延スタンドで2.9μmとなり、△hfの合計は7.
0μmと算出されるが、実際の圧延結果も図5に示すよ
うに片クラウン金属帯の板幅方向側端から20mmの位置
における左右の板厚差を全圧延スタンドとも円柱状のワ
ークロール3によって上記片クラウン普通鋼帯1を同一
条件で圧延した場合より約7μm改善することができ
た。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明方法を実施する
と、タンデムミルにより圧延される片クラウン金属帯の
各圧延スタンドにおける左右板厚差改善量は、上下のワ
ークロールのうち胴部の一端に先細りとなるテーパを付
されたテーパ部が形成されている一方のワークロールを
軸方向に移動させるだけの簡単な操作によりそのワーク
ロールのシフト位置を設定することによって所望の値に
することができて且つワークロールのシフト位置は圧延
前に適切に設定することができるので、板幅の変更,出
側板厚の変更等に際して左右板厚差改善量を容易に制御
することができて作業効率が非常に向上するのである。
【0030】また片クラウン金属帯の板幅が広い場合や
ワークロールの軸方向への移動範囲が小さい場合等の理
由によりワークロールのシフト位置を所定の値に設定す
ることができない場合には、テーパ角度の異なるワーク
ロールに交換してワークロールのテーパ角度を設定して
からワークロールのシフト位置を所定の値に設定すれ
ば、種々の圧延機に容易に対応することができるのであ
る。
【0031】更に最終段の圧延スタンドにおいて胴部の
一端に先細りとなるテーパを付されたテーパ部が形成さ
れているワークロールが設置されている圧延スタンドを
配設しこのワークロールの同一径を有する円柱状の胴部
のみによって片クラウン金属帯を圧延するか又は円柱状
のワークロールが設置されている圧延スタンドを配設し
この円柱状のワークロールによって片クラウン金属帯を
圧延することによって、片クラウン金属帯に与える中伸
びの影響を少なくできて良好な形状に圧延することがで
きる。
【0032】また最終段の圧延スタンドの出側や第1段
の圧延スタンドの入側において片クラウン金属帯の板幅
方向側端近傍の左右板厚差を測定すれば、圧延条件の変
更等による片クラウン金属帯の板厚の変動にも圧延中に
おいて容易に対応してワークロールのシフト位置を修正
し、より効果的に板厚精度に優れた圧延を行うことがで
きる。このように片クラウン金属帯を板厚精度の優れた
状態にタンデムに設置された種々の圧延機で効率良く圧
延することのできる本発明方法は、工業的価値の非常に
大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するために最終段の圧延スタ
ンドの前に一端にテーパを付された上ワークロールを備
えた3基の圧延スタンドを配設したタンデムミルの1例
を示す側面説明図である。
【図2】図1におけるA−A線断面説明図である。
【図3】図2におけるB部拡大説明図である。
【図4】テーパを付された上ワークロールを備えた1基
の圧延スタンドで圧延された片クラウン金属帯の板幅方
向側端から所定位置における左右板厚差改善量について
測定値と式より求めた値との関係を示す図である。
【図5】図1に示すタンデムミルによって本発明方法を
実施して圧延された片クラウン金属帯と円柱状のワーク
ロールを備えた4基の圧延スタンドを配設されたタンデ
ムミルによって圧延された片クラウン金属帯とについて
それぞれ板幅方向中央部に対する板厚偏差の分布を示す
図である。
【図6】テーパを付された上ワークロールを備えた1基
の圧延スタンドについて片クラウン金属帯を出側板厚及
びワークロールのテーパ角度を一定にして圧延したとき
の左右板厚差改善量をワークロールのシフト位置との関
係を示す図である。
【図7】テーパを付された上ワークロールを備えた1基
の圧延スタンドについて片クラウン金属帯を出側板厚及
びワークロールのシフト位置を一定にして圧延したとき
の左右板厚差改善量とワークロールのテーパ角度の正接
との関係を示す図である。
【図8】テーパを付された上ワークロールを備えた1基
の圧延スタンドについて片クラウン金属帯をワークロー
ルのテーパ角度及びワークロールのシフト位置を一定に
して圧延したときの左右板厚差改善量と出側板厚との関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 片クラウン金属帯 2 圧延スタンド 3 ワークロール 3a テーパ部 3b 胴部 4 中間ロール 5 バックアップロール 6 板厚測定器 T0 テーパ開始点 θ ワークロールのテーパ角度 WRδ ワークロールのシフト位置 WRT ワークロールのテーパ部の100mm当りの直径
減少量

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下のワークロールのうち胴部の一端に
    先細りとなるテーパを付されたテーパ部が形成されてい
    る一方のワークロールが軸方向に移動自在に設置されて
    いる2基以上の圧延スタンドが最終段の圧延スタンドよ
    り上流側に配設せしめられているタンデムミルによって
    板幅の側端から他方の側端に向かって板厚が幅方向に漸
    減する形状の片クラウン金属帯を圧延するに際し、前記
    各圧延スタンドにおいて該片クラウン金属帯の板厚の薄
    い側の板幅方向側端部をワークロールの前記テーパ部に
    位置せしめると共に、該片クラウン金属帯の板厚の厚い
    側の端部における出側板厚hと各圧延スタンドのロール
    寸法によって決まる定数a,bとから導き出される値a
    h+bと前記ワークロールのテーパ部のテーパ角度θの
    正接tanθから求められる値WRT WRT=100×2×tanθ と板側端からワークロールのテーパ開始点までの距離を
    示すワークロールのシフト位置WRδとの積で表される
    左右板厚差改善量△h △h=(ah+b)×WRT×WRδ をそれぞれ出側板厚hの0.5%以下となる値の範囲で
    前記ワークロールのシフト位置WRδをワークロールを
    その軸方向に移動させて配分設定することを特徴とする
    タンデムミルでの片クラウン金属帯の圧延における板ク
    ラウン制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101242907B1 (ko) * 2010-12-27 2013-03-12 주식회사 포스코 압연기용 백업롤
CN109513746A (zh) * 2018-12-05 2019-03-26 德龙钢铁有限公司 一种用于小规格连铸坯的热轧带钢方法及粗轧装置

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