JPH067871B2 - 磁気マツサージ治療装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、体の部分を包囲し、低周波で給電される、絶
縁された導体束から成る界磁コイル装置を持つ、人間又
は動物の体又は体の部分のための治療装置に関する。

本発明による装置は、人間の物理的医療の分野において
又はリハビリテーションのために非常に役に立つ。この
改良は、低周波治療と呼ばれる、低周波磁界の公知の使
用方法の改善をもたらす。

本発明の課題は、低周波治療の効果の増大及びその使用
分野の拡大である。

この課題の解決策は、治療対象に配置された磁性板片と
の関連で低周波治療を使用することに存する。

有利な構成は従属特許請求の範囲に述べられている。

磁性板片は有利なことに永久磁石材料から成りかつ互い
に間隔を置いて覆い又は包帯に配置されかつ互いに揺動
可能に保持されているので、これらの磁性板片は治療対
象に簡単に配置及び保持され得るが、しかし磁界におい
て磁界の相互作用により揺動運動を行い、これらの揺動
運動は、磁界の治療作用を補足して、治療上のマッサー
ジ効果を有利にもたらす。

全装置の有利な構成において、低周波磁界の発生に役立
ちかつ治療対象及び永久磁石装置、即ち磁性覆い又は包
帯、を包囲するコイル装置は可撓コイルから成り、それ
によって装置の運搬及び取扱いが簡単化される。

装置の有利な構成は、低周波パルス発生器により、設定
可能な周波数及び振幅を供給される。

新式の装置による医学的検査は、公知の装置と比べて、
有利な作用を示した。人間又は動物での実験は、公知の
純粋な低周波治療と比べて、外傷後状態の治療の際のは
るかに高い効果を示した。これらの実験は、２つのタイ
プの電磁低周波パルス発生器により行われた。即ち、第
１に、0.5ないし30Hzの範囲で設定可能でありかつパル
スが60Hzの基準周波数を持つ正弦波又は正弦半波状の波
から成る周波数のパルスの発生により、第２に、１ない
し1000Hzの周波数範囲の設定可能周波数を持つ方形パル
スによるものであった。界磁コイル装置は、これらの実
験において公知の形状に構成された。

新式の装置の一部は、特別に構成された磁性覆いであ
る。この磁性覆いは多くの小形永久磁石から成り、これ
らの永久磁石は特定のやり方で方向づけられておりかつ
特定のやり方で互いに分離されて、相対して配置されて
いる。これによって低周波磁界に、移動可能に支持され
た剛性磁石の非常に微細な振動が発生し、この振動は、
磁石で覆われた血管の微細マッサージを生ぜしめる。こ
の微細マッサージの主要効果は、小さい血管の拡張及び
リンパ系内の流れの改善、即ち、改善された排液法であ
る。更に、この種のマッサージは、襲われた骨格筋肉に
対する回復効果をもたらす。これらの効果は磁気及び低
周波治療の公知の良い効果に重畳しかつ相乗効果をもた
らす。このマッサージ効果は数分後にもう感知でき、そ
れによって生ずる緊張緩和及び高められた血行は、長時
間作用する、感知できる低周波治療だけがその作用を一
層良好に発揮することを可能にする。

有利なことに、負傷、例えば裂創又は筋断裂、した手足
の圧迫包帯として使われる、永久磁石を備えた包帯が、
低周波磁界においてマッサージ振動のために励磁された
場合に、包帯の後ろの、心臓から離れた手足部分におけ
る、包帯では普通の、不利なリンパ及び血液滞留を回避
し、その結果、負傷の一層速やかなかつ痛み及び後治療
のない治療がもたらされたことが分かった。

有利な実施例及び適用例が第１図ないし第９図に示され
ている。

第１図は装置のパルス発生器の回路図、 第２図は覆いにある磁石装置の一部分の平面図、 第2a図は第２図に対する横断面図、 第３図は別の磁石装置を持つエプロン状覆いの構成図、 第４図は界磁コイル装置の一部を切欠いて示した平面
図、 第4a図は第３図に対する横断面図、 第５図は第４図の界磁コイル装置の電気回路図、 第６図は別の界磁コイル装置の構成図、 第6a図は一部を拡大して示した、第６図に対する横断面
図、 第6b図は第６図に対する横断面図、 第７図は第６図の界磁コイル装置の電気回路図、 第８図は装置全体の回路図、 第9a図ないし第9d図は患者における装置の種々の配置を
示す図である。

第１図は電気パルス発生器の回路図である。このパルス
発生器は、切換え器SWAが投入されると、交流電源60H
z，110Vから供給される。防護はヒューズF1を介して行
われ、作動は監視照明ランプB1により表示される。動作
態様切換え器SW3は、電源周波数によって動作する動作
態様の切換えのために使われ、「オフ」位置で0.5ない
し30Hzのパルス周波数の信号が発生されかつ正弦波又は
正弦半波状の信号が生ずる。第１の発振器IC１への給電
は電源変圧器TR2、電源整流器、第２のヒユーズF2及び
第１の継電器R1の継電器接点を介して行われる。それに
より、組み込まれた第１の発振器IC１は、周波数範囲切
換え器P2と接続されたコンデンサに関係なく、0.5ない
し30Hzの所定周波数を発生する。発振器信号はトランジ
スタT1により増幅され、このトランジスタの信号はトラ
イアックTR1を制御し、このトライアックは交流電圧入
力信号を周期的に信号変圧器TR1へ供給する。この信号
変圧器の二次巻線は出力選択切換え器P1により選択さ
れ、選択された信号は切換え器SW2を介して、この切換
え器の位置に応じて直接又は半波整流器Ｄを介して出力
端へ供給される。従って、全波又は半波出力信号が発振
器周波数に応じて周期的に発生される。プラグコンセン
トCOに与えられる出力信号は、整流されかつ濾波されて
レベル計MAへ供給される。このレベル計の目盛は界磁コ
イルの磁界強度に応じて校正されるのが有利である。監
視照明ランプLB2は動作状態を表示する。範囲切換え器P
2が特別の最終位置６にある場合は、第１の継電器R1が
切換えられ、それによって第１の発振器IC１が作動停止
されかつ電源周波数が直接変圧器TR1へ導かれ、この周
波数は切換え器の位置に応じて直接又は半波として与え
られる。

動作態様切換え器SW3が「オン」位置にある場合は、破
線で囲まれた範囲に示された第２の発生器Ｂが、破線で
囲まれた別の範囲にある、既に説明された、第１の発生
器Ａの代わりに作動される。第２の発生器Ｂは、調節に
応じて、１ないし1000Hzの周波数を持つ方形パルスを供
給する。それにより３つの継電器R1,R2,R3が作動開始さ
れる。組み込まれた第２の発振器IC2は変圧器TR3により
整流器及びヒユーズF3を介して供給される。第２の発振
器IC2は、選択切換え器P3と接続されたコンデンサを介
して１ないし1000Hzの範囲に設定される。発振器信号は
単安定パルス発信器TC3へ供給され、このパルス発信器
は、適当な周波数を持つ相補的な方形パルスを発生し、
これらの方形パルスはダーリントントランジスタ対TSで
増幅され、これらのダーリントントランジスタ対の出力
信号は、平行な高出力サイリスタから成る２つの電子切
換え器又はサイリスタ群TYへ供給される。これらのサイ
リスタTYへの直流電圧供給は、出力選択切換え器P1の後
に接続された整流器Ｇを介して行われる。動作態様表示
ランプB3,B4はそれぞれ両方のサイリスタ群TYの後に接
続されており、これらのサイリスタ群の出力はプラグコ
ンセントCOの接点に接続され、これらのプラグコンセン
トに界磁コイル用の電線が差し込める。

第２図及び第2a図は、磁性覆いの平面図及び横断面図の
一部を示している。この磁性覆いは小さい永久磁石PMか
ら成る。これらの永久磁石は種々の大きさ及び形状を持
つことができる。磁石の数は覆いの大きさによる。これ
らの磁石は、例えばリネンから成る、繊維織物被覆SAに
相並んで保持されており、これらの磁石の間に、例えば
ゴムから成る、弾性充填材料RFが入れられ、磁石の縁に
沿って織物被覆SAと、破線で示された縫い目SEが示して
いるように、縫い合わされており、磁性覆いのこの構成
は方形格子構造を持っている。第2a図に示されているよ
うに、すべての磁石は同じ方向に方向づけられており、
これらの磁石の磁気軸線は覆いの延長部に対して直角に
立っている。

第３図は磁性エプロンの形の磁石PMの装置の代案を示し
ており、この磁性エプロンは多くの円形磁性板片で満た
されており、これらの磁性板片の周りに縫い目を作られ
ている。これらの磁性板片の間の中間空間はゴムRFで満
たされている。エプロンの側方に帯BEが取り付けられて
おり、これらの帯は患者の体に取り付けるために使われ
る。

磁性覆い又はエプロンは交番磁界における微細マッサー
ジを生ぜしめる。この交番磁界が印加されると、永久磁
石は、生ずる交番磁石−機械力により振動し、これらの
力は、覆われた体の部分の柔らかなマッサージを生ぜし
める。これによって、気持のいい作用が、生きている組
織、例えば改善された微細循環及び痛み除去、に及ぼさ
れる。

第４図は、種々の大きさで製造できかつそれぞれ方形の
渦巻として構成された、相並んでいる多くの導体束部分
FA,FB,FCから成る装置の第１の平らな可撓界磁コイル装
置を示している。全コイル装置はなるべく、分離された
２つの界磁コイル装置FS1,FS2から構成されるのが好ま
しい。

第4a図は界磁コイル装置の横断面を示し、第４図は一部
切欠かれた範囲を示している。コイル部分を形成する、
絶縁された可撓導体束Ｗは、被覆LBにより互いに結合さ
れかつ相並んで保持されているので、これらの導体束は
平らな方形渦巻を形成する。これら３つのコイル部分は
直列接続されている。これらのコイル部分は両側の繊維
覆いLSの間に封入及び保持されている。

繊維覆いLSの周りに、発泡プラスチックから成る薄い層
及びプラスチック覆いSKが巻かれているのが有利であ
る。

両方のコイル装置FS1,FS2は、これらのコイル装置の磁
界が、第５図に示されているように、互いに相加的に重
畳するように電流を供給されかつ互いに上下に又は相並
んで配置される。端子A1,A2;B1,B2はプラグコンセントC
O（第１図）に接続されている。

第６図は、撚り線Ｗから成る両方のコイル装置FS1′,FS
2′が直接互いに重ねられている、中空円筒状の界磁コ
イル構成を示している。内側の構成は、第6b図の横断面
図及び第6a図の拡大横断面図から、一部切欠かれた図か
ら分かる。撚り線Ｗは、例えばリネン帯から成る、被覆
LBを備えており、この被覆は中空円筒状又は中空偏平円
筒状の形状を与えかつ可撓性を与える。円筒状コイル全
体は繊維被覆LSと、発泡プラスチック又はスポンジ層SP
と、プラスチック又は天然材料被覆SKとにより包囲され
ている。コイルの可撓構成は取扱い及び運搬の際に非常
に実用的である。なぜならばこのコイルの形状を個々の
場合における要求に合わせることができるからである。

第７図は電気接続及び相加的な磁界状態を示している。

第８図は選択的に接続可能な界磁コイル装置FS1,FS2;MZ
と磁性覆いMD又は磁性エプロンMSとを持つパルス発生器
IGの構成を概略的に示している。

第9a図は患者Ｐにおける磁性エプロンMSの配置を示して
いる。電磁コイルは、磁性覆いMD上に置かれている可撓
装置FS1,FS2により得られる。

第9b図は下腿USの磁性覆いMDを持つ包帯BMの配置及び包
囲する円筒状コイルMZを示している。

第9d図は大腿OSにおける磁性覆いMDのゆるい配置を示し
ている。電磁コイルは示されていない。

第9a図ないし第9d図は単に使用及び構成例にすぎない。
特別の使用例及び動物の体に合わせることは、専門家に
とって可能である。特に快適に使用される可撓コイルの
代わりに、剛性コイルも使用できる。これらのコイルを
磁石と全く同じように衣服にも入れることができる。マ
ッサージエプロン又はマッサージ覆い用に使用される永
久磁石は、それ自体は剛性であるが、しかし互いに可撓
的に保持された、コイルから成り直流電流の流れる電磁
石によっても使用できる。しかしこれらの電磁石は給電
を必要とする。

永久磁石覆い又はエプロンの別の構成は、磁化された磁
性ゴム製の、格子状に刻印された板から形成されること
によって得られる。これは、必要があれば、繊維及び／
又は弾性被覆を備えることができる。磁性板片のサイズ
は、縁長さ又は直径に関して0.5ないし５cmの範囲にあ
るのが有利であることが分かった。磁界が板片磁化方向
に対して直角に方向づけられている円筒状コイルの低周
波磁界における板片の揺動運動又は磁界が弾性コイル装
置の低周波磁界に対して平行に方向づけられている場合
の板片の軸線方向移動は、ぜん動式のホースポンプのよ
うに、血液循環を促進しかつ排液しながら、血管及びリ
ンパ管の、方向づけされた管壁と共同作用し、それによ
ってスポーツ訓練の準備及び復習の使用分野においても
有利な作用が見いだされた。

Claims (19)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】体の部分を包囲し、低周波で給電される、
   絶縁された導体束(W)から成る界磁コイル装置(FS1,FS2;
   MZ)を持つ、人間又は動物の体(P)又は体の部分(US,OS)
   のための治療装置において、体(P)又は体の部分(US,OS)
   に磁性板片が互いに揺動可能に保持されていることを特
   徴とする、治療装置。
2. 【請求項２】磁性板片(PM)が永久磁石材料から成りかつ
   これらの磁性板片の短い軸線の方向に極性化されている
   ことを特徴とする、請求項１に記載の治療装置。
3. 【請求項３】すべての磁性板片(PM)が同じ方向に極性化
   されていることを特徴とする、請求項２に記載の治療装
   置。
4. 【請求項４】磁性板片(PM)が方形又は円形に形成されて
   おりかつ互いに間隔を置いて繊維材料(SA)の間に縫い込
   まれていることを特徴とする、請求項１ないし３のうち
   １つに記載の治療装置。
5. 【請求項５】磁性板片(PM)の間に弾性材料、例えばゴ
   ム、が入れられており、この材料を通って、磁性板片(P
   M)を包囲する縫い目(SE)が縫い合わされていることを特
   徴とする、請求項４に記載の治療装置。
6. 【請求項６】磁性板片が、格子状に刻印され又は打ち抜
   かれた磁性ゴム板に形成されていることを特徴とする、
   請求項１ないし５のうち１つに記載の治療装置。
7. 【請求項７】磁性板片(MP)が、直流を供給される界磁コ
   イル板片であることを特徴とする、請求項１に記載の治
   療装置。
8. 【請求項８】磁性板片(MP)が方形の磁性覆い(MD)又は体
   に合わせて形成された磁性エプロン(MS)に組み立てられ
   ていることを特徴とする、請求項１ないし７のうち１つ
   に記載の治療装置。
9. 【請求項９】磁性覆い(MD)又はエプロン(MS)の側方に包
   帯又は固定帯(BE)が付けられていることを特徴とする、
   請求項８に記載の治療装置。
10. 【請求項１０】界磁コイル装置(FS1,FS2)が少なくとも
    １つのコイル装置(FS1)から成り、このコイル装置にお
    いて複数のコイル部分(FA,FB,FC)が、方形の渦巻き状
    の、撚られた可撓材料製の導体(W)から構成されかつ相
    並んで配置されておりかつ電気的に直列接続されて同じ
    方向に作用するように接続されていることを特徴とす
    る、請求項１ないし９のうち１つに記載の治療装置。
11. 【請求項１１】界磁コイル装置(MZ)が中空円筒状又は偏
    平中空円筒状に形成されておりかつこの界磁コイル装置
    の巻回が、環状に巻き付けられた、撚られた可撓材料製
    の導体(W)から成ることを特徴とする、請求項１ないし
    ９のうち１つに記載の治療装置。
12. 【請求項１２】導体(W)が可撓被覆(LB)により包囲され
    ており、この被覆が導体を所定の位置に固定することを
    特徴とする、請求項10又は11に記載の治療装置。
13. 【請求項１３】可撓被覆(LB)が繊維層(LS)により包囲さ
    れており、この繊維層に発泡プラスチック層(SP)が載っ
    ており、この発泡プラスチック層の上に可撓性のプラス
    チック又は天然材料被覆(SK)が置かれていることを特徴
    とする、請求項12に記載の治療装置。
14. 【請求項１４】界磁コイル装置(FS1,FS2;MZ)が第１のパ
    ルス発生器(IG)により供給され、このパルス発生器が発
    振器(A)を含んでおり、この発振器が、例えば60Hzの周
    波数を持つ、正弦波又は正弦半波の電源交流電圧によ
    り、0.5ないし30Hzの設定可能な繰返し周波数を発生す
    ることを特徴とする、請求項１ないし13のうち１つに記
    載の治療装置。
15. 【請求項１５】界磁コイル装置(FS1,FS2;MZ)がパルス発
    生器(IG)により供給され、このパルス発生器が、１ない
    し1000Hzの設定可能な周波数を持つ方形波電圧パルスを
    供給することを特徴とする、請求項１ないし13のうち１
    つに記載の治療装置。
16. 【請求項１６】パルス発生器(IG)の出力電圧が調節可能
    であることを特徴とする、請求項14又は15に記載の治療
    装置。
17. 【請求項１７】電源交流電圧が、トライアック(TRI)に
    より第１の発振器(A)に同期して制御されて操作変圧器
    (TR1)へ供給され、この操作変圧器の出力端がダイオー
    ド(D)又は切換え接点(SW2)を介してパルス発生器(IG)の
    出力端(CO)に接続されていることを特徴とする、請求項
    14に記載の治療装置。
18. 【請求項１８】電源交流電圧がタップ付き変圧器(TR1)
    を介して整流器(G)へ供給されかつそこに発生する直流
    電圧が電子切換え装置(TY)により脈動せしめられてパル
    ス発生器(IG)の出力端(CO)に接続されており、この切換
    え装置(TY)が２つの切換え器群から成り、これらの切換
    え器群が、時間的に相補的に第２の発振器(IC2)により
    方形波形成器(IC3)を介して制御されることを特徴とす
    る、請求項15に記載の治療装置。
19. 【請求項１９】パルス発生器(IG)が両方の発振器(A,B)
    を含んでおり、これらの発振器が動作態様切換え器(SW
    3)により選択的に付勢可能であることを特徴とする、請
    求項14ないし18のうち１つに記載の治療装置。