JPH0674934A - イオン選択電極に基く検定のための、金属を含まない 緩衝液 - Google Patents

イオン選択電極に基く検定のための、金属を含まない 緩衝液

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JPH0674934A
JPH0674934A JP3233642A JP23364291A JPH0674934A JP H0674934 A JPH0674934 A JP H0674934A JP 3233642 A JP3233642 A JP 3233642A JP 23364291 A JP23364291 A JP 23364291A JP H0674934 A JPH0674934 A JP H0674934A
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William J Scott
ウイリアム、ジェイムズ、スカット
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】イオン選択電極検定技術における、予定されて
いるアナライトに関する正確で鋭敏な検定を与える。 【構成】予定されたアナライトを検定するイオン選択電
極法において、試験試料を希釈と緩衝とのために用いら
れる、組成物を重金属を含まないようにする。その重金
属を含まない組成物は、同時に妨害物の、イオン選択電
極に基く検定に及ぼす影響を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明はイオン選択電極による、予定さ
れたアナライト例えば炭酸イオンの存在または濃度に就
いての、試験試料例えば生物学的流体例えば血漿、血清
または尿の検定に関する。更に特別には、本発明は緩衝
化合物例えば硼酸塩化合物を包含する重金属のない組成
物を試験試料を希釈するためと、試験試料を適当なpH
範囲に緩衝するためと、そして検定の際試験試料中に存
在する妨害物の影響を実質的に減少するために用いる、
予定したアナライトに関する試験試料のイオン選択電極
に基く検定に関する。試験試料の希釈と緩衝とに用いる
先行技術の組成物は、検定において試験試料中に存在す
る妨害物の影響を減少させるために重金属イオンの錯体
を包含している。驚くべきことで予期されないことに、
本発明の重金属のない組成物は予定されるアナライトに
関し、正確で鋭敏なイオン選択電極に基く検定を提供
し、潜在的に有毒な重金属錯体例えば水銀錯体を用いる
ことなく、妨害物の影響を実質的に減少させる。妨害物
の影響の減少に加えて、重金属のない組成物は電極の選
択性を維持し、電極寿命を維持し、そして相当に毒性の
より弱い廃生成物を生成する。従って、重金属のない廃
組成物の処分は容易になる。
【0002】
【本発明の背景】試験試料中の予定されたアナライト例
えばイオンの存在または濃度の検定には幾つかの方法が
用い得る。これらの材料には湿潤相並に乾燥相比色検定
と、フレーム測定法、原子吸光法、イオン選択電極なら
びに多段液相分配に基く検定がある。最近では、イオン
選択電極が改良されたので、イオン選択電極分析法が、
特に自働化されたシステムに関してはより広く用いられ
て来た。特に、イオン選択電極は現在自働化されたシス
テムで有用な、充分な選択性と感度と使用寿命とを持っ
ている。
【0003】イオン選択電極の重要な1面は予定された
アナライト、通常はイオンと優先的または選択的に錯化
し、それでそのアナライトを試験試料から単離させる特
別な化合物または組成物を用いることである。これらの
化合物、イオノフォアとして知られている、は予定され
たイオンを試験試料中のその対イオン並に他のイオンか
ら選択的に単離し、それにより電荷分離と、イオノフォ
アを含有する相中における相応した電気伝導度の変化を
引起す能力を持っている。
【0004】従って、イオン選択電極は溶液中の子定さ
れたイオン、陰イオンまたは陽イオン何れもの存在また
は濃度に関し試験試料を検定するのに用いられて来た。
先行技術は溶液中の特別な予定されたイオンの検出と測
定のため、イオン選択電極の種種な型および構造を記述
している。一般に、予定されたイオンの存在または濃度
の検出または測定する装置は参照電極と、試験試料中の
予定されたイオンに優先的または特異的に応答する電極
とを包含する。参照電極とイオン選択電極との何れもが
予定されたイオンの異る濃度を含む溶液中に浸漬されて
いる場合その電気化学的電池中に電位を生ずる。この電
位を測定し、その試験試料中の予定されたアナライトの
濃度と関連づける。
【0005】特に、等しくない濃度の子定されたイオン
を持つ2つの溶液が電気的に伝導性の膜により分離され
ている場合、起電力(EMF)が生ずる。その電気化学
的電池により起されるEMFは膜のそれぞれの側におけ
る溶液の濃度即ちイオン活量の関数である。この現象は
数学的にNernst式(1)
【式1】 (この式で、Eはその特別な電気化学的電池のEMFで
あり、FはFaraday恒数であり、Rは気体常数で
あり、Tは゜K(Kelvin度)で表わした温度であ
り、aとaとは溶液中の予定されたイオンの活量で
ある)で表わされる。サフィックス1は膜の1つの側の
溶液を、サフィックス2は膜の他の側の溶液を表わす。
予定されたイオンの電荷はnで示す。
【0006】測定は異る活量の溶液中に浸漬され、そし
て塩橋または膜で隔てられている2つの同じ電気化学的
半電池間に生ずる電位差の電位差測定である。その2つ
の半電池は1緒になって濃淡電池となる。今の場合、1
つの半電池の活量(a)は固定され(参照)、他の半
電池の活量(a)(試料)は濃淡電池のEMFがNe
rnst式(式1)から定義されるように可変である。
【0007】この様な電気化学的濃淡電池においては、
その膜は、1つの溶液から膜の反対側の他の溶液に、小
さいが測定出来る程度のイオン拡散が許される簡単な焼
結ガラス障害物であり得る。そうでなければ、イオノフ
ォアを含浸させた無孔性の、電気的に不導性の膜例えば
ポリ塩化ビニルを用いることができる。イオノフォアが
存在しない場合、その膜は絶縁体でありEMFは測定さ
れない。イオノフォアがその膜中に組込まれている場
合、荷電イオンはその膜に結合され、小さいが測定可能
の電流の流れるのが誘発される。そのような電池は、イ
オノフォアが予定されたイオンと優先的または選択的に
結合し、即ち錯化する故にイオン選択的である。それ
故、イオノフォアは本質的に予定されたイオンとのみ結
合し、測定されるどんなEMFもただ、予定されたイオ
ンの存在のみに。
【0008】例えば、いくつかの抗生剤例えばバリノマ
イシンはリン脂質二重層膜(生物学的膜)の電気的性質
に対し影響を持つことは知られている。これらの抗生剤
は陽イオンを可動の荷電錯体の形で膜の中に溶解し、そ
れによって、陽イオンが膜の絶縁性で疎水性の内部を横
切ることができる“担体”機構を提供している。これら
の陽イオン−抗生剤錯体は疎水性膜を通しての錯体の荷
電の運搬と云う唯一つの目的を持っている。イオン選択
電極(ISE)においては、陽イオン−抗生剤錯体はI
SE膜の両側の溶液間に測定可能の電位差を起す。
【0009】それ故、試験試料中のカリウムイオン濃度
測定のための濃淡電池はカリウムイオン(K)に特異
なイオノフォア例えばバリノマイシンを用いることによ
り出来る。カリウムイオン存在の下で、適当な膜に取込
まれたバリノマイシンはカリウムイオンを結合し、輸送
し、膜を横切って電位を生じさせることにより膜を通し
ての濃度勾配を生じさせる。カリウムイオンの既知の参
照濃度を膜の1つの側に、試験試料を他の側に接触させ
る。生じたEMFは外部参照電極を用いて測定し、測定
されたEMFは式(1)からの未知濃度のカリウムイオ
ン計算のために用いられる。本質的にカリウムイオンの
みが膜中のバリノマイシンに結合する故に電導路はカリ
ウムイオンに対してのみ現れる。それ故、測定されたE
MFは唯、膜を通してのカリウムイオン濃度勾配にのみ
帰因する。膜を通して流れる実際の電流は小さく、膜を
通して有意の量のカリウムイオンまたは対イオンは輸送
されない。膜の電気的中立性は水素イオン(プロトン)
の逆流または水酸イオンの並流によって維持される。
【0010】この示差測定技術は生物学的流体の構成要
素例えば水素イオン(H)とナトリウムイオン(Na
)とカリウムイオン(K)とカルシウムイオン(C
++)と塩素イオン(Cl)との濃度または活量の
測定に用いられて来た。更にこの技術はしばしば、バイ
オセンサー即ち、電極に結合された生物学的触媒(例え
ば固定化酵素、細胞または組織層)を包含し、生物学的
な触媒反応の生成物または共基質に鋭敏である酵素電極
を用いる。従って、酵素または基質の濃度は示差測定技
術を用いて測定できる。
【0011】過去においてはISEは通常Ag/AgC
l/“XMCl”と一般に書かれている、既知の電位の
半電池と接触している、既知イオン濃度の参照溶液をも
っているガラス容器型の電極本体とその電極の開口部に
装着されているイオン選択ガラス膜とからなっていて、
その電極が未知濃度のそのイオンを包含する溶液に浸漬
されている場合そのガラス膜は電極本体内の参照溶液と
未知溶液との両方に接触されているようになっていた。
包含されている参照溶液(“XMCl”、金属塩化物の
モル濃度)中に浸漬されている金属の不溶性塩(AgC
l、塩化銀)層で被覆されている適当な金属プローブは
接点として働き、電極のための参照電位を提供してい
た。特別なイオンに対する電極の選択性はガラス膜また
はガラス膜中に包含する成分組成により決まる。そのよ
うな電極を“barrel”電極と呼び、米国特許第
3,598,713および3,502,560号に詳し
く記載されている。
【0012】更に最近、ガラス膜の代替として合成ポリ
マー膜が開発され、電位差測定イオン選択電極法により
検定できるイオンのリストが増加した。合成膜は一般に
イオン選択性イオノフォアで含浸されているポリマー結
合剤あるいは支持剤とイオノフォアのための溶剤とを包
含している。この型の膜はポリマー結合剤中に組込まれ
ているイオノフォアとイオノフォア溶剤とポリマー結合
剤と他の補助剤の賢明な選択により予定されたイオンを
優先的にまたは選択的に知覚するように注文で設計され
ている。これらの膜とガラス膜の代替としてこれらの膜
を含有する“barrel”電極とは米国特許第3,5
62,129と3,691,047と3,753,88
7号とに詳しく記載されている。イオン選択電極に関す
る他の特許には炭駿ガス検定のためのガスセンサーを開
示している、Yamaguchi等の米国特許第4,8
39,020号とpHと遊離二酸化炭素測定のための組
合せ電極を開示している、Burgess等の米国特許
第4,818,361号とWatkins−Pitch
fordの米国特許第4,743,352号とCono
ver等の米国特許第4,713,165号とが包含さ
れる。
【0013】イオン選択“barrel”電極の高い特
異性に加えて、その主要な有利さは、その電極が違った
溶液中の同一イオン濃度の測定に繰返し使用できること
である。従って、特定の予定されたイオンに関し多数の
試料の検定が自働化装置により実施できる。従って現在
液体のイオン含有量の測定のため多数の型のイオン選択
電極が入手できる。しかし、これらのイオン選択電極に
は、特別に設計されたポリマーマトリックスからなる膜
の必要と、膜の感度改良と応答時間の減少のため、塩基
による予備的な中和が必要なイオノフォアの利用と、よ
く制御された条件の下での貯蔵の必要と使用寿命の短い
ことと、貯蔵の間の感度および信頼性の喪失とを含む限
界を持っている。それに加えて、或るイオン選択電極に
は正確な操作のために比較的多量の試料(即ち1mlま
たはそれ以上)を必要とし、ガラスで出来ている。従っ
て、イオン選択電極は費用がかかり、こわれ易く、非常
に少量の自働的に処理される試料に適当な装置に組込む
ことは出来ない。幾つかのイオン選択電極の他の主要な
短所はその電極を条件付けされていない流体例えば体液
のイオン活量測定のため最初に使用した後では、前に検
定した試験試料による汚染により、ガラスまたはポリマ
ーの電極膜の正確な組成が判らないことである。従っ
て、検定結果はしばしば疑わしい。
【0014】前記の如く、イオン選択電極(ISE)は
予定された陽イオンまたは陰イオンに関し試験試料を検
定するよう設計できる。例えば、米国特許第4,81
0,351号においてChapoteau等は炭酸イオ
ンに関し試験試料を検定するイオン選択電極を開示し
た。そのISEは自働化検定装置例えばTechnic
on Instruments Corp. Tarr
ytown,NYから入手 ステムに使用でき、1時間当り240個またはそれ以上
の試料を検定する。以後より充分に説明するごとく、本
発明の方法は炭酸イオンに関しての試験試料のイオン選
択電極に基く検定には特別に有用である。しかし、本発
明の方法はISE技術により検定できるどんな陰イオン
または陽イオンの検出または測定にも使用できる。従っ
て、試験試料例えば生物学的流体の検定に関する以下の
議論は単に説明的なものである。関心ある検定のため、
適当なpH範囲内に試験試料を緩衝する重金属のない組
成物を用いることにより、本発明の方法は適当なイオノ
フォアをもつ膜を包含するイオン選択電極による、どん
な種額の陰イオンまたは陽イオンの検定にも使用でき
る。
【0015】従って、生物学的試料例えば血清または血
漿の全2酸化炭素含有量に関係する炭酸イオンの検出と
測定とは臨床的に重要な検定である。この検定は体の中
の酸に基くバランスの変化に伴う潜在的に重大な障害の
診断と処置とに用いられる。血漿の正常なpHは7.4
であり、試験試料中の重炭酸イオン(HCO )対炭
酸(HCO)の比はHenderson−Hass
elbalch式により定義されている。血液pHのど
んな障害も呼吸と腎臓とのシステムの適当な応答により
償われる。それ故、酸に基く状態決定には1つ以上の分
折が要求される。そのような1つの検定は血液中の全2
酸化炭素含有量の分析である。血液中に溶解する2酸化
炭素は赤血球内部と血漿との間および血漿内において平
衡にある。2酸化炭素は溶解2酸化炭素(CO)と炭
酸(HCO)と重炭酸イオン(HCO )と炭酸
イオン(CO −2)と蛋白質の遊離アミノ基に結合し
た炭酸イオン(RNHCOO)として存在する。全2
酸化炭素濃度は試験試料中に存在する凡ての形の2酸化
炭素の濃度の合計として定義される。
【0016】血清または血漿中の全2酸化炭素に関する
多くの検定方法においては、その生物学的流体を、結合
2酸化炭素(HCO とCO −2とRNHC
)を遊離2酸化炭素(HCOと溶解CO
に変換する酸性試薬中に加える。全2酸化炭素測定のた
め、抽出法例えば透折または平衡法では一定容量におけ
る気体圧力の増加を測定する。更に、全2酸化炭素の電
位差測定が炭酸イオン−感応イオン選択電極を用いて行
われて来た。イオン選択電極法は、HermanとRe
chnitz、Anal.Chem.Acta.76
155−164頁(1975)に記載のように試験に先
立ち緩衝されているアルカリ性溶液の添加により、試験
試料のpHを比較的高い値、即ち約8以上に固定するこ
とが必要である。
【0017】炭酸イオン−感応イオン選択電極はWis
e、米国特許第3,723,281号とKim等、米国
特許第4,272,328号とMeyerhoff等、
Anal.Chem.Acta.141,57−64頁
(1982)とSimon等、Anal.Chem.,
54,423−429頁(1982)との中に記載され
ている。塩素イオン−感応イオン選択電極はOka等、
Anal.Chem.,53,588−593頁(19
81)に記載されている。前記の何れの特許または刊行
物も正確で、受容し得る使用寿命を持ち、そして最小の
ドリフトを示す炭酸イオン−感応ISEを提供しようと
している。先行技術の文献はまた、試験試料中にしばし
ば存在する妨害物例えばゲンチシン酸イオンまたはサリ
チル酸イオンの影響を除去または減少させようともして
いる。
【0018】自働化分析機中で、生物学的流体中の全2
酸化炭素の測定に有用な、前記の開示されているイオン
選択膜電極は幾つかの源例えば脂肪酸とケト酸とサリチ
ル酸イオンとヘパリンとからの妨害を示す。しかし、膜
成分の賢明な選択で、優れた性能例えば短い条件づけと
貯蔵中長い寿命と速やかで安定な応答と低いドリフトと
妨害に対して実質的に低い感受性をもつ膜を提供した。
そのような電極は1時間当り240以上の試料を分析で
き、検定結果は全2酸化炭素に関し、透折法で行われた
検定とよく相関する。
【0019】Chapoteau等は米国特許第4,8
10,351号において炭酸イオンに関する自働検定に
用いることができる、この型の炭酸イオン−感応ISE
を開示している。Chapoteau等は貫流(flo
w−through)イオン選択電極を開示し、そこで
は試験試料は試験試料対緩衝溶液の希釈比1〜約15に
希釈される。その緩衝溶液は試験試料が炭酸イオンを包
含するように約8.2より大きいpHを持っている。そ
の上、その緩衝溶液は試験試料中にしばしば存在する妨
害物例えばサリチル酸イオンの影響を減少させるため重
金属イオン錯体例えば水銀(II)エチレンジアミンテ
トラ酢酸錯体を包含している。Chapoteau等に
より開示されたISEは1時間に200以上の試料を検
定できる。
【0020】Chapoteau等により開示された、
全2酸化炭素を検定するイオン選択電極法は先行技術の
方法に対比させるべきである。自働化流通システムにお
ける全2酸化炭素の測定は通例試料の酸性化、次いで生
じた2酸化炭素ガスの受容側の流れへの透折が含まれ
る。透折された2酸化炭素量は試料の全2酸化炭素含有
量に比例する。受容側流において生じたpHの変化を比
色法またはpH電極を用いて測定する。しかしどの方法
も、透折なしで必要な検定を行うイオン選択電極の使用
に比較して、1時間で200以上の試料の非常に早い試
料採取速度においては実用的ではない。
【0021】2酸化炭素は水と反応して、重炭酸イオン
と炭酸イオンとに解離する炭酸を形成する。その酸の、
この2つの解離の解離恒数は25℃でそれぞれ6.37
と10.25である。それで、緩衝されている媒質中で
は、2酸化炭素に関する適当なイオン選択センサーは炭
酸イオンあるいは重炭酸イオン何れにも感応できる。重
炭酸イオンセンサーが用いられたがその感応時間は著し
く長い(5〜15分)。それ故、炭酸イオン−応答装置
が、炭酸イオン−感応ISEの感度は重炭酸イオンセン
サーに期待されるそれの僅か約1/2であるにも拘ら
ず、より通常的に用いられている。更に、炭酸イオン−
感応ISEは試料にし比較的高いpHを必要とするが、
これは通常、検定に先立って試料にアルカリ性緩衝溶液
を添加して達成されている。
【0022】炭酸イオン測定用のイオン選択電極製造の
初期の試みは塩素イオン存在の下での貧弱な選択性と生
理学的濃度範囲における小さい分析勾配とpH制御の失
敗とに悩まされた。それに加えて、遅い応答時間を持つ
比較的不安定な液体膜が使用され、検定結果はしばしば
説明し得ない高い分析回収率により複雑にされることに
なった。更に内性ならびに他の通常の血清成分例えば遊
離脂肪酸とヘパリンとクマジンとサリチル酸イオンとが
炭酸イオンセンサーの応答を妨害し得る。
【0023】米国特許第4,810,351号で開示さ
れている連続再使用可能の炭酸イオン−感応ISEもま
たW.J.Scott,E.Chapoteau,A.
Kumar,“Ion−Selective Memb
rane Electrode for Rapid
Automated Determinationso
f Total Carbon Dioxide”,C
lin.Chem.,3211,137−141頁(1
986)の刊行物中に記載されている。この電極は先行
技術の炭酸イオン−感応および重炭酸イオン−感応電極
の多くの不利な点を克服している。その上、そのイオン
選択電極は、1つの試験試料で炭酸イオンとナトリウム
とカリウムとの濃度が検定できるようにナトリウムとカ
リウムとの選択電極も続いて配置できた。この炭酸イオ
ン−感応ISEを利用する検定は適当な緩衝溶液で希釈
された試験試料について行われる。更に筆者等はイオン
選択電極の膜を構成する成分の他に、溶液中の陰イオン
妨害物を検定に先立って適当な錯化試薬で錯化すること
により試験試料中に存在する陰イオン妨害物の影響もま
た減少させることを述べている。塩化鉄(III)、硫
酸アルミニウム、カフェイン、人血清アルブミンまたは
トリアゾールでのサリチル酸イオンの妨害する影響を減
少させる試みは、ペルオキシダーゼを用いるカルボキシ
ル化およびポリフェノールオキシダーゼまたは次亜塩素
酸ナトリウムを用いる酸化の試みと同様不成功であっ
た。炭酸イオンに関するイオン選択電極検定法を指向す
る他の刊行物は“Measurment of Tot
al Carbon Dioxide Made at
Low Range with an Ion Se
”W.J.Scott,E.Chapoteau an
d A.Kumar,Clin.Chem.,32(1
1),2119−2120頁(1986)である。
【0024】それ故、研究者は一般にイオン選択電極膜
の設計の改良により妨害物の影響を減少させようとし
た。試験試料中の陰イオン化合物例えばサリチル酸イオ
ンとゲンチシン酸イオンとハイペイク(hypaqu
e)とヘパリンとクマジンとの妨害効果の効果的な減少
ついての唯一つの知られている先行技術の方法は金属錯
体を包含する緩衝溶液で試験試料を希釈することであ
る。イオン選択電極に基く検定において陰イオン妨害物
の影響の減少のための、金属錯体の添加はKumarが
米国特許第4,196,056号で開示している。
【0025】Kumarはイオン選択電極を用いる塩素
イオンの検定において沃素イオンと臭素イオンの妨害効
果を減少させるため、希釈緩衝溶液に重金属錯体を包含
させることを開示した。その重金属錯体は臭素イオンと
沃素イオンと可溶性の錯体を形成し、それ故、臭素イオ
ンと沃素イオンとはイオン選択電極と相互作用にあずか
らない。この事は塩素イオンの検定に用いられるイオン
選択電極は臭素イオンと沃素イオンとにも応答する故に
重要なことであること理解されるべきである。そして、
若し検出されれば、Nernst式が対数的測定である
故に臭素イオンと沃素イオンとの濃度は実際の塩素イオ
ン濃度より遥に過剰な塩素イオン濃度測定値を生み出す
であろう。サリチル酸イオンは炭酸イオンに関する試験
試料の検定において同様な応答を生み出す。
【0026】Kumarにより開示された方法と組成物
とは沃素イオンと臭素イオンとScott等の刊行物で
説明された他の陰イオンを含む妨害陰イオンの影響を効
果的に減少させるが、Kumar法と組成物とは妨害物
の影響を減少するのに重金属錯体に依っていると云う不
利がある。Kumarの開示した金属錯体は水銀と銀と
鉛とビスマスと銅とカドミウムとのキレート、好ましく
は水銀(II)のキレートを包含する。さらに、検定さ
れる試料数(即ち1時間当り240またはそれ以上)と
試験試料対緩衝液の希釈比(1:少くとも10)とを考
慮すると、比較的多量の廃材料が発生する。Kumar
の方法に従うとこの廃材料は重金属を含み、それ故安全
なそして経済的な投棄が困難である。
【0027】しかし、本発明の重要な特徴に従うと試験
試料の希釈並に緩衝には重金属を含まない組成物が用い
られる。驚くべきことに、その重金属を含まない組成物
は電極感度を維持し、そして有用な電極寿命を維持し乍
ら、試験試料中に存在する妨害物の影響を効果的に減少
する。本発明の組成物と方法とは試験試料を希釈し、試
験試料を適当なpHに緩衝し、そして妨害物の影響を滅
少させるために緩衝する化合物、好ましくは硼酸塩化合
物を包含する。その緩衝化合物に加えて、その組成物は
関心ある特別な検定に適したpHを与えるアルカリ度調
節化合物を包含する。例えば、炭酸イオン検定には、試
験試料中の凡ての2酸化炭素種が炭酸イオンに変換する
ように、水酸化テトラメチルアンモニウムと硼酸塩化合
物とが適当に高いpHをもつ緩衝する組成物を与える。
炭酸イオン検定の場合、その緩衝する組成物はまた、炭
酸イオンの小さいバックグラウンド(backgrou
nd)量を与えるため少量の重炭酸イオンを包含してい
る。場合によっては、その緩衝する組成物は流通流れの
洗浄特性を増強させることによりISE応答の改良を助
けるため非イオン界面活性剤を包含する。この金属を含
有しない組成物は希釈された試験試料を緩衝し、妨害物
の影響を除去するため緩衝する化合物例えば硼酸塩を包
含していることに注意すべきである。
【0028】若しイオン選択電極に基く検定が炭酸イオ
ン以外のアナライトに関してであれば、アルカリ度調節
化合物を、その特別なアナライトに適当なpHを与える
ように選択する。それに加えて、その随意の重炭酸陰イ
オンは省かれ、所望ならば、関心あるアナライトのバッ
クグラウンド濃度を与える他の適当な化合物と置き換え
る。さらに、pHが約5〜11の間で検定される何にか
のアナライトについては、硼酸塩化合物は緩衝剤として
働き、妨害物の影響を減ずるように働く。約5〜11の
pH範囲外では硼酸塩は尚妨害物の影響の滅少のために
添加されるが、希釈された試験試料を所望のpHに維持
するため別の緩衝する化合物を添加すべきである。
【0029】先行技術の電極は緩衝剤として硼酸塩を利
用して来た。例えば米国特許第3,967,613号に
おいてMacurはイオンと気体の分圧とを同時に感知
するための小型のプローブを開示している。気体の分圧
センサーはpH4.8〜5.4での硼酸塩緩衝剤で満さ
れた区画を閉込めている気体透過性の膜を包含してい
る。Butlerは米国特許第4,060,750号に
おいて、硼酸塩緩衝剤を利用できる薄膜ポーラログラフ
センサーを開示している。どの装置も本発明において利
用するイオン選択電極と方法とは同様ではない。
【0030】従って、本発明の重金属を含まない組成物
はイオン選択電極検定技術における、予定されているア
ナライトに関する正確で鋭敏な検定を与えることが発見
された。この重金属を含まない組成物は、試験試料中の
単一の予定されたアナライトを検定する、あるいは幾つ
かの予定されたアナライトを違ったイオン選択電極によ
り順次に検定する自働化検定装置に用いることができ
る。その上、この重金属を含まない組成物は用いて安全
であり、使用済み組成物の廃棄の問題を克服している。
それ故、先行技術に対し、重金属を含まない組成物を、
試験試料例えば血漿または血清の希釈と緩衝とのため、
そして同時に、試験試料中にしばしば存在する妨害物の
影響を減少させるため緩衝組成物として利用することに
より、試験試料中の予定されたアナライトのイオン選択
電極に基く検定において、新しい予期されない結果が達
成される。この重金属を含まない組成物はまたイオン選
択電極の選択性を維持し、そのイオン選択電極の使用寿
命を維持する。この重金属を含まない組成物は試験試料
中の炭酸イオン濃度についてのイオン選択電極検定法に
おいて特に有用である。
【0031】
【発明の要約】簡単には、本発明は子定されたアナライ
トを検定するイオン選択電極法において、試験試料を希
釈と緩衝とのために用いられる、重金属を含まない組成
物を指向する。驚くべきことに、その重金属を含まない
組成物が、同時に妨害物の、イオン選択電極に基く検定
に及ぼす影響を減少させることが発見された。以前、妨
害物の影響におけるそのような減少は、重金属錯体が緩
衝組成物に包含している場合にのみ観察されている。従
って本発明の重金属を含まない組成物は、予期されない
ことであるが、試験試料中にしばしば存在する妨害物の
影響を実質的に減少する硼酸塩化合物を包含する。この
重金属を含まない組成物はまた、関心ある予定されたア
ナライトについてその試験試料を正確に検定するため、
適当なpHを与える、酸性またはアルカリ性のアルカリ
度調節化合物も包含している。
【0032】この重金属を含まない組成物は試験試料例
えば生物学的流体例えば血漿または血清中の、予定され
たアナライト例えば炭酸イオンの存在または濃度に関す
るイオン選択電極検定法に用いられる。この重金属を含
まない組成物は試験試料を希釈し、試験試料を緩衝し、
そして驚くべきことに、イオン選択電極検定で試験試料
中に存在する妨害物の影響を効果的に減少させる。従つ
てこの重金属を含まない組成物はより以上に鋭敏な、そ
して正確なイオン選択電極アナライト検定を提供し、先
行技術の緩衝組成物中に包含されていた、潜在的に有毒
な重金属錯体の使用を回避している。加えて、この重金
属を含有しない組成物はイオン選択電極の使用寿命に不
利には影響せず、対流の参照電極に不利には影響せず、
そして潜在的に有毒な廃棄生成物を発生しない。
【0033】それ故、本発明の重要な特徴に従えば、予
定されたアナライトの存在または濃度に関するイオン選
択電極に基く検定に用いるための、改善された緩衝組成
物を提供する。その水性緩衝組成物は本質的に重金属イ
オンを含まず、(a)関心ある検定のため、試験試料を
適当なpHに緩衝し、試験試料中に存在する妨害物の影
響を減少させるための硼酸塩化合物と(b)関心ある予
定されたアナライトのイオン選択電極に基く検定のため
に適当なpHを与えるための、アルカリ性または酸性の
アルカリ度調節化合物とを包含する。硼酸塩化合物はp
H範囲約5〜11の緩衝化合物として用いられているこ
とを理解すべきである。従って若し関心ある予定された
アナライトのイオン選択電極に基く検定のための適当な
pHがpH範囲約5〜11の外にあるならば、適当なp
Hに試験試料を緩衝するため、その組成物に付加的な緩
衝化合物を包含させることができる。しかし、それで
も、試験試料中に存在する妨害物の影響を実質的に減少
させるためにその重金属を含まない組成物は硼酸塩化合
物を包含する。更にその上、この重金属を含まない緩衝
組成物は低いバックグラウンド応答を与え、イオン選択
電極の直線的応答を改善するために充分な量の子定され
たアナライトを包含することができ、予定されたアナラ
イトに対するイオン選択電極の応答に不利には影響しな
い何にか他の成分例えば非イオン性界面活性剤を包含す
ることができる。しかし、本発明の緩衝組成物は本質的
に、どんな重金属錯体例えば水銀錯体も含まない。
【0034】この重金属を含まない組成物は試験試料、
特に生物学的試料例えば血漿、血清、脳脊髄液または尿
のイオン選択電極に基く検定に用いられる。この重金属
を含有しない組成物は特に、イオン選択電極を用いる、
血漿または血清中の炭酸イオン量の測定による全2酸化
炭素に関する血漿または血清の検定に有用である。この
重金属を含まない組成物は自働化されているイオン選択
電極検定装置に用いることができ、順次に異るイオン選
択電極を配置することにより、1つ以上のアナライトに
関し、単一の試験試料を検定する自働化検定装置に用い
ることができる。
【0035】特に、本質的に重金属を含まないこの組成
物は(a)約0.3〜5wt%、好ましくは約1〜4w
t%の硼酸塩化合物例えば硼酸と(b)関心ある検定の
ために適当なpHを与えるのに充分量のアルカリ性また
は酸性何れかのアルカリ度調節化合物例えば水酸化テト
ラメチルアンモニウムとを包含する。その組成物は場合
によってはイオン選択電極にバックグラウンド応答を与
えるのに充分量の予定されたアナライトと、重金属を含
まない組成物による試験試料の均一な希釈の速さを助
け、予定されたアナライトに対するイオン選択電極応答
を改善するため、組成物に対し0〜約0.5wt%量の
非イオン性界面活性剤例えばエトキシ化オクチルフェノ
ールと、あるいは特に、子定されたアナライトの検定
が、硼酸塩化合物が緩衝化合物として役立つpH範囲外
で行われる場合は、付加的な緩衝化合物を包含すること
ができる。その上加えられる有利さとしては、この重金
属を含まない組成物は硼酸化合物が防腐剤としても働く
故に防腐剤を必要としない。緩衝組成物から防腐剤を除
けることは、その防腐剤とISE膜とが相容れないこと
がしばしばある故に重要なことである。
【0036】この重金属のない組成物は試験試料にその
重金属のない組成物を試験試料1部に対し重金属のない
組成物約3〜25部の比で添加し、試験試料を希釈し、
緩衝するために用いる。好ましくは重金属のない組成物
対試験試料の比は約5〜20部対1部である。この重金
属のない組成物による試験試料の希釈は定ったpHと一
定のイオン強度とを与える。試験試料と重金属のない組
成物とで得られた緩衝された混合物はイオン選択電極に
よる、試験試料中の予定されているアナライト量につい
て分析される。それでイオン選択電極の応答を試験試料
中の予定されたアナライト量と相関させる。自働化され
た分折機においては、混合物は試験試料中の他の予定さ
れたアナライトの存在または濃度について、引続き他の
イオン選択電極によって検定できる。凡てのイオン選択
電極検定終了後混合物は捨られる。本発明の重要な特徴
に従えば、試料と緩衝組成物との使用済みの混合物に
は、潜在的に有毒な重金属が存在しない故にその使用済
み混合物は安全、容易そして経済的に捨ることができ
る。
【0037】予定されたアナライトに関する、試験試料
のイオン選択電極に基く検定はよく知られていて、先行
技術において十分に議論されている。しかし、試験試料
中にしばしば存在する妨害する化合物は長年の問題であ
って、その検定結果が信頼出来なかった故に検定におけ
るイオン選択電極の使用は限定されていた。一般に妨害
化合物の存在は予定されたアナライトの実際の濃度より
実質的に大きい見掛けの濃度となる。
【0038】研究者は、若しこれら妨害化合物の寄与す
る影響を減少または除去するならばイオン選択電極に基
く検定の精度と信頼性とが非常に増大するであろうこと
を実感している。さらにその上、信頼性あり、正確なイ
オン選択電極検定法の開発は、イオン選択電極に基く検
定が、1時間当り数100個の検定を行うことができる
自働化分折様における使用に理想的に適している故に有
利であろう。
【0039】イオン選択電極はそれが再使用でき、鋭敏
で、検定を速に行い、種種なアナライトについて単一試
料を検定するのに連続して配置できる故に、自働化分析
機において特に有用である。従って、試験試料中に存在
する妨害物の影響が試験試料の希釈に用いられる緩衝溶
液中に重金属錯体を包含させることにより実質的に減少
することが見出された時イオン選択電極検定の精度は増
大した。その結果、予定されたアナライトの検定のため
のイオン選択電極の使用は増大した。しかし、重金属含
有緩衡溶液の使用は重金属、通常水銀で汚染された使用
済みの希釈された比較的多量の試料の投棄に問題を作っ
た。重金属含有緩衝剤の潜在的毒性は連続的に緩衝溶液
と使用済みの希釈された試料とを取扱う技術者に健康問
題を提起した。
【0040】従って、本発明の重要な特徴に従い、試験
試料を希釈し、その試験試料を緩衝し、その試験試料中
に存在する妨害物の影響を実質的に減少し、イオン選択
電極の膜に不利には影響せず、電極の感度を維持し、電
極の使用寿命を維持し、そしてイオン選択電極に基く検
定の感度を改善する、本質的に重金属を含まない緩衝組
成物が見出された。重金属を含まない組成物は特に、試
験試料中の炭酸イオンに関する、イオン選択電極に基く
検定において有用である。特に、その重金属を含まない
組成物は炭酸イオンについて生物学的流体を検定するこ
とにより全2酸化炭素に関しての、生物学的流体例えば
血漿、血清、脳脊髄液または尿のイオン選択電極に基く
検定において有用である。しかしこの重金属を含まない
組成物はまた、関心のある他のアナライト例えば塩素イ
オンとナトリウムイオンとカリウムイオンとに関する、
他の流体例えば尿のISEに基く検定に用いることもで
きる。従って、この重金属を含まない緩衝組成物は、自
働化された分折機、特に種種なアナライトに関して単一
試験試料を分折するため順に配置されている異るイオン
選択電極をもつ自働化された分折機に理想的に適してい
る。
【0041】本発明の重金属を含まない緩衝組成物は先
行技術で開示され、行われた水銀含有緩衝組成物と同じ
位に効果的に、試験試料中に存在する妨害物の影響を減
少させる。その上、本発明の緩衝組成物は関心ある予定
されているアナライトに対し感度の増大を示し、より安
全に取扱われ、より安全に、より経済的に捨られる。金
属を含まない組成物中の用語“金属を含まない”とは先
行技術において試験試料中に存在する妨害物の影響を減
少させるために用いた重金属例えば水銀と鉛とカドミウ
ムと銀とビスマスと銅とを云う。しかし、その用語は本
発明の金属を含まない組成物中、例えばアルカリ度調節
化合物の成分として、子定されたアナライトのバックグ
ラウンド応答を与える化合物の成分として、あるいは他
の本質的なまたは場合によっては包含される化合物の成
分としての何れかとして包含されることができるアルカ
リ金属に対しては云わない。重金属を含まない組成物中
に存在できる金属は例えばナトリウムとカリウムとリチ
ウムとが包含される。
【0042】関心ある予定されたアナライトに加えて試
験試料中にしばしば存在する妨害物には例えば臭素イオ
ンと沃素イオンとサリチル酸イオンとクマジンとゲンチ
シン酸イオンとヘパリンとハイペイク(hypaqu
e)とイブプロフェンと硝酸イオンとシアンイオンとが
含まれる。そのような妨害物が試験試料中から分離され
るか、そうでなければイオン選択電極の膜中に存在する
イオノフォアと相互作用できないようにされていない限
り、関心ある予定されているアナライトに関しては見当
違いに高い検定値となるであろう。米国特許第4,19
6,056号で開示されているKumarの先行技術の
組成物はそのような妨害物の影響を減少させているが、
開示された組成物は有毒な重金属を包含し、そのため組
成物の取扱いを潜在的に危険なものとし、使用済みの組
成物の投棄を困難で高価にしている。しかし、本発明の
改良された、重金属を含まない組成物は妨害物の影響を
実質的に減少させるのみならず、より一層鋭敏な検定を
提供し、この金属を含まない組成物の安全、容易そして
経済的な取扱いと投棄を可能にする。
【0043】説明の目的で、本発明の次の詳細な記述
は、炭酸イオンに関するイオン選択電極に基く検定にお
いて用いることができる重金属を含まない組成物の態様
を提供する。しかし、アルカリ度調節化合物と随意の成
分の適当な選定により、本発明の硼酸塩含有緩衝組成物
は更に、多くの他の子定されたアナライトのイオン選択
電極に基く検定に用いることができることを理解すべき
である。
【0044】従って、本発明の金属を含有しない組成物
は(a)硼酸塩化合物例えば硼酸を組成物重量の約0.
3〜5wt%、好ましくは約1〜4wt%と(b)関心
ある検定に適当なpHを与えるに充分な量のアルカリ度
調節化合物とからなる水性組成物である。若し検定のp
Hが、硼酸塩が緩衝剤として働く限度内であれば、所望
ならばその上に緩衝剤を組成物に添加することができ
る。しかし、約5〜11のこのpH範囲内では硼酸塩は
緩衝剤として働くことができる。硼酸塩が緩衝剤として
働くpH範囲外ではその特別なpH範囲のために適当な
緩衝剤をその金属を含まない組成物に添加すべきであ
る。随意では、その金属を含まない組成物はバックグラ
ウンド応答を与えるため少量であるが充分量の予定され
ているアナライトを包含することができ、電極の応答の
直線性を改善するため0〜0.5%の非イオン界面活性
剤を包含することができる。関心ある予定されたアナラ
イトに関するイオン選択電極に基く検定を実質的には妨
害しない他の随意の成分もまたこの重金属を含まない組
成物に包含させることができる。
【0045】本発明の重要な特徴に従うと、この重金属
を含まない組成物は硼酸塩化合物を組成物の約0.3〜
5wt%包含する。好ましくはその組成物は硼酸塩約1
〜4wt%を包含し、本発明の充分な有利さを達成する
ためには、その重金属を含まない組成物は硼酸塩を組成
物の重量の約1.5〜3wt%包含する。硼酸塩化合物
は試験試料中に存在する妨害物の影響を実質的に減少さ
せることが発見された。加うるに、若しイオン選択電極
に基く検定がpH範囲約5〜11内で行われるならば、
その硼酸塩はまた緩衝剤としても働く。以後更に充分に
示されるように、硼酸塩化合物は少くとも先行技術で開
示された水銀錯体のように妨害物の影響を減少し、また
重金属イオン例えば水銀の取扱いと投棄とに伴う毒性問
題を回避している。
【0046】本発明の充分な有利さを達成するため、こ
の重金属を含まない組成物中の硼酸塩化合物としては硼
酸または硼酸テトラナトリウムが包含される。しかし、
他の硼酸塩例えばメタ硼酸ナトリウムもまた、本発明の
方法において有用であると考えられている。硼酸と硼酸
テトラナトリウムとは酸または塩基によって容易に調節
して予定されているアナライトに関するイオン選択電極
に基く検定に適当なpHを与える故に、好ましい。しか
し、一般に試験試料に存在する妨害物と錯化し得るどん
な硼酸塩でも、本発明の方法と組成物とに利用できる。
【0047】例えば硼酸はサリチル酸と錯化してボロサ
リチレート(I)を与える。[A
【化1】 Martell,M.Calvin,“Chemist
ry of the Metal Chelate C
ompounds”,Prentice−Hall,I
nc.,48(1952)]。従って若しサリチル酸イ
オンが試験試料中に存在するとそれは硼酸または他の硼
酸塩と錯化し、それ故イオン選択電極膜中に存在するイ
オノフォアと相互作用するのに利用され得なくなる。サ
リチル酸イオンとの硼酸の反応に関する他の参考文献に
は、 1. A.Queen等、“The Kinetics
of the Reactions of Bori
c Acid with 5−Substituted
Salicylate Ions”,Can.J.C
hem.,57(8)920−923頁(1979),
(Salicylate Ionは硼酸と1:1錯体を
形成する) 2. O.Lukkari,J.Tamminen,
“Equilibriaof Nitrosalicy
lic Acids:Complex Formati
on Between Boric Acid and
Salicylic and Nitrosalic
ylic Acids”,Finn.Chem.Let
t.,15(1−2),13−17頁(1988),
(pH5.2で1:1錯体が形成され、研究された) 3. V.Grundsteins等,“Reacti
on In the Boric Acid−Sali
cylic Acid System”,Latv.
PSR Zinat. Akad. Vestics,
Kim.−Ser.,,131−135頁(197
8) 4. E Bottari等,“On the Rea
ction Between Boric Acid
and Salicylate Ions”,Ann.
Chim.(Rome),68(9−10),791−
800頁(1978),(錯体は研究された濃度範囲で
確認されていない) 5. T.L.Paal,“Study of the
Weak Interactions Operat
ing Between Boric Acidand
Polar Organic Compounds
in Aqueons Solutions”,Act
a Chim.Acad.Sci.Hung.,103
(2) 193−198頁(1980),(研究した極
性化合物にはジオキサンとアセトンとシアノメタンとプ
ロパンとブタノールとが包含される。ルイス塩基と硼酸
錯体の形成が議論されている)。
【0048】同様にもう1妨害物ゲンチシン酸陰イオン
は構造式(II)を持っている。ゲ
【化2】 ンチシン酸陰イオンは構造的にベンゼン環の炭素原子に
隣接した水酸基とカルボキシル基とをもつサリチル酸陰
イオンと関連させられる。それ故、ゲンチシン酸陰イオ
ンは硼酸塩化合物と錯化し、その結果として、本質的に
は、イオン選択電極の膜中のイオノフォアと相互作用す
るには用いられない。同様に、ヘパリンナトリウムは硼
酸塩化合物と錯化するのに充分近いところにカルボキシ
ル基と水酸基とを持っている。従って、水中に充分に溶
解する、即ち水100g当り少くとも約0.3gの水溶
解度を持ち、通常試験試料中にある妨害物特に生物学的
流体中にある陰イオン性妨害物と相互作用できる硼酸塩
化合物は、本発明の重金属を含まない組成物中で有用で
ある。
【0049】本発明の重金属を含まない組成物はまた、
関心のある予定されたアナライトに関する検定に適当な
pHを提供するためのアルカリ度調節化合物を包含する
ことができる。例えば、イオン選択電極を用いる、血清
中に存在する全2酸化炭素についての検定においては、
試験試料中に存在する凡ての形の2酸化炭素を炭酸イオ
ンに変換し、炭酸イオン−感応イオン選択電極を用いて
血清試料を検定する。前記して議論したごとく、血液は
約7.4のpHを持ち、2酸化炭酸は遊離2酸化炭素と
炭酸と重炭酸イオンと炭酸イオンと蛋白質に結合された
炭酸イオンとして存在する。従って、全2酸化炭素に関
し、炭酸イオン濃度測定により検定するために血清試料
のpHを種種な固定および遊離の形の2酸化炭素部分を
炭酸イオンに変換するため約8.2以上のpHに増大さ
せる。血清試料のpHは、適当に高いpH例えば約8.
2以上を持つ本発明の重金属を含まない組成物でその血
清を希釈することにより増大する。
【0050】その結果、炭酸イオンについてのイオン選
択電極に基く検定においては、この金属を含まない組成
物は例えば水酸化テトラメチルアンモニウムをアルカリ
度調節化合物として包含する。炭酸イオンについてのイ
オン選択電極に基く検定において、試験試料pHが約
8.2以上、通常約8.3〜8.5に増大するよう、こ
の金属を含まない組成物中に充分量のアルカリ度調節化
合物を包含する。従って、硼酸塩含有組成物のpHを約
8.2以上に増大させるため、この重金属を含まない組
成物中に水酸化テトラメチルアンモニウムを充分量例え
ば組成物重量の約0.1〜2wt%包含させる。しか
し、組成物中に包含されるアルカリ度調節化合物量はそ
のアルカリ度調節化合物の本性と試験試料のpHと検定
施行のために適当なpHとに左右されて変ることは理解
すべきである。或る場合においては、血清または血漿の
イオン選択電極に基く炭酸イオン検定において実例があ
るように、試験試料のpH増大のため、アルカリ性のア
ルカリ度調節化合物をこの金属を含まない組成物中に包
含させる。他の適当なアルカリ性アルカリ度調節化合物
には、限定はされないが、水酸化カリウムと水酸化アン
モニウムと水酸化ナトリウムと水酸化リチウムと水酸化
バリウムと水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムと水
酸化テトラブチルアンモニウムと水酸化テトラエチルア
ンモニウムとアルキル基が炭素原子1〜約4を包含す
る、同様な水酸化モノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−
置換アルキルアンモニウムあるいはその組合せが包含さ
れる。しかし、異る予定されたアナライトの検定におい
ては、試験試料のpHを低下させるためこの重金属を含
まない組成物に酸性アルカリ度調節化合物を添加でき
る。例えば、塩素イオン濃度に関するイオン選択電極に
基く検定は約6のpHで行われる。適当な酸性アルカリ
度調節化合物には、限定はされないが、塩酸、リン酸、
弗化水素酸、硫酸、酢酸、および硝酸またはその組合せ
が包含される。
【0051】アルカリ度調節化合物の実際の本性は、試
験試料1部をこの重金属を含まない組成物約3〜25部
で希釈する場合得られる混合物のpHが関心のある予定
されたアナライトの検定のため望ましいpHであるよう
に、アルカリ度調節化合物が水溶性で、この重金属を含
まない組成物のpHを適当なpH値に調節する限り、特
に限定されない。その上、アルカリ度調節化合物は、そ
れが関心ある予定されたイオンの検定を妨害しないよう
に選択すべきである。例えば炭酸ナトリウムは、そのア
ルカリ度調節化合物がイオン選択電極に基く検定を妨害
し得る故に、本発明の硼酸塩含有組成物のpHを、炭酸
イオンまたはナトリウムイオンの検定における8.2以
上の値に増大させるために用いるべきではない。同様に
塩酸は、塩素イオンに関するイオン選択電極に基く検定
における重金属を含まない緩衝化合物のpHを低下させ
るためのアルカリ度調節化合物として用いるべきではな
い。いずれの場合においても、炭酸塩あるいは塩化物ア
ルカリ度調節化合物の使用は特別なアナライトに関する
検定において妨害する。
【0052】従って本発明の金属を含まない組成物は硼
酸塩化合物とアルカリ度調節化合物とを包含する。これ
らの成分はイオン選択電極に基く検定への妨害物の影響
を減少し、その検定に所望のpHを提供する。しかし、
その金属を含まない組成物はまた充分な緩衝能力も示す
べきである。若しその重金属を含まない組成物のpHが
約5〜11の範囲内であれば、付加的な緩衝剤を、必要
ではないが、その金属を含まない組成物中に包含させる
ことができる。このpH範囲内で硼酸塩化合物は緩衝剤
として働く。一般に、硼酸塩緩衝剤は、TRIS・塩化
水素(TRIS・HCl)のような緩衝剤より大きいイ
オン強度における一連のアナライトの検定に有効に用い
ることができる故に、好ましい。
【0053】しかし、約5〜11の範囲のpHの外では
硼酸塩は有効な緩衝剤ではなく、金属を含まない組成物
中に付加的な緩衝剤を包含させることができる。ある付
加的な緩衝剤は、若し望むならば、選んだ緩衝剤がイオ
ン選択電極に基く検定に不利に影響しない限りpH範囲
約5〜11の金属を含まない組成物に包含させ得ると理
解されるべきである。
【0054】例えば、その緩衝剤は表Iに例示したGo
od緩衝剤から選択できる。
【表1】 それらの緩衝剤または緩衝剤の組合せはpH範囲約5.
5〜11.1のこの金属を含まない組成物に対し緩衝能
力を与える。他の緩衝剤には、これに限定されないが、
グリシンとグリチルグリシンとエタノールアミンとイミ
ダゾールとトリエタノールアミンと酢酸塩と2−アミノ
−2−メチル−1−プロパノールと2−アミノ−2−メ
チル−1,3−プロパンジオールと3−アミノ−1−プ
ロパンスルホン酸とクエン酸塩と乳酸塩とリン酸塩とフ
タル酸塩とトリクロロ酢酸塩とスルホサリチル酸塩とマ
レイン酸と3,3−ジメチルグルタル酸とスクシン酸塩
とその組合せとを包含する。また、緩衝剤の選択は関心
のある予定されたイオンの本性によって影響されること
も理解されるべきである。例えば、関心あるアナライト
のイオン選択電極に基く検定に妨害する緩衝剤は避ける
べきである。その決定はイオン選択電極に基く検定の技
術に通常の熟練さを持つ人には容易にできる。例えば、
TRIS緩衝剤はカリウムイオンに関するイオン選択電
極に基く検定には妨害し得る。
【0055】表Iに掲げた化合物は適当な緩衝剤ではあ
るが、それにも拘らず本発明の重金属を含まない組成物
は、試験試料中に存在する妨害化合物の影響を減少し、
関心ある予定されたイオンに関する一層鋭敏な検定を与
えるためには、硼酸塩化合物を必要とすることが見出さ
れた。硼酸塩化合物が本発明の必須成分であることを示
すため、炭酸イオンの検定に適当なpH範囲に緩衝され
ているが硼酸塩化合物のない金属を含まない組成物を炭
酸イオンに関するイオン選択電極に基く検定に用いた。
例えば緩衝剤、TRIS(0.3Mと0.1Mと0.0
5Mとで)とグリチルグリシン(0.1Mと0.3Mと
で)と、BICINE(0.3Mで)とTRICINE
(0.3Mで)とHEPPS(0.3Mで)とTAPS
(0.3Mで)を炭酸イオンに関するイオン選択電極に
基く検定に用いた。
【0056】一般に、硼酸塩不存在において緩衝剤はよ
り小さいNernst勾配を示し、従ってより感度のよ
くない検定を与え、炭酸イオンの検定におけるサリチル
酸イオンの影響の減少能力の低下を示す。以下で更に詳
細に論ずる如く、表Iに掲げた緩衝剤のみを用いた検定
はイオン選択電極と充分に平衡せず、従って自働化され
た検定装置によって自働的に警告を出される。一般に警
告は比較的高度の妨害を示す。反対に、本発明の硼酸塩
含有緩衝剤はサリチル酸イオンを含有する試験試料の検
定において警告され検定数を非常に減少する。
【0057】特に、本発明の金属を含まない組成物を用
いる検定は、自働化された炭酸イオン検定において、7
日間に亙り約22.5〜24.2のNernst勾配を
与え、観測されたサリチル酸イオンの影響は最初2日間
約2mM/lより小さかった。しかし、表Iに掲げた緩
衝剤は7日間は用いることができず、サリチル酸イオン
の影響は第2日で2mM/lより遥に高く、TRISを
除き、本発明の金属を含まない組成物より相当小さいN
ernst勾配を示した。それに加えて、本発明の硼酸
塩含有、金属を含まない組成物は正常な条件の下での貯
蔵において安定であるが、他の試験した緩衝剤の幾つか
例えばグリチルグリシンとBICINEは1〜2日間以
上で不安定であった。例えば、BICINE緩衝剤にお
いては2日以内で大きい結晶が観察された。
【0058】2つの必須の成分、即ち硼酸塩化合物とア
ルカリ度調節化合物、および何にかの付加的緩衝剤を水
に溶解して本発明の水性の金属を含まない組成物を提供
する。好ましくは、この水性の金属を含まない組成物
は、例えば、膜に包含されている疎水性成分例えばイオ
ノフォアを抽出することによりイオン選択電極の膜に不
利に影響するかもしれない有機溶剤を包含していない。
しかし、有機溶剤例えばアルコールは、その有機溶剤が
組成物の重量の約2wt%以下の量で存在する限り、こ
の金属を含まない組成物の成分の溶解を助けるために包
含することができる。
【0059】本発明の金属を含まない組成物はまたイオ
ン選択電極の応答を改良するためか、あるいはイオン選
択電極に基く検定の信頼性と感度と精度とを改良するた
めに随意の成分を包含することができる。例えば金属を
含まない組成物はイオン選択電極からのバックグラウン
ド応答を与えるため、関心ある予定イオンの低濃度を包
含することができる。このバックグラウンド応答は試験
試料中の予定されたアナライトの濃度範囲を包括する、
そのイオン選択電極の応答の直線範囲をひろげる。バッ
クグラウンド応答を与えるためこの金属を含まない組成
物中に包含される予定されたアナライト量は変化し、関
心ある特別な予定されたアナライトと特別な実験パラメ
ーター例えば希釈比とに左右される。
【0060】例えば炭酸イオンに関するイオン選択電極
検定法において、この金属を含まない組成物は低濃度の
炭酸イオンを包含することができる。この濃度の炭酸イ
オンは金属を含まない組成物中に重炭酸塩化合物を組成
物の0〜0.03wt%、好ましくは0〜0.01wt
%包含させることにより与えられる。予定されたアナラ
イト(即ち炭酸イオン)のバックグラウンド応答を与え
るに適当な化合物は、これに限定はされないが、重炭酸
ナトリウムと重炭酸カリウムと重炭酸アンモニウムと重
炭酸リチウムとその組合せを包含する。
【0061】若し、予定されたアナライトが炭酸イオン
以外であれば関心あるその特別なイオンの小さいバック
グラウンド濃度を添加することができる。例えばカリウ
ムイオン、ナトリウムイオンまたは塩素イオンの小さい
バックグラウンド濃度例えば約1mM/lをその特別な
イオンに関する検定に用いる金属を含まない組成物に添
加できる。更に、若しその金属を含まない組成物を使用
して1つ以上の予定されているアナライトに関して分析
しようとしている試験試料を希釈するならば、各予定イ
オンに関するバックグラウンド濃度をその金属を含まな
い組成物に包含し得る。しかし、どの場合においてもそ
の金属を含まない組成物に包含される予定されるイオン
の量は試験試料中の臨床的に有意な量の予定イオンを圧
倒または遮蔽しないバックグラウンド応答を与えるのに
充分な程小さい。
【0062】この金属を含まない組成物はまた、試験試
料のその金属を含まない組成物全体への速かな均一な混
合を容易にし、イオン選択電極の応答を改善するため
に、随意に非イオン界面活性剤を包含できる。試験試料
はしばしば比較的濃厚または粘稠な液体である。それ故
界面活性剤はその重金属のない組成物への試験試料の速
かで完全な溶解のため、試験試料を濡らし、分散するこ
とを助ける。更にその上非イオン界面活性剤はその金属
を含まない組成物の表面張力を減少させ、それによって
イオン選択電極の疎水性膜とその金属を含まない組成物
中に希釈されている試験試料成分との間のより密接な接
触を可能にする。また、或るイオン種はイオン選択電極
に基く検定において妨害し得ることが知られている。従
って、若し随意の界面活性剤をこの金属を含まない組成
物に包含するならば、一般に陰イオンまたは陽イオン界
面活性剤は避けるべきである。
【0063】また、一般に非イオン界面活性剤はイオン
選択電極検定で妨害はしないが、若しの金属を含まない
組成物中の、その随意の非イオン界面活性剤の濃度が大
きすぎるとイオン選択電極の膜に不利に影響することは
理解されるべきである。例えば、その非イオン界面活性
剤は膜から疎水性のイオノフォアまたは疎水性の可塑剤
を抽出または溶解でき、イオン選択電極の早期の機能停
止をまねく。この現象はイオン選択電極が本質的に、こ
の金属を含まない組成物中に希釈されている試験試料と
接触している自働化検定システムおいて特に重要であ
る。
【0064】それ故この金属を含まない組成物は随意的
に、金属を含まない組成物の重量に対し非イオン界面活
性剤0〜約0.5wt%を包含することができる。適当
な非イオン界面活性剤は水溶性であり、例えばエトキシ
化またはプロポキシ化されているノニルフェノールまた
はオクチルフェノールとエトキシ化またはプロポキシ化
されている脂肪アルコールとエチレンオキシド−プロピ
レンオキシド共重合体とポリエチレンオキシドとエトキ
シル化されている脂肪エステルとグリセリンエステルと
リン酸エステルとシリコン基界面活性剤と、McCut
oheon′sEmulsifiers and De
tergents, McCutcheon Di
v.,MC Publishing, Glen Ro
ck,NJ(1989)中に掲げてある如き他のよく知
られている水溶性非イオン界面活性剤とが包含される。
前記の随意の成分に加えて、この金属を含まない組成物
中には、随意の成分がイオン選択電極に基く検定の感度
と精度とに不利に影響しない限り、他の随意の成分例え
ば着色剤またはイオン強度調節剤を包含することができ
る。
【0065】本発明の金属を含まない組成物と方法とに
より与えられる新規の、予期されない結果を示すため
に、炭酸イオンに関するイオン選択電極に基く検定に、
次の金属を含まない組成物を調製し、使用した。実施例
1の金属を含まない組成物は掲げた順に成分を単純に添
加し、撹拌することにより調製し、pHを8.35〜
8.45の範囲に緩衝された、金属を含まない組成物を
提供した。
【0066】
【実施例1】 金属を含まない組成物 成 分 wt% 水、脱イオン化 97.61 非イオン界面活性剤 0.05 水酸化テトラメチルアンモニウム 0.56 硼酸 1.77 重炭酸ナトリウム 0.01 計 100.00 エトキシ化されているオクチルフェノール、TRI
TON X−100,Rohm & Haas, Ph
iladelphia,PA. 1M溶液61.5mlとして添加。
【0067】それから実施例1の金属を含まない組或物
を炭酸イオンに関する一連のイオン選択電極に基く検定
に用いた。炭酸イオン検定に用いたイオン選択電極はこ
こに文献で編入されている米国特許第4,810,35
1号においてChapoteau等により記載されてい
るものである。
【0068】炭酸イオンに関する自働化されているイオ
ン選択電極に基く検定においては、Technicon
Instruments Corp.,Tarryt
own,NYから入手出来る、そしてイオン選択電極を
包含しているモジュールを装 分析システムを用いる。試験試料25μlを反応トレー
中に吸引し、実施例1の金属を含まない組成物で14倍
に希釈し、反応室中で混合し、それからその希釈した試
料を、カリウムイオンとナトリウムイオンと炭酸イオン
とに関するイオン選択電極をもっている電極モジュール
中に引入する。その電極モジュールは銀/塩化銀参照電
極を通って流れる向流を受入れている。その自働化分折
機は参照電極と、試験試料中のカリウムイオンとナトリ
ウムイオンと炭酸イオンとの濃度に応答している試料電
極との間の電位差を測定し、メモリーに記憶されている
校正データから計算されたイオン濃度を印刷する。炭酸
イオン−感応イオン選択電極は連続的に再使用でき、試
薬と希釈係数と他のパラメーターとはナトリウムイオン
とカリウムイオンとの濃度も炭酸イオンセンサーと同等
にイオン選択電極により測定できるように選ぶ。従っ
て、3つの測定を1時間に少くとも各240個、少くと
も720検定することができる。
【0069】イオン選択電極に基く検定においては、イ
オン選択電極の膜が、1つ以上のイオン選択電極を包含
していることができるTECHNICON RA−10
00 極アセンブリーに装着されている。単一流通ユニットは
向流参照ブロックにつけられ、参照電極および感知電極
からの出力を増幅器に供給する。参照電極は向流の塩化
カリウム参照溶液に接触しており、一方イオン選択膜は
アルカリ性pH緩衝剤、即ち潜在的な陰イオン妨害を減
少させるための硼酸塩化合物を包含する、本発明の金属
を含まない組成物で希釈されている試料に接している。
この電極システムは、塩化ナトリウムと塩化カリウムと
を含有している2つの水性重炭酸ナトリウム校正物で標
準化されている。未知の濃度の炭酸イオンを包含する試
験試料に関する検定結果は標準のNernst関係を用
いることにより自働的または手働的に計算された。
【0070】本発明のその上の有利さとして、若しこの
金属を含有しない緩衝組成物が誤って向流塩化銀参照電
極と接触しても、参照電極は感度低下はしない。参照電
極の不安定さは、TRISに基く緩衝剤は塩化銀を参照
電極から溶し出し或ははがしてしまう故に、金属を含有
する先行技術の緩衝溶液が参照電極に接触する場合に示
される。硼酸塩緩衝剤は参照電極をはがさない。
【0071】以下で更に充分に証明するごとく、本発明
の金属を含まない組成物は試験試料を希釈し、緩衝する
ためと、試験試料中にしばしば存在する化合物の妨害効
果を実質的に減少させるために用いられた。先行技術は
イオン選択電極の設計を最適にすることにより妨害効果
を減少させる試みを記載している。しかし、本発明は金
属を含まない緩衝組成物の使用によりイオン選択電極の
応答を改善することを指向している。重金属含有緩衝剤
はイオン選択電極に基く検定における妨害効果の減少の
ために用いられたが、先行技術の水銀含有化合物は現在
では検定感度の増大と技術者の安全性の増大と、使用済
みの金属を含まない組成物のより容易、安全、より経済
的で環境的に受入れられる投棄とには通じ得ない。
【0072】先ず、イオン選択電極の炭酸イオン−感応
膜は実施例1の硼酸塩含有の金属を含まない組成物によ
っては減感されない。実施例1の組成物を、[トリス
(ヒドロキシメチル)アミノエタン](TRIS)と水
酸化テトラメチルアンモニウムとの緩衝剤中の、エチレ
ンジアミン四酢酸(EDTA)と錯化している水銀(I
I)イオンを包含する組成物と比較する(実施例2)。
【0073】
【実施例2】 先行技術の金属含有組成物 成 分 wt% 水、脱イオン化したもの 98.45 非イオン界面活性剤 0.05 水酸化テトラメチルアンモニウム 0.50 TRIS・塩化水素 0.78 酢酸水銀 0.09 エチレンジアミン四酢酸 0.12 重炭酸ナトリウム 0.01 計 100.00 実施例2の組成物(pH8.55〜8.65)は実施例
1の組成物と本質的に同じ方法で調製された。実施例1
の金属を含まない組成物と実施例2の金属を含有する組
成物を炭酸イオンに関する標準試験試料のイオン選択電
極に基く検定に使用した。標準試験試料は次の クマジン 10 mg/dl 臭化カリウム 10 mM/l サリチル酸ナトリウム 160 mg/l ゲンチシン酸ナトリウム 160 mg/l および リチウムヘパリン 286 USP単位/5ml を添加した 塩化ナトリウム 135 mM/l 塩化カリウム 4 mM/l および 重炭酸ナトリウム 25 mM/l を包含する。イオン選択電極に基く検定は前記の自働化
されているシステムで行われ、米国特許第4,810,
351号に開示されている、炭酸イオンに関するイオン
選択電極を利用した。表IIには先行技術の金属を含有
する組成物(実施例2)と本発明の金属を含まない組成
物(実施例1)とによって与えられる検定妨害の減少を
説明するため、この比較試験において1週間に亙り観察
されたデータを掲げた。
【表2】
【0074】これらのイオン選択電極に基く検定におい
ては、TECHNICON RA− のシステムを毎日エッチ(etch)し、性能に関し毎
日校正し、点検する。従って試験の8日間の毎日に次の
プロトコールが、炭酸イオンの測定濃度に対する妨害物
の影響を確定するために各妨害物について行われた。炭
酸イオン濃度の測定に対する妨害物の影響mM/lは5
つの妨害物のおのおのについて、カップ9および10の
結果から決定した。 低濃度の重炭酸イオンを包含する校正物 高濃度の重炭酸イオンを包含する校正物 低濃度および高濃度校正物に対し中間濃度をもつ水
性重炭酸塩溶液 水性重炭酸塩溶液に添加された1つの妨害物の水
性標準溶液
【表2】
【0075】表II中のデータは実施例1の組成物を用
いた検定において見られる勾配は1週間の試験期間中本
質的に一定で、22.5〜24.2の範囲内にあること
を示している。従って、Nernst応答の勾配が1週
間に亙り評価出来る程には低下しない故に、イオン選択
電極の膜は実施例1の硼酸塩を含有し金属を含まない組
成物によって減感されない。時間に対し本質的に一定の
この勾配を先行技術の水銀含有組成物を用いる検定に関
し観察された勾配と比較する。これらの検定の勾配もま
た19.8〜21.3mv/dec.の範囲で本質的に
一定であった。従って、先行技術の金属含有組成物と同
様に、本発明の硼酸塩を含有し、金属を含まない組成物
はイオン選択電極の膜を減感しない。
【0076】なおその上に、本発明の金属を含まない組
成物は、検定の感度について、先行技術の金属含有組成
物より性能が優れている。本発明の組成物を用いた検定
について観測された勾配の絶対値は金属含有組成物を用
いた検定についての観測された勾配より約20%大き
い。従って、アナライト濃度におけるより小さい差異
も、試験試料が本発明の金属を含まない組成物で希釈さ
れると、その応答(即ち、勾配)が試験試料を希釈する
のに先行技術の金属含有組成物を用いた場合観測される
応答より大きい故に、より正確に測定される。
【0077】実施例1の組成物は実施例2の組成物と本
質的に同等に妨害物の影響を減少することも言及すべき
である。一般に、各試料に関し炭酸イオン濃度を測定す
る。参照濃度より大きい観測濃度はサリチル酸イオン妨
害のためであった。どんな妨害、即ち妨害物例えばサリ
チル酸ナトリウムによる信号の変化も標準のNerns
t関係を用いた、mMで表わした当量の添加アナライト
濃度にまで減少する。特に観測されるサリチル酸イオン
の妨害は実施例1の硼酸を含有し、金属を含まない組成
物を用いる検定においてより小さい。例えば、サリチル
酸イオン妨害(2日目で2.1mM/l、3日間で2.
5mM/l)は、実施例2の金属含有組成物を用いた0
日目に観測されるサリチル酸イオン妨害(0日目で2.
1mM/l)の高さになる前に、実施例1の組成物を用
いる場合2〜3日を要した。従って6日間金属を含まな
い組成物を用いた後イオン選択電極は、先行技術の水銀
含有組成物を2日間用いた後に示される(4.1mM/
l)サリチル酸イオン効果(4.0mM/l)を示す。
クマジンと臭素イオンの妨害は、実施例1の組成物を用
いた検定においてやや高いが、妨害の増加は比較的小さ
い。
【0078】この比較試験において表IIにおいて星印
で示されている平衡の警告は、実施例1の組成物を検定
に用いる場合には観測されない。一般に妨害物例えばサ
リチル酸イオンは不自然に高い炭酸イオンの読みを作り
出し、電極の応答を増大する では自働的に監視され、電極の応答が有意に増大した時
は何時でも警告を出す。この警告は4〜7mM/lの範
囲の水準を越えた炭酸イオンについての妨害の偏りを検
出する。従って、本発明の金属を含まない組成物は妨害
物の影響を先行技術の金属含有組成物に比較して更に減
少した。
【0079】その上、実施例1の組成物中に重金属錯体
を組込んでもそれ以上は妨害物の不利な影響は減少しな
いことを示した。表IIIは7日間使用した炭酸イオン
−感応膜に対するサリチル酸イオンの妨害効果に関し、
金属錯体含有または含有していない実施例1の組成物を
使用した検定の結果を示している。表III中のデー
【表3】 タは実施例1の組成物に種種な金属のエチレンジアミン
四酢酸錯体の添加が金属錯体のない、実施例1の組成物
を用いて比較した炭酸イオン検定におけるサリチル酸イ
オンの妨害をそれ以上には減少しないことを示してい
る。従って、驚くべきことで、予期されないように、実
施例1の金属を含まない組成物は、金属錯体が存在して
いなくても妨害物特に陰イオンの影響を効果的に減少す
る。それと対照的に、先行技術は妨害物の影響の減少に
は金属錯体を教え、そしてそれを必要とした。更に金属
含有緩衝組成物を用いる検定に比較して、本発明の金属
を含まない組成物を用いる検定に関して観測された勾配
は増大し、従って、より鋭敏で正確な検定を与える。
【0080】表IV中に示したデータは実施例1の組成
物のpHが高まるにつれて、8日間の炭酸イオン検定に
用いたイオン選択電極膜の勾配は24.8から20.4
mv/decに減少することを示している。表IVに示
した検定結果は表IIに示した検定結果を得るのに用い
たと同じ手順で得られた。実施例1の金属を含まない
【表4】 組成物のpHは、pHを上げるために水酸化テトラメチ
ルアンモニウムを加え、そしてpHを低下させるために
は硼酸の添加によって調節された。より高いpH値にお
ける水酸イオン濃度の増大は膜の中のイオノフォアを攻
撃し、従ってイオン選択電極の感度および精度が減少す
ると云うことは理論上考えられていた。従って、実施例
1の組成物のpHは、試験試料中の種種な形の2酸化炭
素を炭酸イオンに変換するのに充分に高く、即ち8.2
以上で、水酸イオン効果を最少にするのに充分に低く
(即ちpH9.0以下)あるべきである。同様に他の予
定されるイオンのイオン選択電極に基く検定に適当なp
H範囲は、正確な検定が達成され、そのイオン選択電極
膜の有効寿命が最大になるように決定できる。pHと観
測される勾配との間の逆関係はカリウムイオンおよびナ
トリウムイオン検定においては見られなかった。それ
故、この金属を含まない組成物の水酸イオン含有量は、
カリウムとナトリウムとのイオンの検出のために用いら
れるイオン選択電極膜には影響しない。全体として、表
IVのデータは、約8.2〜8.6のpHがNerns
t応答の勾配を最大にすることと、この金属を含まない
組成物の緩衝能力との間の許容できるバランスを与える
ことを示している。本発明の充分な有利さを達成するた
めに、炭酸イオンの検定に用いられるこの金属を含まな
い組成物のpHは8.35〜8.45の範囲内に緩衝さ
れている。
【0081】硼酸塩緩衝剤のほかに他の緩衝剤を本発明
の金属を含まない組成物に包含させることができること
を示すため、実施例1の硼酸をTRIS・HClで代
え、pH8.41の組成物(実施例3)を提供する。実
施例3の組成物はまた妨害物例えばサリチル酸イオンの
影響を減少するが、実施例3の組成物を用いるイオン選
択電極に基く検定は塩素イオン濃度の増加に関連したイ
オン強度に伴っての妨害の増加を示し、勾配の低下を示
した。
【0082】従って前記のデータは試験試料を希釈する
のに用いる緩衝剤組成物から重金属を除くことができる
こと、及び試験試料中にしばしば存在する種種な化合物
例えば陰イオン性妨害物の妨害効果を尚効果的に減少す
ることを示している。本発明の重要な特徴に従うと、妨
害化合物の影響を減少するのに硼酸塩化合物が用いられ
ている。その上、硼酸化合物は適当なpH範囲内では、
塩素イオンがない故に好ましい緩衝剤である。従って、
塩素イオンが存在しない場合、塩素イオンに関するイオ
ン選択電極に基く検定を検定順列中に包含させることが
できる。しかし、硼酸塩化合物が緩衝剤として働くpH
範囲外ではもう1つの適当な緩衝剤をこの金属を含まな
い組成物に添加することができる。更にその上、硼酸塩
が自己防腐的である故に、この金属を含まない組成物に
防腐化合物を添加する必要はない。
【0083】まとめとして、それ故本発明の金属を含ま
ない組成物はイオン選択電極に基く検定において、先行
技術の組成物より相当高い感度を与え、有毒な重金属含
有組成物の使用と投棄とを回避する緩衝組成物である。
本発明の金属を含まない組成物は炭酸イオンセンサー中
での前記の使用のほかに、他のイオン選択電極センサー
例えば塩素イオンセンサー中での使用に適合させること
ができる。またこの金属を含まない組成物は試験試料中
にしばしば存在する妨害物の影響を実質的に減少するこ
とが示されている。その妨害効果は本発明の金属を含ま
ない組成物により少くとも先行技術の金属含有組成物と
同様に減少される。その上、本発明の金属を含まない組
成物はサリチル酸イオンの影響に対して先行技術の組成
物に優る、改善された抵抗を与える。
【0084】また、本発明の金属を含まない組成物はイ
オン選択電極に基く検定において洗浄溶液として用いる
ことができることも示された。洗浄溶液は試料採取の間
と分析機が検定を行っていない待ち期間の間との両方に
用いられる。イオン選択電極を緩衝溶液と洗浄溶液との
混合物に連続的に接触させておくことにより、電極の安
定と速やかな応答時間とが維持される。典型的な金属の
含まれない洗浄溶液を実施例4の組成物で示す。そこで
は重炭酸ナトリウムと塩化ナトリウムと塩化カリウムと
が包含されていて2酸化炭素20mM/lとカリウム
3.9mM/lとナトリウム120mM/lとの濃度を
もつ溶液を与える。
【0085】
【実施例4】 金属を含まない洗浄溶液 成 分 wt% 硼酸 1.64 水酸化テトラメチルアンモニウム 0.52 塩化ナトリウム 0.036 塩化カリウム 0.002 重炭酸ナトリウム 0.024 非イオン界面活性剤 0.046 水(脱イオン) 97.732 計 100.000 (pH8.35〜8.45) TRITON X−100,Rohm & Haa
s Co.,Philadelphia,PA.
【0086】更に、予定されたイオンのイオン選択電極
に基く検定に本発明の金属を含まない組成物を使用する
ことにより達成される新規の予期されなかった結果を示
すため、実施例1の組成物を炭酸イオンに関する人血清
試料の検定に用いた。そのデータは、米国特許第4,8
10,351号に記載されている炭酸イオン感イオン選
択電極を包含するイオン選択電極モジュールを用いたT
ECHNICON R
【0087】
【0088】また試験試料はカリウムイオンとナトリウ
ムイオンとの濃度についても検定された。図2と3とは
本発明の方法と組成物と、先行技術の検定方法との間
の、検定の優れた相関を示している。特に、図2はカリ
ウムイオンに関して、約2〜17mMの濃度範囲に亙
り、グラフの勾配が1.002である故に、本発明と先
行技術との比較のグラフは殆んど理想的に相関している
ことを示している。同様に、図3のプロットの勾配は
1.002で、これによって濃度範囲約120〜170
mMに亙りナトリウムイオンに関し、本発明に従って得
られたデータと先行技術の検定方法により得られたデー
タとの間の優れた相関を示している。
【0089】7日間に亙って、金属含有緩衝組成物を用
いた2酸化炭素検定の勾配は19.8〜21.3mv/
decadeであるのに、この金属を含まない緩衝組成
物を用いた検定における観測された勾配は23.6〜2
4.2mv/decadeであった。ナトリウムイオン
160mMとカリウムイオン4mMと重炭酸イオン25
mM(mmol/l)との水性のバックグラウンドにお
いて測定された2酸化炭素検定への相当する妨害は表V
の如くであった。
【表5】
【0090】もう1つの試験において、この重金属を含
まない緩衝組成物のイオン強度の、Nernst応答の
勾配とサリチル酸イオン妨害とに対する影響を測定し
た。表VIは、8日間に亙り行われ、硼酸0.3M、
0.1Mまたは0.05Mを包含する本発明の硼酸塩含
有緩衝剤および洗浄溶液を用いた検定について、2酸化
炭素検定の勾配と観測されたサリチル酸イオンの妨害と
を説明している。表VIのデータは金属を含まない緩衝
剤のイオン強度には関係なく勾配は本質的に8日間
【表6】 に亙り不変であったことを示している。例えば硼酸0.
3Mを包含する緩衝剤を用いる検定は0日で勾配24.
3mv/decade、8日目で23.7mv/dec
adeを示した。同様に、硼酸0.05Mを包含する緩
衝剤を用いた検定は2日目より8日目まで23.1〜2
2.8mv/decadeの本質的には一定の勾配を示
した。表VIのデータはまた、イオン強度増大に従いサ
リチル酸イオンの妨害効果は減少すること、即ち0.0
5M硼酸緩衝剤で5.9mM/lから0.3M硼酸緩衝
剤の8日目の4.6mv/lへ、そして0.05M硼酸
緩衝剤で4.0mM/lから0.1M硼酸緩衝剤2日目
の3.3mv/lへと減少することを示している。
【0091】前記の実施例と試験データとは緩衝組成物
から重金属を除去することは検定に不利には影響しない
こと、この金属を含まない緩衝組成物中に硼酸塩化合物
を包含させた場合検定の妨害の減少が見られることを示
している。その上、硼酸塩を含有し、金属を含まない組
成物は自己防腐的であり、参照電極の引はがしを起さ
ず、そしてより理想的なナトリウム応答を与える。この
金属を含まない組成物は関心ある予定されたアナライト
に関する電極選択性を維持し、イオン選択電極の膜を攻
撃せず、従って電極の有用寿命を維持し、取扱い安全で
投棄し易い、本質的に重金属を含まない廃生成物を生成
する。
【0092】TRIS緩衝剤と水銀塩とを使用している
先行技術の緩衝組成物と直接比較して、硼酸塩化合物を
包含する本発明の金属を含まない組成物は、その硼酸塩
化合物はTRIS緩衝剤より大きいイオン強度をもつ故
によりよい緩衝を提供し、硼酸塩含有組成物はTRIS
に基く緩衝剤の如く温度変化に対し敏感ではない故に、
より正確な検定を与え、イオン選択電極の膜を減感せ
ず、ナトリウムイオンとカリウムイオンと特に炭酸イオ
ンとに対しより敏感な応答を与え、ISEとは合わない
かもしれない防腐化合物を必要とせず、そして他の予定
されるアナライトに関し1つの試験試料の検定に、同一
の緩衝剤の使用を
【0093】明らかに、前記の如き本発明の多くの変更
態様と変形とは本発明の精神と範囲とから離れることな
く作り出すことができ、従って添付請求事項により示さ
れる如く限定を課すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】全2酸化炭素約16〜42mMを包含する試験
試料に対し行った、全2酸化炭素、即ち炭酸イオンに関
する検定の結果の相関を示すプロット図である。y軸は
本発明の金属を含まない組成物を用いたイオン選択電極
に基く検定から得られた検定結果をプロットし、x軸は
先行技術の方法により得られた同じ試験試料の検定結果
をプロットしている。
【図2と3】カリウムイオン約2〜17mMあるいはナ
トリウムイオン約120〜170mMの何れかを包含す
る試験試料に対し行った、それぞれカリウムイオンとナ
トリウムイオンとに関する検定の相関を示すプロット図
である。何れのプロットにおいても、y軸は本発明の金
属を含まない組成物を用いるイオン選択電極に基く検定
から得られた検定結果をプロットし、x軸は先行技術の
方法により得られた同一試験試料の検定結果をプロット
している。

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験試料中に存在する妨害化合物の影響
    を実質的に減少する、硼酸塩化合物と予定されたアナラ
    イト検定のために適当なpHを提供するに充分量のアル
    カリ度調節化合物と水とからなる、予定されたアナライ
    トに関する、試験試料のイオン選択電極に基く検定に用
    いるための組成物。
  2. 【請求項2】 本質的に重金属のない請求項1に記載の
    組成物。
  3. 【請求項3】 硼酸塩化合物が組成物の約0.3〜5w
    t%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 硼酸塩化合物が組成物の約1〜4wt%
    の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 硼酸塩化合物を硼酸、硼酸テトラナトリ
    ウムまたはその組合せよりなる群から選択する、請求項
    1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 アルカリ度調節化合物がアルカリ性アル
    カリ度調節化合物である、請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 アルカリ性アルカリ度調節化合物を水酸
    化テトラメチルアンモニウムと水酸化テトラブチルアン
    モニウムと水酸化テトラエチルアンモニウムと水酸化ア
    ンモニウムと水酸化ナトリウムと水酸化カリウムと水酸
    化リチウムと水酸化バリウムと水酸化マグネシウムと水
    酸化カルシウムとそれらの組合せとよりなる群から選択
    する、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 アルカリ性アルカリ度調節化合物を、ア
    ルキル基が炭素原子1〜約4個を包含する、水酸化モノ
    アルキルアンモニウムと水酸化ジアルキルアンモニウム
    と水酸化トリアルキルアンモニウムと水酸化テトラアル
    キルアンモニウムとその組合せとからなる群から選択す
    る、請求項6に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 アルカリ度調節化合物が酸性アルカリ度
    調節化合物である請求項1に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 酸性アルカリ度調節化合物を塩酸とリ
    ン酸と弗化水素酸と硫酸と酢酸と硝酸とその組合せとか
    らなる群から選択する、請求項8に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 約5〜11の範囲のpHをもつ請求項
    1に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 試験試料が生物学的流体である、請求
    項1に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 生物学的流体が血漿、血清、脳脊髄液
    または尿である、請求項12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 予定されるアナライトを炭酸イオンと
    塩素イオンとナトリウムイオンとカリウムイオンとその
    組合せとよりなる群より選択する、請求項1に記載の組
    成物。
  15. 【請求項15】 予定されるアナライトが炭酸イオンで
    ある、請求項1に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 妨害化合物が陰イオン妨害物である、
    請求項1に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 サリチル酸塩とゲンチシン酸塩とクマ
    ジンと臭化物とヘパリンとイブプロフェンとその組合せ
    とからなる群より選択される妨害化合物の影響を減少で
    きる、請求項1に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 イオン選択電極のためのバックグラウ
    ンド応答を提供するに充分量の予定されたアナライトを
    更に包含する、請求項1に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 更に、非イオン性界面活性剤を約0.
    5wt%まで包含する、請求項1に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 更に、硼酸塩化合物のほかに第2の緩
    衝剤化合物を包含する、請求項1に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 検定に際して、試験試料中の妨害化合
    物の影響を実質的に減少する、約0.3〜5.0wt%
    の硼酸塩化合物と約8〜9のpHを提供するのに充分量
    のアルカリ度調節化合物と水とを包含する、炭酸イオン
    に関する試験試料のイオン選択電極に基く検定に用いる
    組成物。
  22. 【請求項22】 本質的に重金属のない、請求項21に
    記載の組成物。
  23. 【請求項23】 硼酸塩化合物が組成物の約1〜4wt
    %の範囲の量存在する、請求項21に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 硼酸塩化合物が組成物の約1.5〜3
    wt%の範囲の量存在する、請求項21に記載の組成
    物。
  25. 【請求項25】 約8.2〜8.6の範囲のpHを持
    つ、請求項21に記載の組成物。
  26. 【請求項26】 硼酸塩化合物が硼酸であり、アルカリ
    度調節化合物が、そのアルキル基が炭素原子1〜約4個
    を包含している水酸化テトラアルキルアンモニウムであ
    る、請求項21に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 試験試料が生物学的流体である、請求
    項21に記載の組成物。
  28. 【請求項28】 (a) 予定されるアナライト検定の
    ため適当な緩衝されているpHを提供し、検定溶液を形
    成させるのに充分量の緩衝組成物を試験試料に添加し、
    その緩衝組成物は、 1) 硼酸塩化合物と 2) 予定されたアナライト検定のために適当なpHを
    提供するのに充分量のアルカリ度調節化合物と 3) 水とを包含し、そして(b) 予定されたアナラ
    イトを感知できるイオン選択電極により、その予定され
    たアナライトに関して検定溶液を分折することを包含
    し、試験試料中に存在する妨害化合物の影響を実質的に
    減少する、イオン選択電極による予定されたアナライト
    についての試験試料の検定方法。
  29. 【請求項29】 緩衝組成物が本質的には重金属を持た
    ない、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 硼酸塩化合物が組成物の約0.3〜5
    wt%の範囲の量で存在する、請求項28に記載の方
    法。
  31. 【請求項31】 硼酸塩化合物を硼酸、硼酸テトラナト
    リウムまたはその組合せよりなる群から選択する、請求
    項28に記載の方法。
  32. 【請求項32】 試験試料が生物学的流体である、請求
    項28に記載の方法。
  33. 【請求項33】 生物学的流体が血漿、血清、脳脊髄液
    または尿である請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 予定されるアナライトを炭酸イオンと
    塩素イオンとナトリウムイオンとカリウムイオンとその
    組合せとからなる群から選択する、請求項28に記載の
    方法。
  35. 【請求項35】 予定されるアナライトが炭酸イオンで
    ある、請求項28に記載の方法。
  36. 【請求項36】 緩衝組成物が、サリチル酸塩とゲンチ
    シン酸塩とクマジンと臭素化物とヘパリンとイブプロフ
    ェンとその組合せとよりなる群より選択される妨害化合
    物の影響を減少することができる、請求項28に記載の
    方法。
  37. 【請求項37】 (a) 試験試料のpHを、試験試料
    中に遊離の形で存在する2酸化炭素の部分と試験試料中
    に固定された形で存在する2酸化炭素部分とを炭酸イオ
    ンに変換するのに充分な水準に調節するために充分量の
    緩衝組成物を試験試料に添加し、その緩衝組成物は8以
    上のpHを持ち、妨害化合物の影響を減少させ、試験試
    料を緩衝する硼酸塩化合物と8以上のpHを与えるアル
    カリ度調節化合物と水とからなり、(b) 炭酸イオン
    を感知することができるイオン選択電極の方法で検定溶
    液を分折し、そして(c) 炭酸イオンに関するイオン
    選択電極分折を、試験試料中の全2酸化炭素濃度と相関
    させる、ことからなる、試験試料中に存在する妨害化合
    物の影響を実質的に滅少させる、全2酸化炭素濃度に関
    する、試験試料の検定方法。
  38. 【請求項38】 緩衝組成物が本質的に重金属を含有し
    ていない請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 緩衝組成物を、緩衝組成物約5〜25
    部対試験試料1部の容量比で試験試料に添加する、請求
    項37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 緩衝組成物が約8〜9の範囲のpHを
    持つ、請求項37に記載の方法。
  41. 【請求項41】 緩衝組成物が約8.2〜8.6の範囲
    のpHを持つ、請求項37に記載の方法。
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