JPH0678464B2 - ポリフエニレンエ−テル樹脂組成物 - Google Patents

ポリフエニレンエ−テル樹脂組成物

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JPH0678464B2
JPH0678464B2 JP61079225A JP7922586A JPH0678464B2 JP H0678464 B2 JPH0678464 B2 JP H0678464B2 JP 61079225 A JP61079225 A JP 61079225A JP 7922586 A JP7922586 A JP 7922586A JP H0678464 B2 JPH0678464 B2 JP H0678464B2
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rubber particles
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリフェニレンエーテル樹脂とゴム補強スチレ
ン系樹脂とからなる組成物に関する。
[従来の技術] 従来、ポリフェニレンエーテル樹脂とゴム補強スチレン
系樹脂とから成る樹脂組成物は成形性、加工性、耐熱
性、耐衝撃性、難燃性、電気特性などの諸特性を利用し
て、例えば工業部品、電気部品、事務器ハウジング、自
動車部品、精密部品などに広く用いられており、特に近
年その使用量が著しく増加している。このような使用量
の増加に伴い、樹脂特性の改良が強く望まれている。
たとえば大型で複雑な構造をもった成形品の場合、成形
歪の残りやすい部位の衝撃強度、広い平面部の衝撃強度
及び成形品全般にわたって光沢が均一であることなどが
要求される。さらに、成形品によっては金属をインサー
トする場合もあり、耐クラック性への要望も大きい。さ
らには、成形品デザインの高級化あるいは省力化を目指
してピンゲートやホットランナーによる射出成形方式を
用いる傾向が高まり、そのため高温度下におけるシルバ
ーストリークスの発生がないことも要望されている。す
なわち、今後の用途の多様化に対応するためには、あら
ゆる特性の総合的バランスが良好であることが不可欠で
あり、従来のポリフェニレンエーテル樹脂とゴム補強ス
チレン系樹脂からなる樹脂組成物においては、とうてい
達成しえないものであった。
[発明が解決しようとする問題点] ポリフェニレンエーテル樹脂とゴム補強スチレン系樹脂
からなる樹脂組成物において、従来特公昭51−28659に
見られるように単にゴム粒子径を小さくした場合、アイ
ゾット衝撃強度及び光沢は優れるが、ダート衝撃強度、
耐クラック性が劣っており、反対にゴム粒子径を大きく
した場合、ダート衝撃強度及び耐クラック性は良いが、
アイゾット衝撃強度、光沢が劣る。また経験上大粒子の
ゴムが存在する場合、シルバーストリークスの発生が問
題となっていた。一方、特開昭57−153035に見られるよ
うに、ただ単に小粒子径のゴム粒子と大粒子径のゴム粒
子を存在させただけでは、衝撃強度、光沢、耐クラック
性等の実用特性のバランスを十分に保つことはできず、
さらに成形品の商品価値に最も大きく影響を及ぼすシル
バーストリークスの発生を解消することはとうてい不可
能であった。なぜなら、大粒子径ゴム粒子の存在によ
り、ダート衝撃強度、耐クラック性は改良されるもの
の、理由は不明であるが、シルバーストリークスが発生
し、どうしてもこれを解消することができなかった。
[問題点を解決するための手段] ポリフェニレンエーテル樹脂とゴム補強スチレン系樹脂
とからなる組成物について各種要因を変動させ種々鋭意
検討した結果、本願発明により上記問題が一挙に解決し
た。すなわち、本発明によれば、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂とゴム補強スチレン系樹脂とからなる組成物であ
って、組成物中に分散したゴム粒子の径の体積分率にお
いて、1.5μ以下に少なくとも1つの極大値を有し、か
つ2〜3μに少なくとも1つの極大値を有し、両極大値
の比が1/4〜4/1の範囲にあり、3μより大きいゴム粒子
が実質的に存在しないことを特徴とするポリフェニレン
エーテル樹脂組成物が提供される。
以下、本発明の各要件について詳述する。
本発明で言うポリフェニレンエーテル樹脂とは一般にそ
の構成単位が下記[I]からな単独重合体あるいは下記
[I]および[II]からなる共重合体である。
ここで[I]が90重量部以上100重量部未満であり、[I
I]が0より多く10重量部以下である。[II]が10重量
部を越えると耐熱性は上るものの加工性が乏しくなり、
不適当である。
ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例として
は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−nプロピル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−nプロピル
−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−nブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−
エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−クロル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−
6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のホ
モポリマーが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル共重合体は、好ましくは夫々下
記の一般式で表わされる核置換フェノール同志を共重合
して得られるポリフェニレンエーテル構造を主体として
なるポリフェニレンエーテル共重合体である。
この様な共重合体としては例えば、2,6−ジメチルフェ
ノールと2,3−ジメチル6−エチルフェノール、2−メ
チル6−エチルフェノールと2,3−ジメチル6−エチル
フェノール、2,6−ジエチルフェノールと2,3−ジメチル
6−エチルフェノール、2,6−ジメチルフェノールと2,
3,6−トリメチルフェノール、2−メチル6−エチルフ
ェノールと2,3,6−トリメチルフェノール、2,6−ジエチ
ルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール、2−メ
チル−6−クロロメチルフェノールと2,3,6−トリメチ
ルフェノールが挙げられる。
その中で最も好ましいものは、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテルである。
更に本組成物は上述のポリフェニレンエーテルにスチレ
ン及び/またはスチレンと共重合可能な単量体をグラフ
ト共重合させたものを用いることも包含する。
スチレンと共重合可能な単量体としては、例えば、α−
メチルスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、
ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル、アクリル酸、メタクリル酸、およびメタクリル酸
のエステル類が用いられる。
ポリフェニレンエーテルにこれらの単量体をグラフトせ
しめる手段は特に限定しないが、例えば、特公昭52−30
991号、特公昭52−38596号、および特開昭52−142799
号等に提案されている方法、すなわち、過酸化物の存在
下にポリフェニレンエーテルに対してスチレン及び/ま
たは上記単量体類を加熱グラフト反応させる方法を用い
ることができる。
もっとも好ましいグラフト共重合体は、スチレングラフ
トポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルで
ある。
本発明組成物から抽出したポリフェニレンエーテルの極
限粘度[η]はウベローデ型粘度計を用い、クロロホル
ムを溶媒として30℃で測定した。
本発明においてポリフェニレンエーテルが2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレンエーテル単独重合体の場合、以下
に述べる方法で抽出して極限粘度[η]を求めることが
できる。
200mlのクロロホルムに6gの本発明の実施例又は比較例
の組成物を加え、室温において3時間振盪した後、52,0
00G で45分間遠心分離し、不溶分と溶液部分とに分け
る。溶液部分を撹拌されている1,000cc のメタノール中
に注意深く滴下し再沈殿させる。しかる後、沈殿物をG4
メッシュのガラスフィルターを用いて別し、フィルタ
ー上にて1,000mlのメタノールを注ぎ洗浄する。しかる
後、該別物を取り出し、窒素雰囲気下で145℃におい
て1時間減圧乾燥し試料1とする。この場合、溶剤ある
いは非溶剤はゴム補強スチレン系樹脂や添加剤の性質に
よってそれに適したものを適宜選ぶことができる。
赤外線スペクトル法により求めたポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニレン)エーテルの含有量より、該成分の
濃度が5重量%に成るように試料1を35℃でジクロルメ
タンに溶解させる。しかる後、該溶液を−5℃において
24時間静置しポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)
エーテル成分を析出させる。しかる後、該成分をG4メッ
シュのガラスフィルターを用いて別し、同じく−5℃
でガラスフィルター上でジクロルメタンを注ぎ十分に洗
浄した後、該別物を窒素雰囲気下において145℃で30
分間減圧乾燥し試料2とする。
試料2についてウベローデ型粘度計を用い、クロロホル
ムを溶媒として30℃における極限粘度[η]を求め、樹
脂組成物の構成成分であるポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレン)エーテルの極限粘度[η]を求める。
他のポリフェニレンエーテル樹脂の場合も同様の測定法
で[η]を求めればよい。
ポリフェニレンエーテル樹脂のクロロホルムで測定され
た極限粘度[η]が0.50未満では耐クラック性が低下す
るので好ましくない。極限粘度[η]が2.0を越えると
加工性が乏しく実用的でない。特にポリ2,6−ジメチル
フェニレンエーテルにあっては[η]が1.0を越えると
加工性が著しく低下し実用性に乏しいものになるので、
[η]が0.5以上1.0未満の範囲が好ましい。
本発明にいうゴム補強スチレン系樹脂とは、スチレン系
化合物の単独重合体及び/又はスチレン系化合物とそれ
と共重合可能な化合物との共重合体をマトリックス相と
し、ゴム状重合体を島状に分散した状態で含むものであ
る。ゴム状重合体の存在下に、スチレン系化合物を主成
分とする単量体を、ラジカル重合開始剤の存在下または
非存在下に、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合あるい
は乳化重合などの方法によって製造し得ることはよく知
られており、工業的に生産もされている。ゴム状重合体
としては、天然ゴム、ポリブタジエン、ブタジエン−ス
チレン共重合ゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重
合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、およびアク
リルゴムなどが用いられる。ポリプタジエン及びブタジ
エン−スチレン共重合ゴムが特に好ましい。
スチレン系化合物とは、一般式 (式中、Rは水素、低級アルキル基またはハロゲン、Z
は水素、低級アルキル基、ハロゲンまたはビニル基、p
は0または1〜5の整数を表す。)にて示されるビニル
芳香族単量体であり、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチ
ルスチレンなどが挙げられる。ゴム補強スチレン系樹脂
の製造にはこれらの一種又は二種以上の併用系、あるい
はこれらと共重合可能なビニル化合物例えばメチルメタ
クリレート、アクリロニトルリル、メタクリロニトリ
ル、ブチルアクリレート、無水マレイン酸などを併用し
てよい。共重合体に於る芳香族ビニル化合物の割合は、
加工性、機械的特性等のバランスにより50wt%を越える
ことが好ましい。ゴム補強スチレン系樹脂としてはスチ
レンを主成分として用いるいわゆるゴム補強ポリスチレ
ンが工業的にも量産されており、また、ポリフェニレン
エーテルとの混和性の点からも好ましい。
最終組成物のゴム粒子径分布が、組成物中に分散したゴ
ム粒子の径の体積分率において、1.5μ以下に少なくと
も1つの極大値を有し、かつ2〜3βに少なくとも1つ
の極大値を有し、両極大値の比が1/4〜4/1の範囲にあ
り、3μより大きいゴム粒子が実質的に存在しないもの
であれば、ゴム補強スチレン系樹脂の構成は上記方法で
得たゴム補強スチレン系樹脂とゴム補強していないスチ
レン系樹脂および/またはゴム状重合体との混合物であ
ってもよいし、単にゴム補強していないスチレン系樹脂
とゴム状重合体との混合物であってもよい。
上記のゴム粒子径分布を有する組成物を得るための具体
的方法について以下に述べる。
最も一般的方法は、異なるゴム粒子径分布を有するゴム
補強スチレン樹脂をブレンドしてポリフェニレンエーテ
ル樹脂とブレンドすることである。たとえば、ゴム粒子
生成時に高いせん断力を加えて作成したゴム粒子径の体
積分率における極大が1.5μ以下に存在するゴム補強ス
チレン樹脂と、ゴム粒子生成時に均一で適度なせん断力
を与えて作成したゴム粒子径の体積分率における極大が
2〜3μに存在し、3μより大きいゴム粒子の数が極端
に少ないゴム補強スチレン樹脂とを両極大値の比で1/4
〜4/1となる割合でブレンドし、これとポリフェニレン
エーテル樹脂及び難燃剤等の添加剤を、ブレンダー等で
ブレンドし、2軸押出機等で溶融混練して得ることであ
る。その他の方法としては、ゴム補強スチレン樹脂を作
成する際にゴム種及びせん断力等のプロセス変更により
一気に所望のゴム粒子径分布を得て、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂とブレンドしてもよい。また、2〜3μにゴ
ム粒子径の体積分率における極大を有し30μより大きい
ゴム粒子が実質的に存在しないゴム補強スチレン樹脂
と、熱可塑性エラストマーとを用い、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂と、溶融混練して上記特定のゴム粒子径分布
を得てもよい。さらには、1.5μ以下にゴム粒子径の体
積分率における極大を有するゴム補強スチレン樹脂と、
ポリブタジエンの如きゴム状重合体とを用い、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂と溶融混練してもよい。さらに、ゴ
ム補強していないスチレン樹脂と構造又は組成の異なっ
た二種類以上のゴム状重合体とを用いポリフェニレンエ
ーテル樹脂と溶融混練して上記特定のゴム粒子径分布を
得てもよい。
多くの場合、ゴム粒子の分布はポリフェニレンエーテル
樹脂と溶融混練する際の剪断力により左右されるため、
最終組成物においてゴム粒子径を測定しなくてはならな
い。
本発明における組成物のゴム粒子径測定は、当該業者に
よく知られている方法で行なった。すなわち、本組成物
をOsO4で酸化したのち、ミクロトームにて800〜1000Å
の超薄切片を作成し、電子顕微鏡写真を倍率4000倍で撮
影した。この写真を用い、ゴム粒子の直径を求め、0.25
μごとに区分した各セクションに区分けした。粒子形状
が球形とみなせない場合には長径aと短径bとを直径√
abなる球として求めた。各セクションの度数分率を体積
分率に換算して、体積分率のヒストグラムを作成した。
測定値の精度を上げるために測定視野を数ケ所とり、最
低5000個のゴム粒子を測定した。本発明の特定粒径範囲
に体積分率の極大値があるということは上記ヒストグラ
ムにおいてその範囲に極大値を示すピークがあることを
示している。
1.5μ以下にある極大値と2〜3μにある極大値の比に
おいて、1/4より小さい場合1.5μ以下の極大値に依存す
るアイゾット衝撃強度及び光沢の低下が著しく、またシ
ルバーストリークスの防止効果も乏しい。また、4/1よ
り大きい場合、ダート衝撃強度及び耐薬品性が乏しくな
り好ましくない。さらに好ましい極大値の比の範囲は1/
3〜3/1である。
また、「3μより大きいゴム粒子が実質的に存在しな
い」とは、上記方法によりゴム粒子径を測定して、3μ
より大きいゴム粒子の数が全測定ゴム粒子数の0.3%を
超えない場合をさすものであり、好ましくは0.1%を超
えない場合をさし、さらに好ましくは10μより大きいゴ
ム粒子の数が全測定ゴム粒子数の0%であり、かつ3μ
より大きく10μ以下のゴム粒子の数が全測定ゴム粒子数
の0.1%を超えない場合をさす。
3μより大きいゴム粒子が多く存在すると、光沢を損ね
るばかりでなく、シルバーストリークスの発生も多くな
り好ましくない。
本発明の組成物としては、ポリフェニレンエーテル樹脂
10〜90重量部とゴム補強スチレン系樹脂90〜10重量部と
からなるものが好ましい。このようにポリフェニレンエ
ーテル樹脂を10〜90重量部配合することにより、加工
性、耐熱性の双方が好ましいものとなる。ポリフェニレ
ンエーテル樹脂20〜80重量部とゴム補強スチレン系樹脂
80〜20重量部とからなる組成物は、加工性、耐熱性のバ
ランスという観点からなり好ましい。また樹脂組成物中
のゴム状重合体の量が多いほど衝撃強度及び耐クラック
性は高くなるが、逆に、構造部品として部品締結の際の
重要な性質であるセルフタップ特性及び外観性能が低下
するので好ましくなく、ゴム状重合体の量としては、2.
5〜15%の範囲にあることが好ましい。さらに好ましく
は2.5〜8%の範囲にあることである。
本発明の組成物の製造方法は、特に規制するものではな
く、押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリミキサー
等の混練機を用いて混練製造することができる。
本発明の樹脂組成物に他の添加剤、例えば可塑剤、難燃
剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤のような安定剤、あ
るいは染顔料を含有させ得ることは勿論であり、この他
にも、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、炭酸
カルシウム、タルク、雲母などの充填剤も添加すること
ができる。また、他の重合体例えばポリアミド、ポリオ
レフィンポリエステルなども混合せしめることができ
る。
[発明の効果] 本発明の樹脂組成物は従来のポリフェニレンエーテル組
成物に比べアイゾット衝撃強度、ダート衝撃強度のバラ
ンスが良く、光沢、耐薬品性の優れた組成物が得られ
た。さらに予期せぬことに成形時のシルバーストリーク
スの発生の少ない実用的により優れた組成物であり、広
い用途への展開が可能である。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明を説明するが本発明はこれ
により限定されるものではない。なお、特記せぬかぎ
り、樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂、ゴム
補強スチレン系樹脂および他の成分の混合物を約250〜3
00℃にて30mm二軸押出機にて混練製造しペレットを得
た。これを射出成形し試験片を得、以下の測定法にて各
物性値を測定した。
アイゾット衝撃強さ;JIS K 6871 光沢度;射出成形により得られたASTM D 638のダンベル
片のゲートエンド部の光沢度をスガ試験器(株)製UGV
−4Dを用いて反射角60゜にて測定した。
ダート衝撃強度;縦15cm、横15cm、厚さ2mmの平板を射
出成形にて作成し、その平板に23℃でミサイル径1/2Rの
ミサイルに各々の荷重をかけ一定の高さから落とし、50
%破壊の数値を測定する。
耐クラック性;内部がM−4ねじに合うようにねじ加工
され表面をローレット加工した第1図に示した真鍮製の
インサート金具1を第2図に示したボス部2にインサー
ト射出成形し、成形後ボス部分を切り出し、n−ヘプタ
ンに23℃にて10分間浸漬し、しかる後取り出し乾燥し
た。耐クラック性の悪いものは、クラックが大きく入
り、優れたものは殆ど入らない。これを定量化し数値化
するために、M−4ねじを差し込み、トルクメーターに
てボス部が破壊するまでのトルク値を求めた。すなわ
ち、耐クラック性の悪いものは、クラックが既に入って
いるために小さいトルク値で破壊してしまうのに対し、
クラック性の優れたものは高い値を有する。
シルバーストリークス;東芝機械(株)製IS−45PNV射
出成形機を用いて、樹脂組成物を成形温度320℃でシリ
ンダー内に60秒滞留させたのち、金型温度80℃で射出成
形することにより50×90×2mmの平板5枚を成形し、各
々シルバーストリークスの本数により1〜4にランク分
けしてその平均をとり、比較した。
ランク1:シルバー発生なし。
ランク2:シルバー2本以下で発生したシルバーが軽程
度。
ランク3:シルバー3本以下でいずれも軽程度のもの。
ランク4:シルバーが4本以上または1〜3本であっても
程度がひどい場合。
実施例1 ポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル52重量部
と、ポリブタジエンを8%含有するゴム補強ポリスチレ
ン43重量部と、その他添加剤5重量部をブレンダーで均
一混合し、二軸押出機にて混練しペレットを得た。この
ペレットより本文記載の方法で抽出したポリフェニレン
エーテルの極限粘度[η]は0.65であった。このペレッ
ト中のゴム粒子径の体積分率の極大は0.4μと2.4μに存
在し、その極大値の比は7:8であり、3μより大きいゴ
ム粒子の数が全測定粒子数の0.08%であった。この組成
物の物性を測定し、表−1に示した。
比較例1 実施例1におけるゴム粒子径の体積分率の極大が0.6μ
と2.7μに存在し、その極大値の比が6:8であり、3μよ
り大きいゴム粒子が全測定ゴム粒子の数の0.40%存在し
ている以外は実施例1と同じ組成物を得て、物性を測定
し、結果を表−1に示した。
実施例2 ポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル31重量部
と、ポリブタジエンを11%含有するゴム補強ポリスチレ
ン63重量部と、その他添加剤6重量部をブレンダーで均
一混合し、二軸押出機にて混練しペレットを得た。この
ペレットより本分記載の方法で抽出したポリフェニレン
エーテルの極限粘度[η]は0.62であった。このペレッ
ト中のゴム粒子径の体積分率の極大は0.4μと2.4μに存
在し、その極大値の比は6.5:8.0であり、3μより大き
いゴム粒子の数が全測定ゴム粒子数の0.08%であった。
この組成物の物性を測定し、表−1に示した。
比較例2 実施例2におけるゴム粒子径の体積分率の極大が0.6μ
と2.7μに存在し、その極大値の比が6:8であり、3μよ
り大きいゴム粒子が全測定ゴム粒子の数の0.42%存在し
ている以外は実施例2と全く同じである組成物の物性を
測定し、結果を表−1に示した。
実施例3 ポリ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル72重量部
と、ポリブタジエンを9%含有するゴム補強ポリスチレ
ン18重量部と、その他添加剤10重量部をブレンダーで均
一混合し、二軸押出機にて混練しペレットを得た。この
ペレットより本文記載の方法で抽出したポリフェニレン
エーテルの極限粘度[η]は0.62であった。このペレッ
ト中のゴム粒子径の体積分率の極大は0.4μと2.4μに存
在し、その極大値の比は7:8であり、3μより大きいゴ
ム粒子の数が、全測定ゴム粒子の数の0.08%であった。
この組成物の物性を測定し、表−1に示した。
比較例3 実施例3におけるゴム粒子径の体積分率の極大が0.6μ
と2.7μに存在し、3μより大きいゴム粒子の数が0.40
%である以外は実施例3と全く同じである組成物を得
て、その物性を測定し、結果を表−1に示した。
実施例4 実施例1におけるゴム粒子径の体積分率の極大が0.6μ
と2.4μにありその極大値の比が9:6であり、3μより大
きいゴム粒子の数が全測定粒子数の0.08%である以外
は、実施例1と全く同じである組成物の物性を測定し、
表−2に示した。
実施例5 実施例1におけるゴム粒子径の体積分率の極大が0.4μ
と2.4μにあり、その極大値の比が6:17であり、3μよ
り大きいゴム粒子の数が全測定ゴム粒子数の0.09%であ
る以外は、実施例1と全く同じである組成物の物性を測
定し、その結果を表−2に示した。
比較例4 実施例1におけるゴム粒子径の体積分率の極大が0.6μ
にのみ存在し、3μより大きいゴム粒子がまったく見ら
れなかった以外は実施例1と全く同じである組成物を得
て、その物性を測定し、結果を表−2に示した。
比較例5 実施例1におけるゴム粒子径の体積分率の極大が2.4μ
のみに存在し、3μより大きいゴム粒子の数が全測定ゴ
ム粒子の数の4.2%である以外は実施例1と全く同じで
ある組成物を得て、その物性を測定し、結果を表−2に
示した。
比較例6 実施例1におけるゴム粒子径の体積分率の極大が3.1μ
のみに存在し、3μより大きいゴム粒子の数が全測定ゴ
ム粒子の数の5.5%である以外は実施例1と全く同じ組
成物を得て、物性を測定し、結果を表−2に示した。
実施例6 実施例2におけるゴム粒子径の体積分率の極大が0.6μ
と2.4μに存在し、その極大値の比は9:7であり、3μよ
り大きいゴム粒子の数が全測定ゴム粒子数の0.08%であ
る以外は実施例2と全く同じである組成物の物性を測定
し、表−3に示した。
実施例7 実施例2におけるゴム粒子径の体積分率の極大が0.4μ
と2.4μにあり、その極大値の比が6:18であり、3μよ
り大きいゴム粒子の数が全測定ゴム粒子数の0.09%であ
る以外は、実施例2と全く同じである組成物の物性を測
定し、その結果を表−3に示した。
比較例7 実施例2におけるゴム粒子径の体積分率の極大が2.1μ
のみに存在し、3μより大きいゴム粒子の数が全測定ゴ
ム粒子数の3.1%である以外は実施例2と全く同じであ
る組成物の物性を測定し、その結果を表−3に示した。
【図面の簡単な説明】
図面はいずれも本発明樹脂組成物の物性値の測定に用い
られるものの説明図であって、第1図は耐クラック性測
定用インサート金具とその寸法を示し、(1−1)はそ
の平面図、(1−2)は側面図、第2図は第1図のイン
サート金具を樹脂成形品に挿入した耐クラック性評価用
ボス部分を切り出したものとその寸法を示し、(2−
1)はその平面図、(2−2)は側面図である。 1……インサート金具、 2……成形品のボス部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンエーテル樹脂とゴム補強ス
    チレン系樹脂とからなる組成物であって、組成物中に分
    散したゴム粒子の径の体積分率において、1.5μ以下に
    少なくとも1つの極大値を有し、かつ2〜3μに少なく
    とも1つの極大値を有し、両極大値の比が1/4〜4/1の範
    囲にあり、3μより大きいゴム粒子が実質的に存在しな
    いことを特徴とするポリフェニレンエーテル樹脂組成
    物。
JP61079225A 1985-04-19 1986-04-08 ポリフエニレンエ−テル樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0678464B2 (ja)

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JP8219385 1985-04-19
JP60-82193 1985-04-19

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JPS6236444A JPS6236444A (ja) 1987-02-17
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CA1280235C (en) 1991-02-12
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