JPH0675107A - フォログラフィ回折格子パターンを形成する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は二次元フォログラフィ模様を低コス
トでコンピュータ生成でき、非常に大型のフォログラフ
ィ模様をも形成できる装飾的フォログラフィ回折格子パ
ターン及びそれを形成する方法を提供すること。 【構成】 本発明方法は、所望の模様が個々のスポット
が多数集まって形成されており、それぞれのスポットは
そのスポット用に定められた格子間隔及び角度向きを備
えたフォログラフィ回折格子を有している。スポット間
及び／またはスポットグループ間で角度向き及び／また
は格子間隔を変更することによって、所望のフォログラ
フィ効果が得られる。スポット位置は所望通りに変更で
き、所望模様を描き出す位置にしたり、ラスター走査形
の像のようにスポット間及び／またはスポットグループ
間の変化によって模様を描く二次元直交行列にすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フォログラフィ、特に
２次元のフォログラフィ模様を形成するための方法及び
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】フォログラフィ像は、長年に渡って驚異
及び娯楽の源であった。フォログラフィ像は、２次元の
フォログラムを照明することによって３次元の物体の印
象を作り出す。フォログラフィ像は様々な実用的用途に
も用いられており、その独特な特性によって従来の像と
容易に区別される。この点に関し、現時点で最もよく知
られている例は、確認の目的でクレジットカードに用い
られている鳩のフォログラフィ像であろう。特に、容易
に認識できるフォログラフィ像を与えるフォログラムを
用いる利点は、これは通常の印刷または写真処理では複
製できないことである。しかし、そのようなフォログラ
ムの問題点は、最初に作製する時に比較的高価であり、
大量に複製する場合にも特に安価になることはなく、従
って確認のための用途は、それに伴うコストに見合うだ
けの十分な価値があるものに限られることである。それ
に比べて、それほどの価値のない多くのものにはそのよ
うな確認マークが付けられておらず、偽造して使用され
ることが多く、発行者に多大の損害を与えることにな
る。それらにはあらゆる種類の切符やパスが含まれ、例
えばスポーツイベントの切符や公共交通機関のパス等が
ある。これらの場合、偽造品は比較的未熟練の切符切り
やバスの運転手にそれらを確認するための十分な時間及
び注意が許されない状況で提示されるので、偽造品の質
は、容認される可能性を高めるほどに良質である必要は
ない。過去何年間は切符に色付けすることが助けになっ
ていたが、カラー複写機がますます普及してきているこ
とで、最近ではその利益が相殺されてしまっている。他
方、クレジットカードのように妥当なコストの適当なフ
ォログラムによって確認できる場合、本物であることは
通常の監視者によって素早く認識できると共に、偽造の
目的で少量を複製することは費用がかかりすぎると共に
困難である。さらに、フォログラムを頻繁に変更すれ
ば、例えばスポーツイベント毎に変更したり、１カ月用
交通機関パスでは毎月変更すれば、切符やパス等の使用
時の確認がさらに容易になり、偽造者にとっては複製が
さらに困難になる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】二次元フォログラフィ
模様を低コストでコンピュータ生成でき、非常に大型の
フォログラフィ模様を形成できる、装飾的フォログラフ
ィ回折格子パターン及びそれを形成する方法。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本方法によれば、所望の
模様は個々のスポットが多数集まって形成されており、
それぞれのスポットはそのスポット用に定められた格子
間隔及び角度向きを備えたフォログラフィ回折格子を有
している。スポット間及び／またはスポットグループ間
で角度向き及び／または格子間隔を変更することによっ
て、所望のフォログラフィ効果が得られる。スポット位
置は所望通りに変更でき、所望模様を描き出す位置にし
たり、ラスター走査形の像のようにスポット間及び／ま
たはスポットグループ間の変化によって模様を描く二次
元直交行列にすることができる。これを形成するための
様々な実施例及び方法が開示されている。

【０００５】

【実施例】まず、本発明に従って形成されたフォログラ
ムの概略図を示している図１を参照しながら説明する。
図示の模様は比較的非幾何学模様であるが、個々のスポ
ットが比較的多数集まって構成されており、それぞれの
スポットはスポット行列の直交軸に対して所定の格子間
隔及び角度をなす回折格子である。図示のように、本例
の全行列の各スポットは回折格子で構成されており、そ
の結果、一般的に白色光で照明された時、角度の違いに
よって異なったフォログラムの模様及び特徴を見ること
ができる。もちろん各スポットには、入射光及び観察者
の角度に応じて変化する特徴的な色を付けることもでき
る。当然ながら、必要に応じて特定のスポットすなわち
スポット模様だけを回折格子で構成して、他の部分は１
つまたは複数の固定色またはその他の形式にすれば、適
当な角度から見た時、背景を除いたデザインだけがフォ
ログラフィ特性を持つように見える。さらに、必要に応
じて、図示のスポット直交行列ではなく、各々が適当な
回折格子角度及び間隔を備えたスポットの自由形式のパ
ターンを用いることもできるが、コンピュータ生成技術
に合わせやすく、変更段階及び繰り返し処理による複製
が容易であることから、一般的には直交行列が好まし
い。

【０００６】図１では、各スポットは、平行で等間隔の
格子線を設けた単一の円形回折格子を有している。これ
は本発明を制限するものではなく、その他の物理的形
状、例えば図２に示されているような正方形や矩形を用
いることもできる。ここでは、スポットがほぼ全面を埋
め尽くしている。図示のスポットは単に説明のために示
されているだけであって、特定の模様を形成するもので
はない。図２に示されているように、領域２０及び２２
は共に２つの回折パターンが重なって、照明を受けた時
にさらに別の角度から及び／または別の色で視覚に訴え
るスポットを形成している。ここで、領域２０及び２２
は同一の線間隔であるが異なった角度の回折格子が重な
ったものであるが、所望の視覚効果に合わせて、角度は
同じであるが格子間隔が異なったもの、及び／または角
度及び間隔共に異なったものを用いることも容易であ
る。

【０００７】また、必要に応じて、領域２４で示されて
いるように各スポットの視野角を広げるために曲線の回
折格子も本発明の原理及び概念の範囲内で使用すること
ができる。しかし、スポットサイズは通常、２つの所望
パターンを隣接したスポット位置に隣り合わせて配置す
るだけで重合回折格子パターンによる効果をほぼ達成で
きる程度に小さくなっているので、多くの場合にはパタ
ーンを重合させる必要はない。また、以下の説明から明
らかになるように、本発明の回折格子パターンを形成す
る一部の方法は、異なった間隔及び／または角度の重合
パターンを同一のスポットに使用することを容易に受け
入れることができるが、そのような重合に適合できない
方法もある。同様に、あるスポットサイズ内で付けたい
と通常望まれる湾曲の範囲は、一般的にさらに小さいサ
イズのスポットを用いて隣接スポット間で回折格子角度
を変化させることによってさらに容易に効果的に達成さ
れる。いずれにしても、特定のスポットパターンを用い
ることによって、一定の照明及び視野角度状態において
ある模様が見える（照明及び／または視野角度を変える
と色が変化する）と共に、別の照明及び視野の角度では
別の模様が見えたり、模様が付け加えられるように見え
ることは理解されるであろう。このように、例えば確認
の目的で本発明によるホログラムを各フットボールの試
合の切符に使用して、一定角度からは試合の日付が、別
の角度からは一方または両方のチームのロゴが、すべて
特徴的な可変多色模様で示されるようにすれば、不正複
製の余地がなくなる。

【０００８】次に、本発明に従ってフォログラムを形成
するための装置のブロック図である図３を参照しながら
説明する。図示のように、レーザ２６が回折格子を取り
付けた回転ヘッド２８へ可干渉光を送る。回折格子は、
主すなわちゼロ次光線３０の一部を通過させる以外に、
入射光を屈折させて上下の一次光線３２及び３４を生じ
る。光線３０は適当なマスクで遮断され、光線３２及び
３４はガラスまたはフォログラフィレンズのいずれかで
あるレンズ３６によって共通点に焦点合わせされる。最
良の性能を得るためには、レンズのＦナンバを小さくす
る、例えば０．８〜１．５にして、感光プレート３８に
当たる２つの一次光線に所望の間隔の格子を形成できる
十分な角度を付ける必要がある。感光プレート３８自体
はモータ付きのＸ−Ｙテーブル４０に取り付けられてお
り、露光されるスポットの輪郭は窓板４２によって定め
られ、これは所望通りに円形、正方形またはその他の形
状のスポットを定めることができる。電子シャッター４
４が光路上に設けられて、露光時間を制御すると共に、
もちろん次の露光のために装置を増分させる時に露光を
防止する。

【０００９】作用を説明すると、コンピュータ４６は、
電子シャッター４４と３チャネルサーボモータコントロ
ーラ４８とを制御し、このコントローラは、回折格子２
８を回転させるモータ５２を制御すると共に、感光プレ
ート３８の位置を次のスポット位置へ連続的に増分する
二軸テーブル４０を制御する。図示の装置では、あるス
ポットのための回折格子の角度向きは、コンピュータ制
御でヘッド２８を回転させることによって制御され、も
ちろん感光プレートのあるスポット位置に対して回転ヘ
ッド２８の設定角度を変えて露光を繰り返すことによっ
て、図２のパターン２０及び２２で示されているような
回折格子パターンを作成することができる。しかし、図
３の装置は回折格子の線の間隔を変更するには不都合で
あるが、それは以下に説明する実施例で容易に達成され
る。

【００１０】作用を説明すると、コンピュータ４６を用
いて所望の模様をディスプレイ５０上に好ましくは色付
きで作成し、各色が所定の関係またはマッピングに従っ
てそれぞれの回折格子及び／または格子角度を表示する
ようにする。所望の模様が作成されれば、印刷すなわち
露光作業が開始される。この時、コンピュータは、露光
される最初のスポット位置が提示されるように二軸テー
ブル４０を制御し、ヘッド２８を所望の回折格子角度に
回転させ、シャッター４４を開閉させて、それぞれのス
ポットの露光を行う。各スポットの所望の効率すなわち
明るさは、露光時間の長さによって制御できる。第２格
子を第１格子に重ねる場合、モータ５２を制御してヘッ
ド２８を次の所望位置へ回転させ、シャッター４４を適
当に再開閉する。あるスポットが所望通りに露光される
と（一般的には１回の露光）、テーブル４０は次に位置
へ進み、ヘッド２８がその次のスポットのための所望の
角度位置へ回転し、シャッター４４が適当に再開閉する
ことによって、感光表面３８上のそれぞれのスポットが
露光される。当然ながら、この工程は完全なコンピュー
タ制御によって、感光プレート３８または少なくともそ
の上の模様の露光が完了するまで継続される。その後、
それは現像され、密着焼き付け法やローラ及びその他の
エンボス処理法、高温プレス加工等を含めたフォログラ
ムの複製に一般的に用いられる技法のいずれかを利用し
て複製される。

【００１１】最初にコンピュータに作成された画像情報
に基づいた装置のコンピュータ制御によって、対応の三
次元物体または二次元アートワークを手作業で作成する
必要もなく、デザインの高速作成及び／または変更を行
うことができる。例えば、あるイベントの切符の確認の
ために１つの像として日付を、別の像としてイベントの
名前を示すフォログラムは、コンピュータ画面上に非常
に高速に生成でき、その後の複製に対して非常に効果的
に実際の露光及び現像されたフォログラムに自動的に変
換することができる。

【００１２】次に、図４を参照しながら、感光プレート
３８を露光するための装置の変更実施例について説明す
る。ここでは、レーザ光線を２つの光線（第３の中央光
線もあるが、これは遮断される）に分割するために図３
の回転ヘッド内の回折格子を用いる代わりに、回転ヘッ
ド５４が用いられており、この回転ヘッド内には入射光
線５８を２つの光線６０及び６２に分割するビームスプ
リッタ５６が設けられており、これらの光線はそれぞれ
反射されてレンズ６４及び６６を通って感光プレート３
８にその両側から当たり、露光時のヘッド５４の角度の
所望の回折格子を形成する。もちろん一般的には各露光
中は回転ヘッド５４は所望位置に静止していると考えら
れるが、露光時間は非常に短いので、回転は継続してい
るように見える。

【００１３】次に、図５を参照しながら、感光プレート
３８を露光するための装置のさらなる変更実施例につい
て説明する。この装置では、ビームスプリッタ６８が元
の光線７０を２つの光線７２及び７４に分割し、これら
の光線は、それぞれ回転式ヘッド８０に連結された可撓
性の偏光保持光ファイバー７６及び７８へ送られる。光
ファイバーは摺動式アークセグメント８２及び８４に機
械的に連結されて、背後の感光プレート３８上のスポッ
トを露光できるようにそれぞれプレート４２の開口に向
けられているが、それに対する角度はコンピュータ４６
ａによって制御されたコントローラ４８の制御を受けな
がら変更できるようになっている。本装置では、ミラー
が所望通りに回転できるように連結されており、光線は
所望通りにレンズまたはレンズ系８６及び８８によって
焦点合わせされる。ヘッド全体はコンピュータ制御され
たモータ９０によって回転されて、回折格子の角度を制
御できるようになっており、摺動式アセンブリ８２及び
８４の位置の制御によってスポットに当たる光線部分の
角度が制御され、それによってその上に形成される干渉
パターンの線の間隔が制御される。この点に関連して、
図５では両方の光線部分の角度が、通常は互いに一体化
して制御可能であるように示されているが、これらの２
つを一体化して制御する必要はなく、事実一方の光線部
分を固定角度に静止させ、他方の光線部分だけを制御可
能にして所望通りに回折格子間隔を変更できるようにし
てもよいことに注意されたい。一方が固定で他方の角度
が可変であるために２つの光線部分の入射角度が等しく
ない場合には生成された回折格子の線が直線にならない
が、光学系の配置に比べた露光スポットの大きさは、一
般的に回折格子の線の湾曲の程度が通常は極小となるよ
うに選択される。

【００１４】次に、図６を参照しながら、本発明のフォ
ログラムを形成するための装置のさらに別の変更実施例
について説明する。この実施例では、シャッター４４か
らの光線７０がビームスプリッタ１０８、１１０及び１
１２とミラー１１４とによって４つの成分１００、１０
２、１０４及び１０６に分割される。光線成分１０２、
１０４及び１０６のそれぞれの経路に電子制御シャッタ
ー１１６、１１８及び１２０が設けられている。光線成
分１００は光ファイバー１２２に送られて、感光プレー
ト３８上の露光されるべきスポット上に基準光線を形成
する。光線成分１０２、１０４及び１０６は、それぞれ
のシャッターを通過すれば、他の３つの光ファイバーの
端部へ送られ、感光プレート３８上のスポット表面に対
して３つの異なった角度のいずれかで１つまたは複数の
対応光線成分を選択的に与える。このようにして、例え
ば最初にシャッター１１６が開き、シャッター１１８及
び１２０が閉じている場合、シャッター４４が開くと、
基準光線成分１００が光線成分１０２と一緒になって干
渉光線を与えることにより、感光プレート３８の露光ス
ポットに回折格子が形成される。光線１００と１０２と
の間の角度が比較的大きいため、回折格子の間隔は比較
的小さくなる。シャッター１１８が開き、シャッター１
１６及び１２０が閉じている場合、シャッター４４が開
くと、基準光線成分１００と光線成分１０４とによって
格子間隔の大きい回折格子が得られ、もちろん光線成分
１０２及び１０４の代わりに光線成分１０６を光線１０
０と共に用いれば、２つの干渉光線間の角度が最小とな
り、従って格子間隔が最大となる。

【００１５】上記の実施例の場合と同様に、ヘッド８０
ａ全体はコンピュータ制御されたモータ９０によって感
光プレート３８に直交する軸線回りに比較的小さい増分
で、例えば１度ずつ回転させることができる。この点に
関連して注意すべきことは、光ファイバー及びファイバ
ーオプティック束は比較的可撓性を持たせて形成し、回
折格子の０゜と１８０゜の位置が同一であるから、ヘッ
ド８０ａに対しては±９０゜の範囲の回転が必要なだけ
であるが、ほとんどの場合に先読み能力を利用して最小
角度でヘッド８０ａを次の露光位置へ回転させることが
できるようにするため、さらに大きい回転範囲にするこ
とが望ましい。

【００１６】次に、図７を参照しながら、本発明のフォ
ログラムを形成するための、特に大型または超大型フォ
ログラムの作成に適した装置のさらに別の変更実施例に
ついて説明する。ここでは、高温プレスヘッド１３０
が、例えば一般的な広告板と同じ大きさにすることがで
きる熱可塑性基材１３２の上方においてＸ−Ｙ搬送装置
に取り付けられている。一般的にプレス工具は、その軸
線回りに回折格子の所望の角度変化量だけ回転させるこ
とができる温度制御された加熱工具である。必要に応じ
て、その高温プレスヘッドには可変格子間隔が得られる
ように複数のそのような工具が設けられ、熱可塑性基材
上の各スポットに高温プレス加工する前に所望の工具を
プレス位置へ、さらにそれを所望の角度に回転させるよ
うにする。一般的に、非常に大型のフォログラムの場
合、それに比例してスポットのサイズも大きくなる。そ
のような装置では、図１の円形のスポットが好都合であ
るが、その他の形状、例えば正六角形にすることもで
き、その場合には図８に示されているように組み合わせ
ることによって、全面積をカバーしながら３つの回折格
子角度を選択することができる。

【００１７】図７に示されている装置の変更例として、
熱可塑性基材１３２をロール形にして、２つのロール間
を線単位で移動するようにし、図７のＸ−Ｙ駆動装置を
横方向だけの駆動装置にして、模様の各横線が形成され
てから熱可塑性基材を１スポット幅ずつ前進させること
によって長手方向の移動を効果的に実施できるようにし
てもよい。これは図１３に示されている。この点に関連
して、高温プレスヘッドの変更例として、回折格子は図
９に示されているようなテープへの転写として与えてか
ら、各スポットの転写を実施する前に転写テープ支持体
及び巻き取りリール等を適当な角度に回転させることに
よって基材の各スポット位置に適当な角度で転写するこ
ともできる。このような転写法は、例えば図８及び１３
の装置で実行できる。そのようなフォログラムが形成さ
れると、広告板に注意を引く像を与えることができ、特
定グループのスポットが特定の視野及び照明角度で１つ
の像を作り出し、それは視野及び／または照明角度の変
化に伴って変化する。例えば、１つのサインが朝日で１
つのメッセージを表示し、午後の日光で別のメッセージ
を表示し、夜の照明でさらに別のメッセージを表示する
こともできる。あるいは、本発明に従って形成された広
告板は、図１０に示されているように３つの異なった位
置から照明することによって、それぞれの位置に立った
人は同じ広告板から異なった模様またはメッセージを見
ることになる。同様に、照明を時間と共に変化させても
よく、その場合には照明を１つずつ循環させるか、１つ
の光源が暗くなっていくのに伴って次のものをゆっくり
明るくしていくことによって、１つのメッセージまたは
模様が薄くなって次のものに代わったり、２つの相補像
が同時に見えるようになり、１カ所から一定の時間中に
すべての模様を見ることができる。

【００１８】図１１は、図３と同様な実施例を示してい
るが、図１１の実施例は、格子角度と共に格子の間隔を
変更する能力を備えている。この実施例では、図３の部
材とほぼ同一であって同様に機能する部材には同一の番
号が付けられている。しかしこの実施例では、回折格子
２８を所望角度に回転させることができるように制御さ
れる単一のモータ５２に代えて、２つのモータ５２ａ及
び５２ｂが設けられており、その各々は図１２に示され
ているような可変回折格子アセンブリを有する部材２８
ａ及び２８ｂを制御回転させる。ここでは回転ヘッド１
４０が、円形に配置された複数の回折格子１４２、１４
４等を支持しており、その円は部材２８ａ及び２８ｂの
中心すなわち軸を通っている。図示の回折格子部材１４
０は８つの部材を備えており、そのおのおのは格子間隔
が異なり、簡単にするためにおのおのは部材１４０を４
５゜回転させる毎に新しい回折格子をアセンブリの軸上
に配置できる角度向きになっているが、そのように配置
した場合にはそれぞれが同じ角度向きになる。概略的に
図示されている歯車１４６は部材１４０の外周を駆動
し、大径の歯車１４８は部材２８ｂ（図１１）によって
駆動され、歯車１４６に連結されてそれを駆動する。歯
車比を適当に選択することによって、モータ５２ｂによ
る部材１４０の１回転で回折格子部材１４０も１回転さ
せることができる。他方、部材２８ａをモータ５２ａで
回転させると、部材１４０及び歯車１４６、１４８の軸
を支持している部材が回転する。このように、部材２８
ａ及び２８ｂを一体状に回転させると、アセンブリ全体
が光軸回りに回転するため、光軸と整合している回折格
子を所望角度へ（好ましくは比較的小さい増分で、例え
ば１゜ずつ）回転させることができる。他方、部材２８
ａを回転させないで部材２８ｂを４５゜ずつ回転させる
と、装置の光軸に整合する回折格子が変わるが、それの
角度は変わらない。このように、図示の実施例では８つ
の回折格子のいずれでも装置の光軸に整合させることが
でき、そのように整合させてからそれらのすべてを比較
的小さい角度増分で、例えば１゜ずつ光軸回りに回転さ
せることができる。当然ながら、必要に応じて様々な他
の方法を用いて回折格子の間隔を変化させることがで
き、例えば部材１４０を回転させるために駆動モータを
回転ヘッドに設けてもよいが、その方法ではスリップリ
ング、または回転アセンブリに動力を伝達する他の何ら
かの手段が必要である。しかし、少数の回折格子間隔し
か所望されていない場合、例えばわずかに２つの間隔が
望まれているだけの場合、回折格子が重力の影響で装置
の光軸に進入退出するように摺動させてもよく、これを
特に容易にするのは、回折格子角度が３６０゜毎ではな
く１８０゜毎に繰り返しており、１つの格子がヘッドの
回転の１８０゜の範囲で適所に位置することによって格
子全回転能力を与えることができ、他方の格子は残りの
１８０゜のヘッドの回転範囲で適所に位置することによ
って第２格子に対して全格子角度範囲を与えることがで
きるという事実である。

【００１９】以上に、従来のフォログラム作成複製技術
に勝る多くの利点を備えている新規で独特のフォログラ
フィ回折格子パターン及びそれの作成方法を説明してき
た。本発明のフォログラムは直交スポット行列として各
所で説明してきたが、本発明は直交行列の使用、すなわ
ち直交行列の行列位置に入るパターンを形成するスポッ
ト（これが好ましいが）の使用に制限されることはな
く、自由形式のパターンを形成したり、またはスポット
を局部的に形成するだけにしても、他の技術、例えば通
常の印刷法で形成された種類の像の中で光沢のあるスポ
ットは目立ち、容易に認識できる。このように、本発明
を特定の好適な実施例について説明してきたが、それの
精神から逸脱しない範囲において形状及び詳細に様々な
変更を加えることができることは、当業者には理解され
るであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によって形成できる１形式のフォログラ
フィ模様の概略図である。

【図２】本発明のフォログラムに使用される矩形または
正方形スポットを示す拡大図である。

【図３】本発明のフォログラムを形成するための装置の
１実施例のブロック図である。

【図４】フォログラムを形成するための装置の変更実施
例のブロック図である。

【図５】フォログラムを形成するための装置の別の変更
実施例のブロック図である。

【図６】フォログラムを形成するための装置のさらに別
の変更実施例のブロック図である。

【図７】例えばポスターから広告板までの範囲の比較的
大型のフォログラムの作成に特に適している、本発明の
フォログラムを形成するための装置の概略図である。

【図８】回折格子の転写を利用することによってフォロ
グラムを形成するための装置の概略図である。

【図９】変更形スポット形状配置の概略図である。

【図１０】複数の位置から照明された広告板サイズのフ
ォログラムの概略図である。

【図１１】図３の装置に類似しているが、回折格子の角
度と共に格子間隔を変更する能力を備えた、本発明のフ
ォログラムを形成するための装置のブロック図である。

【図１２】回折格子間隔を変更するための図１１の装置
の概略説明図である。

【図１３】本発明のフォログラムを形成するための装置
のさらに別の実施例の概略図である。

【符号の説明】

２６ レーザ ２８ 回折格子 ３０、３２、３４ 光線 ３６ レンズ ３８ 感光プレート ４２ 窓板 ４４ 電子シャッター ４６ コンピュータ ４８ コントローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ）感光領域を備えた部材を提供する段
   階と、 （ｂ）部材の感光領域上の、感光領域の面積のごく小さ
   い一部分の面積のスポットを露光する手段を提供する段
   階と、 （ｃ）部材の感光領域上のスポットを露光してフォログ
   ラフィ回折格子にする段階と、 （ｄ）段階（ｃ）を感光領域上のそれぞれの位置にある
   複数のスポットに対して複数回繰り返してその感光領域
   に模様を形成する段階とを有することを特徴とするフォ
   ログラフィ回折格子パターンを形成する方法。
2. 【請求項２】（ａ）表面を備えた部材を提供する段階
   と、 （ｂ）表面上の、表面の面積のごく小さい一部分の面積
   を持ったスポット上にフォログラフィ回折格子をプレス
   する手段を提供する段階と、 （ｃ）段階（ｂ）で提供された手段を用いて表面上のス
   ポットにフォログラフィ回折格子をプレスする段階と、 （ｄ）段階（ｃ）の段階を表面上のそれぞれの位置にあ
   る複数のスポットに対して複数回繰り返して表面上に模
   様を形成する段階とを有することを特徴とするフォログ
   ラフィ回折格子パターンを形成する方法。
3. 【請求項３】模様を決める複数のスポットを有して、か
   くスポットは物体上に異なった位置を占め、それぞれの
   スポットは特定の間隔および角度方向の回折格子有する
   ことを特徴とする表面に回折模様を有する物体。