JPH0679105U

JPH0679105U - フェーダー

Info

Publication number: JPH0679105U
Application number: JP026191U
Authority: JP
Inventors: 与四男吉田; 茂治斉藤
Original assignee: 東京光音電波株式会社
Priority date: 1993-04-21
Filing date: 1993-04-21
Publication date: 1994-11-04

Abstract

(57)【要約】【目的】摺動子の摘み取付板を導出するための長孔を
側面に形成したことにより、塵やゴミおよび砂埃が入り
難くなり、耐用年数が長くなると共に電気的ノイズの発
生を防止できるものである。【構成】抵抗膜および導体膜が形成された配線基板２
およびガイドバー３，４が取付けられる第１のケース１
と、前記ガイドバーにガイドされて前記抵抗膜および導
体膜に摺接するブラシ５ｂを有する摺動子５と、前記第
１のケースと共にハウジングを構成する第２のケース７
とからなるフェーダーにおいて、前記第１のケースと第
２のケースとで形成する前記摺動子の摘み取付板５ｃを
導出するための長孔８を側面に形成し、かつ、前記摘み
取付板を側方から上方に折曲して摘み８をハウジングの
上方において取付けられるようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は録音スタジオや放送局等において使用される、各種の楽器の音を各別に集音する多数のマイクロホンからの音量を調整するための調整卓に、並列配置するフェーダーの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来におけるこの種のフェーダーを図３、図４と共に説明する。１は金属板をプレス加工して形成した第１ケースにして、内面側に直線状の抵抗膜および導体膜が形成され、かつ、端子２ａが取付けられた配線基板２が取付けられると共に２本のガイドバー３，４が取付けられている。

【０００３】５は前記ガイドバー３に摺動自在に軸支された摺動子にして、下部の延長片５ａが前記ガイドバー４に跨がって摺動子５が揺動しないように構成されている。また、前記摺動子５の側面には前記配線基板２の抵抗膜および導体膜と摺接するブラシ５ｂが取付けられ、上面には摘み取付板５ｃが垂直に延長され、この取付板５ｃの先端には摘み６が取付けられている。

【０００４】７は前記第１ケース１と同様に金属板をプレス加工して形成した第２ケースにして、側面においてネジ止めすることにより第１ケース１とでハウジングを構成する。そして、この第１ケース１と第２ケース７とは上面において長手方向に長孔８が形成され、この長孔８より前記摘み取付板５ｃが外部に導出されている。なお、９は図示しない調整卓に取付けるためのネジ孔が形成された取付台である。

【０００５】このように構成したフェーダーは、摘み６の上面に指の平を当てて手前に引いたり先方に押したりすることにより、摺動子５がガイドバー３，４にガイドされて前後方向に移動する。そして、この移動によって摺動子５のブラシ５ｂが抵抗膜と導体膜上を移動して抵抗値を変化させるものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記した従来におけるフェーダーにあっては、摘み取付板５ｃを導出するための長孔８が上面に形成されているため、この長孔８より塵やゴミが入り易い。特に、近年はコンサートを屋外において開催することが多くなり、砂埃が入り易いものである。

【０００７】そして、塵やゴミ、特に、砂埃がフェーダー内に進入しガイドバー３，４に付着すると、摺動子５との間で摩擦抵抗が生じて摺動子５の移動がスムーズに行えなくなり、操作がし難くなると共に磨耗が生じて耐用年数が短くなるという問題があり、また、塵やゴミおよび砂埃が配線基板２の抵抗膜や導体膜に付着すると、接触不良によって電気的ノイズが発生するという問題もあった。

【０００８】本考案は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、摺動子の摘み取付板を導出するための長孔を側面に形成したことにより、塵やゴミおよび砂埃が入り難くなり、耐用年数が長くなると共に電気的ノイズの発生を防止できるフェーダーを提供せんとするにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案のフェーダーは前記した問題点を解決せんとするもので、その手段は、抵抗膜および導体膜が形成された配線基板およびガイドバーが取付けられる第１のケースと、前記ガイドバーにガイドされて前記抵抗膜および導体膜に摺接するブラシを有する摺動子と、前記第１のケースと共にハウジングを構成する第２のケースとからなるフェーダーにおいて、前記第１のケースと第２のケースとで形成する前記摺動子の摘み取付板を導出するための長孔を側面に形成し、かつ、前記摘み取付板を側方から上方に折曲して摘みをハウジングの上方において取付けられるようにしたものである。

【００１０】また、前記第２のケースの前記長孔と対抗する上縁を内側に傾斜させた傾斜壁を形成したことを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】

前記した如く構成した本考案のフェーダーは、摺動子の摘み取付板が第１、第２のケースによって構成されるハウジングの側面に形成された長孔から導出されているので、塵やゴミおよび砂埃がハウジング内に入り難いものである。また、長孔の下側に位置する第２のケースの上縁を内側に傾斜したことにより、上方から落下する塵やゴミおよび砂埃は、前記傾斜面から下方に滑り落ちて、より内部に進入することがないものである。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案に係るフェーダーの一実施例を図１、図２と共に説明する。なお、前記した従来例と同一符号は同一部材を示し、説明は省略する。本考案は前記した従来例との大きな差異はハウジングを構成する第１、第２のケース１，７の形状が相違するものである。

【００１３】すなわち、従来例の第１のケース１と第２のケース７とが左右対称に形成されたものに対して、本考案における第１のケース１は、配線基板２が取付けられる垂直壁１ａと、該垂直壁１ａから水平方向に延長された上面壁１ｂ、および該上面壁１ｂから下方に垂下し、前記垂直壁１ａの略半分の長さで延長された延長壁１ｃ、さらに、前記垂直壁１ａの前後において直角に延長されガイドバー３，４が取付けられる前後壁１ｄとから構成されている。

【００１４】また、第２のケース７は前記第１のケース１の底面を覆う底面壁７ａと、該底面壁７ａから前記第１のケース１の垂直壁１ａとガイドレール３，４を挟んで対抗すると共に前後の重合部７ｂ₁が前記延長壁１ｃと重なり合い、かつ、中央部７ｂ₂が前記延長壁１ｃと長孔８を介して対抗する延長壁７ｂおよび前記第１のケース１における前後壁１ｄに重なり合う前後壁７ｃとから構成されている。なお、前記延長壁７ｂにおける中央部７ｂ₂の上縁は内側に向かって傾斜する傾斜壁７ｂ₃が形成されている。

【００１５】さらに、摺動子５に取付けられる摘み取付板５ｃは、摺動子５の側面に基端が取付けられ、前記長孔８から外部に導出された後、第１ケース１の延長壁１ｃおよび上面壁１ｂに沿って折曲され、該上面壁１ｂの略中央部分から垂直に上方に向かって折曲され、その先端において摘み６が取付けられている。

【００１６】なお、図２において仮想線で示す長孔８を塞ぐものは、ゴム、柔軟性のある合成樹脂等で構成された防塵膜であり、摘み取付板５ｃの移動に対してそれ程の抵抗が加わらないようになっている。

【００１７】このように構成された本考案のフェーダーは、第１、第２のケース１，７の延長壁１ｃ，７ｂとによって形成された長孔８より摘み取付板５ｃが導出され、該摘み取付板５ｃの先端に取付けられた摘み６を操作することによって、従来と同様に摺動子５を前後方向に移動させることができ、抵抗値を可変できるものである。

【００１８】また、長孔８が側面に形成されていることから、塵やゴミおよび砂埃がハウジング内に入り難く、また、長孔８の下側に位置する第２のケース７に傾斜壁７ｂ ₃ を形成したことにより、上方から落下する塵やゴミおよび砂埃は、前記傾斜壁７ｂ₃から下方に滑り落ちて、より内部に進入することがないものである。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は前記したように、摺動子の摘み取付板を第１、第２のケースによって構成されるハウジングの側面に形成された長孔から導出したので、塵やゴミおよび砂埃がハウジング内に入り難く、また、長孔の下側に位置する第２のケースの上縁を内側に傾斜壁を形成したので、上方から落下する塵やゴミおよび砂埃は、前記傾斜壁から下方に滑り落ちて、より内部に進入することがない等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るフェーダーの一実施例を示す斜視
図である。

【図２】同上の縦断面図である。

【図３】従来のフェーダーの一例を示す斜視図である。

【図４】同上の縦断面図である。

【符号の説明】

１第１のケース２配線基板３，４ガイドバー５摺動子５ｂブラシ５ｃ摘み取付板６摘み７第２のケース７ｂ₃ 傾斜壁８長孔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】抵抗膜および導体膜が形成された配線基
板およびガイドバーが取付けられる第１のケースと、前
記ガイドバーにガイドされて前記抵抗膜および導体膜に
摺接するブラシを有する摺動子と、前記第１のケースと
共にハウジングを構成する第２のケースとからなるフェ
ーダーにおいて、前記第１のケースと第２のケースとで
形成する前記摺動子の摘み取付板を導出するための長孔
を側面に形成し、かつ、前記摘み取付板を側方から上方
に折曲して摘みをハウジングの上方において取付けられ
るようにしたことを特徴とするフェーダー。
【請求項２】前記第２のケースの前記長孔と対抗する
上縁を内側に傾斜させた傾斜壁を形成したことを特徴と
する前記請求項１記載のフェーダー。