JPH0673252A - 積層体用樹脂組成物 - Google Patents

積層体用樹脂組成物

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JPH0673252A
JPH0673252A JP22864292A JP22864292A JPH0673252A JP H0673252 A JPH0673252 A JP H0673252A JP 22864292 A JP22864292 A JP 22864292A JP 22864292 A JP22864292 A JP 22864292A JP H0673252 A JPH0673252 A JP H0673252A
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JP
Japan
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styrene
resin
layer
weight
propylene
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JP22864292A
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Haruhiko Kondo
晴彦 近藤
Yuko Masubuchi
優子 増渕
Mitsuhiro Imaizumi
光博 今泉
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スチレン系樹脂層とプロピレン系樹脂層とを
実用可能な強度で接着することができる樹脂組成物を提
供する。 【構成】 スチレンと共役ジエンとのブロック共重合
体水添物5〜97重量%と、スチレン系樹脂3〜95重
量%からなる樹脂組成物。 【効果】 スチレン系樹脂層とプロピレン系樹脂層とを
実用可能な強度で接着することができる樹脂組成物が得
られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スチレン系樹脂層とプ
ロピレン系樹脂層とを実用可能な強度で接着することが
できる積層体用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は成形加工性が良好なこ
と、ゴム成分の添加により剛性と耐衝撃性のバランスが
優れた材料となること、印刷性が良好なことなどの優れ
た特徴があり、種々の形状に成形されて多くの用途分野
で使用されている。その一つとしてシート状に成形され
たものは、真空成形、圧空成形、熱板加熱式圧空成形等
によって二次成形加工され各種容器に広く用いられてい
る。
【0003】しかし、スチレン系樹脂は脂肪性の食物の
様な油状物質の影響下で応力亀裂を生じ、その結果、成
形品の急激な物性低下を招く。また、スチレン系樹脂は
非晶性でありガラス転移温度も90℃前後のため、90
℃以下の比較的低い温度でも容易に変形する。更に、実
際の食品の包装材料として使用する場合はこの両特性が
相まって実用の耐熱温度は更に低いものとなってしまう
傾向にある。このような欠点のためスチレン系樹脂は実
用分野でかなりの制限を受けている。
【0004】以上の問題点の解決を目的に、スチレン系
樹脂にプロピレン系樹脂を積層することが検討されてい
る。しかしながら、両樹脂は相互に非相溶性であり、単
に接着しただけでは両樹脂の界面接着性が乏しいので、
両層へ接着する材料の開発が種々検討されている。
【0005】例えば、特開昭59−57748号公報に
は、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体とポリ
オレフィンを特定の割合で混合して使用する方法が、特
開平3−258844号公報には、スチレンと共役ジエ
ンとのブロック共重合体及び/又はその水添物100重
量部に対し、ポリプロピレン樹脂25〜200重量部を
添加して使用する方法が、特開平3−258843号公
報には前記構成に不飽和カルボン酸とα−オレフィン共
重合体を添加した3成分系組成物の使用が開示されてい
る。
【0006】しかし、特開昭59−57748号公報記
載の方法では界面接着性が乏しく、不飽和結合が多量に
存在するため熱安定性に乏しく多層シート等に共押出成
形した場合焼け焦げが発生するため実用化は難しい。ま
た、特開平3−258844号公報及び特開平3−25
8843号公報記載の方法では熱安定性は大幅に改善さ
れるが界面接着性の向上は殆ど見られず成形品は実用に
供さないものしか得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】スチレン系樹脂層とプ
ロピレン系樹脂層とを実用可能な強度で接着することが
できる積層体用樹脂組成物を提供することが本発明の課
題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、スチレンと
共役ジエンとのブロック共重合体水添物5〜97重量%
と、スチレン系樹脂3〜95重量%からなる樹脂組成物
が、スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂を構成要素とす
る積層体の接着剤として特異的に有効であることを見出
し、本発明を完成するに至った。本発明に従えば上記の
課題は、スチレンと共役ジエンとのブロック共重合体水
添物5〜97重量%と、スチレン系樹脂3〜95重量%
からなるスチレン系樹脂とプロピレン系樹脂の積層体用
樹脂組成物によって解決することができる。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。 (a)スチレン系樹脂 本発明におけるスチレン系樹脂(以下PSと略すことも
ある)とは、下記の一般式で示される構造単位を樹脂中
に少なくとも25重量%以上含有する樹脂である。
【化1】 (ここでRは水素原子またはメチル基を、Zはハロゲン
原子またはメチル基を、pは0または1〜3の整数であ
る。)具体的には、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体などで例示されるスチレンおよびその
誘導体の単独重合体および共重合体が挙げられる。これ
らは互いにブレンドして用いることもでき、更にこれら
の樹脂にスチレン−共役ジエンブロック共重合ゴムおよ
びその水添物をブレンドしたものも適用される。
【0010】スチレン系樹脂の分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ(以下GPCと略す)等の一般
的手法により求めることができる。数平均分子量(以下
Mnと略す)は、通常5,000〜400,000であ
り、10,000〜300,000のものが望ましく、
とりわけ30,000〜200,000のものが好適で
ある。また、重量平均分子量(以下Mwと略す)は通常
10,000〜1,000,000であり、50,00
0〜800,000のものが望ましく、とりわけ10
0,000〜500,000のものが好適である。Mn
が5,000未満かあるいはMw が10,000未満の
スチレン系樹脂を使用すると、シート成形時にダイスよ
り押出された溶融樹脂が自重により垂れてしまい、均一
にロール冷却出来ないためシート成形が困難であるとと
もに他の成形法によって得られた成形品も実用的な物性
を有するものが得られない。また、Mn が400,00
0を超えるかあるいはMw が1,000,000を超え
るスチレン系樹脂を使用すると、溶融時の流動性が悪い
ために押出成形や射出成形ができないため使用すること
ができない。
【0011】さらに、分子量分布の尺度として使用され
るMw /Mn は通常1.0〜20であり、好ましくは
1.5〜10のものを用いることができる。
【0012】スチレン系樹脂のメルトインデックス(J
IS K7210に従い、条件8で測定、以下「MI
(1)と云う)は、通常0.005〜100g/10分
であり、0.01〜80g/10分のものが望ましく、
とりわけ0.02〜50g/10分のものが好適であ
る。MI(1)が0.005g/10分未満のスチレン
系樹脂を使用すると、流動性が悪いために押出成形がで
きず、多層成形が困難である。一方、100g/10分
を超えたスチレン系樹脂を使うならば、これらの押出シ
ートを製造するさいにドローダウンが大きく良好な製品
を得ることができない。
【0013】(b)プロピレン系樹脂 本発明において使われるプロピレン系樹脂(以下PPと
略すこともある)としては、プロピレン単独重合体、プ
ロピレンと20重量%以下(好ましくは18重量%以
下、好適には15重量%以下)のエチレンおよび/もし
くは炭素数が12個以下(望ましくは8個以下)の他の
α−オレフィンをランダム又はブロック共重合させるこ
とによって得られる共重合体が挙げられる。
【0014】さらに、これらのプロピレン系樹脂とエチ
レンの単独重合体、エチレンと炭素数が3〜12個のα
−オレフィンとの共重合体、炭素数が4〜6個のα−オ
レフィンの単独重合体などとの混合物および前記プロピ
レン系重合体どうしの混合物や、これらのプロピレン系
樹脂に少なくとも1個の二重結合を有する化合物(たと
えば、不飽和のカルボン酸、ビニルシラン化合物)をグ
ラフト重合することによって得られる変性プロピレン系
樹脂も含まれる。これらのプロピレン系樹脂および変性
プロピレン系樹脂は、それぞれ単独で使用してもよく、
二種以上使用してもよい。
【0015】プロピレン系樹脂の分子量は、前記スチレ
ン系樹脂と同様にGPC法等の一般的手法により求めた
値でMn は通常5,000〜200,000であり、1
0,000〜150,000のものが望ましく、とりわ
け15,000〜120,000のものが好適である。
また、Mw は通常10,000〜1,000,000で
あり、50,000〜800,000のものが望まし
く、とりわけ100,000〜600,000のものが
好適である。Mn が5,000未満かあるいはMw が1
0,000未満のプロピレン系樹脂を使用すると、シー
ト成形時にダイスより押出された溶融樹脂が垂れてしま
い、シート成形が困難であるとともに他の成形法によっ
て得られた成形品も実用的な物性を有するものが得られ
ない。また、Mn が200,000を超えるかあるいは
Mw が1,000,000を超えるプロピレン系樹脂を
使用すると、流動性が悪いために押出成形ができず、シ
ート成形が困難である。
【0016】また、Mw /Mn は通常1.0〜20であ
り、好ましくは2〜10のものを用いることができる。
【0017】プロピレン系樹脂のメルトインデックス
(JIS K7210に従い、条件14で測定、以下
「MI(2)と云う)は、通常0.005〜100g/
10分であり、0.01〜80g/10分のものが望ま
しく、とりわけ0.02〜50g/10分のものが好適
である。MI(2)が0.005g/10分未満のプロ
ピレン系樹脂を使用すると、流動性が悪いために押出成
形ができず、多層成形が困難である。一方、100g/
10分を超えたプロピレン系樹脂を使うならば、これら
の押出シートを製造するさいにドローダウンが大きく良
好な製品を得ることができない。
【0018】 (c)スチレン−共役ジエンブロック共重合体水添物 本発明で用いる(c)スチレン−共役ジエンブロック共
重合体水添物は、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブ
ロックAと共役ジエン化合物からなる重合体ブロックB
からなるブロック共重合体であり、結合ビニル芳香族化
合物含有量が20〜90重量%であるトリブロック共重
合体を水素添加することによって該ブロック共重合体中
の二重結合の60%以上を飽和して得られる水素添加ブ
ロック共重合体である。
【0019】ビニル芳香族化合物ブロックAは、スチレ
ン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等
のスチレン系化合物かまたはこれらの混合体よりなる重
合体である。
【0020】共役ジエン化合物ブロックBはブタジエ
ン、イソプレン、およびイソプレン−ブタジエン共重合
体かまたはこれらの混合体よりなる重合体である。ま
た、該ブロックB中の共役ジエン化合物の50重量%以
上が1,4構造を有することが望ましく、好適には70
重量%以上である。50重量%未満の材料はスチレン系
樹脂を添加してスチレン系樹脂層とプロピレン系樹脂層
の接着層として用いた場合、接着性が極端に低下し実用
に供することができない。
【0021】前記ブロックAとブロックBとからなるブ
ロック共重合体の結合形態は特に限定されるものではな
く、例えば、A−B、A−B−A、A−B−A−B構造
等のブロック構造体が利用できる。しかし、その中でも
特に好ましいブロック構造は、界面接着性から見てA−
B−A型のトリブロックタイプである。
【0022】該ブロック共重合体の結合ビニル芳香族化
合物含有量は20〜90重量%であり、好ましくは40
〜85重量%であり、好適には50〜75重量%であ
る。20重量%未満あるいは90重量%を超えるとスチ
レン系樹脂を添加してスチレン系樹脂層とプロピレン系
樹脂層の接着剤層として用いた場合、接着性が極端に低
下し実用に供することができない。また共役ジエン化合
物ブロックBの水素添加が60%未満のものを使ったブ
レンド組成物もやはり、多層成形の際に接着性が著しく
低い実用性に乏しいものしか得られない。
【0023】さらに、スチレン−共役ジエン共重合体水
添物の分子量は通常4,000〜2,000,000で
あり、好ましくは10,000〜1,000,000で
あり、好適には30,000〜500,000である。
4,000未満では接着性が低く、目的積層体が得られ
ず、2,000,000を超えると、スチレン系樹脂へ
のブレンド後の分散状態が悪くなりやはり接着性の低い
材料しか得られない。
【0024】(d)樹脂組成物 本発明の樹脂組成物は、スチレン−共役ジエンブロック
共重合体水添物5〜97重量%と、スチレン系樹脂3〜
95重量%からなるが、必要に応じて無機充填剤、造核
剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、重金属安定剤(銅害防止剤)、難燃剤、難燃助剤、
着色剤などを適宜添加することができる。
【0025】スチレン−共役ジエンブロック共重合体水
添物の混合量は5〜97重量%であり、7〜90重量%
が好ましく、とりわけ10〜80重量%が好適である。
スチレン−共役ジエンブロック共重合体水添物の混合量
が97重量%を越えると、粘度が高過ぎ共押出成形に充
分な流動性を確保することができない。一方、5重量%
未満では、プロピレン系樹脂層との接着性が低下し、実
用的な積層体が得られない。
【0026】(e)無機充填剤 本発明の樹脂組成物は、必要に応じて任意の無機充填剤
を配合することができる。無機充填剤は、一般に合成樹
脂およびゴムの分野において広く使われているものであ
る。これらの無機充填剤としては、酸素および水と反応
しない無機化合物であり、混練時および成形時において
分解しないものが好んで用いられる。
【0027】無機充填剤を配合する場合、樹脂組成物と
無機充填剤との合計量中に占める無機充填剤の配合割合
は、一般には多くとも80重量%であり、70重量%以
下が好ましく、特に60重量%以下が好適である。これ
らの合計量中に占める無機充填剤の配合割合が80重量
%を超えるならば、シート成形が難しく良好なシートが
得られない。
【0028】(f)樹脂組成物の製造方法 本発明の積層体用接着剤に用いられる樹脂組成物は、各
配合成分の所定量をヘンシェルミキサー、スーパーミキ
サーなどの混合装置に用いて、数分間撹拌混合して得ら
れるが、該混合物をロール、バンバリーミキサー、コニ
ーダ、短軸もしくは2軸の押出機などで180〜300
℃、より好ましくは190〜250℃で溶融混練しペレ
ット化することが望ましい。
【0029】(g)積層体の製造方法 本発明の樹脂組成物は、スチレン系樹脂層とプロピレン
系樹脂層との中間の接着層として使用でき、3層以上の
積層体が得られる。例えば多層容器の場合、層構成は内
外とも耐油性や耐熱性が必要な場合はスチレン系樹脂層
を中間にして両側に接着層を介してプロピレン系樹脂層
を設けた3種5層構造が好ましく、片側のみに耐油性や
耐熱性が必要な時は単純な3種3層構造で充分である。
層構成は必要により再生樹脂層を有することもできる。
【0030】これらの積層体は一般に公知の成形法によ
って得られ、例えば共押出Tダイ成形でシートやフィル
ムに、共押出サーキュラーダイ成形でシートやフィルム
に、共押出中空成形で容器やボトルに、共射出成形、サ
ンドイッチ成形の一般的な成形加工法により容易に賦形
が可能である。その際、接着剤層となる樹脂組成物はあ
らかじめ二成分を前記の様に溶融ブレンドしてもよい
し、ドライブレンドして成形しても実施することができ
る。
【0031】スチレン系樹脂層の厚さは3μm〜5mm
であり、50μm〜3mmが好ましく、200μm〜1
mmが好適である。厚さが3μm未満では剛性が低く容
器としては実用性が低くなり、5mmを超える厚さは経
済的及び用途的に現実的ではない。プロピレン系樹脂層
の厚さは3μm〜5mmであり、10μm〜3mmが好
ましく、20μm〜1mmが好適である。厚さが3μm
未満は積層が難しくなり、5mmを超える厚さは経済的
及び用途的に現実的ではない。スチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体水添物とスチレン系樹脂からなる樹脂組
成物層の厚さが1μm〜1mmであり、3μm〜500
μmが好ましく、5μm〜300μmが好適である。1
μm未満では均一な積層が困難であり、1mmを超える
と接着性向上には殆ど影響がなく経済性を考えると現実
的ではない。
【0032】積層体を得る共押出成形の押出温度は、一
般的には100〜350℃であり、150〜330℃が
好ましく、特に180〜300℃が好適である。
【0033】
【実施例】以下、実施例等によって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明は、これらの実施例等により限定
されるものではない。なお、実施例および比較例におい
て用いた評価方法は以下の通りである。
【0034】1)シート成形性 成形した多層シートの外観を目視評価し、通常のシート
と同等レベルにあるものを○とし、層乱れや肌あれ等の
外観変化が見られるものを×とした。
【0035】2)層間剥離強度 多層シートから、巾15mm、長さ150mmの試験片
を切り出し引張試験機にて180度剥離、引張速度50
mm/分の条件で剥離試験を実施した。
【0036】3)真空成形性 多層シートを浅野研究所製真空成形機を用いて、容量9
0cc(L/D=0.4)の容器を成形し、容器の成形
状態を目視評価し市販容器と同等レベルにあるものを○
とし、クラック、肌あれ、伸びむら等の外観変化が見ら
れるものを×とした。
【0037】4)耐油性 多層シートを50×50mmに切り出し、オリーブ油中
に7日間浸漬後の外観変化を評価し、クラック、膨潤等
が全く見られないものを○とし、少しでもクラックや膨
潤が発生しているものを×とした。
【0038】(実施例1〜4)共押出成形法により、A
層:プロピレン系樹脂層、B層:接着剤層、C層:スチ
レン系樹脂層、よりなる3種3層の多層シートを成形し
た。A層〜C層の成分は以下のものである。 A層:MI(2)が10g/10分、エチレン量が10
重量%のエチレンープロピレンランダム共重合体。 B層:以下の2成分((イ)成分、(ロ)成分)を用
い、これらを表1に示す割合に配合し、スーパーミキサ
ーで約10分間混合したのち、ベント式30mmφ2軸
押出機を用いて設定温度210℃で溶融混練押出を行
い、得られたペレット状の樹脂組成物。 (イ)成分:MI(1)が1.1g/10分であるスチ
レン量60重量%トリブロックタイプのスチレン−イソ
プレンブロック共重合体水添物。(SEPS−1) (ロ)成分:MI(1)が3.2g/10分であるスチ
レン単独重合体。(ST−1) C層:MI(1)が3.0g/10分、ゴム含有量が
6.2重量%であるゴム変性ポリスチレン。 これら各成分を用いて表1に示す組成、構成の共押出多
層シートを成形した。成形時の樹脂温度は約220℃、
シートの厚みは0.5mm、巾は500mmである。更
にこれらシートについて、シート成形性、層間剥離強度
を評価した。評価結果を表1に示す。これら実施例によ
り得られたシートは何れも良好なシート外観を有し、実
用可能な層剥離強度を有すことが分かった。
【0039】(実施例5、6)B層の成分のうち、
(イ)成分をMI(1)が30g/10分、スチレン量
が40重量%)であるトリブロックタイプのスチレン−
イソプレンブロック共重合体水添物(SEPS−2)に
変更した他は、実施例1〜4と同様にして多層シートを
成形、評価した。その結果を表1に示す。これら実施例
により得られたシートは何れも良好なシート外観を有
し、実用可能な接着強度を有すことが分かった。
【0040】(比較例1)B層を設けずA層とC層の厚
みを表1に示したように変更した他は、実施例2と同様
にして多層シートを成形、評価した。その結果を表1に
示す。この場合には、シートの各層が乱れ、肌あれを起
こすとともに接着剤層が存在しないため層間剥離強度が
極端に低く実用的なシートは得られなかった。
【0041】(比較例2、3)B層の成分のうち、
(ロ)成分をMI(2)が2.0g/10分であるプロ
ピレン単独重合体(PP−1)に変更した他は、実施例
1〜4と同様にして多層シートを成形、評価した。その
結果を表1に示す。これらにより得られたシートは各層
が乱れ、肌あれを起こすとともに層間剥離強度が低く実
用的なシートは得られなかった。
【0042】(実施例7、8)共押出成形法により、A
層、E層:プロピレン系樹脂層、B層、D層:接着剤
層、C層:スチレン系樹脂層、よりなる3種5層の多層
シートを成形した。プロピレン系樹脂、接着剤層用の樹
脂組成物はそれぞれ実施例1〜4で用いた樹脂と同じで
ある。成形時の樹脂温度は約220℃、シートの厚さは
0.7mm、巾は500mmである。更にこれらシート
について、シート成形性、真空成形性、耐油性を評価し
た。評価結果を表2に示す。これにより得られたシート
は良好なシート外観を有し、真空成形性や耐油性も良好
であることがわかった。
【0043】(比較例4)B層、D層を設けない他は、
実施例7と同様にして多層シートを成形、評価した。そ
の結果を表2に示す。これにより得られたシートは、各
層が乱れ、肌あれを起こすとともに接着剤層が存在しな
いため真空成形時に層間剥離が発生するため、耐油性も
極端に低く実用に乏しいことがわかった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によって得られる樹脂組成物は接
着性、成形性等に優れるため本樹脂組成物を使用した積
層体は、真空成形、圧空成形、及び熱板加熱式圧空成形
等のシートの二次加工性に優れ、耐熱性及び耐油性も優
れている特長的な材料となる。その利用分野としては、
シート、フィルム等の包装材料だけでなく家電部品、自
動車部品及び各種工業部品等にも好適に成形し用いるこ
とができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレンと共役ジエンとのブロック共重
    合体水添物5〜97重量%と、スチレン系樹脂3〜95
    重量%からなるスチレン系樹脂とプロピレン系樹脂の積
    層体用樹脂組成物。
JP22864292A 1992-08-27 1992-08-27 積層体用樹脂組成物 Pending JPH0673252A (ja)

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Cited By (3)

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