JPH0675391A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニット - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニット

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JPH0675391A
JPH0675391A JP15896693A JP15896693A JPH0675391A JP H0675391 A JPH0675391 A JP H0675391A JP 15896693 A JP15896693 A JP 15896693A JP 15896693 A JP15896693 A JP 15896693A JP H0675391 A JPH0675391 A JP H0675391A
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淑之 吉原
Shinya Mayama
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Kiyoshi Sakai
清志 酒井
Naoto Fujimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、優れた耐ソルベントクラック性、
優れた潤滑性、優れた耐摩耗性、優れた耐トナー付着性
及び優れた耐析出性を有する電子写真感光体、該電子写
真感光体を有する電気写真装置及び装置ユニットを提供
することを目的とする。 【構成】 本発明は、導電性支持体上に感光層を有する
電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が
特定の構造を有するシリコーン変性ポリカーボネート及
び特定の構造を有するチオエーテル変性ポリカーボネー
トを含有することを特徴とする電子写真感光体、該電子
写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニットであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、詳しくは、特定の構造を有する樹脂を含有する表面
層を有する電子写真感光体に関する。また、本発明は、
該電子写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニッ
トに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体としては、有機光
導電材料を用いたものが、無公害性、高生産性、材料設
計の容易性及び将来性などの点で優れるので、数多く提
案され、また実用化されている。
【0003】これらの電子写真感光体には、当然のこと
ながら、適用される電子写真プロセスに応じた電気的、
機械的、更には光学的特性を備えていることが要求され
る。特に繰り返し使用される感光体にあっては、その表
面層にはコロナ帯電、トナー現像、紙への転写及びクリ
ーニング処理といった電気的、あるいは機械的外力が直
接加えられるため、それらに対する耐久性が要求され
る。
【0004】具体的には、コロナ帯電時に発生するオゾ
ンによる特性の劣化、即ち感度低下、帯電能の低下及び
残留電位の増加、転写やクリーニングなどの際の感光体
表面の摺擦によって生じる表面の摩耗や傷などに対する
耐久性が要求されている。
【0005】感光体の表面は樹脂を主成分とした層であ
るため、樹脂の特性が感光体の表面に及ぼす影響は非常
に大きい。上述の条件を満足する樹脂として、従来ビス
フェノールAを骨格として有するポリカーボネート樹脂
(以下ビスフェノールA型ポリカーボネートという)が
用いられてきた。
【0006】しかしながら、ビスフェノールA型ポリカ
ーボネート樹脂が感光体用の樹脂に要求される特性の全
てを十二分に満足していたわけではなく、次のような問
題点を有していた。
【0007】(1)溶解性に乏しく、ジクロロメタンや
1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水
素類の一部にしか良好な溶解性を示さない。これらのハ
ロゲン化脂肪族炭化水素類は低沸点のため、これらの溶
剤で調液した塗工液を用いて感光体を製造すると塗工面
が白化し易い。また、塗工液の固形分などの工程管理に
も手間がかかる。
【0008】(2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の
溶剤に対しては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シ
クロヘキサノン、あるいはそれらの混合溶剤に一部可溶
であるが、その溶液は数日以内でゲル化してしまうなど
経時安定性が悪く、感光体の大量生産には不向きであ
る。
【0009】(3)ビスフェノールAもしくはビスフェ
ノールA誘導体のみが主鎖骨格のポリカーボネート樹脂
はソルベントクラックが発生し易い。
【0010】(4)加えて従来のポリカーボネート樹脂
は該樹脂で形成された被膜が良好な潤滑性を有さなかっ
たため感光体に傷が発生し易く、画像欠陥の原因となっ
たり、クリーニングブレードの早期の劣化によるクリー
ニング不良及びクリーニングブレードの反転によるクリ
ーニング不良が生じ感光体の寿命を低下させてしまうこ
ともあった。また、表面自由エネルギーが比較的高いの
で、感光体表面に現像剤が付着し易く、斑点状の画像欠
陥(ポチ)が生じてしまうこともあった。
【0011】従来、(1)及び(2)に挙げた溶液安定
性についてはポリマーの構造単位として嵩高いシクロヘ
キシレン基を有するポリカーボネートZ樹脂を使用する
ことによって解決されてきた。しかしながら(3)に指
摘したように、ポリカーボネートZ樹脂やポリカーボネ
ートA樹脂は溶液からキャスト法によって被膜を形成す
る際の体積収縮が比較的大きく、被膜内部に応力を残す
場合がある。このため応力腐蝕に対して比較的弱いとい
う欠点を有していた。この問題を解決するため、例えば
特開昭61−62040号公報にはポリカーボネートA
樹脂とポリカーボネートZ樹脂を混合することにより応
力腐蝕割れを低減する方法が開示されており、また特開
昭61−62039号公報にはビスフェノールAとビス
フェノールZを共重合させることによりクラックを低減
する方法が開示されているが、いずれの方法についても
ソルベントクラックに対して十分な耐久性を有するには
至っていなかった。
【0012】加えて上記(4)に示したように通常のポ
リカーボネート樹脂は電子写真プロセスに使用されるク
リーニングブレードに対しての潤滑性が比較的低く、ク
リーニングブレードが耐久の進行により反転してしまう
ことによってクリーニング不良が発生したり、感光体に
強い力が加えられるために傷が発生し易いといった欠点
が指摘されていた。この問題を改善するためシリコーン
オイルを添加する、あるいは特開昭61−132954
号公報に開示されているようにポリジメチルシロキサン
ブロックをポリカーボネート樹脂に共重合するといった
方法が知られている。
【0013】しかしながら、シリコーンオイルを添加す
る方法では、電子写真における電気的特性、具体的には
感度及び残留電位特性を劣化させたり、繰り返し使用に
より表面にあるシリコンオイルが失われ永続的な潤滑性
を得ることができないといった欠点があった。また、前
述のポリジメチルシロキサンブロックを共重合した表面
層を有する感光体は、比較的良好な潤滑性を有するが、
従来のポリジメチルシロキサン共重合体は溶液とした場
合に白濁したり、ゲル化し易いなどの難点があり、電子
写真感光体の表面層として使用しても耐久性の点で満足
できるものではなかった。
【0014】更に、近年の有機電子写真感光体の高感度
化に対する要求から、電荷輸送物質などの低分子量化合
物が比較的大量に使用される場合が多く、電子写真感光
体を長期にわたって保存する際に前述の低分子量成分が
析出してしまい、層分離してしまうことがあった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような従来の電子写真感光体が有する問題を解決し、
優れた耐ソルベントクラック性、優れた潤滑性、優れた
耐摩耗性、優れた耐トナー付着性及び優れた耐析出性を
有する電子写真感光体を提供することにある。
【0016】また、本発明の目的は、上記電子写真感光
体を有する電子写真装置及び装置ユニットを提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、導電性
支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該
電子写真感光体の表面層が下記式(1)で示される構成
単位及び下記式(2)で示される構成単位を有する共重
合体を含有し、かつ下記式(3)で示される構成単位及
び下記式(4)で示される構成単位を有する共重合体を
含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0018】
【外6】 (式中、Aはアリキリデン基、アリーレン基、アリーレ
ンジアルキリデン基、−O−、−S−、−CO−、−S
O−及び−SO2 −を示し、R1-1 乃至R1-8 は水素原
子、アルキル基、アリール基、及びハロゲン原子を示
す。)
【0019】
【外7】 (式中、R2-1 はアルキレン基及びアルキリデン基を示
し、R2-2 乃至R2-5 は水素原子、アルキル基及びアリ
ール基を示し、nは1〜200の整数を示す。)
【0020】
【外8】 (式中、R3-1 乃至R3-8 は水素原子、アルキル基、ア
リール基及びハロゲン原子を示す。)
【0021】
【外9】 (式中、Bはアルキリデン基、アリーレン基及びアリー
レンジアルキリデン基を示し、R4-1 乃至R4-8 は水素
原子、アルキル基、アリール基及びハロゲン原子を示
す。)
【0022】また、本発明は、該電子写真感光体を有す
る電子写真装置及び装置ユニットである。
【0023】上記各式におけるアルキル基としてはメチ
ル基、エチル基及びプロピル基などが挙げられ、アリー
ル基としてはフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基
などが挙げられ、アルキレン基としてはメチレン基、エ
チレン基及びプロピレン基などが挙げられ、アルキリデ
ン基としてはメチリデン基、エチリデン基、プロピリデ
ン基及びシクロヘキシリデン基などが挙げられ、アリー
レン基としてはフェニレン基、ナフチレン基及びビフェ
ニレン基などが挙げられ、アリーレンジアルキリデン基
としてはフェニレンジメチリデン基などが挙げられ、ハ
ロゲン原子としてはフッ素、塩素及び臭素などが挙げら
れる。これらの基はそれぞれ置換基を有してもよく、有
してもよい置換基としては上述したような、アルキル
基、アリール基及びハロゲン原子などが挙げられる。
【0024】本発明に用いられる式(1)で示される構
成単位及び式(2)で示される構成単位を有する共重合
体(以下共重合体Aともいう)においては、式(2)で
示される構成単位が共重合体A全体の0.1〜50重量
%であることが好ましく、特には0.1〜30重量%が
好ましい。また、式(1)中のAはプロピリデン基及び
シクロヘキシリデン基であることが好ましく、式(2)
中のR2-1 はエチレン、プロピレン及びイソプロピレン
であることが好ましく、nは5〜100であることが好
ましい。
【0025】共重合体Aは、下記式(5)で示されるビ
スフェノールと下記式(6)で示されるビスフェノール
をホスゲン、炭素エステルまたはクロロホーメートの存
在下で界面重合させることによって得ることができる。
【0026】
【外10】 (式中、A及びR1-1 乃至R1-8 は上記と同様。)
【0027】
【外11】 (式中、R2-1 乃至R2-5 及びnは上記と同様。)
【0028】以下に式(5)で示されるビスフェノール
の好ましい具体例を示すが、本発明に用いられるビスフ
ェノールはこれらに限定されるものではない。
【0029】
【外12】
【0030】
【外13】
【0031】
【外14】
【0032】
【外15】
【0033】
【外16】
【0034】
【外17】
【0035】これらの中では、(1−4)、(1−
5)、(1−11)、(1−15)、(1−16)及び
(1−19)が特に好ましい。
【0036】以下に式(6)で示されるビスフェノール
の好ましい具体例を示すが、本発明に用いられるビスフ
ェノールはこれらに限定されるものではない。
【0037】
【外18】
【0038】
【外19】
【0039】合成例(共重合体Aの合成) 水酸化ナトリウム3.8kgを水451に溶解し、20
℃に保ちながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(粘度平均分子量2.20×10
4 )7.2kg及び下記式で示されるポリジメチルシク
ロヘキサン誘導体(X−22−165B、信越化学
(株)製)
【0040】
【外20】 1.5kg、ハイドロサルファイト8gを溶解した。こ
れにメチレンクロライド321を加えて撹拌しながらp
−t−ブチルフェノール158gを加え、ついでホスゲ
ン3.5kgを60分かけて吹き込んだ。
【0041】ホスゲン吹き込み終了後、激しく撹拌して
反応液を乳化させ、乳化後8gのトリエチルアミンを加
え約1時間撹拌を続け重合した。
【0042】重合液を水相と有機相に分離し、有機相を
リン酸で中和した後、洗液のpHが中性となるまで水洗
を繰り返した。その後イソプロパノールを351加えて
重合物を沈殿させた。沈殿物を濾過し、その後乾燥する
ことにより、下記式(但し、共重合比は重合比で表す)
で示される構造を有する白色粉末状の共重合体(粘度平
均分子量2.8×104 )を得た。組成の分析は赤外吸
収スペクトルを測定することによって得た。なお、共重
合比は、重量比で示した。
【0043】
【外21】
【0044】本発明に用いられる式(3)で示される構
成単位及び式(4)で示される構成単位を有する共重合
体(以下、共重合体Bともいう)においては、式(3)
で示される構成単位と式(4)で示される構成単位のモ
ル比が5:95〜95:5であることが好ましく、特に
は30:70〜70:30であることが好ましく、4
0:60〜60:40であることが好ましい。
【0045】共重合体Bは、下記式(7)で示されるビ
スフェノールと下記式(8)で示されるビスフェノール
を用いて、共重合体Aと同様にして合成することができ
る。
【0046】
【外22】 (式中、R3-1 乃至R3-8 は上記と同様。)
【0047】
【外23】 (式中、B及びR4-1 乃至R4-8 は上記と同様。)
【0048】式(7)で示されるビスフェノールの好ま
しい具体例は前記式(1−31)乃至(1−35)と同
様であり、この中では(1−31)及び(1−34)が
特に好ましい。
【0049】また、式(8)で示されるビスフェノール
の好ましい具体例は前記式(1−1)乃至(1−24)
と同様であり、この中では(1−4)、(1−5)及び
(1−15)が特に好ましい。
【0050】本発明においては、共重合体Aと共重合体
Bの混合比は重合比で1:99〜70:30であること
が好ましく、特には5:95〜50:50であることが
好ましい。
【0051】また、本発明においては、耐ソルベントク
ラック性や耐トナー付着性の向上という点で、表面層が
更に下記式(9)で示される構成単位を有するポリカー
ボネート樹脂(以下、重合体Cともいう)を含有するこ
とが好ましい。
【0052】
【外24】 (式中、Dはアルキリデン基、アリーレン基及びアリー
レンジアルキリデン基を示し、R9-1 乃至R9-8 は水素
原子、アルキル基、アリール基及びハロゲン原子を示
す。)
【0053】この場合、共重合体A、共重合体B及び重
合体Cの混合比は、樹脂の全重量に対し、Aが5〜20
%で、Bが5〜40%であることが好ましく、Aの混合
比及びBの混合比がCの混合比を上まわらないことが好
ましい。
【0054】式(9)で示される樹脂も相当するビスフ
ェノールを用いて共重合体Aと同様にして合成すること
ができる。このビスフェノールの好ましい具体例は、前
記式(1−1)乃至(1−24)と同様であり、この中
では(1−4)、(1−5)、(1−8)、(1−1
5)、(1−16)及び(1−21)が特に好ましく、
更には(1−4)及び(1−15)が好ましい。
【0055】本発明に用いられる各共重合体及び重合体
の分子量は、塗布膜を塗布形成する際に好適な膜厚を得
られるような粘度であれば如何なる範囲であってもよい
が、塗布膜の機械的特性といった点から粘度平均分子量
で10,000〜100,000であることが好まし
く、特には20,000〜60,000であることが好
ましい。
【0056】本発明によれば、優れた潤滑性を有する被
膜が得られる。更に、上記共重合体は、極く一般的な溶
媒、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘ
キサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロ
ベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロベンゼンもしくは
これらの混合物に対し高い溶解性を示し、かつ溶液のゲ
ル化によるポットライフの低下といった問題が生じにく
いなど電子写真特性や製造安定性、品質安定性などにつ
いても良好な特性を有するものである。
【0057】本発明においては、本発明に用いられる共
重合体が式(1)または(3)で示される構成成分を2
種以上有していてもよく、同様に式(2)または(4)
で示される構成成分を2種以上有していてもよい。
【0058】本発明は、上述したような様々な特性、即
ちソルベントクラック性、トナー付着性及び表面潤滑性
などを改良するものであり、当然のことながら重合体
A、B、更には重合体Cのそれぞれを単品で用いた系よ
り格段にすぐれた特性が得られる。
【0059】本発明の共重合体Aが有する、式(2)で
示される構成成分はポリカーボネート樹脂に好適な柔軟
性を付与し、表面自由エネルギーを下げるために導入す
るものであり、耐ソルベントクラック性及び耐トナー付
着性を向上させる目的で導入される。
【0060】また、共重合体Bは表面層のポリマー結晶
性を更に低くするために導入される。
【0061】本発明に用いられるポリカーボネート樹脂
の混合体は上述のような構造を有しているため、従来の
ポリカーボネートに比べて結晶性が低く、成膜時の内部
応力が極端に小さいためにソルベントクラックを発生し
難く、また表面自由エネルギーを低下させることにより
トナー付着性や潤滑性を良くしていると考えられる。
【0062】本発明の共重合体は、電子写真感光体の表
面層に含有されるものであるが、表面層は、感光層であ
っても、感光層上に設けた表面保護層であってもよい。
【0063】感光層は電荷発生物質と電荷輸送物質を同
一の層に含有した、所謂単一層型でも、電荷発生物質を
含有した電荷発生層と電荷輸送物質を含有した電荷輸送
層に機能分離された、所謂積層型でもよい。
【0064】電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂に
分散した液を塗布感想することによって得られるが、か
かる電荷発生物質としてはスーダンレッド、ダイアンブ
ルーなどのアゾ顔料;ピレンキノン、アントアントロン
などのキノン顔料;キノシアニン顔料;ペリレン顔料;
インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料;アズレニ
ウム塩顔料;及び銅フタロシアニンなどのフタロシアニ
ン顔料などが挙げられる。結着樹脂としては、電荷発生
層が表面層である場合は少なくとも本発明の共重合体が
用いられるが表面層でない場合は、本発明の共重合体を
用いずに他の樹脂を用いることができる。かかる他の樹
脂としてはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリビニルカルバゾー
ル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル
アセテート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹
脂及び塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂
などが挙げられる。
【0065】電荷発生物質と結着樹脂との割合は重量比
で1:5〜5:1、特には1:2〜3:1であることが
好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下であるこ
とが好ましく、特には0.05〜2μmであることが好
ましい。
【0066】本発明に用いることのできる電荷輸送物質
としては、電子輸送性物質と正孔輸送性物質が挙げら
れ、電子輸送性物質としてはクロルアニル、テトラシア
ノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,5,
7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7
−テトラニトロキサントン及び2,4,8−トリニトロ
チオキサントなどの電子吸引性物質やこれら電子吸引性
物質を高分子化したものなどが挙げられる。
【0067】正孔輸送性物質としてはピレン、N−エチ
ルカルバゾール、N−メチル−N−フェニルヒドラジノ
−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−
ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチル
フェノチアジン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ピロリジノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン及びp−
ジエチルベンズアルデヒド−3−メチルベンズチアゾリ
ノン−2−ヒドラゾンなどのヒドラゾン類;2,5−ビ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾール、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン、1−〔ピリジル(2)〕−3−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−〔ピリジル(3)〕−3−(p−
ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノ
フェニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル(2)〕−3−
(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェ
ニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチ
ル−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン及
びスピロピラゾリンなどのピラゾリン類;a−フェニル
−4−N,N−ジフェニルアミノスチルベン、N−エチ
ル−3(d−フェニルスチリル)カルバゾール、9−ジ
ベンジルアミノベンジリデン−9H−フルオレノン及び
5−p−ジトリルアミノベンジリデン−5H−ジベンゾ
〔a,d〕シクロヘプテンなどのスチリル系化合物;2
−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミ
ノベンズオキサゾール及び2−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−
(2−クロロフェニル)オキサゾールなどのオキサゾ−
ル系化合物;2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6
−ジエチルアミノベンゾチアゾールなどのチアゾール系
化合物;ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)−フェニルメタンなどのトリアリールメタン系化合
物;1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−
メチルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2テトラキス
(4−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)
エタンなどのポリアリールアルカン類;トリフェニルア
ミン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、
ポリ−9−ビニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデ
ヒド樹脂及びエチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂などが挙げられる。これらの有機電荷輸送物質の他に
セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン及び硫
化カドミウムなどの無機材料も用いることができる。
【0068】これらの中で特に好ましいものとして以下
の10種が挙げられる。
【0069】
【外25】
【0070】
【外26】
【0071】一般に電荷輸送物質は成膜性に乏しいた
め、適当な結着樹脂に溶解して用いられる。かかる樹脂
として、電荷輸送層が感光体の表面層である場合は本発
明の共重合体が用いられるが表面層でない場合は、本発
明の共重合体を用いずに他の樹脂を用いることができ
る。かかる他の樹脂は前述したものと同様である。
【0072】電荷輸送層は前記の電荷輸送物質と結着剤
樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布し、乾燥す
ることによって形成される。電荷輸送物質と結着剤樹脂
との混合割合は重量比で、3:1〜1:3であることが
好ましく、特には2:1〜1:2であることが好まし
い。
【0073】また、電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、
特には10〜30μmであることが好ましい。
【0074】感光体が単一層型の場合、上述したような
電荷発生物質と電荷輸送物質を結着樹脂に分散及び溶解
した溶液を塗布し、乾燥することによって得ることがで
きる。
【0075】結着樹脂としては、感光層が表面層である
場合は少なくとも本発明の共重合体が用いられるが、表
面層でない場合は、本発明の共重合体を用いずに他の樹
脂を用いることができる。かかる他の樹脂は前述したも
のと同様である。
【0076】単一層型感光層の膜厚は、5〜40μmで
あることが好ましく、特には10〜30μmであること
が好ましい。
【0077】更に、本発明においては感光層上に感光層
を外部からの機械的、化学的または電気的悪影響から保
護する目的で、表面保護層を設けることもできる。この
保護層は、少なくとも本発明の共重合体を含有する。
【0078】また表面保護層は樹脂だけで形成されても
よいし、残留電位を低下するなどの目的で前述したよう
な電荷輸送物質や、導電性粉体などの導電性物質を添加
してもよい。導電性粉体としては、アルミニウム、銅、
ニッケル及び銀などの金属粉体、燐片状金属粉体及び金
属短繊維、酸化アンチモン、酸化インジウム及び酸化ス
ズなどの導電性金属酸化物、ポリピロール、ポリアニリ
ン及び高分子電解質などの高分子導電剤、カーボンブラ
ック、カーボンファイバー、グラファイト粉体、有機及
び無機の電解質、またはこれらの導電性物質で表面を被
覆した導電性粉体などが挙げられる。
【0079】保護層の膜厚は電子写真特性や耐久性を考
慮して決定されるが0.2μm〜15μmであることが
好ましく、特には0.5μm〜15μmであることが好
ましい。
【0080】本発明においては、導電性支持体と感光層
の間に、バリヤー機能と接着機能を兼備した下引層を設
けることもできる。
【0081】下引層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルソース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン及びアルコキシメチル化ナイロ
ンなど)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウ
ムなどが挙げられる。下引層の膜厚は、0.1〜10μ
mであることが好ましく、特には0.1〜5μmである
ことが好ましい。
【0082】本発明においては、更に、支持体と下引層
との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すこと
や、特に画像入力がレーザー光である場合に問題となる
干渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を
設けることができる。この導電層は、カーボンブラッ
ク、金属粒子または金属酸化物粒子などの導電性粉体を
適当な結着剤樹脂中に分散した溶液を塗布し、乾燥する
ことによって形成することができる。導電層の膜厚は5
〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μ
mであることが好ましい。
【0083】上述した各種層は、ディッピング法、スプ
レーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビー
ドコーティング法、ブレードコーティング法及びビーム
コーティング法などの塗布方法によって塗布されること
ができる。
【0084】本発明に用いられる導電性支持体として
は、支持体自体が導電性を備えたもの、例えばアルミニ
ウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナ
ジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、イン
ジウム、金及び白金などを用いることができるが、その
外にもアルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウ
ム、酸化錫及び酸化インジウム−酸化スズ合金などを真
空蒸着して得られる導電層を有するプラスチック、紙、
あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持
体や導電性ポリマーを有するプラスチックなどが挙げら
れる。
【0085】また、支持体の形状はドラム状でもシート
状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に最適
した形状であることが好ましい。
【0086】本発明の像保持部材は、複写機、レーザー
プリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プ
リンターなどの電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版及びファクシミリなどの装置にも広く
適用し得るものである。
【0087】図1に本発明の電子写真感光体を用いた電
子写真装置の概略構成を示す。
【0088】図において、1は本発明の電子写真感光体
であり、軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転
駆動される。該感光体1は、回転過程で帯電手段2によ
り、その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受
け、次いで、不図示の像露光手段により、露光部3に光
像露光L(スリット露光やレーザービーム走査露光な
ど)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。
【0089】形成された静電潜像は、次いで現像手段4
でトナー現像され、このトナー現像像は、不図示の給紙
部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と
同期取りされて給送された転写材Pに、転写手段5によ
り順次転写されていく。
【0090】像転写を受けた転写材Pは、感光体面から
分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複
写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0091】像転写後の感光体1の表面は、クリーニン
グ手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化さ
れて、更に、前露光手段7により除電処理されて繰り返
して像形成に使用される。
【0092】感光体1の均一帯電手段2としては、コロ
ナ帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置
5もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。本発
明においては、上述の感光体1、現像手段4及びクリー
ニング手段6などの構成要素のうち、複数のものを装置
ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを
装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、
帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6の少な
くとも1つを感光体と共に一体に支持してユニットを形
成し、装置本体のレールなどの案内手段を用いて装置本
体に着脱自在の単一ユニットとしてもよい。
【0093】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光を感光体に照射すること、あるいは、センサーで
原稿を読取り、信号化し、この信号に従ってレーザービ
ームの走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッタ
ーアレイの駆動などを行ない感光体に光を照射すること
などにより行われる。
【0094】また、ファクシミリのプリンターとして使
用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントす
るための露光になる。図2はこの場合の1例をブロック
図で示したものである。
【0095】コントローラ11は画像読取部10とプリ
ンター19を制御する。コントローラ11の全体はCP
U17により制御されている。画像読取部からの読取デ
ータは、送信回路13を通して相手局に送信される。相
手局から受けたデータは受信回路12を通してプリンタ
ー19に送られる。画像メモリには所定の画像データが
記憶される。プリンタコントローラ18はプリンター1
9を制御している。14は電話である。
【0096】回線15から受信された画像(回線を介し
て接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回
路12で復調された後、CPU17は画像情報の複号処
理を行い順次画像メモリ16に格納される。そして、少
なくとも1ページの画像がメモリ16に格納されると、
そのページの画像記録を行う。CPU17は、メモリ1
6より1ページの画像情報を読み出しプリンタコントロ
ーラ18に複号化された1ページの画像情報を送出す
る。プリンタコントローラ18は、CPU17からの1
ページの画像情報を受け取るとそのページの画像情報記
録を行うべく、プリンタ19を制御する。
【0097】なお、CPU17は、プリンタ19による
記録中に、次のページの受信を行っている。
【0098】以上のようにして、画像の受信と記録が行
われる。
【0099】以下、実施例により、本願発明を更に詳細
に説明するが、共重合体Aの共重合比は重量比で、共重
合体Bの共重合比はモル比で示すこととする。
【0100】
【実施例】
実施例1 10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した
導電性酸化チタン粉体10部(重量部、以下同様)、導
電性酸化チタン10部、メタノール10部、メチルセロ
ソルブ10部及びシリコーンオイル0.001部をφ1
mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散
することにより、導電性用溶液を得た。この溶液をφ3
0×260mmのアルミニウムシリンダー上にディッピ
ング法により塗布し、140℃で30分熱硬化すること
により、膜厚が18μmの導電層を形成した。
【0101】次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部
及び共重合ナイロン3部を、メタノール65部及びn−
ブタノール30部の混合溶剤に溶解した溶液を、先に形
成した導電層上にディッピング法で塗布し、乾燥するこ
とにより、膜厚が0.5μmの下引層を形成した。
【0102】次に、オキシチタニウムフタロシアニン顔
料3部、ポリビニルブチラール(ブチラール化度66
%、重量平均分子量110000)2部及びシクロヘキ
サノン80部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミ
ル装置で24時間分散した後、メチルエチルケトン11
5部を加えることにより、電荷発生層用溶液を得た。こ
の溶液を先に形成した下引層上にディッピング法で塗布
し、乾燥することにより、膜厚が0.2μmの電荷発生
層を形成した。
【0103】次に、下記式で示される電荷輸送物質10
部、
【0104】
【外27】 共重合体Aとして下記式で示される共重合体(粘度平均
分子量2.0×104 )2部
【0105】
【外28】 共重合体Bとして下記式で示される共重合体(粘度平均
分子量2.3×104 )2部
【0106】
【外29】 及び重合体Cとして下記式で示される重合体(粘度平均
分子量2.5×104 )6部、
【0107】
【外30】 をモノクロルベンゼン50部及びジクロルメタン10部
の混合溶剤に溶解することにより電荷輸送層用溶液を得
た。この溶液を先に形成した電荷発生層上にディッピン
グ法により塗布し、乾燥することにより、膜厚が20μ
mの電荷輸送層を形成した。
【0108】得られた電子写真感光体の表面潤滑性、耐
析出性、耐ソルベントクラック性、耐トナー付着性、表
面層の削れ性及び感度について評価した。
【0109】表面潤滑性は、複写機用のウレタンゴム製
のクリーニングブレードを当接角30°で感光体表面に
当接し、その滑り抵抗をHEIDON−14型表面性試
験機(新東化学(株)製)で測定することにより評価し
た。測定値はmV/10gの単位で、この値が小さい方
が良好な潤滑性を示す。
【0110】耐析出性は、感光体表面にウレタンクリー
ニングブレードを圧接し、60℃で保存し析出性に対す
る加速試験を行い、50倍顕微鏡により析出の有無を観
察し、低分子量化合物の析出が確認できるまでの日数を
もって(最長30日間)評価した。
【0111】耐ソルベントクラック性は、感光体表面に
指脂及び潤滑油(三和油化製、PS−158)を付着さ
せ、48時間経過した後に50倍の顕微鏡で感光体のク
ラックの有無を観察し、その感光体を用いたときに得ら
れる画像を目視で観察した。評価は下記の5段階で行っ
た。
【0112】◎:感光体上にクラック確認されず、画像
にクラックに起因する画像欠陥確認されず。
【0113】○:感光体上にクラックが確認されるが、
画像欠陥確認されず。
【0114】△:感光体上にクラックが確認され、画像
欠陥が1個確認される。
【0115】×:感光体上にクラックが確認され、画像
欠陥が2〜10個確認される。
【0116】××:感光体上にクラックが確認され、画
像欠陥が11個以上確認される。
【0117】耐トナー付着性は、レーザービームプリン
ター(ヒューレットパッカード製、レーザージェットI
II−Si)に感光体を取りつけ、35℃、70%RH
下で5,000枚の連続画像出しをして、クリーニング
できない付着物に起因する画像欠陥が10個以上確認さ
れたときの枚数により評価した。
【0118】表面層の削れ性は、上記画像出し耐久試験
前後の表面層の削れ量により評価した。評価は、膜厚測
定装置(FISCHER製、EC−8E2TY)を用い
て行った。
【0119】感度は、感光体を上述のレーザービームプ
リンターに装置し、感光体の表面電位を−700Vから
−200Vにするのに必要な光量を測定することにより
評価した。
【0120】結果を表1に示す。
【0121】実施例2〜5 共重合体A、共重合体B及び重合体Cをそれぞれ4部、
3部及び3部(実施例2);5部、5部及び0部(実施
例3);4.5部、4.5部及び1部(実施例4);1
部、4.5部及び4.5部(実施例5)とした以外は実
施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価し
た。
【0122】結果を表1に示す。
【0123】比較例1〜5 共重合体A、共重合体B及び重合体Cをそれぞれ10
部、0部及び0部(比較例1);0部、10部及び0部
(比較例2);0部、0部、及び10部(比較例3);
0部、5部及び5部(比較例4);5部、0部及び5部
(比較例5)とした以外は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作成し、評価した。
【0124】結果を表1に示す。
【0125】実施例6〜10及び比較例6〜10 電荷輸送物質として、下記式で示される化合物を7部
【0126】
【外31】 及び下記式で示される化合物を3部の計10部を
【0127】
【外32】 用いた以外は実施例1〜5及び比較例1〜5と同様にし
て電子写真感光体を作成し、評価した。
【0128】結果を表1に示す。
【0129】
【表1】
【0130】実施例11 10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した
導電性酸化チタン粉体50部、フェノール樹脂25部、
メチルセロソルブ20部、エタノール5部、及びシリコ
ーンオイル0.002部をφ1mmガラスビーズを用い
たサンドミル装置で2時間分散して導電層用溶液を得
た。この溶液をアルミニウムシリンダー上にディッピン
グ法によって塗布し、140℃で30分間乾燥すること
により、膜厚が20μmの導電層を形成した。
【0131】次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部
をメタノール95部中に溶解することにより、中間層用
溶液を得た。この溶液を先に形成した導電層上にディッ
ピング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥する
ことにより、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
【0132】次いで、下記式
【0133】
【外33】 で示されるジスアゾ顔料3部、ポリビニルベンザール
(ベンザール化度80%、重量平均分子量11000)
2部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビー
ズを用いたサンドミル装置で12時間分散した後、メチ
ルエチルケトン60部を加えることにより電荷発生層用
溶液を得た。この溶液を先に形成した中間層上にディッ
ピング法によって塗布し、80℃で20分間乾燥するこ
とにより、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0134】次いで、下記式で示される電荷輸送物質1
0部、
【0135】
【外34】 共重合体Bとして下記式
【0136】
【外35】 で示される共重合体(粘度平均分子量2.15×10
4 )5部及び共重合体Aとして下記式
【0137】
【外36】 の重合体(粘度平均分子量2.2×104 )5部をジク
ロロメタン20部及びモノクロルベンゼン40部の混合
溶剤に溶解することにより電荷輸送層用溶液を得た。こ
の溶液を先に形成した電荷発生層上にディッピング法に
よって塗布し、120℃で60分間乾燥することによっ
て、膜厚が23μmの電荷輸送層を形成した。
【0138】得られた電子写真感光体の表面潤滑性、耐
析出性、耐ソルベントクラック性、耐トナー付着性及び
表面層の削れ性について実施例1と同様にして評価し
た。
【0139】結果を表2に示す。
【0140】実施例12 共重合体Bとして下記式で示される共重合体
【0141】
【外37】 (粘度平均分子量2.5×104 )5部及び共重合体A
として下記式で示される共重合体
【0142】
【外38】 (粘度平均分子量2.0×104 )5部を用いた以外は
実施例11と同様にして電子写真感光体を作成し、評価
した。
【0143】結果を表2に示す。
【0144】実施例13 共重合体Bとして下記式で示される共重合体
【0145】
【外39】 (粘度平均分子量8.3×104 )8部及び共重合体A
として下記式で示される共重合体
【0146】
【外40】 (粘度平均分子量2.3×104 )2部を用いた以外は
実施例11と同様にして電子写真感光体を作成し、評価
した。
【0147】結果を表2に示す。
【0148】実施例14 共重合体Bとして下記式で示される共重合体
【0149】
【外41】 (粘度平均分子量3.0×104 )2部及び共重合体A
として下記式で示される共重合体
【0150】
【外42】 (粘度平均分子量2.3×104 )8部を用いた以外は
実施例11と同様にして電子写真感光体を作成し、評価
した。
【0151】結果を表2に示す。
【0152】実施例15 共重合体Bとして下記式で示される共重合体
【0153】
【外43】 (粘度平均分子量3.8×104 )5部及び共重合体A
として下記式で示される共重合体
【0154】
【外44】 (粘度平均分子量3.1×104 )5部を用いた以外は
実施例11と同様にして電子写真感光体を作成し、評価
した。
【0155】結果を表2に示す。
【0156】実施例16 共重合体Aとして下記式で示される共重合体
【0157】
【外45】 (粘度平均分子量2.5×104 )5部、共重合体Bと
して下記式で示される共重合体
【0158】
【外46】 (粘度平均分子量3.0×104 )5部及び電荷輸送物
質として下記式で示される化合物
【0159】
【外47】 を用いた以外は、実施例11と同様にして電子写真感光
体を作成し、評価した。
【0160】結果を表2に示す。
【0161】比較例11 共重合体A及びBの代わりにポリカーボネートZ樹脂
(粘度平均分子量1.9×104 )を用いた以外は実施
例11と全く同様にして電子写真感光体を作成し、評価
した。
【0162】結果を表2に示す。
【0163】比較例12 共重合体A及びBの代わりに下記式で示される共重合体
【0164】
【外48】 (粘度平均分子量2.5×104 )を用いた以外は実施
例11と同様にして電子写真感光体を作成し、評価し
た。
【0165】結果を表2に示す。
【0166】実施例17 比較例1と同様にして電荷輸送層まで形成した。次に、
共重合体Bとして下記式で示される共重合体
【0167】
【外49】 (粘度平均分子量2.4×104 )2部、共重合体Aと
して下記式で示される共重合体(粘度平均分子量2.0
×104 )4.5部
【0168】
【外50】 及び電荷輸送物質として下記式で示される化合物1部
【0169】
【外51】 をモノクロロベンゼン190部に溶解することによって
保護層用溶液を得た。この溶液を先に形成した電荷輸送
層上にスプレーコーティング法により塗布し、乾燥する
ことによって、膜厚が3μmの表面保護層を形成した。
【0170】得られた電子写真感光体を実施例11と同
様にして評価した。
【0171】結果を表2に示す。
【0172】
【表2】
【0173】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、優れた
耐ソルベントクラック性、優れた潤滑性、優れた耐摩耗
性、優れた耐トナー付着性及び優れた耐析出性を有する
電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装
置及び装置ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置
の概略構成の例を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリ
のブロック図の例を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体 1a 軸 2 帯電手段 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 転写材 10 画像読取部 11 コントローラ 12 受信回路 13 送信回路 14 電話 15 回線 16 画像メモリ 17 CPU 18 プリンタコントローラ 19 プリンター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 活水 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 酒井 清志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 藤村 直人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該電子写真感光体の表面層が下記式
    (1)で示される構成単位及び下記式(2)で示される
    構成単位を有する共重合体を含有し、かつ下記式(3)
    で示される構成単位及び下記式(4)で示される構成単
    位を有する共重合体を含有することを特徴とする電子写
    真感光体。 【外1】 (式中、Aはアルキリデン基、アリーレン基、アリーレ
    ンジアルキリデン基、−O−、−S−、−CO−、−S
    O−及び−SO2 −を示し、R1 -1乃至R1-8 は水素原
    子、アルキル基、アリール基、及びハロゲン原子を示
    す。) 【外2】 (式中、R2-1 はアルキレン基及びアルキリデン基を示
    し、R2-2 乃至R2-5 は水素原子、アルキル基及びアリ
    ール基を示し、nは1〜200の整数を示す。) 【外3】 (式中、R3-1 乃至R3-8 は水素原子、アルキル基、ア
    リール基及びハロゲン原子を示す。) 【外4】 (式中、Bはアルキリデン基、アリーレン基及びアリー
    レンジアルキリデン基を示し、R4-1 乃至R4-8 は水素
    原子、アルキル基、アリール基及びハロゲン原子を示
    す。)
  2. 【請求項2】 前記表面層が更に下記式(9) 【外5】 (式中、Dはアルキリデン基、アリーレン基及びアリー
    レンジアルキリデン基を示し、R9-1 乃至R9-8 は水素
    原子、アルキル基、アリール基及びハロゲン原子を示
    す。)で示されるポリカーボネート樹脂を含有する請求
    項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層
    を有し、該電荷輸送層が表面層である請求項1記載の電
    子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記電子写真感光体が感光層上に保護層
    を有し、該保護層が表面層である請求項1記載の電子写
    真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の電子写真感光体、静電
    潜像を形成する手段、形成された静電潜像を現像する手
    段及び現像した像を転写材に転写する手段を有すること
    を特徴とする電子写真装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の電子写真感光体、及び
    帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群よ
    り選択される少なくともひとつの手段を一体に支持し、
    かつ装置本体に着脱自在であることを特徴とする装置ユ
    ニット。
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