JPH0677523B2 - 主として靴の踵部に使用する芯材及びその製造方法 - Google Patents

主として靴の踵部に使用する芯材及びその製造方法

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JPH0677523B2
JPH0677523B2 JP4043185A JP4318592A JPH0677523B2 JP H0677523 B2 JPH0677523 B2 JP H0677523B2 JP 4043185 A JP4043185 A JP 4043185A JP 4318592 A JP4318592 A JP 4318592A JP H0677523 B2 JPH0677523 B2 JP H0677523B2
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/08Heel stiffeners; Toe stiffeners
    • A43B23/16Heel stiffeners; Toe stiffeners made of impregnated fabrics, plastics or the like

Landscapes

  • Treatment And Processing Of Natural Fur Or Leather (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として靴の踵部に使用
する芯材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、革靴には踵部の補強をするため
の芯材(月型)が表皮と裏皮との間に挟まれて介在す
る。この芯材は、牛など動物の皮をなめしたヌメと称さ
れる生皮のほか、ボール紙、ダンボール、合成樹脂、若
しくは布に糊を含浸させたものなどが従来から用いられ
るているが、踵部の見栄えを良くし、しかも足に最もフ
ィットするためには、やはりヌメが最良であるとされて
きた。
【0003】しかしながら、従来のヌメは弾力性に乏し
く、熱に弱く、悪臭があり、踵を踏むと崩れて元に戻り
難くなり、熱で踵部の線が変化し易く、またヌメに浸み
こませた油が浸み出して靴の内面を汚す等の欠点があっ
た。しかも、ヌメを用いた靴は高価である。
【0004】そこで、出願人はこのような欠点を除去し
たヌメを製造するための方法を出願し、その出願は特許
された(特許第1,052,744号 特公昭55−4
5120号公報参照)。
【0005】この特許方法は、抜毛した生皮を水洗して
塵埃等を除去する第1の工程と、不純物を除去した生皮
を酵素剤、脱脂剤を等を溶かした水溶液の中に一定の時
間浸積する第2の工程と、酵素剤、脱脂剤等を溶かした
水溶液の中から生皮を取り出して水洗することにより生
皮に付着している酵素剤や脱脂剤等を除去する第3の工
程と、酵素剤や脱脂剤を除去された生皮を防腐剤を溶か
した水溶液の中に一定の時間浸積する第4の工程と、防
腐剤を溶かした水溶液の中に更にクロームとタンニンを
加えて生皮を一定の時間浸積する第5の工程と、クロー
ムとタンニンを加えた水溶液の中に更に中和剤を加えて
生皮を一定の時間浸積する第6の工程と、生皮を水洗
し、これを乾燥させる第7の工程とからなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生皮で
作られた月型は、踵の木型等で成形する際に、水に浸し
て柔らかくし、型に当てたまま2〜3日経過させて乾燥
する必要があり、したがって、型成形に時間を要するほ
か、その間、木型を他に使用することができないため
に、大量生産ができず、また、天然素材からなるので、
製品のバラツキが多くて品質に不揃いのものが多くなる
という不都合があった。
【0007】そこで本発明は上記事情に鑑みて、木型に
よる成形に時間を要することなく、しかも、均一品質の
芯材及びその製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る主として靴
の踵部に使用する芯材は、なめした生皮の片面に接着剤
にて含浸紙を貼着してなることを特徴とする。
【0009】そしてこの芯材を製造する方法は、抜毛し
た生皮を水洗して塵埃等を除去する第1の工程と、不純
物を除去した生皮を酵素剤、脱脂剤を等を溶かした水溶
液の中に一定の時間浸積する第2の工程と、酵素剤、脱
脂剤等を溶かした水溶液の中から生皮を取り出して水洗
することにより生皮に付着している酵素剤や脱脂剤等を
除去する第3の工程と、酵素剤や脱脂剤を除去された生
皮を防腐剤を溶かした水溶液の中に一定の時間浸積する
第4の工程と、防腐剤を溶かした水溶液の中に更にタン
ニンを加えて生皮を一定の時間浸積する第5の工程と、
タンニンを加えた水溶液の中に更に中和剤を加えて生皮
を一定の時間浸積する第6の工程と、生皮を水洗し、こ
れを乾燥させる第7の工程と、乾燥された生皮を所定の
形状に打ち抜く第8の工程と、打ち抜かれた生皮に接着
剤で含浸紙を貼着する第9の工程と、含浸紙を貼着した
生皮を所定の形状に加熱・加圧して型成形する第10の
工程と、型成形された生皮と含浸紙の表面及び生皮の裏
に熱硬化性の接着剤を塗布し、かつ、乾燥する第11
の工程とからなることを特徴とする。
【0010】そして上記含浸紙は、木材パルプを抄造し
た原紙を、SBR系合成ラテックス配合剤にディッピン
グ方式で樹脂を含浸させ乾燥させてなる擬革紙であるこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明は前記構成であるから、木型で成形する
際に、水に浸して型に当てたまま2〜3日経過させて乾
燥する必要もなく、したがって、型成形の時間を短縮し
て型の使用効率を大幅に向上させるから、大量生産にな
じみ易く、また、天然素材と合成素材とからなるので、
製品のバラツキも低く押えることができて品質の均一化
をもたらすほか、軽量となる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を図を参照して説明す
る。図1は本発明に係る芯材1を示し、この芯材1は踵
に沿う形状をしている。この芯材1は、図2に示した月
型2を木型で成形加工したものであり、表裏両面には熱
硬化性の接着剤5が塗布され、かつ、乾燥されている。
熱硬化性の接着剤5としては、例えばカウンターセメン
ト等が用いられる。
【0013】月型2は、例えば牛皮を出願人が先に提供
した前記特許方法によりなめした生皮にて作成される。
月型2の片面に合成樹脂と紙からなる含浸紙3が、接着
剤4で貼着されている。接着剤4としては、例えばポリ
ゾール等が用いられる。月型2と含浸紙3の肉厚はそれ
ぞれ従来のヌメの肉厚の約2分の1であり、また、含浸
紙3は月型2よりも小さい。
【0014】含浸紙3は、木材パルプを抄造した原紙
を、SBR系(スチレン・ブタジエン・ラバー)合成ラ
テックス配合剤にディッピング方式で樹脂を含浸させ乾
燥させてなる擬革紙であり、これにより、抄造された原
紙(ローペーパー)の繊維のフィビル化状態の絡み合い
の合間に含浸剤が入り込み、結合力を高め、かつ、強度
保持されたものである。したがって、この分子状態とな
った含浸剤の種類・量によりその能力が変化する。この
成分比は、木材パルプ(バージン主体)70パーセント
から78パーセントに対し、上記樹脂30パーセントか
ら22パーセントである。
【0015】この月型2は木型等に当て、加熱・加圧し
て成形され、成形後その表裏両面にそれぞれ熱硬化性の
接着剤5を塗布して乾燥することにより製品化される。
製品化された芯材1は製靴工場において、底をまだ付け
ていない靴(アッパー)の踵部における表皮と裏皮との
間に挟み込まれ、アッパーを足型にかぶせて約60度程
度の温度で加熱かつ加圧(ホットメルト)することによ
り、接着剤5が表皮と裏皮に貼着することにより固定さ
れる。
【0016】そこで上記芯材1の製造工程につき説明す
る。生皮のなめし工程は、例えば抜毛した牛生皮約千枚
を回転ドラムの中に投入して回転ドラムを30分程度回
転させ、牛生皮を水洗したのち回転ドラム内の水を排出
して牛生皮に付着している塵埃等の不純物を除去する。
【0017】次に回転ドラム内に摂氏40度前後に加熱
した水を牛生皮の総重量(約700キログラム)の25
0パーセント程注入し、これに酵素剤としてベーチン
(硫化アンモニューム)6キログラムと塩化アンモニュ
ーム6キログラムを、また脱脂剤としてノニコール(ア
ルキルフェノールエトキシレート)300グラムを入れ
て回転ドラムを3時間程回転させ、酵素剤、脱脂剤の溶
液の中で牛生皮を撹拌、浸積させ、牛生皮のPH(水素
イオン濃度)を8〜8.3としたのち、回転ドラム内の
水を排出する。
【0018】次に回転ドラム内に水を加えながらこれを
回転させることにより牛生皮を水洗し、牛生皮に付着し
た酵素剤や脱脂剤を除去する。そして、回転ドラム内に
牛生皮の総重量(700キログラム)の50パーセント
程度の水を注入し、これに防腐剤として硫酸5キログラ
ム及び塩化ナトリウム60キログラムを加え、回転ドラ
ムを2時間程回転させたのち、牛生皮のPHを10〜1
4とし、そのままの状態で一晩程放置する。
【0019】次に、これに透明無臭性の合成タンニン6
00グラムを加え、回転ドラムを1時間程回転させたの
ち、中和剤として炭酸水素ナトリウム5キログラムを3
回に分けて20分おきに加えて回転ドラムを6時間程回
転させ牛生皮をPH7の中性状態にしたのち、仕上工程
として牛生皮を水洗し、乾燥させる。
【0020】かくしてなめされた牛生皮を所定の形状
(前記月型2)に打ち抜き、例えばコンベアベルト等に
て連続して搬送し、自動的にその個々の月型2の踵に当
接する部位(月型の略中央部)に接着剤4をノズル等に
て塗布し、かつ含浸紙3を載せ、その含浸紙3を月型2
にホットプレス等で押圧すると共に加熱して貼着し、最
後に、月型2と含浸紙3の周縁部をバンドナイフ若しく
はコバ漉機等で切削・研磨して、図3に示したように、
断面が先細の周縁部2a,3aを形成して月型2の周縁
部を薄くする。
【0021】次に、月型2を踵の形状をした木型に当て
加熱・加圧して所定形状(図1)に成形し、成形された
月型2の表裏両面に熱硬化性の接着剤5を塗布して乾燥
させ、芯材1を完成する。この工程は、月型2を水に浸
積することなく行うから、従来に比較するときわめて短
時間で終了する。
【0022】なお、上記芯材1は靴の踵部の芯材として
使用する例につき説明したのであるが、必要であれば踵
以外の部位にも使用できることはいうまでもなく、ま
た、靴に限ることなく他の物にも採用できる。
【0023】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、水に浸積
しないため、型で成形するとき乾燥時間が省略でき、し
たがって工程の短縮化とそれに要する人件費等の節約が
でき、また、大量生産工程に馴染み易くなる。さらに、
なめした生皮に含浸紙を貼着するので、従来必要とした
生皮の肉厚の半分あればよいから、天然素材である生皮
の節約ができ、したがって軽量化とコスト安をもたらす
ほか、製品のバラツキも低く押えることができて品質の
均一化をもたらす、等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る芯材を示す斜視図。
【図2】図1の展開図。
【図3】図2のA−A断面拡大図。
【符号の説明】
1…芯材、2…月型、3…含浸紙、4,5…接着剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 なめした生皮の片面に接着剤にて含浸紙
    を貼着してなることを特徴とする主として靴の踵部に使
    用する芯材。
  2. 【請求項2】 含浸紙は木材パルプを抄造した原紙を、
    SBR系合成ラテックス配合剤にディッピング方式で樹
    脂を含浸し、かつ、乾燥させてなる擬革紙であることを
    特徴とする請求項1に記載の主として靴の踵部に使用す
    る芯材。
  3. 【請求項3】 抜毛した生皮を水洗して塵埃等を除去す
    る第1の工程と、不純物を除去した生皮を酵素剤、脱脂
    剤を等を溶かした水溶液の中に一定の時間浸積する第2
    の工程と、酵素剤、脱脂剤等を溶かした水溶液の中から
    生皮を取り出して水洗することにより生皮に付着してい
    る酵素剤や脱脂剤等を除去する第3の工程と、酵素剤や
    脱脂剤を除去された生皮を防腐剤を溶かした水溶液の中
    に一定の時間浸積する第4の工程と、防腐剤を溶かした
    水溶液の中に更にタンニンを加えて生皮を一定の時間浸
    積する第5の工程と、タンニンを加えた水溶液の中に更
    に中和剤を加えて生皮を一定の時間浸積する第6の工程
    と、生皮を水洗し、これを乾燥させる第7の工程と、乾
    燥された生皮を所定の形状に打ち抜く第8の工程と、打
    ち抜かれた生皮に接着剤で含浸紙を貼着する第9の工程
    と、含浸紙を貼着した生皮を所定の形状に加熱・加圧し
    て型成形する第10の工程と、型成形された生皮と含浸
    紙の表面及び生皮の裏面に熱硬化性の接着剤を塗布し、
    かつ、乾燥する第11の工程とからなることを特徴とす
    る、主として靴の踵部に使用する芯材の製造方法。
  4. 【請求項4】 含浸紙は木材パルプを抄造した原紙を、
    SBR系合成ラテックス配合剤にディッピング方式で樹
    脂を含浸し、かつ、乾燥させてなる擬革紙であることを
    特徴とする請求項3に記載の主として靴の踵部に使用す
    る芯材の製造方法。
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