JPH0673544U - オイルシール - Google Patents
オイルシールInfo
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- JPH0673544U JPH0673544U JP015251U JP1525193U JPH0673544U JP H0673544 U JPH0673544 U JP H0673544U JP 015251 U JP015251 U JP 015251U JP 1525193 U JP1525193 U JP 1525193U JP H0673544 U JPH0673544 U JP H0673544U
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- dust
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 主リップとダストリップとの間の凹部空間内
の負圧を防止するとともに、万一凹部空間内にダスト等
が侵入してもこれを排出できるようにする。 【構成】 軸19に接触する主リップ14とダストリッ
プ15とを備え、ダストリップ15の内側面に、相対向
する隣接する2辺18a,18bが軸方向に互いに反対
方向に傾斜する複数の突起18または溝を備えている。
軸19が矢印A方向(オイルシール11が回転する場合
はAとは反対方向)に回転すると、外気が突起18の一
方の辺18aに沿って矢印B方向に流入して凹部空間1
6内の負圧を防止する。万一凹部空間16内にダスト等
が侵入しても、これを突起18の他方の辺18bに沿っ
て矢印C方向から外部に排出する。シール性向上のため
に、主リップ14の内側面にヘリックス17を設けた場
合には、凹部空間16が負圧になりやすいので、より効
果的である。突起18は円弧状であってもよい。
の負圧を防止するとともに、万一凹部空間内にダスト等
が侵入してもこれを排出できるようにする。 【構成】 軸19に接触する主リップ14とダストリッ
プ15とを備え、ダストリップ15の内側面に、相対向
する隣接する2辺18a,18bが軸方向に互いに反対
方向に傾斜する複数の突起18または溝を備えている。
軸19が矢印A方向(オイルシール11が回転する場合
はAとは反対方向)に回転すると、外気が突起18の一
方の辺18aに沿って矢印B方向に流入して凹部空間1
6内の負圧を防止する。万一凹部空間16内にダスト等
が侵入しても、これを突起18の他方の辺18bに沿っ
て矢印C方向から外部に排出する。シール性向上のため
に、主リップ14の内側面にヘリックス17を設けた場
合には、凹部空間16が負圧になりやすいので、より効
果的である。突起18は円弧状であってもよい。
Description
【0001】
本考案は、自動車や産業機械等に使用されるオイルシールに関する。
【0002】
オイルシールは、一般に機械本体側に固定されて、内周部に軸に接触するリッ プを備え、機械内部の液体や気体等の流体が外部へ流出するのを防止する働きと 、外部から機械内部へ塵埃やダスト等が侵入するのを防止する働きの両方を備え ている。このような働きは、リップが1つでも可能であるが、リップを2つ設け 、一方は専ら流体の内部からの流出を防止し、他方は専ら外部からのダスト等の 侵入を防止する2重構造のものが知られている。前者のリップを主リップといい 、後者のリップをダストリップまたは副リップと呼んでいる。
【0003】 このような2重構造のオイルシールでは、ダスト等の侵入を確実に防止するた めにダストリップに締め代を設けると、主リップとダストリップとの間の凹部空 間が、軸が相対回転するときに主リップの流体吸い込み作用により内部の空気が 排除されて負圧になるので、両側の主リップおよびダストリップが互いに内側に 引き付けられて軸に対する緊迫力が高くなり、リップの摩耗が早くなってシール 性が低下する問題があった。このため、このような負圧を防止するための対策が 講じられた。
【0004】 図3は従来の負圧対策を講じたオイルシールの一例を示している。オイルシー ル1は、断面L字形の補強環2とこれに一体に成形されたゴム状弾性体3からな る。ゴム状弾性体3の内周部先端部には、主リップ4およびダストリップ5が形 成されている。ダストリップ5には、主リップ4との間の凹部空間6と外気とを 連通して、使用時における凹部空間6内の負圧を防止する通気孔7が形成されて いる。主リップ4の外周面には、主リップ4の先端部を軸8に押圧するためのス プリング9が嵌め込まれている。このオイルシール1は、補強環2の外周部分が 機械本体側の取付穴に圧入されて使用される。
【0005】
しかしながら、このようなダストリップに通気孔を設けたオイルシールでは、 通気孔がダスト等により塞がれて通気孔としての役目を果たさず、またその通気 孔からダスト等が侵入する恐れがあった。また、一般にこのようなダストリップ を備えたオイルシールでは、軸の偏心や取付時の偏心により、ダストリップと軸 との間に隙間が発生し、そこからダスト等が侵入してシール性を低下させる問題 があった。
【0006】 本考案は、このような従来の問題を解決するものであり、主リップとダストリ ップとの間の凹部空間内の負圧を防止するとともに、万一凹部空間内にダスト等 が侵入してもこれを排出することのできるオイルシールを提供することを目的と する。
【0007】
本考案は、上記目的を達成するために、ダストリップの内側面に、相対向する 隣接する2辺が軸方向に互いに反対向きに傾斜するか、または円弧状に形成され た複数の突起または溝を備えたものである。
【0008】
本考案は、上記構成により、ダストリップの内側面に設けた突起または溝の2 辺のうち、円周方向の一方の辺または円弧部分で主リップとダストリップとの間 の凹部空間内に外気を取り込み、他方の辺または円弧部分でその凹部空間内に侵 入してきたダスト等を排出するので、凹部空間内の負圧を防止できるとともにシ ール性の低下を防止することができる。
【0009】
図1は本考案の第1の実施例の構成を示すものである。オイルシール11は、 断面L字形の補強環12とこれに一体に成形されたゴム状弾性体13からなる。 ゴム状弾性体13の内周部先端部には、主リップ14およびダストリップ15が 形成されている。主リップ14の内側面すなわち主リップ14とダストリップ1 5との間の凹部空間16に向いた面の全周には、展開した状態で軸線Lに対し同 角度で同方向に傾斜する螺旋状の複数の突起であるヘリックス17が円周方向に 等間隔に形成されている。このヘリックス17は、主リップ14の流体吸い込み 作用を助勢するためのものであり、高さが0.1mm以下で、主リップ14は軸1 9にラインコンタクト可能であり、その傾斜方向は、軸19またはオイルシール 11の回転方向により決定される。ダストリップ15の内側面すなわち凹部空間 16に向いた面の全周には、展開した状態で相対向する隣接する2辺である18 aと18bとが、軸線Lに対し同角度で互いに反対方向に傾斜する複数の三角形 状の突起18が円周方向に等間隔に形成されている。この突起18は、高さが0 .05mm〜0.2mm程度を有しており、ダストリップ15は軸19にラインコン タクトさせないので、軸19に対して隙間が生じることになる。なお、リップと 軸とのラインコンタクトの有無は、突起高さ、ゴム材料の硬さ、締め代等により 決定される。主リップ14の外周面には、主リップ14の先端部を軸19に押圧 するためのスプリング20が嵌め込まれている。このオイルシール11は、補強 環12の外周部分がハウジングの取付穴に圧入されて使用される。
【0010】 次にこのオイルシール11の作用について説明する。オイルシール11は、こ のオイルシール11を取り付けたハウジングが回転する機械に使用しても、軸1 9が回転する機械に使用してもよいが、軸が回転する場合を例にして説明する。 軸19が矢印A方向に回転すると、ダストリップ15の内側面に設けられた突起 18の一方の辺18aによって形成された矢印B方向の空気流によって、外気が 凹部空間16内に取り込まれ、凹部空間16の負圧が防止される。このとき、万 一外気とともにダスト等が侵入したとしても、このダスト等は反対側の辺18b によって形成された矢印C方向の空気流によって外部に排出される。また、主リ ップ14の内側面に設けられたヘリックス17によって形成された矢印D方向の 空気流によって、機械内部から外部へ流出しようとする流体を押し戻すので、シ ール性が一段と向上する。
【0011】 このように、上記実施例によれば、ダストリップ15の内側面の全周には、展 開した状態で相対向する隣接する2辺である18aと18bとが、軸線Lに対し 同角度で互いに反対方向に傾斜している三角形状の複数の突起18が円周方向に 等間隔に形成されているので、使用時には主リップ14とダストリップ15との 間の凹部空間16内の負圧を防止できるとともに、万一凹部空間16内にダスト 等が侵入しても、これを外部に排出することができる。また、主リップ14の内 側面には、展開した状態で軸線Lに対し同角度で同方向に傾斜する螺旋状の複数 の突起であるヘリックス17が円周方向に等間隔に形成されているので、主リッ プ14の流体吸い込み作用を助勢して、シール性を一段と向上させることができ る。
【0012】 上記実施例において、三角形状の突起18の2辺の傾斜角度は回転速度等から 適切に定められるが、2辺とも同じ角度である必要は必ずしもない。また、突起 18に代えて同様な深さの溝を形成してもよく、この場合には溝と溝との間が上 記実施例における突起に相当する。なお、溝よりも突起の方が金型製作の観点か らは有利になる。さらに、突起18は三角形状に限らず、台形状でもよく、また 辺18a,18bだけの直線状でもよく、曲線状でもよい。また、突起高さを全 て同じにする必要は必ずしもない。
【0013】 図2はこのような突起を曲線状に形成した本考案の第2の実施例の構成を示す ものである。オイルシール21は、上記第1の実施例と同様に、断面L字形の補 強環22とこれに一体に成形されたゴム状弾性体23からなり、ゴム状弾性体2 3の内周部先端部には、主リップ24およびダストリップ25が形成されている 。主リップ24の凹部空間26側の内側面の全周には、展開した状態で軸線Lに 平行な母線に対し同方向に傾斜する螺旋状の複数のヘリックス27が等間隔に形 成されている。またダストリップ25の凹部空間26側の内側面の全周には、主 リップ24側に凸を向けた複数の同心的な円弧状の突起28からなる円弧状突起 群が円周方向に等間隔に形成されている。これら突起28は、高さが0.05mm 〜0.2mm程度を有しており、ダストリップ25は軸29にラインコンタクトさ せないので、軸29に対して隙間が生じることになる。また主リップ24の外周 面には、主リップ24の先端部を軸29に押圧するためのスプリング30が嵌め 込まれいる。
【0014】 次にこのオイルシール21の作用について、軸29が回転する場合を例にして 説明する。軸29が矢印A方向に回転すると、ダストリップ25の内側面に設け られた各突起28のアヘッド側の円弧部分28aによって形成された矢印B方向 の空気流によって、外気が凹部空間26内に取り込まれ、凹部空間26の負圧が 防止される。このとき、万一外気とともにダスト等が侵入したとしても、このダ スト等は反対側のフォロー側の円弧部分28bによって形成された矢印C方向の 空気流によって外部に排出される。また、主リップ24の内側面に設けられたヘ リックス27によって形成された矢印D方向の空気流によって、機械内部から外 部へ流出しようとする流体を押し戻すので、シール性が一段と向上する。
【0015】 このように、上記実施例によれば、ダストリップ25の内側面の全周には、主 リップ24側に凸を向けた複数の同心的な円弧状の突起28からなる円弧状突起 群が円周方向に等間隔に形成されているので、使用時には主リップ24とダスト リップ25との間の凹部空間26内の負圧を防止できるとともに、万一凹部空間 26内にダスト等が侵入しても、これを外部に排出することができる。また、主 リップ24の内側面には、ヘリックス27が円周方向に等間隔に形成されている ので、主リップ24の流体吸い込み作用を助勢して、シール性を一段と向上させ ることができる。
【0016】 上記実施例において、複数の突起28で円弧状突起群を構成するのではなく、 突起28を線状または面状の1つの円弧状の突起とし、これを円周方向に複数設 けることもできる。また、突起28の円弧部分28aおよび28bの曲率は、ア ヘッド側とフォロー側で変化させてもよい。さらに、同一の突起28における円 弧部分28aと28bとの間を軸方向に切除したり、円周方向に隣接する突起2 8同士の間を開けたりすることにより、オイルシール外部と内部空間26との間 の通気をより積極的に図るようにしてもよい。さらに、突起28に代えて同様な 深さの溝を形成してもよい。
【0017】
以上のように、本考案は、軸に接触する主リップとダストリップとを備え、ダ ストリップの内側面に、相対向する隣接する2辺が軸方向に互いに反対向きに傾 斜するか、または円弧状に形成された複数の突起または溝を備えているので、主 リップとダストリップとの間の凹部空間内の負圧を防止できるとともに、万一凹 部空間内にダスト等が侵入しても、これを外部に排出することができ、良好なシ ール性を維持することができる。また、シール性向上のために、主リップの内側 面に主リップの流体吸い込み作用を助勢する複数の突起または溝を設けた場合に は、凹部空間が負圧になりやすいので、本考案の適用がより効果的であり、シー ル性を良好に維持できるとともに、高温、高周速条件下での使用に特に顕著な効 果を有する。
【図1】本考案の第1の実施例を示すオイルシールの概
略部分断面図。
略部分断面図。
【図2】本考案の第2の実施例を示すオイルシールの概
略部分断面図。
略部分断面図。
【図3】従来例を示すオイルシールの概略部分断面図。
11,21 オイルシール 12,22 補強環 13,23 ゴム状弾性体 14,24 主リップ 15,25 ダストリップ 16,26 凹部空間 17,27 ヘリックス 18,28 突起 19,29 軸 20,30 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 石川 学 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)考案者 黒坂 周司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 軸に接触する主リップとダストリップと
を備え、前記ダストリップの内側面に、相対向する隣接
する2辺が軸方向に互いに反対向きに傾斜する複数の突
起または溝を備えたオイルシール。 - 【請求項2】 軸に接触する主リップとダストリップと
を備え、前記ダストリップの内側面に、円弧状に形成さ
れた複数の突起または溝を備えたオイルシール。 - 【請求項3】 主リップの内側面に、主リップの流体吸
い込み作用を助勢する複数の突起または溝を備えた請求
項1または2記載のオイルシール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993015251U JP2583861Y2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | オイルシール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993015251U JP2583861Y2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | オイルシール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673544U true JPH0673544U (ja) | 1994-10-18 |
JP2583861Y2 JP2583861Y2 (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=11883643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993015251U Expired - Lifetime JP2583861Y2 (ja) | 1993-03-30 | 1993-03-30 | オイルシール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2583861Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005249187A (ja) * | 2004-02-04 | 2005-09-15 | Nok Corp | 密封装置 |
JP2016084819A (ja) * | 2010-07-07 | 2016-05-19 | 株式会社日立産機システム | スクロール式流体機械 |
JP2020012478A (ja) * | 2018-07-13 | 2020-01-23 | Nok株式会社 | 密封装置 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020202948A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | Nok株式会社 | 密封装置 |
KR102215143B1 (ko) * | 2019-04-12 | 2021-02-10 | 평화오일씰공업 주식회사 | 마찰력이 개선된 쇽업소버용 오일씰 |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP1993015251U patent/JP2583861Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005249187A (ja) * | 2004-02-04 | 2005-09-15 | Nok Corp | 密封装置 |
JP4609636B2 (ja) * | 2004-02-04 | 2011-01-12 | Nok株式会社 | 密封装置 |
JP2016084819A (ja) * | 2010-07-07 | 2016-05-19 | 株式会社日立産機システム | スクロール式流体機械 |
JP2020012478A (ja) * | 2018-07-13 | 2020-01-23 | Nok株式会社 | 密封装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2583861Y2 (ja) | 1998-10-27 |
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