JPH067642Y2 - 座席用テレビジョン受像機の支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、航空機や車両の座席にテレビジョン受像機を
取付ける場合の構造に関し、特にこのテレビジョン受像
機を座席の肘掛内に収納する場合の支持構造に関するも
のである。

（従来の技術） 近年の航空機や車両等の座席においては、映画やテレビ
番組を個人的に観賞するために、小型のテレビジョン受
像機を設けることが要望されてきており、またそのよう
な要望を満たすための小型テレビジョン受像機の開発も
進み、実用化もされてきている。

このようなテレビジョン受像機を座席に取付けるにはそ
れなりの工夫が必要であり、従来は肘掛内に収納したテ
ーブルに取付ける等の方法が行なわれていた。ところ
が、この肘掛内に収納されるテーブルにテレビジョン受
像機を設けた場合には、テーブルに物を置きながら映画
等の観賞をする場合には非常に便利ではあるが、当然テ
ーブルの全体構造が複雑にならざるを得ない。また、テ
レビジョン受像機が肘掛の外に出ているということは、
これを支持しているテーブルも外に出ているいうことに
なり、このテーブルが使用者の動きに制約を与えるもの
となっているのである。

また、テレビジョン受像機を略水平に支持されるテーブ
ルに設けた場合には、テレビジョン受像機の配置角度を
それ程自在には変えられないことが多いものである。

そこで、考案者等は、特にテレビジョン受像機の支持角
度に大きな自由度を与えられる構造について鋭意研究し
てきた結果、基本的にはテレビジョン受像機を肘掛に直
接支持させることが良いことに気付き、本考案を完成し
たのである。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は以上のような経緯に鑑みてなされたもので、そ
の解決しようとする課題は、従来のテレビジョン受像機
の支持構造における支持角度の不自由さである。

そして、本考案の目的とするところは、座席上の使用者
の姿勢に応じて支持角度を自由に調整することができる
ことは勿論、使用者の座席からの移動に邪魔になること
がなく、しかも簡単な構造の座席用テレビジョン受像機
の支持構造を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 以上のような課題を解決するために、本考案が採った手
段は、実施例に対応する図面を参照して説明すると、 「座席を構成している肘掛(50)内の支持装置(100)によ
ってテレビジョン受像機(40)を出入自在に収納して支持
する構造であって、 支持装置(100)を、テレビジョン受像機(40)を横回動軸
(13)を中心に回動可能に支持する第一支持台(10)と、こ
の第一支持台(10)を縦回動軸(23)を中心に回動可能に支
持して肘掛(50)内のガイドレール(24)に対して上下動可
能に支持される第二支持台(20)と、この第二支持台(20)
を上下動可能に支持する第三支持台(30)とにより構成す
るとともに、 支持装置(100)を肘掛(50)の空間(53)内に収納して、第
三支持台(30)の下端を空間(53)底部に接続したことを特
徴とする座席用テレビジョン受像機(40)の支持構造」 である。

すなわち、本考案に係る支持構造にあっては、テレビジ
ョン受像機(40)を横回動軸(13)によって第一支持台(10)
に回動可能に支持し、この第一支持台(10)を縦回動軸(2
3)によって第二支持台(20)に回動可能に支持するととも
に、この第二支持台(20)を肘掛(50)内の上下方向に設け
たガイドレール(24)に上下動可能に組み付け、さらにこ
の第二支持台(20)を第三支持台(30)によって肘掛(50)に
対して出入自在とすることにより、テレビジョン受像機
(40)を第３図に示した矢印Ｉ〜IV方向に動かし得るよう
にしたものである。

（考案の作用及び使用の態様） 次に、本考案の作用について、テレビジョン受像機(40)
の使用の態様と併せて説明する。

まず、使用されないときのテレビジョン受像機(40)は、
第４図に示すように、支持装置(100)によって支持され
ている状態で、肘掛(50)の空間(53)内に収納されている
ものであり、肘掛(50)の空間(53)は第一カバー(51)によ
って覆蓋された状態にある。

この状態から、テレビジョン受像機(40)を使用したい場
合には、肘掛(50)の第一カバー(51)を開いて、テレビジ
ョン受像機(40)の指掛部(42)に使用者が指を掛けてこれ
を引き上げるのである。そうすると、このテレビジョン
受像機(40)を支持している第一支持台(10)及び第二支持
台(20)がガイドレール(24)上を移動するとともに、第三
支持台(30)のスライド板(33)はガイドレール(24)に対し
上方にスライドしながら所定の位置まで伸びるから、テ
レビジョン受像機(40)は所定位置まで上動するのであ
る。この場合、第三支持台(30)にあっては、そのスライ
ド板(33)が所定位置以上に引き伸ばされると、基体(31)
に対する固定が自動的になされるものであり、そのまま
使用者がテレビジョン受像機(40)の指掛部(42)から指を
離せば、テレビジョン受像機(40)は肘掛(50)から突出し
た状態で支持されるのである。（第３図の矢印Ｉの状
態） このテレビジョン受像機(40)が肘掛(50)から引き出され
たままの状態では使用者の視野にうまく入らないことが
多いから、このテレビジョン受像機(40)の支持角度を次
のように調整する。すなわち、まずテレビジョン受像機
(40)を支持している基枠(41)の全体を第二支持台(20)の
縦回動軸(23)に対して左右に押すことにより、第３図の
矢印IIにて示すように、基枠(41)を支持している第一支
持台(10)を第二支持台(20)の縦回動軸(23)に対して回動
させるのである。また、必要に応じて、このテレビジョ
ン受像機(40)を支持している基枠(41)の全体を第一支持
台(10)の横回動軸(13)に対して前後に押すことにより、
第３図の矢印IIIにて示すように、テレビジョン受像機
(40)を支持している基枠(41)を第一支持台(10)の横回動
軸(13)に対して回動させるのである。以上の操作を使用
者が行なうことによって、テレビジョン受像機(40)の支
持角度の調整がなされるのである。

また、使用者がテレビジョン受像機(40)の使用中に席を
離れたい場合には、上述のように、テレビジョン受像機
(40)を支持している基枠(41)の全体を第二支持台(20)の
縦回動軸(23)に対して左右に押すのである。これによ
り、テレビジョン受像機(40)を肘掛(50)の直上に位置す
るようにできるから、使用者の前方は大きく開放される
ことになり、使用者は座席から自由に立つことが可能と
なるのである。席にもどった使用者は、上記と逆の操作
を行なうことにより、テレビジョン受像機(40)の番組を
再び自然な姿勢で楽しむことができるのである。

このテレビジョン受像機(40)を使用しない場合には、使
用者は上記の操作と逆の操作を行なうことにより、テレ
ビジョン受像機(40)はその支持装置(100)とともに肘掛
(50)の空間(53)内に収納されるのである。すなわち、使
用者は、テレビジョン受像機(40)の支持位置を、肘掛(5
0)の空間(53)の直上になるように位置調整を行なうとと
もに、テレビジョン受像機(40)を僅かに上動させるので
ある。このとき、第三支持台(30)にあっては、そのスラ
イド板(33)が僅かに上動することにより、それまでこの
第三支持台(30)の下動を規制していたストッパが自動的
に解除されるため、スライド板(33)はその基体(31)に対
する初期収納位置に戻るのである。従って、このスライ
ド板(33)に第二支持台(20)及び第一支持台(10)を介して
連結されていたテレビジョン受像機(40)は、第二支持台
(20)の基台(21)がガイドレール(24)上を下動することに
より、肘掛(50)の空間(53)内に完全に収納されるのであ
る。（第３図の矢印IVの状態） （実施例） 次に、本考案を図面に示した実施例に従って詳細に説明
する。

第１図及び第２図には、本考案に係る支持構造によっ
て、テレビジョン受像機(40)を肘掛(50)に収納支持した
状態が示してある。すなわち、座席を構成する肘掛(50)
の空間(53)内に対して、支持装置(100)によって支持さ
れたテレビジョン受像機(40)が出入自在に収納して支持
してあるのである。そして、このテレビジョン受像機(4
0)のための支持装置(100)は、第３図の矢印Ｉ〜IVで示
した方向に動かすことができるようにテレビジョン受像
機(40)を支持しているのである。

なお、本実施例における肘掛(50)の空間(53)の上方は、
第５図に示すように、第一カバー(51)によって覆蓋され
得るように構成してあり、またこの第一カバー(51)に隣
接する肘掛(50)の上面には第二カバー(52)が設けてあ
る。この第二カバー(52)は、例えば、テレビジョン受像
機(40)を操作するためのスイッチ類を覆蓋するものであ
る。

支持装置(100)は、テレビジョン受像機(40)の基枠(41)
を支持する第一支持台(10)と、この第一支持台(10)に連
結され肘掛(50)内のガイドレール(24)に対して上下動可
能に支持される第二支持台(20)と、この第二支持台(20)
の下端に連結されて支第二支持台(20)等を支持する第三
支持台(30)とからなっている。

第一支持台(10)は、これを構成している基板(11)の側部
に、第６図及び第８図に示すようにテレビジョン受像機
(40)の基枠(41)を回動可能に支持する横回動軸(13)を有
しているものであり、また基板(11)の横回動軸(13)とは
反対側に一体的に設けられ、第二支持台(20)の縦回動軸
(23)を回動可能に収納するための挿入部(12)を有してい
る。なお、この第一支持台(10)の基板(11)には第８図〜
第１０図に示すように第二支持台(20)の縦回動軸(23)を
所定位置に停止させるためのストッパ(14)が設けてあ
る。

第二支持台(20)は、第４図に示したように、その基台(2
1)を肘掛(50)の空間(53)内に立設したガイドレール(24)
上に上下動可能に組み付けたものであり、第６図及び第
１１図〜第１３図に示すように、基台(21)に縦回動軸(2
3)を垂直に立設して固定したものである。また、この第
二支持台(20)は、その縦回動軸(23)によって上記の第一
支持台(10)を回動可能に支持するものである。そして、
この第二支持台(20)を構成している基台(21)の下部に
は、第三支持台(30)を取付けるための取付穴を有する取
付板(22)が一体的に固着してある。

なお、本実施例の第二支持台(20)は、第４図に示したよ
うに、肘掛(50)内の前端部に立設したガイドレール(24)
の後側に支持したものを採用した例について図示した
が、この第二支持台(20)は、肘掛(50)内の略中央部にガ
イドレール(24)を立設しておき、このガイドレール(24)
の前側に支持して実施してもよいものである。この場合
には、テレビジョン受像機(40)は肘掛(50)の前端部分か
ら取り出すことができるものである。

第三支持台(30)は、第６図、第１４図及び第１５図にて
示すようなものであり、その基体(31)内にスライド板(3
3)を出入自在に収納する公知のものである。この第三支
持台(30)のスライド板(33)は、その基体(31)内に組付け
たストッパを有していて、このストッパが伸び切ったス
ライド板(33)をその伸張位置にて固定するとともに、こ
のスライド板(33)を再び上動させて戻した場合に上記の
ストッパが解除されて、スライド板(33)を再び基体(31)
内に収納できるように構成したものである。また、この
第三支持台(30)は、その基体(31)の下端及びスライド板
(33)の上端にそれぞれ取付金具(32)が回動自在に設けて
あり、上方の取付金具(32)を第二支持台(20)の取付板(2
2)に連結するとともに下方の取付金具(32)を肘掛(50)の
空間(53)内の底部に連結して使用されるものである。

（考案の効果） 以上述べた通り、本考案においては、上記実施例にて例
示した如く、 「座席を構成している肘掛(50)内の支持装置(100)によ
ってテレビジョン受像機(40)を出入自在に収納して支持
する構造であって、 支持装置(100)を、テレビジョン受像機(40)を横回動軸
(13)を中心に回動可能に支持する第一支持台(10)と、こ
の第一支持台(10)を縦回動軸(23)を中心に回動可能に支
持して肘掛(50)内のガイドレール(24)に対して上下動可
能に支持される第二支持台(20)と、この第二支持台(20)
を上下動可能に支持する第三支持台(30)とにより構成す
るとともに、 支持装置(100)を肘掛(50)の空間(53)内に収納して、第
三支持台(30)の下端を空間(53)底部に接続したこと」 にその構成上の特徴があり、これにより、座席上の使用
者の姿勢に応じて支持角度を自由に調整することができ
ることは勿論、使用者に邪魔になることがなく、しかも
簡単な構造の座席用テレビジョン受像機の支持構造を提
供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る支持構造によってテレビジョン受
像機を肘掛に支持した座席の側面図、第２図は同平面
図、第３図は使用者側からみたテレビジョン受像機の動
きを示す斜視図、第４図は肘掛の側面図、第５図は肘掛
の上部を示す部分斜視図、第６図は、本考案に係る支持
構造を採用した支持装置によってテレビジョン受像機を
支持した状態を示す側面図、第７図は同背面図である。 また、第８図〜第１０図は支持装置を構成している第一
支持台を示す図であって、第８図はその正面図、第９図
は同側面図、第１０図は同底面図であり、第１１図〜第
１３図は支持装置を構成している第二支持台を示す図で
あって、第１１図はその正面図、第１２図は同側面図、
第１３図は同平面図であり、さらに第１４図及び第１５
図は支持装置を構成している第三支持台を示す図であっ
て、第１４図はその正面図、第１５図は同側面図であ
る。 符号の説明 100……支持装置、10……第一支持台、13……横回動
軸、20……第二支持台、23……縦回動軸、24……ガイド
レール、30……第三支持台、31……基体、33……スライ
ド板、40……テレビジョン受像機、50……肘掛、53……
空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】座席を構成している肘掛内の支持装置によ
   ってテレビジョン受像機を出入自在に収納して支持する
   構造であって、 前記支持装置を、前記テレビジョン受像機を横回動軸を
   中心に回動可能に支持する第一支持台と、この第一支持
   台を縦回動軸を中心に回動可能に支持して前記肘掛内の
   ガイドレールに対して上下動可能に支持される第二支持
   台と、この第二支持台を上下動可能に支持する第三支持
   台とにより構成するとともに、 前記支持装置を前記肘掛の空間内に収納して、前記第三
   支持台の下端を前記空間底部に接続したことを特徴とす
   る座席用テレビジョン受像機の支持構造。