JPH0674372A - 配管支持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】配管を確実に支持し得る配管施工の省力化を行
なうこと。 【構成】保護キャップ３で開閉自在な収納本体２の収納
空間２ａに、樹脂、鉄板等の帯状の支持本体５をロール
状に巻いて、かつ支持本体の一端を固定する形で設け、
これら支持本体の先端には、面状ファスナ等から成る接
続部７を形成して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築設備用の配管、ダ
クト等を鉄筋コンクリート造りのスラブの天井裏や天井
下面に取付ける配管支持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は、従来の配管の支持方法の一実施
例を示した断面図である。従来、建築設備用の配管、ダ
クト等を鉄筋コンクリート造りのスラブの天井裏や天井
下面に取付ける場合、配管の重量を支持し、固定するた
めに以下のような施工を行なってきた。 図４に示すように、天井のコンクリートスラブ１０
を形成する型枠を脱型した後に、コンクリートスラブ１
０にインサート３０を打ち込む。この際、インサート３
０の位置は、配管１５の真上に取付ける必要があり、±
２０ｍｍ程度の精度で墨出しする必要がある。（また
は、天井のコンクリートスラブ１０に、予め型枠施工時
にインサート３０を打ち込んでおく。） インサート３０に必要な長さ（インサート３０から
配管までの距離より５０〜１００ｍｍ程度短い長さ）の
鉄製の吊りボルト３１を切断し、該インサート３０にね
じ込む。 上述で取付けた吊りボルト３１の下端に、吊り金
具３２を取付ける。即ち、吊りボルト３１の下端に、吊
り金具３２の吊り下げ部３４を吊りナット３３を介して
螺着する。吊り下げ部３４には、配管１５を、ヒンジ部
３７を中心として矢印Ａ、Ｂ方向に屈折展開自在な２つ
割りの円筒状の支持バンド３７で挾み込んだ状態で、ボ
ルト、ナット等から成る止め具３５により締め付け、固
定する。 配管１５取付け後にレベル調整する場合、で取付
けた吊り金具３２を一旦取外した後、吊りボルト３１を
回転させることにより、吊りボルト３１の長さを変化さ
せて、配管１５のレベル調整を行なう。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これでは、型
枠脱型後にコンクリートスラブ１０にインサート３０を
打ち込む場合は、精度の高い墨だし作業が発生し、ま
た、インサート３０の打ち込み作業が発生した。更に、
配管１５取付け後にレベル調整する場合、取付けた吊り
金具３２を一旦取外す必要があった。以上のように、配
管施工の省力化ができなかった。

【０００４】そこで、本発明は、上記事情に鑑み、配管
を確実に支持し得る配管施工の省力化が可能な配管支持
具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、内部に
支持本体収納空間（２ａ、２Ａａ）が形成された収納本
体（２、２Ａ）を有し、前記収納本体に、開口部（２
ｂ、２Ａｂ）を前記支持本体収納空間と該収納本体外部
を連通し得る形で開閉自在に設け、前記支持本体収納空
間に、ロール状に巻いた伸展自在な支持本体（５、５
Ａ）を該支持本体の基端（５ｃ、５Ａｃ）を前記収納本
体に固定し、かつ前記開口部を介して前記支持本体の先
端を外部に引き出し自在に設け、前記支持本体に、配管
と当接し得る支持部（５ａ、５Ａａ）を形成し、かつ前
記支持部の前記支持本体先端側に、接続部（５ｂ、５Ａ
ｂ）を形成して構成される。

【０００６】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の
「作用」の欄についても同様である。

【０００７】

【作用】上記した構成により、本発明は、支持本体
（５、５Ａ）をロール状に巻いて収納本体（２、２Ａ）
中に収納することより、支持本体に応力集中する部分が
生じ難いように作用する。また、接続部（５ｂ、５Ａ
ｂ）同士を結合して支持本体（５、５Ａ）を一体化する
ことにより、配管を支持し得るように作用する。更に、
支持本体（５、５Ａ）同士を結合した位置で配管を支持
することより、配管を支持し得る位置の自由度が大きく
なるように作用する。更に、支持本体（５、５Ａ）を収
納本体（２、２Ａ）の支持本体収納空間（２ａ、２Ａ
ａ）に設けたことにより、打設コンクリートが侵入付着
しないように作用する。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１は、本発明による配管支持具の取付けの一実施
例を示した断面図であり、（ａ）は、側面の断面図であ
る。（ｂ）は、平面の断面図である。図２は、図１に示
した配管支持具を用いた配管支持方法の一実施例を示し
た断面図、図３は、本発明による配管支持具の別の例を
示した断面図である。

【０００９】本発明による配管支持具１は、図１（ａ）
〜（ｂ）に示すように、樹脂、鉄等から成る円筒カップ
形状の容器である収納本体２を有しており、収納本体２
内部には、収納空間２ａが形成されている。また、収納
本体２の端面（図中下方）には、円形状の開口部２ｂが
収納空間２ａを収納本体２外部と連通し得る形で形成さ
れており、収納本体２の開口部２ｂには、開口部２ｂと
嵌合し得る段付き円板状の保護キャップ３が開口部２ｂ
に取付取外し自在（即ち、開口部２ｂを開閉自在）に設
けられている。即ち、収納本体２は、開口部２ｂを保護
キャップ３で閉塞することにより収納本体２の収納空間
２ａにコンクリート、モルタル等が浸入することを防ぐ
ことができる。

【００１０】また、収納本体２の収納空間２ａには、図
１（ａ）〜（ｂ）に示すように、樹脂、鉄等から成る帯
状の支持本体５が収納本体２外部に引き出し得る形でロ
ール状に丸く巻かれて収納されており、支持本体５は、
収納本体２の収納空間２ａの内側面２ｃに支持本体５の
外周部の一端である基端５ｃを固定する形で設けられて
いる。即ち、ロール状の支持本体５は、該支持本体５を
ロール状に巻取った軸を上下方向（図１（ａ）中上下方
向、または図１（ｂ）中紙面垂直方向）に向けて、収納
本体２の円筒形状に合わせる形で嵌入され、また、該ロ
ール状に形成された支持本体５の外周となる基端５ｃを
収納本体２の内側面２ｃに固定している。また、支持本
体５には、敷設すべき配管を支持し得る支持部５ａが形
成されており、支持部５ａの支持本体５の他端である先
端側には、面状ファスナ等の繊維状の脱着自在テープ、
粘着テープ等から成る接続部５ｂが形成されている。即
ち、支持本体５は、収納本体２に支持本体５の基端５ｃ
を支持される形で、収納空間２ａから開口部２ｂを介し
て収納本体２外部に引き出すことができ、引き出された
支持本体５は、各支持本体５の先端に形成された接続部
５ｂ同志を繰返し張り合わせたり、離したりすることが
できる。

【００１１】本発明は、以上のような構成を有するの
で、天井等を形成する鉄筋コンクリート造りのコンクリ
ートスラブ１０に配管支持具１を取付ける際は、図１
（ａ）に示すように、コンクリート打設前に、配管の敷
設を予定している位置を支持具設置位置Ｘ１として、２
個の配管支持具１を、型枠６中の該支持具設置位置Ｘ１
を挾む形で支持具設置位置Ｘ１の両側に設けると共に、
保護キャップ３がコンクリートスラブ１０の表面１０ａ
（図中下方）に位置するように、型枠６のコンクリート
打設面６ａと保護キャップ３とが接する形で配置し、仮
止めする。次に、コンクリートを打設すると、支持本体
５は収納本体２の収納空間２ａに保護キャップ３で閉塞
される形で収納されているので、打設コンクリートの侵
入付着がなく、また、打設コンクリート中に巻き込まれ
ずに、コンクリートスラブ１０の表面１０ａに保護キャ
ップ３の端面を位置することができる。次に、コンクリ
ートが凝固すると、収納本体２は打設コンクリートに対
して固定されるので、収納本体２がコンクリートスラブ
１０に対して固定されたら、型枠６を脱型した後に、配
管を敷設すべき位置の支持具設置位置Ｘ１の両側に設け
た配管支持具１、１の保護キャップ３、３を各収納本体
２、２から取外し、図２に示すように、各収納本体２に
ロール状で収納されていた支持本体５を開口部２ｂを介
して収納空間２ａからそれぞれ引き出す。そして、配管
１５を支持本体５、５で挾み込み、配管１５の下部を支
持本体５、５の支持部５ａ、５ａに当接させて、枕１６
等を介してコンクリートスラブ１０の表面１０ａ側に配
管１５を押し付けるようにして、支持本体５、５の接続
部５ｂ、５ｂを張り合わせる。これにより、配管１５
は、接続部５ｂ、５ｂを結合して一体と成った支持本体
５、５の支持部５ａ、５ａに、配管１５の下部を接続部
５ｂ、５ｂを結合した位置において支持される形で、配
管支持具１によりコンクリートスラブ１０に対して支持
固定される。

【００１２】以上のように、配管支持具１は、２本の支
持本体５、５の接続部５ｂ、５ｂを張り合わせた任意の
位置において、配管１５をコンクリートスラブ１０に対
して支持固定することにより、支持本体５、５の配管１
５を支持する位置の自由度が従来のような図４に示す吊
りボルト３１等と比較して大きくなる。即ち、各支持本
体５の全長及び接続部５ｂの長さを長く形成することに
より、接続部５ｂ、５ｂを張り合わせ得る位置、即ち配
管支持具１が配管１５を支持し得る位置の自由度が大き
くなる。従って、配管１５が、図２中二点鎖線で示すよ
うに、支持具設置位置Ｘ１から多少ズレていても、配管
１５を支持できる。また、工具等は使用せず、大きな力
も必要とせず、接続部５ｂ、５ｂ同志を張り合わせるだ
けで容易に配管１５を固定できる。また、配管１５の位
置調整を行なう場合は、図２中二点鎖線で示すように、
接続部５ｂ、５ｂを離し、必要なだけ配管１５を移動さ
せた後（必要に応じ、枕も変更させた後）、再び、支持
部５ａ、５ａで配管１５の下部を支持する形で、接続部
５ｂ、５ｂを張り合わせるだけで良く、上述同様、工具
等は使用せず、大きな力も必要とせず、容易に配管１５
を移動して固定できる。ここで、支持本体５、５の長さ
が不足する場合は、接続部５ｂ、５ｂを介して新たな支
持本体を必要なだけ追加することにより、配管１５の位
置調整を行なうことができる。更に、配管支持具１は、
支持本体５をロール状に丸く巻いて収納本体２の収納空
間２ａに収納しておくことにより、折れ曲がることなく
滑らかな表面を形成した状態で支持本体５を引き出すこ
とができるので、支持本体５には折り目等の塑性変形し
て応力が集中する部分が生じ難くなり、支持本体５の強
度低下を防止することができ、支持本体５は配管を確実
に支持することができる。従って、配管支持具１は、強
度低下することなく、配管施工の省力化が可能である。
なお、図２に示すように、支持本体５を螺旋状に引き延
ばした状態で配管１５を支持することにより、支持本体
５を単に帯状に引き出すよりも断面係数が大きくなり、
剛性が高くなる。もちろん、支持本体５は、帯状に引き
出しても良く、必要に応じて、螺旋状に引き出すか、ま
たは帯状に引き出すか選択的に使用すれば良い。

【００１３】ところで、ロール状に巻いた支持本体５
は、収納本体２外部に支持本体５を折れ曲がることなく
滑らかな状態で引き出し得れば収納空間２ａにどのよう
に設けても良く、例えば、支持本体をロール状に巻取っ
た軸を水平方向に向ける形で収納本体内に収納しても良
い。即ち、本発明による別の配管支持具１Ａは、図３に
示すように、樹脂、鉄等から成る直方体形状の容器であ
る収納本体２Ａを有し、収納本体２Ａ内部には、収納空
間２Ａａが形成されている。また、収納本体２Ａの端面
（図中下方）には、四角形状の開口部２Ａｂが収納空間
２Ａａを収納本体２Ａ外部と連通し得る形で形成されて
おり、収納本体２Ａの開口部２Ａｂには、開口部２Ａｂ
と嵌合し得る段付き板状の保護キャップ３Ａが開口部２
Ａｂに取付取外し自在（即ち、開口部２Ａｂを開閉自
在）に設けられている。また、収納本体２Ａの収納空間
２Ａａには、樹脂、鉄等から成る帯状の支持本体５Ａが
収納本体２Ａ外部に引き出し得る形でロール状に丸く巻
かれて収納本体２Ａ内に収納されており、支持本体５Ａ
は、収納本体２Ａの収納空間２Ａａの内側面２Ａｃに支
持本体５Ａの外周部の一端である基端５Ａｃを固定する
形で設けられている。即ち、ロール状の支持本体５Ａ
は、該支持本体５Ａをロール状に巻取った軸を水平方向
（図３中紙面垂直方向）に向けて、収納本体２Ａの円筒
形状に合わせる形で嵌入され、また、該ロール状に形成
された支持本体５Ａの外周となる基端５Ａｃを収納本体
２Ａの内側面２Ａｃに固定している。また、支持本体５
Ａには、敷設すべき配管を支持し得る支持部５Ａａが形
成されており、支持部５Ａａの支持本体５Ａの他端であ
る先端側には、面状ファスナ等の繊維状の脱着自在テー
プ、粘着テープ等から成る接続部５Ａｂが形成されてい
る。即ち、支持本体５Ａは、収納本体２Ａに支持本体５
Ａの基端５Ａｃを支持される形で、収納空間２Ａａから
開口部２Ａｂを介して収納本体２Ａ外部に引き出すこと
ができ、引き出された支持本体５Ａは、別の配管支持具
１Ａの支持本体５Ａの先端に形成された接続部５Ａｂと
の間で繰返し張り合わせたり、離したりすることができ
る。従って、前述同様に、コンクリート打設後、保護キ
ャップ３Ａを取外せば、収納本体２Ａ収納空間２Ａａか
ら滑らかな表面を形成した状態で支持本体５Ａを引き出
すことができる。

【００１４】なお、上述の実施例においては、ロール状
に巻いた支持本体５、５Ａの外周部を収納本体２、２Ａ
の内側面２ｃ、２Ａｃに固定したが、支持本体５、５Ａ
を収納本体２、２Ａに固定できれば良く、例えば、ロー
ル状に巻いた支持本体５、５Ａの中心部をピン等を介し
て収納本体２、２Ａに固定しても良い。また、上述の実
施例においては、帯状の支持本体５、５Ａとして説明し
たが、ロール状に巻くことができれば何でも良く、例え
ば、チェーン、針金、紐等でも良いし、また、ヒンジ等
を介して多段に折り畳める板の組立品等でも良い。更
に、上述の実施例においては、支持本体５、５Ａに形成
した接続部５ｂ、５Ａｂは、面状ファスナ等の一組の繊
維状の脱着自在テープ、粘着テープ等から構成したが、
支持本体５、５Ａ同志を着脱自在に結合することができ
れば良く、例えば、接着剤を介して結合しても良いし、
針金等においては、これら針金同志を撚ることにより機
械的に結合しても良い。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、内部に
収納空間２ａ、２Ａａ等の支持本体収納空間が形成され
た収納本体２、２Ａ等の収納本体を有し、前記収納本体
に、開口部２ｂ、２Ａｂ等の開口部を前記支持本体収納
空間と該収納本体外部を連通し得る形で開閉自在に設
け、前記支持本体収納空間に、ロール状に巻いた伸展自
在な支持本体５、５Ａ等の支持本体を該支持本体の基端
５ｃ、５Ａｃ等の基端を前記収納本体に固定し、かつ前
記開口部を介して前記支持本体の先端を外部に引き出し
自在に設け、前記支持本体に、配管と当接し得る支持部
５ａ、５Ａａ等の支持部を形成し、かつ前記支持部の前
記支持本体先端側に、接続部５ｂ、５Ａｂ等の接続部を
形成して構成されるので、

【００１６】支持本体を接続部同士を結合して一体化す
ることにより、配管を支持できるので、工具等は使用せ
ず、大きな力も必要とせずに配管をコンクリートスラブ
に対して支持固定することができ、配管施工の省力化が
可能となる。更に、支持本体同士を結合した位置で配管
を支持することより、配管を支持し得る位置の自由度が
大きくなるので、支持本体の設置精度を緩和することが
できると共に、配管の設置位置に柔軟に対応できる。更
に、支持本体を収納本体の内部に設けたことにより、打
設コンクリートが侵入付着しないので、打設コンクリー
ト凝固後、打設コンクリート中から支持本体を容易に伸
展させて取り出すことができる。また、支持本体をロー
ル状に巻いて収納本体中に収納することより、支持本体
には折り目等の応力集中する部分が生じ難くなり、支持
本体の強度低下を防止することができ、支持本体は配管
を確実に支持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明による配管支持具の取付けの一
実施例を示した断面図であり、（ａ）は、側面の断面図
である。（ｂ）は、平面の断面図である。

【図２】図２は、図１に示した配管支持具を用いた配管
支持方法の一実施例を示した断面図である。

【図３】図３は、本発明による配管支持具の別の例を示
した断面図である。

【図４】図４は、従来の配管の支持方法の一実施例を示
した断面図である。

【符号の説明】 ２、２Ａ……収納本体（収納本体） ２ａ、２Ａａ……支持本体収納空間（収納空間） ２ｂ、２Ａｂ……開口部（開口部） ５、５Ａ……支持本体（支持本体） ５ａ、５Ａａ……支持部（支持部） ５ｂ、５Ａｂ……接続部（接続部） ５ｃ、５Ａｃ……基端（基端）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に支持本体収納空間が形成された収
   納本体を有し、 前記収納本体に、開口部を前記支持本体収納空間と該収
   納本体外部を連通し得る形で開閉自在に設け、 前記支持本体収納空間に、ロール状に巻いた伸展自在な
   支持本体を該支持本体の基端を前記収納本体に固定し、
   かつ前記開口部を介して前記支持本体の先端を外部に引
   き出し自在に設け、 前記支持本体に、配管と当接し得る支持部を形成し、か
   つ前記支持部の前記支持本体先端側に、接続部を形成し
   て構成した配管支持具。