JP2746037B2 - 金属板の深絞り性評価装置 - Google Patents

金属板の深絞り性評価装置

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JP2746037B2
JP2746037B2 JP5001243A JP124393A JP2746037B2 JP 2746037 B2 JP2746037 B2 JP 2746037B2 JP 5001243 A JP5001243 A JP 5001243A JP 124393 A JP124393 A JP 124393A JP 2746037 B2 JP2746037 B2 JP 2746037B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低炭素冷延鋼板等の圧延
された金属板の深絞り性を評価する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、家電製品等の製品の外装に用い
られる金属板は一般にプレス成形によって深絞り加工が
施されるため、その加工特性、特に深絞り性が重要視さ
れている。深絞り性は前記金属板が伸ばされたときに生
じる板幅方向の歪み及び板厚方向の歪みとの比、所謂塑
性歪み比 (ランクフォード値又はr値ともいう)によっ
て評価されている。
【0003】該深絞り性を評価すべく塑性歪み比を求め
るには、次に述べるような方法が用いられている。まず
引張り試験を行って塑性歪み比を直接的に求める直接法
がある。直接法による場合は、金属板からサンプルを採
取し、サンプルに対して15〜20%の伸びを与える単軸引
張り試験を行ない、それによって生じた板幅方向の歪み
と板厚方向の歪みとを実測することによって塑性歪み比
r(r={ln (w/w0 )}/{ln (t/
0 )}),w,w0 ,t,t0 :引き伸し前後の試験
片の板幅,板厚)を直接的に求める。なお実際に用いら
れる塑性歪み比としては、次式によって与えられる面内
平均値rバーが採用される。
【0004】
【数1】
【0005】但し、r0°:圧延方向に沿って採取した
引張り試験片による塑性歪み比 r45°:圧延方向に対して45°方向に採取した引張り試
験片による塑性歪み比 r90°:圧延方向に対して90°方向に採取した引張り試
験片による塑性歪み比
【0006】また所定の大きさのサンプルを共振させる
ことによって求めたヤング率から塑性歪み比を推定する
共振法も用いられている。共振法による場合は、先ず前
記金属板から所定の大きさのサンプルを採取し、サンプ
ルに対して電磁誘導にて磁気歪みを与えて該サンプルを
共振させる。そして共振するサンプルの共振周波数を電
磁誘導にて求め、該共振周波数よりサンプルのヤング率
を求める。なお実際に用いられるヤング率としては次式
によって与えられる平均ヤング率Eバーが採用される。
【0007】
【数2】
【0008】但し、E0°:圧延方向に沿って採取した
サンプルのヤング率 E45°:圧延方向に対して45°方向に採取したサンプル
のヤング率 E90°:圧延方向に対して90°方向に採取したサンプル
のヤング率
【0009】かくして求められた平均ヤング率Eバーは
塑性歪み比の面内平均値rバーと相関関係があるた
め、、相関関係に基づいて塑性歪み比の面内平均値rバ
ーを求める。また、X線回折により特定結晶方位によっ
て進路変更されるX線の強度から塑性歪み比を求めるX
線法も用いられる。X線法による場合は、試料としての
金属板からサンプルを採取せず、試料としての前記金属
板に直接X線を照射する。X線は試料に特定な結晶面に
て回折されるが、その回折により進路変更されるX線の
強度を測定することによって試料の集合組織を推定し、
それによって塑性歪み比を導き出す。かかるX線法は、
前記直接法、共振法等と異なって非破壊測定による評価
が可能であるという利点がある。
【0010】また、前記X線法と同様に、非破壊測定に
よる評価が可能な方法として超音波探傷法を利用した特
開昭57-66355号に開示されている方法がある。これは前
記金属板の所定方向へ超音波板波を伝播させ、該超音波
板波の金属板中の伝播速度を所定の計測手段によって求
め、その結果を用いて金属板の材料特性、例えば塑性歪
み比を導き出すというものである。かくして塑性歪み比
を求めて深絞り性を評価する従来方法にあっては、次に
述べるような問題点があった。即ち、前記直接法による
場合は引張り試験片の採取及び歪みの実測に多大な時間
及び労力を要し、また前記共振法による場合もサンプル
採取に伴う作業効率の低下は避けられないという問題点
があった。しかも上述の方法はいずれも原理的に破壊測
定が必要であるため、オンライン的な評価方法としては
適切な方法であるとはいい難かった。
【0011】一方、前記X線法による場合は、非破壊測
定による評価が可能となってオンライン的に適切な評価
方法となり得るものの、使用する装置がかなり大掛かり
なものとなって経費が嵩む上、塑性歪み比の測定精度を
一定の水準に保つためには1回の測定に約10秒かける必
要があり、オンライン的な評価方法としてはやはり不満
が残るという問題点があった。また前記超音波探傷法を
利用した方法による場合は、任意のモードの超音波板波
を金属板の任意方向へ伝播させることにより、その任意
方向における塑性歪み比を求めるものであるが、方法と
して具体性に欠け、適用できない場合も多くあり、深絞
り性を評価する方法としてはやはり難点があった。
【0012】そこで本発明者等は特開平1-83322 号に開
示されているようにオンライン的な深絞り性の評価が可
能な実用的方法として、前記金属板の板厚方向へ伝播す
る超音波板波の縦波及び2種類の横波の各伝播時間を測
定し、その測定結果から縦波と横波との速度比を求め、
更に該速度比と塑性歪み比との相関関係から該塑性歪み
比を求める方法を提案した。かかる方法においては金属
板の結晶方位分布を考慮しているために深絞り性の評価
は可能であるが金属板の板厚が0.5mm 以下の場合に超音
波の底面エコーの分解が困難であるという実用上の問題
があった。そこでこの問題を解決するために本発明者等
は圧延された金属板中に、その板厚に対して十分に低い
周波数で発生させた、速度分散性が十分に少ないS0
ードの超音波板波を圧延方向と、圧延方向に対して45°
傾斜する方向と、圧延方向に対して直交する方向との3
方向に一定距離だけ伝播させ、その各伝播時間を測定
し、その測定値を用いて金属板の主要結晶方位成分を評
価する量を導出することにより塑性歪み比の面内平均値
rバーを求めるという方法を提案した。
【0013】斯かる発明による方法は、従来の直接法、
共振法等と比較した場合、金属板から試験片、サンプル
等を採取することなく、金属板に超音波を直接に伝播さ
せることによって塑性歪み比を求めるため、オンライン
的な評価方法として適切な非破壊測定による評価が可能
となる。また従来のX線法と比較した場合、使用する装
置が簡易なもので済む上、超音波を使用しているため、
測定時間が20ミリsec であっても一定の水準で評価が可
能であり、簡易且つ迅速に塑性歪み比を求めることがで
きる。更に従来の超音波探傷法を利用した方法と比較し
た場合、金属板の結晶方位分布関数を導入して塑性歪み
比を求めているため、深絞り性の評価が可能である上、
金属板の板厚に対して十分に低い周波数で発生させた速
度分散性が少ないS0 モードの超音波板波を用いるた
め、超音波の底面エコーが問題となることはない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、超音波板波
を3方向に一定距離だけ伝播させて塑性歪み比の面内平
均値rバーを求めるという前述の方法ではS0 モードの
超音波板波を金属板に対して圧延方向と、圧延方向に直
交する方向と、圧延方向に対して略45°傾斜する方向と
の3方向に伝播させてその各伝播時間を測定し、その測
定値から塑性歪み比の面内平均値rバーを求めることに
より金属板の深絞り性を評価する。従って超音波板波の
伝播時間の測定に3チャンネルのセンサが必要であるた
め、装置を小型にすることが困難であり、信号の処理に
長時間を要する。また構造が複雑であるので装置も高価
である。
【0015】本発明は斯かる事情に鑑みて成されたもの
であり、塑性歪み比の面内平均値rバーに対応する展開
係数W400 及び金属板の結晶の面内方位差に対応する展
開係数W440 に関して判明したW400 >>W440 の関係
から伝播時間を求める式を変形し、この式に基づいて実
験したところ、特開平1−83322号の発明の装置よ
りも標準偏差が少し大きいもののセンサを2チャンネル
又は1チャンネルにしても深絞り性の評価が可能である
ということに着眼して、従来の装置よりも小型で、信号
の処理時間が早く、構造が簡単で安価な金属板の深絞り
性評価装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る金属板の
深絞り性評価装置は、圧延された金属板中にS0 モード
の超音波板波を伝播させて、その伝播時間から塑性歪み
比の面内平均値を演算する金属板の深絞り性評価装置に
おいて、前記金属板中に超音波板波を圧延方向及び圧延
方向に対して直交する方向へ送信する送信子と、該送信
子から送信された超音波板波を受信する受信子と、該受
信子で得た信号に基づき、超音波板波の伝播時間を測定
する伝播時間測定器と、該伝播時間測定器で測定した伝
播時間に基づいて塑性歪み比の面内平均値を求める演算
器とを備えることを特徴とする。
【0017】第2発明に係る金属板の深絞り性評価装置
は、圧延された金属板中にS0 モードの超音波板波を伝
播させて、その伝播時間から塑性歪み比の面内平均値を
演算する金属板の深絞り性評価装置において、前記金属
板中に超音波板波を圧延方向に対して略45°傾斜する方
向へ送信する送信子と、該送信子から送信された超音波
板波を受信する受信子と、該受信子で得た信号に基づ
き、超音波板波の伝播時間を測定する伝播時間測定器
と、該伝播時間測定器で測定した伝播時間に基づいて塑
性歪み比の面内平均値を求める演算器とを備えることを
特徴とする。
【0018】
【作用】従来は金属板の深絞り性を評価すべく塑性歪み
比の面内平均値rバーを求めるには、金属板の深絞り性
の評価に使用する展開係数のうち、金属板の塑性歪み比
の面内平均値rバーに対応する展開係数W400 のみを使
用していた。ところが実験によって前記展開係数W400
及び金属板の面内方位差Δrに対応する展開係数W440
に関してW400 >>W440 であることが判明したため、
440 が入っても深絞り性の評価には影響がないと仮定
した。そしてこの仮定に基づき、伝播時間を求める式を
変形し、さらにこの式に基づいて圧延方向と圧延直交方
向との2方向、及び圧延45°方向の1方向に超音波板波
を伝播させ、その伝播時間から塑性歪み比の面内平均値
rバーを求めたところ、どちらの場合も深絞り性の評価
が可能であることが実験により判明したので、センサを
2チャンネルまたは1チャンネルにした。従って、本発
明の装置ではセンサ部に3チャンネルのセンサを組み込
んでいた従来の装置と比較して小型になり、信号の処理
時間が早く、構造が簡単で価格も安価になった。
【0019】(発明の原理)金属板の深絞り性は塑性歪
み比の面内平均値であるrバーを用いて評価する。該r
バーは(1) 式で示す如く結晶方位分布関数の展開係数と
相関関係があるので、展開係数が求まれば金属板の深絞
り性が評価できる。
【0020】
【数3】
【0021】但し、C0 ,C1 ,C2 ,C3 :定数 L(0°),L(45°),L(90°) :圧延方向に対して0°
・45°・90°の各方向に対する超音波板波の伝播距離 T(0°),T(45°),T(90°) :圧延方向に対して0°
・45°・90°の各方向に対する超音波板波の伝播時間 W400 ,W420 ,W440 :結晶方位分布関数を球関数で
展開した時の展開係数
【0022】また展開係数と伝播時間とは(2) 式で示す
如く相関関係がある。 T(θ)=C0 +C1 ・W400 +C2 ・W420 ・cos2θ +C3 ・W440 ・cos4θ …(2) 但し、T(θ):θ方向へのS0 モード板波の伝播時間 C0 ,C1 ,C2 ,C3 :定数
【0023】(2) 式より T(0°) =C0 +C1 ・W400 +C2 ・W420 +C3 ・W440 …(3) T(45°) =C0 +C1 ・W400 −C3 ・W440 …(4) T(90°) =C0 +C1 ・W400 −C2 ・W420 +C3 ・W440 …(5) 但し、T(0°) :圧延方向へのS0 モード板波の伝播
時間 T(45°) :圧延45°方向へのS0 モード板波の伝播時
間 T(90°) :圧延90°方向へのS0 モード板波の伝播時
【0024】前記展開係数のうちW400 及び金属板の面
内方位差に対応する展開係数W440に関して、実験によ
りW400 >>W440 の関係のあることが判明した。従っ
て前記45°方向の超音波板波の伝播時間を求める(4) 式
から、圧延45°方向に超音波板波を伝播して求めた伝播
時間から得られた塑性歪み比の面内平均値rバーでも
開平1−83322号の装置よりも標準偏差が少し大き
いものの実用に支障なく金属板の深絞り性が評価でき
る。また(3) 式及び(5) 式に関しては両式を加えること
により、阻害因子であるW420 が消える。従って圧延方
向及び圧延直交方向に超音波板波を伝播して伝播時間を
求めることにより得られた塑性歪み比の面内平均値rバ
ーでも特開平1−83322号の装置よりも標準偏差が
少し大きいものの実用に支障なく金属板の深絞り性が評
価できる。
【0025】
【実施例】以下本発明装置を、その実施例を示す図面に
基づいて具体的に説明する。図1は第1発明の装置のセ
ンサ部1の平面図と共に示す周辺装置のブロック図であ
り、白抜矢符方向が試料Aの圧延方向である。なお、以
下の図面においても白抜矢符方向が試料Aの圧延方向で
ある。センサ部1は送信子3,3及び受信子4,4を備
えた背板2から成っており、試料Aの板厚に対して速度
分散性が少ないS0 モードの超音波板波を送受する。背
板2は平面視が正方形の形状を成しており、その両エッ
ジが試料Aの両エッジに対して平行に配置されている場
合、該背板2において、試料Aの圧延方向の上流側に送
信子3が、圧延方向の下流側に受信子4が配設され、試
料Aの圧延直交方向側の一端に送信子3が、他端に受信
子4が配置されている。
【0026】送信子3,3にはパルスを発生して送信子
3,3に送り出すパルサ5,5が、受信子4,4には受
信子4,4から入ってきた弱いパルスを増幅するレシー
バ6,6がそれぞれ接続されており、パルサ5,5及び
レシーバ6,6は超音波探傷器7,7に内蔵されてい
る。
【0027】また超音波探傷器7,7には、該超音波探
傷器7,7で個々に得られる超音波波形から該超音波板
波が圧延方向に一定距離だけ伝播するのに要する時間T
(0°)及び圧延直交方向に一定距離だけ伝播するのに
要する時間T(90°) を個々に測定する伝播時間測定器
8,8が接続されている。そして伝播時間測定器8,8
で測定された伝播時間T(0°),T(90°) はそれぞ
れ演算器9へ入力される。演算器9は前記伝播時間T
(0°),T(90°) から塑性歪み比の面内平均値rバ
ーを演算して結果を求める。そして演算器9にて求めら
れた結果は表示器10に表示されるようになっている。
【0028】また図2は第2発明の装置のセンサ部11の
平面図と共に示す周辺装置のブロック図であり、センサ
部11は送信子3及び受信子4を備えた背板2から成って
おり、試料Aの板厚に対して速度分散性が少ないS0
ードの超音波板波を送受する。背板2は平面視が正方形
の形状を成しており、その両エッジが試料Aの両エッジ
に対して平行に配置されている場合、該背板2において
試料Aの圧延方向の上流側のどちらか一方の角に送信子
3が、その対角に受信子4がそれぞれ配設されている。
送信子3にはパルスを発生して送信子3に送り出すパル
サ5が、受信子4には受信子4から入ってきた弱いパル
スを増幅するレシーバ6がそれぞれ接続されており、パ
ルサ5及びレシーバ6は超音波探傷器7に内蔵されてい
る。
【0029】また超音波探傷器7には、該超音波探傷器
7で得られる超音波波形から前記超音波板波が圧延45°
方向に一定距離だけ伝播するのに要する時間T(45°)
を測定する伝播時間測定器8が接続されている。そして
伝播時間測定器8で測定された伝播時間T(45°) は演
算器9へ入力される。該演算器9は前記伝播時間T(45
°) から塑性歪み比を面内平均値rバーを演算して結果
を求める。そして演算器9にて求められた結果は表示器
10に表示されるようになっている。
【0030】次に本発明の第1発明に係る装置、第2発
明に係る装置及び従来の装置を用いて塑性歪み比の面内
平均値rバーを求め、実測で求めたrバーに対するそれ
ぞれの偏差を求めた。実測にて塑性歪み比の面内平均値
rバーを求めるべく、サンプルとしての金属板を複数枚
用意し、これらすべてのサンプルに対して15〜20%の伸
びを与える単軸引張り試験を行ない、それによって生じ
た板幅方向の歪みと板厚方向の歪みとを実測することに
より前記サンプルすべての塑性歪み比rを求めた。
【0031】 r={ln (w/w0 )}/{ln (t/t0 )} 但し、ln :自然数の対数関数 w :引伸し前の試験片の板厚 w0 :引伸し後の試験片の板厚 t :引伸し前の試験片の板幅 t0 :引伸し後の試験片の板幅
【0032】さらに次式によって塑性歪み比の面内平均
値rバーを求めた。 rバー=(r0°+2×r45°+r90°)/4 但し、r0°:圧延方向に沿って採取した引張り試験片
による塑性歪み比 r45°:圧延方向に対して略45°方向に採取した引張り
試験片による塑性歪み比 r90°:圧延方向に対して直交する方向に採取した引張
り試験片による塑性歪み比
【0033】そして前記サンプルに対し、前記従来の装
置を、従来の装置による測定の実施状態を示す平面図を
表す図3に示す如くセンサ部12において送信子3,3,
3が圧延方向の上流側、圧延直交方向の一端側、及び圧
延方向の上流側のどちらか一方の角に、また受信子4,
4,4が圧延方向の下流側、圧延直交方向の他端側、及
び圧延方向の下流側のどちらか一方の角にそれぞれ位置
するようにセットし、前記(1) 式を用いてrバー値を測
定した。さらに該サンプルに対し、第1発明の装置によ
る測定の実施状態を示す平面図を表す図4に示す如くセ
ンサ部1において、送信子3が試料Aの圧延方向の上流
側に、受信子4が圧延方向の下流側に位置するようにセ
ットし、(6) 式を用いてrバー値を測定した。
【0034】
【数4】
【0035】但し、C1 ,C2 :定数 L(0°),L(90°) :圧延方向に対して0°,90°
の各方向に対する超音波板波の伝播距離 T(0°),T(90°) :圧延方向に対して0°,90°
の各方向に対する超音波板波の伝播時間
【0036】また第2発明の装置による測定の実施状態
を示す平面図を表す図5に示す如く、センサ部11におい
て送信子3が試料Aの圧延方向の上流側のどちらか一方
の角に、受信子4がその対角に位置するようにセット
し、(7) 式を用いてrバー値を測定した。
【0037】
【数5】
【0038】但し、C1 ,C2 :定数 L(45°) :圧延方向に対して45°方向に対する超音波
板波の伝播距離 T(45°) :圧延方向に対して45°方向に対する超音波
板波の伝播時間
【0039】そして前記単軸引張り試験で実測したrバ
ー値と、従来装置(特開平1−83322号の装置)
第1発明に係る装置及び第2発明に係る装置でそれぞれ
求めたrバー値との対応状況を確認するべく、実測で求
めたサンプルのrバー値に対する前記従来装置、第1発
明に係る装置及び第2発明に係る装置で求めた、前記サ
ンプルのrバー値をグラフ上にプロットした(図6)。
また第1表に、単軸引張り試験で実測したrバー値と従
来装置、第1発明の装置及び第2発明の装置で測定した
rバー値との標準偏差の対応を示す。これによれば、第
1,第2発明の装置は、従来装置と比して少しバラツキ
が大きい、即ち標準偏差が少し大きいことが分かる。し
かし測定値に要求される標準偏差は、第1,第2発明の
装置での測定値の標準偏差より大きくてもよいものが多
々存在し、そのような要求の測定に対しては、当然に
用に供することが可能である。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上の如く本発明装置にあっては、セン
サを2チャンネルにして圧延方向と圧延直交方向、また
はセンサを1チャンネルにして圧延45°方向にそれぞれ
超音波板波を伝播してrバーを求めることにより深絞り
性を評価するので、3チャンネルのセンサを使用してい
る従来の装置と比較した場合、装置を小型にできる。ま
た信号の処理時間が早くなり、装置の構造も簡単にな
る。その上、価格も安価になる等本発明は優れた効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の装置のセンサ部の平面図と共に示す
周辺装置のブロック図である。
【図2】第2発明の装置のセンサ部の平面図と共に示す
周辺装置のブロック図である。
【図3】従来の装置による測定の実施状態を示す平面図
である。
【図4】第1発明の装置による測定の実施状態を示す平
面図である。
【図5】第2発明の装置による測定の実施状態を示す平
面図である。
【図6】従来の装置、第1・第2発明の装置で求めたr
バー値と実測rバー値との対応状況を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 第1発明の装置のセンサ部 2 背板 3 送信子 4 受信子 5 パルサ 6 レシーバ 7 超音波探傷器 8 伝播時間測定器 9 演算器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延された金属板中にS0 モードの超音
    波板波を伝播させて、その伝播時間から塑性歪み比の面
    内平均値を演算する金属板の深絞り性評価装置におい
    て、前記金属板中に超音波板波を圧延方向及び圧延方向
    に対して直交する方向へ送信する送信子と、該送信子か
    ら送信された超音波板波を受信する受信子と、該受信子
    で得た信号に基づき、超音波板波の伝播時間を測定する
    伝播時間測定器と、該伝播時間測定器で測定した伝播時
    間に基づいて塑性歪み比の面内平均値を求める演算器と
    を備えることを特徴とする金属板の深絞り性評価装置。
  2. 【請求項2】 圧延された金属板中にS0 モードの超音
    波板波を伝播させて、その伝播時間から塑性歪み比の面
    内平均値を演算する金属板の深絞り性評価装置におい
    て、前記金属板中に超音波板波を圧延方向に対して略45
    °傾斜する方向へ送信する送信子と、該送信子から送信
    された超音波板波を受信する受信子と、該受信子で得た
    信号に基づき、超音波板波の伝播時間を測定する伝播時
    間測定器と、該伝播時間測定器で測定した伝播時間に基
    づいて塑性歪み比の面内平均値を求める演算器とを備え
    ることを特徴とする金属板の深絞り性評価装置。
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