JP2753690B2 - 牛・豚等鞣革製ジーンズ及びその製造法 - Google Patents
牛・豚等鞣革製ジーンズ及びその製造法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、表面がジーンズ模様
である牛・豚等の鞣革、特に表面が洗いざらしのジーン
ズ生地模様の牛・豚等の鞣革に関するものである。
である牛・豚等の鞣革、特に表面が洗いざらしのジーン
ズ生地模様の牛・豚等の鞣革に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】牛や豚等の鞣革の表面に凹凸およびスェ
ードからなる模様を形成する方法は、鞣革の表面に型押
しにより凹凸模様を物理的に形成する方法と鞣革の表面
をヤスリで削ってスウェード状の模様を形成する方法を
組み合わせて形成される。ところで、このような方法は
物理的機械的な模様付けを手作業で行うので非常に熟練
した技術を要し、多くの時間と労力がかかり、かつ細か
い模様の形成には限界があった。したがって鞣革表面に
このような物理的機械的加工方法のみで大まかな模様付
けはできても、ジーンズ生地の洗いざらしの生地の感触
を表現した細かい生地模様などを形成することは困難で
あった。
ードからなる模様を形成する方法は、鞣革の表面に型押
しにより凹凸模様を物理的に形成する方法と鞣革の表面
をヤスリで削ってスウェード状の模様を形成する方法を
組み合わせて形成される。ところで、このような方法は
物理的機械的な模様付けを手作業で行うので非常に熟練
した技術を要し、多くの時間と労力がかかり、かつ細か
い模様の形成には限界があった。したがって鞣革表面に
このような物理的機械的加工方法のみで大まかな模様付
けはできても、ジーンズ生地の洗いざらしの生地の感触
を表現した細かい生地模様などを形成することは困難で
あった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の物理
的機械的加工方法に代わる加工方法により、鞣革のスウ
ェード表面にジーンズ生地の洗いざらしの生地の感触を
表現した細かい生地模様を有する牛・豚等鞣革製ジーン
ズおよびその製造方法を提供することである。
的機械的加工方法に代わる加工方法により、鞣革のスウ
ェード表面にジーンズ生地の洗いざらしの生地の感触を
表現した細かい生地模様を有する牛・豚等鞣革製ジーン
ズおよびその製造方法を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の課題を解
決するための手段は、牛・豚等の塩蔵原皮を水漬して軟
化と共に塩分を除去し、石灰および硫化曹達の混合液に
浸漬して脱毛した後機械的に上皮から下皮を剥離し、硫
安および酵素を有する水溶液で上皮を水洗中和して石灰
分を除去し、次工程のクローム鞣の準備として水に塩及
び硫酸を加えてｐＨ調整した後、クローム塩を添加した
混合液で鞣し、鞣し終わった皮の水分を除去した後適宜
厚さに機械で削り、次いで皮を重曹で中和した後、合成
油で加脂をして柔軟化し、熱板上に広げて真空減圧によ
り乾燥し、さらにかげ干しにより完全乾燥した後、加湿
してステーキング加工して柔軟化し、ネット張りにより
整形乾燥し、表皮の肌をバフ掛けした後、紺色に染色
し、さらにかげ干した後ネット張りし、次いでジーンズ
織り目を型押した後、バフ研磨の強さを部分的に変化し
てバフ掛けして織り目表面の凸部を削るとともにさらに
皮革内部の未染色の白い部分を一層局部的に革表面に現
出させてジーンズの洗いざらしの表面形状を形成して
後、加脂しメラミン樹脂加工し、ネット張り、アイロン
掛けしてジーンズ模様の洗いざらしの生地の感触を形成
することことであり、このようにして製造したジーンズ
模様の洗いざらしの生地の感触を有する牛・豚等鞣革製
ジーンズである。
決するための手段は、牛・豚等の塩蔵原皮を水漬して軟
化と共に塩分を除去し、石灰および硫化曹達の混合液に
浸漬して脱毛した後機械的に上皮から下皮を剥離し、硫
安および酵素を有する水溶液で上皮を水洗中和して石灰
分を除去し、次工程のクローム鞣の準備として水に塩及
び硫酸を加えてｐＨ調整した後、クローム塩を添加した
混合液で鞣し、鞣し終わった皮の水分を除去した後適宜
厚さに機械で削り、次いで皮を重曹で中和した後、合成
油で加脂をして柔軟化し、熱板上に広げて真空減圧によ
り乾燥し、さらにかげ干しにより完全乾燥した後、加湿
してステーキング加工して柔軟化し、ネット張りにより
整形乾燥し、表皮の肌をバフ掛けした後、紺色に染色
し、さらにかげ干した後ネット張りし、次いでジーンズ
織り目を型押した後、バフ研磨の強さを部分的に変化し
てバフ掛けして織り目表面の凸部を削るとともにさらに
皮革内部の未染色の白い部分を一層局部的に革表面に現
出させてジーンズの洗いざらしの表面形状を形成して
後、加脂しメラミン樹脂加工し、ネット張り、アイロン
掛けしてジーンズ模様の洗いざらしの生地の感触を形成
することことであり、このようにして製造したジーンズ
模様の洗いざらしの生地の感触を有する牛・豚等鞣革製
ジーンズである。
【０００５】
【作用】本発明は牛・豚等のクローム鞣を常法で行った
皮革を柔軟化し、バフ掛けしてスウェードとした後、紺
色に染色し、その染色表面にジーンズ織り目を型押した
後バフ掛けして織り目表面の凸部を削ったので、織り目
凸部の内部の染めの薄い部分が表面に露出してジーンズ
の織り目が折り糸状に浮かびでて、織布と見紛う表面と
なる。さらに、バフ研磨の強さを部分的に変化させるこ
とにより、皮革内部の未染色の白い部分が一層局部的に
現れ、その結果ジーンズの洗いざらしの表面性状が得ら
れる。
皮革を柔軟化し、バフ掛けしてスウェードとした後、紺
色に染色し、その染色表面にジーンズ織り目を型押した
後バフ掛けして織り目表面の凸部を削ったので、織り目
凸部の内部の染めの薄い部分が表面に露出してジーンズ
の織り目が折り糸状に浮かびでて、織布と見紛う表面と
なる。さらに、バフ研磨の強さを部分的に変化させるこ
とにより、皮革内部の未染色の白い部分が一層局部的に
現れ、その結果ジーンズの洗いざらしの表面性状が得ら
れる。
【０００６】
【実施例】本発明を、図１の工程図に従って説明する。
水漬工程：牛の塩漬け原皮を軟化し、塩分を除去するた
めに、原皮を水漬けする。次いで、脱毛工程：石灰、硫
化曹逹、水の混合液に数日付け込んで脱毛する。漉割工
程：脱毛の終わった皮は鞣し易い厚さにするため、上皮
と下皮の２枚に機械で割り、上皮を使用することとす
る。次いで、脱灰工程：上皮中に含まれている石灰分を
除去するために水洗し、硫安および酵素を加えて中和す
るとともに皮の表面を滑らかにする。浸酸工程：次工程
のクローム鞣の準備として水、NaCl、硫酸にてｐＨを
２．５に調節した溶液を準備してこの溶液に皮を浸し、
次いで、クローム鞣工程：別浴である水、クローム塩、
塩からなる混合液に浸酸の終わった皮を浸漬し、ｐＨを
３．８〜４にＮａＨＣＯ3 で調整し、クローム鞣しを行
い、クローム鞣を終わる。次いで、シェービング工程：
鞣し終わった革を搾ったのち適当な厚さに機械で削る。
次いで、中和工程：革を重曹でｐＨ６に中和して１０％
合成油に漬して柔軟化処理する。次いで、乾燥工程：真
空にて減圧した容器中で８０℃の熱板にて、９０％乾燥
する。ガラ干工程：陰にてガラ干して完全乾燥する。次
いで、味取工程：加湿して革を物理的機械的に柔らかく
するステーキング加工する。ネット張り工程：柔らかく
なった革を広げて張り整形と乾燥のネット張りをする。
次いで、バフ掛け工程：表の肌を取るためにサンドペー
パーを張ったローラーでバフ掛けをする。次いで、染色
工程：濃紺に染色した後、ガラ干工程：ネット張りして
陰でガラ干しする。次いで、型押工程：ジーンズ織り目
の型で型押しする。バフ掛け工程：型押しされた革の表
面をバフ掛けする。この時革の全面は均一なバフ強さで
行い、部分的にバフ掛けの強度を増して、皮革内部の未
染色の白い部分が一層局部的に現れるようにして、ジー
ンズ模様にさらにジーンズの洗いざらしの風合いを付け
た後、加脂しメラミン樹脂加工し、ネット張り工程：ネ
ット張りし、アイロン掛け工程：アイロン掛けして仕上
げる。
水漬工程：牛の塩漬け原皮を軟化し、塩分を除去するた
めに、原皮を水漬けする。次いで、脱毛工程：石灰、硫
化曹逹、水の混合液に数日付け込んで脱毛する。漉割工
程：脱毛の終わった皮は鞣し易い厚さにするため、上皮
と下皮の２枚に機械で割り、上皮を使用することとす
る。次いで、脱灰工程：上皮中に含まれている石灰分を
除去するために水洗し、硫安および酵素を加えて中和す
るとともに皮の表面を滑らかにする。浸酸工程：次工程
のクローム鞣の準備として水、NaCl、硫酸にてｐＨを
２．５に調節した溶液を準備してこの溶液に皮を浸し、
次いで、クローム鞣工程：別浴である水、クローム塩、
塩からなる混合液に浸酸の終わった皮を浸漬し、ｐＨを
３．８〜４にＮａＨＣＯ3 で調整し、クローム鞣しを行
い、クローム鞣を終わる。次いで、シェービング工程：
鞣し終わった革を搾ったのち適当な厚さに機械で削る。
次いで、中和工程：革を重曹でｐＨ６に中和して１０％
合成油に漬して柔軟化処理する。次いで、乾燥工程：真
空にて減圧した容器中で８０℃の熱板にて、９０％乾燥
する。ガラ干工程：陰にてガラ干して完全乾燥する。次
いで、味取工程：加湿して革を物理的機械的に柔らかく
するステーキング加工する。ネット張り工程：柔らかく
なった革を広げて張り整形と乾燥のネット張りをする。
次いで、バフ掛け工程：表の肌を取るためにサンドペー
パーを張ったローラーでバフ掛けをする。次いで、染色
工程：濃紺に染色した後、ガラ干工程：ネット張りして
陰でガラ干しする。次いで、型押工程：ジーンズ織り目
の型で型押しする。バフ掛け工程：型押しされた革の表
面をバフ掛けする。この時革の全面は均一なバフ強さで
行い、部分的にバフ掛けの強度を増して、皮革内部の未
染色の白い部分が一層局部的に現れるようにして、ジー
ンズ模様にさらにジーンズの洗いざらしの風合いを付け
た後、加脂しメラミン樹脂加工し、ネット張り工程：ネ
ット張りし、アイロン掛け工程：アイロン掛けして仕上
げる。
【０００７】上記の処理をした皮革はジーンズの洗いざ
らしの織布と見間違う出来ばえであつた。
らしの織布と見間違う出来ばえであつた。
【０００８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の処理工程
により、牛皮、豚皮等の原皮から従来無かったジーンズ
の洗いざらしの織布の感触を有する革製品が得られ、織
布に比べて耐久力があり、且つ、柔軟性に富んだ革製品
であるので、上着、ズボン等の衣服、或いはバッグや
靴、その他種々の製品として、或いは製品の部分的な装
飾として広く使用することができる。
により、牛皮、豚皮等の原皮から従来無かったジーンズ
の洗いざらしの織布の感触を有する革製品が得られ、織
布に比べて耐久力があり、且つ、柔軟性に富んだ革製品
であるので、上着、ズボン等の衣服、或いはバッグや
靴、その他種々の製品として、或いは製品の部分的な装
飾として広く使用することができる。
【図１】本発明の方法の工程図を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項１】 牛・豚等の鞣革のスウェードの表面にジ
ーンズ織り目に沿う紺色の濃淡線状からなる織り目模様
と、該織り目模様からなる革全面に局部的に研磨力の強
度の差により形成のジーンズ布地の洗いざらし模様の白
濁部を有し、かつメラミン樹脂加工されていることを特
徴とする牛・豚等鞣革製ジーンズ。 - 【請求項２】 牛・豚等の塩蔵原皮を水漬して軟化と共
に塩分を除去し、石灰および硫化曹達の混合液に浸漬し
て脱毛した後機械的に上皮から下皮を剥離し、硫安およ
び酵素を有する水溶液で上皮を水洗中和して石灰分を除
去し、次工程のクローム鞣の準備として水に塩及び硫酸
を加えてｐＨ調整した後、クローム塩を添加した混合液
で鞣し、鞣し終わった皮の水分を除去した後適宜厚さに
機械で削り、次いで皮を重曹で中和した後、合成油で加
脂をして柔軟化し、熱板上に広げて真空減圧により乾燥
し、さらにかげ干しにより完全乾燥した後、加湿してス
テーキング加工して柔軟化し、ネット張りにより整形乾
燥し、表皮の肌をバフ掛けした後、紺色に染色し、さら
にかげ干した後ネット張りし、次いでジーンズ織り目を
型押した後、バフ研磨の強さを部分的に変化してバフ掛
けして織り目表面の凸部を削るとともにさらに皮革内部
の未染色の白い部分を一層局部的に革表面に現出させて
ジーンズの洗いざらしの表面形状を形成して後、加脂し
メラミン樹脂加工し、ネット張り、アイロン掛けしてジ
ーンズ模様の洗いざらしの生地の感触を形成することを
特徴とする牛・豚等鞣革製ジーンズの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7145480A JP2753690B2 (ja) | 1995-05-19 | 1995-05-19 | 牛・豚等鞣革製ジーンズ及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7145480A JP2753690B2 (ja) | 1995-05-19 | 1995-05-19 | 牛・豚等鞣革製ジーンズ及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08311500A JPH08311500A (ja) | 1996-11-26 |
| JP2753690B2 true JP2753690B2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=15386237
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7145480A Expired - Fee Related JP2753690B2 (ja) | 1995-05-19 | 1995-05-19 | 牛・豚等鞣革製ジーンズ及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2753690B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100422784B1 (ko) * | 2001-08-16 | 2004-03-12 | 정찬명 | 청지직물시트의 엠보싱 가공방법 및 이를 이용한 엠보싱청지직물시트 |
| JP4689178B2 (ja) * | 2004-03-05 | 2011-05-25 | 協伸株式会社 | インクジェットにより染色した皮革の製造方法および該方法により染色した皮革 |
| CN104643352B (zh) * | 2015-02-06 | 2016-08-24 | 宁波博洋控股集团有限公司 | 仿旧牛仔服装的制备方法 |
| CN114504153A (zh) * | 2022-02-10 | 2022-05-17 | 哈斯娜 | 一种皮革艺术服装制作工艺 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6121998A (ja) * | 1984-07-10 | 1986-01-30 | Hitachi Cable Ltd | 半絶縁性化合物半導体結晶とその製造方法 |
-
1995
- 1995-05-19 JP JP7145480A patent/JP2753690B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08311500A (ja) | 1996-11-26 |
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Legal Events
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