JPH0679137A - 希薄窒素酸化物含有空気の処理方法 - Google Patents
希薄窒素酸化物含有空気の処理方法Info
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- JPH0679137A JPH0679137A JP4235867A JP23586792A JPH0679137A JP H0679137 A JPH0679137 A JP H0679137A JP 4235867 A JP4235867 A JP 4235867A JP 23586792 A JP23586792 A JP 23586792A JP H0679137 A JPH0679137 A JP H0679137A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 希薄なNOX を含む大容量の空気を効率よく浄
化する方法を提供することを目的としている。 【構成】 希薄NOX 含有空気1はNOX 吸着塔16に導か
れNOX が吸着除去され清浄ガス6として大気へ排出され
る。この間、先にNOX を吸着した吸着塔17では吸着NO
X の脱着が行なわれる。脱着されたNOX ガス8は熱交換
器11で加温され、それに還元ガスとなる炭化水素12
が添加されNOX 分解塔18へ導入される。ここで炭化水
素の作用によりNOX はN2とO2に分解される。NOX 分解塔
18の出口ガス14は熱交換器11を通ったのち、リサ
イクルガス5としてNOX 濃縮工程へ送られる。
化する方法を提供することを目的としている。 【構成】 希薄NOX 含有空気1はNOX 吸着塔16に導か
れNOX が吸着除去され清浄ガス6として大気へ排出され
る。この間、先にNOX を吸着した吸着塔17では吸着NO
X の脱着が行なわれる。脱着されたNOX ガス8は熱交換
器11で加温され、それに還元ガスとなる炭化水素12
が添加されNOX 分解塔18へ導入される。ここで炭化水
素の作用によりNOX はN2とO2に分解される。NOX 分解塔
18の出口ガス14は熱交換器11を通ったのち、リサ
イクルガス5としてNOX 濃縮工程へ送られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒素酸化物(以下NOX と
いう)含有空気の浄化方法に関し、例えば自動車の排ガ
スなどから発生するNOX で汚染された空気を効率良く浄
化する汚染空気の処理法に関する。
いう)含有空気の浄化方法に関し、例えば自動車の排ガ
スなどから発生するNOX で汚染された空気を効率良く浄
化する汚染空気の処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】東京都区内、大阪市などの大都市のトン
ネル道、地下道、騒音防止用カバーのある道路、地下駐
車場などにおいては3ppm 程度のNOX が認められ、さら
に今後増加の見込まれる地下トンネル自動車道路におい
ても同様の汚染が進むものと考えられるが、従来このよ
うな汚染度の希薄な大容量の空気を浄化する方法は実用
化されていない。汚染空気の浄化方法は乾式法と湿式法
に大別されるが、湿式法は排水処理装置を必要とするた
めに実用化が困難であり、乾式法の開発が主流となって
いる。
ネル道、地下道、騒音防止用カバーのある道路、地下駐
車場などにおいては3ppm 程度のNOX が認められ、さら
に今後増加の見込まれる地下トンネル自動車道路におい
ても同様の汚染が進むものと考えられるが、従来このよ
うな汚染度の希薄な大容量の空気を浄化する方法は実用
化されていない。汚染空気の浄化方法は乾式法と湿式法
に大別されるが、湿式法は排水処理装置を必要とするた
めに実用化が困難であり、乾式法の開発が主流となって
いる。
【0003】乾式法としては、汚染空気を活性炭、モ
レキュラシーブ、シリカゲル、アルミナ、金属酸化物な
どの吸着剤に通してNOX を吸着させる吸着法、汚染空
気にNH3 を注入して加熱し、触媒を用いてNOX をN2に還
元する選択的接触還元法、あるいは汚染空気にNH3 を
添加し、電子線を照射してNOX とSOX を硝酸や硫酸ミス
トとし、NH3 との反応で硝酸アンモニウム、硫酸アンモ
ニウムを生成し、電気集塵機などにより回収する電子線
照射法などがある。
レキュラシーブ、シリカゲル、アルミナ、金属酸化物な
どの吸着剤に通してNOX を吸着させる吸着法、汚染空
気にNH3 を注入して加熱し、触媒を用いてNOX をN2に還
元する選択的接触還元法、あるいは汚染空気にNH3 を
添加し、電子線を照射してNOX とSOX を硝酸や硫酸ミス
トとし、NH3 との反応で硝酸アンモニウム、硫酸アンモ
ニウムを生成し、電気集塵機などにより回収する電子線
照射法などがある。
【0004】さらに理想的な方法として、触媒の存在
下で還元剤の添加なしでNOX を無害なN2とO2に分解する
NOX 接触分解法などがある〔産業公害防止協会編「自動
車排ガスの処理技術に関する調査研究」(日本道路公団
委託)昭和58年3月、37〜38頁〕。 しかし吸着法だけでは吸着剤の吸着能力に限界があ
り、吸着と脱着を交互に繰り返す必要がある。そのため
脱着されたNOX の無害化処理が不可欠となり、これだけ
では実用的な処理法にならない。
下で還元剤の添加なしでNOX を無害なN2とO2に分解する
NOX 接触分解法などがある〔産業公害防止協会編「自動
車排ガスの処理技術に関する調査研究」(日本道路公団
委託)昭和58年3月、37〜38頁〕。 しかし吸着法だけでは吸着剤の吸着能力に限界があ
り、吸着と脱着を交互に繰り返す必要がある。そのため
脱着されたNOX の無害化処理が不可欠となり、これだけ
では実用的な処理法にならない。
【0005】選択的接触還元法や電子線照射法で
は、本発明が対象とするような大容量汚染空気中の希薄
NOX との反応に必要な微量のNH3 を均一混合することは
難しく、未反応NH3 の外部流出など2次公害の恐れがあ
る。又、NOX 接触分解法は、希薄NOX 濃度では分解反
応速度が急激に小さくなり、実用的でないのでとの組
合せが必要となる。
は、本発明が対象とするような大容量汚染空気中の希薄
NOX との反応に必要な微量のNH3 を均一混合することは
難しく、未反応NH3 の外部流出など2次公害の恐れがあ
る。又、NOX 接触分解法は、希薄NOX 濃度では分解反
応速度が急激に小さくなり、実用的でないのでとの組
合せが必要となる。
【0006】しかしNH3 ,O3などを使用しない無公害処
理技術として有望と考え、従来からとを組合せる大
容量NOX 汚染空気の浄化技術を研究してきた。その結
果、常温・常圧で吸着剤によりNOX を吸着除去して、清
浄空気を系外に排出すると共に、吸着NOX を減圧脱着し
て濃縮された脱着ガスを得るNOX 吸脱着工程と、脱着ガ
スをNOX 分解触媒により高温下で接触分解してN2とO2に
分解するNO X 分解工程を組合せる浄化方法を提案した
(特開平3−186318) 。
理技術として有望と考え、従来からとを組合せる大
容量NOX 汚染空気の浄化技術を研究してきた。その結
果、常温・常圧で吸着剤によりNOX を吸着除去して、清
浄空気を系外に排出すると共に、吸着NOX を減圧脱着し
て濃縮された脱着ガスを得るNOX 吸脱着工程と、脱着ガ
スをNOX 分解触媒により高温下で接触分解してN2とO2に
分解するNO X 分解工程を組合せる浄化方法を提案した
(特開平3−186318) 。
【0007】ここで使用されるNOX 分解触媒の反応温度
は400〜500℃が必要であり、NOX 濃度は高いほ
ど、共存ガスのO2,H20 濃度は低いほど、分解性能が向
上することが知られている。なかでもNOX 濃度を高める
ことが重要となり、大容量NOX汚染空気(NOX :2〜5p
pm )の浄化に適用するには、1%程度に濃縮する必要
がある。
は400〜500℃が必要であり、NOX 濃度は高いほ
ど、共存ガスのO2,H20 濃度は低いほど、分解性能が向
上することが知られている。なかでもNOX 濃度を高める
ことが重要となり、大容量NOX汚染空気(NOX :2〜5p
pm )の浄化に適用するには、1%程度に濃縮する必要
がある。
【0008】従って、汚染空気中のNOX を分離・濃縮す
るNOX 吸脱着工程では、3000倍程度の濃縮度を要求
され、これを常圧吸着・減圧脱着で達成するには、1〜
3Torrの高真空でも1段では達成できず2段処理とな
る。また1〜3Torrの高真空に到達する大容量真空ポン
プを経済的に製作することは難しく、動力費もかなり増
大することが懸念される。
るNOX 吸脱着工程では、3000倍程度の濃縮度を要求
され、これを常圧吸着・減圧脱着で達成するには、1〜
3Torrの高真空でも1段では達成できず2段処理とな
る。また1〜3Torrの高真空に到達する大容量真空ポン
プを経済的に製作することは難しく、動力費もかなり増
大することが懸念される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】大容量希薄NOX 汚染空
気の浄化技術に、NOX の常圧吸着と減圧脱着を交互に繰
り返すNOX 吸脱着工程と、還元剤の添加なしで直接接触
分解するNOX 分解触媒工程を組合せる場合、NOX 吸脱着
工程の負荷軽減を図る必要がある。
気の浄化技術に、NOX の常圧吸着と減圧脱着を交互に繰
り返すNOX 吸脱着工程と、還元剤の添加なしで直接接触
分解するNOX 分解触媒工程を組合せる場合、NOX 吸脱着
工程の負荷軽減を図る必要がある。
【0010】本発明は上記課題を解決しようとするもの
であり、吸着剤からのNOX 脱着作用を比較的温和な条件
で行い、NOX 濃縮率を100倍程度にしても高い脱硝性
能の維持が可能な、実用性のある大容量希薄NOX 汚染空
気の浄化方法を提供することを課題としている。
であり、吸着剤からのNOX 脱着作用を比較的温和な条件
で行い、NOX 濃縮率を100倍程度にしても高い脱硝性
能の維持が可能な、実用性のある大容量希薄NOX 汚染空
気の浄化方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
解決するため、自動車排ガスから発生するNOX などで汚
染された空気から、常温で吸着剤によりNOX を吸着除去
し、清浄空気として系外に排出する一方、吸着NOX を脱
着して濃縮された脱着ガスを得るNOX 吸脱着工程と、該
脱着ガスに炭化水素を添加して、NOX 分解触媒により接
触分解して無害化し、該分解ガスは前記脱着ガスと相互
に熱交換して該分解ガスの熱回収後にNO X 吸脱着工程に
返すNOX 分解工程からなる処理方法を採用する。
解決するため、自動車排ガスから発生するNOX などで汚
染された空気から、常温で吸着剤によりNOX を吸着除去
し、清浄空気として系外に排出する一方、吸着NOX を脱
着して濃縮された脱着ガスを得るNOX 吸脱着工程と、該
脱着ガスに炭化水素を添加して、NOX 分解触媒により接
触分解して無害化し、該分解ガスは前記脱着ガスと相互
に熱交換して該分解ガスの熱回収後にNO X 吸脱着工程に
返すNOX 分解工程からなる処理方法を採用する。
【0012】
【作用】本発明において、2〜5ppm の希薄NOX を含む
汚染空気は、NOX 吸着性能に優れた吸着剤が充填された
充填塔に導入され、NOX が吸着剤に吸着されて、上記充
填塔からは浄化空気が排出される。NOX 吸着が進んで、
上記充填塔から排出される浄化空気中のNOX 濃度が所定
濃度になる前に、吸着剤に吸着されたNOX を脱着して吸
着剤を再生する。
汚染空気は、NOX 吸着性能に優れた吸着剤が充填された
充填塔に導入され、NOX が吸着剤に吸着されて、上記充
填塔からは浄化空気が排出される。NOX 吸着が進んで、
上記充填塔から排出される浄化空気中のNOX 濃度が所定
濃度になる前に、吸着剤に吸着されたNOX を脱着して吸
着剤を再生する。
【0013】吸着NOX の脱着は、充填塔内を減圧して吸
着剤に吸着されているNOX を気相側に移行させる減圧脱
気法で行うが、長期間の吸着と脱着の繰返しに従い、NO
X 吸着・脱着性能が低下するような場合には、一時的に
脱着温度を上げて吸着剤に蓄積しているばいじん、SOX
化合物などの吸着成分を完全に脱着して吸着剤の再生を
行うこともできる。
着剤に吸着されているNOX を気相側に移行させる減圧脱
気法で行うが、長期間の吸着と脱着の繰返しに従い、NO
X 吸着・脱着性能が低下するような場合には、一時的に
脱着温度を上げて吸着剤に蓄積しているばいじん、SOX
化合物などの吸着成分を完全に脱着して吸着剤の再生を
行うこともできる。
【0014】脱着されたNOX 含有ガスはNOX 分解触媒を
充填したNOX 分解塔に導かれる。ここでは炭化水素が還
元ガスとして添加され、NOX はN2とO2に分解される。プ
ロパン (C3H8) の場合の反応式を(1)に示す。
充填したNOX 分解塔に導かれる。ここでは炭化水素が還
元ガスとして添加され、NOX はN2とO2に分解される。プ
ロパン (C3H8) の場合の反応式を(1)に示す。
【0015】 2NO+4O2+C3H8→N2+3CO2 +4H2O …………………………………(1) 上記反応はNOX 濃度が数百ppm でも十分進み、かつ還元
ガス無添加の接触分解反応に比して高SV値、低温、共存
ガスの影響(特にO2濃度)小などの特徴があり、前段の
NOX 吸脱着工程の負荷軽減につながる。
ガス無添加の接触分解反応に比して高SV値、低温、共存
ガスの影響(特にO2濃度)小などの特徴があり、前段の
NOX 吸脱着工程の負荷軽減につながる。
【0016】従って処理方法全体で見ればNOX 濃縮度が
1オーダー下がることによるNOX 吸脱着塔の狭小化、真
空ポンプ動力の低減などの改善が図られ、より経済性に
優れた処理方法を提供できる。炭化水素としてはC数の
多い方が、また不飽和炭化水素の方が高性能となるが、
プロパンは価格的、需要面から最も一般的である。
1オーダー下がることによるNOX 吸脱着塔の狭小化、真
空ポンプ動力の低減などの改善が図られ、より経済性に
優れた処理方法を提供できる。炭化水素としてはC数の
多い方が、また不飽和炭化水素の方が高性能となるが、
プロパンは価格的、需要面から最も一般的である。
【0017】
【実施例】本発明の実施態様を図1によって詳述する。
空気1を供給するブロワ2により除塵器3に導き、空気
中のばいじんを除去後、後述のNOX 分解工程からのリサ
イクルガス5を加えて、NOX 吸着塔入口ガス4としてNO
X 吸着塔16に供給する。ここでほとんどのNOX は吸着
除去され、清浄ガス6として排出される。
空気1を供給するブロワ2により除塵器3に導き、空気
中のばいじんを除去後、後述のNOX 分解工程からのリサ
イクルガス5を加えて、NOX 吸着塔入口ガス4としてNO
X 吸着塔16に供給する。ここでほとんどのNOX は吸着
除去され、清浄ガス6として排出される。
【0018】NOX 脱着を行なわせる吸着塔17では、先
に吸着したNOX をガス側に脱着させるために、吸着塔1
7の内部は真空ポンプ9で脱気され減圧条件下におかれ
る。減圧下で吸着剤からガス側に脱着したNOX ガス7
は、そのNOX 濃度が入口ガス1のそれに比較して100
倍程度に濃縮されており、ガス流量も1/100程度に
減少しているが、後述のNOX 分解工程へのNOX 濃度をさ
らに上昇させ、供給ガス量を減少させるために、再度NO
X 濃縮工程(図1では省略、NOX 吸着塔16、NO X 脱着
塔17と同じものが真空ポンプ9の後流に設置される)
を設けることもできる。
に吸着したNOX をガス側に脱着させるために、吸着塔1
7の内部は真空ポンプ9で脱気され減圧条件下におかれ
る。減圧下で吸着剤からガス側に脱着したNOX ガス7
は、そのNOX 濃度が入口ガス1のそれに比較して100
倍程度に濃縮されており、ガス流量も1/100程度に
減少しているが、後述のNOX 分解工程へのNOX 濃度をさ
らに上昇させ、供給ガス量を減少させるために、再度NO
X 濃縮工程(図1では省略、NOX 吸着塔16、NO X 脱着
塔17と同じものが真空ポンプ9の後流に設置される)
を設けることもできる。
【0019】またNOX 脱着塔17での脱着効率を上げる
ためにパージガス15を使用するが、NOX 分解塔18へ
の供給ガス10中のO2濃度を下げるために、NOX 分解工
程からのリサイクルガス5を使用するのが好ましい。
ためにパージガス15を使用するが、NOX 分解塔18へ
の供給ガス10中のO2濃度を下げるために、NOX 分解工
程からのリサイクルガス5を使用するのが好ましい。
【0020】このようにしてNOX 脱着塔17から真空ポ
ンプ9により脱気されたNOX 濃縮ガス8は、熱交換器1
1で加温されたガス10となり、還元ガスとなる炭化水
素12が添加され、共に、必要に応じてさらに加熱器1
3でNOX 分解反応に適した温度まで加熱された後、NOX
分解触媒が充填されたNOX 分解塔18に導入される。こ
こでは炭化水素の作用により、NOX は前記の式(1)に
従ってN2とO2に分解される。
ンプ9により脱気されたNOX 濃縮ガス8は、熱交換器1
1で加温されたガス10となり、還元ガスとなる炭化水
素12が添加され、共に、必要に応じてさらに加熱器1
3でNOX 分解反応に適した温度まで加熱された後、NOX
分解触媒が充填されたNOX 分解塔18に導入される。こ
こでは炭化水素の作用により、NOX は前記の式(1)に
従ってN2とO2に分解される。
【0021】NOX 分解塔18からの出口ガス14は熱交
換器11を通して、真空ポンプからの出口ガス8の加熱
源となり、冷却されてNOX 分解工程リサイクルガス5と
なり、前述の如くNOX 濃縮工程に返される。本発明で使
用する吸着剤は汚染空気中の有害物と考えられる硫黄酸
化物(SOX )、一酸化炭素(CO)、ハイドロカーボン
(HC)なども吸着する性質があり、それらの一部はNOX
脱着塔17から脱気されたNOX 濃縮ガス8に共存する
が、CO,HCはNOX 分解塔18で燃焼あるいは還元ガスと
して作用するので問題ない。しかしSOX は分解触媒性能
を低下させるので、含有量が多い場合は予め除去する必
要がある。
換器11を通して、真空ポンプからの出口ガス8の加熱
源となり、冷却されてNOX 分解工程リサイクルガス5と
なり、前述の如くNOX 濃縮工程に返される。本発明で使
用する吸着剤は汚染空気中の有害物と考えられる硫黄酸
化物(SOX )、一酸化炭素(CO)、ハイドロカーボン
(HC)なども吸着する性質があり、それらの一部はNOX
脱着塔17から脱気されたNOX 濃縮ガス8に共存する
が、CO,HCはNOX 分解塔18で燃焼あるいは還元ガスと
して作用するので問題ない。しかしSOX は分解触媒性能
を低下させるので、含有量が多い場合は予め除去する必
要がある。
【0022】図1は汚染空気のNOX 吸着をNOX 吸着塔1
6で、吸着剤に吸着されたNOX の脱着・濃縮をNOX 脱着
塔17で行う事例のため、塔前後のバルブは19,2
2,23,26が開、20,21,24,25が閉とな
っているが、吸着と脱着は交互に行われるので、塔16
がNOX 脱着で塔17がNOX 吸着の場合は、バルブの開閉
状態は逆になる。
6で、吸着剤に吸着されたNOX の脱着・濃縮をNOX 脱着
塔17で行う事例のため、塔前後のバルブは19,2
2,23,26が開、20,21,24,25が閉とな
っているが、吸着と脱着は交互に行われるので、塔16
がNOX 脱着で塔17がNOX 吸着の場合は、バルブの開閉
状態は逆になる。
【0023】以上述べたように、NOX 分解触媒を従来の
還元ガス無添加による接触分解反応から、炭化水素添加
による還元反応に変えることにより、汚染空気のNOX 濃
度を濃縮するNOX 脱着工程の負荷が飛躍的に軽減され
る。
還元ガス無添加による接触分解反応から、炭化水素添加
による還元反応に変えることにより、汚染空気のNOX 濃
度を濃縮するNOX 脱着工程の負荷が飛躍的に軽減され
る。
【0024】以下、本発明の効果を立証するための実験
例を示す。NOX 吸着剤、NOX 分解触媒は本発明の根幹を
なすものでなく、ここではNOX 吸着剤にY型ゼオライト
銅イオン交換吸着剤を、NOX 分解触媒に結晶性シリケー
トを担体とする銅イオン交換触媒を使用した(特開平0
3−186318号公報)。 (実験例1 NOX 濃度の影響)触媒は銅をイオン交換し
た結晶性シリケートCuO ・〔0.2Fe2O3 ・0.8Al 2O
3 〕・25SiO2(特開平3−143547号公報)をハ
ニカム基材にコートしたハニカム触媒を用いて、下記反
応条件AによりNO濃度変化によるNOX 分解試験を実施し
た。活性評価結果を表1に示す。 反応条件A:GHSV1000h -1、温度350℃ ガス組成:O21%、H2O 0.7%、(C3H8/NOX モル比
=1)
例を示す。NOX 吸着剤、NOX 分解触媒は本発明の根幹を
なすものでなく、ここではNOX 吸着剤にY型ゼオライト
銅イオン交換吸着剤を、NOX 分解触媒に結晶性シリケー
トを担体とする銅イオン交換触媒を使用した(特開平0
3−186318号公報)。 (実験例1 NOX 濃度の影響)触媒は銅をイオン交換し
た結晶性シリケートCuO ・〔0.2Fe2O3 ・0.8Al 2O
3 〕・25SiO2(特開平3−143547号公報)をハ
ニカム基材にコートしたハニカム触媒を用いて、下記反
応条件AによりNO濃度変化によるNOX 分解試験を実施し
た。活性評価結果を表1に示す。 反応条件A:GHSV1000h -1、温度350℃ ガス組成:O21%、H2O 0.7%、(C3H8/NOX モル比
=1)
【0025】
【表1】
【0026】(実験例2 反応温度の影響)実験例1と
同一の触媒を用いて反応条件Bにより反応温度変化によ
るNOX 分解試験を実施した。活性評価結果を表2に示
す。 反応条件B:GHSV1000h -1 ガス組成:NO2000ppm 、O21%、H2O 0.7%、C3
H82000ppm
同一の触媒を用いて反応条件Bにより反応温度変化によ
るNOX 分解試験を実施した。活性評価結果を表2に示
す。 反応条件B:GHSV1000h -1 ガス組成:NO2000ppm 、O21%、H2O 0.7%、C3
H82000ppm
【0027】
【表2】
【0028】(実験例3 GHSV値の影響)実験例1と同
一の触媒を用いて反応条件CによりGHSV値の影響を検討
した。NO X 分解触媒活性評価結果を表3に示す。 反応条件C:温度350℃ ガス組成:NO2000ppm 、O21%、H2O 0.7%、C3
H82000ppm
一の触媒を用いて反応条件CによりGHSV値の影響を検討
した。NO X 分解触媒活性評価結果を表3に示す。 反応条件C:温度350℃ ガス組成:NO2000ppm 、O21%、H2O 0.7%、C3
H82000ppm
【0029】
【表3】
【0030】(実験例4 O2濃度,H2O 濃度の影響)実
験例1と同一の触媒を用いて、共存ガスの影響として、
O2濃度の影響(反応条件D)、H2O 濃度の影響(反応条
件E)を検討した。NOX 分解触媒の活性評価結果を表4
に示す。 反応条件D:GHSV1000h -1、温度350℃ ガス組成:NO2000ppm 、H2O 0.7%、C3H8200
0ppm 反応条件E:GHSV1000h -1、温度350℃ ガス組成:NO2000ppm 、O21%:C3H82000ppm
験例1と同一の触媒を用いて、共存ガスの影響として、
O2濃度の影響(反応条件D)、H2O 濃度の影響(反応条
件E)を検討した。NOX 分解触媒の活性評価結果を表4
に示す。 反応条件D:GHSV1000h -1、温度350℃ ガス組成:NO2000ppm 、H2O 0.7%、C3H8200
0ppm 反応条件E:GHSV1000h -1、温度350℃ ガス組成:NO2000ppm 、O21%:C3H82000ppm
【0031】
【表4】
【0032】(実験例5 C3H8とC3H6の比較)実験例1
と同一の触媒を用いて反応条件Bにて、添加する還元剤
の種類の影響を検討した。オレフィン種であるC3H6を添
加した場合の活性評価結果を表5に示す。なお、( )
にはC3H8を用いた場合の性能を示す。
と同一の触媒を用いて反応条件Bにて、添加する還元剤
の種類の影響を検討した。オレフィン種であるC3H6を添
加した場合の活性評価結果を表5に示す。なお、( )
にはC3H8を用いた場合の性能を示す。
【0033】
【表5】
【0034】(実験例6 NOX 種の影響)実験例1と同
一の触媒を用いて反応条件Bにて、NOX 種(NO,NO2)の
影響を検討した。NO2 を用いた場合の活性評価結果を表
6に示す。なお( )にはNOを用いた場合の性能を示
す。
一の触媒を用いて反応条件Bにて、NOX 種(NO,NO2)の
影響を検討した。NO2 を用いた場合の活性評価結果を表
6に示す。なお( )にはNOを用いた場合の性能を示
す。
【0035】
【表6】
【0036】(実験例7 NOX 吸着装置との組み合わせ
試験)NOX 吸着装置とNOX 分解装置の組み合わせ試験を
実施した。図1のNOX 吸着塔16,17のシーケンス法
を下表7に示す。
試験)NOX 吸着装置とNOX 分解装置の組み合わせ試験を
実施した。図1のNOX 吸着塔16,17のシーケンス法
を下表7に示す。
【0037】
【表7】
【0038】図1のライン1に実ガスを導入してNOX 吸
着塔にて表7のシーケンス法によりNOX を濃縮した。ラ
イン1及びライン7におけるガス組成、ガス流量を表8
に示す。
着塔にて表7のシーケンス法によりNOX を濃縮した。ラ
イン1及びライン7におけるガス組成、ガス流量を表8
に示す。
【0039】
【表8】
【0040】ライン7のガスを熱交換器11を通して、
ライン12からプロパンをガス中に600ppm 濃度にな
るように添加した。加熱器13にてガスを350℃に保
ちこのガスをNOX 分解装置18に導入し、NOX 分解を実
施した。NOX 分解塔前後でのガス組成、ガス量を表9に
示す。
ライン12からプロパンをガス中に600ppm 濃度にな
るように添加した。加熱器13にてガスを350℃に保
ちこのガスをNOX 分解装置18に導入し、NOX 分解を実
施した。NOX 分解塔前後でのガス組成、ガス量を表9に
示す。
【0041】
【表9】
【0042】(比較例1)実験例6のNOX 分解工程にお
いてライン12からプロパンを添加せず、そのままのガ
スをNOX 分解塔に導入した場合のNOX 分解塔前後でのガ
ス組成、ガス量を表10に示す。
いてライン12からプロパンを添加せず、そのままのガ
スをNOX 分解塔に導入した場合のNOX 分解塔前後でのガ
ス組成、ガス量を表10に示す。
【0043】
【表10】
【0044】
【発明の効果】実験例にて示すように本発明方法である
吸着剤にて濃縮されたNOX にプロパン等の炭化水素を添
加して、NOX 分解触媒により分解することによって、炭
化水素無添加の場合に比べ飛躍的に高い性能でNOX を分
解することを可能にした。
吸着剤にて濃縮されたNOX にプロパン等の炭化水素を添
加して、NOX 分解触媒により分解することによって、炭
化水素無添加の場合に比べ飛躍的に高い性能でNOX を分
解することを可能にした。
【0045】また、添加したプロパン等の炭化水素は触
媒内で燃焼されるため、未燃分が後流側に流出する恐れ
も無い。本発明による方法により希薄NOX を含んだ汚染
空気の浄化方法としては危険で有毒なNH3 を添加しない
プロセスとして大変有望である。
媒内で燃焼されるため、未燃分が後流側に流出する恐れ
も無い。本発明による方法により希薄NOX を含んだ汚染
空気の浄化方法としては危険で有毒なNH3 を添加しない
プロセスとして大変有望である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による希薄NOX 含有空気の処理方法の実
施の態様を示す工程図である。
施の態様を示す工程図である。
16,17 NOX 吸着塔 18 NOX 分解塔 19〜26 切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 世良 俊邦 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 大気中の希薄な窒素酸化物を常温で吸着
剤により吸着除去して清浄空気を大気中に放出し、一
方、吸着窒素酸化物を前記吸着剤から脱着して濃縮され
た窒素酸化物を含む脱着ガスを得る窒素酸化物吸脱着工
程、及び前記脱着ガスに炭化水素を添加して窒素酸化物
分解触媒によってアンモニアを添加せず接触分解して無
害化し、同分解ガスを前記脱着ガスと熱交換後に窒素酸
化物吸脱着工程の入口に返えす窒素酸化物分解工程を有
することを特徴とする希薄窒素酸化物含有空気の処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4235867A JPH0679137A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 希薄窒素酸化物含有空気の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4235867A JPH0679137A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 希薄窒素酸化物含有空気の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0679137A true JPH0679137A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=16992429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4235867A Withdrawn JPH0679137A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 希薄窒素酸化物含有空気の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0679137A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2834915A1 (fr) * | 2002-01-21 | 2003-07-25 | Air Liquide | PURIFICATION D'AIR EN NxOy ET CnHm SUR ADSORBANT AVEC METAUX DE TRANSITION |
WO2003056150A3 (en) * | 2001-12-21 | 2003-12-04 | Engelhard Corp | Exhaust system and method for removing particulate matter from diesel engine exhaust |
JP2011078876A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Metawater Co Ltd | 亜酸化窒素の還元方法及び還元装置 |
-
1992
- 1992-09-03 JP JP4235867A patent/JPH0679137A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003056150A3 (en) * | 2001-12-21 | 2003-12-04 | Engelhard Corp | Exhaust system and method for removing particulate matter from diesel engine exhaust |
US6912847B2 (en) | 2001-12-21 | 2005-07-05 | Engelhard Corporation | Diesel engine system comprising a soot filter and low temperature NOx trap |
FR2834915A1 (fr) * | 2002-01-21 | 2003-07-25 | Air Liquide | PURIFICATION D'AIR EN NxOy ET CnHm SUR ADSORBANT AVEC METAUX DE TRANSITION |
JP2011078876A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Metawater Co Ltd | 亜酸化窒素の還元方法及び還元装置 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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