JPH0678869B2 - 熱サイホン装置 - Google Patents

熱サイホン装置

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JPH0678869B2
JPH0678869B2 JP60094465A JP9446585A JPH0678869B2 JP H0678869 B2 JPH0678869 B2 JP H0678869B2 JP 60094465 A JP60094465 A JP 60094465A JP 9446585 A JP9446585 A JP 9446585A JP H0678869 B2 JPH0678869 B2 JP H0678869B2
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益司 坂谷
正孝 望月
耕一 益子
雅彦 伊藤
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は下部から上部に向けて熱の輸送・伝達を行な
うための熱サイホン装置に関するものである。
従来の技術 地熱の回収や気中放熱によって凍土の凍結維持を図る場
合などにおいては、熱を下部から上方へ移動させること
になるから、熱サイホン形ヒートパイプを用いることが
有効である。すなわち熱サイホン形ヒートパイプは、重
力によって液相作動流体を還流させる構成であって、毛
細管圧力を生じさせるウィックを設けていない点を除け
ば、通常のヒートパイプと同様な構成であり、具体的に
は、空気などの非凝縮性気体を真空引きして排気した密
閉管に水などの凝縮性の作動流体を封入し、下部側を入
熱部(加熱部)とする一方、上部側を放熱部(冷却部)
とした構成である。したがって地熱などの外部からの入
熱によって作動流体が蒸発し、その蒸発が高速で上方に
流れた後、放熱部において熱を外部に奪われて凝縮液化
し、その液相の作動流体は重力によって入熱部に流下す
る。熱サイホン形ヒートパイプでは、作動流体がこのよ
うに循環することにより、その潜熱として熱の輸送を行
なうため、銅などの金属を介して熱伝達に比べて極めて
多量の熱を効率良く輸送することができる。
発明が解決しようとする問題点 上述した熱サイホン管における作動流体の凝縮液化は、
作動流体の蒸気が管壁に接触して熱を奪われることによ
り生じ、そのために作動流体の液滴は管壁を伝わって入
熱部に流下するが、熱サイホン管の内部では作動流体の
蒸気が上昇流となって高速で流れているために、液相の
作動流体が蒸気によって引きちぎられて上方に向けて搬
送される現象が生じる。このような現象が顕著になる
と、液相作動流体の還流量が不足して熱輸送量が減少す
るが、これは通常のヒートパイプでは飛散限界として知
られている。特に熱サイホン管では、ウィックを設けて
いないために、構造が簡単である反面、液相作動流体の
飛散が生じ易く、また用途として有効な地熱の回収の場
合には、入熱部を相当長くすることになるため、還流途
中での蒸発と相まって、液相作動流体が入熱部の全体に
充分還流しなくなり、その結果、熱輸送能力が著しく低
下するおそれがあった。
この発明は上記の事情に鑑み、凝縮液化した作動流体を
入熱部に充分還流させることができ、ひいては熱輸送能
力の低下するおそれがなく、また構成が簡単で製造の容
易な熱サイホン装置を提供することを目的するものであ
る。
問題点を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、液相の作動
流体流と作動流体蒸気流とを隔絶するとともに、入熱部
の全体に液相の作動流体を分散供給するよう構成したも
のであり、さらに詳しくは、上下方向に向けて配置され
る密閉管に、非凝縮性気体を真空排気したのち凝縮性の
作動流体が封入されるとともに、その密閉管の上端部
に、気相の作動流体を凝縮液化させる放熱部が設けら
れ、また密閉管の少なくとも下部は液相の作動流体が蒸
発気化される入熱部とされ、さらに前記放熱部から流下
する液相の作動流体を気相作動流体の上昇流から隔絶し
て前記密閉管の内面全体に分配供給する液還流路が、前
記入熱部内に延出されるように密閉管の内側に設けられ
ていることを特徴とするものである。また構成を簡素化
するために、直管状の密閉管の上端部に放熱部を形成す
るとともに、その放熱部内での液相作動流体と気相作動
流体とを分離するよう構成した点に特徴を有するもので
ある。
作用 外部からの入熱によって蒸発気化した作動流体は、上昇
流となって密閉管の内部を放熱部に向けて高速で流れ、
また放熱部において熱を外部に放出することにより凝縮
液化した作動流体は、液還流路を介して密閉管の入熱部
の内面全体に還流し、かつ分配供給される。したがって
還流途中の液相作動流体が作動流体蒸気流に接触するこ
とが殆んどないから、液相作動流体の飛散が生じず、ま
た液還流路の長さを必要に応じて適宜に設定することに
より、密閉管の入熱部の内面全体にほぼ均一に液相作動
流体が分配供給され、その結果、凝縮液化した作動流体
が必要十分に入熱部に還流する。また直管状の密閉管の
上端部に放熱部を区画形成すれば、気密性を保持して突
出管を取付けるなどの構造を採らなくてよくなるので、
構成が簡素化され、製造が容易になる。
実施例 以下、この発明の実施例を添付の図面を参照して説明す
る。
第1図はこの発明の第1の実施例を示す略解断面図であ
り、第2図はそのII-II線矢視図であって、本体部であ
る密閉管1は、銅やアルミニウムなどの金属管あるいは
外表面に防食処理を施した金属管によって構成され、そ
の上端部に比較的小径の突出管2が接続されるととも
に、その突出管2の先端部は所定の位置から下方に曲げ
られて密閉管1の内部に引き入れられており、その突出
管2のうち密閉管1に対する引き入れ部分より上側でか
つ上下方向を向いている部分に多数の放熱フィン3が取
付けられ、その部分が放熱部4とされている。また密閉
管1の内部には、前記突出管2の内部をも含めて、空気
などの非凝縮性気体を真空排気した後に、水やエチルア
ルコールあるいはフレオンなどの凝縮性の作動流体5が
封入されたいる。さらに上端部を前記放熱部4に連通さ
せたスパイラル管6が、前記密閉管1の内周面にほぼ接
触するよう配置されている。このスパイラル管6は、放
熱部4において凝縮液化した作動流体を、蒸発の生じた
個所すなわち密閉管1の内面に還流させるための液還流
路を形成するものであって、その中間部には密閉管1の
内面に向けて開口した多数の小孔7が形成されている。
なお、スパイラル管6において熱の授受を特に生じさせ
る必要がないから、スパイラル管6に合成樹脂管を用い
ることができる。また密閉管1の内周面に対する液相作
動流体の還流量を可及的に均等化するために、前記小孔
7の開口径は、上部側のものほど小さく、下部側で次第
に大きくなるよう設定することが好ましく、さらに小孔
7の最適数は、密閉管1の内径や長さ等に応じて実験的
に求めればよい。
上述した熱サイホン装置は、例えば地熱の回収を行なう
場合、放熱部4を上側にして上下方向に向けて配置し、
密閉管1の下端部から上端部近くまでの大半の部分を入
熱部とした状態で使用される。したがって密閉管1の内
部では、作動流体5が入熱によって蒸発気化し、その蒸
気Vが上昇流となって高速で流れ、最終的には前記突出
管2に入り込んで放熱部4に到り、ここで外部に熱を放
出し、凝縮液化する。相変化(状態変化)に伴う潜熱と
して熱を輸送した作動流体は、放熱部4で凝縮液化した
後に重力によって流下するが、放熱部4に密閉管1の内
部に配置したスパイラル管6が接続されているので、液
相の作動流体はそのスパイラル管6を通って還流する。
そのため液相作動流体流は気相の作動流体流から隔絶さ
れるので、気相作動流体の上昇流によって引きちぎられ
ることなく流下する。また液還流路であるスパイラル管
6には、密閉管1の内周面に向けて開口する多数の小孔
7が形成されているから、その内部を流下する液相作動
流体は、流下途中で次第に各小孔7から流出し、密閉管
1の内面に分配供給される。特に上部側での小孔7の開
口径を小さくし、下部側のものほど大径となるよう設定
した場合には、上部側の小孔7で流出し切らない余剰の
液相作動流体が下部側の小孔7から次第に流出すること
になるから、密閉管1の内周面全体に均一に作動流体を
還流させ、分配供給することができる。このようにして
還流した作動流体は外部からの入熱によって再度蒸発気
化し、熱輸送の用に供される。
したがって上記の熱サイホン装置では、スパイラル管6
を液還流路として設けたことにより、還流途中での飛散
を生じることなく、しかも入熱部となる密閉管1の下端
部にまで液相作動流体を確実に還流させることができ、
またスパイラル管6に多数の前記小孔7を形成したこと
により、入熱部となる密閉管1の内面全体に液相の作動
流体を分配供給することができ、その結果、上記の熱サ
イホン装置では熱輸送能力を低下させずに、継続して熱
輸送を行なうことができる。
なお、上述した構成のうちスパイラル管6を螺旋状に造
った焼結金属などの多孔構造材によって置き換えてもよ
く、そのような構成の場合には、液相の作動流体をその
多孔構造材から浸み出させて密閉管1の内面に分配供給
することになる。
第3図はこの発明の第2の実施例を示す略解断面図であ
って、ここに示す熱サイホン装置は上述した実施例にお
けるスパイラル管6の代りに複数本の小径管8によって
液還流路を形成したものである。すなわち上端部を互い
に結束しかつその上端部で前記放熱部4に連通させた複
数本の小径管8が密閉管1の内部に挿入・配置されてお
り、各小径管8は長さが異なるとともに、各々の下端部
は密閉管1の内面に向けて屈曲し、かつ上下方向におい
て異なる位置で開口している。したがって第3図に示す
構成では、小径管8の開口端が密閉管1の内面に対する
液相作動流体の供給個所となるが、設けることのできる
小径管8の本数に制約があるため、上述した第1の実施
例と比較した場合、密閉管1の内面に対する液相作動流
体の供給個所が少なくなる。そのため第3図に示す構成
では、金属網などの多孔構造の材料からなるウィック9
を密閉管1の内周面に添設して内周面全体への液相作動
流体の供給を促進することが好ましく、あるいはウィッ
ク9の代りに円周方向に沿う細溝を設けることが好まし
い。
なお、液還流路を第3図に示すように複数本の小径管8
によって構成する場合、密閉管1の内周面に対する液相
作動流体の供給個所の多様化を図るために、各小径管8
の長さを変えることに加え、小径管8を湾曲させて、各
々の開口端の位置を密閉管1の上下方向および周方向の
いずれにおいても異ならせてもよい。また各小径管8の
開口径あるいは内径は、その開口端の上下方向での位置
に応じて異ならせてもよく、さらに金属網からなるウィ
ック9を設けた場合には、そのメッシュの大きさを上下
各部分で異ならせてもよい。
第3図に示すよう構成した場合であっても作動流体5が
外部からの入熱によって蒸発し、その蒸気Vが放熱部4
に流れて熱を放出することに伴い凝縮液化することによ
り、潜熱として熱の輸送を行なう。また液化した作動流
体は放熱部4から小径管8を通って流下するので、気相
作動流体の上昇流から隔絶され、その結果、還流途中で
上方に向けて飛散することなく蒸発個所である密閉管1
の内面に供給される。さらに複数本の小径管8を設け、
その開口端の位置を異ならせてあるから、入熱部分の実
質長さが長い場合であっても、その全体に液相の作動流
体を充分に還流させ、かつ分配し供給することができ
る。
第4図はこの発明の第3の実施例を示す略解断面図であ
り、ここに示す熱サイホン装置は、前記放熱部4に所定
の内径のパイプ13を接続するとともに、その下端部を密
閉し、さらにそのパイプ13の中間部に密閉管1の内面に
向けた複数のノズル14を設けることにより、パイプ13を
液還流路とし、かつ他の構成を第3図に示す第2の実施
例と同様にしたものである。
この熱サイホン装置においては、前記パイプ13を常時充
満させる量の作動流体を封入するとともに、その充満状
態を維持する入熱および放熱を生じさせるよう設定す
る。その結果、作動流体の蒸気Vはパイプ13の外側を上
昇流となって流れて、放熱部4において凝縮液化し、こ
れに対し液相の作動流体を各ノズル14からその高さに応
じた水頭圧を受けて密閉管1の内面に噴射・還流する。
また密閉管1の内周面においては、ウィック9によって
液相の作動流体が全体に分配される。
したがって第4図に示す構成であっても、入熱部に還流
する液相の作動流体と気相の作動流体の上昇流とを隔絶
できるので、その上昇流による液相作動流体の飛散を防
止し、入熱部の全体に液相作動流体を充分に還流させる
ことができる。
なお、第4図に示す構成では、各ノズル14の位置での水
頭圧に差が生じるので、各ノズル14の開口径を異ならせ
て液相作動流体の流出量を均一化することが好ましい。
第5図にこの発明の第4の実施例として示す熱サイホン
装置は、作動流体蒸気Vの有するエネルギーによって液
相の作動流体Lを密閉管1の内周面に対して分配供給す
るよう構成したものである。すなわち密閉管1内部に
は、その軸心に沿う回転中空軸15が軸受16によって回転
自在に支持されており、その回転中空軸15は上端部で前
記放熱部4に連通する一方、下端部が密閉されており、
その中間部の複数個所に、作動流体の蒸気流によって回
転力を受けるタービンブレード17が取付けられている。
そして液相の作動流体Lを流出させるための噴液孔18
が、第6図に示すように前記回転中空軸15のうちタービ
ンブレード17を固定するボス部19よりわずか上側に設け
られ、液相作動流体Lをその噴液孔18を介して回転中空
軸15からタービンブレード17の上面に流出させるように
なっている。
したがって第5図に示す構成の熱サイホン装置では、外
部からの入熱によって生じた作動流体蒸気Vが、高速で
上方に向けて流れることにより、前記回転中空軸15がタ
ービンブレード17と共に回転駆動される。これに対し放
熱部4において熱を放出することによって生じた液相の
作動流体Lは、回転中空軸15の内部に流入する。したが
って液相作動流体Lは前記噴液孔18からタービンブレー
ド17の上面に流出し、しかる後タービンブレード17が回
転していることによる遠心力でタービンブレード17の先
端部に流れ、更にそこから密閉管1の内面に向けて飛翔
する。このように第5図の装置においては、液相作動流
体Lは回転中空軸15の内部を流れることにより作動流体
の蒸気流から隔絶され、また遠心力によって密閉管1の
内面全体に分配供給される。
なお、第5図に示す熱サイホン装置において、液相作動
流体の密閉管1の内面全体への分散は、密閉管1の内面
に添設したウィック9によって行なってもよく、あるい
は重力による自然流下によって行なってもよい。またタ
ービンブレード17による液相作動流体の分配供給は、第
7図に示すようにタービンブレード17のボス部19の内面
からタービンブレード17の先端部に連通する貫通孔20を
あけるとともに、噴液孔18をその貫通孔20に開口させ、
回転中空軸15を経て還流する液相作動流体を貫通孔20を
介してタービンブレード17の先端部から飛翔させること
により行なってもよい。さらにタービンブレード17のみ
を回転させて液相作動流体Lに対して遠心力を作用して
構成してもよい。
さらに第8図はこの発明の第5の実施例を示す略解断面
図であって、ここに示す熱サイホン装置は、所謂アーテ
リウィック21を介して液相作動流体Lを還流させるよう
構成したものである。すなわちウィック21は焼結金属等
からなる多孔構造であって、第8図および第9図に示す
ように全体として平板状をなすとともに、その中心部に
長手方向に沿う竪孔22が形成され、さらにその竪孔22の
内部に開口面積の狭くなった複数の絞り部(オリフィ
ス)23が所定の間隔ごとに設けられた構成であり、その
ウィック21が密閉管1の内部に直径線に沿いかつ両側端
を密閉管1の内面に密着させて挿入し、配置され、さら
に前記竪孔22がその上端部で前記放熱部4に連通されて
いる。
したがって第8図および第9図に示す熱サイホン装置で
は、外部からの入熱によって生じた作動流体蒸気が、密
閉管1の内面と前記ウィック21との間の空間部を上昇流
となって流れ、これに対し放熱部4で生じた液相作動流
体Lは、ウィック21の竪孔22を通って流下する。その場
合、竪孔22には絞り部23が形成されているから、その部
分で液相作動流体Lが第8図に示すように一時溜り、そ
の結果、ウィック21による液相作動流体Lの吸収量が長
手方向の各部においてほぼ均一化される。そしてウィッ
ク21に吸収された作動流体は最終的には密閉管1の内面
に到達してここを濡らし、かつ外部からの入熱によって
再度蒸発気化する。すなわち第8図および第9図に示す
装置では、ウィック21およびその中心部に形成してある
竪孔22が液還流路となり、そのために液相作動流体Lと
作動流体の蒸気流とが隔絶される。なお、密閉管1の円
周方向に対する液相作動流体Lの分配を、密閉管1の内
周面にウィックを添設することにより積極的に行なうよ
うにしてもよい。
上述した各実施例は、液還流路の構成に関するものであ
り、したがって放熱部4は突出管2によって構成した
が、この発明においては密閉管1の一部に放熱部4を形
成してもよい。以下、その例を示す。
まず、第10図に示す構成について説明すると、密閉管1
内の上端部に金属網等の通気可能な多孔構造材からなる
隔膜部材24が設けられており、その隔膜部材24は中心部
に向けて下向傾斜したテーパ状であって、その中心部分
が、液還流路を構成する管状体25の上端部に挿入されて
いる。すなわち第10図に示す放熱部4は密閉管1の内部
に前記隔膜部材24によって区画形成されたものであっ
て、放熱部4とされた部分の外周面に放熱フィン26が取
付けられ、隔膜部材24を通過した作動液体蒸気Vを放熱
部4における内壁面で凝縮液化させ、その液相作動流体
Lを隔膜部材24を介して管状体25の内部に流入させるよ
う構成されている。
また第11図に示す放熱部4は、通気孔27を中心部に設け
た隔壁28を密閉管1内の上端部に水平に取付けて区画す
るとともに、放熱フィン29を密閉管1の上端外周面に取
付けた構成であり、前記通気孔27には作動流体蒸気Vを
更に上方に導く筒状体30が接続して設けられ、また前記
隔壁28には液還流路となる管状体31が貫通して取付けら
れている。すなわち第11図に示す放熱部4は、作動流体
蒸気Vを筒状体30から導き入れるとともに、内壁面にお
いて凝縮液化させ、その液相作動流体Lを液還流路であ
る管状路31に流入させるよう構成されている。
放熱部4をこれら第10図もしくは第11図に示す構成とす
れば、前述した突出管2のようなループ構造を採る必要
がなくなり、構成を単純化し、かつ製造の容易なものと
することができる。
発明の効果 以上の説明から明らかなようにこの発明の熱サイホン装
置によれば、放熱部で生じた液相の作動流体を、気相作
動流体の上昇液から隔絶して外部から入熱のある部分の
全体に分配供給する液還流路を設けたから、還流途中で
の液相作動流体の飛散や蒸発気化を防止することがで
き、その結果、液相の作動流体を入熱のある部分に充分
還流させることができるため、熱輸送能力を高く維持す
ることができる。また液還流路に連通する放熱部を密閉
管の一部として構成できるので、構成を簡素化し、かつ
製造の容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1の実施例を示す略解断面図、第
2図は第1図のII-II線矢視図、第3図は第2の実施例
を示す略解断面図、第4図は第3の実施例を示す略解断
面図、第5図は第4の実施例を示す略解断面図、第6図
は液相作動流体を遠心力によって飛翔させるための構成
の一例を示す部分図、第7図は液相の作動流体を遠心力
によって飛翔させるための構成の他の例を示す部分図、
第8図は第5の実施例を示す略解断面図、第9図は第8
図のX−X線矢視図、第10図および第11図は放熱部の例
をそれぞれ示す部分略解断面図である。 1…密閉管、4…放熱部、5…作動流体、6…スパイラ
ル管、7…小孔、8…小径管、10…スパイラルコルゲー
ト管、11…ウィック、12…凹部、13…パイプ、14…ノズ
ル、15…回転中空軸、17…タービンブレード、18…噴液
孔、21…ウィック、22…竪孔、23…絞り部、24…隔膜部
材、27…通気孔、28…隔壁、30…筒状体、L…液相作動
流体、V…作動流体蒸気。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益子 耕一 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 伊藤 雅彦 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (56)参考文献 特公 昭57−13786(JP,B2)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下方向に向けて配置される密閉管に、非
    凝縮性気体を真空排気したのち凝縮性の作動流体が封入
    されるとともに、その密閉管の上端部に、気相の作動流
    体を凝縮液化させる放熱部が設けられ、また密閉管の少
    なくとも下部は液相の作動流体が蒸発気化される入熱部
    とされ、さらに前記放熱部から流下する液相の作動流体
    を気相作動流体の上昇流から隔絶して前記密閉管の内面
    全体に分配供給する液還流路が、前記入熱部内に延出さ
    れるように密閉管の内側に設けられていることを特徴と
    する熱サイホン装置。
  2. 【請求項2】前記液還流路が、上端部で前記放熱部に連
    通しかつ前記密閉管の内周面に沿わせた螺旋管によって
    構成され、その螺旋管には密閉管の内周面に向けて開口
    する小孔が設けられていることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の熱サイホン装置。
  3. 【請求項3】前記液還流路が、上端部を前記放熱部に連
    通させた複数本の小径管によって構成され、かつ各小径
    管の下端部が、前記密閉管の少なくとも上下方向に異な
    る位置で密閉管の内周面に向けて開口していることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の熱サイホン装置。
  4. 【請求項4】前記液還流路が、上端部を前記放熱部に連
    通させかつ下端部を密閉したパイプによって構成され、
    そのパイプには前記密閉管の内周面に向けて開口する複
    数のノズルが設けられていることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の熱サイホン装置。
  5. 【請求項5】前記液還流路が、上端部で前記放熱部に連
    通するとともに前記密閉管の軸心にほぼ沿って配置され
    かつ気相作動流体の上昇流によって回転力を受けるター
    ビンブレードを外周に有した中空軸によって構成され、
    その中空軸のうちタービンブレードを取付けた個所の周
    壁には噴液孔が形成され、回転に伴う遠心力によって液
    相作動流体をその噴液孔から密閉管の内周面に噴出供給
    するよう構成されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の熱サイホン装置。
  6. 【請求項6】前記液還流路が、前記放熱部に連通しかつ
    上下の複数個所に絞り部を設けた竪孔を有するとともに
    両側端面を密閉管の内面に接触させた多孔構造の平板状
    ウィックによって構成されていることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の熱サイホン装置。
  7. 【請求項7】直管状の前記密閉管の上端部が前記放熱部
    とされるとともに、液相の作動流体を前記液還流路に導
    くための多孔構造の隔膜部材が、放熱部の内周面から液
    還流路の上端部に向けて下向傾斜するよう配置されてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の熱サイ
    ホン装置。
  8. 【請求項8】直管状の前記密閉管の上端部内周側に通気
    孔を有する隔壁を水平に設けることにより、前記放熱部
    が密閉管の上端部に区画形成され、その通気孔には更に
    上方に延びた筒状体が接続して設けられるとともに、前
    記液還流路が前記隔壁を貫通して前記放熱部に連通して
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の熱サ
    イホン装置。
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