JPH0677910U - ストリップへのひも状スペーサー供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温ストリップの巻き取り時にひも状スペー
サーをストリップ間に挿入してストリップ表面疵を防止
する機構において、ひも状スペーサー打ち出し装置に継
続的なひも状スペーサーの打ち出し機能およびひも状ス
ペーサーの円滑な打ち出しを目的としてひも状スペーサ
ーの絡まり防止機能を持たせることを目的とする。 【構成】 ひも状スペーサー打ち出し装置にひも状スペ
ーサー切断装置、ひも状スペーサーコイル容器、ひも状
スペーサーコイル穴中に固定した棒などからなる。 【効果】 流体に搬送されるひも状スペーサーをひも状
スペーサー切断装置で切断することによりひも状スペー
サーの継続的な打ち出しが可能。また、ひも状スペーサ
ーコイル穴中の棒に沿わせながら、ひも状スペーサーを
巻きほどくため、ひも状スペーサーに絡まりが発生せ
ず、円滑なひも状スペーサーの搬送が可能。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高温ストリップの巻き取り時に発生する疵の防止装置に関し、特に 、ストリップ間にひも状スペーサーを供給する装置に係る。

【０００２】

【従来の技術】

高温ストリップの巻き取りには、ストリップ同士を直接接触させながら軸にス トリップを巻き付けてゆくという方法が一般に実施されている。このような巻き 取り方法を用いて生産されるストリップには美麗さを要求されるものもあり、そ の板表面には疵などの表面欠陥がないことが要求される。しかし上述のように巻 き取られるストリップは当該ストリップ同士が直接接触しているために、巻き取 り最中にストリップ間で微小なスリップが起こるとストリップ表面に疵が発生す るという問題点がある。

【０００３】 この対策については本考案者は、先に、高温ストリップの巻き取り装置入側に ストリップ先端検出器を配置し、これに連動させてひも状スペーサーをストリッ プ間に挿入し、ストリップ同士の直接接触を防止せしめるひも状スペーサー打ち 出し装置を用いて疵防止することを提案した（特願平３−２８４４５３号）。こ の装置は、ひも状スペーサーがストリップ先端部からストリップ先端部より約２ ０ｍの範囲にひも状スペーサーを挿入することで、疵発生を防止するものである 。

【０００４】 しかし、これらの装置では、ひも状スペーサーが疵の発生しないストリップの 先端から必要以上の範囲にも挿入されてランニングコストが多大に費やされる点 、ひも状スペーサーがひも状スペーサー打ち出し装置内で絡まる場合はひも状ス ペーサーのストリップ間への円滑な挿入ができず疵発生防止機能を発揮できない 点、および次々と巻き取られるストリップに対してひも状スペーサーを継続して 挿入する機構を工夫していない、などの問題がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、高温ストリップの巻き取り装置において発生する疵の防止を目的と した、ひも状スペーサーをストリップ間に挿入しストリップ同士の直接接触を防 止するひも状スペーサー打ち出し装置において、疵の発生するストリップ先端部 の所要長にのみひも状スペーサーを挿入し、ひも状スペーサー打ち出し装置内で のひも状スペーサーの絡まりを防止し、また次々と巻き取られるストリップに対 して継続してひも状スペーサーの挿入を実現するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ひも状スペーサー切断装置を設けてひも状スペーサーを切断すると ともに、ひも状スペーサー打ち出し装置内にひも状スペーサー絡まり防止機構を 設けることにより、疵の発生するストリップ先端部の所要長のみのひも状スペー サーの挿入、およびひも状スペーサーの円滑かつ断続的な搬送を実現するもので あって、巻き取り時のストリップ間に、圧縮流体によりひも状スペーサーを供給 する装置において、当該装置がひも状スペーサーコイル３を格納する容器１と、 このひも状スペーサーコイル３の中心に同軸的に配置されたひも状スペーサーコ イル３の絡み防止用のスムースバー４と、前記ひも状スペーサーコイル３から供 給されたスペーサーを切断する装置８を有することを特徴とする。

【０００７】 以下、本考案について一実施例に基づき、図面を参照し詳細に説明する。 この実施例の断面図を図１に示す。ひも状スペーサー容器１内のひも状スペー サーコイル台２上にひも状スペーサーを巻いたひも状スペーサーコイル３を設置 する。７は流体で、ひも状スペーサー９をストリップ巻き取り装置へ搬送する媒 体である。 ４はスムースバーで、ひも状スペーサー９をひも状スペーサーコイル３からほ どく際にひも状スペーサー９を沿わせるものでコイル３と同軸的に配置される。 スムースバー４がない場合は、巻き癖があるひも状スペーサー９に結び目状の絡 まりが発生する場合があり、絡まりが発生するとひも状スペーサー９の円滑な搬 送ができない。

【０００８】 ５はひも状スペーサー容器１内に供給する圧縮エアーなどの流体で、ひも状ス ペーサー９の先端が流体７によりひも状スペーサー容器１内へ逆流し、ひも状ス ペーサー９のストリップ巻き取り装置への搬送が不可能となることを防止するこ とも目的としている。従って、圧縮エアー５の圧力は、流体７の供給圧力以上で あることが望ましい。 ８はひも状スペーサー切断装置で、疵が発生するストリップ先端部の所望の長 さにひも状スペーサー９を供給するべく、ひも状スペーサー９を搬送した後に切 断することを目的としている。

【０００９】 ６はひも状スペーサーを抑えるストッパーで、ひも状スペーサー切断装置８の 作動時に閉じ、搬送されるひも状スペーサー９に張力を付与せしめてひも状スペ ーサー切断を容易にすること、かつひも状スペーサー９の先端が流体７によりひ も状スペーサー容器１内へ逆流し、ひも状スペーサー９のストリップ巻き取り装 置への搬送が不可能となることを防止することも目的としている。ここで、スト ッパー６はひも状スペーサー９を抑えることが目的であるため、ストッパー６の 閉塞時にひも状スペーサー９を切断させないため、ゴムあるいは樹脂などの軟質 な材質であることが望ましい。

【００１０】 以下に装置の作動について述べる。 まずひも状スペーサー９のストリップ巻き取り装置への搬送準備状態について 述べる。 ひも状スペーサー９の先端は予め、図１の場所Ａに設置し、ストッパー６は閉 じてひも状スペーサー９を抑えており、ひも状スペーサー９の搬送媒体である流 体７が流れている。この際、流体７はひも状スペーサー容器１方向へ逆流するが 、ストッパー６によりその流路が閉塞しているため、流体７はひも状スペーサー 容器１までは至らない。また、ストッパー６により抑えられているため、ひも状 スペーサー９は搬送されない。

【００１１】 次にひも状スペーサー９の搬送動作について述べる。疵が発生するストリップ 先端部からひも状スペーサー９を挿入するべくストリップ先端に同期させてスト ッパー６を開放し、流体７によるひも状スペーサー９の搬送を開始する。この際 、流体７のひも状スペーサー容器１への逆流を防ぐため、圧縮エアー５をひも状 スペーサー容器１に供給し、またスムースバー４にひも状スペーサー９を巻き付 かせながら、ひも状スペーサーコイル３からひも状スペーサー９を巻きほどくた め、ひも状スペーサー９に結び目状の絡まりが発生することもなく、ひも状スペ ーサー９の円滑な搬送が実施できる。

【００１２】 次にひも状スペーサー９の搬送終了動作について述べる。ひも状スペーサー９ がストリップに疵が発生する範囲に相当する所要の長さ、例えば２０ｍ程度搬送 した後に、ストッパー６を閉塞させてひも状スペーサー９の搬送を止め、同時に ひも状スペーサー切断装置８によりひも状スペーサー９を切断する。切断後は、 ひも状スペーサー切断装置８とストリップ巻き取り装置の間にあるひも状スペー サー９は流体７に搬送され、巻き取り装置内においてストリップ間に挿入され、 疵防止の目的を果たす。ひも状スペーサー切断装置８とひも状スペーサー容器１ の間にあるひも状スペーサー９はストッパー６が閉じているため、流体７により 搬送されず、次のストリップのひも状スペーサー打ち出しの準備状態となる。 これ以降は、ひも状スペーサー９の搬送動作と搬送終了動作を繰り返すことに より、次々と巻き取られるストリップへのひも状スペーサー９の搬送を継続して 実施できる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は以上のように、ひも状スペーサー切断装置とひも状スペーサーの絡ま り防止機構とひも状スペーサー打ち出し装置を連動させることにより、ひも状ス ペーサーが疵の発生するストリップの先端から所定の長さの範囲にのみ挿入せし めてランニングコストを最小限に抑え、スムースバーがひも状スペーサー打ち出 し装置内での絡まりを防止して円滑にひも状スペーサーを搬送することにより疵 防止機能が発揮でき、また次々と巻き取られるストリップに対し、継続してひも 状スペーサーが搬送できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例におけるひも打ち出し装置の
概要を示す図。

【符号の説明】 １ ひも状スペーサー容器 ２ ひも状スペーサーコイル台 ３ ひも状スペーサーコイル ４ スムースバー ５ 圧縮エアー ６ ストッパー ７ 流体 ８ ひも状スペーサー切断装置 ９ ひも状スペーサー １０ ホース １１ ひも状スペーサー打ち出し装置 Ａ 搬送準備状態におけるひも状スペーサーの先端位
置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 福本 高典 福岡県北九州市戸畑区飛幡町１番１号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻き取り時のストリップ間に、圧縮流体
   によりひも状スペーサーを、供給する装置において、当
   該装置がひも状スペーサーコイル３を格納する容器１
   と、このひも状スペーサーコイル３の中心に同軸的に配
   置されたひも状スペーサーコイル３の絡み防止用のスム
   ースバー４と、前記ひも状スペーサーコイル３から供給
   されたスペーサーを切断する装置８を有することを特徴
   とするストリップへのひも状スペーサー供給装置。