JPH0677524A - 日射光光電変換装置 - Google Patents

日射光光電変換装置

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JPH0677524A
JPH0677524A JP22604092A JP22604092A JPH0677524A JP H0677524 A JPH0677524 A JP H0677524A JP 22604092 A JP22604092 A JP 22604092A JP 22604092 A JP22604092 A JP 22604092A JP H0677524 A JPH0677524 A JP H0677524A
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JP
Japan
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photoelectric conversion
solar radiation
film
glass substrate
light
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Application number
JP22604092A
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English (en)
Inventor
Manabu Yamada
学 山田
Yutaka Maeda
豊 前田
Masaya Nakamura
雅也 中村
Tomoji Terada
知司 寺田
Makoto Shirai
白井  誠
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置全体の高さを抑制しながら、日射高度が
低い日射光を確実に検出する。 【構成】 光電変換装置本体32は、ガラス基板34の
一面に位置検出素子37を形成し、他面にピンホール3
5を有する遮光膜36を形成して成る。位置検出素子3
7は光電変換膜40の両面に抵抗体膜39,41を形成
して成る。光電変換膜40はa−Si合金膜を積層して
形成される。この光電変換膜40は、極性が互いに反対
方向で直列に接続されたダイオード成分を形成し、光が
照射された部分がその光に応じて各ダイオード成分に反
対方向に光起電力を生じさせる。入力側に設定された抵
抗体膜39,41には所定の電位分布を生じている。光
電変換膜40の光が照射された部位に対応する抵抗体膜
39,41に生じている電位は、光電変換膜40を通じ
て反対側の抵抗体膜41,39に出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、日射高度,日射方位
角,日射強度を検出する必要がある用途に好適する日射
光光電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車用のオートエアコン
ディショナにおいては、車室内の空調環境を向上させる
ために、日射センサにより日射光の日射高度,日射方
位,日射強度を検出し、その検出に基づいて空調制御を
補正することが行われつつある。このようなオートエア
コンディショナに使用される日射センサの一例として
は、例えば実開昭62−189908号公報に示すよう
に、複数のソーラセルを立体的に配置した日射センサが
提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成の場合、日射光が低高度時においても所望の性能
を確保するためには、日射センサをインストルメントパ
ネル面から上方に突出させた形態で配置する必要があ
る。このため、運転者の視界に日射センサが位置するこ
とになり、運転者に違和感を与えたり、車室内の意匠性
が低下するという欠点がある。本発明は上記事情に鑑み
てなされたもので、その目的は、装置全体の高さを抑制
しながら、日射高度が低い日射光を確実に検出すること
ができる日射光光電変換装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の日射光光電変換
装置は、ガラス基板を設け、このガラス基板上に、抵抗
体膜に積層されることにより極性が互いに反対方向で直
列に接続されたダイオード成分を形成し、光が照射され
た部分がその光の強さに応じて上記各ダイオード成分に
反対方向に光起電力を生じさせる光電変換膜を設け、前
記抵抗体膜上に、当該抵抗体膜上の平面方向に沿って所
定の電位分布を生じさせる入力電極を設け、前記光電変
換膜上に、当該光電変換膜の光照射部分を介して前記抵
抗体膜上に発生した電位を取出す出力電極を設け、前記
ガラス基板における前記光電変換膜の形成面と反対面
に、当該光電変換膜に日射光をスポット状に照射させる
所定形状のピンホールを設けた上で、前記ピンホールを
0.2mm以上63.6mm以下の面積の所定形状
に設定し、前記光電変換膜の有効受光面積を1mm
上325mm以下に設定し、前記ガラス基板の板厚寸
法を0.3mm以上5mm以下に設定し、前記スポット
光の重心位置が前記ピンホールの対向範囲から外れるよ
うに構成したものである。
【0005】
【作用】入力電極に対する電圧印加より抵抗体膜上には
所定の電位分布を生じている。そして、日射センサに太
陽光が照射されると、ピンホールを通じて光電変換膜に
スポット光が照射される。すると、光電変換膜において
光が照射した部位に位置するダイオード成分に光起電力
が生じてその部位が導通状態となる。これにより、光電
変換膜を通じてスポット光が照射された部位に対応する
抵抗体膜で生じた電位が出力電極から出力されるので、
出力電極からはスポット光の位置に応じた電圧が出力さ
れる。従って、出力電極からの出力電圧に基づいてスポ
ット光の照射位置を求めることができる。この場合、光
電変換膜におけるダイオード成分の極性は反対方向に設
定されているので、抵抗体膜から出力電極に向かって漏
れ電流が流れることはない。
【0006】さて、日射高度が低いときは、種々の要因
で高い検出精度が要求される。従って、本発明では、光
電変換素子の検出能力、検出特性、検出対象となる日射
量、散乱光の影響等を加味して日射高度が低い日射光を
確実に検出することができるピンホール径,ガラス基板
の板厚,有効受光面積を規定する。従って、日射高度に
かかわらず、日射高度,日射方位,日射量を確実に検出
することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を自動車のオートコンディショ
ナに用いられる日射センサに適用した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0008】図2には、本発明の対象である全方位形の
日射センサ31の外観が示されている。この図2におい
て、日射センサ31は、光電変換装置本体32及びこれ
をモールドした状態で設けられた樹脂製の矩形状パッケ
ージ33を備えた構成となっている。
【0009】図3は上記光電変換装置本体32を概略的
に示している。この図3において、光電変換装置本体3
2は、矩形状のガラス基板34を備え、そのガラス基板
34の表面側中央部に、入射手段としてのピンホール3
5を有した遮光膜36を設けると共に、ガラス基板34
の裏面側にピンホール35から入射するスポット光を受
光してその受光位置及び受光量に応じた電気信号を出力
する位置検出素子37を設けた構成となっており、この
位置検出素子37からは図2に示すように合計4本のリ
ードフレーム38がパッケージ33の側壁部を貫通した
状態で設けられている。
【0010】さて、以下においては日射センサ31が有
する光電変換装置本体32の具体的な構成及び機能など
について図4〜図14をも参照しながら説明する。
【0011】先の図3に示すように、光電変換装置本体
32に入射する日射光は、ピンホール35によりスポッ
ト状に絞られてガラス基板34内に入射するものであ
り、その入射スポット光Hは、位置検出素子37上のP
(x,y)点を中心として受光される。この場合、上記
受光点Pの位置は、日射光の方位及び高度に応じたもの
となる。
【0012】図4には、日射光の方位及び高度の検出原
理を説明するために、ピンホール35と受光点Pとの関
係をX、Y、Zの三次元座標軸で示している。この図4
において、ピンホール35に入射する日射光とガラス基
板34の表面とがなす角度(90°−入射角)、つまり
日射光の高度をθで表すと、高屈折率部材であるガラス
基板34に入射したスポット光Hとガラス基板34の表
面及び裏面とがなす角度はθ′となる。即ち、スポット
光Hは、P(x,y)点にθ′の角度で到達する。
【0013】ここで、位置検出素子37上のY軸とP
(x,y)点とのなす角度、つまり日射光の方位φは上
記P(x,y)点に基づき次式にて算出される。
【0014】
【数1】 また、位置検出素子37において後述のように検出され
るP(x,y)点の出力を(Vx,Vy)とし、ピンホ
ール35直下の位置検出素子37上の点O(中心座標)
の出力を(V0x,V0y)、位置検出素子37の電位勾配
(V/mm)を(Δx,Δy)とすると、P(x,y)点
のX、Y各座標成分は、 x=(Vx−V0x)/Δx y=(Vy−V0y)/Δy で表される。
【0015】また、空気の屈折率を1、ガラス基板34
の屈折率をn、日射光の入射角をβ(=π/2−θ)、
日射光の屈折角をβ´(=π/2−θ´)とすると、次
式の関係がある。
【0016】sinβ/sinβ′=n そして、ガラス基板34の厚さ寸法がtであった場合、
日射光の高度θは次式(1)、(2)にて算出できる。
【0017】
【数2】 しかし、実際には、ピンホール35が設けられた遮光膜
36の厚さ寸法の大小に応じて、スポット光Hの中心の
位置が変化するため、上記式(2)に代えて、補正項α
を入れた次式(3)を利用する。
【0018】
【数3】 一方、位置検出素子37において、スポット光を受光し
たP(x,y)点に発生する光電流Jは、後述の説明に
て明らかとなるように日射強度Iに比例する。この場
合、実際の日射光の高度はθであるから、その光電流J
は日射強度Iに対し次式の関係で変化する。
【0019】J=I・sinθ 従って、日射強度Iは次式で求められる。
【0020】I=J/sinθ しかし、実際には、日射センサ32を保護するための図
示しない透明カバーやガラス基板34での表面反射によ
って、光電流Jの日射光の高度θに応じた変化曲線がサ
インカーブとならないため、次に示すような補正式を用
いる(但し、次式において、a、b、c、d、e、fは
定数を示す)。
【0021】
【数4】 尚、上記(4)式を用いて算出した位置検出素子37の
出力特性の一例を図5、図6、図7に示した。
【0022】図8には光電変換装置本体32の概略構成
を斜視図にて示し、図1には同光電変換装置本体32の
層構造を摸式的な断面図にて示した。
【0023】図8において、光電変換装置本体32が有
する位置検出素子37は、ガラス基板34の裏面に、透
明抵抗体から成るX方向抵抗体膜39、例えばアモルフ
ァスシリコン(以下a−Siと略称する)を利用した光
電変換膜40、金属電極抵抗体から成るY方向抵抗体膜
41を順次積層すると共に、X方向抵抗体膜39及びY
方向抵抗体膜41の夫々の両端部に、各抵抗体膜39及
び41より低い抵抗値の帯状電極体39a、39b及び
41a、41bを形成し、それら各電極体39a、39
b及び41a、41bから合計4本のリード電極X、
X′、Y、Y′を導出している。尚、実際には、リード
電極X、X′、Y、Y′は図2に示したリードフレーム
38に相当するものである。
【0024】この場合、互いに直交した状態で配置され
たX方向抵抗体膜39及びY方向抵抗体膜41は、互い
の間に光電変換膜40が介在されることにより直接的に
接することはなく、定常状態(光が入射していない状
態)では、各抵抗体膜39及び41は光電変換膜40に
より実質的に絶縁された状態を保っている。
【0025】以下においては、光電変換装置本体32の
各層の材質及びその詳細な構造について図1を参照しな
がら説明する。
【0026】即ち、ガラス基板34には、厚さ寸法が例
えば1.8mm程度のソーダガラス板にSiO2 をコーテ
ィングしたものを用いている。
【0027】X方向抵抗体膜39は、厚さ60nmのS
nO2 から成るもので、シート抵抗値を200Ω/□と
している。この場合、X方向抵抗体膜39に必要な機能
は、光透過性を有すること及び適当なシート抵抗値を有
することであるから、その材質としては、SnO2 に限
らず、ZnO、ITOなどのような他の透明電極材料を
使用することもできる。
【0028】尚、上記X方向抵抗体膜39のシート抵抗
値は、10Ω/cm以上で1MΩ/cm以下、好ま
しくは100Ω/cm以上で50KΩ/cm以下に
設定する。この理由としては、X方向抵抗体膜39のシ
ート抵抗値が低すぎると、出力(入力)電極の抵抗値と
の差がなくなって抵抗体として機能しなくなるからであ
り、また、そのシート抵抗値が高すぎると、光が入射し
たときの光電変換膜40の抵抗値(a−Siでは約1K
Ω〜500KΩ)より高くなって出力が得られなくなる
からである。
【0029】そして、上記のような構成のX方向抵抗体
膜39上に、a−Si合金膜をn−i−p−i−n層構
造に積層し、これにより2つのホトダイオード成分を逆
極性状態で直列接続した構造を持った光電変換膜40を
形成している。この結果、光が入射していない定常状態
では、光電変換膜40の両側面間、つまり上記のように
直列接続された各ホトダイオード成分間に極性が異なる
電圧が印加された場合でも、電流が流れることがなくな
る。
【0030】具体的には、光電変換膜40は、図9に摸
式的に示すように、光の入射方向側(X方向抵抗体膜3
9側)から、a−Siより成るn型半導体401 、真性
a−SiC(i1 −SiC)より成るi型半導体402
、a−SiCより成るp型半導体403 、真性a−S
i(i2 −Si)より成るi型半導体404 、a−Si
より成るn型半導体405 の順に積層した5層構造を有
するものであり、この構造は2つのホトダイオードを各
アノードで接続した状態と等価な状態となる。尚、光電
変換膜40は、a−Si合金膜をp−i−n−i−p層
構造に積層して形成することもできるが、この場合に形
成される2つのホトダイオードは各カソードで接続した
状態と等価な状態となる。
【0031】この光電変換膜40は、スポット光が照射
された部分だけが極めて低い抵抗値に変化することが要
求される。また、光電変換膜40において重要なこと
は、i型半導体402 (以下i1 膜402 と略称)及び
i型半導体404 (以下i2 膜404 と略称)の膜厚の
関係であり、光が入射したときに、前記各ホトダイオー
ド成分にて発生する光電流がほぼ等しい値でバランスす
るように設定することである。
【0032】従って、この場合には、光電流の値をバラ
ンスさせるために、図9に示した光電変換膜40の層構
造において、光の入射方向に対し奥方側に位置したi2
膜404 の厚さ寸法は、その手前側のi1 膜402 の厚
さ寸法より大きいことが必要であり、i1 膜402 とi
2 膜404 との厚さ寸法の比は、1:2〜1:10の範
囲内に収めることが望ましい。尚、図10には、光電変
換膜40をa−Si合金膜によってn−i−p−i−n
層構造に積層する場合の成膜条件の一例を示した。
【0033】一方、Y方向抵抗体膜41は、例えば厚さ
寸法40nm程度のTiにより形成している。このY方
向抵抗体膜41は、基本的にはX方向抵抗体膜39と同
様のものでも良いが、図9の構造からも分かるように、
光を透過させる必要が全くない。従って、Y方向抵抗体
膜41の材質としては、シート抵抗値が10Ω/cm
以上で1MΩ/cm以下のものであれば、Ti或はX
方向抵抗体膜39と同様の材質以外にも、Cr、Niな
どのような金属類や、TiN、Agペースト、Niペー
スト、Cuペーストなどを利用することができる。
【0034】図11には、位置検出素子37の回路摸式
図を示し、図12には、位置検出素子37における温度
−出力電特性と従来の光電変換膜における温度−出力電
圧特性の関係を示している。
【0035】図11に示すように、位置検出素子37
は、スポット光Hが入射したときに光電流を発生するホ
トダイオード成分対を逆極性で接続した状態にて有す
る。従って、位置検出素子37においては、ダイオード
の整流作用により逆方向の漏れ電流が流れることが阻止
されるため、温度上昇を来たした場合でも出力電圧が変
化することがなく、正確な位置検出を行い得るようにな
る。
【0036】図12にて明らかなように、上記位置検出
素子37では、スポット光が入射した位置A点、B点、
C点に対応した各出力電圧が広い温度領域で明確に異な
っており、それら出力電圧は温度の如何に拘らずほぼ一
定である。これに対して、スポット光が照射された部分
の抵抗値が下がる光導電膜を利用した従来構成では、温
度が上昇すると電子の熱励起作用によって光照射されて
いない部分に漏れ電流が流れるため、各点の出力電圧
は、温度が高くなるのに応じて、スポット光が入射した
位置に応じて分圧された値から大きくずれてしまう欠点
がある。
【0037】しかして、以下においては位置検出素子3
7の動作原理について、図13、図14を参照して概略
的に説明する。
【0038】図13は、位置検出素子37の動作原理を
示した回路摸式図である。この図13のように、透明抵
抗体(実際にはX方向抵抗体膜39)の両端に夫々0
V、5V(5Vに限定されるものではない)の電圧を印
加すると透明抵抗体に0V〜5Vの電位勾配が発生す
る。この状態で、スポット光が光電変換膜に入射する
と、その部分のダイオード成分対が導通状態を呈する。
【0039】すると、スポット光が照射された位置に対
応した透明抵抗体の特定の電位が電極(実際にはY方向
抵抗体膜41)側に導かれる。これにより、位置検出素
子37は、スポット光の入射位置に応じた電位信号が得
られる素子として機能するようになる。
【0040】実際の位置検出素子37は、透明抵抗体及
び電極部となるX方向抵抗体膜39及び電極部となるY
方向抵抗体膜41の各シート抵抗値を、夫々10Ω/c
以上で1MΩ/cm以下となるように設定すると
共に、これら各抵抗体膜39、41及び光電変換膜40
を図14と同様の積層構造としたものであり、スポット
光が入射した位置に対応したX座標及びY座標、並びに
日射強度に比例した光電流を検出するという3つの機能
を備えている。
【0041】図14には、上記3つの検出機能の原理が
示されており、以下これについて説明する。
【0042】「X座標検出」…X方向抵抗体膜39の
両端電極(リード電極X、X′)に5V及び0Vの電圧
を印加して、Y方向抵抗体膜41の両端電極(リード電
極Y、Y′)の何れか一方または双方から、その位置に
応じた電位信号Vxを得る。このとき、電流は、X方向
抵抗体膜39側からY方向抵抗体膜41側へ光電変換膜
40のスポット光の入射位置を通って流れる。
【0043】「Y座標検出」…Y方向抵抗体膜41の
両端電極(リード電極Y、Y′)に5V及び0Vの電圧
を印加して、X方向抵抗体膜39の両端電極(リード電
極X、X′)の何れか一方または双方から、その位置に
応じた電位信号Vyを得る。このとき、電流は、Y方向
抵抗体膜41側からX方向抵抗体膜39側へ光電変換膜
40のスポット光の入射位置を通って流れる。
【0044】「光電流(日射強度)検出」…Y方向抵
抗体膜41の両端電極(リード電極Y、Y′)の双方に
5Vの電圧を印加して、そのY方向抵抗体膜41上の電
位分布を均一化し、スポット光が入射した位置において
Y方向抵抗体膜41側からX方向抵抗体膜39側へ流れ
る出力電流を検出する。この出力電流は、Y方向抵抗体
膜41上の全体が同電位であるから、スポット光の入射
位置と無関係にほぼ同じレベルとなり、日射強度の大小
に応じて変化する信号となる。この場合、光電変換膜4
0は、2つのホトダイオード成分が互いに逆極性で尚且
つ同じ電気的特性となるように構成されているから、X
方向抵抗体膜39及びY方向抵抗体膜41の何れの抵抗
体膜を用いても日射強度のセンシングが可能であり、従
って、X方向抵抗体膜39の両端電極(リード電極X、
X′)の双方に5Vの電圧を印加し、Y方向抵抗体膜4
1側から出力電流を得ることもできる。
【0045】さて、上述したように上記構成の位置検出
素子37により求めたスポット光の位置に基づいて日射
高度θ及び日射方位φを演算することができると共に、
位置検出素子37からの出力電流に基づいて日射強度I
を求めることができる。ところで、日射高度θが小さい
ときは、種々の要因により高い検出精度が要求される。
従って、本実施例では、特にピンホール35の径面積,
光電変換膜40の有効受光面積S(検出可能な範囲)及
びガラス基板34の板厚tの寸法範囲を規定しており、
次にその数値規定理由について順次説明する。
【0046】(1)ピンホール35の最小径面積の規定
理由……図15は、日射高度θが5°で日射強度が10
0W/mmのときにおけるピンホール径と位置検出素
子37からの出力電流との関係を示している。ここで、
上記構成の位置検出素子37が正常に動作するには1μ
A以上の電流が必要であるので、図15からピンホール
径はφ0.5mm以上、つまり0.2mm以上の面積
に規定する必要がある。
【0047】(2)ガラス基板34の最小板厚寸法の規
定理由……図16は、ガラス基板34の板厚tが1.8
mmで且つ日射高度θが10°のときに、ピンホール径
をφ1mmからφ5mmまで変化させたときの日射高度
誤差Δθ(deg )の結果を示している。この図16から
分るように、ピンホール径がφ3mmよりも大となった
ときに誤差Δθが大幅に増大している。これは、日射高
度θが10°の入射光が光電変換膜40に到達したとき
のスポット光の中心位置はピンホール35の対応範囲
(真下範囲)の中心位置から1.5mm離れていること
から、ピンホール径がφ3mm(ピンホール35の対応
範囲の中心から1.5mm)より大きくなると、ピンホ
ール35の対応範囲にスポット光Hの中心が位置して誤
差Δθが大きくなるからである。
【0048】図17は、ピンホール径がφ1mmの日射
高度θが10°の入射光が光電変換膜40に到達したと
きのピンホール35とスポット光Hの位置関係を示す模
式図である。この図17から、本条件下では、スポット
光Hの中心位置は、ピンホールの対応範囲から外れてい
ることが分る。このことは、ピンホール径がφ1mmの
場合、低高度の入射光に対して散乱日射光の影響を受け
にくいことを意味している。ここで、散乱日射光とはピ
ンホールを通過してくる周囲光のことで、ピンホール3
5の直下に位置する対応範囲が散乱日射光を強く受け
る。
【0049】図18は、ピンホール径がφ4mmの日射
高度が10°の入射光が光電変換膜40に到達したとき
のピンホール35とスポット光Hの位置関係を示す模式
図である。この図18から、本条件下では、スポット光
Hの中心位置は、ピンホール35の対応範囲に位置して
ことが分る。このことは、ピンホール径がφ4mmの場
合、低仰角の入射光に対して散乱日射光の影響を強く受
けていることを意味している。
【0050】さて、日射高度をθとした場合、日射強度
はI=J/sin θ(Jは光電変換膜40に発生する光電
流)で表すことができる。つまり、日射強度は太陽光の
影響を受け、日射高度θの変動の影響を受けて日射強度
が変動する。ここで、図19は、日射強度Iが±20%
の精度となるときの日射高度θの許容範囲を示してい
る。ここで、日射高度θが小さいときはsin θは大きく
変動するので、この図19から分るように、日射高度θ
が小さいとき程、日射高度θの変動Δθの影響を大きく
受ける。このことは、日射高度θが小さいとき程、その
変動Δθを小さく抑制する必要があることを意味してい
るので、日射高度θが5°のときに、スポット光Hが光
電変換膜40に到達する位置がピンホール35の対応範
囲から外れることが必要である。
【0051】図20は、ピンホール35の対応範囲の中
心位置からスポット光Hの中心位置までの距離Rを日射
高度θと対応させて示した。ここで、日射高度θが5°
のときのスポット光Hの中心位置がピンホール35の対
応範囲から外れて位置させるには、最小のピンホール径
であるφ0.5mmではR=0.25となるので、図2
0からガラス基板34の最小板厚寸法はt=0.3とな
る。
【0052】(3)ガラス基板34の最大板厚寸法の理
由……ガラス板厚34が5mm以上となるとガラスカッ
トが困難となるため、ガラス基板34の最大板厚寸法は
5mmに規定する必要がある。
【0053】(4)ピンホール35の最大面積の規定理
由 ガラス基板34の最大板厚であるtが5mmの場合、図
20からR=4.5mmである。従って、ピンホール径
はφ9mm、つまり325mm以下に設定する必要が
ある。
【0054】(5)光電変換膜40の有効受光面積の規
定理由 図21は、日射高度θが5°でピンホール径を異ならし
て設定した場合におけるガラス基板34の板厚tとスポ
ット光Hの位置検出が可能な有効受光面積sとの関係を
示している。この場合、遮光膜36の厚さ寸法は50μ
m以下に設定した。この図21から、ピンホール径が最
小径であるφ0.5mmで且つガラス基板34が最小板
厚寸法である0.3mmの場合は、最低有効受光面積は
1mm必要である。また、ピンホール径が最大径であ
るφ9mmで且つガラス基板34が最大板厚寸法である
5mmの場合は、最大有効受光面積を325mm必要
となる。
【0055】上記構成のものによれば、ガラス基板34
の一面に位置検出素子37を形成し、ガラス基板34の
反対面に形成したピンホール35を通過したスポット光
の位置を位置検出素子37により検出するようにしたの
で、装置全体の高さ寸法を低く設計することができる。
従って、複数のソーラセルを立体的に配置した従来例に
比べて、運転者に違和感を与えたり、車室ないの意匠性
が低下してしまうことを防止することができる。
【0056】さらに、位置検出素子37により日射光の
位置を検出する際に、位置検出素子37の検出能力、検
出特性、検出対象となる日射量、散乱光の影響等を加味
することにより、低高度の日射光によるスポット光がピ
ンホールの対応範囲から外れるようにピンホール径,ガ
ラス基板34の板厚,有効受光面積等を規定するように
したので、日射高度が低い検出環境であっても、日射光
を確実に検出することができる。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の日射光光電変換装置によれば、ピンホール径,光電変
換膜の有効受光面積,ガラス基板の板厚寸法を規定する
ことにより、スポット光の重心位置がピンホールの対向
範囲から外れるようにしたので、装置全体の高さを抑制
しながら、日射高度が低い日射光を確実に検出すること
ができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す光電変換装置本体の層
構造を模式的に示す断面図
【図2】日射センサの斜視図
【図3】光電変換装置本体の概略的な外観を示す斜視図
【図4】日射センサによる日射光の方位及び高度の算出
原理を説明するための三次元座標図
【図5】位置検出素子による入射光の高度検出特性を示
す図
【図6】位置検出素子による入射光の方位検出特性を示
す図
【図7】位置検出素子による入射光の強度検出特性を示
す図
【図8】光電変換素子本体の概略構成を示す下方からの
斜視図
【図9】位置検出素子が有する光電変換膜の機能を説明
するための模式図
【図10】光電変換膜の成膜条件の一例を示した図
【図11】位置検出素子の回路模式図
【図12】位置検出素子における温度と出力電圧との関
係を示す特性図
【図13】位置検出素子の動作原理を示す回路模式図
【図14】位置検出素子によるスポット光の入射位置並
びに日射強度の検出機能の原理を示す実体図
【図15】光電変換装置本体のピンホール径と光電流と
の関係を示す特性図
【図16】光電変換装置のピンホール径と高度誤差との
関係を示す特性図
【図17】ピンホール径を小さく設定したときのピンホ
ールとスポット光との位置関係を示す模式図
【図18】ピンホール径を大きく設定したときのピンホ
ールとスポット光との位置関係を示す模式図
【図19】光電変換装置本体の日射高度と高度変動許容
範囲との関係を示す特性図
【図20】光電変換装置本体の日射高度とピンホールの
対応範囲の中心からの距離との関係を示す特性図
【図21】光電変換装置本体のガラス板厚と有効面積と
の関係を示す特性図
【符号の説明】
32は光電変換装置本体、34はガラス基板、35はピ
ンホール、37は位置検出素子、39は抵抗体膜、39
a,39bは出力(入力)電極、40は光電変換膜、4
1は抵抗体膜、41a,41bは出力(入力)電極であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 知司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 白井 誠 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板と、 このガラス基板上に設けられ、抵抗体膜に積層されるこ
    とにより極性が互いに反対方向で直列に接続されたダイ
    オード成分を形成し、光が照射された部分がその光の強
    さに応じて上記各ダイオード成分に反対方向に光起電力
    を生じさせる光電変換膜と、 前記抵抗体膜上に設けられ、当該抵抗体膜上の平面方向
    に沿って所定の電位分布を生じさせる入力電極と、 前記光電変換膜上に設けられ、当該光電変換膜の光照射
    部分を介して前記抵抗体膜上に発生した電位を取出す出
    力電極と、 前記ガラス基板における前記光電変換膜の形成面と反対
    面に設けられ、当該光電変換膜に日射光をスポット状に
    照射させる所定形状のピンホールとを備え、 前記ピンホールを0.2mm以上63.6mm以下
    の面積の所定形状に設定し、 前記光電変換膜の有効受光面積を1mm以上325m
    以下に設定し、 前記ガラス基板の板厚寸法を0.3mm以上5mm以下
    に設定し、 前記スポット光の重心位置が前記ピンホールの対向範囲
    から外れるように構成したことを特徴とする日射光光電
    変換装置。
JP22604092A 1992-08-25 1992-08-25 日射光光電変換装置 Pending JPH0677524A (ja)

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