JPH0676515B2 - タイヤトレツド用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤトレツド用ゴム組成物

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JPH0676515B2
JPH0676515B2 JP60265014A JP26501485A JPH0676515B2 JP H0676515 B2 JPH0676515 B2 JP H0676515B2 JP 60265014 A JP60265014 A JP 60265014A JP 26501485 A JP26501485 A JP 26501485A JP H0676515 B2 JPH0676515 B2 JP H0676515B2
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裕一 北川
靖郎 服部
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は省燃費タイヤのトレッドに好適な、有機リチウ
ム触媒を用いて製造されるスチレン−ブタジエン共重合
体の組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、原油の価格の高騰により、産業の各方面におい
て、省エネルギーが提唱されており、自動車に関して
も、ガソリンの消費量を少なくする試みが数多く実施さ
れ、エンジンの改良、車体およびタイヤの軽量化、車体
の空気抵抗およびタイヤのころがり抵抗の低減化などが
行なわれている。
これらの自動車に関連した省エネルギーの試みの中で、
自動車用タイヤのころがり抵抗を低減化する方法として
各種の試みがなされており、たとえばタイヤの構造を改
良する方法、タイヤのトレッドに使用される加硫ゴムの
改良などが挙げられる。
これらのタイヤのころがり抵抗を低減化する試みの中
で、加硫ゴムを改良する方法、すなわち加硫ゴムのエネ
ルギーロスを少なくし反発弾性の向上ないしは発熱性を
改良する方法としては、加硫ゴムに使用する原料ゴムを
改良する方法、カーボンブラックの種類を変える方法、
加硫ゴムに使用されるカーボンブラックないしオイルの
量を減らして高反発弾性とする方法などが検討されてい
る。
上記の改良の方法のうち、原料ゴムを改良する方法とし
ては、これまでの原料ゴムの物性と加硫ゴムの物性に関
する知見より、従来よりも高分子量の重合体を使用する
ことで、反発物性の改良は、はかれるものの、ゴムおよ
び配合物のムーニー粘度が増加して加工性が低下するた
め大幅な改良はできない。一方、配合処方を変更して、
オイルならびにカーボンブラックの配合量を減少する方
法においても、配合物のムーニー粘度が上がり、この場
合においても加工性は悪くなり、いずれの方法において
も加工性を犠牲とせずに、改良することは難しい。
ところで近年、ビニル結合が多い、分岐構造を有するラ
ンダムスチレン−ブタジエン共重合ゴムが、タイヤ用途
に好適に用いられることがわかり、種々の構造のゴムが
検討され、種々の提案がなされている。例えばビニル含
量を高めたスチレン−ブタジエン共重合ゴムをスズカッ
プリングして分岐状スチレン−ブタジエン共重合ゴムと
する際、カップリング反応直前にブタジエン類を添加し
て重合を行うことによりころがり抵抗が改良される方法
が提案されている(特開昭57−87407,特開昭58−16260
5)。しかしながら、この方法によってもころがり抵抗
の改良は未だ十分とはいえず、また製造方法が煩雑とな
るなどの問題があった。
また、有機リチウム化合物とルイス塩基からなる触媒に
より80℃以上の温度に制御された高い撹拌効率を有する
重合域にモノマーを連続的に導入し、重合を進行させる
ことにより製造された完全ランダムスチレン−ブタジエ
ン共重合ゴムが提案されている(特開昭57−100112)。
このポリマーは、引張強度、反発弾性、低発熱性、耐摩
耗性、ウェットスキッド性などで優れた性能を示した。
しかしながら、反発弾性、低発熱性などに関しては更に
改善される必要があった。
この他に、原料ゴムを改良する方法としては、リビング
ポリマーの末端に官能基を導入する方法が種々提案され
ている。例えば2官能性のアニオン開始剤を用いてリビ
ングポリマーを製造した後、有機スルフェニルクロライ
ドを作用させて分子の両末端に活性基を導入する方法が
ある(特開昭44−855)。しかしながら、この方法では
高分子量であり、かつ両末端がリビングのポリマーが得
られにくく、また有機スルフェニルクロライドが取扱い
にくいなど、工業的利用には問題があり、得られたポリ
マーも引張強度、モジュラスなどの点で不十分であっ
た。更に末端にアミノ基を導入する方法もあるが(特開
昭59−39209,特開昭58−162604,特開昭60−137913,特開
昭60−137914)反発弾性、低発熱性、耐摩耗性、ウェッ
トスキッド性などの改良は不十分であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明者等はウェットスキッド性、加工性などが
損なわれることなく、引張強度、反発弾性、低発熱性、
耐摩耗性が極めて優れた性能を有するスチレン−ブタジ
エン共重合ゴムの組成物を開発すべく鋭意検討を重ねた
結果、特定のスチレン−ブタジエン共重合ゴム組成物を
発明するに至ったものである。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
すなわち、本発明は、スチレンとブタジエンを有機リチ
ウム触媒を用いて炭化水素溶媒中で共重合させ、結合ス
チレン量が5〜45重量%、ブタジエン部分のビニル結合
が10〜70%、GPCによる重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比で表わされる分子量分布(Mw/Mn)が
1.2〜3、リビングポリマーに、チオエーテル基を有す
る反応性化合物を反応させて分子内にチオエーテル基を
導入したムーニー粘度20〜150であるポリマーを少なく
とも10重量%含む原料ゴム100重量に対し、カーボンブ
ラック10〜100重量部、硫黄0.3〜5重量部および加硫促
進剤を配合してなるタイヤトレッドに好適なゴム組成物
である。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明において用いられる有機リチウム触媒としては少
なくとも1個以上のリチウム原子を結合した炭化水素で
ある例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−
ブチルリチウム、sce−ブチルリチウム、tert−ブチル
リチウム、フェニルリチウム、プロペニルリチウム、ヘ
キシルリチウム、1,4−ジリチオ−n−ブタンなどがあ
り、特に好ましくはn−ブチルリチウム、sec−ブチル
リチウムである。この有機リチウム触媒は1種のみなら
ず2種以上の混合物としても用いられる。有機リチウム
触媒の使用量は、生成重合体のムーニー粘度によるが、
通常、単量体100g当り0.3〜3ミリモル、好ましくは0.5
〜1.5ミリモルである。
本発明において用いられる炭化水素溶媒としてはn−ブ
タン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、
n−ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロペンタン、ベンゼン、トルエン等であり、特に
好ましい溶媒はn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘ
キサンである。この炭化水素溶媒は単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよく、通常、これは単量
体1重量部当り1〜20重量部用いられる。
本発明のスチレン−ブタジエン共重合ゴムの結合スチレ
ン量は5〜45重量%である。5重量%未満では加硫ゴム
の引張強度が劣り、45重量%を越えると発熱が大きくな
り性能が低下する。特に好ましい範囲は10〜35重量%で
ある。
本発明のスチレン−ブタジエン共重合ゴムのブタジエン
部分のビニル結合が10〜70%、好ましくは15〜50%であ
る。ビニル結合が小さいとウェットスキッド抵抗が小さ
く、一方ビニル結合が高いと耐摩耗性が小さい。特に好
ましくは20〜40%の範囲である。
本発明のスチレン−ブタジエン共重合ゴムの分子量分布
は、GPCを用いて、標準ポリスチレンの検量線を用いて
計算し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比で表わされる分子量分布の大きさ(Mw/Mn)が1.2〜3
であり、好ましくは1.5〜2.5である。分子量分布が小さ
いと加工性が劣り、分子量分布が大きいと反発弾性、低
発熱性が劣る。また、GPCによる分子量分布は1山でも
2山でもよい。通常、加工性などを改善する為に用いら
れる、4塩化ケイ素、アルキル3塩化ケイ素、ジアルキ
ル2塩化ケイ素、4塩化スズなどのカップリング剤を用
いて直鎖状又は分岐状のカップリングポリマーとする方
法を用いてもよい。
本発明のスチレン−ブタジエン共重合ゴムは、ランダム
共重合が好ましい。スチレン−ブタジエン共重合ゴムの
スチレン連鎖分布は、共重合ゴムの低温オゾン分解物の
GPCによって分析される。この方法は田中らによって開
発された方法であって、スチレンの連鎖分布はブタジエ
ンの2重結合をすべてオゾン開裂して得た分解物のGPC
によって分析される(Macromolcules,1983,16,1925)。
本発明の共重合ゴムはこの方法によって分析された単離
スチレン、すなわちスチレン単位の連鎖が1のスチレン
が全結合スチレンの40重量%以上が好ましく、更に好ま
しくは50重量%以上であり、長鎖ブロックスチレン、す
なわちスチレン単位の連鎖が8以上のスチレンが全結合
スチレンの5重量%以下が好ましく、更に好ましくは2.
5重量%以下である。単離スチレンが40重量%未満であ
っても、長鎖ブロックスチレンが5重量%を越える場合
であっても本発明の共重合ゴムの優れた特性である高い
反発弾性と低発熱性及び高ウェットスキッド抵抗性のバ
ランスは低下して好ましくない。
本発明のスチレン−ブタジエン共重合体のリビングポリ
マーに反応させる、チオエーテル基を有する反応性化合
物としては、リビングリチウムと反応してポリマー分子
内にチオエーテル基を導入することが可能な、すべての
化合物が用いられるが、好ましくは一般式 (式中Rはアルキル、アリル、R′はアルキレン、アリ
レン、Mは酸素又は硫黄、Xはアルキル、アリル、アル
コキシを表わす)及び、 (式中R,R′,Mは前式と同じ意味を有し、Xはアルキレ
ン、アリレン、アルキレンオキシ、酸素、硫黄を表わ
し、Xがこれらを表わす場合にはnは2であり、Xが多
価アルコール残基を表わす場合にはnはアルコール基数
と等しい数を示す) からなる群より選ばれた化合物のうち1種又は2種以上
の混合物である。これらの化合物としては、例えばメチ
ルチオアセトン、1−ブチルチオヘキサノン−3、2−
ラウリルチオエチルフェニルケトン、2−オクチルチオ
エチルベンジルケトン、2−フェニルチオエチルフェニ
ルケトン、p−ラウリルチオベンゾフェノン、p−ラウ
リルチオアセトフェノン、メチルチオグリコール酸メチ
ル、β−エチルチオプロピオン酸エチル、α−エチルチ
オプロピオン酸エチル、β−プロピルチオプロピオン酸
ヘキシル、β−エチルチオプロピオン酸ラウリル、β−
オクチルチオプロピオン酸ミリスチル、β−ラウリルチ
オプロピオン酸ステアリル、β−ステアリルチオプロピ
オン酸ステアリル、β−ベンジルチオプロピオン酸ステ
アリル、β−p−トリルチオプロピオン酸ステアリル、
β−2,5−キシリルチオプロピオン酸ステアリル、p−
ラウリルチオ安息香酸メチル、o−ラウリルチオ安息香
酸メチル、p−ラウリルチオ安息香酸ベンジル、p−ラ
ウリルチオ安息香酸フェニル、γ−メチルチオ酪酸エチ
ル、2−メチルチオエタンカルボジチオ酸エチル、チオ
ジグリコール酸ジメチル、β,β′−チオジプロピオン
酸ジメチル、β,β′−チオジプロピオン酸ジラウリ
ル、β,β′−チオジプロピオン酸ジミリスチル、β,
β′−チオジプロピオン酸ジステアリル、α,α′−チ
オジプロピオン酸ジメチル、チオビスジチオグリコール
酸ジメチル、1,6−ジメチルチオヘキサジオン−2,5、エ
チレンビスメチルチオグリコレート、グリセリン−トリ
−β−ラウリルチオプロピネート、ペンタエリスリトー
ル−テトラキス−β−ラウリルチオプロピオネート、メ
チルチオグリコール酸無水物、メチルチオジチオグリコ
ール酸無水物などがあげられる。
これらの化合物は、リビングポリマー1モルに対して、
チオエーテル基が0.1〜5モルの割合でフィードされ、
好ましくは0.3〜3モルの割合である。フィード量が少
ないと加硫ゴムの反発弾性、低発熱性の効果が劣り、一
方フィード量が多いと、未反応物の為、臭気の発生や加
硫時間の短縮などの影響があり好ましくない、リビング
ポリマーとこれらの化合物との反応は極めて迅速であ
り、反応温度は一般的には室温〜120℃、数秒〜数時間
の反応時間である。
リビングポリマーにこれらの化合物を反応させた後、酸
化防止剤を添加し、必要に応じて油展され、通常の方法
で溶媒が除去される。
本発明に用いられるチオエーテル基を導入したスチレン
−ブタジエン共重合ゴムのムーニー粘度は 20〜150であり、好ましくは25〜130である。ムーニー粘
度がこれより低いと加硫ゴムの引張強度、耐摩耗性、反
発弾性、低発熱性が劣り、ムーニー粘度がこれより高い
と加工性が劣り、ロールやバンバリーでの混練時に過大
なトルクがかかったり、あるいはカーボンの分散が不良
となって加硫ゴムの性能が劣る。
本発明に用いられるチオエーテル基を導入したスチレン
−ブタジエン共重合ゴムは、単独又は他の合成ゴムない
し天然ゴムとブレンドし、原料ゴムとされる。この場
合、本発明の優れた特性を発現するには少なくとも原料
ゴムの10重量%は、本発明のチオエーテル基を導入した
スチレン−ブタジエン共重合ゴムであることを必要とす
る。好適には30重量%以上である。
又、ブレンドして用いられる他の合成ゴムないし天然ゴ
ムとしては、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム、1,2ビニル35%未満の溶液重合スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム、シス1,4ポリブタジエンゴム、1,2−シン
ジオポリブタジエンゴム、1,2ビニル10ないし90%のポ
リブタジエンゴム、合成ポリイソプレンゴムまたは天然
ゴムが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を用
いることができる。
本発明に用いられるカーボンブラックの量は、原料ゴム
100重量部に対し、カーボンブラックが10〜100重量部用
いられる。10重量部未満では引張強度、耐摩耗性等が十
分でなく、逆に100重量部を超えるとゴム弾性の著しい
低下をもたらし好ましくない。好ましくは20〜80重量部
である。
本発明において用いられるカーボンブラックの種類は、
好ましくはヨウ素吸着量(IA)60mg/g以上でかつジブチ
ルフタレート吸油量(DBP)80ml/100g以上のカーボンブ
ラックが用いられる。この様なカーボンブラックは小粒
径、ハイストラクチャーのカーボンブラックであって、
これ以外のものでは、本発明の高引張強度、高反発弾
性、耐摩耗性の高いバランスが得られない場合がある。
好適にはIAが80mg/g以上でかつDBPが100ml/100g以上の
カーボンブラックである。これらのカーボンブラックと
しては、例えばHAF、ISAF、SAFと称されるものがある。
本発明において、原料ゴム100重量部に対し、加硫剤と
して硫黄が0.3〜5重量部用いられる。硫黄が少ない
と、引張強度、反発弾性、耐摩耗性が不足し、多すぎる
とゴム弾性が低下する。好ましくは0.5〜2.5重量部であ
る。
本発明において、加硫促進剤としては従来から知られて
いる種々の加硫促進剤が用いられるが、好ましくはチア
ゾール系加硫促進剤が用いられる。チアゾール系加硫促
進剤とは (R=アルキル、アリレン)基を基本構造とする加硫促
進剤である。これらの加硫促進剤では、本発明の優れた
引張強度、反発弾性、耐摩耗性が得られるが、他の促進
剤では適正な加硫が得られない場合もある。これらの促
進剤としては、好適には、加硫促進剤M(2−メルカプ
トベンゾチアゾール)、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジ
ルジサルファイド)、加硫促進剤CZ(N−シクロヘキシ
ル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)がある。
加硫促進剤使用量はゴム100重量部に対し、0.2〜3重量
部が好ましい。
本発明の組成物には、プロセス油として通常ゴム配合用
として用いられているものが、目的、用途に合わせて用
いられる。その化学構造によってパラフィン系、ナフテ
ン系およびアロマチック系に分けられ、引張強度、耐摩
耗性を重視する用途ではアロマチック系が、反発弾性、
低温特性を重視する用途ではナフテン系から更にパラフ
ィン系までが好適に用いられる。その量は、原料ゴム10
0重量部に対し、5〜100重量部が好適であり、5重量部
未満では加工性が悪くカーボンブラックの分散が悪くな
る為、引張強度、伸びなどの性能が発現せず、一方100
重量部を超えると、引張強度、反発弾性、硬さの著しい
低下をもたらし好ましくない。
本発明の共重合ゴムの組成物には、使用に際して更に、
必要に応じてカーボンブラック以外の他の充填剤、酸化
亜鉛、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、
ワックス等を加えることができる。
又、カーボンブラック以外の充填剤としては、ケイ酸、
ケイ酸塩、炭酸カルシウム、酸化チタン、各種クレー類
などが用いられる。
本発明の共重合ゴムの組成物は上述の各成分をゴム工業
用として公知の混合機、例えばオープンロール、インタ
ナールミキサー等を用い公知の種々の方法によって混練
することによって得られるものであり、加硫工程を経て
得られるゴム製品は従来から知られるゴム組成物から得
られるゴム製品に比して優れた性能を示す。中でも特に
高い反発弾性、低発熱性、引張強度、ウェッとスキッド
性を示す。従って、通常のスチレン−ブタジエン共重合
ゴムの組成物が使用される用途に使用され、殊に、タイ
ヤのトレッド用として好適に使用される。
〔実施例〕
以下に若干の実施例をあげて本発明を具体的に説明する
が、本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例、比較例において“部”とは特
にことわりのない限り“重量部”を意味する。
実施例1 内容積10lのステンレス鋼製かきまぜ機、ジャケット付
反応器を2基直列に接続し、単量体として1,3−ブタジ
エンとスチレン(75/25重量比)、溶媒としてn−ヘキ
サン、触媒としてn−ブチルリチウムを単量体100g当り
0.06gの割合(phm)で、ビニル化剤としてエチレングリ
コールジブチルエーテルを0.60phm、アレン化合物とし
て1,2−ブタジエンを触媒1モル当り0.03モルを用いて
連続共重合を行なわせた。1基目において内温を100℃
になるようにコントロールし、上記単量体などは平均滞
留時間が45分間になるように定量ポンプで供給した。1
基目の出口の重合率をガスクロマトグラフィーで測定
し、ブタジエン重合率97%、スチレン重合率95%を得
た。ムーニー粘度をムーニー粘度計で測定し、 40を得た。
更に重合体溶液を2基目に連続的に導入し、2基目にお
いてβ−プロピルチオプロピオン酸ヘキシルを0.44phm
連続的に添加し、内温を100℃になるようにコントロー
ルした。
2基目の出口で酸化防止剤として2,6−ジターシャリー
ブチル−p−クレゾールを添加後、スチームストリッピ
ングにより脱溶媒を行ない110℃熱ロールで乾燥するこ
とにより、分子内にチオエーテル基を導入したスチレン
−ブタジエン共重合ゴムを得た。これを評価試料Aとす
る。
得られたゴムのムーニー粘度をムーニー粘度計で測定
し、 44を得た。また、結合スチンレンとブタジエン部分の1,
2−ビニル含量はハンプトンの方法で赤外分光光度計を
用いて測定し、結合スチレン25重量%、ブタジエン部分
の1,2−ビニル含量は29%を得た。分子量分布はGPCを用
いて、標準ポリスチレンの重合体の検量線を用いて計算
し、Mw/Mn:1.9を得た。また、GPCの曲線は分子量分布が
1山であることを示していた。また、オゾン分解物のGP
Cより求めた単離スチレンは全スチレンに対して62wt%
であり、長鎖ブロックスチレンは0.6wt%であった。
次に、評価試料Aを原料ゴムとして、(IA):90mg/g(D
BP):119ml/100gのN339カーボンブラックを用いて表1
に示す配合で、内容量1.7lの試験用バンバリーミキサー
を使用して、ASTM−D−3403−75の標準配合混合手順の
方法Bによって、配合物を得、これらを加硫し、各物性
を測定した。測定は、以下に示す方法で行なった。
(1)硬さ、引張強度;JIS−K−6301に従った。
(2)反発弾性;JIS−K−6301によるリユプケ法、但
し、70℃における反発弾性は、試料を70℃オープン中で
1時間余熱後、素早く取り出して測定。
(3)グッドリッチ発熱 グッドリッチフレクソメーターを使用し、荷重48ポン
ド、変位0.225インチ、スタート50℃、回転数1800rpmの
条件で試験を行ない、20分後の上昇温度差を表わした。
(4)ウェット・スキッド抵抗 スタンレー・ロンドンのポータブル・スキッドテスター
を使用し、路面としてセーフティ・ウォーク(3M製)を
使用して、ASTM−E−808−74の方法に従い測定した。S
BR1502の測定値を100とした指数で表示した。
各物性は表3に示した。
実施例2〜5、比較例1〜2 評価用ゴムの製造は、表2に示す方法で実施した点を除
き、実施例1と同様な方法によった。得られたゴム評価
試料B〜Gとする。評価試料B〜Gを用いて、表3に示
す方法で実施した点を除き、実施例1と同様な方法で配
合物を得、これらを加硫し、各物性を測定した。各物性
は表3に示した。
実施例6 カーボンブラックとして(IA):44mg/g、(DBP):114ml
/100gのN550カーボンブラックを用いた点を除き実施例
1と同様な方法で配合物を得、これを加硫し、各物性を
測定した。各物性は表3に示した。
実施例7〜8、比較例3 ゴム成分として表3に示すゴムをブレンドして用いた点
を除き、実施例1と同様な方法によった。各物性は表3
に示した。
比較例4 原料ゴムとしてSBR1502を用い、実施例1と同様な方法
で配合物を得、これを加硫し、各物性を測定した。各物
性は表3に示した。
表 1 配合No. 原料ゴム 100 重量部 アロマチックオイル 10 重量部 カーボンブラック 50 重量部 ステアリン酸 2 重量部 亜鉛華 3.5重量部 促進剤CZ 1.3重量部 イオウ 2 重量部 *1 共同石油 X−140 *2 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスフェ
ンアミド 加硫条件:160℃×20分 以上、表3に示される結果より、以下の如く本発明のゴ
ム組成物の特徴が明らかである。
実施例1〜6はいずれもチオエーテル基を分子内に導入
したポリマーをゴム成分として用いた本発明の組成物で
ある。
実施例1と比較例1の比較より、本発明の組成物は、チ
オエーテル基が無いポリマーを用いた組成物に比べ、引
張強度、反発物性、発熱がいずれも大きく改良されてい
る。
実施例1〜4はいずれもオゾン分解−GPCの単離スチレ
ンが40%以上であり、長鎖ブロックスチレンが極めて小
さいポリマーにチオエーテル基を導入したポリマーを用
いた本発明の組成物である。これらはいずれも極めて優
れた性能を有している。
実施例5は、オゾン分解−GPCの単離スチレンが36%と
低く、長鎖ブロックスチレンが4.5%とやや高いポリマ
ーにチオエーテル基を導入したポリマーを用いた本発明
の組成物であり、その性能は実施例1に比べやや劣るも
のの比較例1に比べ極めて優れたものであった。
比較例2では、チオエーテル基を導入したポリブタジエ
ンをゴム成分として用いた組成物であり、実施例1に比
べ引張強度が著しく劣っている。
実施例6はチオエーテル基を導入したポリマーをゴム成
分として用い、カーボンブラックとしてN550カーボンブ
ラックを用いたものであって、比較例1に比べ反発弾性
及び発熱性において著しく優れている。
実施例7と8はいずれもチオエーテル基を分子内に導入
したポリマーをゴム成分の一部として用いた組成物であ
り、一方比較例3はチオエーテル基が無いポリマーを同
様に用いた組成物であるが、実施例7と8では比較例3
に比べ引張強度、反発弾性、発熱がいずれも優れてい
る。
実施例9 撹拌器およびシャケット付きの内容積10の反応器に、
シクロヘキサン4200g、精製ブタジエン850g、精製スチ
レン150g、極性化合物としてテトラハイドロフラン40g
を仕込み、温度を60℃に保持した後、触媒としてn−ブ
チルリチウムを0.6gを加えて重合を開始させ、その後、
重合温度を60〜90℃に保って40分間重合反応を行ない、
得られたリビング重合体溶液に、まず0.244gの四塩化ス
ズ(n−ブチルリチウムに対する当量比0.4)を添加
し、続いて直ちに2.61gのβ−プロピルチオプロピオン
酸ヘキシルを添加して、カップリング反応とチオエーテ
ル基導入とを続いて行なった。
更に、この重合体溶液に、酸化防止剤として、10gのジ
−tert−ブチルヒドロキシトルエンを添加した後、溶媒
を蒸発させポリマーを回収した。
得られた重合体は、ムーニー粘度 は58、スチレン含有量15重量%、ミクロ構造は、1,4−
トランス結合34%、1,4−シス結合22%、1,2−ビニル結
合44%であった。
分子量分布はGPCよりMw/Mn:1.65であり、GPCの曲線は分
子量分布が2山であることを示していた。
なお、カップリングする前の重合体のムーニー粘度は13
であり、Mw/Mnは1.10であった。
また、オゾン分解物のGPCより求めた単離スチレンは全
てスチレンに対して55重量%であり長鎖ブロックスチレ
ンは3.8重量%であった。
次にこの重合体を原料ゴムとして、N339カーボンブラッ
クを用いて表1に示す配合で実施例1と同様に配合物を
得、加硫し、各物性を測定した。測定結果を表4に示
す。
実施例10 撹拌器およびシャケット付きの内容積10の反応器に、
シクロヘキサン4200g、精製ブタジエン850g、精製スチ
レ150g、極性化合物としてテトラハイドロフラン40gを
仕込み、温度を40℃に保持した後、触媒としてn−ブチ
ルリチウムを0.6gを加えて重合を開始させ、その後、断
熱的に重合させ、最高温度105℃に達した後、10分間更
に反応させ、その後、まず0.244gの四塩化スズ(n−ブ
チルリチウムに対する当量比0.4)を添加し、続いて直
ちに2.61gのβ−プロピルチオプロピオン酸ヘキシルを
添加して、カップリング反応とチオエーテル基導入とを
続いて行なった。
更に、この重合体溶液に、酸化防止剤として、10gのジ
−tert−ブチルヒドロキシトルエンを添加した後、溶媒
を蒸発させポリマーを回収した。得られた重合体は、ム
ーニー粘度 は53、スチレン含有量15重量%、ミクロ構造は、1,4−
トランス結合34%、1,4−シス結合23%、1,2−ビニル結
合43%であった。
分子量分布はGPCよりMw/Mn:1.62であり、GPCの曲線は分
子量分布が2山であることを示していた。
なお、カップリングする前の重合体のムーニー粘度は15
であり、Mw/Mnは1.10であった。
また、オゾン分解物のGPCより求めた単離スチレンは全
てスチレンに対して47重量%であり長鎖ブロックスチレ
ンは7.1重量%であった。
次にこの重合体を原料ゴムとして、N339カーボンブラッ
クを用いて表1に示す配合で実施例1と同様に配合物を
得、加硫し、各物性を測定した。測定結果を表4に示
す。
比較例5 β−プロピルチオプロピオン酸ヘキシルを添加しなかっ
た事を除き、実施例9と同様に行なった。
得られた重合体はムーニー粘度 は55であった。
実施例9と同様に加硫物性を測定した。測定結果を表4
に示す。
実施例9はオゾン分解物のGPCより求めた単離スチレン
が55%、長鎖ブロックスチレン5%以下である本発明の
チオエーテル基を有するポリマーの組成物であり、比較
例5に比べ引張強度、反発弾性、発熱が著しく改良され
ている。
実施例10は同じく単離スチレンが47%、同じく長鎖ブロ
ックスチレンは5%を越える本発明のチオエーテル基を
有するポリマーの組成物であり、その性能は実施例9に
比べやや劣るものの、比較例5に比べ大巾に改良されて
いる。
〔発明の効果〕
本発明に係るゴム組成物は、上記のように、引張強度、
反発弾性、発熱性が極めて良好である。本発明のゴム組
成物は、殊にタイヤトレッドを中心とするタイヤ用途に
好適であり、工業的意義は大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレンとブタジエンを有機リチウム触媒
    を用いて炭化水素溶媒中で共重合させ、結合スチレン量
    が5〜45重量%、ブタジエン部分のビニル結合が10〜70
    %、GPCによる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
    n)の比で表わされる分子量分布(Mw/Mn)が1.2〜3で
    あるリビングポリマーに、チオエーテル基を有する反応
    性化合物を反応させて分子内にチオエーテル基を導入し
    た、ムーニー粘度20〜150であるポリマーを少なくとも1
    0重量%含む原料ゴム100重量部に対し、カーボンブラッ
    ク10〜100重量部、硫黄0.3〜5重量部および加硫促進剤
    を配合してなるタイヤトレッドに好適なゴム組成物。
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