JPH0674827A - 色彩計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 補助校正を適切に実行し、色彩測定を精度よ
く、また、高速に実行できる色彩計を提供する。 【構成】 サンプル１の色彩測定ごとにフォトセンサア
レイ１３の暗電流の測定を行なう。すなわち、シャッタ
１４を閉じ、ランプ４を消灯し、リファレンスセンサ７
およびフォトセンサアレイ１３の出力を読み取る。この
暗電流測定値と、前回の測定時の暗電流測定値とを比較
し、その差が基準値を超える場合にシャッタ１４裏面に
設けた標準白色板２の反射光に基づき、各種パラメータ
を補正する補助校正処理を実行し、それ以外の場合には
補助校正処理を実行することなく色彩測定処理を行な
う。このようにして、測定精度を損なうことなく、測定
処理を高速化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は色彩計、特に測定サンプ
ルの反射ないし透過光をフォトセンサにより受光し、サ
ンプルの色彩を測定するとともに、標準白色板の反射な
いし透過光の受光に基づき、色彩測定に関する各種パラ
メータを補正する補助校正機能を有する色彩計に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、サンプルの反射光や透過光の
分光測定により、その色彩を測定する色彩計が知られて
いる。

【０００３】従来の色彩計では、測定精度および安定性
を高めるために、フォトセンサ感度について補助校正を
行なうようになっている。この補助校正のやりかたとし
ては、通常、マニュアル設定などに応じて所定時間ごと
に実行したり、測定ごとに自動的に行なうようにする方
法が考えられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】色彩計における補助校
正機能は、測定精度および安定性を高めるために、非常
に有効なものであるが、各種パラメータを計算しなおす
ため通常の測定処理とほぼ同じ処理時間を必要とし、た
とえば、測定ごとに自動的に行なうような設定を用いる
と、処理速度の点で不利である。

【０００５】特に、瞬時の連続測定、同一ポイントの繰
返し平均測定などでは、その都度補助校正を行なうこと
はほとんど無駄である。

【０００６】本発明の課題は、以上の問題を解決し、補
助校正を適切に実行し、色彩測定を精度よく、また、高
速に実行できる色彩計を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明においては、測定サンプルの反射ないし透
過光をフォトセンサにより受光し、サンプルの色彩を測
定するとともに、標準白色板の反射ないし透過光の受光
に基づき、色彩測定に関する各種パラメータを補正する
補助校正機能を有する色彩計において、サンプルの測定
ごとに前記フォトセンサを遮光してフォトセンサの暗電
流を測定する手段を有し、この暗電流の測定値を前回の
暗電流の測定値と比較し、その差が所定値を超える場合
に前記補助校正を行なう構成を採用した。

【０００８】

【作用】以上の構成によれば、暗電流の測定値の変化に
応じて処理時間のかかる補助校正を実行するか否かを制
御することができる。

【０００９】

【実施例】以下、図面に示す実施例に基づき、本発明を
詳細に説明する。

【００１０】図１に本発明を採用した色彩計の構造を示
す。同図において、符号１は色彩測定を行なうサンプル
で、装置の測定開口上に載置される。装置の測定開口
は、モータ３を介しシャッタ１４により開閉可能になっ
ている。

【００１１】測定開口下部には、白色アクリルなどの光
を拡散する材質からなる積分球５が配置されている。積
分球５の所定部位には、照明用のランプ４が配置され、
積分球５の所定面積の部分の光はミラー８、透過室９、
レンズ１０、スリット１１、およびミラー１２を介して
フォトセンサアレイ１３に結像される。

【００１２】また、積分球５の所定部位には、基準光信
号を測定するために光ファイバ６を介して所定数のリフ
ァレンスセンサ７が配置されている。この場合、たとえ
ばリファレンスセンサ７の測定点は８点、フォトセンサ
アレイ１３の画素は３７点程度とする。

【００１３】図２は、本発明を採用した色彩計の制御系
の構造を示している。図示のように装置は、色彩計のハ
ードウェア部分と、コントローラ部分からなる。コント
ローラ部分は、パーソナルコンピュータ、ワークステー
ションなどを利用して構成され、ＲＳ２３２Ｃなどのイ
ンターフェースを介して色彩計ハードウェア部分と接続
される。

【００１４】色彩計ハードウェア部分は、上記のリファ
レンスセンサ７、フォトセンサアレイ１３を含む測光部
２２、測光部２２の出力値から色彩測定値を演算する計
算部２３、およびコントローラ部分との通信制御を行な
う制御部２１から成る。

【００１５】コントローラ部分は、通常のパーソナルコ
ンピュータ、ワークステーションなどと同等の構成を有
する。すなわち、キーボード、マウスなどからなる入力
部３１、マイクロプロセッサ、メモリなどからなる制御
部３２、数値演算プロセッサなどからなる計算部３３、
プリンタ、ＣＲＴディスプレイなどからなる出力部３４
である。

【００１６】本実施例における補助校正は、コントロー
ラ部での設定に応じて次のようなモードを選択できるも
のとする。

【００１７】モード１:補助校正は行なわない。

【００１８】モード２:常時、測定ごとに補助校正を行
なう。

【００１９】モード３:補助校正を行なうか否かを自動
的に決定する。

【００２０】各モードは、コントローラ側で所定の操作
を行なうことにより選択される。上記のモード１、２
は、公知であるので、ここでは、モード３の補助校正の
自動制御につき説明する。

【００２１】図３は本実施例における補助校正の制御を
示す。この制御手順は、コントローラ側の制御により選
択され、色彩計側の制御部２１により実行される。

【００２２】ここでは、サンプル測定ごとにリファレン
スセンサ７およびフォトセンサアレイ１３の暗電流を測
定し、その値を前回の暗電流と比較し、その差の絶対値
が基準値を超える場合に補助校正を行なうものとする。

【００２３】ステップＳ１で、測定開始がコントローラ
側から指示されると、ステップＳ２において、暗電流の
測定を行なう。ここでは、シャッタ１４を閉じ、ランプ
４を消灯し、リファレンスセンサ７およびフォトセンサ
アレイ１３の出力Ｄ１を読み取る。

【００２４】ステップＳ３では、補助校正を行なうかど
うかを決定するが、ここでは、前回の暗電流値Ｄ０と今
回の暗電流値Ｄ１の差の絶対値が基準値Ｐを超える場合
に補助校正を行ない、そうでない場合に補助校正を実行
しないようにする。

【００２５】補助校正を実行する場合には、ステップＳ
４に移行し、公知の処理手順に基づき、補助校正を実行
する。補助校正では、シャッタ１４を閉じ、シャッタ１
４裏面の標準白色板２をランプ４により照明してフォト
センサアレイ１３から得た測定値に基づき、ランプ４の
点灯制御、あるいはフォトセンサアレイ１３の出力値の
補正などの処理を行なう。

【００２６】その後、ステップＳ５において、今回の暗
電流値Ｄ１を次回の測定のために暗電流値Ｄ０として記
憶し、ステップＳ６でサンプルの測定処理に移る。補助
校正を実行しない場合には、ステップＳ３から直接ステ
ップＳ６に移行する。

【００２７】測定ごとに暗電流を測定し、その値の変化
に応じて補助校正を実行するか否かを決定するのは、リ
ファレンスセンサ７あるいはフォトセンサアレイ１３の
特性は温度などの影響を受けやすく、また、特性の変化
があった場合は、それが暗電流の変動として現れるため
で、このような方法によれば、補助校正が必要なタイミ
ングを確実に検出することができ、精度の高い測定を行
なうことができる。

【００２８】このように、測定ごとに暗電流を測定し、
その値の変化に応じて補助校正を実行するか否かを決定
する処理は、標準白色板２を用いて各種パラメータを計
算しなおす補助校正よりも高速に実行できるため、サン
プル測定ごとに補助校正を行なう方法よりも、処理全体
の時間を短縮することができる。

【００２９】また、補助校正が必要な場合は自動的に実
行されるので、マニュアル操作により行なう場合のよう
な面倒な操作は必要なく、確実に補助校正を行ない、常
に精度の高い測定を行なうことができる。

【００３０】なお、以上では、反射光で測定を行なう方
式を示したが、透過光により測定を行なう方式でも同等
の制御が可能なのはいうまでもない。

【００３１】

【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、測定サンプルの反射ないし透過光をフォトセンサに
より受光し、サンプルの色彩を測定するとともに、標準
白色板の反射ないし透過光の受光に基づき、色彩測定に
関する各種パラメータを補正する補助校正機能を有する
色彩計において、サンプルの測定ごとに前記フォトセン
サを遮光してフォトセンサの暗電流を測定する手段を有
し、この暗電流の測定値を前回の暗電流の測定値と比較
し、その差が所定値を超える場合に前記補助校正を行な
う構成を採用しているので、暗電流の測定値の変化に応
じて処理時間のかかる補助校正を実行するか否かを制御
することができ、測定処理を高速化することができると
ともに、補助校正が必要なタイミングで確実に補助校正
を実行できるので、正確な色彩測定を行なえるという優
れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を採用した色彩計の光学系の構造を示し
た説明図である。

【図２】図１の装置の制御系の構造を示した説明図であ
る。

【図３】図１の装置における補助校正の制御を示したフ
ローチャート図である。

【符号の説明】

１ サンプル ２ 標準白色板 ３ モータ ４ ランプ ５ 積分球 ６ 光ファイバ ７ リファレンスセンサ ８ ミラー ９ 透過室 １０ レンズ １１ スリット １２ ミラー １３ フォトセンサアレイ １４ シャッタ ２１ 制御部 ２２ 測光部 ２３ 計算部 ３１ 入力部 ３２ 制御部 ３３ 計算部 ３４ 出力部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定サンプルの反射ないし透過光をフォ
   トセンサにより受光し、サンプルの色彩を測定するとと
   もに、標準白色板の反射ないし透過光の受光に基づき、
   色彩測定に関する各種パラメータを補正する補助校正機
   能を有する色彩計において、 サンプルの測定ごとに前記フォトセンサを遮光してフォ
   トセンサの暗電流を測定する手段を有し、 この暗電流の測定値を前回の暗電流の測定値と比較し、
   その差が所定値を超える場合に前記補助校正を行なうこ
   とを特徴とする色彩計。
2. 【請求項２】 補助校正を行なわないモード、常時、測
   定ごとに補助校正を行なうモード、および前記制御によ
   り補助校正を行なうか否かを決定するモードを有し、操
   作に応じてこれらのいずれかのモードを選択可能とした
   ことを特徴とする色彩計。