JPH0673722U - サスペンダー式の合成樹脂リム枠眼鏡 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のサスペンダー式眼鏡が有する機構的な
利点を備えながらも、デザインが温和で上品な美観を呈
し、しかも組立・修理作業が極めて簡単に行えるサスペ
ンダー式の合成樹脂リム枠眼鏡を提供すること。 【構成】 合成樹脂を成形して成るリング状成形体であ
って、内周部にレンズを抱持すると共に、外周の上弦部
分にはブローバーが嵌入するための太溝、残りの外周縁
にはリム吊コードが嵌入するためのリム枠を採用したこ
と。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】

本考案は、サスペンダー式眼鏡の改良、さらに詳しくは、単調で冷たい感じに 流れ勝ちなサスペンダー式の眼鏡に合成樹脂フレーム（所謂「セル枠眼鏡」）の 特長である穏やかさと安定感とを巧みに活かしたサスペンダー式の合成樹脂リム 枠眼鏡に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ブリッジ左右両側のブローバーの弧端間にリム吊コードを∪状に仕掛け、この リム吊コードとブローバーとの間にレンズを直に吊紮(suspend) せしめた方式の 縁なし眼鏡はサスペンダー式眼鏡と俗称され、従来周知である。

【０００３】 ところが、この種のサスペンダー式眼鏡は外観がスッキリとして軽量であり、 しかも着用した人を知性的に見せる効果があるため、知性派を自認する人や知性 的イメージに憧れを持つ階層の人に好評なのであるが、見様によっては眼鏡自体 のデザインが単調に流れ、また着用した人を冷たい感じにする傾向があり、かつ レンズがフラフラと不安定なのではないかという外見を呈するため、眼鏡の機構 として優秀であるにも拘わらず、今一つ、普及が十分でなかったのである。

【０００４】

【解決すべき技術的課題】

本考案は、従来普及しているサスペンダー式眼鏡が組立作業も簡単で機構的に も優秀であるのに、その普及にブレーキが掛かっている実情に鑑みて為されたも ので、従来のサスペンダー式眼鏡における機構的な特長を保持しながらも、デザ インが温和で安定した外観を表現できる新タイプのサスペンダー式眼鏡を提供す ることを技術的課題とするものである。

【０００５】 本考案者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照 して説明すれば、次のとおりである。

【０００６】 即ち、本考案は、ブリッジ１の左右両側に対称的に並設せるブローバー２・２ と；この左右両側のブローバー２・２の各々の弧端21・22間に仕掛けられたリム 吊コード３と；合成樹脂を成形して成るリング状の成形体であって、内周部にレ ンズＬを抱持すると共に、外周の上弦部分には前記ブローバー２が嵌入せる太溝 41、残りの外周縁には前記リム吊コード３が嵌入せる細溝42が形成されたリム枠 ４と；ブリッジ１の左右に伸びるブローバー２・２の左右両端部に折畳み自在に ヒンジ連結されたテンプル５・５という技術手段を巧みに結合させた結果、従来 のサスペンダー式眼鏡の欠点を克服して上記技術的課題の解決に到達した次第で ある。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を添附図面に示す実施例に基いて、更に詳しく説明する。なお、 図１は本考案の実施例であるサスペンダー式眼鏡の片側部分を分解して表わした 分解斜視説明図、図２は前記実施例眼鏡の同部分を一体に結合した状態を表わす 斜視説明図、図３はブローバーの弧端とリム吊コードとを結紮してＵ状に仕掛る 場合の結紮例を表わす部分拡大斜視説明図である。ちなみに、注釈しておくと、 本明細書に添附する図面では片側だけしか表わしてないけれども、本実施例眼鏡 は左右対称であるので、省略部分も同様に構成してあることを留意されたい。

【０００８】 図１において、符号１で指示するものは着用者の鼻部を跨ぐ金属製のブリッジ であり、本実施例にあってはブリッジ下端部にパッド足11・11が一体に連設して あって、その端部に鼻当パッドＰ・Ｐが装着してある。

【０００９】 上記ブリッジ１の左右両側にはアーチ形に湾曲せる金属製のブリッジ２・２が 接合されている。前記ブリッジ２における両弧端部21・22には各々通孔が二つ宛 穿設してあり、其処にナイロン繊維からなる透明のリム吊コード３の端部が縫入 され、前記弧端21・22間に∪に懸垂されている。

【００１０】 また、符号４で指示するものはセルローズ・アセテート樹脂をリング状に成形 して成るリム枠であり、内周部にレンズＬを抱持している。また、このリム枠４ の外周部の上弦部分には上記ブローバー２を嵌入させるための太溝41が形成して あり、それ以外の部分には上記リム吊コード３を嵌入させるための細溝42が形成 してある。

【００１１】 したがって、本実施例眼鏡は、上記リム枠４の上弦部分の太溝41にブローバー ２を嵌め合わせ乍がらリム吊コード３を同リム枠の細溝42に嵌め込むと、図２に 示す状態の合成樹脂リム枠を抱いたサスペンダー式眼鏡が出来あがる。なお、図 中の符号５は、ブローバー２の外端部にブラケット51を介してヒンジ連結された テンプルである。

【００１２】 他方、図２のようにリム枠４を抱いた本実施例サスペンダー式眼鏡からリム枠 を外す場合には、リム枠４を持ってリム吊コード３を少し伸ばすように引くと、 簡単に外すことができるのである。

【００１３】 本願明細書および図面に示す実施例は概ね上記のように作製されるが、本考案 は前述の実施例に限定されるものでは決してなく、「実用新案登録請求の範囲」 の記載内で種々の設計変更が可能であり、例えばリム吊コード３としてナイロン 繊維を使用する例を挙げたが、カーボン繊維あるいは金属繊維を用いるのも当然 に可能であり、本考案の技術的範囲に属する。

【００１４】 また、前述の実施例においては、ブリッジ１の両端部分にブローバー２を接合 （例えば、ロウ付する）という方式を採ったけれども、ブリッジ１とブローバー ２・２とを冶金的に一体に作製することも可能であり、本考案の技術的範囲に属 することは言うまでもない。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案のサスペンダー式眼鏡にあっては、外周の上弦部 分に前記ブローバーが嵌入する太溝、およびそれ以外の外周縁部にリム吊コード が嵌入する細溝を成形した特殊形状の合成樹脂成形リム枠を採択し、これをブロ ーバーの下側に吊紮せしめるという構造にしたので、正面から見ると合成樹脂製 のリム枠が温和で上品な美観を形成し、しかも従来周知のサスペンダー式眼鏡の ようにレンズがフラフラして見えるといった不安定感を与えることがなく、着用 した人に深沈厚重のイメージを付与し得る。

【００１６】 また、本考案眼鏡にあっては、ブローバーもリム吊コードもリム外周に穿設さ れた太溝・細溝の中に埋入した状態になるので、当該眼鏡を上方から見た場合に は合成樹脂製のリム枠の穏やかな質感と金属製のシャープな質感とが微妙に調和 して一種の引き締まった上品さを呈することにあるのである。

【００１７】 さらに、本考案眼鏡にあっては、合成樹脂製のリム枠の嵌め外しが極めて簡単 に行えるので、組立作業を大いに能率化できるうえに、メガネ店などで修理する 場合にも取り扱いが頗る簡易で迅速に処理することが可能である。

【００１８】 このように本考案によれば、従来のサスペンダー式眼鏡の欠点であった外見上 の冷たさや不安定感の改善に寄与できるのに加えて、組立作業や修理作業も頗る 簡単に行え、さらにデザイン的にも大きな転回をもたらし得る等、眼鏡製造業界 や眼鏡販売業界のみならず、眼鏡常用者にも大いなる効用を提供できるものであ り、その産業上のメリットは頗る大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の実施例であるサスペンダー式眼
鏡の片側部分を分解して示した分解斜視説明図である。

【図２】本実施例眼鏡におけるブローバー下部に合成樹
脂製のリム枠を一体に結合した状態の斜視説明図であ
る。

【図３】本実施例におけるブローバーの弧端とリム吊コ
ードとを結紮して∩状に仕掛る場合の結紮例を示した
部分拡大斜視説明図である。

【符号の説明】

１ ブリッジ ２ ブローバー 21・22 （ブローバーの) 弧端 ３ リム吊コード ４ リム 41 太溝 42 細溝 ５ テンプル Ｌ レンズ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブリッジの左右両側に対称的に並設せる
   ブローバーと；この左右両側のブローバーの各々の弧端
   間に仕掛けられたリム吊コードと；合成樹脂を成形して
   成るリング状の成形体であって、内周部にレンズを抱持
   すると共に、外周の上弦部分には前記ブローバーが嵌入
   せる太溝、残りの外周縁には前記リム吊コードが嵌入せ
   る細溝が形成されたリム枠と；ブリッジの左右に伸びる
   ブローバーの左右両端部に折畳み自在にヒンジ連結され
   たテンプルとを包含することを特徴としたサスペンダー
   式の合成樹脂リム枠眼鏡。