JPH06774A - 研削研磨用砥石 - Google Patents

研削研磨用砥石

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JPH06774A
JPH06774A JP18628292A JP18628292A JPH06774A JP H06774 A JPH06774 A JP H06774A JP 18628292 A JP18628292 A JP 18628292A JP 18628292 A JP18628292 A JP 18628292A JP H06774 A JPH06774 A JP H06774A
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polishing
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Manabu Tomitani
学 富谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続加工を行って累積研削研磨数が増加して
も、加工能力が低下しないようにする。 【構成】 砥粒1と、アルカリ結晶(アルカリ金属の水
酸化物の結晶またはアルカリ土類金属の水酸化物の結
晶)2とを、ボンド材である樹脂3中に混入し、固定し
て研削研磨用砥石とする。研削研磨面に現れたアルカリ
結晶は研削研磨液によって溶解し、被研削研磨物との研
削研磨界面に強アルカリ性溶液を提供する。この強アル
カリ性溶液は、砥石表面の樹脂3を侵食し、樹脂3は強
度が小さくなって崩れ、ドレッシングされる。このドレ
ッシングが、砥石表面の目詰まりや目つぶれの層を取り
除き、新しい研削研磨面を出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研削研磨用砥石に係
り、特にボンド材にて砥粒を固定してなる研削研磨用砥
石に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂からなるボンド材により砥
粒を固定した研削研磨用砥石が知られている。例えば、
特開昭59−134647号公報には、フェノール樹脂
と、酸化セリウムと、硬化剤との混合物を加熱し、強制
乾燥し、粗砕後固形化してなる光学部品用の研磨具が開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の光
学部品の研磨具を用いて光学ガラスの研磨加工を行った
ところ、研磨面にて砥粒の先端が過度に摩滅・平坦化す
る目つぶれや、切りくずが砥石表面に付着して排出でき
なくなる目詰まりの現象が生じ、連続加工を行った場合
には、図7に示すように、加工能力が低下してしまっ
た。図7は、横軸に累積研削研磨数(個)をとり、縦軸
に加工能力(μm/min)をとったもので、同図から
判るように、従来例の研磨具では、累積研削研磨数が増
加するにしたがって加工能力の低下が見られた。
【0004】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、連続加工を行って累積研削研磨数が増加
しても加工能力が低下しない研削研磨砥石を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するために、本発明の研削研磨用砥石は、水溶液にな
るとボンド材を分解または溶解する水溶性の粉末と砥粒
とをボンド材に混入して固定することとした。このよう
な研削研磨用砥石としては、例えば、研削研磨砥粒と、
アルカリ金属の水酸化物の結晶またはアルカリ土類金属
の水酸化物の結晶とを、ボンド材である樹脂に混入して
固定させたものが考えられる。また、ボンド材として金
属を用いたり、ボンド材を分解または溶解する水溶性の
物質として酸性の物質を用いることも考えられる。
【0006】本発明の研削研磨用砥石によると、ボンド
材に混入した水溶性物質(粉末)が研削研磨加工中に加
工液(研削研磨液)中に溶解して溶液となり、この溶液
によって砥石の加工面表面のボンド材が分解または溶解
する。溶液によるボンド材の分解または溶解に伴って研
削研磨加工により摩滅した研削研磨砥粒が除去され、研
削研磨用砥石はドレッシングされる。
【0007】図1は本発明の研削研磨用砥石を示すもの
で、砥粒1と、アルカリ結晶(アルカリ金属の水酸化物
の結晶またはアルカリ土類金属の水酸化物の結晶)2と
が、ボンド材である樹脂3中に混入され、固定されてい
る。図6は、図1に示す研削研磨用砥石の研削研磨面4
以外の表面を撥水性樹脂5で覆った例を示す。
【0008】前記アルカリ結晶2は、例えば水からなる
研削研磨液に溶解して強アルカリ性を呈す。強アルカリ
性水溶液は樹脂3を分解または溶解することにより、砥
石1のボンド材である樹脂3を侵食する作用がある。
【0009】図2に示すように、本発明の研削研磨用砥
石を用いて研削研磨加工を行うと、研削研磨面4に現れ
たアルカリ結晶2は研削研磨液6によって溶解し、被研
削研磨物7との研削研磨界面に強アルカリ性溶液8を提
供する。研削研磨界面の強アルカリ性溶液8は、研削研
磨用砥石表面の樹脂3を侵食する。強アルカリ性溶液8
によって侵食された研削研磨用砥石表面の樹脂3は、強
度が小さくなり、研削研磨中に崩れ、ドレッシングされ
る。このドレッシングが、研削研磨用砥石表面の目詰ま
りや目つぶれの層を取り除き、新しい研磨面を出す作用
がある。
【0010】また、図6に示す研削研磨用砥石では、研
削研磨面4以外の表面を覆った撥水性樹脂5は水をはじ
く作用があるため、研削研磨面4以外の表面に突出して
いるアルカリ結晶2は研削研磨液6と接触せず、研削研
磨面4以外は侵食されない。
【0011】
【実施例1】本実施例の研削用砥石は、砥粒1に#10
00のダイヤモンド砥粒(平均粒径22〜18μm)を
用い、アルカリ結晶2に#400の水酸化カルシウムの
結晶を用い、これらをフェノール樹脂からなる樹脂3に
よって固定し、図1の構造をもつ研削用砥石である。こ
の研削用砥石は、図3に示すように、砥粒1のダイヤモ
ンド砥粒70gと樹脂3のフェノール樹脂20gとアル
カリ結晶2の水酸化カルシウム10gを均一に混合した
混合物を冷間圧縮し、150℃で焼成して得られたもの
である。
【0012】本実施例の研削用砥石を用いて研削加工を
行うと、表面に現れた水酸化カルシウムは水溶性の研削
液によって溶解し、研削界面に強アルカリ性溶液を提供
する。研削界面の強アルカリ性溶液は、研削用砥石表面
のフェノール樹脂を侵食する。強アルカリ性溶液によっ
て侵食された研削用砥石表面のフェノール樹脂は、強度
が小さくなり、研削中に崩れ、ドレッシングされる。こ
のドレッシングが、研削用砥石表面の目詰まりや目つぶ
れの層を取り除き、新しい研削面を出す作用がある。
【0013】本実施例の研削用砥石9を、図4に示すよ
うに、直径150mm、厚さ10mmの形状に成形し、
台皿10上に貼付けて、セラミックス材料(主成分:窒
化ケイ素)を100個研削加工した結果を図7に示す。
図7から判るように、本実施例の研削用砥石9は、連続
加工中で、目詰まりや目つぶれに伴う加工能力の低下は
全くみられなかった。
【0014】以上のように、本実施例により、研削用砥
石9の表面の目詰まりや目つぶれの層をドレッシングに
よって取り除く作用を有し、連続加工を行っても加工能
力の低下しない研削用砥石9が提供された。
【0015】本実施例では、アルカリ結晶2には水酸化
カルシウムを用いたが、他にも水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸
化ストロンチウム、水酸化バリウム等のいずれを用いて
もよく、また、樹脂3にフェノール樹脂を用いたが、他
に尿素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコー
ル樹脂、グリプタル樹脂等のいずれを用いても本実施例
と同じ作用による効果が確認された。
【0016】
【実施例2】本実施例の研磨用砥石は、砥粒1に酸化セ
リウム系研磨砥粒(平均砥粒1.0μm)を用い、アル
カリ結晶2に#600の水酸化ナトリウムの結晶を用
い、これらをフェノール樹脂からなる樹脂3によって固
定した図1の構造をもつ、ケイ酸塩ガラスの研磨用砥石
である。
【0017】本実施例のケイ酸塩ガラスの研磨用砥石
は、図3に示すように、砥粒1の酸化セリウム系研磨砥
粒200gと樹脂3のフェノール樹脂25gとアルカリ
結晶2の水酸化ナトリウム40gを均一に混合した混合
物を冷間圧縮し、150℃で焼成して得られたものであ
る。
【0018】本実施例のケイ酸塩ガラスの研磨用砥石
は、前記実施例1に述べた作用と同様の作用を有してい
るとともに、アルカリ結晶2に水酸化ナトリウムを用い
たことにより、被研削研磨物にケイ酸塩ガラスを用いた
場合、ケイ酸塩ガラスの表面を溶解しながら研磨加工を
行うメカノケミカル作用も有している。
【0019】前記メカノケミカル作用について詳細に説
明する。本実施例のケイ酸塩ガラスの研磨用砥石で研磨
加工すると、図2に示すように、表面に突出した水酸化
ナトリウムのアルカリ結晶2は、水溶性の研削研磨液6
によって溶解し、強アルカリ性溶液8を提供する。水酸
化ナトリウムの強アルカリ性溶液8はケイ酸塩ガラスの
ケイ酸(SiO2 )と反応し、溶解する作用がある。そ
のため、本実施例の研磨用砥石は被研削研磨物7である
ケイ酸塩ガラスの研磨面を砥石表面から提供される強ア
ルカリ性溶液8によって溶解しながら、更に酸化セリウ
ム系研磨砥粒の砥粒1で機械的な研磨加工も行うメカノ
ケミカル作用を行う。
【0020】本実施例の研磨用砥石11を図5に示すよ
うに直径17.2mm、厚さ6mm、曲率半径9.23
mmの凸形に成形し、台皿10に貼付けてケイ酸塩光学
ガラスを100個加工した結果を図7に示す。
【0021】図7から判るように、本実施例の研磨用砥
石11は、連続加工中で、目詰まりや目つぶれに伴う加
工能力の低下は全くみられなかった。
【0022】以上のように、本実施例により、研磨用砥
石11の表面の目詰まりや目つぶれの層をドレッシング
によって取り除く作用と被研削研磨物7を溶解しながら
研磨するメカノケミカル作用とを有し、連続加工を行っ
ても加工能力の低下しない研磨用砥石11が提供され
た。
【0023】
【実施例3】本実施例の砥石は、実施例2の研磨用砥石
11の研磨面4以外からの侵食を防止することを目的と
し、実施例2で得られた研磨用砥石11の研磨面4以外
の表面に撥水性樹脂5であるテフロンをコートした図6
に示される研磨用砥石である。
【0024】本実施例の研磨用砥石は、実施例2で得ら
れた研磨用砥石11の全表面をテフロンでコートし、そ
の後、研磨面4だけを#1200の砂と被研磨物て同等
の曲率を有するラッピング工具でラッピングし、研磨面
4のテフロンのコートを取り除いて得られた。
【0025】本実施例で研磨用砥石表面にコートしたテ
フロンは撥水性のため水をはじく作用がある。その撥水
性樹脂5で研磨面4以外の表面を覆ったことにより、研
磨面4以外の表面に突出しているアルカリ結晶2は水溶
性の研磨液6と接触せず、研磨面4以外の侵食が生じな
い。よって、本実施例の研磨用砥石により、実施例2の
研磨用砥石11の有する効果を得るとともに、研磨面4
以外からの侵食を防止する効果も得られた。
【0026】本実施例では撥水性樹脂5にテフロンを用
いたが、他にアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステルに代表される撥水性樹脂を用いてもよ
い。
【0027】なお、上記各実施例において、研削研磨液
6としては水を用いるのが理想的である。
【0028】
【発明の効果】本発明の研削研磨用砥石によれば、研削
研磨面の目詰まりや目つぶれの層をドレッシングによっ
て取り除く作用を有するため、連続加工を行って累積研
削研磨数が増加しても加工能力は低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研削研磨用砥石を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明の研削研磨用砥石を用いて研削研磨加工
を行っている状態を示す一部縦断面図である。
【図3】本発明の研削研磨用砥石の製造工程を示す工程
図である。
【図4】本発明の実施例1の研削用砥石を用いた研削具
を示す一部縦断面図である。
【図5】本発明の実施例2の研磨用砥石を用いた研磨具
を示す一部縦断面図である。
【図6】本発明の実施例3の研磨用砥石を用いた研磨具
を示す一部縦断面図である。
【図7】累積研削研磨数と加工能力との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 砥石 2 アルカリ結晶 3 樹脂 5 撥水性樹脂 6 研削研磨液 9 研削用砥石 11 研磨用砥石

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボンド材にて砥粒を固定してなる研削研
    磨用砥石において、その水溶液がボンド材を分解または
    溶解する水溶性の粉末と砥粒とをボンド材に混入して固
    定したことを特徴とする研削研磨用砥石。
  2. 【請求項2】 前記水溶性の粉末がアルカリ金属の水酸
    化物の結晶またはアルカリ土類金属の水酸化物の結晶か
    らなり、前記ボンド材が樹脂からなることを特徴とする
    請求項1記載の研削研磨用砥石。
  3. 【請求項3】 研削研磨面以外の表面を撥水性樹脂によ
    り覆ったことを特徴とする請求項1または2記載の研削
    研磨用砥石。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6458704B2 (en) * 1999-06-17 2002-10-01 National Semiconductor Corporation Light sensitive chemical-mechanical polishing method
KR100428881B1 (ko) * 1995-07-18 2004-07-23 가부시키 가이샤 에바라 세이사꾸쇼 폴리싱포의폴리싱표면의드레싱방법및드레싱장치
CN105817976A (zh) * 2016-03-23 2016-08-03 大连理工大学 一种纳米深度损伤层高效超精密磨削方法

Cited By (4)

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