JPH0678261U - ねじキャップ式薄肉容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省資源、環境保護、製造価格低減などのため
胴部を薄肉としたねじキャップ式の容器を自動充填ライ
ンに適用可能とする。 【構成】 口部３のキャップねじ込み用のねじ条４より
も基端側に二つのフランジ５，６を設けるとともにそれ
らの間に互いに平行な平面７，８からなる回り止め部９
を形成した。二つの平行なガイドレールをフランジ５，
６に挟ませることにより、安定よく直立状態を維持して
内容物を充填し且つ共回りすることなくキャップを締付
け装着できるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は口部の開口をねじキャップによって開閉する形式であって、胴部が剛 性に乏しい薄肉の容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般消費者が日常的に利用する物質を装填する容器の多くは省資源、環境保護 、製造価格低減などの理由から使用原材料を減少させる傾向にあり、そのために 胴部を薄肉化して対応することが考えられている。

【０００３】 また、化粧品などの容器において商品イメージを高めたり内容物を太陽光から 保護するなどの目的で高価な原材料を大量に用いて作ったものを外容器とし、内 容物を装填したものを内容器として外容器に交換可能に内装した二重構造の容器 （実公平３−５４０１９号公報参照）にあっても、使い捨てされる内容器の胴部 を薄肉化することが望まれる。

【０００４】 一方、容器に内容物を装填してねじキャップを装着する工程を工場の自動充填 ラインで行なうように計画した場合、容器を直立状態に保持して内容物を充填さ せ且つ回転しないように保持してねじキャップを装着させなければならない。

【０００５】 このような場合、比較的厚肉で剛性にすぐれた口部はねじ条を有する円形であ って保持しにくいので胴部を保持して内容物の装填とねじキャップの装着とを行 なわなければならないが、上方の口部の重量が大きく重心が高位置であるため安 定よく直立状態に保持しにくいばかりか、薄肉の胴部はねじキャップを装着する 際の締付トルクに耐えられることができず容易にねじれて完全に装着させること ができない。

【０００６】 そのため、自動充填ラインに対応できる程度に胴部を厚肉にすると、省資源な ど前述の目的に沿う使い捨てに適した容器を提供することができなくなる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、口部の開口をねじキャップで開閉する形式 の容器であって胴部が充分に薄肉で省資源、環境保護、製造価格低減などの目的 に沿うとともに自動充填ラインに適用可能な容器がなかった、という点である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本考案は薄肉の胴部に突出形成した口部の外側周 面先端部にキャップねじ込み用のねじ条を設けるとともに、前記ねじ条よりも基 端側に二つのフランジを設け、前記外側周面の前記二つのフランジ間に互いに平 行な平面からなる回り止め部を形成する、という構成とした。

【０００９】

【作用】

自動充填ラインに回り止め部の平行面の間隔とほぼ等しい間隔で二本のガイド レールを平行に設置することにより、フランジおよび回り止め部でガイドレール を挟み回転不可の吊下げ状態で保持させることができ、その結果安定よく直立状 態を維持して内容物の装填を行なわせ、且つねじキャップ装着時の締付トルクを ガイドレールに受けさせて胴体をねじることなくねじキャップを装着させること が可能となる。

【００１０】

【実施例】

図面を参照して本考案の実施例を説明すると、有底円筒形で薄肉の胴部１の上 部に肩部２を経て胴部１よりも厚肉の円筒形の口部３が突出形成されており、口 部３の外側周面の中間よりも先端側にキャップをねじ込むためのねじ条４が設け られている。

【００１１】 口部３のねじ条４と肩部２との間には上下適当間隔で二つの円形のフランジ５ ，６が設けられており、この二つのフランジ５，６の間において口部３の外側周 面に互いに平行な二つの平面７，８からなる回り止め部９が形成されている。

【００１２】 尚、胴体１，肩部２，口部，フランジ５，６および回り止め部９は合成樹脂に より一体品に形成されている。

【００１３】 このような構成の本実施例は、それ自身を単独の容器として用いるかまたは外 容器に交換可能な内容器として用いるものである。

【００１４】 そして、内容物を装填しキャップを装着するときは、自動充填ラインに図３に 示すように端面横向きＴ形のガイドレール１５，１５の二本を回り止め部９の二 つの平面７，８の間隔と等しい間隔で平行に配置し、このガイドレール１５，１ ５の上下を二つのフランジ５，６で挟ませ落下または跳ね上りを防止するととも にガイドレール１５，１５の向かい合った内向き端面に二つの平面７，８を接触 させ回転を防止した状態で吊下げ、一方向へ移動させてノズル１６より内容物を 装填し（図３のＡ）、次にキャップ１１をねじ込み締付けて密封する（図３のＢ ）。

【００１５】 このように、二つのフランジ５，６およびその間の回り止め部９を利用するこ とにより胴部１が薄肉で曲がったりねじれたりしやすくても安定よく直立状態を 維持して内容物を装填し、且つ胴部１に何の影響も与えることなくキャップ１１ を締付けて装着することができる。また、消費者はフランジ５，６をつまんでキ ャップ１１を回すことにより、胴部１が極度に柔軟質であっても容易に且つ確実 に着脱することができる。

【００１６】 尚、本実施例では図２に示したように回り止め部９の平面７，８の長さを平面 ７，８の間隔と等しくし、平面７，８に直角の両端縁もガイドレール１５，１５ の向かい合った端面に接触させ回り止めとして利用できる構成としたが、これに 拘わるものではない。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によると、キャップねじ込み用のねじ条を有し比較的高強度に作られて いる口部にフランジと回り止め部とを設けたので、フランジを利用して安定よく 直立状態を維持させ、且つ回り止め部を利用してキャップ装着時の共回りを防ぐ とともに締付けトルクに耐えさせることができ、自動充填ラインによる作業を可 能ならしめるばかりか、フランジをつまむことにより消費者も容易且つ確実にキ ャップを着脱することができる。

【００１８】 即ち、省資源、環境保護、製造価格低減などの目的に沿う薄肉胴部であって自 動充填ラインに適用可能且つ消費者が取扱い容易な容器が提供されるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す一部切截した正面図。

【図２】図１のＸ−Ｘ線に沿う断面図。

【図３】内容物の装填とキャップの装着とを行なう状況
を説明する縦断面部分図。

【符号の説明】

１，胴部， ３ 口部， ４ ねじ条， ５，６ フラ
ンジ， ７，８ 平面， ９ 回り止め部，

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄肉の胴部に突出形成した口部の外側周
   面先端部にキャップねじ込み用のねじ条が設けられてい
   るとともに、前記ねじ条よりも基端側に二つのフランジ
   が設けられており、前記外側周面の前記二つのフランジ
   間に互いに平行な平面からなる回り止め部が形成されて
   いることを特徴とするねじキャップ式薄肉容器。