JPH0678643A

JPH0678643A - ペットの排泄物処理材

Info

Publication number: JPH0678643A
Application number: JP26304292A
Authority: JP
Inventors: Yoji Fujiura; 洋二藤浦; Toku Sakakibara; 徳榊原; Masami Koike; 正実小池
Original assignee: Sanyo Chemical Industries Ltd
Current assignee: Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date: 1992-09-03
Filing date: 1992-09-03
Publication date: 1994-03-22
Anticipated expiration: 2011-03-29
Also published as: EP0585928A1; JPH0832215B2

Abstract

(57)【要約】【構成】有機性の繊維物質、吸水性樹脂の粉末および
必要によりバインダーからなる混合物を乾式加圧成形し
てなるペットの排泄物処理材。【効果】本発明により得られるペットの排泄物処理材
は、尿の吸収が速く、また少量で吸収できるため、経済
的である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ペットの排泄物処理材
に関する。さらに詳しくは、猫や犬などペットの排泄物
を簡便に効率よく処理できる新規な処理材に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、ペットの排泄物処理材としては、
ゼオライト粒子などの無機物系粉末に吸水性樹脂と水を
特定割合混合してなる混合物を湿式造粒したのち、乾燥
したもの（特開平01-108927）、あるいは製紙カスと吸
水性樹脂と水溶性無機塩類からなる混合物を湿式造粒、
ついで乾燥したもの（特開昭59-25629）などが知られて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように無機系粉末や製紙カスと吸水性樹脂および水を混
合造粒し、ついで乾燥したものは、粒子の造粒性は良い
ものの、乾燥中に吸水性樹脂の吸水ゲルがバインダーと
なって無機系粉末同士や製紙カス粒子同士を必要以上に
固着させるため、造粒物の尿の吸収速度が遅い。吸収速
度が遅いため短時間に大量に放出された尿を吸収するに
要する造粒物の量が多く要り、廃棄量も増え不経済とな
るなどの問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑みて、吸収速度が速く、少量で尿を吸収できる新
規なペット排泄物用処理材を見い出すべく鋭意検討した
結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は有機性の
繊維物質、吸水性樹脂粉末および必要によりバインダー
からなる混合物を乾式加圧成形してなるペットの排泄物
処理材である。

【０００５】本発明における有機性の繊維物質（Ａ）と
しては、たとえば天然繊維［セルロース系のもの（たと
えば木綿、オガクズ、ワラなど）およびその他、草炭、
羊毛など］、人造繊維（レーヨン、アセテートなどのセ
ルロース系など）、合成繊維（ポリアミド、ポリエステ
ル、アクリルなど）、パルプ［メカニカルパルプ（丸太
からの砕木パルプ、アスプルンド法砕木パルプなど）、
ケミカルパルプ（亜硫酸パルプ、ソーダパルプ、硫酸塩
パルプ、硝酸パルプ、塩素パルプなど）、セミケミカル
パルプ、再生パルプ（たとえばパルプを一旦抄紙して作
った紙の機械的破砕または粉砕物、または故紙の機械的
破砕または粉砕物である再生故紙パルプなど）］、その
他廃材（例えば紙オムツの製造より出る廃材など）およ
びこれらの２種以上の併用が挙げられる。これらのうち
好ましいものは、パルプおよび紙オムツの製造より出る
廃材である。

【０００６】また、（Ａ）の形態としては粉末状、繊維
状（単繊維を切断したもの、集束繊維を切断したもの、
不織布等を裁断したものなど）などが挙げられる。繊維
の長さは特に限定されないが、通常50mm以下、好ましく
は20mm以下である。

【０００７】本発明における吸水性樹脂（Ｂ）として
は、例えばデンプンまたはセルロース(a)とカルボキ
シル基および／またはスルホン酸基を含有する水溶性単
量体および／または加水分解により水溶性となる単量体
(b)と、架橋剤(c)とを必須成分として重合させ、必要に
より加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂が挙
げられる。上記に例示した吸水性樹脂の製造に用いられ
る(a)、(b)および(c)の詳細、(a)、(b)および(c)の割
合、製造法および吸水性樹脂の具体例は特開昭52-25886
号、特公昭53-46199号、特公昭53-46200号および特公昭
55-21041号公報に記載されている。

【０００８】上記に例示した以外の（Ｂ）としては、例
えば(a)と(b)とを重合させたもの（デンプン−アクリ
ロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−
アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物など）；
(a)の架橋物（カルボキシメチルセルロースの架橋物
など）；(b)と(c)との共重合体（架橋ポリアクリルア
ミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリ
ルアミド共重合体、架橋されたスルホン化ポリスチレ
ン、特開昭52-14689号および特開昭52-27455号公報記載
のビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化
物、架橋されたポリアクリル酸塩、架橋されたアクリル
酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体、および架橋されたカル
ボン酸変性ポリビニルアルコール）；並びに、自己架
橋性を有する(b)の重合物（自己架橋型ポリアクリル酸
塩など）が挙げられる。また以上例示した（Ｂ）は２種
以上併用してもよい。

【０００９】これらのうち、好ましいものは、、並び
にとして例示したもののうち、架橋ポリアクリルアミ
ドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリル
アミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋
されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋
されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、および
架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコールであ
る。

【００１０】上記（Ｂ）は、純水に対する吸水性能とし
て少なくとも50ml/g、好ましくは100〜1,000ml/gのもの
が適している。また、吸水性樹脂の形状は粉末状のもの
が好ましく、粒度は通常840μｍ以下、好ましくは200μ
ｍ以下である。

【００１１】本発明においては必要によりバインダー
（Ｃ）を用いることができる。（Ｃ）としては天然高分
子、合成樹脂、天然および合成ゴムなどが挙げられる。
天然高分子としては、デンプン、カルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
アルギン酸ソーダ、グアーガム、キサンタンガム、ビー
ンガム、カラギーナン、グルテンなどが挙げられる。合
成樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレ
ン共重合体樹脂などが挙げられる。天然および合成ゴム
としては、天然ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ポリ
イソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレ
ン・プロピレンゴム、クロロプレンゴムなどが挙げられ
る。これらはそれぞれ単独、もしくは２種以上混合して
用いることができる。これらのうち好ましいものは合成
ゴム系バインダーである。

【００１２】本発明における（Ａ）と（Ｂ）粉末の重量
比率は、（Ａ）の種類、（Ｂ）の種類、排泄物処理材の
吸水速度等により種々変化しうるが、通常99:1〜50:5
0、好ましくは95:5〜60:40である。（Ｂ）が１未満では
吸水能力が不足するため好ましくない。

【００１３】本発明において必要により使用するバイン
ダー（Ｃ）の量は、（Ａ）と（Ｂ）粉末の合計重量に対
し、通常0〜30重量％、好ましくは0.5〜15重量％であ
る。

【００１４】本発明の排泄物処理材の製造方法として
は、たとえば上記有機性の繊維物質、吸水性樹脂およ
び必要によりバインダーを攪拌混合した後に乾式加圧成
形し、得られた加圧成形物を必要により裁断・粉砕する
方法、上記で得られた裁断・粉砕物の表面に吸水性
樹脂および必要によりバインダーをまぶした後に再度乾
式加圧成形し、裁断・粉砕する方法などが挙げられる。

【００１５】（Ａ）、（Ｂ）粉末および必要により
（Ｃ）からなる混合物を乾式加圧成形する方法として
は、混合物を適当な形、大きさの型の中でペレット状
に乾式加圧成形する方法、またはいったんシート状、
棒状あるいはブロック状に乾式加圧成形した後、適当な
大きさに裁断または粉砕する方法が挙げられる。上記に
おいて加圧は通常常温下で行うが、加温（たとえば30〜
300℃）下で行っても差し支えない。加圧成形時の圧力
は基材粉末・繊維の種類、粒度、繊維長さ、性質などに
合わせて適当に選ぶことができるが、通常1〜3000Kg／c
m²、好ましくは10〜2000Kg／cm²である。加圧成形はロ
ール式加圧成形機（ブリケットマシーンなど）、ピスト
ン式加圧成形機、スクリュー式加圧成形機、目皿押し出
し式成形機（ディスクペレッターなど）などを用いて行
うことができる。上記の乾式加圧成形機のうち好ましい
のはロール式加圧成形機および／または目皿押し出し式
成形機である。

【００１６】得られた加圧成形物の形状は任意でよく、
たとえば球状、円筒状、板状、岩状、直方体状、円錐
状、角錘状、棒状などの種々の形状があげられる。大き
さは0.1〜20mm、好ましくは0.5〜10mmである。

【００１７】また、本発明のペットの排泄物処理材に、
必要に応じて、消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防かび剤、防
腐剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、猫に対するマ
タタビのような対象とするペットが好むもの、無機物
（クレー、ベントナイト、ゼオライトなど）などの増量
剤などの薬剤を併用することができる。これらの薬剤は
本発明のペットの排泄物処理材中に存在していればよ
く、あらかじめ有機性の繊維物質および／または吸水性
樹脂粉末に添加しておいてもよく、あるいは乾式加圧成
形工程の前後において添加してもよい。また、本発明に
おける（Ａ）、（Ｂ）粉末、（Ｃ）中に、乾燥操作を要
しない程度少量の水分が含まれていてもかまわない。

【００１８】

【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。

【００１９】実施例１新聞紙を乾式粉砕したパルプとデンプングラフト系微粉
状吸水性樹脂「サンウェットIM-1000MPS」（三洋化成工業株式
会社製）を85:15の配合割合で混合し、室温下、ディス
クペレッター（不二パウダル株式会社製）で2000kg／cm
²に加圧して、直径約3mm×長さ6mmの大きさの円柱状ペ
レットからなる本発明のペットの排泄物処理材を作成し
た。この処理材400ｇを内容1リットルのビーカーにとり表面
を水平にならした。内容50ccの使い捨て注射器（テルモ
株式会社製）に30ccの人工尿を採り、これをビーカーの
処理材表面中央の点に向けて約2cmの高さから垂直に５
秒間かけて放出した。人工尿の吸収速度を測定し、次い
で人工尿を振りかけてから５分後に吸尿したかたまり部
分をピンセットで取り出し、濡れた部分の重量（少ない
方がよい）を測定した。

【００２０】実施例２（新聞紙を乾式粉砕したパルプ）：（デンプングラフト
系微粉状吸水性樹脂「サンウェットIM-1000MPS」）の85:15の
配合割合を、（紙オムツの製造より出る廃材）：（デン
プングラフト系微粉状吸水性樹脂「サンウェットIM-1000MP
S」）：（スチレン・ブタジエンゴム微粉末）の89:10:1
の配合割合に代えた以外は実施例１と同様にして本発明
のペットの排泄物処理材を作成し、その性能評価を行な
った。

【００２１】実施例３（新聞紙を粉砕したパルプ）：（デンプングラフト系微
粉状吸水性樹脂「サンウェットIM-1000MPS」）の85:15の配合
割合を、（紙オムツの製造より出る廃材）：（デンプン
グラフト系微粉状吸水性樹脂「サンウェットIM-1000MPS」）：
（スチレン・ブタジエンゴム微粉末）：（ノニオン界面
活性剤微粉末）の87:10:1:2の配合割合に代えた以外は
実施例１と同様にして本発明のペットの排泄物処理材を
作成し、その性能評価を行なった。

【００２２】比較例１新聞紙を乾式粉砕したパルプ85部、デンプングラフト系
微粉状吸水性樹脂「サンウェットIM-1000MPS」15部を十分に混
合し、これに水35部を噴霧しながら均一に混合し、つい
でその混合物を口径3mmの成形孔を多数有するチョッパ
ー内に入れ、棒状に押し出した。この棒状物を長さ6mm
に裁断した後、80℃×2時間乾燥したものについて、実
施例１と同様に性能評価を行なった。

【００２３】比較例２（新聞紙を乾式粉砕したパルプ）：（デンプングラフト
系微粉状吸水性樹脂「サンウェットIM-1000MPS」）：（水）の
85:15：35の配合割合を、（新聞紙を乾式粉砕したパル
プ）：（デンプングラフト系微粉状吸水性樹脂「サンウェット
IM-1000MPS」）：（クレー）：（水）の70:10:20：30の
配合割合に代えた以外は比較例１と同様に行ない、その
性能評価を行なった。

【００２４】実施例１〜３および比較例１〜２で得られ
たペットの排泄物処理材の性能評価結果を表１に示す。

【００２５】

【表１】＊１. 人工尿を振りかけ終わってから処理材表面の水
分がほぼ全量吸収されるまでの時間(秒数) ＊２. 人工尿を吸収して団子状に固まった部分を取り
出して、その重量を測定した。重量が少ないほど良い。

【００２６】

【発明の効果】本発明のペットの排泄物処理材は次のよ
うな効果を奏する。（１）従来のような湿式下で造粒せず、乾式下で加圧成
形し、また後乾燥もしないため、有機性の繊維粒子同士
が過度に固着することがなく、尿の吸収が速い。（２）尿の吸収が速いため、従来のものに比べ処理材の
使用量が少量で済み、経済的である。（３）尿を吸着して急速に団子状に固まるので、排泄物
吸着後の処理が簡便で、かつ臭気も少ない。以上の効果を奏することから本発明の処理材は、ペット
の排泄物用処理材として有用である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】有機性の繊維物質（Ａ）、吸水性樹脂
（Ｂ）の粉末および必要によりバインダー（Ｃ）からな
る混合物を乾式加圧成形してなるペットの排泄物処理
材。
【請求項２】ロール式加圧成形機および／または目皿
押し出し式成形機を用いて乾式加圧成形してなる請求項
１記載のペットの排泄物処理材。
【請求項３】（Ａ）と（Ｂ）の重量比率が95:5〜60:4
0である請求項１または２記載のペットの排泄物処理
材。
【請求項４】（Ａ）が、20mm以下の長さの有機質繊維
である請求項１〜３のいずれか記載のペットの排泄物処
理材。
【請求項５】（Ｂ）の平均粒径が200μｍ以下である
請求項１〜４のいずれか記載のペットの排泄物処理材。
【請求項６】（Ａ）がパルプである請求項１〜５のい
ずれか記載のペットの排泄物処理材。
【請求項７】（Ａ）が紙オムツの製造より出る廃材で
ある請求項１〜５のいずれか記載のペットの排泄物処理
材。
【請求項８】（Ｃ）が、（Ａ）と（Ｂ）の合計重量に
対し0.5〜15重量％である請求項１〜７のいずれか記載
のペットの排泄物処理材。
【請求項９】（Ｃ）が、合成ゴム系バインダーである
請求項１〜８のいずれか記載のペットの排泄物処理材。