JPH0678864U - 尿検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 尿からの無機質成分の析出物が装置に付着し
ないようにした尿検査装置を提供する。 【構成】 内側形状が円柱状の測定槽１４の上部内周壁
に、洗浄水を噴出させる４本のノズル５２，５２，…を
同一円周上の円周４等分の位置に突出させる。その噴出
孔５２ａ，５２ａ，…による噴出方向を、測定槽１４の
内周壁に沿って同一回転方向とする。洗浄水が内周壁を
渦流として流れ、しかも測定槽内に貯溜されて渦流が形
成される。そして、この貯溜された渦流内に、尿の液面
高さを測定する液面高さ検出手段１６と尿比重を測定す
るフロート１８を浸漬して、これらを洗浄する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、病院等で患者から採取された尿の量および比重を自動的に測定する ための尿検査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

病院等にあっては、患者の病状の変化等を知るための重要な手がかりの１つと して、患者から排泄された尿の検査が必要な場合がある。そこで、患者本人また は看護婦により採取された尿は、１回毎にその尿量と尿比重が測定され、さらに １日の総尿量が測定されている。

【０００３】 これらの尿を検査するために、従来では、病院のトイレ内に１回毎に採取され た尿を尿瓶等で保管する棚が設けられており、これらの尿を１日毎にまとめて病 院の職員が各回の尿量と尿比重を測定して記録していた。そして、大量の尿が長 時間保管されるため、悪臭や不潔感の大きな要因となっていた。そこで、採取さ れた尿の尿量と尿比重を人手を掛けずに自動的に測定でき、後で詳細な検査に必 要となる少量の尿をサンプリング採取し、他の尿は測定後に捨てることのできる 尿検査装置の提供が望まれていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

尿検査装置は、種々試作されているようであるが、尿に含まれる無機質成分か ら、尿酸や尿酸塩やシュウ酸カルシウムやリン酸塩等が析出され易く、この析出 物が装置に付着して、検査精度を悪化させてしまい、実用に十分耐えることがで きず、現在のところ実用化されていない。

【０００５】 本考案は、上述したごとき事情に鑑みてなされたもので、尿からの無機質成分 の析出物が付着しないようにした尿検査装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案の尿検査装置は、尿が投入されて尿量お よび尿比重が測定される測定槽の内側形状を円柱状とし、その上部内周壁に洗浄 水を噴出させるノズルを複数本円周等分の位置に突設し、このノズルの噴出方向 を前記内周壁に沿わせて同一回転方向に配設し、前記ノズルから噴出された洗浄 水が渦流として内周壁を流れ、しかも前記測定槽内に貯溜されて渦流が形成され るようにし、この貯溜された渦流内に尿比重を測定するためのフロートを浸漬す るように構成されている。

【０００７】 そして、前記フロートに代えて、または前記フロートとともに、前記測定槽内 の尿の液面の高さを測定する液面高さ検出手段を、前記貯溜された渦流内に浸漬 するように構成しても良い。

【０００８】

【作 用】

測定槽の内周壁に複数本の円周等分の位置で突出されたノズルから噴出する洗 浄水により、内周壁に沿って流れる渦流が形成される。また、測定槽内に洗浄水 が貯溜され、さらにこの貯溜された洗浄水が渦流となって回転する。そこで、測 定槽の内周壁から尿が確実に洗浄されるとともに、貯溜された洗浄水の渦流内に 浸漬されたフロートの外壁から尿が確実に洗浄される。

【０００９】 そして、測定槽内に貯溜された洗浄水の渦流内に液面高さ検出手段を浸漬する ならば、液面高さ検出手段の液面検出部に尿の析出物が付着することがない。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１ないし図４を参照して説明する。図１は、本考 案の尿検査装置の一実施例の要部縦断面図であり、図２は、図１のＡ−Ａ断面矢 視図であり、図３は、本考案の尿検査装置の一実施例の全体ブロック構成図であ り、図４は、図３の装置の動作を説明するフローチャートである。

【００１１】 まず、図３を参照して装置全体の構成を説明する。尿が投入される尿投入受け １０が、投入経路１２を介して測定槽１４の下部の細径部１４ａに連通される。 この測定槽１４の上部には、測定槽１４に貯溜された尿の液面の高さを測定して 尿量を計るための液面高さ検出手段１６と尿に浸漬されて尿比重を計るためのフ ロート１８が適宜な手段により上下動自在に配設される。そして、測定槽１４の 下部が第１のピンチバルブ２０を介して排水タンク２２に連通され、また第２の ピンチバルブ２４を介して吸引ポンプ２６に連通され、この吸引ポンプ２６がサ ンプル用ノズル２８に連通される。排水タンク２２に、液面高さを検出するため のフロートスイッチ３０が設けられ、その下部が排液ポンプ３２に連通される。 この排液ポンプ３２は、排水経路３４が接続されている。また、サンプル用ノズ ル２８が所定位置にある状態で、その下方に受け容器３６が設けられ、この受け 容器３６の下部が排水タンク２２に連通される。

【００１２】 また、水道管３８が第１の電磁弁４０とアスピレータ４２を介して、尿投入受 け１０の上方に配設される第１の散水口４４に連通される。アスピレータ４２に は、洗剤液槽４６が第３のピンチバルブ４８を介して連通される。さらに、水道 管３８が、第２の電磁弁５０を介して測定槽１４の内周壁の上部に突出されたノ ズル５２，５２，５２，５２に連通されるとともに、所定位置にあるサンプル用 ノズル２８に向けて散水する第２の散水口５４に連通される。なお、図３の５６ は、尿の温度を測定する温度センサである。

【００１３】 さらに、図１および図２を参照して、測定槽１４に突設されたノズル５２，５ ２，…の構造につき説明する。測定槽１４の内側形状は太径の円柱状であり、こ の円柱状の下部にテーパー状部を介して、細径の円柱状の細径部１４ａが設けら れている。そして、測定槽１４の上部の内周壁に、同一円周上で円周等分の位置 に複数本のノズル５２，５２，…が突設される。図２にあっては、ノズルは４本 であり、円周４等分の位置に突設される。しかも、ノズル５２，５２，…に設け られた噴出孔５２ａ，５２ａ，…は、洗浄水としての水道水を測定槽１４の内周 壁の周方向に沿わせて同一回転方向に向けて噴出するように配設される。そこで 、ノズル５２，５２，…から洗浄水が噴出されると、洗浄水は内周壁に沿って流 れるスパイラル状の渦流が形成されて、測定槽１４の内壁から尿が確実に洗浄さ れる。さらに、ノズル５２，５２，…から噴出される洗浄水の流量は、細径部１ ４ａから流出する流量より多く、測定槽１４内に徐々に洗浄水が貯溜される。そ して、この貯溜された洗浄水も回転して渦流が形成される。そこで、この貯溜さ れた洗浄水の渦流内に、液面高さ検出手段１６およびフロート１８が下降されて 浸漬され、それらの外壁および液面検出部に付着する尿が確実に洗浄される。

【００１４】 次に、図４を参照して装置全体の動作を説明する。図示しない起動ボタンまた は尿投入受け１０の蓋が開かれると、装置は初期状態の設定がなされる（ステッ プ）。すなわち、第１と第２と第３のピンチバルブ２０，２４，４８および第 １と第２の電磁弁４０，５０が閉塞され、液面高さ検出手段１６とフロート１８ が基準高さに設定される。測定槽１４は空であることは勿論である。かかる初期 状態において、患者から採取された尿が尿投入受け１０内に投入されると、この 尿が測定槽１４内に貯溜される（ステップ）。そして、液面高さ検出手段１６ とフロート１８が下降されて、尿の液面高さから尿量が適宜に図示しない中央演 算手段等により測定されるとともに、フロート１８の浮き加減から尿比重が測定 され、さらに温度補正がなされる（ステップ）。これらの尿量と尿比重の測定 が完了すると、少量の尿をサンプルとして採取するように設定されていれば（ス テップ）、第２のピンチバルブ２４が開かれるとともに吸引ポンプ２６が駆動 され、さらにサンプル用ノズル２８が適宜な図示しないサンプリングボトルの注 入口上となるように移動制御される。そして、吸引ポンプ２６が所定時間だけ駆 動されることで、所定量の尿がサンプリングされ、その後で駆動停止される。ま た、サンプル用ノズル２８は、受け容器３６上の所定位置に移動復帰される（ス テップ）。続いて、第１のピンチバルブ２０が開かれて、測定槽１４内の尿が 排水タンク２２内に排出される（ステップ）。その後で、第１の電磁弁４０が 開かれて、水道水が洗浄水として第１の散水口４４から尿投入受け１０に散水さ れて尿投入受け１０および投入経路１２が洗浄され、第１のピンチバルブ２０を 介して排水タンク２２に排出され、第１の電磁弁４０が閉塞される（ステップ ）。さらに、第２の電磁弁５０が開かれ、ノズル５２，５２，…から水道水が洗 浄水として噴出されて測定槽１４の内周壁が洗浄される。また、液面高さ検出手 段１６およびフロート１８が測定槽１４内の適宜な高さまで下降されて貯溜され る洗浄水の渦流で洗浄される。そしてまた、吸引ポンプ２６が駆動され、洗浄水 を吸引してその内部およびサンプル用ノズルの内壁が洗浄され、その洗浄水が受 け容器３６内に排出される。さらにまた、サンプル用ノズル２８に第２の散水口 ５４から水道水が散水されて洗浄される（ステップ）。そして、第２の電磁弁 ５０が閉塞されて洗浄水が停止され（ステップ）、動作が終了する。これらの 動作制御は、図示しない中央演算装置により、ソフト処理により適宜になされて いる。

【００１５】 なお、排液ポンプ３２は、排水タンク２２内の液面が所定高さまで上昇してフ ロートスイッチ３０が動作すると、動作を開始して排水タンク２２内の排液を排 水経路３４を介して排出する。また、第３のピンチバルブは、各測定毎でなく、 予め設定された所定期間毎にまたは測定回数毎に開かれて、洗剤液がアスピレー タ４２により水道水に混合されて尿投入受け１０等が洗浄および殺菌される。そ して、上記動作により洗浄された後に、液面高さ検出手段１６およびフロート１ ８が基準高さまで上昇されても良い。さらに、第１と第２の電磁弁４０，５０が 開かれている時間が重ならないように上記では説明したが、その開かれている時 間が重なっても良いし同時に開閉されても良い。洗浄水の流量および第１と第２ の電磁弁４０，５０が開かれている時間等は、測定槽１４から洗浄水が溢れない ように設定することは勿論である。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の尿検査装置は構成されているので、以下のごと き格別な効果を奏する。

【００１７】 請求項１記載の尿検査装置にあっては、洗浄水の渦流によって、測定槽の内周 壁が確実に洗浄されて尿の無機質成分の析出物等の付着がない。そして、貯留さ れた洗浄水の渦流内にフロートが浸漬されるので、フロートの外壁が確実に洗浄 されて尿の析出物等の付着がなく、長期間使用しても尿比重の測定精度が劣化す ることがない。

【００１８】 そして、請求項２記載の尿検査装置にあっては、測定槽内に貯溜された洗浄水 の渦流内に、液面高さ検出手段を浸漬するので、液面検出部から尿が確実に洗浄 されて析出物等の付着がなく、尿の液面を常に正確に測定でき、尿量の測定精度 が劣化するようなことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の尿検査装置の一実施例の要部縦断面図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面矢視図である。

【図３】本考案の尿検査装置の一実施例の全体ブロック
構成図である。

【図４】図３の装置の動作を説明するフローチャートで
ある。

【符号の説明】

１４ 測定槽 １６ 液面高さ検出手段 １８ フロート ５２ ノズル ５２ａ 噴出孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 尿が投入されて尿量および尿比重が測定
   される測定槽の内側形状を円柱状とし、その上部内周壁
   に洗浄水を噴出させるノズルを複数本円周等分の位置に
   突設し、このノズルの噴出方向を前記内周壁に沿わせて
   同一回転方向に配設し、前記ノズルから噴出された洗浄
   水が渦流として内周壁を流れ、しかも前記測定槽内に貯
   溜されて渦流が形成されるようにし、この貯溜された渦
   流内に尿比重を測定するためのフロートを浸漬するよう
   に構成したことを特徴とする尿検査装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の尿検査装置において、前
   記フロートに代えて、または前記フロートとともに、前
   記測定槽内の尿の液面の高さを測定する液面高さ検出手
   段を、前記貯溜された渦流内に浸漬するように構成した
   ことを特徴とする尿検査装置。