JPH067461Y2 - リバ−ス式テ−プレコ−ダの駆動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はリバース式テープレコーダの駆動機構に係り、
更に詳しくはモータの配置やベルト掛けに工夫をこらす
ことによって構造の簡素化を図ったリバース式テープレ
コーダの駆動部機構に関する。

背景技術とその問題点 従来の小型のリバース式テープレコーダにおいては、第
１図に示す如く、バッテリ(1)は１対のフライホイール
(2)(3)にほぼ並列に配置され、モータ(4)はこれらの例
から外れた反対の側に配置されていた。従ってベルト
(5)はモータ(4)から変換プーリ(6)を経て互いに逆方向
に回転駆動される上記１対のフライホイール(2)(3)に巻
掛けられており、さらにリール台の巻取り駆動はこれら
のフライホイール(2)(3)から別の歯車を介して行われて
いたため、構造がそれだけ複雑になっていた。

考案の目的 本考案は以上の実情を鑑みなされたもので、その目的
は、モータの配列やベルト掛けに工夫をこらすことによ
って、ベルトでリール台の巻取り駆動用の中間ギヤを直
接駆動して、構造の簡素化を図ったリバース式テープレ
コーダの駆動機構を提供することにある。

考案の概要 本考案によるリバース式テープレコーダの駆動機構は、
モータプーリと、互いに逆方向に回転駆動される１対の
キャプスタン用フライホイールとをほぼ１列に配置する
と共に、バッテリ収納部と１対のリール台とをほぼ１列
に配置し、この際、上記バッテリ収納部と上記１対のリ
ール台との列が上記モータプーリと上記１対のキャプス
タン用フライホイールとの列とほぼ平行でかつほぼ対向
するように構成し、上記１対のリール台に選択的に回転
駆動力を供給するためにこれら１対のリール台のほぼ中
間に配されたリール台巻取り駆動用中間ギヤと、このリ
ヘール台巻取り駆動用中間ギヤにその回転を伝達し得る
ように上記リール台巻取り駆動用中間ギヤと同心状に配
されたベルトプーリとを備え、上記リール台巻取り駆動
用中間ギヤと上記１対のキャプスタン用フライホイール
とを上記モータプーリに巻掛けられた単一のベルトを介
して同時に駆動するために、上記１対のキャプスタン用
フライホイールのうちの上記モータプーリに隣接する一
方のキャプスタン用フライホイールにはそのリール台側
において上記単一のベルトの外側が巻掛けられると共
に、上記モータプーリ、上記１対のキャプスタン用フラ
イホイールのうちの他のキャプスタン用フライホイール
および上記ベルトプーリには上記単一のベルトの内側が
巻掛けられている。

このように構成することによって、ベルトでリール台の
巻取り駆動用の中間ギヤを直接駆動することができるか
ら、構造を簡単にすることが可能となり、また、スペー
スを有効に利用することができて装置全体をコンパクト
に構造することができ、さらに、動作の確実なものを簡
単な構成で得ることができる。

実施例 以下本考案を適用したリバース式テープレコーダの一実
施例を図面に基づき説明する。

（装置全体の概略説明） 第２図おいて符号(11)〜(15)は夫々、シャーシ(16)の下
面側を摺動する録音用、再生用、巻戻し用（ノーマル走
行時）、停止並びにエジェクト用及び早送り用（ノーマ
ル走行時）の各操作スライダである。そして符号(17)は
上記の操作スライダ(11)〜(13)(15)の往動に連動してこ
れらと直交する矢印ａ方向に往動してスイッチ(18)をオ
ンにするスイッチオン・オフスライダで、上記操作スラ
イダ(11)〜(13)(15)がその往動位置にロックされるとこ
のスライダ(17)もその往動位置に停止し、ロックが解除
されて復動するとこのスライダ(17)も復動してスイッチ
(18)をオフにする。又符号(19)は支点軸を中心に回動す
る捩りばね付きの回動型ロック板で、このロック板(19)
に設けられた係合爪によって上記操作スライダ(11)〜(1
3)(15)をその往動位置にロックし、又停止用操作スライ
ダ(14)の往動によってこのロックが解除されるように構
成されている。

一方、符号(20)(21)はシャーシ(16)に設けられた軸受に
回転自在に枢支されたリール台回転軸で、シャーシ(16)
の上面側（カセット装着面側）に突出した軸端部にはこ
の回転軸と一体的に回転するリール台（図示せず）が設
けられており、又シャーシ(16)の下面側の軸端側にはノ
ーマル巻取りギヤ(22)及びリバース巻取りギヤ(23)が夫
々固着されている。又上記リール台回転軸(20)(21)の中
央部には支軸(24)がシャーシ(16)に固着されており、こ
の支軸(24)には中間ギヤ(25)及び定速切換え用の回動レ
バー(26)が設けられていて、この回動レバー(26)には中
間ギヤ(25)に噛合する第１のギヤ(27)及びこの第１のギ
ヤ(27)に噛合する第２のギヤ(28)が回転自在に取付けら
れている。そして回動レバー(26)が回動されて第１のギ
ヤ(27)が上記ノーマル巻取りギヤ(22)に噛合するか、或
は第２のギヤ(28)がリバース巻取りギヤ(23)に噛合する
かによってテープの定速走行方向が切換えられる。おな
中間ギヤ(25)は同じ支軸(24)に取付けられたベルトプー
リ(29)を介して駆動される。

又シャーシ(16)上の所定の位置には、このシャーシ(16)
上に設けられた軸受に枢支されて回転する１対のキャプ
スタン軸(30)(31)のシャーシ(16)の上面側に突出してい
る。そして同キャプスタン軸(30)(31)のシャーシ(16)の
下面側には、摩擦車兼ベルト車であるフライホイール(3
2)(33)が一体で回転するように取付けられている。一
方、前記リール台回転軸(20)(21)の夫々には、高速切換
え用の回動レバー(34)(43)が回動自在に取付けられてお
り、前記操作スライダ(13)又は(15)の往動に連動して矢
印ｂ又はｃ方向に往回動する。そして一端部に設けられ
た摩擦車(35)又は(36)がフライホイール(32)又は(33)に
圧着され、摩擦車(35)又は(36)から同軸のギヤ(37)又は
(38)を介してノーマル巻取りギヤ(22)又はリバース巻取
りギヤ(23)に高速回転が伝達される。

なお符号(39)はリバース機構におけるピンチローラの切
換えを制御するスライダであり、又符号(40)はリバース
モードを制御する回動可能なスライドレバーである。そ
して(41)はテープの走行駆動用のモータであり、符号(4
2)はバッテリケースである。

（テープ走行駆動機構の説明） 第３図及び第４図によりテープの走行駆動機構について
説明する。角ベルト(45)はモータ(41)のモータ軸のベル
トプーリ(46)から前記１対のフライホイール(33)(32)を
経、支軸(24)に回転自在に枢支されたベルトプーリ(29)
を経てモータ軸のベルトプーリ(46)に戻り、エンドレス
に掛けられている。そして１対のフライホイール(33)(3
2)には、これらが互いに逆方向に回転駆動されるように
たすき掛けに掛けられている。従って、ベルトプーリ(4
6)、フライホイール(32)およびベルトプーリ(29)には角
ベルト(45)の内側が巻掛けられると共に、フライホイー
ル(33)にはそのリール台側において角ベルト(45)の外側
が巻掛けられている。又これらのフライホイール(32)(3
3)とモータ(41)とはほぼ横に一直線に配置されている。
なお図示していないが、モータ(41)の取付け部は調整可
能で、ベルトの張力が調整できるようになされている。

次に第４図に示す如く、シャーシ(16)に固定された支軸
(24)にはベルトプーリ(29)の他に、前記中間ギヤ(25)、
定速切換え用の回動レバー(26)及びリバース機構に関連
するフリクション回動レバー(47)が取付けられている。
即ち、ベルトプーリ(29)の突出したボスの端部に固着さ
れたエンドプレート(48)と中間ギヤ(25)のボスの内面孔
との間に挿入された圧縮ばね(49)と、中間ギヤ(25)のエ
ンドプレートとベルトプーリ(29)との間の摩擦板(50)と
により、中間ギヤ(25)はベルトプーリ(29)から摩擦駆動
されるように構成されている。又上記リバース用のフリ
クション回動レバー(47)も圧縮ばね(51)及び摩擦板(52)
とにより中間ギヤ(25)に摩擦により結合されており、一
方、定速切換え用の回動レバー(26)は支軸(24)に回動自
在に枢支されている。そして第３図に示す如く、この回
動レバー(26)の一端部には前記の通り第１のギヤ(27)と
第２のギヤ(28)とが回転自在に取付けられている。一
方、回動レバー(26)の他端部の先端には、折曲げ突出片
(53)が上方に突出している。この突出片(53)は、常時は
（スタンバイ状態も含む）ヘッド基板の切欠き溝（一点
鎖線）の狭い溝(54a)内にあって中立位置に保持されて
いるが、再生又は録音時にヘッド基板が矢印ｄ方向に移
動されると、広い溝(54b)内に入ってフリーとなり回動
自在となる。ただしこの回動レバー(26)の回動は、この
レバー(26)に形成された弧状の長孔(55)とシャーシ(16)
に固定されたピンとによって規制されている。

一方、前記第１のギヤの支軸(56)には、板ばね(57)の先
端部のコ字状の係合部が係合しており、この板ばね(57)
は前記ピンチローラ切換え用のスライダ(39)に固着され
ていて、第１のギヤ(27)を矢印ｅ方向に付勢している。
従って前記再生又は録音時、定速切換え用のレバーがフ
リーとなると、回動レバー(26)は矢印ｆ方向に回動され
て第１のギヤ(27)がノーマル巻取りギヤ(22)に噛合す
る。即ちモータ(41)は矢印ｇ方向に回転しているから、
フライホイール(33)及びキャプスタン(31)は矢印ｈ方
向、フライホイール(32)及びキャプスタン(30)は矢印ｉ
方向に夫々回転駆動され、又ベルトプーリ(29)及び中間
ギヤ(25)は矢印ｊ方向に回転駆動されるから、ノーマル
巻取りギヤ(22)は矢印ｋ方向に回転駆動される。なお上
記スライダ(39)が第３図において左方に移動して第２の
ギヤ(28)がリバース巻取りギヤ(23)に噛合した時には、
このリバース巻取りギヤ(23)は矢印ｋ′方向に回転駆動
される。

以上説明したように、この駆動機構においては、従来の
変換プーリの代りに直接中間ギヤ(25)を駆動するように
ベルト掛けする構成となっているから、無駄がなく構造
が非常に簡素化される。

又フライホイール(32)(33)とモータ(41)とは横にほぼ一
致直線状（すなわち、１列）に配置され、また、バッテ
リケース(42)と１対のリール台駆動軸(20)(21)に対し同
心状に配された１対のリール台とが横にほぼ１列に配置
されているから、バッテリケース(42)と１対のリール台
との列がベルトプーリ(46)とフライホイール(32)(33)と
の列とほぼ平行でかつほぼ対向するように構成され、こ
のためにバッテリケース(42)を第２図に示す位置に配置
することができる。ゆえにスペースを有効に利用するこ
とができて装置全体をコンパクトに構成することができ
る。また、図示していないが、カセットホルダを備えた
テープレコーダのケース蓋は、ヘッド側であるフライホ
イール(32)(33)側の支点軸を中心として開閉される。従
って大きく広く開かれる側にバッテリケース(42)が配さ
れているから、バッテリの交換がやり易く非常に便利で
ある。

考案の効果 以上説明したように、本考案によれば、互いに逆方向に
回転駆動される１対のキャプスタン用フライホイール
と、１対のリール台に選択的に回転駆動力を供給するた
めに１対のリール台のほぼ中間に配されたリール台巻取
り駆動用中間ギヤとをモータプーリに巻掛けられた単一
のベルトを介して同時に駆動するように構成したから、
従来の変換プーリが不要となり、又フライホイールと中
間ギヤとの間の駆動機構も不要となるから、無駄がな
く、構造が非常に簡素化される。

また、モータプーリと、互いに逆方向に回転駆動される
１対のキャプスタン用フライホイールとをほぼ１列に配
置すると共に、バッテリ収納部と１対のリール台とをほ
ぼ１列に配置し、この際、上記バッテリ収納部と上記１
対のリール台との列が上記モータプーリと上記１対のキ
ャプスタン用フライホイールとの列とほぼ平行でかつほ
ぼ対向するように構成した。したがって、スペースを有
効に利用することができて装置全体をコンパクトに構成
することができる。

しかも、１対のキャプスタン用フライホイールのうちの
モータプーリに隣接する一方のキャプスタン用フライホ
イールにはそのリール台側において単一のベルトの外側
が巻掛けられると共に、モータプーリ、上記１対のキャ
プスタン用フライホイールのうちの他方のキャプスタン
用フライホイールおよびベルトプーリには上記単一のベ
ルトの内側が巻掛けられている。したがって、上述のよ
うに、 、１対のキャプスタン用フライホイールと、１対のリ
ール台に選択的に回転駆動力を供給するために１対のリ
ール台のほぼ中間に配されたリール台巻取り駆動用中間
ギヤとをモータプーリに巻掛けられた単一のベルトを介
して同時に駆動すること、 、モータプーリと、互いに逆方向に回転駆動される１
対のキャプスタン用フライホイールとをほぼ１列に配置
すると共に、バッテリ収納部と１対のリール台とをほぼ
１列に配置し、この際、上記バッテリ収納部と上記１対
のリール台との例が上記モータプーリと上記１対のキャ
プスタン用フライホイールとの列とほぼ平行でかつほぼ
対向すること、 の両方を簡単な構成で同時に達成することができ、ま
た、その動作も確実である。

【図面の簡単な説明】 第１図はベルトの掛け方の従来例を示すテープレコーダ
の概略平面図、第２図〜第４図は本考案を適用したリバ
ース式テープレコーダの一実施例を示したもので、第２
図はカセット装着面を上にして、カセット装着面のシャ
ーシヘッド及びピンチローラ並びにこれらに関連する基
板などを除き、テープの走行駆動部及び各モードの操作
機構等のストップ時における状態を示した平面図、第３
図は第２図に示したものから、テープの走行駆動機構に
関する部分のみをピックアップして示した平面図、第４
図は中間ギヤ軸の詳細縦断面図である。 なお図面に用いられた符号において、 (20)(21)……リール台回転軸 (22)……ノーマル巻取りギヤ (23)……リバース巻取りギヤ (25)……リール台巻取り駆動用中間ギヤ (26)……回転レバー（定速切換え用） (29)……ベルトプーリ (32)(33)……キャプスタン用フライホイール (41)……モータ (42)……バッテリケース（バッテリ収納部） (45)……角ベルト (46)……ベルトプーリ（モータプーリ） (57)……板ばね である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】モータプーリと、互いに逆方向に回転駆動
   される１対のキャプスタン用フライホイールとをほぼ１
   列に配置すると共に、 バッテリ収納部と１対のリール台とをほぼ１列に配置
   し、この際、上記バッテリ収納部と上記１対のリール台
   との列が上記モータプーリと上記１対のキャプスタン用
   フライホイールとの列とほぼ平行でかつほぼ対向するよ
   うに構成し、 上記１対のリール台に選択的に回転駆動力を供給するた
   めにこれら１対のリール台のほぼ中間に配されたリール
   台巻取り駆動用中間ギヤと、このリール台巻取り駆動用
   中間ギヤにその回転を伝達し得るように上記リール台巻
   取り駆動用中間ギヤと同心状に配されたベルトプーリと
   を備え、 上記リール台巻取り駆動用中間ギヤと上記１対のキャプ
   スタン用フライホイールとを上記モータプーリに巻掛け
   られた単一のベルトを介して同時に駆動するために、上
   記１対のキャプスタン用フライホイールのうちの上記モ
   ータプーリに隣接する一方のキャプスタン用フライホイ
   ールにはそのリール台側において上記単一のベルトの外
   側が巻掛けられると共に、上記モータプーリ、上記１対
   のキャプスタン用フライホイールのうちの他方のキャプ
   スタン用フライホイールおよび上記ベルトプーリには上
   記単一のベルトの内側が巻掛けられていることを特徴と
   するリバース式テープレコーダの駆動機構。