JPH0678560B2 - なめし皮の加工方法およびその方法により加工した皮 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はなめし皮（肉側のすきとった皮のなめし皮を
含む）（なめし加工工程の完了した製品皮を言う）の加
工方法およびその方法により加工した皮に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来、なめし皮は、なめしの前後に毛を取り去り、用途
に応じて、厚い皮をすいて必要な厚さにしている。

（発明により解決しようとする課題） 皮の肉側は組織が弱く、使用中に傷み易く、特にすき取
った肉側の方の皮のなめし皮は、眼鏡拭きや雑巾程度に
しか使用できなない。

この発明は、なめし皮全体の組織を強化し、肉側のすき
取った皮のなめし皮でも多方面に使用できるように加工
する方法およびその加工方法で加工し強化された皮を提
供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 獣皮の毛を取り去ってなめすか、またはなめしの後に毛
を取り去った皮のなめし皮に、アマニ油、桐油等空気酸
化で自然乾燥して硬化する乾性油を塗付するか、また
は、なめし皮を乾性油の中にひたして油を含浸させ、そ
のまま、または、しわを伸ばして乾燥させる。

乾性油はローラーでなめし皮の表裏に塗布してもよく、
また、なめし皮を乾性油に浸漬させ、２つのローラー間
を通して乾性油をしぼりながらしわを伸ばしてもよく、
または、乾性油を浸漬させた皮をしぼった後にローラー
間を通してしわを伸ばしてもよい。乾性油をしぼる方法
およびしわを伸ばす方法は上記の方法に限らず、しわの
できないやり方であれば公知の他の方法を採用してもよ
い。

次いで、しわを伸ばしたなめし皮を乾燥させる。乾燥は
自然乾燥または温風等による強制乾燥でもよい。

（作用および効果） なめし皮に塗布または含浸させた乾性油が乾燥して硬化
し、なめし皮、特に肉側の皮のなめし皮や鹿皮のなめし
皮のように柔らかいなめし皮を強化する。

また、この発明に係る皮は、雨やその他の水にあたる
と、雨水等を含むが、乾燥しても堅くならず、殆ど元の
柔軟性を維持する。

従って内側の皮のなめし皮や鹿皮のような柔らかいなめ
し皮も摩擦や水にも強くなり、耐久性が高まる。また、
従来のなめし皮は引っ張るとたやすく伸びるが、この発
明に係る皮は容易には伸びない。従って、この発明に係
る皮は自転車のハンドルや釣竿やテニスラケット等のグ
リップ用に適しており、従来眼鏡拭きやぞうきん等極め
て限られた目的にしか使用出来なかったすき取った肉側
の皮のなめし皮も、この方法で加工すれば強化されて、
表皮側のなめし皮と同様に多方面に使用することが可能
で、皮を有効的に活用することができる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】なめし皮に乾性油を塗布するか、または、
   含浸させ、そのまま、または、しわを伸ばして乾燥させ
   ることを特徴とするなめし皮の加工方法。
2. 【請求項２】なめし皮に乾性油を塗布するか、または、
   含浸させ、乾燥させてなる皮。