JPH0673565B2 - パチンコ機の遊戯者検知装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、遊戯者の存在を検知する遊戯者検知装置に関
する。

〈従来技術〉 パチンコ機用操作ハンドルは、その回転量に伴って、発
射鎚の打撃力を調整し、打玉に所望の飛距離を生じさせ
るものであるが、ハンドルの回転部に異物を挿入して固
定することにより、遊戯者が不在でも、その打撃作動を
生じさせることが可能となり、この場合には一人の遊戯
者により複数のパチンコ機が占有されることとなって不
都合である。

そこで、遊戯者が、前記ハンドルを触手すると、人と大
地との短絡により発振回路を停止しさせ、これを検知信
号として、発射鎚の駆動を生じるようにしたものがあ
る。ところで、このものは接地条件により、誤作動を生
じ易い。かかる誤作動を解決するためにの手段として、
特開昭53-106238号に開示されているものもあるが、か
えって回路構成が複雑となる。また、遊戯者がゴム靴等
を履いていると、前記短絡を生じない場合があり、これ
を原因とする誤作動には対応できない。

また実開昭55-109578号に開示されているように、受光
素子をハンドル内に設けて、該素子を遮蔽した場合にの
みモータ駆動を生じるようにしたものもあるが、ガムテ
ープ等で受光素子を遮蔽すれば、前記駆動を生じ、効果
的とはいえない。

一方、人検知手段として、特開昭56-9895号に開示され
ているように、焦電型赤外線センサーと、モータによっ
て駆動されるチョッパーと、前記センサーの受光面の前
部に配設され、人体から発する所定周波数の赤外線のみ
を透過する光学フィルターとを備え、人体から放出され
た遠赤外線を、チョッパーによる遮蔽解除毎にセンサー
ｓに照射するようにし、センサーｓへの光の照射と、そ
の解除による温度変化に対応して出力信号を生じるよう
にして、この信号により人を検知するようにした構成が
提案されている。ところで、このような構成にあって
は、チョッパーを駆動するためのモータとその連係機構
を要して、構造が複雑となり、遊技者の邪魔にならない
ように、パチンコ機の前面に配置することは困難であ
り、実際上このような手段を適用することはできなかっ
た。

本発明は、前記した種々の構成の夫々の欠点を除去し得
るとともに、その他の応用も可能な遊戯者検知装置の提
供を目的とするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は、焦電型赤外線センサーと、前後面の透明電極
に交番電圧を印加することにより、透光状態と遮光状態
とに交互に変換されて該センサーの受光面を間欠的に遮
蔽する液晶板と、前記センサーの受光面の前部に配設さ
れ、人体から発する所定周波数の赤外線のみを透過する
光学フィルターと、前記センサーによる赤外線の検出に
より出力を発生する信号処理部とからなる赤外線検知装
置を、パチンコ機台の表面に設け、前記検知装置の発生
出力により閉成する遊戯者検知スイッチをパチンコ機の
所要の機能回路に介装したことを特徴とするものであ
る。

ここでパチンコ機の所要の機能回路とは、遊戯者の存在
と関係付けられる種々の機能を実行するための回路をい
う。

かかる構成をさらに詳しく説明する。

例えば、PbTiOにMnOとLaOを少量添加したものや、チタ
ン酸ジルコン酸鉛（PZT）等の材料は、常温域におい
て、温度により自発分極の大きさが変化し、温度変化を
生ずるとその表面に電荷が現れる性質をもっていること
が知られている。かかる材料を焦電体として利用して、
赤外線を検知するものを焦電型赤外線センサーｓとい
い、公知となっている。

第１図は、赤外線検知装置Ｘの基本構成を示すものであ
る。

ここでセンサーｓは前記焦電体ａの表裏に電極b,cを蒸
着等の手段により形成し、さらにその受光側電極ｂの表
面には、黒化膜ｄを形成することにより構成される。前
記黒化膜ｄは、照射される赤外線を熱に変換するもので
ある。

またセンサーｓの前面には、液晶板ｅが設けられる。こ
の液晶板ｅはその表裏面の透明電極g,gに交番電圧を印
加することにより、液体状態の透光状態と、結晶状態の
遮光状態とに交互に変換される。そこで、かかる状態変
換により間欠的に前記センサーｓが遮蔽されることとな
る。

さらにまた前記液晶板ｅの前面には、人体から発する所
定周波数の赤外線のみを透過する光学フィルターｆが配
設される。前記光学フィルターｆは、センサーｓと液晶
板ｅ間に配置してもよい。

前記各部材は、筺体ｇ内に収納されて、ユニット化され
得る。

而して、パチンコ機の前面に人が座ると、光学フィルタ
ーｆにより人体から発する所定周波数の赤外線のみが濾
波されて、焦電型赤外線センサーｓ側へ放射される。そ
して焦電型赤外線センサーｓは温度変化により出力を生
じるものであるから、液晶板ｅにより、その表面に遮蔽
と開放が繰返えされると、所定周波数の赤外線の照射と
遮断にともなう温度変化により出力を生じる。そしてこ
の信号出力により、遊技者の検知がなされることにな
る。

かかる構成にあって、上述したように前記液晶板ｅを赤
外線検知装置Ｘのチョッパーとして用いたため、小型化
が可能となる。このため、赤外線検知装置Ｘがパチンコ
機の前面側に用いることができるようになり、遊戯者検
知装置への応用が可能となった。

〈作用〉 人体からは、その温度に対応する所定周波数の遠赤外線
が放出している。このため、前記赤外線検知装置Ｘの前
部に遊戯者が位置すると、前記光学フィルターｆにより
弁別されて、前記所定の赤外線が、液晶板ｅによる遮蔽
解除毎にセンサーｓに照射される。このため前記センサ
ーｓは、その表面への光の照射と、その解除による温度
変化に対応して出力信号を生じる。すなわち、前記液晶
板ｅの開閉と同期するパルス信号電圧を連続的に生じる
こととなる。このセンサーｓの電極b,c間に発生する信
号電圧は、信号処理部ｈで整波，温度補正，増幅等の処
理がなされ、液晶板ｅを駆動する交番電圧に同期する信
号電圧が発生している間、パチンコ機の所要の機能回路
に介装した遊戯者検知スイッチS₂を閉成する出力電圧を
生じる。

従って、前記機能回路を発射鎚の駆動回路とした場合に
は、遊戯者がある場合にのみ、操作ハンドルの回転によ
る発射鎚の駆動を可能とし、遊戯者の存在が、打撃鎚を
駆動させるための前提条件となる。

前記赤外線検知装置Ｘにあって、単一の板体からなる液
晶板ｅをチョッパーとして用いている。このため、該チ
ョッパーとして、駆動モータにより作動してセンサーｓ
の開閉を行なう構成にあっては、装置が複雑化し、パチ
ンコ機の前面部に用いると、遊技の支障となり、チョパ
ーによりセンサーｓの開閉を行なう構成は、実際上適用
不能ともいえるが、チョッパーとして液晶板を用いたた
めに、かかる構成をパチンコ機における人検知手段とし
て用いることを可能としている。

〈実施例〉 本発明の一実施例を添付図面について説明する。

操作ハンドル３は、第５図に示すようにパチンコ機台１
の機枠２の下部右位置に付設されており、その構成を第
２図について詳述する。

４は、把持を容易とするために、その前端を膨隆状とし
たグリップであって、その裏面に固定した軸筒５を、前
記機枠２の裏面から前方突出させて嵌着した取付筒６
に、外嵌固定することにより回動不能に取付けられてい
る。前記グリップ４と軸筒５間には、回動操作体８が回
転可能に外嵌しており、該回動操作体８の中央に支持さ
れた作動杆９が、前記取付筒６内に通入して裏面側に突
出している。また前記軸筒５の内部には、前記回動操作
体８の回動により閉路する回転検知スイッチS₁が装着さ
れている。

また前記グリップ４の中央部には、装着溝22が設けら
れ、該溝内に、第１図に示すユニット化された赤外線検
知装置Ｘが埋設されている。この赤外線検知装置Ｘは本
考案の要部に係り、既に詳述したように焦電型赤外線セ
ンサーs,液晶板ｅ及び光学フィルターｆにより構成され
る。

尚、赤外線検知装置Ｘは、遊戯者によりその前面を遮蔽
される位置であれば、パチンコ機台１の機枠２前面のい
ずれの位置でもよい。

ただし、前記したように、操作ハンドル３に設けた場合
には、その手の接近又は、接触により、遊戯者を検知す
ることとなるから、誤作動なく確実に検知することがで
きる利点を生ずる。

前記回動操作体８の回動と、発射鎚11との関係を第３図
について説明する。

前記発射鎚11は、回動モータＭの駆動によって、その駆
動軸の一回転毎に傾動位置に案内され、かつその案内作
用を解除されて、該発射鎚11に掛けられた引張バネ12の
付勢力により急瞬に復動し、パチンコ玉をその先端で打
撃するものである。前記引張バネ12の他端は、該バネの
引張力を調整するためのプーリー13に巻き取られてい
る。前記プーリー13には、該プーリー13を回動するリン
グ14が外嵌しており、作動杆９の後端のプーリ15に巻回
されたワイヤー16の他端を、前記リング14に連結するこ
とにより、前記回動操作体８の回動に伴い、前記引張バ
ネ12がプーリー13に巻き取られる。このため、引張バネ
12によって発射鎚11の下端に作用する引張力が変化す
る。すなわち、前記回動操作体８を図中時計方向回転さ
せると、前記引張バネ12の付勢力が増大し、前記発射鎚
11の復動力が増大して、強くパチンコ玉ａを打撃するこ
ととなる。

回動モータＭは、第４図に示すモーター駆動回路20に、
前記した回転検知スイッチS₁及び遊戯者検知スイッチS₂
とともに直列接続され、該スイッチS₁,S₂の閉成によっ
てのみ駆動可能となる。またモーター駆動回路20は電源
回路17の始動スイッチ18を閉成することにより、変圧器
19を介して電圧印加される。

前記遊戯者検知スイッチS₂は、赤外線検知装置Ｘの発生
出力により閉成する。この遊戯者検知スイッチS₂は、電
源回路17に設けることもできる。

而て、前記赤外線検知装置Ｘによる遊戯者検知により、
遊戯者検知スイッチS₂が閉成して、前記回転検知スイッ
チS₁の閉成と相俟って、モーター駆動回路20が導通し、
回動モータＭの駆動を生じ、発射鎚11の揺動作動毎にパ
チンコ玉が盤面に打ち出される。

また、前記赤外線検知装置Ｘにより閉成される遊戯者検
知スイッチS₂は、発射鎚11の駆動回路のみならず、パチ
ンコ機に用いられる種々の機能回路にも介装することが
できる。これにより、例えば、機枠２の前面に赤外線検
知装置Ｘを設け、機台１前部に遊戯者が位置すると、遊
戯盤面の各種の表示ランプが点灯したり、又は機台１側
から『イラッシャイマセ』等の音声を発する等が可能と
なる。また、赤外線検知装置Ｘを前記ハンドル３と機枠
２中央部とに二個に設け、前記遊戯者が椅子に座ると、
機枠２中央の赤外線検知装置Ｘによる遊戯者検知に起因
して、遊戯盤面のいわゆる電役物をデモンストレーショ
ン作動させて、その作動態様を遊戯者に知得させ、ハン
ドル３に手を沿えると、その赤外線検知装置Ｘによる遊
戯者検知により、前記デモンストレーション作動が解除
されるようにしてもよい。

〈発明の効果〉 本発明は、上述のように、パチンコ機台の表面に、焦電
型赤外線センサーs,液晶板ｅ及び光学フィルターｆによ
り構成される赤外線検知装置Ｘを設け、遊戯者の前記検
知装置への近接により、該遊戯者の存在を検知するよう
にしたものである。

このため、単一の板体からなる液晶板ｅを赤外線検知装
置Ｘのチョッパーとして用いたため、小型化が可能とな
り、遊技者の邪魔になることなく、赤外線検知装置Ｘを
適用することができる。

しかも赤外線検知装置Ｘは非接触型の遊戯者検知手段で
あるから、その取付場所等の限定条件が少なく、このた
めパチンコ機の特定の機能の実行を前記遊戯者の存在と
関係付けて生じさせる必要のある場合に、その適用が容
易である。

また赤外線検知装置Ｘの発生出力により閉成する遊戯者
検知スイッチS₂を発射鎚11の駆動回路に介装した場合に
は、前記かかる検知を前提条件として、前記発射鎚11の
駆動を生じさせるようにしたものであるから、遊戯者を
介して回路を接地する等の手段とは異なり、誤作動が可
及的に減少する。

さらには、またガムテープ等で前記センサーｓを遮蔽し
ても所定量の赤外線が照射されないことから、発射槌11
の駆動を生じることはない。このため、グリップ４と、
回動操作体８間にコインを差し込む等の手段により該操
作体８を回動位置に保持して、複数のパチンコ機台を占
有するような違反行為を有効に防止できる等の優れた効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は赤外線検知装置Ｘの基本構成を示す概念図、第
２図は操作ハンドル３の縦断側面図、第３図は回動操作
体８の凹部10と発射鎚11との関係を示す概要図、第４図
はモーター駆動回路20を示す回路図、第５図はパチンコ
機台１の正面図である。 e;液晶板、f;光学フィルター、h;信号処理部、s;センサ
ー、X;赤外線検知装置、3;操作ハンドル、11;発射鎚、2
0;モーター駆動回路、22;装着溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】焦電型赤外線センサーと、前後面の透明電
   極に交番電圧を印加することにより、透光状態と遮光状
   態とに交互に変換されて該センサーの受光面を間欠的に
   遮蔽する液晶板と、前記センサーの受光面の前部に配設
   され、人体から発する所定周波数の赤外線のみを透過す
   る光学フィルターと、前記センサーによる赤外線の検出
   により出力を発生する信号処理部とからなる赤外線検知
   装置を、パチンコ機台の表面に設け、前記検知装置の発
   生出力により閉成する遊戯者検知スイッチをパチンコ機
   の所要の機能回路に介装したことを特徴とするパチンコ
   機の遊戯者検知装置。