JPH0676735A - シャドウマスクの製造方法 - Google Patents

シャドウマスクの製造方法

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JPH0676735A
JPH0676735A JP22825492A JP22825492A JPH0676735A JP H0676735 A JPH0676735 A JP H0676735A JP 22825492 A JP22825492 A JP 22825492A JP 22825492 A JP22825492 A JP 22825492A JP H0676735 A JPH0676735 A JP H0676735A
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photosensitive resin
drying
thin plate
metal thin
resist film
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JP22825492A
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Inventor
Yasuhisa Otake
康久 大竹
Seiji Sago
誠司 佐合
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 開孔品位に影響するレジスト膜を所望厚さに
均一に塗布形成する。 【構成】 表面を清浄にされ水平方向に搬送される金属
薄板1の一方の主面に第1コーター15aにて感光性樹脂
液6aを塗布する。その後、乾燥炉16aを通すことによ
り金属薄板1の一方の主面に目的とする厚さを有するレ
ジスト膜4aを形成する。このとき乾燥炉16aをでた時
点でレジスト膜4aの温度を非接触の放射温度計28aに
て測定し、常に60℃乃至80℃の設定温度範囲に入って出
てくるようにヒーター電圧および熱風熱源へフィードバ
ック制御を行なう。次いで、ターンローラー18bを介し
て金属薄板1を反転して水平に搬送し、上記と同様にし
て第2コーター15bにより金属薄板1の他方の主面に目
的とする厚みの感光性樹脂液6bの塗膜を形成し、乾燥
炉16bを通すことで、両方の主面に感光性樹脂膜を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー受像管に使用す
るシャドウマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シャドウマスク型カラー受像管
は、多数のビーム開孔が所定のピッチで配列され蛍光面
に近接対向して配置されたシャドウマスクを有してい
る。このシャドウマスクは、電子銃からの赤、青および
緑に対応する3本の電子ビームを1つのビーム開孔近傍
で集中させ赤、青および緑に対応するように塗り分けら
れた蛍光面に正しく対応射突してカラー画像を再現す
る、いわゆる色選別機能を有する重要な部材の一つであ
る。従って、シャドウマスクのビーム開孔形状の歪、ビ
ーム開孔と対応する蛍光体層との配置歪およびシャドウ
マスクと蛍光面の一定の距離の歪は、その許容範囲を越
えると、いずれも色純度の劣化等の特性上の重大な支障
をもたらすことになる。シャドウマスクの各ビーム開孔
は、一般に斜めに入射する電子ビームの一定の通過量を
確保するために、図4に示すような断面形状を有してい
る。即ち、帯状金属薄板1の蛍光面側の開孔2(以下、
大孔と称する)は、電子銃側の開孔3(以下、小孔と称
する)の約3倍の面積を有するように穿設されている。
【0003】このようなシャドウマスクは、以下のよう
な工程を経て製造される。先ず、図5(a)に示すよう
にシャドウマスク素材である帯状金属薄板1の両面に、
感光性樹脂層例えば感光剤を含むレジスト膜4を被着形
成する。次いで、所定の開孔面積に対応するマスクパタ
ーンを介してレジスト膜4の所定部を感光させ、現像処
理により図5(b)に示すように開孔させるべき大孔2
および小孔3部分のレジスト膜4を除去して素材面を露
出させる。次いで、素材が鉄を主成分とするものである
ときは、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液により
エッチングし、図5(c)に示すような所定の開孔を穿
設する。その後、残余のレジスト膜4を除去して得られ
たフラットマスクを成形して完成品となる。
【0004】ところで、図4に示すような所定の開孔形
状において、シャドウマスクの開孔寸法精度制御にもっ
とも関与するのは、小孔3側からのエッチングであり、
このためには大孔2側からのエッチングも制御されてい
なければならない。また、当然のことながら、大孔2側
のエッチング量は、小孔3側のエッチング量より大きく
なくてはならない。このような条件に対して、大孔2側
のエッチング孔面積は小孔3のエッチング孔面積の約3
倍と大きいため、エッチング時の大孔2内での新液と疲
労した液との交換効率が良く、エッチング速度が速く、
エッチング量が大となり、一応条件は満足される。しか
しながら、エッチングが進行するに従い、図5(c)に
示すような金属薄板1から浮いたレジスト膜4のひさし
部5も多くなり、これらのひさし部5はエッチング液に
よる疲労によってしばしば破壊を生じる。この結果、レ
ジスト膜4が破壊された部分はさらにエッチングが進行
するため、孔形状の歪を生じ、シャドウマスク品位を低
下させる。このような傾向は、高精細度カラー受像管用
の開孔ピッチおよび径の縮小されたシャドウマスクほど
著しく、さらに金属薄板1の板厚が厚くなるほど、エッ
チング量も大となるため著しい。
【0005】また、金属薄板1の露出部寸法のバラツキ
はシャドウマスク開孔寸法に直接影響を与え、シャドウ
マスク品位の低下を招く。この露出部寸法のバラツキを
生じる一つの原因として、レジスト膜4の膜厚変動があ
る。これは焼き付けパターンを通過した光は金属薄板1
上に形成されたレジスト膜4中で拡散するので、例え
ば、レジスト膜4の膜厚が厚い部分は、露光・現像後に
得られる金属薄板1の露出部寸法がレジスト膜厚の薄い
部分に比較して小さくなる。従って、一定露光条件下で
は、レジスト膜4の膜厚が均一なことが重要である。従
来のレジスト塗布方法としては次のようなものがある。
【0006】第1の方法としては、図6に示すようなフ
ロー方式がある。フロー方式は、帯状の金属薄板1を垂
直に立てて上方部から感光性樹脂液6を金属薄板1の両
面に垂れ流し、その後、乾燥炉7を通すことによりレジ
スト膜4を形成するものである。しかし、重力の影響で
上方部が下方部に比較して膜厚が薄くなり、金属薄板1
の板幅方向で膜厚の差が生じることはさけられない。こ
の膜厚の差をなくすために、例えば、上方部の乾燥を早
く進めるべき温度分布を有する乾燥炉を用いたり、金属
薄板1の搬送速度や感光性樹脂液6の粘度を種々変更し
たりする方法がとられているが、均一な膜厚を得ること
は不可能である。
【0007】第2の方法として図7に示すような浸漬引
上げ方式がある。この浸漬引上げ方式は、金属薄板1を
感光性樹脂液6中に浸漬後垂直方向に引き上げるもので
あるが、引き上げられた金属薄板1上の感光性樹脂液6
は、乾燥して金属薄板1に完全に固着されるまでに重力
にて下方向に流れ落ちるため、金属薄板1の長さ方向で
はレジスト膜の膜厚変動が生じる。これを制御するた
め、感光性樹脂液6の粘度・乾燥炉7内温度分布・炉内
への吸い込み風量の調整などを行うが、均一な膜厚を得
ることは不可能である。
【0008】また、上述の方法では重力の影響が不可避
で、かつ前述の諸条件を大幅に変更せねばならず、量産
ラインの中で簡単にレジスト膜厚を均一に厚くすること
は不可能である。
【0009】一方、レジスト膜厚について考えるなら、
金属薄板1の板厚が厚くなった場合、エッチング時間が
長くなることに比例して前述のレジスト膜4のひさし部
5の割合も増加し、当然、その部分が噴霧されるエッチ
ング液に当たる時間が長くなる。結果としてレジスト膜
4のひさし部5が破壊され易くなり、破壊された部分は
さらにエッチングが進行して孔大欠点を発生させるた
め、レジスト膜4の機械的強度を向上させる目的でレジ
スト膜厚を厚くする対策が施される。
【0010】また、小孔3側、大孔2側で各々必要とさ
れるレジスト膜厚を考えた場合、シャドウマスク孔寸法
を決定するのは、一般的に小孔3側の金属薄板露出寸法
であり、寸法精度の良い露出部を得るためには、レジス
ト膜4の解像度がよいことが望まれる。解像度を上げる
には、感光性樹脂液6自体の特性に依存することは当然
であるが、膜厚にも依存し、レジスト膜4が薄いほど解
像度は上がる。従って、エッチングにて生じるレジスト
膜4のひさし部5がエッチング時に破壊されなければ、
特に、小孔3側はできるだけレジスト膜厚が薄い方がよ
い。例えば、特開昭60−70185号公報で提案され
ている2段エッチング法では、小孔3側のエッチング時
間が短いため、レジスト膜厚が薄くてもエッチング中に
レジスト膜4のひさし部5の破壊が生じない。結果とし
てレジスト膜厚を薄くでき、シャドウマスク品位に大き
な影響を及ぼさない。
【0011】このように、高精細度シャドウマスクを製
造するためには、他の手段も種々提案されているが、小
孔3側のレジスト膜4は大孔2側のレジスト膜4に比較
して薄いことが好ましい。しかし、従来のフロー方式や
浸漬引き上げ方式では、小孔3側、大孔2側で各々膜厚
を変えかつ均一なレジスト膜4を形成することは、非常
に困難であるし、不可能に近い。
【0012】そこで、このような問題に鑑みて、連続帯
状金属薄板の幅方向および長手方向で均一な膜厚を形成
することができ、また連続帯状金属薄板の両主面で膜厚
を自由に変えることができる方法が、特開平1−208
482号公報、特開平3−25828号公報に記載され
ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、高精細
度シャドウマスクを製造するためには、レジスト膜の膜
厚および膜感度が影響する。
【0014】上記特開平1−208482号公報、特開
平3−25828号公報に示された方法によれば、比較
的均一なレジスト膜厚を得ることは可能となる。上記方
法は、帯状金属薄板を水平方向に搬送しながら片面づつ
レジスト膜を塗布形成するので、重力に影響されること
なく片面毎に所望厚さのレジスト膜を形成できるという
利点がある。しかし、金属薄板の片面づつ連続塗布する
ため、第1の主面にレジスト膜を形成した後、第2の主
面へレジスト膜を塗布形成する際に条件変動が生じる
と、せっかくレジスト膜を形成した部分が無駄になって
しまうという問題がある。また、一方の主面だけでの膜
形成を考えたときも、膜感度の面から安定性は不十分で
あった。
【0015】本発明は、上記問題点に鑑み、連続帯状金
属薄板の幅方向および長手方向で均一な膜厚を形成する
ことができ、連続帯状金属薄板の両主面で膜厚を自由に
変えることができ、かつ形成されたレジスト膜の膜感度
が安定したものであるシャドウマスクの製造方法を提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、連続帯状金属板の両主面を脱脂水洗後、
感光性樹脂液を塗布して乾燥させることにより感光性樹
脂層を形成する第1の工程と、上記感光性樹脂層に所定
の微細開孔のパターンを写真露光にて形成する第2の工
程と、エッチングにより上記連続帯状金属板に微細開孔
を穿設する第3の工程とからなるシャドウマスクの製造
方法において、上記第1の工程は、上記連続帯状金属板
の両主面を脱脂乾燥後水平方向に搬送し、先ず1回目の
塗布として一方の主面にのみ上記感光性樹脂液を塗布し
た後、塗布された面を上方にし水平の状態を保持しなが
ら第1の乾燥として乾燥炉を通過させて感光性樹脂膜を
形成後全体を冷却し、次いで連続帯状金属板を反転し、
2回目の塗布として他方の主面にのみ上記感光性樹脂液
を塗布した後、2回目に塗布された面を上方にし水平の
状態を保持しながら第2の乾燥として乾燥炉を通過させ
て感光性樹脂膜を形成後全体冷却する工程であり、上記
第1および第2の乾燥の際、乾燥炉の出口で感光性樹脂
膜の温度を測定し、乾燥炉の温度をフィードバック制御
することを特徴とするシャドウマスクの製造方法であ
る。
【0017】また、上記製造方法において、乾燥炉の出
口で非接触放射温度計を用いて感光性樹脂膜の温度を測
定し、設定温度にはいるよう乾燥炉のヒーター又は熱風
にフィードバックがかかることを特徴とする。
【0018】
【作用】シャドウマスクの製造には、微細開孔を穿設す
るエッチング工程があり、エッチングによる開孔の品位
は、レジスト膜の解像度に影響する。解像度はレジスト
膜を形成する感光性樹脂液自体の特性に依存することは
もちろんであるが、成膜されたものの膜厚や膜感度の安
定性も影響する。金属薄板の幅や厚みおよびレジスト膜
厚やレジスト組成を変更した場合、当然乾燥炉の温度条
件の変更が必要となる。
【0019】金属薄板の両主面に感光性樹脂層を形成す
る工程で、金属薄板を水平方向に搬送し一方の主面に感
光性樹脂液を塗布した後、乾燥炉に搬送して感光性樹脂
液を乾燥させてレジスト膜を形成するが、このとき乾燥
炉から出た直後のレジスト膜の温度の温度を検出し、こ
の温度が設定範囲に入っているかをチェックし、乾燥炉
の温度をフィードバック制御することで、被乾燥物であ
るレジスト膜が塗布された金属薄板の条件が変更する度
に乾燥炉の温度をフィードバック制御する。このよう
に、乾燥状態を制御して均一な膜を一方の主面に形成す
る。そして、金属薄板を反転させて他方の主面に感光性
樹脂膜を形成する際にも同様の制御を行うことにより、
他方の主面に膜を形成するときの条件変動による無駄を
抑制する。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
【0021】本発明によるシャドウマスクの製造方法で
用いる装置は、図1に示すような構成となっているが、
従来例と同一箇所は同一符号を付して説明する。装置の
全体構成は、脱脂チャンバー10、工水洗チャンバー11、
純水洗チャンバー12、エアーナイフ乾燥炉14に続いて、
連続帯状金属薄板1を搬送するバックアップローラーを
具備しレジスト塗布を行う2組のコーター15a,15b、
2組の乾燥炉16a,16b、2組の冷却チャンバー17a,
17b、及び連続帯状金属薄板1を反転させるターンロー
ラー18a,18bとからなっている。
【0022】まず、水平方向に搬送される鉄からなるシ
ャドウマスク用素材としての連続帯状金属薄板1の両主
面に、脱脂チャンバー10内で80℃以上の高温アルカリ
脱脂液をスプレーし、両主面に塗布されている圧延油や
防錆油を取り除く。その後、工水洗チャンバー11で工水
をスプレーして脱脂液を除去し、純水洗チャンバー12で
純水をスプレーして金属薄板1の表面を清浄にする。
【0023】次いで乾燥を行うが、金属薄板1の温度が
上がりすぎると感光性樹脂液6aを塗布するときにムラ
が発生しやすいので、清浄な面が露出した金属薄板1を
温度を上げないで乾燥させるため、エアーナイフが多数
取り付けられたエアーナイフ乾燥炉14を通す。
【0024】その後、水平方向に搬送される金属薄板1
の一方の主面に第1コーター15aにて感光性樹脂液6a
を塗布するが、この塗布工程の詳細を図2(a)を参照
して説明する。金属薄板1は反転ローラー25aにより上
方に折り返されその後バックアップローラー23aにより
元の搬送方向に戻るが、感光性樹脂液6aの塗布は、バ
ックアップローラー23aと反転ローラー25aも間で金属
薄板1の搬送方向と逆方向に回転するコーティングロー
ラー21aにて行われる。コーティングローラー21aへの
感光性樹脂液6aの供給量は、コーティングローラー21
aの下部に設けられたパイブドクターノズル22aとの間
隔にて決められ、パイブドクターノズル22aへは一定の
感光性樹脂液6aがレジスト溜タンク(図示せず)から
供給される。この感光性樹脂液6aは、牛乳カゼイン酸
アルカリと重クロム酸アンモニウムとからなり、粘度を
約100 cpsに調整したものを用いている。粘度が低す
ぎる場合、金属薄板1が水平に搬送されるまでの間に金
属薄板1に塗布された感光性樹脂液6aが垂れ落ちて均
一な膜厚を得ることができないことがあり、少なくとも
50cps以上必要である。そして、金属薄板1の表面に
塗布される感光性樹脂液6aの塗膜厚は、パイブドクタ
ーノズル22aとコーティングローラー21aとの間隔を適
当に選択することと、金属薄板1の搬送速度に対応して
いるバックアップローラー23aの回転数に対するコーテ
ィングローラー21aの回転数の比を適当に選択すること
により変えられる。パイプドクターノズル22aは、金属
薄板1との間隔を自由に変えられるように、上下に精度
良く移動可能な構造になっている。間隔の精度は塗膜厚
に影響を与え、最終的にマスク品位を左右するが、金属
薄板1の幅が広くなると幅方向で塗膜厚が変化しやすく
なる。従って、パイプドクターノズル22aの両端部の間
隔の設定値に対するずれを各々自動制御する機構を有し
ている。また、投入する金属薄板1のロット毎に塗膜厚
を変えたい場合、事前に目的の数値を入力しておくと、
自動的にコーティングローラー21aとパイプドクターノ
ズル22aとの間隔が変わる機構も有している。コーティ
ングローラー21aの回転は、ベクトルインバーターモー
ター(図示せず)の回転を遊星ローラー減速機(図示せ
ず)にて減速して伝えられるが、周速度は3〜15M/
minで変化させることができる。このようにコーティン
グローラー21aの回転数は任意に変更可能であり、金属
薄板1の搬送速度にて決められるバックアップローラー
23aの回転数に対してコーティングローラー21aの回転
数は、1.1乃至1.8の範囲が望ましい。この回転数
の比は、感光性樹脂液6aの性状にて適正な値があり、
すじやうねりの発生しない塗膜面が得られる値は実際の
生産ラインにて決める必要がある。一方、バックアップ
ローラー23aの回転軸はサークルエンコーダー(図示せ
ず)に接続されており、エンコーダーからの出力信号を
用いて指定した比の周速度でコーティングローラー21a
を回転させる回路が制御盤に組み込まれている。また、
金属薄板1に感光性樹脂液6aを塗布する必要のないと
きには、アジャスティングローラー24aを後退させるこ
とにより、金属薄板1よりコーティングローラー21aが
離れ感光性樹脂液6aは塗布されない。このようなコー
ターを用いることで、金属薄板1の走行速度に変動が生
じても安定した塗膜を得ることが可能である。
【0025】このようにして、金属薄板1の一方の主面
に感光性樹脂液6aを塗布後、乾燥炉16aを通すことに
より、金属薄板1の一方の主面に目的とする厚みを有す
るレジスト膜4aを形成する。
【0026】一般的にレジスト膜の膜厚の均一性が解像
度に影響するが、それ以外に成膜したレジスト膜の感度
も最適レジストパターン寸法、キレおよび抜けを得るの
に重要であり、この乾燥工程が重要となっている。
【0027】一般的な乾燥の挙動は、表面からの水の蒸
発速度がそのまま乾燥速度と考えてもよい恒率乾燥と、
限界含水率を越えて乾燥速度が減少し始め材料温度が表
面及び内部とも上昇し始める減率乾燥とからなる。この
うち、膜感度に影響を与える要因は、レジスト膜の減率
乾燥時における温度とその保持時間である。
【0028】乾燥炉16aは、インフラスタインヒーター
26と熱風吹き出し口27が上部にのみ設けられており、乾
燥の前段は感光性樹脂液6aの蒸発潜熱でレジスト膜4
aの温度が上がらないので両方の熱源を用い、後段はレ
ジスト膜4aの熱かぶりを発生させないようにするため
熱風のみを用いた雰囲気乾燥を行う。このようにして本
発明は、減率乾燥に入った時点で熱風乾燥のみの雰囲気
乾燥にすることができ、シーズヒーターまたはインフラ
スタインヒーター使用の際の輻射熱によるレジスト膜温
度の異常上昇を抑えられる特徴を有する。乾燥炉16aを
でた時点でレジスト膜4aの温度を非接触の放射温度計
28aにて測定し、常に60℃乃至80℃の設定温度範囲
に入って出てくるようにヒーター電圧および熱風熱源へ
フィードバックがかかる制御回路が組まれている。この
制御は、目的の設定温度に対するずれが生じた場合、基
本的に小さなずれは熱風温度にフィードバックし、大き
なずれはヒーターにフィードバックするような構成にす
ればよい。したがって、乾燥は十分行われる一方熱かぶ
りを起こす温度での乾燥を避けることができる特徴を有
する。
【0029】乾燥後高い温度で長い時間放置しておく
と、レジスト膜4aの温度が上がり、次ぎの露光工程の
露光条件が不安定になるので、乾燥炉16aをでた金属薄
板1はターンローラー18aを介して下方に引き下げら
れ、冷風が供給される冷却チャンバー17aを通る。ただ
し、温度が低すぎると結露のおそれがあるので、相対温
度は50%以下で温度は15℃乃至25℃の冷風が望まし
い。
【0030】次いで、ターンローラー18bを介して金属
薄板1を反転して水平に搬送し、上記と同様にして図2
(b)に示す第2コーター15bのコーティングローラー
21bにて金属薄板1の他方の主面に目的とする厚みの感
光性樹脂液6bの塗膜を形成し、乾燥炉16bを通すこと
により、目的とする厚みを有するレジスト膜4bを形成
する。この後、上記と同様に冷却チャンバー17bを通し
てレジスト膜4b感度を一定にすることにより、金属薄
板1の両主面にレジスト膜4aおよび4bを形成する工
程が終了する。
【0031】上述のように一方の主面に塗布する工程と
同様に他方の主面に感光性樹脂膜を塗布する際にも上述
の制御を行うことにより、両方の主面に均一な膜を形成
することができるのである。すなわち、一方の主面に膜
を形成した後、他方の主面に膜を形成する際に条件変動
等により他方の主面の膜が不均一になれば、結果として
マスクとしては品位劣化を起こす。また、連続帯状金属
薄板を反転して両方の主面にレジスト膜を塗布形成する
ので、一方の主面に膜を形成するときの搬送速度の変動
は他方の主面に膜を形成する工程に位置している金属薄
板の搬送速度にも影響するため、個々の主面の塗布形成
工程での制御が重要となる。
【0032】上記のようにして、約300mの長さの金
属薄板1の両主面に厚さ7μmのレジスト膜4aおよび
4bを形成した後、次の露光工程では、所定のシャドウ
マスク焼き付けパターンを用いて約1mの距離から5k
Wの高圧水銀ランプで約40秒間露光を行う。さらに、
現像は約40℃の温水で圧力1.5kg/cm2 のスプレ
ーにて約1分間行い、150℃の雰囲気で約2分間乾燥
し、さらに約200℃の雰囲気で約1.5分間バーニン
グを施す。以上の工程で開孔が穿設されるべき対応部分
が露出した金属薄板1つまりシャドウマスク用素材が得
られる。
【0033】次に、エッチング工程は、例えば、液温6
7℃、比重1.467に調整された塩化第二鉄液をエッ
チング液として、レジスト膜4aおよび4bから約25
0mmの位置に配置したノズルからエッチング液を噴出し
てエッチングを行う。エッチングにて所定の開孔が得ら
れた後水洗を行い、次いで90℃のNaOH2.0%水
溶液を約2.0kg/cm2 の圧力でスプレーして残存し
ているレジスト膜4aおよび4bを除去し、水洗・乾燥
してシャドウマスクを得る。このようにして、得られた
シャドウマスクは、所望の開孔寸法を有し、品位の優れ
たものである。 (変形例)
【0034】この発明では、金属薄板の各々の面に独立
でレジスト膜を形成することが可能なため、小孔側を薄
く大孔側を厚くすることは容易に行うことができる。例
えば、小孔側と大孔側とでエッチング時間が大幅に異な
る2段エッチングにおいても、マスク開孔寸法を決める
小孔側のレジスト膜を薄くしてレジスト膜の解像度を上
げることができ、結果としてマスク品位を向上させるこ
とができ、非常に有効である。さらに、小孔側と大孔側
とで組成の相異なるレジスト膜を形成することが可能で
ある。
【0035】なお、上記実施例では、パイプドクターノ
ズルとコーティングローラーとを用いた塗布方法を述べ
たが、それ以外には図3のようにパイプドクターノズル
単体を用いた方法、但しこれは裏面へのレジストの回り
込みがあり他方の主面を汚すので、金属板薄1の両端面
がバックアップローラーと非接触になるように段付きバ
ックアップローラーを用いるとよい。
【0036】また、リバースビート・リバースコーター
・ダイレクトキス・ダイレクトビート等、一般的に片面
塗布に用いられているコーターを使用してレジスト膜を
形成できることは勿論である。
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、金属薄板の両方の主
面に独立にレジスト膜を形成するので、金属薄板上に所
望の膜厚を有するレジスト膜を任意に形成することがで
き、レジスト材の塗布は水平に搬送される金属薄板の上
部に常に行われるため感光性樹脂液の流れがなく、且つ
乾燥時においても感光性樹脂液は金属薄板表面に固着し
た状態で乾燥される。したがって、感光性樹脂液の流れ
やタレ落ちが発生せず、金属薄板の巾方向及び長手方向
で均一な厚みのレジスト膜を形成できる。且つ、レジス
ト膜の乾燥時及び乾燥後の温度管理を正確に行うことに
より、両主面のレジスト膜の膜感度が安定しているた
め、露光現像後のレジストパターン開孔寸法ばらつきが
少なく、且つ切れの良いレジストパターンを容易に形成
することができる。
【0038】さらに、従来の方法は、金属板の搬送速度
を上げ単位時間当たりのレジスト膜形成効率を上げるた
めには、感光性樹脂液のタレ落ちが安定するために必要
な乾燥炉内域を増やす必要があり、搬送速度のアップ分
以上に乾燥炉長を長くする必要があった。これに対し
て、この発明によれば、感光性樹脂液のタレ落ちが生じ
ないので、感光性樹脂液の固形分を増し溶剤量を減少さ
せることにより乾燥に必要な熱エネルギーが少なくてす
み、乾燥炉長が同じでも金属薄板の搬送速度を大幅に速
くできる利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシャドウマスクの製造
方法に用いられる感光性樹脂膜塗布形成装置の構成を示
す模式図である。
【図2】図1の感光性樹脂を塗布するコーターの構成を
示す要部模式図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す要部模式図である。
【図4】シャドウマスクの構造を示す要部断面図であ
る。
【図5】一般的なシャドウマスク製造方法を示す要部断
面図である。
【図6】従来のシャドウマスク製造方法に用いられる感
光性樹脂塗布方法を示す模式図である。
【図7】従来のシャドウマスク製造方法に用いられる感
光性樹脂塗布方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1…金属薄板 6a,6b…感光性樹脂液 15a,15b…乾燥炉 21a,21b…コーティングローラー 22a,22b…パイプドクターノズル 23a,23b…バックアップローラー 24a,24b…アジャスティングローラー 25a,25b…反転ローラー 26…インフラスタインヒーター 27…熱風吹き出し口 28a,28b…放射温度計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続帯状金属板の両主面を脱脂水洗後、
    感光性樹脂液を塗布して乾燥させることにより感光性樹
    脂層を形成する第1の工程と、上記感光性樹脂層に所定
    の微細開孔のパターンを写真露光にて形成する第2の工
    程と、エッチングにより上記連続帯状金属板に微細開孔
    を穿設する第3の工程とからなるシャドウマスクの製造
    方法において、 上記第1の工程は、上記連続帯状金属板の両主面を脱脂
    乾燥後水平方向に搬送し、先ず1回目の塗布として一方
    の主面にのみ上記感光性樹脂液を塗布した後、塗布され
    た面を上方にし水平の状態を保持しながら第1の乾燥と
    して乾燥炉を通過させて感光性樹脂膜を形成後全体を冷
    却し、次いで連続帯状金属板を反転し、2回目の塗布と
    して他方の主面にのみ上記感光性樹脂液を塗布した後、
    2回目に塗布された面を上方にし水平の状態を保持しな
    がら第2の乾燥として乾燥炉を通過させて感光性樹脂膜
    を形成後全体冷却する工程であり、 上記第1および第2の乾燥の際、乾燥炉の出口で感光性
    樹脂膜の温度を測定し、乾燥炉の温度をフィードバック
    制御することを特徴とするシャドウマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 乾燥炉の出口で非接触放射温度計を用い
    て感光性樹脂膜の温度を測定し、設定温度にはいるよう
    乾燥炉のヒーター又は熱風にフィードバックがかかるこ
    とを特徴とする請求項1記載のシャドウマスクの製造方
    法。
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