JPH0675386A

JPH0675386A - 電子写真感光体

Info

Publication number: JPH0675386A
Application number: JP17507591A
Authority: JP
Inventors: Tetsuya Sato; 徹哉佐藤; Jiyunichi Nawama; 潤一縄間; Hitoshi Hisada; 均久田; Yoshinobu Murakami; 嘉信村上
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1991-07-16
Filing date: 1991-07-16
Publication date: 1994-03-18

Abstract

(57)【要約】【目的】電子写真感光体の繰り返し使用時の、紙粉等
の表面付着による表面抵抗の低下を防ぎ、画像流れを防
ぐ。【構成】電子写真感光体として、導電性支持体上に単
層型の感光層を形成し、且つ感光層中にフッ素系グラフ
トポリマーあるいはシリコーン系グラフトポリマーを含
有する。なお、本発明は、正帯電で感度を有し、温湿度
に対して安定で、特に繰り返し使用後の紙粉等の表面付
着物による、高温高湿下での表面抵抗の低下による画像
流れの無い耐久性に優れた電子写真感光体を得るもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、有機光導電性物質を含
有する電子写真感光体に関し、特には正帯電で使用され
る単層型電子写真感光体の電子写真感光体に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真感光体としてセレン、セ
レン−テルル合金、硫化カドミニウム、酸化亜鉛などの
無機光導電性物質からなる感光体が広く用いられてきた
が、近年、合成が容易であり、適当な波長域に光導電性
を示す化合物を選択できるなどの特徴をもつ有機光導電
性物質の研究が進められている。

【０００３】有機光導電性物質を感光層に用いた電子写
真感光体は、成膜が容易である、可とう性が高く設計の
自由度が大きい、安価で無公害であるなどの長所を有し
ているが、無機光導電性物質に比較して感度及び感光体
寿命が劣っていた。そこで、それらを改善するために電
荷発生層と電荷輸送層とに機能を分離させて感光層を形
成する積層型電子写真感光体が提案され、実用化される
に至った。この積層型電子写真感光体において一般に用
いられる電荷輸送剤はピラゾリン、ヒドラゾン、オキサ
ゾールなどの電子供与性物質であるため、電荷輸送層は
正孔移動型となり、従って電荷発生層上に電荷輸送層を
積層した場合は負帯電で使用されている。

【０００４】一方、これらの電子写真感光体は通常、帯
電・露光・現像・転写・クリーニング・除電というプロ
セスに繰り返し供されるが、この一連のプロセスにおい
て、負帯電に比べて正帯電の方がコロナ放電が安定して
おり、また発生するオゾン量が少なくオゾン酸化による
特性劣化が少ない。また従来から使用されてきたセレ
ン、セレンーテルル合金などの無機感光体が正帯電で使
用されるため、これらの電子写真プロセスが共有できる
などの理由で正帯電で使用できる有機感光体の要望が強
い。

【０００５】このような要望に応えるため、これまでに
導電性支持体上に電荷輸送層・電荷発生層の順で積層す
る構成、電荷輸送層・電荷発生層の上にさらに樹脂薄膜
の保護層を設けた３層構成、電荷輸送層・電荷発生層・
電荷注入阻止層・表面保護層の４層構成、電荷輸送層・
電荷発生層の２層構成において、電荷発生層の樹脂比率
を上げて５μｍ位まで厚膜化して機械的強度を向上さ
せ、さらに電荷発生層に電荷輸送剤を添加して感度を維
持する構成など種々の構成で正帯電有機感光体に関する
検討が行われている。（例えば、ザ・サード・インター
ナショナル・コングレス・オン・アドバンシズ・イン・
ノンインパクトプリンティング・テクノロジズ予稿集ｐ
１１５、電子写真学会第５９回研究討論会予稿集ｐ１８
４など）しかしながら、塗布工程が一回ですむため量産
設備が簡単である等の理由から、単層型の正帯電有機感
光体の開発には依然として強い期待があり、各方面で活
発に検討が行われている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】一般に、電子写真感光
体には帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電の
各電子写真プロセスが繰り返されるが、転写時に複写用
紙中に充填剤として含まれるタルク等の紙成分が感光体
表面に付着し、さらにトナークリーニング時にブレード
で擦りつけられて強固に付着し累積して行き、高温高湿
環境下でボケ・流れ等の画像異常を引き起し、十分な実
使用寿命が得られないことが多い。これらのタルク等の
付着に起因する画像異常は、通常のキャリアを用いた２
成分現像を行う場合には、感光体に対する摺擦力が大き
いためにあまり問題にならないのに対して、近年装置の
小型化・メンテナンスフリー化のために期待されている
一成分現像剤を用いた飛翔現像を行う場合には大きな問
題となる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点に
鑑み、導電性支持体上に感光層が形成され且つ感光層が
フッ素系グラフトポリマーあるいはシリコーン系グラフ
トポリマーを含有する電子写真感光体によって、正帯電
で感度を有し、温湿度に対して安定で、特に繰り返し使
用後の紙粉等の表面付着物による、高温高湿下での表面
抵抗の低下による画像流れがなく、耐磨耗性・耐久性に
優れた電子写真感光体を提供するものである。

【０００８】

【作用】本発明の電子写真感光体は導電性支持体上に単
層型の感光層を形成することによって正帯電で感度を有
する。

【０００９】また、本発明の電子写真感光体は感光層中
にフッ素系グラフトポリマーまたはシリコーン系グラフ
トポリマーを含むことによって、感光体表面の撥水性を
向上させるとともに、表面の摩擦係数を低減させ、付着
物の表面への接着力を低下させ、繰り返し使用時の紙粉
等の付着物による表面抵抗の低下による画像流れを防
ぎ、実使用寿命を格段に向上することができるものであ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の電子写真感光体について詳細
に説明する。

【００１１】本発明の電子写真感光体の感光層は光導電
性物質とバインダー樹脂とフッ素系グラフトポリマーま
たはシリコーン系グラフトポリマーとを溶剤に溶解また
は分散した塗液を用い、導電性支持体上に浸漬塗工法、
スピン塗工法、スプレイ塗工法、静電塗工法等の通常の
塗布法によって塗布後加熱処理を行って、乾燥あるいは
硬化して形成する。加熱処理温度としては８０℃〜２０
０℃である。また感光層の膜厚としては数μｍ〜数十μ
ｍであるが、好ましくは５〜２５μｍの厚さである。

【００１２】本発明の電子写真感光体の感光層中に含ま
れるフッ素系グラフトポリマーは、平均分子量数千〜数
十万程度のアクリル等のアンカーポリマーの側鎖にフル
オロカーボンを含み、少なくとも感光層の全固形分１０
０重量部に対して１０重量部以下の添加で、感光層の純
水に対する接触角が９０゜以上となるような撥水性を与
えられるものが好ましい。

【００１３】また、同様に感光層中に含まれるシリコー
ン系グラフトポリマーは、平均分子量数千〜数十万程度
のアクリル等のアンカーポリマーの側鎖にシリコーン官
能基を有し、少なくとも感光層の全固形分１００重量部
に対して１０重量部以下の添加で、感光層の純水に対す
る接触角が９０゜以上となるような発水性を与えられる
ものが好ましい。

【００１４】本発明の電子写真感光体の感光層に用いる
光導電性物質としては、フタロシアニン系、アゾ系、ス
クエアリリウム系、シアニン系、キノン系、ペリレン系
などの各種顔料あるいは染料が挙げられる。

【００１５】本発明の電子写真感光体の感光層に用いる
バインダー樹脂としては、導電性支持体との接着性向
上、塗布膜の均一性向上、塗工時の流動性調整などの目
的で、必要に応じて用いられ、具体的には、ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラ
−ル、ポリ酢酸ビニル、ポリカ−ボネイト、フッ素樹
脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはこれらの
樹脂の共重合体などが挙げられるが、光導電性物質が高
分子化合物の場合はバインダー樹脂を混合せずに単独で
感光層を形成しても良い。また、溶剤としてはバインダ
ー樹脂を溶解するものであればよく、具体的には、ハロ
ゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エス
テル類、エーテル類などを用いることができる。

【００１６】また、本発明の電子写真感光体の感光層に
は通常の単層型有機感光体と同様に感度特性、応答特性
等の静電特性の改善の目的で、トリニトロフルオレノン
やテトラブロム無水フタル酸、ニトロアントラキノン等
の電子受容性物質や電荷輸送物質として電子供与性物質
を添加しても良い。電子供与性物質としては、アルキル
基、アルコキシ基、アミノ基などの電子供与性基を有す
る化合物、アントラセン、ピレン、フェナントレンなど
の多環芳香族化合物またはそれらを含む誘導体、インド
ール、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾー
ル、チアゾール、ピラゾリン、イミダゾール、トリアゾ
ールなどの複素環化合物またはそれらを含む誘導体など
が挙げられる。

【００１７】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体は、従来から知られている導電性を有するもの
であればよく、アルミニウム、アルミニウム合金などの
金属板及び金属ドラム、酸化スズ、酸化インジウムなど
の金属酸化物からなる板、またはそれらの金属及び金属
酸化物などを真空蒸着、スパッタリング、ラミネート、
塗布などによって付着させ導電性処理した各種プラスチ
ックフィルム、紙などである。

【００１８】さらに、本発明の電子写真感光体は、通常
の電子写真感光体と同様に、導電性支持体と感光層との
間にカゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチ
ラール、ポリアミドなどの接着層またはバリヤー層を設
けることができる。

【００１９】このようにして、感光層を導電性支持体上
に形成する本発明の電子写真感光体は、正帯電で感度を
有する。

【００２０】以下、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に示す組合せに限定されるも
のではない。

【００２１】以下本発明の一実施例の電子写真感光体に
ついて説明する。Ｘ型無金属フタロシアニン（大日本イ
ンキ製造株式会社製）５重量部とポリエステル樹脂（東
洋紡株式会社製商品名バイロン２００）１５重量部と
フッ素系グラフトポリマー（東亜合成化学株式会社製
ＧＦ−３００）１重量部とトリニトロフルオレノン１重
量部とをクロルベンゼン９０重量部とジクロロエタン３
０重量部とともに５０時間ボールミルで混練した塗液を
用いて外径２５ｍｍのアルミドラム上に浸積塗布し、１
３０℃にて１時間乾燥して膜厚１８μｍの感光層を形成
し、電子写真感光体を得た。

【００２２】このようにして得た電子写真感光体を、自
作の画像試験機に装着して、高温高湿（３５℃、８５Ｒ
Ｈ％）で１０００枚、２０００枚、３０００枚、４００
０枚、５０００枚、６０００枚、７０００枚プリントし
た時の画像流れの状態を評価した。図１は本発明の実施
例における電子写真感光体の画像試験機の構成図であ
る。

【００２３】図１において１は主帯電部、２は静電潜像
書き込み用レーザ露光部、３は非磁性一成分直流飛翔現
像部、４は紙および紙搬送部、５は転写部、６は定着
部、７はウレタンブレードによるトナークリーニング部
である。

【００２４】その評価結果を（表１）に示す。

【００２５】

【表１】以上のように本実施例によれば、電子写真感光
体が導電性支持体上に形成された感光層中に光導電性物
質とバインダー樹脂とともにフッ素系グラフトポリマー
を含有することによって、正帯電で感度を有し、温湿度
に対して安定で、特に繰り返し使用後の紙粉等の表面付
着物による、高温高湿下での表面抵抗の低下による画像
流れがなく、耐久性に優れた電子写真感光体を提供する
ものである。

【００２６】以下本発明の第２の実施例について説明す
る。第１の実施例の感光層において、フッ素系グラフト
ポリマー（東亜合成化学株式会社製ＧＦ−３００）１
重量部の代わりに、シリコーン系グラフトポリマー（東
亜合成化学株式会社製ＧＳ−３０）１重量部を添加し
て塗液を作製した以外は、第１の実施例と同様にして感
光層を形成し、第１の実施例と同様にして画像評価を行
なった。

【００２７】その評価結果を（表１）に示す。以下本発
明の第３の実施例について説明する。

【００２８】第１の実施例の感光層において、Ｘ型無金
属フタロシアニン（大日本インキ製造株式会社製）５重
量部の代わりに、銅フタロシアニン（ナカライテスク株
式会社製）５重量部とした以外は、第１の実施例と同様
にして感光層を形成し、第１の実施例と同様にして画像
評価を行なった。

【００２９】その評価結果を（表１）に示す。以下本発
明の第４の実施例について説明する。

【００３０】第１の実施例の感光層において、Ｘ型無金
属フタロシアニン（大日本インキ製造株式会社製）５重
量部の代わりに、ジブロムアンザンスロン（ＩＣＩジャ
パン株式会社製）５重量部とした以外は、第１の実施例
と同様にして感光層を形成し、第１の実施例と同様にし
て画像評価を行なった。

【００３１】その評価結果を（表１）に示す。以下本発
明の第５の実施例について説明する。

【００３２】第１の実施例の感光層において、ポリエス
テル樹脂（東洋紡株式会社製商品名バイロン２００）
１５重量部の代わりに、熱硬化型アクリル樹脂（三菱レ
ーヨン株式会社製商品名ダイヤナールＨＲ６６４）１
２重量部およびメラミン樹脂（大日本インキ株式会社製
商品名スーパーベッカミンＬ１４５−６０）３重量部
とした以外は、第１の実施例と同様にして感光層を形成
し、第１の実施例と同様にして画像評価を行なった。

【００３３】その評価結果を（表１）に示す。また本発
明の比較例として、感光層としてＸ型無金属フタロシア
ニン（大日本インキ製造株式会社製）５重量部とポリエ
ステル樹脂（東洋紡株式会社製商品名バイロン２０
０）１５重量部とトリニトロフルオレノン１重量部とを
クロルベンゼン９０重量部とジクロロエタン３０重量部
のみを５０時間ボールミルで混練した塗液を用いてサン
プルを作成した。

【００３４】第１の実施例において、感光層をＸ型無金
属フタロシアニンとポリエステル樹脂とトリニトロフル
オレノンのみとする以外は、第１の実施例と同様にして
感光層を形成し、第１の実施例と同様にして画像評価を
行なった。

【００３５】その評価結果を（表１）に示す。

【００３６】

【発明の効果】以上のように本発明は、導電性支持体上
に単層型の感光層を形成することによって正帯電で感度
を有し、感光層中にフッ素系グラフトポリマーまたはシ
リコーン系グラフトポリマーを含むことによって、感光
体表面の撥水性を向上させるとともに、表面の摩擦係数
を低減させ、付着物の表面への接着力を低下させ、繰り
返し使用時の紙粉等の付着物による表面抵抗の低下によ
る画像流れを防ぎ、実使用寿命を格段に向上することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における電子写真感光体
の画像試験機の構成図である。

【符号の説明】

１主帯電部２静電潜像書き込み用レーザ露光部３非磁性一成分直流飛翔現像部４紙および紙搬送部５転写部６定着部７ウレタンブレードによるトナークリーニング部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者村上嘉信大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
感光体において、前記感光層がフッ素系グラフトポリマ
ーを含有することを特徴とする電子写真感光体。
【請求項２】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
感光体において、前記感光層がシリコーン系グラフトポ
リマーを含有することを特徴とする電子写真感光体。