JPH0679018B2 - 金属薄板の深絞り性評価方法 - Google Patents

金属薄板の深絞り性評価方法

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JPH0679018B2
JPH0679018B2 JP1026429A JP2642989A JPH0679018B2 JP H0679018 B2 JPH0679018 B2 JP H0679018B2 JP 1026429 A JP1026429 A JP 1026429A JP 2642989 A JP2642989 A JP 2642989A JP H0679018 B2 JPH0679018 B2 JP H0679018B2
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thin metal
plastic strain
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strain ratio
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は低炭素冷延鋼板等の圧延された金属薄板の深絞
り性を評価する方法に関する。
〔従来技術〕
自動車、家電製品等の製品の外装に用いられる冷延鋼板
は一般に、プレス成形によって深絞り加工が施されるた
めの加工性、特に深絞り性が重要視されているが、深絞
り性は鋼板が伸ばされたときに生じる板幅方向の歪みと
板厚方向の歪みとの比、所謂塑性歪み比(ランクフォー
ド値又はr値ともいう)によって評価されている。
深絞り性を評価するための塑性歪み比を求める方法とし
ては、例えば引張り試験を行って塑性歪み比を直接的に
求める直接法が用いられている。直接法による場合は鋼
板から引張り試験片を採取し、引張り試験片に対して15
〜20%の伸びを与える単軸引張り試験を行い、それによ
って生じた板幅方向の歪みと板厚方向の歪みとを実測す
ることによって塑性歪み比(r=ln(W/W0)ln(t/
t0),W,W0,t,t0:引き伸し前後の試験片の板巾,板厚)
を直接的に求める。なお実際に用いられる塑性歪み比と
しては、次式によって与えられる面内平均値が採用さ
れる。
=(r0 +2r45 +r90 /4 …(1) 但し、r0 :圧延方向に沿って採取した引張り試験片に
よる塑性歪み比 r45 :圧延方向に対して45゜方向に採取した引張り試
験片による塑性歪み比 r90 :圧延方向に対して直交する方向に採取した引張
り試験片による塑性歪み比 かかる塑性歪み比の面内平均値は、それが大きいと深
絞り性が高くなって深絞り性を評価する上での指標とな
るが、次式によって与えられ塑性歪み比の面内方位差Δ
rは、耳割れの発生し易さの指標となる。
Δr=(r0 −2r45 +r90 /2 …(2) また、所定の大きさのサンプルを共振させることによっ
て求めたヤング率から塑性歪み比を推定する共振法も用
いられる。共振法による場合は、先ず鋼板から所定の大
きさのサンプルの圧延方向と、圧延方向に対して45゜だ
け傾斜する方向と、圧延方向に対して直交する方向との
3方向に分けて複数個採取し、これらサンプルに対して
電磁誘導にて磁気歪みを与えてこれを共振させる。そし
て共振するサンプルの共振周波数を電磁誘導にて求め、
共振周波数より各サンプルのサング率を求める。
そして下記(3)式,(4)式にて与えられる平均ヤン
グ率及びその包囲差▲▼を求める。
−245 90 )/4 …(3) ▲▼= −245 90 /2 …(4) 但し、 :圧延方向に沿って採取したサンプルのヤ
ング率の平均値45 :圧延方向に対して45゜方向に採取したサンプル
のヤング率の平均値90 :圧延方向に対して直交する方向に採取したサン
プルのヤング率の平均値 ,▲▼は塑性歪み比の面内平均値,面内方位差
Δrとの間で一定の相関関係があるため、この相関関係
に基づいて塑性歪み比の面内平均面内方位差Δrを求
める。
また、X線回折によって特定結晶方位によって進路変更
されるX線の強度から塑性歪み比を求めるX線法も用い
られる。X線法による場合は鋼板から試験片、サンプル
等を採取せず、鋼板に直接X線を照射する。このX線は
試料に特定な結晶面にて回折されるが、その回折により
進路変更されてくるX線の強度を測定することによって
試料の集合組織を推定し、それによって塑性歪み比を導
き出す。従ってX線法は、前述の直接法、共振法等と異
なって非破壊測定による評価が可能であるという利点が
ある。
更に、X線法と同様に非破壊測定による評価方法とし
て、超音波探傷法を利用した方法がある。具体的には試
料としての前記鋼板の所定方向へ超音波板波を伝播させ
てその鋼中伝播速度を所定の計測手段によって求め、そ
の結果を用いて、例えば塑性歪み比を導き出す方法であ
る(特開昭57−66355号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしこのような塑性歪み比を求めて深絞り性を評価す
る方法にあっては、例えば直接法による場合は引張り試
験片の採取及び歪みの実測に多大な時間及び労力がかか
り、また共振法による場合もサンプル採取に伴う作業効
率の低下は避けられない等の問題点があった。しかも上
述の方法はいずれも原理的に破壊測定が必要となるた
め、オンライン的な評価方法としては適切な方法である
とはいい難かった。一方、X線法による場合は、非破壊
測定による評価が可能となってオンライン的に適切な評
価方法であるが、使用する装置がかなり大掛かりなもの
となって経費が嵩む上、塑性歪み比の測定精度を一定の
水準に保つためには10秒/回程度の間隔にて塑性歪み比
を求める必要があってオンライン的な評価方法としてや
はり不満が残るという問題点があった。更に前記超音波
探傷法による場合は、超音波板波を鋼板の所定方向へ伝
播させることにより、その所定方向における塑性歪み比
を求めるものであるため、任意に深絞り性を評価する方
法としてはやはり難点があった。
そこで、本発明者等はオンライン的に深絞り性の評価が
可能な実用的方法として、鋼板の板厚方向へ伝播する超
音波板波の縦波及び2種類の横波の各伝播時間を測定
し、その測定結果から縦波と横波との速度比を求め、こ
れら速度比から塑性歪み比を求める方法を提案した(特
願昭62−238183号)。
かかる方法においては鋼板の結晶方位分布を考慮してい
るために任意な深絞り性の評価が可能となるが、該方法
においても解決すべき問題がないではなく、試料の板厚
が例えば0.5mm以下と極めて薄い場合に超音波の底面エ
コーの分離が困難になるという実用上の問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、従来
の直接法、共振法等と異なってオンライン的に評価方法
として適切な非破壊測定による評価が可能であり、また
従来のX線法に比しては簡易且つ迅速に塑性歪み比を求
めることができ、更にメッキ金属薄板についても塑性歪
み比を求めることが出来、従来の超音波探傷法を利用し
た方法に比してより実用的で、しかも広範囲の金属薄板
に適用可能な深絞り性評価方法を提供することを目的と
している。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る金属薄板の深絞り性評価方法は、圧延され
た金属薄板中にS0モードの超音波板波を圧延方向と圧延
方向に対して45゜だけ傾斜する方向と圧延方向に対して
直交する方向との3方向に一定距離だけ伝播させ、その
各伝播時間を測定し、その測定値を用いて金属薄板の主
要結晶方位を評価する量を導出することにより塑性歪み
比の面内平均値及び面内方位差を演算し、またこの演算
に際しては金属薄板の板厚情報による補正を行い、更に
メッキ金属薄板に対してはメッキ厚さに基く伝播時間の
補正を行って、塑性歪み比の面内平均値,面内方位差を
演算する。
〔作用〕
かかる本発明方法は、従来の直接法、共振法等と比較し
た場合、金属薄板から試験片、サンプル等を採取するこ
となく、金属薄板に直接超音波を伝播させることによっ
て塑性歪み比を求めることとしているため、オンライン
的に評価方法として適切な非破壊測定による評価が可能
となる。また従来のX線法と比較した場合、使用する装
置が簡易なもので済む上、短い間隔にて塑性歪み比を求
めてもその測定精度を一定の水準に保つことができ、簡
易且つ迅速に塑性歪み比を求めることができる。更に従
来の超音波探傷法を利用した方法と比較した場合、金属
薄板の結晶方位分布関数を導入して塑性歪み比を求めて
いるため、正確で直接的な評価量として深絞り性の評価
が可能となる上、上述の如く求められた塑性歪み比は金
属薄板の板厚情報によって補正されるため、その板厚変
動による影響が抑えられる。またメッキ金属薄板におい
てはメッキ厚さの変動に基く音速変化による伝播時間変
化の補正を行うことによりメッキ金属薄板についても適
用が可能となる。
〔実施例1〕 以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて説明す
る。
第1図は本発明方法の実施に使用する装置の要部のブロ
ック図であり、図中10は、S0モードの超音波板波を送受
するセンサ部を示している。第2図は超音波板波のモー
ドを示すグラフであり、横軸に〔周波数×板厚〕をと
り、また縦軸に〔位相速度〕をとって示してあり、試料
である冷延鋼板S(以下単に試料Sという)の板厚に対
して十分に低い周波数を有し、速度分散性の少ないS0
ードの超音波板波はグラフ中の○印で囲んだ領域であ
る。センサ部10は第3図及び第4図に示す如く、試料S
の圧延方向へ一定距離Lだけ伝播する前記超音波板波を
送受するために試料Sに配置せしめれる圧延方向伝播波
探触子11と、試料Sの圧延方向に対して45゜だけ傾斜す
る方向へ一定距離Lだけ伝播する超音波板波を送受する
ために試料Sに配置せしめられる圧延45゜方向伝播板波
探触子12と、試料Sの圧延方向に対して直交する方向へ
一定距離Lだけ伝播する超音波板波を送受するために試
料Sに配置せしめられる圧延直交方向伝播板波探触子13
とからなっている。
圧延方向伝播板波探触子11は、具体的には第3図に示す
如く、超音波板波を送受する送信子11aとそれを受信す
る受信子11bとがその相互離隔距離が一定距離Lとなる
ように距離固定軸11cにて連結された構造となってお
り、送信子11a及び受信子11bが試料Sに配置せしめられ
るようになっている。また圧延45゜方向伝播板波探触子
12及び圧延直交方向伝播板波探触子13も、圧延方向伝播
板波探触子11の構造と同様の構造となっていて各送信子
12a,13a及び各受信子12b,13bが試料Sに配置せしめられ
るようになっている。そしてこれらの探触子11,12,13
は、第4図に示す如く、試料S上にその圧延方向に対す
る角度が夫々所定角度(探触子11は0゜、探触子12は45
゜、探触子13は90゜)となるように配置される。なお、
各探触子11,12,13の距離固定軸が交互干渉するのを回避
するためにはその高さを相互に異ならせるとよい。或い
は別の固定方法を用いてもよい。
また上記探触子としては電磁超音波を発生する送受信子
を用いても良い。
各探触子11,12,13は、パルサ及びレシーバ(例えば探触
子11に関していえば第3図に示す如きパルサ21a及びレ
シーバ21b)を備える超音波探傷器21,22,23に夫々接続
されており、また超音波探傷器21,22,23は伝播時間測定
器31,32,33に夫々接続されている。そして伝播時間測定
器31,32,33においては、超音波探傷器21,22,23で個々に
得られる超音波波形から、前記3種類の超音波板波が一
定距離Lだけ伝播するのに要する伝播時間T0 ,T45 ,T
90 が個々に測定される。かくして測定される伝播時間
T0 ,T45 ,T90 に関するデータは演算器40へ入力され
る。そして演算器40はそれらのデータを用いて試料Sの
結晶方位分布関数の展開係数W400,W440を求める。そし
て上述の如く求められた展開係数W400,W440に関するデ
ータは換算器50へ入力され、換算器50はそのデータを用
いて塑性歪み比の面内平均値及び面内方位差Δrを換
算する。換算器50にて求められた結果は表示器60に表示
されるようになっている。
次に、前記演算器40にて行われる演算及び前記換算器50
にて行われる換算の根拠となる考え方について説明す
る。
先ず、試料Sの結晶方位分布を考えるに、その結晶方位
分布関数F(ξ,ψ,φ)は次式にて表される。
但し、ξ,ψ,φ:結晶軸と試料に固定した軸との間の
関係を示すオイラー角 ZLmn:展開関数 WLmn:展開係数 そして試料Sが立方晶の結晶からなる直交異方性を持つ
斜方晶系とすると、試料Aの板厚に対して十分に低い
(板厚に対して音速の分散性がない)周波数のS0モード
の超音波板波の速度は次式にて計算される。
但し、VS(θ):S0モードの超音波板波の速度 ρ:試料Aの密度 μ,λ:ラメの定数 C:弾性定数 θ:超音波板波の伝播方向と圧延方向とがなす角度 そして 前記(6)式は次式の如く変形される。
(4)式,(5)式中に表れる展開係数W400,W440は、
前記演算器40にて演算した(1/T0 +2/T45 +1/
T90 )及び(1/T0 −2/T45 +1/T90 )の値との間
で、例えば下記(8)式,(9)式に示す如く1次対応
の関係にあり、その関係を用いると前記展開係数W400,W
440は容易に演算される。なおかかる演算は演算器40に
て行なわれる。
そして、前記展開係数W400と塑性歪み比の面内平均値
とは例えば第5図に示す如く一定の相関関係を示し、か
かる相関関係に基づき、展開係数W400から塑性歪み比の
面内平均値が換算される。物理的にはこのW400は、集
合組織の主要方位成分の体積分率に対応するもので、
{111}集合組織が支配的な冷延鋼板では{111}面の体
積分率に対応し、即ちr値に対応することとなる。また
前記展開係数W440と塑性歪み比の面内方位差Δrとは例
えば第6図に示す如く一定の相関関係を示し、かかる相
関関係に基づき、展開係数W440から塑性歪み比の面内方
位差Δrが換算される。
なおかかる換算は換算基50にて行われる。
また、測定値T0,T45,T90より伝播距離Lを用いてV
S(0)2,VS(45)2,VS(90)を演算し、それらの値
と(4)式を用いて次式の如くW400,W440を求めてもよ
い。
かくして試料S、即ち金属薄板の塑性歪み比の面内平均
値及び面内方位差Δrを求め、その金属薄板の深絞り
性を評価する場合は、金属薄板から試験片、サンプル等
を採取することなく、金属薄板に直接超音波を伝播させ
ることによって塑性歪み比を求めることとしているた
め、オンライン的な評価方法として適切な非破壊測定に
よる評価が可能となる。また使用する装置がX線装置等
と異なって簡易な超音波装置で済む上、短い間隔(例え
ば1秒/回)にて塑性歪み比を求めてもその測定精度を
一定の水準に保つことができ、簡易且つ迅速に塑性歪み
比を求めることができる。更に金属薄板の結晶方位分布
関係を導入して塑性歪み比を求めているため、任意な深
絞り性の評価が可能となる上、金属薄板の板厚に対して
十分に低い周波数で発生させた速度分散性の少ないS0
ードの超音波板波を用いるため、超音波の底面エコー等
が問題となることはない。
次に、実施例1の方法を用いて得た測定結果について例
示する。第7図は横軸に試料のトップからの距離をとり
縦軸に塑性歪み比の面内平均値をとって該面内平均値
の測定値の分布を示したグラフであるが、図より本発
明方法を用いて塑性歪み比のオンライン測定が円滑に行
えることが分かる。
なお、実施例1の方法を実施するにあたって、前記送受
信子の試料に対する位置決め及び相互間の位置決めを行
うのに、一対の送受信子を距離固定軸にて連結した前記
探触子11,12,13に替え、第8図に示す如くホルダ14aに
設けた一対の倣いローラ14b,14b間の適宜位置に全ての
送受信子11a,11b,12a,12b,13a,13bを配置してなる探触
子14を用い、試料をローラ14b,14bに倣わせつつ送受信
子11a,11b,12a,12b,13a,13b上を摺動させることとすれ
ば、その位置決め操作が容易となる。
なお、ここで用いる送受信子として電磁超音波を発生す
るものを用いることができる。第9図はその送受信子の
構造を示した説明図であり、この送受信子は磁石70にプ
ローブコイル71が重なった構造となっており、プローブ
コイル71にパルサ72よりパルス電流が印加されると薄板
表面に誘電電流が誘発され、この誘電電流と磁石より発
生する磁場との相互作用によりローレンツ力が発生す
る。プローブコイル71はその流れる電流が発生させる板
波の波長を1/2毎に向きが変わるようになっており、前
記ローレンツ力は結局、半波長毎に力の向きを180゜変
えて発生するため、この力により所定の波長の板波が発
生する。発生した板波は薄板中を伝播した後、受信側プ
ローブコイル71によって同様の原理によって電気信号に
変換された後、プリアンプ73で増幅し、フィルタ74で所
定の形に整形し、更にメインアンプ75で増幅した後、時
間測定器31でその伝播時間が測定される。
〔実施例2〕 第10図は本発明の他の実施例に使用する装置の要部の構
成を示すブロック図であり、この実施例にあっては演算
器40に板厚情報出力装置34から鋼板Sの板厚情報に関す
るデータD、及び探傷周波数情報出力装置35から探傷周
波数情報に関するデータfも入力するようにしてある。
他の構成は第1〜4図に示す実施例と実質的に同じであ
り、対応する部分には同じ番号を付して説明を省略す
る。
而してこのような実施例にあっては、第1〜4図に示す
実施例についての説明中の(6)式に対応する式は下記
(12)式の如くになる。即ち、試料Sが立方晶の結晶か
らなる直交異方性を持つ斜方晶系として、S0モードの超
音波板波が角度θ(圧延方向に対する角度)方向へ伝播
する速度V(θ)は、速度分散を考慮した次式を用いて
計算できる。
但し、λ,μ:ラメの定数 ρ:試料Sの密度 f:探傷周波数 d:試料Sの板厚の半分 C:弾性定数 W400,W420,W440:試料Sの結晶方位分布関数を球展開し
たときの展開係数 ところで、試料S、即ち冷延鋼板において発生し深絞り
性に影響を与える代表的な結晶方位としては、{110}
<110>,{111}<112>,{110}<001>,{100}<
011>,{100}<001>等が考えられる が、これらの結晶方位の存在確率が1である場合、展開
係数WLmnは計算することが可能である。また逆に展開係
数WLmnが分かれば、塑性歪み比の面内平均値及び面内
方位差Δrの値が予測できることになる。
具体的には、(12)式より導かれる下記(13)式,(1
4)式を用いて展開係数W400,W440を求めることができ
る。
W400={V2(0゜)+2V2(45゜)+V2(90゜) −4V0 2}/4AD …(13) W440=V2(0゜)−2V2(45゜) +V2(90゜)}/4DC …(14) 但し、 かかる(13)式,(14)式による展開係数W400,W440
演算には上述の如く試料Sの板厚情報Dが用いられるた
め、その板厚変動による影響が抑えられる。
そして、前記展開係数W400と塑性歪み比の面内平均値
とは一定の相関関係を示し、この相関関係に基づき展開
係数W400から塑性歪み比の面内平均値が換算できる。
また前記展開係数W440と塑性歪み比の面内方位差Δrと
は一定の相関関係を示し、この相関関係に基づき、展開
係数W440から塑性歪み比の面内方位差が換算できる。
かくして実施例2においては実施例1と同様に試料S、
即ち金属薄板の塑性歪み比の面内平均値及び面内方位
差Δrを求め、金属薄板から試験片、サンプル等を採取
することなく、金属薄板に直接超音波を伝播させること
によって塑性歪み比を求め得、オンライン的な評価方法
として適切な非破壊測定による評価が可能となる。また
使用する装置がX線装置等と異なって簡易な超音波装置
で済む上、短い間隔(例えば1秒/回)にて塑性歪み比
を求めてもその測定精度を一定の水準に保つことがで
き、簡易且つ迅速に塑性歪み比を求めることができる。
更に金属薄板の結晶方位を考慮して塑性歪み比を求めて
いるため、任意な深絞り性の評価が可能となる上、前記
塑性歪み比の演算に際して金属薄板の板厚情報による補
正が行われるため、該演算に基づく深絞り性の評価の信
頼性が向上する。
次に、実施例2の効果を具体的なデータに基づいて説明
する。
第11図は超音波の周波数は1MHzで一定とし、試料Sの板
厚を変化させて板波の速度分散を無視しつつ求めた展開
係数W400の真値からのずれ(百分率)を、試料Sの板厚
を横軸に前記真値からのずれを縦軸に夫々とって示した
ものである。図より板厚が0.5mm程度までは誤差が10%
以内におさまるが、板厚が0.5mmを越えると誤差が許容
できないようになることが分かる。
然るに、実施例2の方法による場合は展開係数W400の演
算に際して前記板厚に関する情報による補正が行われる
ため、その演算精度が第12図及び第13図に示す如く向上
する。即ち、第12図は引張試験によって得た塑性歪み比
の面内平均値と実施例2の方法の実施にあたって演算
した展開係数W400との相関を示し、また第13図は引張試
験によって得た塑性歪み比の面内方位差Δrと実施例2
の方法の実施にあたって演算した展開係数W440との相関
を示すが、両者共優れた対応関係がみられる。従ってか
かる展開係数W400,W440を用いて塑性歪み比を演算する
場合はその演算精度が向上することとなる。
〔実施例3〕 この実施例では母材である延伸鋼板の表面にメッキを施
したメッキ鋼板を深絞り性評価の対象としている。本発
明者等の実験,研究に依ればメッキ鋼板におけるメッキ
厚さと、これを伝播するS0モードの音速とはメッキ厚さ
に応じて音速が変化する対応関係にあるが、板面内の音
速分布は変わらないという関係にある。従ってメッキ厚
さに対する音速の変化分を補正すればその下地母材であ
る鋼板それ自体における板波の伝播速度を求めることが
可能となり、この音速値を用いて実施例1,2と同様に深
絞り性を評価することが可能となる。
第14図(イ),(ロ),(ハ)はメッキ厚さ(200μm,5
0μm,10μm)と音速との関係を示すグラフであり、横
軸に板波伝播方向を、また縦軸に音速(m/秒)をとって
示してある。グラフ中●印でプロットしたのはメッキ無
し冷延鋼板中の音速を、また○印でプロットしたのはメ
ッキ鋼板中の音速を示している。
このグラフから明らかなようにメッキ厚さによって音速
は変化するが、音速分布、即ち板波伝播方向における音
速変化量は変わらないことが解る。
母材厚さ2d,メッキ厚さΔdとして本発明者等は(15)
式の如き音速Vの補正式を算出した。
μFe,λFe:鋼材の弾性定数 μm,λm:メッキ材の弾性定数 ρFe:鉄の密度 ρm:メッキ材の密度 第15図は横軸にメッキ厚さΔd(μm)を、また縦軸に
メッキ無し冷延鋼板中に音速に対するメッキ鋼板中の音
速の比をとって示してあり、グラフ中○印でプロットし
たのは(15)式を用いて求めた計算値、●印でプロット
したのは測定値である。
このグラフから明らかな如く計算値は測定値と略一致す
ることが確認された。
第16図は実施例3に使用する装置の要部の構成を示すブ
ロック図である。この実施例では演算器40に対し、各伝
播時間測定器31,32,33の出力である伝播時間の外に、板
厚情報出力装置34から板厚情報D、探傷周波数情報出力
装置35から探傷周波数情報f、及びメッキ厚情報出力装
置36からメッキ厚情報Δdが入力されるようになってい
る。
他の構成は第1〜4図及び第10図に示す装置と実質的に
同じであり、対応する部分には同じ番号を付してある。
演算器40における演算内容は次の如くである。各伝播時
間測定器31,32,33から入力される伝播時間T0 ,T45 ,T
90 と母材板厚情報出力装置34から入力される板厚2d
(d=1/2板厚)、メッキ厚情報出力装置36から入力さ
れるメッキ厚Δd(片面の厚さ)及び送受時間距離Lに
基づいて、メッキが施されていない状態の鋼板における
S0モード超音波(電磁超音波)の音速V0 ,V45 ,V90
を(15)式に対応させた下記(16),(17),(18)式
に従って算出する。
次に演算器50にてV0 ,V45 ,V90 を用いて試料Sの結
晶方位分布関数を球展開したときの展開係数W400,W440
を下記(19),(20)式に従って求める。
W400と、W440とΔrとの間には既述した如く一次対応
関係が存在しており、W400,W440の値と対応する,Δ
rの値を表示器60に出力し表示させる。
なお(19),(20)式の代わりに実施例1の(10),
(11)式を用いてもよい。
第17図はW400と値との関係を、また第18図はW440とΔ
rとの関係を示すグラフである。
第17図は横軸に値を、また縦軸にW400をとって示して
あり、また第18図は横軸にΔr値を、また縦軸にW440
とって示してある。
このグラフから明らかなように一次対応の関係があるこ
とが解る。
従って実施例1,2の場合と同様にメッキ鋼板に直接超音
波を伝播させることによって塑性歪み比を求め得、深絞
り性についてオンライン的な評価を行い得ることとな
る。
〔効果〕
以上詳述した如く本発明方法によれば、金属薄板の深絞
り性を評価するに際し、非破壊測定によって簡易且つ迅
速に塑性歪み比を求めることができ、また超音波の底面
エコーの問題等を回避して有効に、しかも任意に塑性歪
み比を求めることができる。更に電磁超音波を発生原理
とする送受信子を用いることにより、薄板と送受信子と
の間に接触触媒を用いる必要が無くなるため、オンライ
ン化が容易となり、また時間の計測精度も向上する。ま
た評価対象である金属薄板の厚さによる音速補正を行う
から深絞り性評価の精度も高められる。更にメッキ金属
薄板等に対しても正確に深絞り性を評価することが可能
となり、適用範囲が広い等本発明は優れた効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の方法の実施に使用する装置の要部の
構成を示すブロック、第2図は超音波板波の各モードを
示すグラフ、第3図は板波探触子を超音波探傷器及び試
料と共に示す縦断面図、第4図は板波探触子の各送受信
子と試料との関係を示す平面図、第5図は塑性歪み比の
内面平均値と結晶方位分布関数の展開係数W400との相
関を示すグラフ、第6図は塑性歪み比の面内方位差Δr
と結晶方位分布関数の展開係数W440との相関を示すグラ
フ、第7図は実施例1の方法によって得られた測定結果
を例示するグラフ、第8図は実施例1の方法の実施に使
用する装置における探触子の他の態様を示す斜視図、第
9図は電磁超音波を発生する送受信子の構造を示した説
明図、第10図は本発明の実施例2に使用する装置の要部
の構成を示すブロック図、第11図は板波の速度分散を無
視しつつ求めた展開係数W400の真値からのずれを板厚に
対応させて示したグラフ、第12図及び第13図は実施例2
の方法の実施にあたって演算した展開係数W400,W440
引張試験によって得たデータとの比較結果を示すグラ
フ、第14図(イ),(ロ),(ハ)はメッキ厚さと板波
の伝播速度との関係を示すグラフ、第15図はメッキ厚さ
と、冷延鋼板,メッキ鋼板の音速比との関係を示すグラ
フ、第16図は本発明の実施例3に使用する装置の要部の
構成を示すブロック図、第17図及び第18図は本発明方法
の実施にあたって演算した展開係数W400,W440と引張試
験によって得たデータとの比較結果を示すグラフであ
る。 10……センサ部、11……圧延方向伝播板波探触子 12……圧延45゜方向伝播板波探触子 13……圧延直交方向伝播板波探触子 21,22,23……超音波探傷器 31,32,33……伝播時間測定器、40……演算器 50……換算器、60……表示器 S……試料としての冷延鋼板(金属薄板)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延された金属薄板中に、その板厚に対し
    て十分に低い周波数で発生させた速度分散性の十分に少
    ないS0モードの超音波板波を、圧延方向と、圧延方向に
    対して45゜だけ傾斜する方向と、圧延方向に対して直交
    する方向との3方向に一定距離だけ伝播させて各伝播時
    間を測定し、その測定値を用いて金属薄板の主要結晶方
    位成分を評価する量を導出することにより塑性歪み比の
    面内平均値及び面内方位差を求めることを特徴とする金
    属薄板の深絞り性評価方法。
  2. 【請求項2】圧延された金属薄板中にS0モードの超音波
    板波を、圧延方向と、圧延方向に対して45゜だけ傾斜す
    る方向と、圧延方向に対して直交する方向との3方向に
    一定距離だけ伝播させて各伝播時間を測定し、その測定
    値を用いて金属薄板の主要結晶方位成分を評価する量を
    導出することにより塑性歪み比の面内平均値及び面内方
    位差を演算し、またその演算に際しては金属薄板の板厚
    情報による補正を行うことを特徴とする金属薄板の深絞
    り性評価方法。
  3. 【請求項3】メッキを施した圧延金属薄板中にS0モード
    の超音波板波を、圧延方向と、圧延方向に対して45゜だ
    け傾斜する方向と、圧延方向に対して直交する方向との
    3方向に一定距離だけ伝播させてその 各伝播時間を測
    定し、この伝播時間をメッキ厚さに基づいて補正し、そ
    の補正値を用いて金属薄板の主要結晶方位成分を評価す
    る量を導出することにより塑性歪み比の面内平均値及び
    面内方位差を演算することを特徴とする金属薄板の深絞
    り性評価方法。
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