JP2021066510A - 注出口付き容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレキシブルな肩部を設けても、機械を用いて注出口の保持、開閉、搬送、充填を容易に行うことができる注出口付き容器を提供する。【解決手段】胴部11に内容物を収容する容器本体10と、容器本体10の内側で胴部11に通じた注出口20とを備える注出口付き容器1であって、容器本体10は、胴部11と注出口20との間にフレキシブルな肩部12を有し、注出口20の外周には、肩部12から上方に間を離して突出部24を有し、突出部24の下側には、容器本体10に内容物を充填する際、内容物を充填する機械の保持部材が接触して注出口20の回転を阻止する回り止め部25を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、注出口付き容器に関する。
特許文献1には、円筒パウチ用注出口の中空接着基部が、底面視で、所定半径の曲線からなる第1形成線と、この第1形成線とは非対称形かつ同一長である第2形成線を有し、円筒パウチ用注出口を把持して円筒パウチにキャップを装着することが記載されている。また、特許文献1の段落0021には、注出口付きパウチの円筒パウチ用注出口から内容物を充填すると、円筒形状の注出口付きパウチとなることが記載されている。また、特許文献1の段落0037には、筒状注出部にフランジを平面視で六角形に成形した場合には、円筒パウチ用注出口を自動製袋機に装着する際にガイドに従って円筒パウチ用注出口を移動させることができることも記載されている。また、特許文献1の段落0073には、パウチ用注出口は把持が容易であり、このためパウチの胴部をひねることなくキャップの装着を容易に行うことができた旨も記載されている。
特許文献1に記載の円筒パウチの場合は、パウチが中空接着基部に溶着された箇所で抽出口を把持するため、パウチと注出口とが溶着するシール幅を広く確保する必要がある。このため、パウチの上部の形状に制約があり、容器の上部になだらかな肩形状を設けることができなかった。
容器が硬質であれば、胴部を把持することも可能となる。しかし、胴部と注出口との間の肩部がフレキシブル(柔軟)である場合、キャップやヒンジ等による注出口の開閉、内容物の充填等をする際に胴部を把持すると、胴部のよじれ、潰れ等が生じて保持が困難である。また、人の手で容器又はその注出口を保持する場合は微妙な力の加減が可能であるが、機械で容器又はその注出口を保持する場合は、力の加減が容易でない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フレキシブルな肩部を設けても、機械を用いて注出口の保持、開閉、搬送、充填を容易に行うことができる注出口付き容器を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、胴部に内容物を収容する容器本体と、前記容器本体の内側で前記胴部に通じた注出口とを備える注出口付き容器であって、前記容器本体は、前記胴部と前記注出口との間にフレキシブルな肩部を有し、前記注出口の外周には、前記肩部から上方に間を離して突出部を有し、前記突出部の下側には、前記容器本体に前記内容物を充填する際、前記内容物を充填する機械の保持部材が接触して前記注出口の回転を阻止する回り止め部を有することを特徴とする注出口付き容器を提供する。
前記回り止め部が、一対の平行な平坦部を有してもよい。
前記保持部材が前記回り止め部を保持したとき、前記保持部材の上面が前記突出部の下面と接触するように、前記回り止め部が、前記突出部の下面に接していてもよい。
前記注出口の外周には、前記注出口を閉鎖するためのキャップと結合するネジ部を有してもよい。
前記胴部は、前記肩部と別部材で形成され、前記胴部の上端部が、前記肩部の下端部と接合されていてもよい。
前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面から径方向の外側に突出していてもよい。
前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面から前記筒状部の周方向に沿った少なくとも一端に突出する凸部を有してもよい。
前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面よりも径方向の内側に形成されていてもよい。
前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の多角形における少なくとも一対の辺、又は前記多角形の角に丸みを有する断面形状における前記丸みの部分を除く少なくとも一対の辺に形成されていてもよい。
前記機械は、前記保持部材を介して前記注出口を保持した状態で、前記注出口付き容器の搬送、前記注出口の開閉、及び前記注出口を通じた充填を行う構成でもよい。
前記保持部材が前記回り止め部を保持したとき、前記保持部材の上面が前記突出部の下面と接触するように、前記回り止め部が、前記突出部の下面に接していてもよい。
前記注出口の外周には、前記注出口を閉鎖するためのキャップと結合するネジ部を有してもよい。
前記胴部は、前記肩部と別部材で形成され、前記胴部の上端部が、前記肩部の下端部と接合されていてもよい。
前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面から径方向の外側に突出していてもよい。
前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面から前記筒状部の周方向に沿った少なくとも一端に突出する凸部を有してもよい。
前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面よりも径方向の内側に形成されていてもよい。
前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の多角形における少なくとも一対の辺、又は前記多角形の角に丸みを有する断面形状における前記丸みの部分を除く少なくとも一対の辺に形成されていてもよい。
前記機械は、前記保持部材を介して前記注出口を保持した状態で、前記注出口付き容器の搬送、前記注出口の開閉、及び前記注出口を通じた充填を行う構成でもよい。
本発明によれば、注出口付き容器にフレキシブルな肩部を設けても、機械を用いて注出口の保持、開閉、搬送、充填を容易に行うことが容易になる。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に、本実施形態の注出口付き容器を例示する。この注出口付き容器1は、胴部11に内容物を収容する容器本体10と、容器本体10の内側で胴部11に通じた注出口20と、を備えている。容器本体10は、胴部11と注出口20との間に、フレキシブルな肩部12を有する。
容器本体10は、自立性を有してもよく、自立性を有しなくてもよい。容器本体10に内容物を充填し、注出口20を密封した後の注出口付き容器1は、注出口20を上向き、下向き、横向き等のいずれの向きに配置してもよい。注出口20から容器本体10に内容物を充填する際は、注出口20を上向きにすることが好ましい。以下の説明では、注出口20を上向きにした状態に基づいて、上下方向を説明する。また、上下方向に垂直な方向(任意の方向又は特定の方向)を水平方向とする。本実施形態の場合、容器本体10の下部に自立性を有し、注出口20は、容器本体10の上部に設けられている。
注出口20は、内部に流路22を有する筒状部21と、注出口20の外周に突出した突出部24を有する。筒状部21は、略円筒状である。流路22は胴部11に対して上下方向に内容物の充填又は注出を可能にする。突出部24は、肩部12から上方に間を離して配置され、水平方向に突出している。突出部24は、筒状部21の周方向の少なくとも一部に形成されればよく、筒状部21の全周にわたって突出部24が形成されてもよい。
図1に示す例では、注出口20の外周には、注出口20を閉鎖するためのキャップ(図示せず)と結合するネジ部23を有する。具体的には、筒状部21の外周で、突出部24より上方にネジ部23が配置されている。この場合、キャップの内面には、ネジ部23と結合するネジ溝が形成される。ネジ部23は、筒状部21と一体に成形することができる。注出口20の成形方法としては、特に限定されないが、射出成形、圧縮成形、ブロー成形、押出成形、圧空成形、絞り成形などが挙げられる。なお、図1に示す例では、突出部24より径が細い箇所にネジ部23が形成されているが、突出部24の上下寸法が大きい場合、突出部24の外周にネジ部23が形成されてもよい。
流路22を閉鎖する蓋を注出口20に設ける方式は特に限定されず、ネジ部23の他にも、接着、薄肉部、嵌合などが挙げられる。流路22の蓋は、注出口20と一体に成形してもよい。例えば、薄肉のヒンジを介して筒状部21と蓋を一体的に連結してもよい。また、流路22の蓋を、注出口20とは別の部材から構成してもよい。例えば、筒状部21の先端にフィルム状の蓋を溶着してもよく、あるいは、筒状部21の外径より少し小さい内径を有するキャップを筒状部21の先端に嵌合してもよい。
内容物を充填する機械を用いて容器本体10に内容物を充填する際は、注出口付き容器1を保持する必要がある。図2及び図3に、内容物を充填する機械の保持部材30が注出口20を把持することにより、注出口付き容器1を保持する手順を説明する。保持部材30は、一対の把持部31,32を有する。把持部31,32の間には、注出口20が配置される空間が確保されている。把持部31,32は、水平方向に延びている。
突出部24の下側には、保持部材30が接触して注出口20の回転を阻止する回り止め部25が形成されている。回り止め部25は、例えば、一対の平行な平坦部であってもよい。筒状部21の周方向に回り止め部25を3以上有してもよく、例えば、互いに平行な平坦部からなる回り止め部25を2対以上(2対、3対、4対など)有してもよい。保持部材30は、2対以上の回り止め部25のうち、任意の、又は特定の一対を、保持部材30に対する回り止め部25として用いてもよい。
筒状部21の内周面21bは、流路22に接している。回り止め部25は、流路22を挟んで筒状部21の外周に対向して形成されている。保持部材30が回り止め部25を保持したとき、保持部材30の上面が突出部24の下面24bと接触するように、回り止め部25が、突出部24の下面24bに接している。突出部24の下面24bの幅は、例えば2〜5mm程度が挙げられる。
筒状部21の内周面21bは、流路22に接している。回り止め部25は、流路22を挟んで筒状部21の外周に対向して形成されている。保持部材30が回り止め部25を保持したとき、保持部材30の上面が突出部24の下面24bと接触するように、回り止め部25が、突出部24の下面24bに接している。突出部24の下面24bの幅は、例えば2〜5mm程度が挙げられる。
保持部材30が回り止め部25又は突出部24の下面24bに接触することにより、保持部材30が注出口20を保持することができる。保持部材30が注出口20を保持する前と、保持した後とを通じて、把持部31,32の間隔が一定になっていてもよい。この場合は、保持部材30を回り止め部25に向けて真っ直ぐ移動させるだけで、保持が可能になる。保持部材30が注出口20を保持したとき、把持部31,32の間隔が縮小してもよく、この際、注出口20に対して筒状部21を径方向に圧縮する力を作用させてもよい。把持部31,32と回り止め部25との間に隙間を残し、保持部材30が注出口20を突出部24の下面24bから支持してもよい。
保持部材30は、把持部31,32が回り止め部25の形状と適合するような、凸部又は凹部を有してもよい。保持部材30は、同時に2箇所の回り止め部25と接触しながら注出口20を保持する形態に限られるものではなく、同時に3箇所以上の回り止め部25と接触しながら注出口20を保持してもよい。
保持部材30は、把持部31,32が回り止め部25の形状と適合するような、凸部又は凹部を有してもよい。保持部材30は、同時に2箇所の回り止め部25と接触しながら注出口20を保持する形態に限られるものではなく、同時に3箇所以上の回り止め部25と接触しながら注出口20を保持してもよい。
把持部31,32が回り止め部25に接触することにより、上下方向を回転中心軸とする注出口20の回転が阻止される。これにより、注出口20に対する容器本体10の姿勢も、上下方向を回転中心軸とする回転が阻止されて安定する。これにより、保持部材30が注出口20を保持する間、保持部材30に対する容器本体10の位置を一定にすることができる。また、注出口20のネジ部23にキャップを締める場合にも、注出口20が回転しないので、十分な締め付けが容易になる。
回り止め部25は、上下方向の位置が回り止め部25と同じである水平面上において、筒状部21の外周の円周面26から径方向の外側に突出していてもよい。この場合、回り止め部25が全体として、筒状部21の肉厚が、円周面26における筒状部21の肉厚よりも厚く形成されている。これにより、回り止め部25の剛性を高め、保持部材30が回り止め部25に接触する際に、回り止め部25の変形による保持部材30の滑りを抑制することができる。
なお、回り止め部25の形状は、図2に示す例に限定されるものではない。
例えば、図4(a)に示すように、筒状部21の周方向に沿った回り止め部25の少なくとも一端に円周面26の外方に突出する凸部25aと、凸部25a及び円周面26の間に形成される凹部25bを有してもよい。この場合、凸部25aがない場合に比べて、回り止め部25の長さを大きくすることができる。
また、図4(b)に示すように、回り止め部25が、筒状部21の外周の円周面26よりも径方向の内側に形成されていてもよい。この場合、回り止め部25における筒状部21の肉厚が、円周面26における筒状部21の肉厚よりも薄く形成されるので、回り止め部25の肉厚が大きい場合に比べて、成形が容易になる。筒状部21の周方向に沿った回り止め部25の両端が円周面26の交点に配置されてもよく、回り止め部25が円周面26より凹んでいてもよい。
また、図4(c)に示すように、筒状部21の外周の断面形状が四角形などの多角形になっていてもよい。この場合、多角形における少なくとも一対の辺を回り止め部25とすればよいが、多角形における各辺を回り止め部25とすることもできる。筒状部21の外周の断面形状における多角形としては、四角形、六角形、八角形などの偶数角形が好適であるが、奇数角形でもよく、また、前記多角形の角に丸みを有してもよい。この場合は、多角形の角に丸みを有する断面形状における前記丸みの部分を除く少なくとも一対の辺(又は各辺)に回り止め部25を配置することができる。多角形の角に面取りを有してもよい。例えば四角形の角に面取りを設けて生じる八角形において、面取りの部分を除く4辺のうち、少なくとも一対の辺に回り止め部25を配置することができる。
なお、回り止め部25の形状は、図2に示す例に限定されるものではない。
例えば、図4(a)に示すように、筒状部21の周方向に沿った回り止め部25の少なくとも一端に円周面26の外方に突出する凸部25aと、凸部25a及び円周面26の間に形成される凹部25bを有してもよい。この場合、凸部25aがない場合に比べて、回り止め部25の長さを大きくすることができる。
また、図4(b)に示すように、回り止め部25が、筒状部21の外周の円周面26よりも径方向の内側に形成されていてもよい。この場合、回り止め部25における筒状部21の肉厚が、円周面26における筒状部21の肉厚よりも薄く形成されるので、回り止め部25の肉厚が大きい場合に比べて、成形が容易になる。筒状部21の周方向に沿った回り止め部25の両端が円周面26の交点に配置されてもよく、回り止め部25が円周面26より凹んでいてもよい。
また、図4(c)に示すように、筒状部21の外周の断面形状が四角形などの多角形になっていてもよい。この場合、多角形における少なくとも一対の辺を回り止め部25とすればよいが、多角形における各辺を回り止め部25とすることもできる。筒状部21の外周の断面形状における多角形としては、四角形、六角形、八角形などの偶数角形が好適であるが、奇数角形でもよく、また、前記多角形の角に丸みを有してもよい。この場合は、多角形の角に丸みを有する断面形状における前記丸みの部分を除く少なくとも一対の辺(又は各辺)に回り止め部25を配置することができる。多角形の角に面取りを有してもよい。例えば四角形の角に面取りを設けて生じる八角形において、面取りの部分を除く4辺のうち、少なくとも一対の辺に回り止め部25を配置することができる。
注出口20は、回り止め部25の下側に、円周面26よりも水平方向に突出した基部27を有する。基部27は、容器本体10の肩部12に接している。保持部材30が回り止め部25に接触して、注出口20を保持するとき、基部27が保持部材と接触していてもよく、基部27が保持部材から離れていてもよい。また、突出部24の上側には流路22の開口部やネジ部23が配置されるので、保持部材30は、突出部24の上面24a及びこれより上側における筒状部21の外周面21aに接触しないことが好ましい。
上述したように、容器本体10は、胴部11と肩部12とを有する。肩部12は、注出口20と一体に成形されてもよい。また、肩部12を注出口20と別の部材として成形した後、肩部12を注出口20と接合してもよい。胴部11は、肩部12と別部材で形成され、胴部11の上端部11aが、肩部12の下端部12aと接合されていてもよい。例えば、胴部11は、樹脂フィルム、ラミネートフィルム等のシート部材を筒状に成形し、胴部11の上端部11a付近と肩部12の下端部12a付近とを重ね合わせて、帯状の接合部13を形成してもよい。
胴部11を筒状とするとき、胴部11の形状は特に限定されないが、円筒状、楕円筒状、多角筒状などが挙げられる。多角筒状としては、三角筒状、四角筒状、五角筒状、六角筒状、七角筒状、八角筒状などが挙げられる。胴部11の外径としては、特に限定されないが、例えば、20〜200mm程度が挙げられる。胴部11の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、10〜1000μm、好ましくは30〜800μm、さらに好ましくは50〜650μm程度が挙げられる。保持部材30が注出口20を保持する際、保持部材30が胴部に接触せず、注出口20を介した注出口付き容器1の保持、開閉、搬送、充填などに際して、胴部11のよじれ、潰れ等を防止できるため、フィルム等からなる胴部11の厚さを薄くすることもできる。
胴部11を構成するシート部材は、例えば、樹脂層を有する内側シーラント層、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を有するバリア層、樹脂層を有する外側シーラント層又は基材層など、少なくとも3層を含む積層体から構成してもよい。シート部材を筒状にするには、周方向の両端部における内側シーラント層どうしを対向させて溶着してもよい。周方向の一方の端部における内側シーラント層と、他方の端部における外側シーラント層とを重ね合わせて溶着してもよい。筒状の押出成形により、周方向の溶着部がないチューブ状に成形してもよい。
肩部12は、例えば、樹脂層を有する内側シーラント層、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を有するバリア層、樹脂層を有する外側シーラント層又は基材層など、少なくとも3層を含む積層体から構成してもよい。肩部12の外径としては、特に限定されないが、例えば、20〜200mm程度が挙げられる。肩部12の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、30μm〜2000μm、好ましくは、60μm〜1750μm、さらに好ましくは、100μm〜1500μm、程度が挙げられる。肩部12の成形方法としては、特に限定されないが、射出成形、圧縮成形、ブロー成形、押出成形、圧空成形、絞り成形などが挙げられる。
胴部11又は肩部12において、シーラント層を構成する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。シーラント材料の具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等の環状オレフィン系樹脂、接着性樹脂、コーティング剤などの少なくとも1種以上が挙げられる。
胴部11又は肩部12の基材層を構成する材料としては、ナイロン(脂肪族ポリアミド)、ポリエステル等が挙げられる。基材層の外側には、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が、さらに積層されてもよい。容器本体10は、肩部12がフレキシブルである場合に限らず、胴部11及び肩部12がフレキシブルであってもよい。さらに容器本体10が底部を有する場合は、底部がフレキシブルであってもよい。容器本体10が底部を有しない場合は、胴部11の下部において内面同士が対向するように重ね合わせ、溶着してチューブ容器としてもよい。また、容器本体10が底部を有する場合は、自立性に優れるため、パウチ容器でもチューブ容器でもボトル容器でもない、新規なジャンルの容器として用いることもできる。
容器本体10が底部を有する場合は、容器本体10の底部が樹脂や金属等の成形品により硬質に形成してもよい。容器本体10の底部がフレキシブルである場合は、胴部11又は肩部12と同様に、樹脂層を有する内側シーラント層、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着層を有するバリア層、樹脂層を有する外側シーラント層又は基材層など、少なくとも3層を含む積層体から構成してもよい。
注出口20を通じて容器本体10に充填される内容物の性状は、特に限定されず、液体、固体、粉体、粒体、これらの2種以上の混合物など任意である。内容物の種類としては、特に限定されず、飲料品、食料品、調味料、化粧品、医薬品、洗剤、接着剤、家庭用品、工業製品などが挙げられる。
容器本体10又は注出口20には、酸素吸収機能、匂い吸収機能、非吸着機能など、1又は2以上の機能性を付与してもよい。容器本体10又は注出口20は、それぞれ少なくとも1以上の印刷柄を有してもよい。容器本体10又は注出口20を構成する材料は、樹脂に限らず、紙、布、不織布、繊維、金属、無機化合物などの異種材料を積層または配合してもよい。
注出口付き容器1に内容物を充填した包装製品を製造する工程は、概略として、例えば(1)保持部材30を用いて、注出口付き容器1の注出口20を保持する工程、(2)ノズル等の充填装置を用いて、注出口20を通して内容物を容器本体10に充填する工程、(3)キャッピングマシン(キャッパー)等の密封装置を用いて注出口20の蓋を閉じ、注出口付き容器1を密封する工程、(4)内容物を充填した注出口付き容器1の注出口20から保持部材30の保持を解除する工程を有する。
必要に応じて、内容物を容器本体10に充填してから注出口付き容器1を密封するまでの間に、注出口20の外周部を洗浄する工程、注出口付き容器1に不活性ガスを注入する工程、注出口20の外周部を検査する工程などを設けてもよい。これら一連の工程を実施する間、保持部材30は、把持部31,32により注出口20を把持した状態で、注出口付き容器1を保持することができる。容器本体10の少なくとも肩部12がフレキシブルであっても、保持部材30が安定して注出口付き容器1を保持することができる。この場合、保持部材30等の機械部品が容器本体10に接触することなく、注出口20のみに接触させることができる。胴部11で保持していないため、胴部11が硬くなくてもいい(軟らかくてもいい)。保持部材30を有する機械(又は装置)の簡素化が図れる。機械を動作させる前の段取り(準備・調整手順)も、簡便となり、作業の効率化が図れる。端部が横にシールされるチューブ容器では、開口端部から内容物を充填した後に、端部をシールするため、シール部の内面に内容物の噛み込みが発生するおそれがあるが、注出口20から充填を行う場合、内容物のシール部への噛み込みが発生することがなく、良好な充填及び製袋がなされるため、衛生的であり、また、安全である。
保持部材30が注出口付き容器1を保持しながら、保持部材30を移動させることにより、注出口付き容器1を搬送することができる。移動方向は特に限定されず、水平の直線運動、回転運動、上下運動、ジグザグ運動などが挙げられる。保持部材30を有する機械は、保持部材30を介して注出口20を保持した状態で、注出口付き容器1の搬送、注出口20の開閉、及び注出口20を通じた充填を行うことができる。注出口付き容器1を密封した後においても、保持部材30により注出口付き容器1を保持したまま、殺菌工程、検査工程、加熱工程、冷却工程、印字工程などの各種工程を行うことができる。
注出口付き容器1を密封した後には、高温の状態で注出口付き容器1を転倒させ、高温の内容物をキャップの裏側に流通させてキャップの裏側まで殺菌する、転倒殺菌を実施してもよい。本実施形態によれば、水平方向の回転中心軸により保持部材30を回転させ、注出口付き容器1を転倒させる(キャップを設けた注出口20を一時的に下向きにする)際にも、保持部材30が安定して注出口付き容器1を保持することができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上述の実施形態では、注出口20から内容物を充填する容器について説明したが、注出口と充填口を別々に有する容器を採用することも可能である。この場合は、注出口又は充填口の少なくとも一方において、上述の実施形態の注出口20にならい、突出部24、回り止め部25等を設けることができる。
1…注出口付き容器、10…容器本体、11…胴部、11a…胴部の上端部、12…肩部、12a…肩部の下端部、13…接合部、20…注出口、21…筒状部、21a…筒状部の外周面、21b…筒状部の内周面、22…流路、23…ネジ部、24…突出部、24a…突出部の上面、24b…突出部の下面、25…回り止め部、25a…凸部、25b…凹部、26…円周面、27…基部、30…保持部材、31,32…把持部。
Claims (10)
- 胴部に内容物を収容する容器本体と、前記容器本体の内側で前記胴部に通じた注出口とを備える注出口付き容器であって、
前記容器本体は、前記胴部と前記注出口との間にフレキシブルな肩部を有し、
前記注出口の外周には、前記肩部から上方に間を離して突出部を有し、
前記突出部の下側には、前記容器本体に前記内容物を充填する際、前記内容物を充填する機械の保持部材が接触して前記注出口の回転を阻止する回り止め部を有することを特徴とする注出口付き容器。 - 前記回り止め部が、一対の平行な平坦部を有することを特徴とする請求項1に記載の注出口付き容器。
- 前記保持部材が前記回り止め部を保持したとき、前記保持部材の上面が前記突出部の下面と接触するように、前記回り止め部が、前記突出部の下面に接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の注出口付き容器。
- 前記注出口の外周には、前記注出口を閉鎖するためのキャップと結合するネジ部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の注出口付き容器。
- 前記胴部は、前記肩部と別部材で形成され、前記胴部の上端部が、前記肩部の下端部と接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の注出口付き容器。
- 前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面から径方向の外側に突出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の注出口付き容器。
- 前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面から前記筒状部の周方向に沿った少なくとも一端に突出する凸部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の注出口付き容器。
- 前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の円周面よりも径方向の内側に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の注出口付き容器。
- 前記回り止め部が、前記注出口の筒状部の外周の多角形における少なくとも一対の辺、又は前記多角形の角に丸みを有する断面形状における前記丸みの部分を除く少なくとも一対の辺に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の注出口付き容器。
- 前記機械は、前記保持部材を介して前記注出口を保持した状態で、前記注出口付き容器の搬送、前記注出口の開閉、及び前記注出口を通じた充填を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の注出口付き容器。
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