JPH0674245B2 - スルホニウム化合物の製造方法 - Google Patents

スルホニウム化合物の製造方法

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JPH0674245B2
JPH0674245B2 JP63252559A JP25255988A JPH0674245B2 JP H0674245 B2 JPH0674245 B2 JP H0674245B2 JP 63252559 A JP63252559 A JP 63252559A JP 25255988 A JP25255988 A JP 25255988A JP H0674245 B2 JPH0674245 B2 JP H0674245B2
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solvent
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勝滋 高下
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三新化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、4−(9−フルオレニルメトキシカルボニル
オキシ)フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩の
製造方法に関する。
さらに詳しくは、アミノ、もしくはイミノ基の9−フル
オレニルメトキシカルボニル化反応に関し、特に水溶液
中において9−フルオレニルメトキシカルボニル化剤と
して優れた、上記化合物の製造方法に関する。
〔従来技術〕
従来、フェノール性水酸基のアシル化方法としては、い
わゆるショッテン バウマン反応が公知である。この反
応はフェノールとアシルクロライドを水酸化ナトリウム
水溶液などのアルカリの存在下に反応させるものであ
る。
しかるにこの反応は本発明に記載されるようなスルホニ
ウム基を持つ化合物に適用すると、水酸化ナトリウムの
アルカリによってスルホニウム基が分解するため、この
方法は採用できない。また、ピリジン溶媒中でフェノー
ル性化合物とアシルクロライドを作用させる方法も公知
である。しかしながら、この方法は溶媒が脱塩酸剤を兼
ねるため、回収困難となるなど、価格の面で好ましくな
い。
また、本発明者は、9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル化試薬を検討した結果、4−(9−フルオレニルメト
キシカルボニルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム
メチル硫酸塩が、水溶液中において、優れたアシル化
機能を有することを発見し、特許公開公報平成1−2268
68号において開示した。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者は当該化合物の合成法を検討したところ、4−
ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩
と、9−フルオレニルメトキシカルボニル ハライド
を、第三級アミンの存在下にアセトニトリル中で反応す
ることによって、4−(9−フルオレニルメトキシカル
ボニルオキシ)フェニルジメチルスルホニウム メチル
硫酸塩が高収率で容易に製造できることを見出した。さ
らに説明すると、本反応は脱塩酸反応であるので通常の
水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの塩基を添加す
れば進行するはずである。しかしながら、当該化合物は
先に述べたとおり、その不安定性のために水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウムなどの強塩基ではすみやかに分解
する。これは水分の存在しない有機溶媒中であっても加
水分解様の分解反応が起こるためと推定される。また第
一級アミンや第二級アミンをこの脱塩酸反応の塩基とし
て添加すると、目的の反応は進行せず、アミド化合物の
みが生成する。よって本反応においては、第三級アミン
のみが脱塩酸反応の塩基として添加することができる。
第三級アミンの例としては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、N−メチルモルホリンなどがあげられ、特
に溶解性や価格の面からトリエチルアミンが好ましい。
また、反応溶媒としては、アセトニトリルが好ましく使
用される。水溶媒中では、フルオレニルメトキシカルボ
ニル基が加水分解され、脱炭酸反応が起こり、分解す
る。アルコール、グリセリンなどの活性水素を持つ溶媒
では、溶媒がフルオレニルメトキシカルボニル化されて
しまうので、使用できない。ベンゼン、トルエンなどの
芳香族溶媒やアセトンでは、原料が溶解せず、この反応
の進行が遅い欠点がある。
〔実施例〕
以下実施例にて本発明を詳細にするが、本発明の実施例
は下記のみに限定されるものではない。4−(9−フル
オレニルメトキシカルボニルオキシ)フェニルジメチル
スルホニウムメチルサルフェートの合成 実施例 4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムメチルサ
ルフェート13.3g(0.05mol)をアセトニトリル200mlに
溶解させて、氷冷下、攪はんしながらトリエチルアミン
7ml(0.05mol)を滴下する。20分同温度で攪はんした
後、9−フルオレニルメトキシカルボニルクロリド15.5
g(0.06mol)を徐々に加え、3時間攪はんする。反応液
をろ過し、3液を減圧濃縮して残渣に酢酸エチルを加え
て結晶化した。
収量 20.7g(85.0%) 融点 76.0〜80.0℃ IR 1740cm-1,1780cm-1(C=O) 元素分析 理論値 C24H24O7S2 C;59.03%. H;4.92% 測定値 C;59.25% H;4.90% 比較例1 塩基としてナトリウム メトキシドを使用 トリエチルアミン7mlを滴下するところをナトリウム
メトキシドの粉末2.7g(0.05mol)を徐々に加える と
変更した以外は実施例の記載に準じて反応、後処理を行
った。最終物は結晶化せず、油状であった。この最終物
をHPLCで分析したところ、目的物の生成率は10%以下で
あった。
比較例2 溶媒としてアセトニトリルをテトラヒドロフランに変更
した以外は実施例の記載に準じて反応を行った。収率は
27.6%であった。
比較例3 溶媒としてアセトニトリルをトルエンに変更した以外は
実施例の記載に準じて反応を行った。収率は12.8%であ
った。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によれば、9−フルオレニルメトキシ
カルボニル化試薬として先に開示したスルホニウム化合
物が高収率で容易に合成できる。本化合物の特徴として
は、化合物自体が水溶性であり、このため、従来困難で
あったアミノ酸,ペプチド,タンパク質などの生体試料
を水溶液中温和な条件下で容易に9−フルオレニルメト
キシカルボニル化することが可能となる点にある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニ
    ウムメチル硫酸塩と、9−フルオレニルメトキシカルボ
    ニル ハライドを、第三級アミンの存在下にアセトニト
    リル中で反応することを特徴とする4−(9−フルオレ
    ニルメトキシカルボニルオキシ)フェニルジメチルスル
    ホニウム メチル硫酸塩の製造方法。
JP63252559A 1988-10-05 1988-10-05 スルホニウム化合物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0674245B2 (ja)

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