JPH0673864A - 外装パネル及びその製造方法 - Google Patents

外装パネル及びその製造方法

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JPH0673864A
JPH0673864A JP17608792A JP17608792A JPH0673864A JP H0673864 A JPH0673864 A JP H0673864A JP 17608792 A JP17608792 A JP 17608792A JP 17608792 A JP17608792 A JP 17608792A JP H0673864 A JPH0673864 A JP H0673864A
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Moriyuki Kaneko
守行 金子
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Nozawa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パネル内部に所望の気泡分布を形成すること
ができるとともに、各層間の密着性が確実に保持される
優れた外装パネルを提供する。 【構成】 内部に複数の気泡2aを有する軽量スレート
2と、この軽量スレート2の少なくとも上下面に積層さ
れた補強スレート3とを一体化してなる外装パネル1で
ある。この外装パネル1は、高比重で高硬度の樹脂ビー
ズとセメント材とを混合し、これに水を加えて未硬化状
態の軽量スレートを製造する工程と、この未硬化状態の
軽量スレートの少なくとも上下面にそれぞれ未硬化状態
の補強スレートを重ね合わせるとともに、その重ね合わ
せた積層板を加圧硬化して一体化させる工程と、その一
体化させた積層板を加熱して樹脂ビーズを溶かし、軽量
スレートの内部に気泡を形成する工程とから製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物を構築する際に用
いられる外装パネルの構造、及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の外装パネルには、軽量化や防音効
果などを目的として、パネル内部に複数の気泡を有する
ものが広く知られている。また、この種のパネル製造方
法の中には、まずセメント材に発泡スチロールを混合し
て水を加え、次いで所定形状に硬化させた後に加熱して
発泡スチロールを溶かし、パネル内に気泡を形成するよ
うにしたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例においては、発泡スチロールの比重がきわめて小さい
ために、セメント材に発泡スチロールを混合して水を加
えると発泡スチロールが浮き上がってしまい、パネル内
部に所望する気泡分布が得られないといった問題があっ
た。特に、抄造法を用いたパネル成形の場合は、発泡ス
チロールが水面に浮いてしまうため、製造そのものが困
難なものとなっていた。
【0004】また、発泡スチロールが柔軟であるという
理由から、何層かに重ね合わせて加圧した場合、一旦収
縮した発泡スチロールが経時的に徐々に復元し、これが
各層間の密着性を著しく低下させて、剥離現象を引き起
こす原因となっていた。さらに同じ理由から、パネルが
完全に硬化するまでの強度は、発泡スチロールの混合量
が多くなるほど弱くなるため、製造工程での移載作業等
を考慮すると発泡スチロールの混合量をあまり多くでき
ないといった不都合があった。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、パネル内部に所望の気泡分布を形成するこ
とができるとともに、各層間の密着性が確実に保持され
る優れた外装パネルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、内部に複数の気泡を有す
る軽量スレートと、この軽量スレートの少なくとも上下
面に積層された補強スレートとを一体化してなる外装パ
ネルである。
【0007】また、高比重で高硬度の樹脂ビーズとセメ
ント材とを混合し、これに水を加えて未硬化状態の軽量
スレートを製造する工程と、その未硬化状態の軽量スレ
ートの少なくとも上下面にそれぞれ未硬化状態の補強ス
レートを重ね合わせるとともに、その重ね合わせた積層
板を加圧硬化して一体化させる工程と、その一体化させ
た積層板を加熱して上記樹脂ビーズを溶かし、上記軽量
スレートの内部に気泡を形成する工程とからなる外装パ
ネルの製造方法である。
【0008】
【作用】本発明の外装パネルにおいては、複数の気泡を
有する軽量スレートでパネル内部が構成され、その上下
面に補強スレートが積層されて、一枚のパネルとして一
体化されているので、軽量であるうえに防音効果が高
く、しかも高いパネル強度が得られる。
【0009】また、本発明の製造方法においては、パネ
ル内部に気泡を形成するための部材として、高比重で高
硬度の樹脂ビーズを使用するようにしたので、水に対す
るビーズの浮き上がりが阻止されるとともに、加圧(プ
レス)時の樹脂ビーズの変形が防止される。さらに、未
硬化状態で積層されたスレート間の界面は、接着剤等を
使用することなく、加圧硬化によって圧着される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明に係わる外装パネルの一実施例を
示す断面概略図である。図示のように本実施例の外装パ
ネル1は、軽量スレート2と補強スレート3によって構
成される。
【0011】軽量スレート2は、例えば2層構造をなす
ものであり、それぞれの内部に複数の気泡2aを有して
いる。各層は、抄造法によって製造されたもので、その
厚みは15mm程度(2層で30mm程度)となってい
る。また、個々の気泡2aの大きさは、およそφ2mm
に設定されており、セメント材に対する混合量としては
5〜50%重量の範囲内で適宜設定されている。
【0012】補強スレート3は、軽量スレート2の上下
面にそれぞれ積層されている。各補強スレート3の厚み
は、上記軽量スレート2のそれよりも薄い3mm程度に
設定されており、よって外装パネル1全体の厚みとして
は36mm程度となっている。この補強スレート3の場
合も、上記軽量スレート2と同様の抄造法を用いて製造
される。これらの軽量スレート2と補強スレート3は、
後述する製造方法によって一体化され、一枚の外装パネ
ル1を構成している。
【0013】本実施例の外装パネル1においては、複数
の気泡2aを有する軽量スレート2でパネル内部が構成
され、その上下面に補強スレート3が積層されて、一枚
のパネルとして一体化してあるので、軽量であるうえに
防音効果が高く、しかも表面部分に補強スレート3を設
けたことで高いパネル強度が得られ、且つ防水性や断熱
性、耐火性などの点でも優れたものとなる。
【0014】次に、本実施例の外装パネルの製造方法に
ついて説明する。まず第1の工程では、高比重で高硬度
の樹脂ビーズ2bとセメント材とを混合し、これに適量
の水を加えて未硬化状態の軽量スレート2を製造する
(図2参照)。ここで用いられる樹脂ビーズ2bの比重
は、パネル成形に使用されるセメント材の比重に近いレ
ベルにあり、その硬度においても、後述する加圧処理に
よって変形しない程度に確保されている。さらに本実施
例の製造方法においては、パネル成形法として抄造法を
採用しており、この抄造法にて厚さ15mm程度の軽量
スレート2を二枚製造し、これを重ね合わせて厚さ30
mm程度の軽量スレート2を形成している。
【0015】次いで第2の工程では、上記未硬化状態の
軽量スレート2の上下面にそれぞれ未硬化状態の補強ス
レート3を重ね合わせるとともに、その重ね合わせた積
層板を加圧硬化して一体化させる(図3参照)。すなわ
ち、未硬化状態に積層された軽量スレート2と補強スレ
ート3とを加圧すると、各層間の界面は徐々に硬化しな
がら圧着されていき、ついには完全に接合された状態と
なる。この接合作用の結果として、両スレート2、3に
より構成された積層板が一体化される。
【0016】続いて第3の工程では、上述のように一体
化された積層板を加熱して、上記第1の工程でセメント
材と混合させた樹脂ビーズ2bを溶かし、図1に示すよ
うに軽量スレート2の内部に気泡2aを形成する。その
際、樹脂ビーズ2bを溶かすための加熱温度としては1
30℃程度で十分であるが、本実施例ではオートクレー
ブ養生(条件:180℃、15気圧、高湿)にて樹脂ビ
ーズ2bを溶かすようにした。以上の工程により図1に
示す外装パネル1が製造される。
【0017】上記の製造方法においては、高比重の樹脂
ビーズ2bを採用しているので、水を加えた際のビーズ
の浮き上がりが阻止され、よって抄造法を採用した場合
でも軽量スレート2の内部に所望の気泡分布を形成する
ことができるようになる。なお、上記製造方法の第1工
程の中で、樹脂ビーズ2bとセメント材とを混合する際
に、樹脂ビーズ2bの外表面にセメント材を十分に付着
させるようにすれば、水を加えた際のビーズの浮き上が
りが、より確実に阻止される。
【0018】また本実施例では、高硬度の樹脂ビーズ2
bを採用しているので、未硬化状態でもかなり大きなパ
ネル強度が得られるようになり、よって樹脂ビーズ2b
の混合量の制約が大幅に軽減される。そのうえ、製造工
程の中でスレートを加圧してもビース自体に変形が生じ
ないので、各層間の密着性は確実に保持される。
【0019】さらに、通常の抄造法では最大厚で15m
m程度のものしか製造することができないが、上述した
製造方法のように未硬化状態で積層したスレートを加圧
硬化して一体化させることにより、20mm以上の相当
厚いパネルでも、一体物とほとんど同レベルのパネル強
度をもって作り上げることができる。
【0020】なお、本実施例では外装パネルの構造とし
て、軽量スレート2の上下面に補強スレート3を積層し
たものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、例えば図4に示すように、軽量プレート2の上下面
とその中央部分とにそれぞれ補強スレート3を積層し
て、板厚の拡大に伴ってパネル自体を一層強化したもの
など、種々の態様が考えられる。
【0021】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の製造方法
によれば、樹脂ビーズの浮き上がりが阻止されるため、
たとえ抄造法であってもパネル内部に所望の気泡分布を
形成することができる。また、加圧処理によってもビー
ズ自体に変形が生じないので、各層間の密着性は確実に
保持される。その結果、未硬化状態のスレートを積層
し、これを加圧硬化により一体化することで、相当に厚
いパネルでも、一体物とほとんど同レベルのパネル強度
をもって製造することが可能となる。さらに、これによ
って製造された外装パネルは、軽量であるうえに防音効
果が高く、しかも表面部分に補強スレートを積層一体化
したことで高いパネル強度が得られ、且つ防水性や断熱
性、耐火性などの点でも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる外装パネルの一実施例を示す断
面概略図である。
【図2】外装パネルの製造方法の説明図(その1)であ
る。
【図3】外装パネルの製造方法の説明図(その2)であ
る。
【図4】本発明に係わる外装パネルの他の実施例を示す
断面概略図である。
【符号の説明】
1 外装パネル 2 軽量スレート 2a 気泡 2b 樹脂ビーズ 3 補強スレート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に複数の気泡を有する軽量スレート
    と、この軽量スレートの少なくとも上下面に積層された
    補強スレートとを一体化してなることを特徴とする外装
    パネル。
  2. 【請求項2】 高比重で高硬度の樹脂ビーズとセメント
    材とを混合し、これに水を加えて未硬化状態の軽量スレ
    ートを製造する工程と、 前記未硬化状態の軽量スレートの少なくとも上下面にそ
    れぞれ未硬化状態の補強スレートを重ね合わせるととも
    に、その重ね合わせた積層板を加圧硬化して一体化させ
    る工程と、 前記一体化させた積層板を加熱して前記樹脂ビーズを溶
    かし、前記軽量スレートの内部に気泡を形成する工程と
    からなることを特徴とする外装パネルの製造方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5637277A (en) * 1979-08-31 1981-04-10 Matsushita Electric Works Ltd Lightweight exterior wall material and its manufacture
JPS61102659A (ja) * 1984-10-26 1986-05-21 Ricoh Co Ltd 複写機の制御方式

Patent Citations (2)

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