JPH0676356A - 光記録媒体、光記録媒体用基板及び光記録媒体用基板の製造方法 - Google Patents

光記録媒体、光記録媒体用基板及び光記録媒体用基板の製造方法

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JPH0676356A
JPH0676356A JP5147703A JP14770393A JPH0676356A JP H0676356 A JPH0676356 A JP H0676356A JP 5147703 A JP5147703 A JP 5147703A JP 14770393 A JP14770393 A JP 14770393A JP H0676356 A JPH0676356 A JP H0676356A
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group
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optical recording
substrate
resin
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JP5147703A
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English (en)
Inventor
Osamu Shikame
修 鹿目
Hirofumi Kamitakahara
弘文 上高原
Takashi Kai
丘 甲斐
Toshiya Yuasa
俊哉 湯浅
Hitoshi Yoshino
斉 芳野
Naoki Kushida
直樹 串田
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録層に悪影響を与えることなくUV光によ
る劣化を抑制した光記録媒体を提供することを目的とす
る。 【構成】 ポリカーボネート樹脂を含有してなる基板及
び記録層を具備してなる光記録媒体に於て、該基板が下
記式(x)及び(y)で示される構成単位を有するコポ
リカーボネート樹脂を含有することを特徴とする。 【外1】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
は−O−、−S−、−SO2 −を示し、式(y)のY
は、アルキリデン基、アリール置換アルキレン基、アリ
ール基または−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を
示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学的に情報の記録・再
生を行う光記録媒体、及びその光記録媒体に用いる光記
録媒体用基板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来光記録媒体は記録・再生を行う光、
例えば半導体レーザービー等が透過する透明な基板上に
記録層を設け、その上に必要に応じて保護層を設けるこ
とによって構成されている。
【0003】そして上記基板としては、透明性、強度に
優れ、吸湿性の低いポリカーボネート樹脂が広く用いら
れている。なお、ここでいうポリカーボネート樹脂と
は、従来より工業的に生産されてなる通常のポリカーボ
ネート樹脂、例えばビス(ヒドロキシフェニル)アルカ
ン系ポリカーボネート樹脂を指すものである。
【0004】そしてかかるポリカーボネート樹脂からな
る光記録媒体用基板(以下基板と略す)は自然光(特に
その紫外光成分)の照射によって変色や分子量低下等の
劣化が生じ易く、かかる光劣化を防止することが要求さ
れており、そのために基板中にUV吸収剤を添加してお
く技術が知られている。
【0005】しかし、UV吸収剤として一般的なUV吸
収剤、例えば2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールや2−[2−ヒドロキシ−3−
(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)
−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール等を用いた
場合、この基板を用いてなる光記録媒体を高温高湿下に
長時間放置した時に記録層に好ましくない影響を与える
ことがあり、例えば記録層として有機色素を用いた場
合、その反射率を低下させ、又記録層として光磁気膜を
用いた場合、該光磁気膜に孔食を生じさせ、ビットエラ
ーレートを低下させるという問題点が有った。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、上記問
題点に鑑みなされたものであって、記録層に悪影響を与
えることなくUV光による劣化を抑制した光記録媒体用
ポリカーボネート基板を提供することを目的とする。
【0007】又、本発明は高温高湿条件下に於ても、記
録層の劣化の程度が小さく、そして又、ポリカーボネー
ト基板の劣化をも抑制してなる光記録媒体を提供するこ
とを他の目的とする。
【0008】又、本発明は記録層に悪影響を与えること
なく、耐光性を向上させた光記録媒体用ポリカーボネー
ト基板を低コストで製造することのできる光記録媒体用
基板の製造方法を提供することを更に他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の光記録媒体
は、ポリカーボネート樹脂を含有してなる基板及び記録
層を具備してなる光記録媒体に於て、該基板が下記式
(x)及び(y)で示される構成単位を有するコポリカ
ーボネート樹脂を含有することを特徴とする。
【0010】
【外8】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
を示す。]
【0011】又本発明の光記録媒体用基板は、ポリカー
ボネート樹脂を含有してなる光記録媒体用基板に於て、
該基板が下記式(x)及び(y)で示される構成単位を
有するコポリカーボネート樹脂を含有することを特徴と
する。
【0012】
【外9】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
を示す。]
【0013】又、本発明の光記録媒体用基板の製造方法
は、下記式(x)及び(y)で示される構成単位を有す
るコポリカーボネート樹脂を含有してなるポリカーボネ
ート樹脂を熔融して押し出し、樹脂シートを成形する工
程、及び該樹脂シートを、周面にプリフォーマットパタ
ーンを有してなるロールスタンパーと、該ロールスタン
パーに対向配置されてなるロールとで、挟圧して、該樹
脂シート表面にプリフォーマットパターンを転写する工
程、とを有してなることを特徴とする。
【0014】
【外10】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
を示す。]
【0015】又本発明の光記録媒体は、樹脂基板及び記
録層を具備してなる光記録媒体に於て、該基板が下記式
(x)及び(y)で示される構成単位を有するコポリカ
ーボネート樹脂を含有することを特徴とする光記録媒
体。
【0016】
【外11】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
を示す。]
【0017】更に、本発明の光記録媒体用基板は、下記
式(x)及び(y)で示される構成単位を有するコポリ
カーボネート樹脂を含有してなることを特徴とする。
【0018】
【外12】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
を示す。]
【0019】次に本発明について、図面を用いて詳細に
説明する。
【0020】図1は本発明に係る光記録媒体の概略断面
図であって、同図に於て101はポリカーボネート樹脂
を含有してなる基板、102は光記録層である。そして
本発明の光記録媒体はポリカーボネート基板101に下
記式(x)及び(y)で表される構成単位を有するコポ
リカーボネート樹脂を含有させてなることを特徴とする
ものである。
【0021】
【外13】 [そして上記、式(x)中Zは直接結合、アルキリデン
基または−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、
またはハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキ
シ基を示し、R1はH、またはアルキル基、アラルキル
基を示し、mは1〜3の整数を示す。又上記式(y)の
Yは、アルキリデン基、アリール置換アルキレン基、ア
リール基または−O−、−S−、−CO−、−SO2
を示し、R2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたは
アルキル基を示す。]
【0022】又、上記式(x)中のZに於て直接結合と
は、下記式(x)−1〜(x)−3に示す構造のことを
意味するものである。
【0023】
【外14】
【0024】そして、本発明のポリカーボネート基板を
用いて、光記録媒体を構成した場合基板の光劣化を抑制
できると共に、この光記録媒体を高温・高湿下に長時間
放置した場合でも、記録層の劣化を小さく抑えることが
できるものである。
【0025】次に本発明に用いられるコポリカーボネー
トに於て、式(x)の構成単位中、Zで示されるアルキ
リデン基としては、メチレン、エチリデン、プロピリデ
ン、イソプロピリデン、ブチリデン、オクチリデン、デ
シリデン等が挙げられる。
【0026】又これらのアルキリデン基はフェニル基等
のアリール基で置換されていてもよい。
【0027】更にZに用いられるアルキリデン基として
は、炭素数1〜10のものは、コポリカーボネート分子
の配向を抑え基板の複屈折を小さくするうえで好まし
い。
【0028】又式(x)中の置換基R1 に用いられるア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブ
チル、アミル、t−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、イソオクチル、Z−エチルヘキシル、1,1,
3,3−テトラメチルブチル、ノニル、デシル、イソデ
シル、ドデシル、オクタデシル、2−ヒドロキシブチ
ル、3−ヒドロシキプロピルなどが挙げられ、アラルキ
ル基としては、ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチ
ルメチル基、β−ナフチルメチル基、カルボキシベンジ
ル基、スルホベンジル基、p−メチルベンジル基などが
挙げられる。
【0029】そしてR1 に於ては、炭素数5以上15以
下のアルキル基或いはアラルキル基とした場合、例えば
記録層を湿式塗布した時の記録層の膜厚の均一性が向上
し、記録層の反射率にムラが生じるのを抑えることがで
きる。即ち記録層をグラビアコート法で塗布した場合、
塗布領域の端部では膜厚が安定せず、中央部とで反射率
の差が生じることがあるが、本発明によれば基板表面の
有機溶媒に対するヌレ性が微妙に変化するため、かかる
膜厚ムラに起因する反射率差を解消でき、記録領域の拡
大を図ることができる。
【0030】又、式(x)中の置換基Xに用いられるハ
ロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素などが挙
げられ、アルキル基及びアラルキル基はR1 で示される
ものと同一のものが挙げられ、アルコキシ基としてはメ
トキシ、エトキシ、プロポキシなどの前記アルキル基か
らのアルコキシ基が挙げられ、アリール基としてはフェ
ニルなど、アリールオキシ基としてはフェノキシなど、
アラルキルオキシ基としては、前記アラルキル基からの
アラルキルオキシ基が挙げられる。
【0031】次に、上記式(y)中、Yで示されるアル
キリデン基としては、前記Zに用いられる直鎖又は分岐
したアルキリデン基の他に、シクロヘキシリデン基など
の環状アルキリデン基が挙げられ、又前記したのと同じ
理由から炭素数1〜10のアルキリデン基を用いるのが
好ましい。
【0032】又、アリール置換アルキレン基としては、
例えばフェニル基で置換されてなるエチレン基、プロピ
レン基、ブチレン基、アミレン基(C510=)、ヘキ
シレン基(C612=)などが挙げられる。そして、本
発明に於てYをアリール置換アルキレン基とする場合、
基板の強度を維持するためには、該アルキレン基の直鎖
の数を1〜10個、特に1〜6個とするのが好ましい。
【0033】又式(y)中R2 〜R5 に用いられるハロ
ゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素などが挙げ
られ、アルキル基としては前記したR1 に用いられるア
ルキル基を用いることができる。そしてR2 〜R5 に於
てアルキル基を用いる場合、基板の複屈折を抑えるうえ
で、炭素数1〜4のアルキル基とすることが好ましい。
又、R2 〜R5 としては互いに同一であっても異なって
いてもよい。
【0034】次に本発明に用いるコポリカーボネート
は、下記一般的(1)及び(2)で示される二価フェノ
ールを用いることを除き、従来の芳香族ポリカーボネー
ト樹脂と同様の方法で合成できる。
【0035】
【外15】
【0036】即ち、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ
水溶液の存在下、前記一般式(1)、(2)の二価フェ
ノール系化合物及び必要に応じて分子量調節剤(末端停
止剤)を用い、ホスゲンと反応させた後、第三級アミン
若しくは第四級アンモニウム塩などの重合触媒を添加す
る界面重合法や、同様の二価フェノール系化合物及び分
子量調節剤をピリジン又はピリジン及び不活性溶媒の混
合溶液に溶解し、ホスゲンを吹き込むピリジン法が利用
できる。
【0037】又本発明に用いるコポリカーボネート樹脂
の化学構造としては、構成単位(x)及び(y)がラン
ダムに配列されてなるランダムコポリマー、構成単位
(x)及び(y)が交互に配列されてなる交互コポリマ
ー、構成単位(x)が複数個結合してなるブロックと構
成単位(y)が複数個結合してなるブロックとが結合し
てなるブロックコポリマー、更には構成単位(y)から
なる主鎖ポリマーに構成単位(x)からなるポリマーの
ブロックが分岐してなるグラフトコポリマーの4種の構
造が存在するが、その何れも本発明に用いることができ
る。
【0038】更に本発明のコポリカーボネートの構成単
位(x)及び(y)の割合としては、該コポリカーボネ
ートが十分なUV吸収能を示す様に、該コポリカーボネ
ートの二価フェノール換算値として、構成単位(x)に
基づく二価フェノールが全ての二価フェノールに対して
0.1〜70モル%となる様にするのが好ましいが、基
板の複屈折性を考慮した場合、10〜40モル%、特に
15〜35モル%とすることが好ましい。なお、この範
囲が基板の複屈折性を抑えることが好ましい理由は明ら
かでないが、構成単位(x)の割合が多いと、その立体
障害によってコポリカーボネートの分子配向に影響を与
えるためであると考えられる。
【0039】そして又、本発明に用いるコポリカーボネ
ート樹脂の分子量としては、該コポリカーボネートが混
合されるポリカーボネート樹脂との溶融時の相溶性及び
光記録媒体の光記録層への影響を考慮すると粘度平均分
子量で0.1×104 〜4.0×104 程度が好まし
い。
【0040】次に本発明にかかるコポリカーボネートと
混合されるポリカーボネート樹脂としては、通常のポリ
カーボネート樹脂、例えばビス(ヒドロキシフェニル)
アルカン系ポリカーボネート樹脂等を用いることができ
る。
【0041】ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系ポ
リカーボネートとは、ビス(4ヒドロキシフェニル)ア
ルカンのようなヒドロキシジ(単核もしくは複核アリー
ル)化合物とカーボネートブリカーサー例えばホスゲ
ン、ホルメート又はカーボネートエステルと反応させて
得られる芳香族炭化水素重合体であり、前記構成単位
(y)で示される繰り返し単位を有するものである。そ
して、本発明に於て用いるポリカーボネート樹脂の粘度
平均分子量は、機械的特性と成形性とのかね合いで15
000〜22000程度が好ましい。そして本発明に係
る基板に於てコポリカーボネートのポリカーボネートへ
の混合量としては、ポリカーボネート樹脂を基準とし
て、0.1〜20重量%、特に0.3〜5重量%、更に
は0.5〜2重量%とした場合、基板に十分なUV吸収
能を付与できると共に記録層への影響も抑えられ好まし
いものである。
【0042】次に本発明の基板の製造方法としては、基
板の成形方法として公知の方法、例えば射出成形法、射
出圧縮成形法、コンプレッション法やキャスティング
法、さらには押出成形法を用いて製造することができる
が、本発明の基板は射出成形や射出圧縮成形及び押出成
形といった量産性に優れた成形方法との相性が極めて良
好である。
【0043】即ち、上記した成形方法は、予め樹脂を熔
融状態とするものであり、成形材料として従来のUV吸
収剤を添加したポリカーボネートを用いた場合、樹脂熔
融時にUV吸収剤が揮発し、成形を繰り返す度に、スタ
ンパーや成形ロールを汚染するため長時間の連続成形は
困難であった。しかし本発明に係る基板材料は、熔融時
に於ても揮発成分が殆ど認められず、連続成形を行って
も、スタンパーや成形ロールか汚染されず長時間の連続
成形が可能である。そこで、以下に押出成形法及び射出
成形法を用いた本発明に係る基板の成形方法について図
面を用いて説明する。
【0044】即ち図2は、本発明に係る基板を押出し成
形によって製造方法に用いられる装置の概略断面図であ
って、201は押出機、202は押出機201によって
熔融された樹脂をシート状に賦形するためのダイス、2
04は周面にプリフォーマットに対応するプリフォーマ
ットパターンが形成されてなるロールスタンパー、そし
て203及び205はロールスタンパーに対向配置され
てなる鏡面ロールである。
【0045】そしてシート用ダイス202は、該ダイス
から押出される熔融樹脂シートがロールスタンパー20
4と鏡面ロール203の間に押出されるように配置され
ている。そして先ず、本発明に係るポリカーボネート樹
脂とコポリカーボネート樹脂の混合物を押出機201に
投入すると、該樹脂混合物が熔融され、ダイス202か
ら熔融樹脂シート207が押し出されてくる。
【0046】この時樹脂の温度は、例えばポリカーボネ
ート樹脂の場合、260℃〜350℃に設定される。次
いで、該熔融樹脂シート207を、先ず鏡面ロール20
3とロールスタンパー204、次いでロールスタンパー
204と鏡面ロール205とで挟圧し、ロールスタンパ
ー204の表面のプリフォーマットパターンを熔融樹脂
シート207の表面に転写することによって基板シート
208か成形される。そしてこの時、本発明のロールス
タンパー204は、樹脂シートがロールスタンパー20
4上で、歪やしわを生じることなく、その熱変形温度以
下の温度にまで冷却される様な温度に保たれる。
【0047】即ち、ロールスタンパーの温度は用いる樹
脂の熱変形温度の+20〜−20℃の範囲に過熱される
のが好ましく、例えばポリカーボネート樹脂を成形する
場合の表面温度は100℃〜160℃に過熱されるのが
好ましい。即ち、上記の温度範囲とすることにより溶融
樹脂シートが急冷されないため樹脂シートに収縮等も歪
みが生じにくい。又、該ロールスタンパーに対向配置さ
れてなる鏡面ロールの温度はロールスタンパーと同じか
若干低めに設定されるのが好ましい。
【0048】これらのロールの温度の調節は例えばロー
ルに鋳込まれたヒーターにより電気的に加熱されたり、
ロールの中心部に熱媒を循環させることにより制御され
る。
【0049】又シート用ダイス及び鏡面ロール203
と、ロールスタンパー204は互いに協働して、該シー
ト用ダイスから押出されてなる樹脂シートが鏡面ロール
203とロールスタンパー204とで挟圧されることに
よって、冷却時に例えば0.3〜1.5mmの厚さの基
板シートが得られる様に構成される。
【0050】又図3は本発明に係る基板を射出成形によ
って製造する方法に用いられる射出成形装置の概略図で
あり、図3に於て301は固定側型、302は該固定側
型に保持されている固定側ミラーであって、この両部材
で固定側金側303を構成してなる。又304は可動側
型、305は可動側型に保持されている可動側ミラーで
あってこの両部材で可動側金型306を構成してなるも
のである。そして可動側ミラー305の表面には、基板
に、情報用ピット、トラッキング用ピットやトラッキン
ググルーブなどのプリフォーマットを形成する為のスタ
ンパー307が外周スタンパーホルダー308及び内周
スタンパーホルダー309で固定されている。310は
固定側金型303及び可動側金型306とが閉じた状態
に於て固定側ミラー302及び可動側ミラー305によ
って形成されるキャビティである。又、311は固定側
金型303に内挿されてなり、スクリュシリンダ316
及びその先端に取り付けられてなる射出ノズル312か
らなる射出装置318から供給される熔融樹脂をキャビ
ティ310に導く通路を構成するスプルブッシュであ
る。そしてかかる301〜318の部材を備えた射出成
形装置を用いた基板の射出成形方法としては、スプルブ
ッシュ311に射出ノズル312を当接させ、射出装置
318内で熔融させてなる本発明に係るポリカーボネー
ト樹脂とコポリカーボネート樹脂の混合物313を、ス
プルッシュ311を介してキャビティ310に充填させ
た後、該樹脂を冷却固化させると共に可動側金型306
に配置されてなるゲートカッター314を用いて基板に
中心孔を形成し、次いでエジェクター315で基板をス
タンパー307で離型させることによって表面にプリフ
ォーマットが形成された基板を得ることができる。
【0051】ところで、上記した本発明の基板の製造方
法に於て、基板とスタンパー又は基板とロールスタンパ
ーの離型性を改善する為に本発明に係る樹脂混合物中に
離型剤を添加してもよい。
【0052】そして離型剤としては、公知の種々の化合
物、例えば多価アルコールと酸とのエステル等を用いる
ことができるが、光記録層に対する影響を考慮した場
合、下記一般式(3)に示される飽和脂肪族モノカルボ
ン酸と、下記式(4)で示される多価アルコールとのエ
ステルが好適に用いられ、中でも特にペンタエリスリト
ールテトラステアレートは好ましい材料である。
【0053】
【外16】
【0054】そして又かかる離型剤の該樹脂混合物の含
有量としては、該混合物を基準として、0.01〜0.
09重量%、特に0.02〜0.08重量%程度が好ま
しい。
【0055】即ち、離型剤の含有量を0.09重量%よ
りも多くすると、例えば記録層として有機色素を湿式塗
布によって形成しようとした場合、塗布膜中に離型剤が
混入してしまい記録層の反射率を変化させる原因とな
り、又記録層として光磁気膜等の真空堆積法(例えば蒸
着やスパッタリング等)で形成される記録層とした場
合、基板と該記録層の密着性が不十分となり孔食等の原
因となる。
【0056】上記した方法によって製造された基板は、
その上に記録層を形成し、次いで必要に応じて保護層を
設けることによって、光記録媒体を得ることかできるも
のである。
【0057】そして本発明の光記録媒体に用いられる記
録層としては、特に限定されず例えは有機色素や光磁気
記録層などを用いることができる。
【0058】そして本発明の光記録媒体の記録層に用い
る有機色素としては、記録・再生に使用する光の波長付
近、例えば、再生光のエネルギービームの波長が650
nm以上、特に700〜900nmである場合には、記
録部であるピット等に於ける反射率と未記録部のそれと
の差が大きいものが好ましく、また、記録する為には上
記の波長域に吸収のある事が必要である。また、エネル
ギービームの照射によって反射率の変化が生ずるのに必
要とされるエネルギーが小さい方が好ましい。更に、再
生光のエネルギービームによって記録部(ピット等)及
び未記録部の反射率が変化し難いものが好ましい。
【0059】例えば、アントラキノン誘導体(特にイン
ダスレン骨格を有する物)、ジオキサジン化合物及びそ
の誘導体、トリフェノジチアジン化合物、フェナンスレ
ン誘導体、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ピリ
リウム系化合物、キサンテン系化合物、トリフェニルメ
タン系化合物、クロコニウム系色素、アゾ色素、クロコ
ン類、アジン類、インジゴイド類、ポリメチン系色素、
アズレン類、スクアリウム誘導体、硫化染料及び金属の
ジチオラート錯体等を挙げる事ができる。
【0060】またこれらの色素に対し安定化剤を混合し
たものでもよい。この安定化剤としては各種金属キレー
ト化合物、特にZn、Cu、Ni、Cr、Co、Mn、
Pd、Zrを中心金属とする多座配位子、例えばN4
22 、N224 、O22 、O4 等の四座配位
子等又はそれらの組み合わせから成るものの他、各種の
芳香族アミン類やジアミン類、含窒素芳香族及びそのオ
ニウム塩、例えばアミニウム塩、ジイモニウム塩、ピリ
ジウム塩、イミダゾニウム塩、キノリウム塩等が挙げら
れる。更に含酸素芳香族の塩であるピリリウム塩等も用
いられる。又これらの安定化剤を複数組み合わせて使用
することもできる。
【0061】上記の種々の安定化剤は前記の有機色素と
用いる溶媒の相溶性を考慮して選択する。又安定化剤の
有機色素に対する添加量は1wt%〜50wt%が好ま
しく、特に10wt%〜30wt%が感度の低下が少な
く且つ安定化剤としての効果も高い。
【0062】上記の有機色素及び安定化剤等を溶解する
のに用いられる溶媒としては樹脂シートの侵さないもの
がよく、例えばジアセトンアルコール、セロソルブ、1
−メトキシ−2−プロパノール等や上記のものにハロゲ
ン系の溶媒を少量加えた混合溶媒を用いることもでき
る。
【0063】そして又本発明の光記録媒体の記録層に用
いる光磁気記録層としては、TbFeCo、TbFeG
d、NdFeCo、NdDyFeCo等の希土類元素
と、遷移金属元素の合金からなる磁性膜が代表例として
挙げられる。
【0064】なお、本発明に於て、プリフォーマットパ
ターンとしては、具体的には例えばピッチ1〜5μm、
深さ200〜5000Å程度のスパイラル状や同心円
状、或いはストライプ状の、光ディスクや光カード用の
トラッキンググルーブや幅2〜5μm、ピッチ8〜15
μm、深さ200〜5000Å程度のスパイラル状や同
心円状、或いはストライプ状の、光ディスクや光カード
用のトラッキンググルーブに対応するパターンであった
り、これらのグルーブ内やグルーブ間に設けられてなる
プリピットに対応するパターンである。
【0065】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。
【0066】(実施例1)先ずポリカーボネート樹脂と
して、ビスフェノールAを重合させてなるポリカーボネ
ート樹脂(粘度平均分子量20000)中に離型剤とし
てペンタエリスリトールテトラステアレートを0.04
重量%含有させたポリカーボネート樹脂を用意した。
【0067】又、コポリカーボネート樹脂として、ベン
ゾトリアゾール化合物2,2′−メチレンビス−6−ベ
ンゾトリアゾリルフェノールとビスフェノールAとの共
重合体(モル比1:6、粘度平均分子量1.1×10
4 )を用意し、該コポリカーボネート樹脂1重量部を該
ポリカーボネート樹脂100重量部に添加した。
【0068】次に、この樹脂混合物を図2に示す成形装
置の押出成形機201中に投入して光カード用基板シー
トの成形を行った。なお、図2の成形装置に於て、鏡面
ロール203、205としては直径30cmの周面をク
ロムメッキしてなる炭素鋼製のロールを用いた。又ロー
ルスタンパーとして、直径30cmの周面をクロムメッ
キしてなる炭素鋼製のロールの周面に光カードのプリフ
ォーマットパターンが形成された厚さ100μmのニッ
ケルスタンパーを厚さ100μmのポリイミドシートを
介して固定してなるものを用いた。
【0069】なお、光カードのプリフォーマットパター
ンとして、幅30mm、長さ85mmの長方形の領域に
長さ85mm、幅3μm、ピッチ12μmの光カード用
トラッキンググルーブに対応するパターンとした。
【0070】そして成形条件として、ダイ温度300
℃、鏡面ロール203の表面温度125℃、ロールスタ
ンパー204の表面温度135℃、鏡面ロール205の
表面温度140℃とし、基板シートの搬送速度3.0m
/分、基板シートの厚さ0.4mmとした。そして、上
記の条件で8時間連続して光カード用基板シートの成形
を行ったところ、成形終了後に於ても、ロールスタンパ
ー204、鏡面ロールの周面への汚れの付着は目視によ
っては確認できず、又得られた基板シートへのプリフォ
ーマットパターンの転写精度は基板シートの全てのプリ
フォーマットパターン転写部に於て98%以上と良好で
あった。なお、本発明に於て転写精度とは、プリフォー
マットパターン転写部の9ケ所のトラック溝方向に垂直
な方向の断面形状を電子線表面形態解析装置(商品名:
ESA−3000;エリオニクス(株)製)で観測し、
基板シートのグルーブ転写部のランド部の幅をa、スタ
ンパーのグルーブ形成用の凹部の下底の幅をAとしたと
きのa/Aの値の平均値である。
【0071】次にこの基板シートを切断して、図4に示
す様に縦(a)54mm、横(b)85mmの光カード
用基板を作成し、該基板のプリフォーマットパターンが
転写された側の表面の、プリフォーマットパターン転写
領域401内の所定の領域402に、下記構造式(I)
で示されるポリメチン色素に、下記構造式(II)で示
されるアミニウム塩化合物を25重量%含有させた、ジ
アセトンアルコール溶液をグラビアコートによって乾燥
膜厚が1000Åとなる様に塗布して記録層を形成し、
次いで該記録層上に厚さ0.3mmのポリカーボネート
保護基板を接着層を介して貼り合せて光カードを作成し
た。
【0072】次に、この光カードの記録層形成領域40
2内の両端部の幅5mmの領域403と中央の領域40
4との反射率を光カード評価機(キヤノン(株)製)を
用いて測定した。
【0073】
【外17】
【0074】次いで、この光カードをキセノンフェード
メーター(スガ試験機製、FAL−25AX−HC−B
−Ec)を用いて43℃、70%RH、42mW/cm
2 の条件で500時間保存耐久テストを行い、耐久テス
ト前後での中央の領域404の反射率変化を測定し、初
期を100%とした場合の低下率を測定した。
【0075】更に又、本実施例に於て作成した光カード
用基板について、上記したのと同様にした保存耐久テス
トを行い基板の黄変度(Y.I.値)を、カラーコンピ
ュータ(商品名:SM−3−CH型;スガ試験機(株)
製)を用いて測定した。なお、本実施例に於て、Y.
I.値の基準として基板に通常要求される値である2.
5に設定した。
【0076】(実施例2)コポリカーボネート樹脂とし
て、2,2′−メチレンビス(4−オクチル−6−ベン
ゾトリアゾリフェノール)とビスフェノールAとのコポ
リマー(モル比1:6、粘度平均分子量1.9×10
4 )を用いた以外は、実施例1と同様にして光カード用
基板シートを作成した。
【0077】その結果8時間の連続成形によっても、ロ
ールスタンパー204及び鏡面ロール203への汚れの
付着は認められず、又得られた基板シートへのプリフォ
ーマットパターンの転写精度は基板シートの全てのプリ
フォーマットパターン転写部に於て98%以上と良好で
あった。
【0078】次にこの基板シートを切断して、実施例1
と同様にして光カードを作成し、実施例1と同様にして
評価した。
【0079】(実施例3)実施例2に於て、樹脂混合物
中に、ペンタエリスリトールテトラステアレートを添加
しない以外は、実施例2と同様にして光カード用基板を
作成した。
【0080】その結果、8時間の連続成形によっても、
ロールスタンパー204及び鏡面ロール203への汚れ
の付着は認められなかった。しかし、得られた基板シー
トへのプリフォーマットパターンの転写精度は、殆どの
プリフォーマット転写部に於て95〜96%であった。
【0081】次にこの基板シートを用いて、実施例1と
同様にして光カードを作成し、実施例1と同様にして評
価した。
【0082】(比較例1)コポリカーボネート樹脂を混
入することなく、UV吸収剤として、下記構造式(II
I)で示される化合物を重量比で0.3%混入して、実
施例1と同条件で成形を行った。
【0083】その結果、成形開始後1時間で鏡面ロール
203の表面に汚れが付着し始め、これ以降に成形され
る基板の平面性が低下し転写精度も(50%)以下とな
り、光カード用基板として使用することはできなかっ
た。
【0084】
【外18】
【0085】次に、上記の成形を開始直後に得られた基
板を用いて、実施例1と同様にして光カードを作成し、
実施例1と同様にして評価した。
【0086】(比較例2)コポリカーボネート樹脂を混
入することなく、UV吸収剤として、下記構造式(I
V)で示される化合物を重量比で0.3%混入して、実
施例1と同条件で成形した。
【0087】その結果、成形開始後30分で鏡面ロール
203の表面に汚れが付着し初め、これ以降に成形され
る基板の平面性が低下し、転写精度も50%以下に低下
し、光カード用基板として使用することはできなかっ
た。
【0088】
【外19】
【0089】次に上記成形の開始直後に得られた基板を
用いて、実施例1と同様にして光カードを作成し、実施
例1と同様にして評価した。
【0090】(参考例1)実施例2に於て、コポリカー
ボネートの混合量をポリカーボネート樹脂100重量部
に対して30重量部とした以外は、実施例2と同様にし
て光カード用基板シートを作成した。
【0091】その結果、8時間の連続成形によってもロ
ールスタンパー204及び鏡面ロール203への汚れの
付着は認められず、又得られた基板シートへのプリフォ
ーマットパターンの転写精度は基板シートの全てのプリ
フォーマットパターン転写部に於て98%以上と良好で
あった。
【0092】次にこの基板シートを切断して、実施例1
と同様にして光カードを作成し、実施例1と同様にして
評価した。
【0093】上記実施例1〜3及び比較例1、そして参
考例1の評価結果を表−1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】(実施例4)実施例1の樹脂混合物に於
て、離型剤の含有量を0.08重量%とした樹脂混合物
を用意した。
【0096】又図2の成形装置に於て、ロールスタンパ
ー周面に固定されているスタンパーを、光ディスク用プ
リフォーマットパターンが形成された厚さ150μmの
ニッケルスタンパーに代え、更に成形条件として、基板
シートの搬送速度を1.8m/分、鏡面ロール203の
表面温度120℃、ロールスタンパー204の表面温度
125℃、鏡面ロール205の表面温度135℃とし、
基板シートの厚さを1.2mmとした。
【0097】なお、光ディスク用プリフォーマットパタ
ーンとしては、外径128mm、内径58mmのドーナ
ツ状の領域にスパイラル状に形成されてなる、幅0.6
μm、ピッチ1.6μm、深さ1000Åのトラック溝
に対応するパターンとした。そして上記の条件で7時間
連続して光ディスク用基板シートの成形を行ったとこ
ろ、成形終了後に於ても、ロールスタンパー204、鏡
面ロール203周面への汚れの付着は目視で確認され
ず、又得られた基板シートへのプリフォーマット転写精
度は全てのプリフォーマットパターン転写部に於て97
%以上と良好であった。
【0098】こうして得られた光ディスク基板上に、こ
の基板に実施例1と同様の色素を用いてスピンコート法
で厚さ1000Åの記録層を形成し、該記録層上に接着
層を介して厚さ1.2mmのポリカーボネート保護基板
を貼り合せて光ディスクとしたものについて保存耐久テ
ストを実施例1と同様にして行った。耐久テスト前後で
の反射率変化を測定したところ、テスト後の反射率は9
5%であり保存耐久後に於ても安定した情報の記録・再
生が可能であった。
【0099】又、本実施例3で作成した光ディスク基板
について、上記の保存耐久テストを行った後の黄変度
(Y.I.値)を、実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、Y.I.値は規定値の2.5以下であった。
【0100】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、紫外
線による基板の劣化を抑えると共に、光記録媒体として
の保存安定性も維持することができる高品質な光記録媒
体を得ることができる。
【0101】そして又本発明によれば、紫外線による劣
化を抑え、且つ光記録媒体の保存安定性を低下させるこ
とのない、高品質な光記録媒体用基板を連続的に生産性
良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一実施態様の概略断面
図。
【図2】本発明の光記録媒体用基板の製造方法の一実施
態様を示す概略図。
【図3】本発明の光記録媒体用基板の製造方法の他の実
施態様を示す概略図。
【図4】本発明の実施例に係る光カードの評価方法の説
明図。
【符号の説明】 101 基板 102 光記録層 201 押出機 202 ダイス 203 鏡面ロール 204 ロールスタンパー 205 鏡面ロール 206 引取りロール 207 熔融樹脂シート 208 基板シート 301 固定側型 302 固定側ミラー 303 固定側金型 304 可動側型 305 可動側ミラー 306 可動側金型 307 スタンパー 308 外周スタンパーホルダー 309 内周スタンパーホルダー 310 キヤビティ 311 スプルブッシュ 312 射出ノズル 313 熔融樹脂 314 ゲートカッター 315 エジェクター 316 スクリュシリンダ 318 射出装置 401 プリフォーマットパターン転写領域 402 記録層形成領域 403 端部領域 404 中央領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 17:00 4F (72)発明者 湯浅 俊哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 芳野 斉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 串田 直樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂を含有してなる基
    板及び記録層を具備してなる光記録媒体に於て、 該基板が下記式(x)及び(y)で示される構成単位を
    有するコポリカーボネート樹脂を含有することを特徴と
    する光記録媒体。 【外1】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
    は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
    ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
    示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
    し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
    リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
    は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
    2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
    を示す。]
  2. 【請求項2】 該コポリカーボネート樹脂に於て置換基
    1 が炭素数5以上15以下のアルキル基又はアラルキ
    ル基である請求項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 該コポリカーボネート樹脂に於て置換基
    2 〜R5 が炭素数1〜4のアルキル基である請求項1
    の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 該コポリカーボネート樹脂に於て該構造
    式(x)で示される構成単位の割合が0.1〜70モル
    %である請求項1の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 該ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子
    量が0.1×104〜4.0×104 である請求項1の
    光記録媒体。
  6. 【請求項6】 該ポリカーボネート樹脂がビス(ヒドロ
    キシフェニル)アルカン系ポリカーボネート樹脂である
    請求項1の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 該基板に於てポリカーボネート樹脂に対
    するコポリカーボネート樹脂の混合量が、該ポリカーボ
    ネート樹脂を基準として、0.1〜20重量%である請
    求項1の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 該基板に於てポリカーボネート樹脂に対
    するコポリカーボネート樹脂の混合量が、該ポリカーボ
    ネート樹脂を基準として0.3〜5重量%である請求項
    7の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 該基板に於てポリカーボネート樹脂に対
    するコポリカーボネート樹脂の混合量が該ポリカーボネ
    ート樹脂を基準として、0.5〜2重量%である請求項
    8の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 該記録層が有機色素を含有してなる請
    求項1の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 該基板の記録層に対向する側の表面に
    プリフォーマットを有してなる請求項1の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 該基板が、下記式(3)で示される飽
    和脂肪族モノカルボン酸と、下記式(4)で示される多
    価アルコールとのエステルを含有する請求項1の光記録
    媒体。 【外2】
  13. 【請求項13】 該エステルの含有量が0.01〜0.
    09重量%である請求項12の光記録媒体。
  14. 【請求項14】 該エステルがペンタエリスリトールテ
    トラステアレートである請求項12の光記録媒体。
  15. 【請求項15】 該光記録媒体が光カードである請求項
    1の光記録媒体。
  16. 【請求項16】 該光記録媒体が光ディスクである請求
    項1の光記録媒体。
  17. 【請求項17】 ポリカーボネート樹脂を含有してなる
    光記録媒体用基板に於て、該基板が下記式(x)及び
    (y)で示される構成単位を有するコポリカーボネート
    樹脂を含有することを特徴とする光記録媒体用基板。 【外3】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
    は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
    ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
    示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
    し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
    リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
    は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
    2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
    を示す。]
  18. 【請求項18】 該コポリカーボネート樹脂に於て置換
    基R1 が炭素数5以上15以下のアルキル基又はアラル
    キル基である請求項17の光記録媒体用基板。
  19. 【請求項19】 該コポリカーボネート樹脂に於て置換
    基R2 〜R5 が炭素数1〜4のアルキル基である請求項
    17の光記録媒体用基板。
  20. 【請求項20】 該コポリカーボネート樹脂に於て該構
    造式(x)で示される構成単位の割合が0.1〜70モ
    ル%である請求項17の光記録媒体用基板。
  21. 【請求項21】 該コポリカーボネート樹脂の粘度平均
    分子量が0.1×104 〜4.0×104 である請求項
    17の光記録媒体用基板。
  22. 【請求項22】 該ポリカーボネート樹脂がビス(ヒド
    ロキシフェニル)アルカン系ポリカーボネート樹脂であ
    る請求項17の光記録媒体用基板。
  23. 【請求項23】 該基板に於てポリカーボネート樹脂に
    対するコポリカーボネート樹脂の混合量が、該ポリカー
    ボネート樹脂を基準として0.1〜20重量%である請
    求項17の光記録媒体。
  24. 【請求項24】 該基板に於てポリカーボネート樹脂に
    対するコポリカーボネート樹脂の混合量が、該ポリカー
    ボネート樹脂を基準として0.3〜5重量%である請求
    項23の光記録媒体用基板。
  25. 【請求項25】 該基板に於てポリカーボネート樹脂に
    対するコポリカーボネート樹脂の混合量が該ポリカーボ
    ネート樹脂を基準として、0.5〜2重量%である請求
    項24の光記録媒体。
  26. 【請求項26】 該基板の少なくとも一方の表面にプリ
    フォーマットを有してなる請求項17の光記録媒体用基
    板。
  27. 【請求項27】 該基板が、下記式(3)で示される飽
    和脂肪族モノカルボン酸と、下記式(4)で示される多
    価アルコールとのエステルを含有する請求項17の光記
    録媒体用基板。 【外4】
  28. 【請求項28】 該エステルの含有量が0.01〜0.
    09重量%である請求項27の光記録媒体用基板。
  29. 【請求項29】 該エステルがペンタエリスリトールテ
    トラステアレートである請求項27の光記録媒体用基
    板。
  30. 【請求項30】 該基板が光カード用基板である請求項
    17の光記録媒体用基板。
  31. 【請求項31】 該基板が光ディスク用基板である請求
    項17の光記録媒体用基板。
  32. 【請求項32】 下記式(x)及び(y)で示される構
    成単位を有するコポリカーボネート樹脂を含有してなる
    ポリカーボネート樹脂を熔融して押し出し、樹脂シート
    を成形する工程、及び該樹脂シートを、周面にプリフォ
    ーマットパターンを有してなるロールスタンパーと、 該ロールスタンパーに対向配置されてなるロールとで、
    挟圧して、該樹脂シート表面にプリフォーマットパター
    ンを転写する工程、とを有してなることを特徴とする光
    記録媒体用基板の製造方法。 【外5】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
    は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
    ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
    示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
    し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
    リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
    は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
    2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
    を示す。]
  33. 【請求項33】 樹脂基板及び記録層を具備してなる光
    記録媒体に於て、該基板が下記式(x)及び(y)で示
    される構成単位を有するコポリカーボネート樹脂を含有
    することを特徴とする光記録媒体。 【外6】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
    は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
    ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
    示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
    し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
    リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
    は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
    2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
    を示す。]
  34. 【請求項34】 下記式(x)及び(y)で示される構
    成単位を有するコポリカーボネート樹脂樹脂を含有して
    なることを特徴とする光記録媒体用基板。 【外7】 [但し、式(x)のZは直接結合、アルキリデン基また
    は−O−、−S−、−SO2 −を示し、XはH、または
    ハロゲン、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基を
    示し、R1 はH、またはアルキル基、アラルキル基を示
    し、mは1〜3の整数を示す。式(y)のYは、アルキ
    リデン基、アリール置換アルキレン基、アリール基また
    は−O−、−S−、−CO−、−SO2 −を示し、R
    2 、R3 、R4 、R5 はH、ハロゲンまたはアルキル基
    を示す。]
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005531098A (ja) * 2002-06-26 2005-10-13 エナージー コンバーション デバイセス インコーポレイテッド 重合体基材上に微細構造を形成する方法及び装置
JP2011141947A (ja) * 2011-04-11 2011-07-21 Toshiba Corp パターン転写用樹脂スタンパ、これを用いた磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録媒体

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JP2011141947A (ja) * 2011-04-11 2011-07-21 Toshiba Corp パターン転写用樹脂スタンパ、これを用いた磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録媒体

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