JP2004040417A - 撮像装置およびホワイトバランス補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の推定を正確に行い、正確なオートホワイトバランス機能を実現することにより、正確な色再現を実現する。
【解決手段】デジタルカメラ28は、ホワイトバランス処理部4と、ホワイトバランス制御部17と、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する既知光源照射部4と、既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の被写体の一部を撮像する撮像部1と、撮像部1により撮像された既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を照射前と照射後の差を取ることにより検波する検波部10と、検波部10により検波された検波結果を分析する分析手段18と、分析手段18により被写体の反射特性を判断して外部光源の推定をする推定手段21とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】デジタルカメラ28は、ホワイトバランス処理部4と、ホワイトバランス制御部17と、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する既知光源照射部4と、既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の被写体の一部を撮像する撮像部1と、撮像部1により撮像された既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を照射前と照射後の差を取ることにより検波する検波部10と、検波部10により検波された検波結果を分析する分析手段18と、分析手段18により被写体の反射特性を判断して外部光源の推定をする推定手段21とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、デジタルカメラやビデオカメラなどに適用されるホワイトバランス調整機能を有する撮像装置およびホワイトバランス補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のホワイトバランス調整機能を有していないデジタルカメラやビデオカメラを用いて外部光源下で被写体を撮影した場合に、例えば、外部光源として蛍光灯下で被写体を撮影すると被写体は全体に緑っぽい色見になり、外部光源として白熱電球下で被写体を撮影すると被写体は全体に赤っぽい色見になる。このように、外部光源として蛍光灯、白熱電球および自然光の太陽光といった光源によって色温度特性が違うため、同じ被写体を撮影しても被写体の色が変わってしまう。
【0003】
人間の場合には、光源が違っていても、その違いを頭の中で上手に補正して色を感じることができる。ところが、CCD(固体撮像素子)等の撮像素子を用いた撮像装置は、このような補正を行うことができないので、結果として、見た色と違った画像となる。
【0004】
そこで、人間が被写体を見て、光源が違っても違和感がないように補正するための機能がデジタルカメラやビデオカメラに備わっている。つまり、どの光源下で被写体を撮影しても、自動的に自然な色になるように、光源によって変化する色のバランスを調整する機能がデジタルカメラやビデオカメラに備わっている。
【0005】
この機能は、どんな光源で被写体を照らしても、白い被写体を適正に白く写るように調整する機能であることから、この機能は「ホワイトバランス」と呼ばれている。また、その補正を自動的に行う機能を「オートホワイトバランス」と呼んでいる。しかし、このオートホワイトバランス機能は、まだまだ発展途上の技術であるため、完全に補正することができないどころか、ときには間違った補正をすることがある。
【0006】
図6に、従来の一般的なデジタルカメラの構成を示す。
このデジタルカメラ28は、撮像部1と、LSI(Large Scale Integration)5と、メモリ15と、CPU(Central Processing Unit)16と、記録媒体26と、LCD(LiquidCrystal Display)などのモニター27とを備えている。LSI5は、撮像信号処理部(1)6と、A/D(Analog to Digital)変換回路7と、撮像信号処理部(2)8と、ホワイトバランス処理部9と、撮像信号処理部(3)11と、圧縮および変換処理部12と、検波部10と、記録処理部13および表示処理部14とを有して構成される。
【0007】
CPU16は、変化する光源に応じてホワイトバランスを追従動作させるためのホワイトバランス制御信号CWBの作成機能と同信号の出力機能を司るホワイトバランス制御部17を有している。ホワイトバランス制御部17は、上述したホワイトバランス制御信号CWBに基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整機能を有している。
【0008】
撮像部1は、レンズ2および撮像素子3を備えている。撮像部1はレンズ2を介して被写体を撮像して、撮像素子3から撮像信号を出力する。例えば、撮像素子3はCCD(Charge Coupled Device)やCOMS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサーで構成される。撮像部1から出力された撮像信号は、撮像信号処理部(1)6に入力される。
【0009】
撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。例えば、撮像信号処理部(1)6は、サンプルホールド回路やAGC(Automatic Gain Control)回路を備えていて、撮像信号のサンプリング及びゲイン調整を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、撮像信号処理部(2)8及び検波部10に入力される。
【0010】
検波部10は、撮像信号中のホワイトバランス制御用の成分検出を行う。例えば、制御信号内のR,G,B成分を抽出し、検波する。
【0011】
CPU16は、デジタルカメラ28を構成する各構成部の制御を行う制御手段であって、その一機能により上述した検波部10の検波結果に基づいて、現在の入射光、すなわち現在の光源の判断を行う。その判断に基づいてホワイトバランス制御信号CWBを作成し、出力する。
【0012】
ホワイトバランス処理部9は、CPU16のホワイトバランス制御部17からのホワイトバランス制御信号CWBに基づいてホワイトバランスを調整する。ホワイトバランス処理部9におけるホワイトバランスの調整は、例えば制御信号に応じてR,G,Bそれぞれの色成分のゲインを調整するものであって、撮像信号処理部(2)8から出力されてくる撮像信号のR,G,B成分の振幅をそれぞれ増減させるものである。
【0013】
例えば、動画撮影時には、オートホワイトバランスの制御中においては、光源に応じて、CPU16のホワイトバランス制御部17から連続してホワイトバランス制御信号CWBが出力されるので、ホワイトバランス処理部9は、そのようなホワイトバランス制御信号CWBに応じてホワイトバランスを連続的に調整する。
【0014】
ホワイトバランス処理部9により、R,G,B等のゲイン調整された撮像信号は、撮像信号処理部(3)11に入力される。撮像信号処理部(3)11は、撮像信号に対して、ガンマ処理、及び色差マトリクス処理、解像度変換等の信号処理を行う。また、撮像信号処理部(3)11は、撮像信号を輝度信号及び色差信号に変換する。撮像信号処理部(3)11において信号処理された信号は、圧縮及び変換処理部12に入力される。
【0015】
圧縮及び変換処理部12は、輝度及び色差信号を圧縮処理や出力に適した信号に変換する。圧縮及び変換処理部12により処理された信号は、記録処理部13及び表示処理部14に入力される。
【0016】
記録処理部13では、圧縮及び変換処理部12で処理された撮像信号は、固体メモリや磁気ディスク等の記録媒体26に画像ファイルとして書き込まれる。
表示処理部14では、圧縮及び変換処理部12で処理された撮像信号は、さらに映像信号に変換され、液晶ディスプレイやテレビモニターなどのモニター27に表示される。
【0017】
上述したように、デジタルカメラ28は、CPU16のホワイトバランス制御部17からのホワイトバランス制御信号CWBによるホワイトバランス処理部9に対する制御により、撮像信号のホワイトバランスを調整しながら動画像及び静止画像を撮像している。そして、デジタルカメラ28は、CPU16により光源を自動判別した結果としての撮影モードに応じてホワイトバランスの制御を異ならせ、CPU16により推定した光源が正確であれば、各撮影モードにおいて最適と思われる画像を得ることができる。
【0018】
次に、光源の推定について詳しく説明する。
人間の感じる色は、「物そのものの色(反射特性)」と「光源の特性」によって決まることは、上述した通りである。
【0019】
従来、オートホワイトバランスを行うために、光源の推定が必要であった。光源を推定するために、被写体を撮像した画像データから情報を検波して抜き出す。
【0020】
一般的に、ホワイトバランスの「白いもの」をきちんと「白く」補正するため、CCDに入力された被写体の画像情報から、本来「白かった」部分を推定し、その部分を積分し、その結果から光源を推定する。そして、本来の「白」になるようにR,G,Bの色の3原色に対して、ゲインをかけて、レベルを調整して、バランスを補正している。
【0021】
本来「白かった」部分を推定するのに、輝度情報や色情報から選別したりするが、すべての色を混ぜると白になることから全情報を混ぜることによって本来白かった部分の代用としたりすることもあった。
【0022】
しかし、本来「白かった」部分がR,G,Bの比率に対してどの色の方向にずれたのか分からないので、「白でなかった」部分、例えば、薄いグレーとかクリーム色を白と思いこみ、ホワイトバランス補正により、「白」に引き込んでしまうという誤った補正をしてしまうことがあった。
【0023】
また、森や青空、リンゴなど白色が存在しない被写体の場合は、正確に補正することが困難となる。これは、被写体本来の色と光源特性の両方が分からないので、色の推定と光源の推定の両方を行わなければならないために生じる問題だからである。
【0024】
図7は、従来のホワイトバランス補正方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS11で、被写体を撮像した画像データを取得する。具体的には、撮像部1の撮像素子3は光学系のレンズ2を介して被写体を撮像し、撮像信号を出力する。撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、撮像信号処理部(2)8及び検波部10に入力される。
【0025】
ステップS12で、検波部10は、取得した画像データからホワイトバランス制御信号を作成するために検波処理を行い、画素の色(白など)の推定を行う。例えば、検波部10は、本来「白かった」部分を画素の輝度情報や色情報等を用いて推定し、ステップS13で、検波部10は、条件にあった画素に関して制御信号内のR,G,B成分を抽出し、ステップS14で、検波部10は、色成分別の積分を行う。
【0026】
ステップS15で、検波部10による検波結果のR,G,Bの比率は、本来の「白」である比率から外部光源によって比率がずらされているので、CPUは、その変化量から外部光源を推定する。
【0027】
ステップS15で、CPU16は、外部光源の推定を行うことにより、ステップS16で、CPU16は、最適なホワイトバランスのパラメータを決定することができるので、ステップS17で、CPU16は、このパラメータを用いてホワイトバランスの補正をかけることができる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のホワイトバランス補正方法では、ステップS12で検波部10により検波したい画素の色の推定が誤っていた場合、検波部10により積分したくない画素もステップS13の選別の誤判定により検波部10により積分されてしまうことになる。これを繰り返すことにより、ステップS14で検波部10による色成分別の積分を行う際に誤差が累積されることになる。ステップS15で、検波部10による検波結果は希望していたものと異なっているので、CPU16は、この検波結果を用いて外部光源を推定すると、当然に光源を間違えて推定してしまうことになる。この結果、ステップS16で、CPU16は、誤った補正パラメータを算出するので、ステップS17で、CPU16は、この誤った補正パラメータを用いて見当はずれのホワイトバランスの補正をかけることになるという不都合があった。
【0029】
また、リンゴ等の白成分をほとんど含まない単色な被写体の場合には、白検出を用いた従来のホワイトバランス補正方法では、ホワイトバランスのズレを検出できないので、正確な光源の推定を行うことが困難となるという不都合があった。
【0030】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、光源の推定を正確に行い、正確なオートホワイトバランス機能を実現することにより、正確な色再現を実現することができる撮像装置およびホワイトバランス補正方法を提供することを課題とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する照射手段と、上記照射手段による被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像手段と、上記撮像手段により撮像された上記照射手段による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波する検波手段と、上記検波手段により検波された検波結果を上記照射手段による被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析する分析手段と、上記分析手段により被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定手段とを備えたものである。
【0032】
また、本発明のホワイトバランス補正方法は、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する既知光源照射ステップと、上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像ステップと、上記撮像ステップにより撮像された上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波する検波ステップと、上記検波ステップにより検波された検波結果を上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析する分析ステップと、上記分析ステップにより被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定ステップとを備えたものである。
【0033】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
照射手段は指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射するように作用する。撮像手段は照射手段による被写体への照射前の外部光源のみと照射後の既知光源および外部光源とにより被写体の一部を撮像するように作用する。検波手段は撮像手段により撮像された照射手段による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波するように作用する。分析手段は検波手段により検波された検波結果を照射手段による被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析するように作用する。推定手段は分析手段により被写体の反射特性を判断して外部光源の推定をするように作用する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明の実施の形態に適用されるデジタルカメラの構成を示す。図1において、図6に示した従来のデジタルカメラに対応する部分には同一の符号を付してある。
【0035】
このデジタルカメラ28は、撮像部1と、既知光源照射部4と、LSI5と、メモリ15と、CPU16と、メモリ23と、記録媒体26と、LCDなどのモニター27とを備えている。LSI5は、撮像信号処理部(1)6と、A/D変換回路7と、撮像信号処理部(2)8と、ホワイトバランス処理部9と、撮像信号処理部(3)11と、圧縮および変換処理部12と、検波部10と、記録処理部13および表示処理部14とを有して構成される。
【0036】
ここで、特に本発明の実施の形態では、デジタルカメラ28は以下の構成を有している。
図3は、既知光源の被写体への照射を示す図である。
既知光源照射部4は、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体31の一部の既知光源照射ポイント32を照射するように構成される。ここで、既知光源は、複数の例えばR,G,Bの3本またはR,G,Bのうちのいずれか2本のレーザー光を用いるように構成される。また、既知光源は、撮像部1の撮像素子3の撮像感度に適合する分光特性を有するように構成される。また、既知光源は、撮像部1の撮像素子3のフィルタ周波数内であるように構成される。
【0037】
CPU16は、変化する光源に応じてホワイトバランスを追従動作させるためのホワイトバランス制御信号CWBの作成機能と同信号の出力機能を司るホワイトバランス制御部17を有している。ホワイトバランス制御部17は、上述したホワイトバランス制御信号CWBに基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整機能を有している。
【0038】
また、CPU16は、検波部10により検波された検波結果を既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の差を既知光源照射前後差分取得部19により取ることにより分析する分析手段18と、分析手段18により被写体の反射特性を判断して外部光源の推定をする推定手段21とを有して構成される。また、分析手段21は、既知光源照射部4における既知光源の既知分光特性、各色における被写体の反射特性と照合することにより検波結果を分析する既知光源データベース比較部20とを有して構成される。また、推定手段21は、予め測定された分光特性と検波結果を比較して光源を推定する測定特性データベース比較部23を有して構成される。
【0039】
また、メモリ23は、既知光源照射部4における既知光源の既知分光特性および各色における被写体の反射特性を記憶した既知光源データベース24と、予め測定された各種光源の分光特性を記憶した測定特性データベース25とを有して構成される。
【0040】
図4は、撮像部のウインドウを示す図である。
撮像部1は、レンズ2および撮像素子3を備えている。また、撮像部1は、既知光源照射部4による被写体への照射前の外部光源のみの状態と照射後の既知光源および外部光源の状態において被写体の一部を撮像するように構成される。撮像部1はレンズ2を介して被写体を撮像して、撮像素子3から撮像信号を出力する。例えば、撮像素子3はCCDやCOMSイメージセンサーで構成される。撮像部1から出力された撮像信号は、撮像信号処理部(1)6に入力される。
【0041】
ここで、撮像部1は、撮像信号に基づくフレーム画像41上で既知光源照射部4により被写体に照射された1点のスポット状の既知光源照射ポイント32に対応するウインドウ42部分の画素範囲を撮像するように構成される。このフレーム画像41上のウインドウ42の画素範囲は、例えば、2画素×2画素などを指定する。また、被写体に対応して、このフレーム画像41上のウインドウ42よりも広い画素範囲の拡大ウインドウ43を指定して、その広い画素範囲の拡大ウインドウ43の画素値の平均値を得るようにしても良い。
【0042】
撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。例えば、撮像信号処理部(1)6は、サンプルホールド回路やAGC(Automatic Gain Control)回路を備えていて、撮像信号のサンプリング及びゲイン調整を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、撮像信号処理部(2)8及び検波部10に入力される。
【0043】
検波部10は、撮像信号中のホワイトバランス制御用の成分検出を行う。例えば、制御信号内のR,G,B成分を抽出し、検波する。また、検波部10は、撮像部1により撮像された既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波するように構成される。
【0044】
CPU16は、デジタルカメラ28を構成する各構成部の制御を行う制御手段であって、その一機能により上述した検波部10の検波結果に基づいて、現在の入射光、すなわち現在の光源の判断を行う。その判断に基づいてホワイトバランス制御信号CWBを作成し、出力する。
【0045】
ホワイトバランス処理部9は、CPU16のホワイトバランス制御部17からのホワイトバランス制御信号CWBに基づいてホワイトバランスを調整する。ホワイトバランス処理部9におけるホワイトバランスの調整は、例えば制御信号に応じてR,G,Bそれぞれの色成分のゲインを調整するものであって、撮像信号処理部(2)8から出力されてくる撮像信号のR,G,B成分の振幅をそれぞれ増減させるものである。
【0046】
例えば、動画撮影時には、オートホワイトバランスの制御中においては、光源に応じて、CPU16のホワイトバランス制御部17から連続してホワイトバランス制御信号CWBが出力されるので、ホワイトバランス処理部9は、そのようなホワイトバランス制御信号CWBに応じてホワイトバランスを連続的に調整する。
【0047】
ホワイトバランス処理部9により、R,G,B等のゲイン調整された撮像信号は、撮像信号処理部(3)11に入力される。撮像信号処理部(3)11は、撮像信号に対して、ガンマ処理、及び色差マトリクス処理、解像度変換等の信号処理を行う。また、撮像信号処理部(3)11は、撮像信号を輝度信号及び色差信号に変換する。撮像信号処理部(3)11において信号処理された信号は、圧縮及び変換処理部12に入力される。
【0048】
圧縮及び変換処理部12は、輝度及び色差信号を圧縮処理や出力に適した信号に変換する。圧縮及び変換処理部12により処理された信号は、記録処理部13及び表示処理部14に入力される。
【0049】
記録処理部13では、圧縮及び変換処理部12で処理された撮像信号は、固体メモリや磁気ディスク等の記録媒体26に画像ファイルとして書き込まれる。
表示処理部14では、圧縮及び変換処理部12で処理された撮像信号は、さらに映像信号に変換され、液晶ディスプレイやテレビモニターなどのモニター27に表示される。
【0050】
図2は本実施の形態に適用されるホワイトバランス補正方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS1で、被写体を撮像した通常画像データを取得する。具体的には、撮像部1の撮像素子3は光学系のレンズ1を介して被写体を撮像し、撮像信号を出力する。撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、撮像信号処理部(2)8及び検波部10に入力される。
【0051】
ステップS2で、既知光源で照射された被写体の一部を撮像した既知光源照射画像データを取得する。具体的には、撮像部1の撮像素子3は光学系のレンズ2を介して既知光源照射部4からの既知光源で照射された被写体の一部を撮像し、撮像信号を出力する。撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、検波部10に入力される。
【0052】
ステップS3で、検波部10は、既知光源の光が照射された被写体の部分を含む領域を、照射有りの場合と無い場合とで検波を行う。
【0053】
図5は、光源による物体反射特性の移動を示す図である。図5において、縦軸にB−G(Y)、横軸にR−G(Y)を示し、R,G,Bの色の3原色に対する比率で示される色のずれの方向および位置を示す。
【0054】
一般に、すべての波長における光源の強さを表す分布を外光分光分布L(λ)、すべての波長における物体の光の強さを表す特性を物体反射特性ρ(λ)とすると、人間の目や撮像素子におけるすべての波長における光の強さを表す撮像分光特性S(λ)は、以下の数1式の関係がある。
【0055】
【数1】
S(λ)=L(λ)×ρ(λ)
【0056】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が矢印で示す色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0057】
光源が外部光源の分光分布L(λ)のほかに既知光源の分光分布L’(λ)を含めて2種類ある場合には、撮像分光特性S’(λ)は、以下の数2式の関係となる。
【0058】
【数2】
S’(λ)={L(λ)+L’(λ)}×ρ(λ)
【0059】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源のほかに既知光源分光分布L’(λ)を有する既知光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S’(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が外光分光分布L(λ)および既知光源分光分布L’(λ)を有する2つの光源に基づく色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0060】
検波部10は取得した画像の撮像信号を検波して測定することにより、撮像素子3の色フィルタ特性に応じた特定波長における、人間の目や撮像素子におけるすべての波長における光の強さを表す撮像素子分光特性S(λ)、S’(λ)を求めることが可能となる。
【0061】
ここで、外部光源の分光分布L(λ)、既知光源の分光分布L’(λ)とすると、既知光源の被写体への照射時では、撮像素子分光特性S’(λ)は、以下の数3式の関係となる。
【0062】
【数3】
S’(λ)=L(λ)×ρ(λ)+L’(λ)×ρ(λ)
【0063】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源のほかに既知光源分光分布L’(λ)を有する既知光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S’(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が第1項目のL(λ)×ρ(λ)と第2項目のL’(λ)×ρ(λ)に基づく色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0064】
また、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源のみが照射された場合では撮像素子分光特性S(λ)は、数4式の関係となる。
【0065】
【数4】
S(λ)=L(λ)×ρ(λ)
【0066】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が矢印で示す色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0067】
従って、外部光源の分光分布L(λ)を無視できる程度に、既知光源の分光分布L’(λ)が強力であれば、撮像素子分光特性S’(λ)は、以下の数5式の関係とみなすことができる。
【0068】
【数5】
S’(λ)=L’(λ)×ρ(λ)
【0069】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に既知分光分布L’(λ)を有する既知光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S’(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が矢印で示す色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0070】
すなわち、被写体に照射される既知光源が外部光源に対して十分強力な場合には、外部光源による被写体への照射の影響を無視できると考えられ、被写体に照射される既知光源の影響のみとなる。
【0071】
物体の色は、物体に光が照射され、物体が光源の特定の成分を吸収し、それ以外の成分を反射し、その反射光を人間の目や撮像素子が感知して決まるものである。すなわち、物体の色は照明光源の分光特性によって変化するから、デジタルカメラ28に装着されたレーザー光などの既知光源照射部4の既知光源の分光分布L’(λ)を予め作成しておくようにする。この光源の分光分布L’(λ)をCPU16が既知光源データベース24に保存する。
【0072】
ここで、検波部10が、既知光源の被写体への照射時での、撮像素子分光特性S’(λ)を測定すれば、既知光源の分光分布L’(λ)は既知であるため、CPU16の分析手段18は、物体の反射特性ρ(λ)を求めることができ、結果として、分析手段18は被写体の照射部分の正確な色を判断することができる。また、求められた物体の反射特性ρ(λ)もCPU16が既知光源データベース24に保存する。測定された撮像素子分光特性S’(λ)をCPU16が測定特性データベース25に保存する。
【0073】
そして、外部光源のみでは、数4式の関係であるので、検波部10が撮像素子分光特性S(λ)を測定すれば、分析手段18により物体の反射特性ρ(λ)が求められているので、推定手段21は外部光源の分光分布L(λ)を求めることができる。
【0074】
ここで、画像データのフレーム毎に求めた外部光源の分光分布L(λ)と既知光源データベース24に保存されている既存の光源の分光特性のデータベースとを既知光源データベース比較部20が照合することにより、後述するように、外部光源の分光分布L(λ)を特定することが可能となる。
【0075】
また、有彩色検出に限らず、無彩色検出の場合でも、既知光源照射部4の既知光源の色が特定できれば、色の選別精度が向上するので、外部光源を特定する精度を向上させることができる。
【0076】
また、既知光源よりも外部光源の光が強く、外部光源による外光を無視できない場合においても、既知光源照射部4において、例えば、レーザーポインタと同等の出力の指向性の強い光源(例えば、レーザー光)で、被写体に部分照射をすることにより、既知光源の分光分布L’(λ)が外部光源の分光分布L(λ)を無視できない程度に弱くなることはないので、上述した既知光源の被写体への照射時の数3式と外部光源のみの数4式を求めることができる。
【0077】
従って、撮像素子分光特性S(λ)および撮像素子分光特性S’(λ)は、以下の数6式の関係となる。
【0078】
【数6】
S’(λ)−S(λ)=L’(λ)×ρ(λ)
【0079】
ここで、ステップS3−1でCPU16の分析手段18は、検波部10により検波された検波結果を既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の差を既知光源照射前後差分取得部19により取ることにより分析する。また、後述するように、推定手段21は、分析手段18により被写体の反射特性を判断した後に外部光源の推定をする。
【0080】
既知光源の分光分布L’(λ)は既知であるため、分析手段18により物体の反射特性ρ(λ)が分かり、結果として、色の特定が可能となる。分析手段18により物体の反射特性ρ(λ)が分かれば、検波部10により外部光源の分光分布L(λ)のみにおける撮像素子分光特性S(λ)を測定することにより、上述した数4式の関係から、推定手段21は外部光源の分光分布L(λ)の特性を求めることができる。
【0081】
すなわち、強力ではないが外部光源を排除できない場合でも、ステップS3−1で既知光源による被写体への部分照射により照射後と照射前の検波結果とで既知光源照射前後差分取得部19により同一画素の差異さえ取ることができれば、照射後の検波結果の差分は、既知光源による影響であることから、予め検波部10で測定して既知光源データベース24に保存してある既知光源特性の分光分布L’(λ)と検波結果の差分とを既知光源データベース比較部20が比較することにより、分析手段18は正確に反射特性の推定が可能となる。その結果、推定手段21は従来よりも正確に光源の推定が可能となる。
【0082】
また、外部光源に対して追加照射する既知光源も、撮像素子のどれかの色フィルタ特性で感知することができる成分を持っていれば、この場合精度が落ちることを容認すれば、他色の成分をもっていなくてもかまわない。すなわち、単波長のレーザー光を用いる場合には、使用する撮像素子が感知して測定できる波長のレーザー光が必要となる。
【0083】
また、従来は、「白と思われる」画素のR,G,Bの3色成分の検波結果から光源を推定していたが、本実施の形態では分析手段18は既知光源により物体の色を表す反射特性の特定が可能なので、被写体が単一色成分しか持たなくても、その色の各波長成分が外光により変化させられているか否かを知ることができるので、これにより、推定手段21はより正確に光源の推定を行うことが可能になる。
【0084】
ステップS3−2で検波部10は、取得した画像データからホワイトバランス制御信号CWBを作成するために検波処理を行い、分析手段18は、画素の色(白など)の推定を行う。例えば、CPU16の分析手段18は、本来「白かった」部分を画素の輝度情報や色情報等を用いて推定し、ステップS4で、検波部10は、条件にあった画素に関して制御信号内のR,G,B成分を抽出し、ステップS5で、検波部10は、色成分別の積分を行う。
【0085】
ステップS6で、検波部10による検波結果のR,G,Bの比率は、本来の「白」である比率から外部光源によって比率がずらされているので、CPU16の推定手段21における測定特性データベース比較部22は、画像データのフレーム毎に検波部10の検波結果と測定特性データベース25との比較を行い、推定手段21はその変化量から外部光源を推定する。
【0086】
ステップS6で、CPU16の推定手段21は、外部光源の推定を行うことにより、ステップS7で、CPU16のホワイトバランス制御部17は、画像データのフレーム毎に最適なホワイトバランス制御信号CWBのパラメータを決定することができるので、ステップS8で、CPU16のホワイトバランス制御部17は、画像データのフレーム毎にこのホワイトバランス制御信号CWBのパラメータを用いてホワイトバランス処理部9にホワイトバランス補正処理9を施すことができる。
【0087】
従来、未知光源、未知物体色を表す反射特性と2種の不確定な要素に対して、色の推定による反射特性の推定と光源の推定の両方を行っていたために誤推定が生じていた。
【0088】
上述した本実施の形態によれば、未知光源、未知物体色を表す反射特性と2種の不確定な要素に対して、既知光源を用いることにより、物体色を表す反射特性の推定をより正確に行うことが可能となり、不確定要素を減少させ、より正確な光源の推定を行うことが可能となった。その結果、より正確なオートホワイトバランス機能を実現することができるようになった。
【0089】
上述した本実施の形態によれば、撮像部1に、指向性のある複数種類の既知の分光特性(R,G,B、白等)の光を照射することができるレーザーなどの既知光源照射部4を設け、被写体の一部に重点的に光スポットを照射し、照射前と照射後の画像データを撮像し、ウインドウ42で示される光スポットが照射された特定の画素部分を検波し、もしくは拡大ウインドウ43で示される特定の拡大された範囲を検波して平均値をとって、照射前と照射後のその検波結果を比較したり、差分を分析したり、既知分光特性や、各種光源の被写体となる物体への吸収と反射の特性等と照合したりすることにより、物体の反射特性となる色を正確に分析、推定して判断することができる。
【0090】
その結果、ワイトバランス処理部9に対するホワイトバランス制御信号CWBを用いたホワイトバランス補正の処理において、光源の正確な推定により、より正確な補正が可能となり、より正確な色再現を実現することができる。
【0091】
また、従来の「白」を基準としなくても、物体の色が特定できるので、単色の被写体でも、その色がどの方向にずれているかを分析することにより、光源の推定が可能となり、より正確な色再現を実現することができる。
【0092】
また、デジタルカメラの自動焦点調整機構や自動輝度調整機構の動作時に、上述した本実施の形態の撮像素子によるウインドウを作成し、検波結果を分析して、光源の推定、特定をした後に、ホワイトバランス処理部9に対するホワイトバランス制御信号CWBを用いたホワイトバランス補正の処理を行うようにしてもよい。また、既知光源照射部4から被写体へ光スポットを照射する前の前回のフレームデータと照射後の今回のフレームデータとを比較して検波結果を分析するようにしてもよい。
【0093】
また、上述した撮像素子分光特性S(λ)および撮像素子分光特性S’(λ)の測定時にのみ既知光源照射部4から被写体へ光スポットを照射するようにしてもよい。
【0094】
上述した本実施の形態に限らず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲であれば、他の構成を採用することによりこれによる動作により上述した効果を奏することができるのはいうまでもない。
【0095】
【発明の効果】
この発明の撮像装置は、ホワイトバランス制御部において外部光源の判断に基づいてホワイトバランス制御信号を作成し上記ホワイトバランス制御信号によるホワイトバランス処理部に対する制御により、撮像信号のホワイトバランスを調整しながら動画像及び静止画像を撮像する撮像装置において、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する照射手段と、上記照射手段による被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像手段と、上記撮像手段により撮像された上記照射手段による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を上記照射手段による被写体への照射前と照射後の差を取ることにより検波する検波手段と、上記検波手段により検波された検波結果を分析する分析手段と、上記分析手段により被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定手段とを備えたので、既知光源による照射前と照射後の差を取ることにより、既知光源が極端に強くなくて外部光源を無視できない場合や、既知光源よりも外部光源の光が強く、外部光源による外光を無視できない場合においても、既知光源の特性や測定された特性を分析し、外部光源の特性を推定して判断することができ、また、既知光源により被写体への部分照射をすることにより、部分的な画素面積の検波結果を用いて外部光源を分析、推定するための演算を減少させることができるという効果を奏する。
【0096】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記照射手段における既知光源の既知分光特性および各色における被写体の反射特性と上記検波結果を比較して上記検波結果を分析し、上記推定手段は、予め測定された分光特性と上記検波結果を比較して上記外部光源を推定するので、既知光源の分光分布は既知であるため、物体の反射特性が分かり、色の特定が可能となると共に、色の変化量から外部光源を推定することができるという効果を奏する。
【0097】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記既知光源は、複数のレーザー光を用いた場合には、その色がどの方向にずれているかを分析することにより、光源の推定が可能となり、より正確な色再現を実現することができるという効果を奏する。
【0098】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記既知光源は、上記撮像手段の撮像感度に適合する分光特性を有するので、撮像手段は既知光源の分光特性を測定するための有効な感度の撮像データを出力することができるという効果を奏する。
【0099】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記既知光源は、上記撮像手段の撮像素子のフィルタ周波数内であるので、撮像手段は既知光源の分光特性を測定するための有効なフィルタ周波数内の撮像データを出力することができるという効果を奏する。
【0100】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記撮像手段は、上記照射手段により被写体に照射された1点のスポットに対応するウインドウ部分の画素範囲を撮像するので、既知光源により光スポットを絞って被写体への部分照射をすることにより、少ないウインドウ部分の画素面積の検波結果を用いて外部光源を分析、推定するための演算を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【0101】
また、この発明のホワイトバランス補正方法は、撮像装置における動画像及び静止画像を撮像する際にホワイトバランス制御部において外部光源の判断に基づいてホワイトバランス制御信号が作成され上記ホワイトバランス制御信号によるホワイトバランス処理部に対する制御により、撮像信号のホワイトバランスを補正するホワイトバランス補正方法において、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する既知光源照射ステップと、上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像ステップと、上記撮像ステップにより撮像された上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波する検波ステップと、上記検波ステップにより検波された検波結果を上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析する分析ステップと、上記分析ステップにより被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定ステップとを備えたので、既知光源による照射前と照射後の差を取ることにより、既知光源が極端に強くなくて外部光源を無視できない場合や、既知光源よりも外部光源の光が強く、外部光源による外光を無視できない場合においても、既知光源の特性や測定された特性を分析し、外部光源の特性を推定して判断することができ、また、既知光源により被写体への部分照射をすることにより、部分的な画素面積の検波結果を用いて外部光源を分析、推定するための演算を減少させることができるという効果を奏する。
【0102】
また、この発明のホワイトバランス補正方法は、上述において、自動焦点調整機構または自動輝度調整機構の動作時に、上記各ステップの処理を行うので、撮像に先だって行われる自動焦点調整または自動輝度調整の動作を行うと同時に、ホワイトバランス補正の処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用されるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のホワイトバランス補正方法を示すフローチャートである。
【図3】既知光源の被写体への照射を示す図である。
【図4】撮像部のウインドウを示す図である。
【図5】光源による物体反射特性の移動を示す図である。
【図6】従来のデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図7】従来のホワイトバランス補正方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……撮像部、2……レンズ、3……撮像素子、4……既知光源照射部、5……LSI、6……撮像信号処理部1、7……A/D変換回路、8……撮像信号処理部2、9……ホワイトバランス処理部、10……検波部、11……撮像信号処理部3、12……圧縮及び変換処理部、13……記録処理部、14……表示処理部、15……メモリ、16……CPU、17……ホワイトバランス制御部、18……分析手段、19……既知光源照射前後差分取得部、20……既知光源データベース比較部、21……推定手段、22……測定特性データベース比較部、23……メモリ、24……既知光源データベース、25……測定特性データベース、26……記録媒体、27……モニター、28……デジタルカメラ、31……被写体、32……既知光源照射ポイント、41……フレーム画像、42……ウインドウ、43……拡大ウインドウ、S(λ)……撮像素子分光特性、S’(λ)……撮像素子分光特性、L(λ)……外部光源分光分布、L’(λ)……既知光源分光分布、ρ(λ)……物体反射特性
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、デジタルカメラやビデオカメラなどに適用されるホワイトバランス調整機能を有する撮像装置およびホワイトバランス補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のホワイトバランス調整機能を有していないデジタルカメラやビデオカメラを用いて外部光源下で被写体を撮影した場合に、例えば、外部光源として蛍光灯下で被写体を撮影すると被写体は全体に緑っぽい色見になり、外部光源として白熱電球下で被写体を撮影すると被写体は全体に赤っぽい色見になる。このように、外部光源として蛍光灯、白熱電球および自然光の太陽光といった光源によって色温度特性が違うため、同じ被写体を撮影しても被写体の色が変わってしまう。
【0003】
人間の場合には、光源が違っていても、その違いを頭の中で上手に補正して色を感じることができる。ところが、CCD(固体撮像素子)等の撮像素子を用いた撮像装置は、このような補正を行うことができないので、結果として、見た色と違った画像となる。
【0004】
そこで、人間が被写体を見て、光源が違っても違和感がないように補正するための機能がデジタルカメラやビデオカメラに備わっている。つまり、どの光源下で被写体を撮影しても、自動的に自然な色になるように、光源によって変化する色のバランスを調整する機能がデジタルカメラやビデオカメラに備わっている。
【0005】
この機能は、どんな光源で被写体を照らしても、白い被写体を適正に白く写るように調整する機能であることから、この機能は「ホワイトバランス」と呼ばれている。また、その補正を自動的に行う機能を「オートホワイトバランス」と呼んでいる。しかし、このオートホワイトバランス機能は、まだまだ発展途上の技術であるため、完全に補正することができないどころか、ときには間違った補正をすることがある。
【0006】
図6に、従来の一般的なデジタルカメラの構成を示す。
このデジタルカメラ28は、撮像部1と、LSI(Large Scale Integration)5と、メモリ15と、CPU(Central Processing Unit)16と、記録媒体26と、LCD(LiquidCrystal Display)などのモニター27とを備えている。LSI5は、撮像信号処理部(1)6と、A/D(Analog to Digital)変換回路7と、撮像信号処理部(2)8と、ホワイトバランス処理部9と、撮像信号処理部(3)11と、圧縮および変換処理部12と、検波部10と、記録処理部13および表示処理部14とを有して構成される。
【0007】
CPU16は、変化する光源に応じてホワイトバランスを追従動作させるためのホワイトバランス制御信号CWBの作成機能と同信号の出力機能を司るホワイトバランス制御部17を有している。ホワイトバランス制御部17は、上述したホワイトバランス制御信号CWBに基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整機能を有している。
【0008】
撮像部1は、レンズ2および撮像素子3を備えている。撮像部1はレンズ2を介して被写体を撮像して、撮像素子3から撮像信号を出力する。例えば、撮像素子3はCCD(Charge Coupled Device)やCOMS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサーで構成される。撮像部1から出力された撮像信号は、撮像信号処理部(1)6に入力される。
【0009】
撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。例えば、撮像信号処理部(1)6は、サンプルホールド回路やAGC(Automatic Gain Control)回路を備えていて、撮像信号のサンプリング及びゲイン調整を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、撮像信号処理部(2)8及び検波部10に入力される。
【0010】
検波部10は、撮像信号中のホワイトバランス制御用の成分検出を行う。例えば、制御信号内のR,G,B成分を抽出し、検波する。
【0011】
CPU16は、デジタルカメラ28を構成する各構成部の制御を行う制御手段であって、その一機能により上述した検波部10の検波結果に基づいて、現在の入射光、すなわち現在の光源の判断を行う。その判断に基づいてホワイトバランス制御信号CWBを作成し、出力する。
【0012】
ホワイトバランス処理部9は、CPU16のホワイトバランス制御部17からのホワイトバランス制御信号CWBに基づいてホワイトバランスを調整する。ホワイトバランス処理部9におけるホワイトバランスの調整は、例えば制御信号に応じてR,G,Bそれぞれの色成分のゲインを調整するものであって、撮像信号処理部(2)8から出力されてくる撮像信号のR,G,B成分の振幅をそれぞれ増減させるものである。
【0013】
例えば、動画撮影時には、オートホワイトバランスの制御中においては、光源に応じて、CPU16のホワイトバランス制御部17から連続してホワイトバランス制御信号CWBが出力されるので、ホワイトバランス処理部9は、そのようなホワイトバランス制御信号CWBに応じてホワイトバランスを連続的に調整する。
【0014】
ホワイトバランス処理部9により、R,G,B等のゲイン調整された撮像信号は、撮像信号処理部(3)11に入力される。撮像信号処理部(3)11は、撮像信号に対して、ガンマ処理、及び色差マトリクス処理、解像度変換等の信号処理を行う。また、撮像信号処理部(3)11は、撮像信号を輝度信号及び色差信号に変換する。撮像信号処理部(3)11において信号処理された信号は、圧縮及び変換処理部12に入力される。
【0015】
圧縮及び変換処理部12は、輝度及び色差信号を圧縮処理や出力に適した信号に変換する。圧縮及び変換処理部12により処理された信号は、記録処理部13及び表示処理部14に入力される。
【0016】
記録処理部13では、圧縮及び変換処理部12で処理された撮像信号は、固体メモリや磁気ディスク等の記録媒体26に画像ファイルとして書き込まれる。
表示処理部14では、圧縮及び変換処理部12で処理された撮像信号は、さらに映像信号に変換され、液晶ディスプレイやテレビモニターなどのモニター27に表示される。
【0017】
上述したように、デジタルカメラ28は、CPU16のホワイトバランス制御部17からのホワイトバランス制御信号CWBによるホワイトバランス処理部9に対する制御により、撮像信号のホワイトバランスを調整しながら動画像及び静止画像を撮像している。そして、デジタルカメラ28は、CPU16により光源を自動判別した結果としての撮影モードに応じてホワイトバランスの制御を異ならせ、CPU16により推定した光源が正確であれば、各撮影モードにおいて最適と思われる画像を得ることができる。
【0018】
次に、光源の推定について詳しく説明する。
人間の感じる色は、「物そのものの色(反射特性)」と「光源の特性」によって決まることは、上述した通りである。
【0019】
従来、オートホワイトバランスを行うために、光源の推定が必要であった。光源を推定するために、被写体を撮像した画像データから情報を検波して抜き出す。
【0020】
一般的に、ホワイトバランスの「白いもの」をきちんと「白く」補正するため、CCDに入力された被写体の画像情報から、本来「白かった」部分を推定し、その部分を積分し、その結果から光源を推定する。そして、本来の「白」になるようにR,G,Bの色の3原色に対して、ゲインをかけて、レベルを調整して、バランスを補正している。
【0021】
本来「白かった」部分を推定するのに、輝度情報や色情報から選別したりするが、すべての色を混ぜると白になることから全情報を混ぜることによって本来白かった部分の代用としたりすることもあった。
【0022】
しかし、本来「白かった」部分がR,G,Bの比率に対してどの色の方向にずれたのか分からないので、「白でなかった」部分、例えば、薄いグレーとかクリーム色を白と思いこみ、ホワイトバランス補正により、「白」に引き込んでしまうという誤った補正をしてしまうことがあった。
【0023】
また、森や青空、リンゴなど白色が存在しない被写体の場合は、正確に補正することが困難となる。これは、被写体本来の色と光源特性の両方が分からないので、色の推定と光源の推定の両方を行わなければならないために生じる問題だからである。
【0024】
図7は、従来のホワイトバランス補正方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS11で、被写体を撮像した画像データを取得する。具体的には、撮像部1の撮像素子3は光学系のレンズ2を介して被写体を撮像し、撮像信号を出力する。撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、撮像信号処理部(2)8及び検波部10に入力される。
【0025】
ステップS12で、検波部10は、取得した画像データからホワイトバランス制御信号を作成するために検波処理を行い、画素の色(白など)の推定を行う。例えば、検波部10は、本来「白かった」部分を画素の輝度情報や色情報等を用いて推定し、ステップS13で、検波部10は、条件にあった画素に関して制御信号内のR,G,B成分を抽出し、ステップS14で、検波部10は、色成分別の積分を行う。
【0026】
ステップS15で、検波部10による検波結果のR,G,Bの比率は、本来の「白」である比率から外部光源によって比率がずらされているので、CPUは、その変化量から外部光源を推定する。
【0027】
ステップS15で、CPU16は、外部光源の推定を行うことにより、ステップS16で、CPU16は、最適なホワイトバランスのパラメータを決定することができるので、ステップS17で、CPU16は、このパラメータを用いてホワイトバランスの補正をかけることができる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のホワイトバランス補正方法では、ステップS12で検波部10により検波したい画素の色の推定が誤っていた場合、検波部10により積分したくない画素もステップS13の選別の誤判定により検波部10により積分されてしまうことになる。これを繰り返すことにより、ステップS14で検波部10による色成分別の積分を行う際に誤差が累積されることになる。ステップS15で、検波部10による検波結果は希望していたものと異なっているので、CPU16は、この検波結果を用いて外部光源を推定すると、当然に光源を間違えて推定してしまうことになる。この結果、ステップS16で、CPU16は、誤った補正パラメータを算出するので、ステップS17で、CPU16は、この誤った補正パラメータを用いて見当はずれのホワイトバランスの補正をかけることになるという不都合があった。
【0029】
また、リンゴ等の白成分をほとんど含まない単色な被写体の場合には、白検出を用いた従来のホワイトバランス補正方法では、ホワイトバランスのズレを検出できないので、正確な光源の推定を行うことが困難となるという不都合があった。
【0030】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、光源の推定を正確に行い、正確なオートホワイトバランス機能を実現することにより、正確な色再現を実現することができる撮像装置およびホワイトバランス補正方法を提供することを課題とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する照射手段と、上記照射手段による被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像手段と、上記撮像手段により撮像された上記照射手段による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波する検波手段と、上記検波手段により検波された検波結果を上記照射手段による被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析する分析手段と、上記分析手段により被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定手段とを備えたものである。
【0032】
また、本発明のホワイトバランス補正方法は、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する既知光源照射ステップと、上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像ステップと、上記撮像ステップにより撮像された上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波する検波ステップと、上記検波ステップにより検波された検波結果を上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析する分析ステップと、上記分析ステップにより被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定ステップとを備えたものである。
【0033】
従って本発明によれば、以下の作用をする。
照射手段は指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射するように作用する。撮像手段は照射手段による被写体への照射前の外部光源のみと照射後の既知光源および外部光源とにより被写体の一部を撮像するように作用する。検波手段は撮像手段により撮像された照射手段による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波するように作用する。分析手段は検波手段により検波された検波結果を照射手段による被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析するように作用する。推定手段は分析手段により被写体の反射特性を判断して外部光源の推定をするように作用する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明の実施の形態に適用されるデジタルカメラの構成を示す。図1において、図6に示した従来のデジタルカメラに対応する部分には同一の符号を付してある。
【0035】
このデジタルカメラ28は、撮像部1と、既知光源照射部4と、LSI5と、メモリ15と、CPU16と、メモリ23と、記録媒体26と、LCDなどのモニター27とを備えている。LSI5は、撮像信号処理部(1)6と、A/D変換回路7と、撮像信号処理部(2)8と、ホワイトバランス処理部9と、撮像信号処理部(3)11と、圧縮および変換処理部12と、検波部10と、記録処理部13および表示処理部14とを有して構成される。
【0036】
ここで、特に本発明の実施の形態では、デジタルカメラ28は以下の構成を有している。
図3は、既知光源の被写体への照射を示す図である。
既知光源照射部4は、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体31の一部の既知光源照射ポイント32を照射するように構成される。ここで、既知光源は、複数の例えばR,G,Bの3本またはR,G,Bのうちのいずれか2本のレーザー光を用いるように構成される。また、既知光源は、撮像部1の撮像素子3の撮像感度に適合する分光特性を有するように構成される。また、既知光源は、撮像部1の撮像素子3のフィルタ周波数内であるように構成される。
【0037】
CPU16は、変化する光源に応じてホワイトバランスを追従動作させるためのホワイトバランス制御信号CWBの作成機能と同信号の出力機能を司るホワイトバランス制御部17を有している。ホワイトバランス制御部17は、上述したホワイトバランス制御信号CWBに基づいてホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整機能を有している。
【0038】
また、CPU16は、検波部10により検波された検波結果を既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の差を既知光源照射前後差分取得部19により取ることにより分析する分析手段18と、分析手段18により被写体の反射特性を判断して外部光源の推定をする推定手段21とを有して構成される。また、分析手段21は、既知光源照射部4における既知光源の既知分光特性、各色における被写体の反射特性と照合することにより検波結果を分析する既知光源データベース比較部20とを有して構成される。また、推定手段21は、予め測定された分光特性と検波結果を比較して光源を推定する測定特性データベース比較部23を有して構成される。
【0039】
また、メモリ23は、既知光源照射部4における既知光源の既知分光特性および各色における被写体の反射特性を記憶した既知光源データベース24と、予め測定された各種光源の分光特性を記憶した測定特性データベース25とを有して構成される。
【0040】
図4は、撮像部のウインドウを示す図である。
撮像部1は、レンズ2および撮像素子3を備えている。また、撮像部1は、既知光源照射部4による被写体への照射前の外部光源のみの状態と照射後の既知光源および外部光源の状態において被写体の一部を撮像するように構成される。撮像部1はレンズ2を介して被写体を撮像して、撮像素子3から撮像信号を出力する。例えば、撮像素子3はCCDやCOMSイメージセンサーで構成される。撮像部1から出力された撮像信号は、撮像信号処理部(1)6に入力される。
【0041】
ここで、撮像部1は、撮像信号に基づくフレーム画像41上で既知光源照射部4により被写体に照射された1点のスポット状の既知光源照射ポイント32に対応するウインドウ42部分の画素範囲を撮像するように構成される。このフレーム画像41上のウインドウ42の画素範囲は、例えば、2画素×2画素などを指定する。また、被写体に対応して、このフレーム画像41上のウインドウ42よりも広い画素範囲の拡大ウインドウ43を指定して、その広い画素範囲の拡大ウインドウ43の画素値の平均値を得るようにしても良い。
【0042】
撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。例えば、撮像信号処理部(1)6は、サンプルホールド回路やAGC(Automatic Gain Control)回路を備えていて、撮像信号のサンプリング及びゲイン調整を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、撮像信号処理部(2)8及び検波部10に入力される。
【0043】
検波部10は、撮像信号中のホワイトバランス制御用の成分検出を行う。例えば、制御信号内のR,G,B成分を抽出し、検波する。また、検波部10は、撮像部1により撮像された既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波するように構成される。
【0044】
CPU16は、デジタルカメラ28を構成する各構成部の制御を行う制御手段であって、その一機能により上述した検波部10の検波結果に基づいて、現在の入射光、すなわち現在の光源の判断を行う。その判断に基づいてホワイトバランス制御信号CWBを作成し、出力する。
【0045】
ホワイトバランス処理部9は、CPU16のホワイトバランス制御部17からのホワイトバランス制御信号CWBに基づいてホワイトバランスを調整する。ホワイトバランス処理部9におけるホワイトバランスの調整は、例えば制御信号に応じてR,G,Bそれぞれの色成分のゲインを調整するものであって、撮像信号処理部(2)8から出力されてくる撮像信号のR,G,B成分の振幅をそれぞれ増減させるものである。
【0046】
例えば、動画撮影時には、オートホワイトバランスの制御中においては、光源に応じて、CPU16のホワイトバランス制御部17から連続してホワイトバランス制御信号CWBが出力されるので、ホワイトバランス処理部9は、そのようなホワイトバランス制御信号CWBに応じてホワイトバランスを連続的に調整する。
【0047】
ホワイトバランス処理部9により、R,G,B等のゲイン調整された撮像信号は、撮像信号処理部(3)11に入力される。撮像信号処理部(3)11は、撮像信号に対して、ガンマ処理、及び色差マトリクス処理、解像度変換等の信号処理を行う。また、撮像信号処理部(3)11は、撮像信号を輝度信号及び色差信号に変換する。撮像信号処理部(3)11において信号処理された信号は、圧縮及び変換処理部12に入力される。
【0048】
圧縮及び変換処理部12は、輝度及び色差信号を圧縮処理や出力に適した信号に変換する。圧縮及び変換処理部12により処理された信号は、記録処理部13及び表示処理部14に入力される。
【0049】
記録処理部13では、圧縮及び変換処理部12で処理された撮像信号は、固体メモリや磁気ディスク等の記録媒体26に画像ファイルとして書き込まれる。
表示処理部14では、圧縮及び変換処理部12で処理された撮像信号は、さらに映像信号に変換され、液晶ディスプレイやテレビモニターなどのモニター27に表示される。
【0050】
図2は本実施の形態に適用されるホワイトバランス補正方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS1で、被写体を撮像した通常画像データを取得する。具体的には、撮像部1の撮像素子3は光学系のレンズ1を介して被写体を撮像し、撮像信号を出力する。撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、撮像信号処理部(2)8及び検波部10に入力される。
【0051】
ステップS2で、既知光源で照射された被写体の一部を撮像した既知光源照射画像データを取得する。具体的には、撮像部1の撮像素子3は光学系のレンズ2を介して既知光源照射部4からの既知光源で照射された被写体の一部を撮像し、撮像信号を出力する。撮像信号処理部(1)6は、撮像部1から出力されてくる撮像信号について各種信号処理を行う。撮像信号処理部(1)6において信号処理された撮像信号は、A/D変換回路7に入力され、デジタル信号に変換される。デジタル変換された撮像信号は、検波部10に入力される。
【0052】
ステップS3で、検波部10は、既知光源の光が照射された被写体の部分を含む領域を、照射有りの場合と無い場合とで検波を行う。
【0053】
図5は、光源による物体反射特性の移動を示す図である。図5において、縦軸にB−G(Y)、横軸にR−G(Y)を示し、R,G,Bの色の3原色に対する比率で示される色のずれの方向および位置を示す。
【0054】
一般に、すべての波長における光源の強さを表す分布を外光分光分布L(λ)、すべての波長における物体の光の強さを表す特性を物体反射特性ρ(λ)とすると、人間の目や撮像素子におけるすべての波長における光の強さを表す撮像分光特性S(λ)は、以下の数1式の関係がある。
【0055】
【数1】
S(λ)=L(λ)×ρ(λ)
【0056】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が矢印で示す色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0057】
光源が外部光源の分光分布L(λ)のほかに既知光源の分光分布L’(λ)を含めて2種類ある場合には、撮像分光特性S’(λ)は、以下の数2式の関係となる。
【0058】
【数2】
S’(λ)={L(λ)+L’(λ)}×ρ(λ)
【0059】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源のほかに既知光源分光分布L’(λ)を有する既知光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S’(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が外光分光分布L(λ)および既知光源分光分布L’(λ)を有する2つの光源に基づく色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0060】
検波部10は取得した画像の撮像信号を検波して測定することにより、撮像素子3の色フィルタ特性に応じた特定波長における、人間の目や撮像素子におけるすべての波長における光の強さを表す撮像素子分光特性S(λ)、S’(λ)を求めることが可能となる。
【0061】
ここで、外部光源の分光分布L(λ)、既知光源の分光分布L’(λ)とすると、既知光源の被写体への照射時では、撮像素子分光特性S’(λ)は、以下の数3式の関係となる。
【0062】
【数3】
S’(λ)=L(λ)×ρ(λ)+L’(λ)×ρ(λ)
【0063】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源のほかに既知光源分光分布L’(λ)を有する既知光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S’(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が第1項目のL(λ)×ρ(λ)と第2項目のL’(λ)×ρ(λ)に基づく色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0064】
また、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源のみが照射された場合では撮像素子分光特性S(λ)は、数4式の関係となる。
【0065】
【数4】
S(λ)=L(λ)×ρ(λ)
【0066】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に外光分光分布L(λ)を有する外部光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が矢印で示す色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0067】
従って、外部光源の分光分布L(λ)を無視できる程度に、既知光源の分光分布L’(λ)が強力であれば、撮像素子分光特性S’(λ)は、以下の数5式の関係とみなすことができる。
【0068】
【数5】
S’(λ)=L’(λ)×ρ(λ)
【0069】
つまり、図5に示すように、物体反射特性ρ(λ)を持った被写体に既知分光分布L’(λ)を有する既知光源が照射されたときには、撮像部1の撮像素子3で撮像される撮像分光特性S’(λ)は、物体反射特性ρ(λ)の位置が矢印で示す色の位置に移動されるものとなることを示している。
【0070】
すなわち、被写体に照射される既知光源が外部光源に対して十分強力な場合には、外部光源による被写体への照射の影響を無視できると考えられ、被写体に照射される既知光源の影響のみとなる。
【0071】
物体の色は、物体に光が照射され、物体が光源の特定の成分を吸収し、それ以外の成分を反射し、その反射光を人間の目や撮像素子が感知して決まるものである。すなわち、物体の色は照明光源の分光特性によって変化するから、デジタルカメラ28に装着されたレーザー光などの既知光源照射部4の既知光源の分光分布L’(λ)を予め作成しておくようにする。この光源の分光分布L’(λ)をCPU16が既知光源データベース24に保存する。
【0072】
ここで、検波部10が、既知光源の被写体への照射時での、撮像素子分光特性S’(λ)を測定すれば、既知光源の分光分布L’(λ)は既知であるため、CPU16の分析手段18は、物体の反射特性ρ(λ)を求めることができ、結果として、分析手段18は被写体の照射部分の正確な色を判断することができる。また、求められた物体の反射特性ρ(λ)もCPU16が既知光源データベース24に保存する。測定された撮像素子分光特性S’(λ)をCPU16が測定特性データベース25に保存する。
【0073】
そして、外部光源のみでは、数4式の関係であるので、検波部10が撮像素子分光特性S(λ)を測定すれば、分析手段18により物体の反射特性ρ(λ)が求められているので、推定手段21は外部光源の分光分布L(λ)を求めることができる。
【0074】
ここで、画像データのフレーム毎に求めた外部光源の分光分布L(λ)と既知光源データベース24に保存されている既存の光源の分光特性のデータベースとを既知光源データベース比較部20が照合することにより、後述するように、外部光源の分光分布L(λ)を特定することが可能となる。
【0075】
また、有彩色検出に限らず、無彩色検出の場合でも、既知光源照射部4の既知光源の色が特定できれば、色の選別精度が向上するので、外部光源を特定する精度を向上させることができる。
【0076】
また、既知光源よりも外部光源の光が強く、外部光源による外光を無視できない場合においても、既知光源照射部4において、例えば、レーザーポインタと同等の出力の指向性の強い光源(例えば、レーザー光)で、被写体に部分照射をすることにより、既知光源の分光分布L’(λ)が外部光源の分光分布L(λ)を無視できない程度に弱くなることはないので、上述した既知光源の被写体への照射時の数3式と外部光源のみの数4式を求めることができる。
【0077】
従って、撮像素子分光特性S(λ)および撮像素子分光特性S’(λ)は、以下の数6式の関係となる。
【0078】
【数6】
S’(λ)−S(λ)=L’(λ)×ρ(λ)
【0079】
ここで、ステップS3−1でCPU16の分析手段18は、検波部10により検波された検波結果を既知光源照射部4による被写体への照射前と照射後の差を既知光源照射前後差分取得部19により取ることにより分析する。また、後述するように、推定手段21は、分析手段18により被写体の反射特性を判断した後に外部光源の推定をする。
【0080】
既知光源の分光分布L’(λ)は既知であるため、分析手段18により物体の反射特性ρ(λ)が分かり、結果として、色の特定が可能となる。分析手段18により物体の反射特性ρ(λ)が分かれば、検波部10により外部光源の分光分布L(λ)のみにおける撮像素子分光特性S(λ)を測定することにより、上述した数4式の関係から、推定手段21は外部光源の分光分布L(λ)の特性を求めることができる。
【0081】
すなわち、強力ではないが外部光源を排除できない場合でも、ステップS3−1で既知光源による被写体への部分照射により照射後と照射前の検波結果とで既知光源照射前後差分取得部19により同一画素の差異さえ取ることができれば、照射後の検波結果の差分は、既知光源による影響であることから、予め検波部10で測定して既知光源データベース24に保存してある既知光源特性の分光分布L’(λ)と検波結果の差分とを既知光源データベース比較部20が比較することにより、分析手段18は正確に反射特性の推定が可能となる。その結果、推定手段21は従来よりも正確に光源の推定が可能となる。
【0082】
また、外部光源に対して追加照射する既知光源も、撮像素子のどれかの色フィルタ特性で感知することができる成分を持っていれば、この場合精度が落ちることを容認すれば、他色の成分をもっていなくてもかまわない。すなわち、単波長のレーザー光を用いる場合には、使用する撮像素子が感知して測定できる波長のレーザー光が必要となる。
【0083】
また、従来は、「白と思われる」画素のR,G,Bの3色成分の検波結果から光源を推定していたが、本実施の形態では分析手段18は既知光源により物体の色を表す反射特性の特定が可能なので、被写体が単一色成分しか持たなくても、その色の各波長成分が外光により変化させられているか否かを知ることができるので、これにより、推定手段21はより正確に光源の推定を行うことが可能になる。
【0084】
ステップS3−2で検波部10は、取得した画像データからホワイトバランス制御信号CWBを作成するために検波処理を行い、分析手段18は、画素の色(白など)の推定を行う。例えば、CPU16の分析手段18は、本来「白かった」部分を画素の輝度情報や色情報等を用いて推定し、ステップS4で、検波部10は、条件にあった画素に関して制御信号内のR,G,B成分を抽出し、ステップS5で、検波部10は、色成分別の積分を行う。
【0085】
ステップS6で、検波部10による検波結果のR,G,Bの比率は、本来の「白」である比率から外部光源によって比率がずらされているので、CPU16の推定手段21における測定特性データベース比較部22は、画像データのフレーム毎に検波部10の検波結果と測定特性データベース25との比較を行い、推定手段21はその変化量から外部光源を推定する。
【0086】
ステップS6で、CPU16の推定手段21は、外部光源の推定を行うことにより、ステップS7で、CPU16のホワイトバランス制御部17は、画像データのフレーム毎に最適なホワイトバランス制御信号CWBのパラメータを決定することができるので、ステップS8で、CPU16のホワイトバランス制御部17は、画像データのフレーム毎にこのホワイトバランス制御信号CWBのパラメータを用いてホワイトバランス処理部9にホワイトバランス補正処理9を施すことができる。
【0087】
従来、未知光源、未知物体色を表す反射特性と2種の不確定な要素に対して、色の推定による反射特性の推定と光源の推定の両方を行っていたために誤推定が生じていた。
【0088】
上述した本実施の形態によれば、未知光源、未知物体色を表す反射特性と2種の不確定な要素に対して、既知光源を用いることにより、物体色を表す反射特性の推定をより正確に行うことが可能となり、不確定要素を減少させ、より正確な光源の推定を行うことが可能となった。その結果、より正確なオートホワイトバランス機能を実現することができるようになった。
【0089】
上述した本実施の形態によれば、撮像部1に、指向性のある複数種類の既知の分光特性(R,G,B、白等)の光を照射することができるレーザーなどの既知光源照射部4を設け、被写体の一部に重点的に光スポットを照射し、照射前と照射後の画像データを撮像し、ウインドウ42で示される光スポットが照射された特定の画素部分を検波し、もしくは拡大ウインドウ43で示される特定の拡大された範囲を検波して平均値をとって、照射前と照射後のその検波結果を比較したり、差分を分析したり、既知分光特性や、各種光源の被写体となる物体への吸収と反射の特性等と照合したりすることにより、物体の反射特性となる色を正確に分析、推定して判断することができる。
【0090】
その結果、ワイトバランス処理部9に対するホワイトバランス制御信号CWBを用いたホワイトバランス補正の処理において、光源の正確な推定により、より正確な補正が可能となり、より正確な色再現を実現することができる。
【0091】
また、従来の「白」を基準としなくても、物体の色が特定できるので、単色の被写体でも、その色がどの方向にずれているかを分析することにより、光源の推定が可能となり、より正確な色再現を実現することができる。
【0092】
また、デジタルカメラの自動焦点調整機構や自動輝度調整機構の動作時に、上述した本実施の形態の撮像素子によるウインドウを作成し、検波結果を分析して、光源の推定、特定をした後に、ホワイトバランス処理部9に対するホワイトバランス制御信号CWBを用いたホワイトバランス補正の処理を行うようにしてもよい。また、既知光源照射部4から被写体へ光スポットを照射する前の前回のフレームデータと照射後の今回のフレームデータとを比較して検波結果を分析するようにしてもよい。
【0093】
また、上述した撮像素子分光特性S(λ)および撮像素子分光特性S’(λ)の測定時にのみ既知光源照射部4から被写体へ光スポットを照射するようにしてもよい。
【0094】
上述した本実施の形態に限らず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲であれば、他の構成を採用することによりこれによる動作により上述した効果を奏することができるのはいうまでもない。
【0095】
【発明の効果】
この発明の撮像装置は、ホワイトバランス制御部において外部光源の判断に基づいてホワイトバランス制御信号を作成し上記ホワイトバランス制御信号によるホワイトバランス処理部に対する制御により、撮像信号のホワイトバランスを調整しながら動画像及び静止画像を撮像する撮像装置において、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する照射手段と、上記照射手段による被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像手段と、上記撮像手段により撮像された上記照射手段による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を上記照射手段による被写体への照射前と照射後の差を取ることにより検波する検波手段と、上記検波手段により検波された検波結果を分析する分析手段と、上記分析手段により被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定手段とを備えたので、既知光源による照射前と照射後の差を取ることにより、既知光源が極端に強くなくて外部光源を無視できない場合や、既知光源よりも外部光源の光が強く、外部光源による外光を無視できない場合においても、既知光源の特性や測定された特性を分析し、外部光源の特性を推定して判断することができ、また、既知光源により被写体への部分照射をすることにより、部分的な画素面積の検波結果を用いて外部光源を分析、推定するための演算を減少させることができるという効果を奏する。
【0096】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記照射手段における既知光源の既知分光特性および各色における被写体の反射特性と上記検波結果を比較して上記検波結果を分析し、上記推定手段は、予め測定された分光特性と上記検波結果を比較して上記外部光源を推定するので、既知光源の分光分布は既知であるため、物体の反射特性が分かり、色の特定が可能となると共に、色の変化量から外部光源を推定することができるという効果を奏する。
【0097】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記既知光源は、複数のレーザー光を用いた場合には、その色がどの方向にずれているかを分析することにより、光源の推定が可能となり、より正確な色再現を実現することができるという効果を奏する。
【0098】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記既知光源は、上記撮像手段の撮像感度に適合する分光特性を有するので、撮像手段は既知光源の分光特性を測定するための有効な感度の撮像データを出力することができるという効果を奏する。
【0099】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記既知光源は、上記撮像手段の撮像素子のフィルタ周波数内であるので、撮像手段は既知光源の分光特性を測定するための有効なフィルタ周波数内の撮像データを出力することができるという効果を奏する。
【0100】
また、この発明の撮像装置は、上述において、上記撮像手段は、上記照射手段により被写体に照射された1点のスポットに対応するウインドウ部分の画素範囲を撮像するので、既知光源により光スポットを絞って被写体への部分照射をすることにより、少ないウインドウ部分の画素面積の検波結果を用いて外部光源を分析、推定するための演算を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【0101】
また、この発明のホワイトバランス補正方法は、撮像装置における動画像及び静止画像を撮像する際にホワイトバランス制御部において外部光源の判断に基づいてホワイトバランス制御信号が作成され上記ホワイトバランス制御信号によるホワイトバランス処理部に対する制御により、撮像信号のホワイトバランスを補正するホワイトバランス補正方法において、指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する既知光源照射ステップと、上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像ステップと、上記撮像ステップにより撮像された上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波する検波ステップと、上記検波ステップにより検波された検波結果を上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析する分析ステップと、上記分析ステップにより被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定ステップとを備えたので、既知光源による照射前と照射後の差を取ることにより、既知光源が極端に強くなくて外部光源を無視できない場合や、既知光源よりも外部光源の光が強く、外部光源による外光を無視できない場合においても、既知光源の特性や測定された特性を分析し、外部光源の特性を推定して判断することができ、また、既知光源により被写体への部分照射をすることにより、部分的な画素面積の検波結果を用いて外部光源を分析、推定するための演算を減少させることができるという効果を奏する。
【0102】
また、この発明のホワイトバランス補正方法は、上述において、自動焦点調整機構または自動輝度調整機構の動作時に、上記各ステップの処理を行うので、撮像に先だって行われる自動焦点調整または自動輝度調整の動作を行うと同時に、ホワイトバランス補正の処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用されるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態のホワイトバランス補正方法を示すフローチャートである。
【図3】既知光源の被写体への照射を示す図である。
【図4】撮像部のウインドウを示す図である。
【図5】光源による物体反射特性の移動を示す図である。
【図6】従来のデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図7】従来のホワイトバランス補正方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……撮像部、2……レンズ、3……撮像素子、4……既知光源照射部、5……LSI、6……撮像信号処理部1、7……A/D変換回路、8……撮像信号処理部2、9……ホワイトバランス処理部、10……検波部、11……撮像信号処理部3、12……圧縮及び変換処理部、13……記録処理部、14……表示処理部、15……メモリ、16……CPU、17……ホワイトバランス制御部、18……分析手段、19……既知光源照射前後差分取得部、20……既知光源データベース比較部、21……推定手段、22……測定特性データベース比較部、23……メモリ、24……既知光源データベース、25……測定特性データベース、26……記録媒体、27……モニター、28……デジタルカメラ、31……被写体、32……既知光源照射ポイント、41……フレーム画像、42……ウインドウ、43……拡大ウインドウ、S(λ)……撮像素子分光特性、S’(λ)……撮像素子分光特性、L(λ)……外部光源分光分布、L’(λ)……既知光源分光分布、ρ(λ)……物体反射特性
Claims (8)
- ホワイトバランス制御部において外部光源の判断に基づいてホワイトバランス制御信号が作成され上記ホワイトバランス制御信号によるホワイトバランス処理部に対する制御により、撮像信号のホワイトバランスを調整しながら動画像及び静止画像を撮像する撮像装置において、
指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する既知光源照射手段と、
上記既知光源照射手段による被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像手段と、
上記撮像手段により撮像された上記既知光源照射手段による被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波する検波手段と、
上記検波手段により検波された検波結果を上記既知光源照射手段による被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析する分析手段と、
上記分析手段により被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定手段と
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1記載の撮像装置において、
上記分析手段は、上記既知光源照射手段における既知光源の既知分光特性および各色における被写体の反射特性と上記検波結果を比較して上記検波結果を分析し、上記推定手段は、予め測定された分光特性と上記検波結果を比較して上記外部光源を推定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1記載の撮像装置において、
上記既知光源は、複数のレーザー光を用いることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1記載の撮像装置において、
上記既知光源は、上記撮像手段の撮像感度に適合する分光特性を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1記載の撮像装置において、
上記既知光源は、上記撮像手段の撮像素子のフィルタ周波数内であることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1記載の撮像装置において、
上記撮像手段は、上記照射手段により被写体に照射された1点のスポットに対応するウインドウ部分の画素範囲を撮像することを特徴とする撮像装置。 - 撮像装置における動画像及び静止画像を撮像する際にホワイトバランス制御部において外部光源の判断に基づいてホワイトバランス制御信号が作成され上記ホワイトバランス制御信号によるホワイトバランス処理部に対する制御により、撮像信号のホワイトバランスを補正するホワイトバランス補正方法において、
指向性を有する既知分光特性の既知光源を用いて被写体の一部を照射する既知光源照射ステップと、
上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前の外部光源のみと照射後の上記既知光源および上記外部光源とにより被写体の一部を撮像する撮像ステップと、
上記撮像ステップにより撮像された上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の被写体の一部の画像データの範囲を検波する検波ステップと、
上記検波ステップにより検波された検波結果を上記既知光源照射ステップによる被写体への照射前と照射後の差を取ることにより分析する分析ステップと、
上記分析ステップにより被写体の反射特性を判断して上記外部光源の推定をする推定ステップと
を備えたことを特徴とするホワイトバランス補正方法。 - 請求項7記載のホワイトバランス補正方法において、
自動焦点調整機構または自動輝度調整機構の動作時に、上記各ステップの処理を行うことを特徴とするホワイトバランス補正方法。
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- 2002-07-02 JP JP2002193889A patent/JP2004040417A/ja active Pending
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