JPH0672883A - 栄養輸液剤 - Google Patents

栄養輸液剤

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JPH0672883A
JPH0672883A JP31394992A JP31394992A JPH0672883A JP H0672883 A JPH0672883 A JP H0672883A JP 31394992 A JP31394992 A JP 31394992A JP 31394992 A JP31394992 A JP 31394992A JP H0672883 A JPH0672883 A JP H0672883A
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trehalose
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solution
nutritional infusion
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Yukifumi Kuniba
幸史 國場
Kanji Arii
幹治 有井
Ichiro Makita
市郎 牧田
Shunzo Yamashita
俊三 山下
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MORISHITA ROUSSEL KK
Ajinomoto Co Inc
Morishita Pharmaceuticals Co Ltd
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MORISHITA ROUSSEL KK
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 糖質カロリー源としてトレハロースを含有す
ることを特徴とする栄養輸液剤。 【効果】 従来の糖質含有栄養輸液剤と比べ、pHを生
理的なpHに近づけることができ安全性が高い、必要に
応じ高濃度化が図れる、生体での利用率が良い等の効果
を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレハロースを含有す
る栄養輸液剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、栄養輸液剤の糖質カロリー源
として、グルコース、フルクトース、マルトース、ソル
ビトール、キシリトール等が用いられている。
【0003】しかし、これらの糖質は、水溶液状態での
安定性、生体での利用率あるいは安全性の面から、必ず
しも満足なものとは言えない。
【0004】例えば、グルコースは、水溶液のpHを
5.5以上にすると分解し易くなるという問題がある。
したがって、グルコース含有輸液剤のpHは、通常5.
5以下に調整されているが、このような非生理的な酸性
溶液を末梢静脈から投与すると、静脈炎を惹起する危険
性がある(Fonkalsrud E.W. et al.,J.Surg.Res.,8,539
(1968)) 。フルクトースは、血中乳酸の上昇を招いてア
シドーシスを誘発することがある(伊藤宗元ら編、「医
薬品の副作用」、中外医学社、東京、1991、P.83))。マ
ルトース、ソルビトール及びキシリトールは、通常の速
度で経静脈投与すると、かなりの部分が利用されないま
ま尿中に排泄されるという問題がある(松崎舜二、薬物
療法、6,295(1973))。また、グルコース等の単糖類の場
合、一定量の輸液剤投与でカロリー量を増加させたいと
き、上げ得る濃度の範囲は、浸透圧の問題から、二糖類
で可能な濃度の約2分の1までという制約がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、水溶
液状態での安定性と生体での利用率がともに優れ、しか
も安全性の高い糖質を含有する栄養輸液剤を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、栄養輸液
剤のカロリー源として未だ使用されていない種々の糖質
を用いて、前記従来技術の各問題点につき検討した。そ
の結果、二糖類であるトレハロースを用いることによっ
て、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、糖質カロリー源とし
てトレハロースを含有することを特徴とする栄養輸液剤
を提供するものである。
【0008】本発明に係るトレハロースにはα,α−ト
レハロース、α,β−トレハロース又はβ,β−トレハ
ロースの3種が存在するが、より好ましくは天然に存在
するα,α−トレハロースである。
【0009】本発明の栄養輸液剤は、トレハロースのほ
か、電解質、ビタミン類等必要な栄養素を含ませること
ができる。例えば、好ましい製剤として、1000ml
中、10〜500gのトレハロースと共に、電解質に含
まれる下記の元素を下記の濃度範囲内で1種又は2種以
上配合したものを挙げることができる。 ナトリウム 20〜150mM カリウム 2〜 50mM カルシウム 1〜 20mM マグネシウム 2〜 20mM リン 3〜 20mM 塩素 20〜150mM 亜鉛 10〜100μM 鉄 5〜 80μM 銅 1〜 30μM ヨウ素 0.2〜 1μM マンガン 1〜 60μM
【0010】前記元素を含む電解質としては、水酸化ナ
トリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナト
リウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、乳酸カリ
ウム、クエン酸カリウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシ
ウム、グルコン酸カルシウム、パントテン酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、リン酸一水素ナトリウム、リン
酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二
水素カリウム、塩酸、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸鉄、塩
化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸銅、ヨウ化ナトリウム、ヨ
ウ化カリウム、硫酸マンガン等が挙げられる。
【0011】本発明の栄養輸液剤は、常法に従って容易
に製造できる。
【0012】
【実施例】
実施例1 α,α−トレハロース100gを蒸留水に溶解して全量
を1000mlとした。この溶液を孔径0.22μmのメ
ンブランフィルターで濾過し、200mlのガラス瓶に充
填し、空間部を窒素ガスで置換後密栓した。これを常法
に従って高圧蒸気滅菌して栄養輸液剤を得た。
【0013】実施例2 α,α−トレハロース500gを蒸留水に溶解して95
0mlとし、1規定の水酸化ナトリウム水溶液でpHを
7.0に調整した後、全量を1000mlとした。以下実
施例1と同様にして栄養輸液剤を得た。
【0014】実施例3 下記組成物を蒸留水に溶解して950mlとし、1規定の
塩酸水溶液でpHを5.0に調整した後、全量を100
0mlとした。 以下実施例1と同様にして栄養輸液剤を
得た。 α,α−トレハロース 50.0 g 塩化ナトリウム 0.736g 乳酸ナトリウム 2.53 g 酢酸カリウム 0.981g リン酸一水素カリウム 0.680g 硫酸マグネシウム・7水和物 0.616g
【0015】実施例4 実施例3の工程中、1規定の水酸化ナトリウム水溶液で
pHを6.0に調整した以外は実施例3と同様にして栄
養輸液剤を得た。
【0016】実施例5 実施例3の工程中、1規定の水酸化ナトリウム水溶液で
pHを7.0に調整した以外は実施例3と同様にして栄
養輸液剤を得た。
【0017】実施例6 下記組成物を蒸留水に溶解して950mlとし、1規定の
水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調整した後、
全量を1000mlとした。以下実施例1と同様にして栄
養輸液剤を得た。 α,α−トレハロース 300.0 g 塩化ナトリウム 3.65 g 酢酸カリウム 2.70 g リン酸二水素カリウム 0.680g 硫酸マグネシウム・7水和物 0.925g グルコン酸カルシウム・1水和物 0.673g 硫酸亜鉛・7水和物 0.00719g
【0018】実施例7 下記組成物を蒸留水に溶解して950mlとし、1規定の
水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調整した後、
全量を1000mlとした。以下実施例1と同様にして栄
養輸液剤を得た。 α,α−トレハロース 50.0 g 塩化ナトリウム 6.0 g 塩化カリウム 0.3 g 塩化カルシウム・2水和物 0.2 g 乳酸ナトリウム液(52.5%) 5.905g
【0019】以下に記載する試験例で実施例1〜7の栄
養輸液剤と共に用いた対照液1〜10(表1)は、実施
例1の方法に準拠して調製した。
【0020】
【表1】
【0021】試験例1 体重2.0〜2.5kgの日本白色種雄性ウサギ(1群4
羽)を固定器に入れ、耳介静脈より実施例1の栄養輸液
剤、対照液1及び対照液2の各被験液を5ml/kg/hrの
速度で4時間持続投与した。投与終了後、ウサギを個別
代謝ケージに移し、24時間尿を採取した。なお、実験
期間中は絶食、絶水とした。採取した尿中の糖を測定
し、その排泄率を算出した。その結果(表2)、α,α
−トレハロースは、グルコースと同様、生体での利用率
が良い糖質であることが判明した。
【0022】
【表2】
【0023】試験例2 実施例2の栄養輸液剤及び対照液3につき、生理食塩水
を標準として浸透圧比を測定した。次に、105℃で9
0分間高圧蒸気滅菌した後、着色度の指標として波長4
30nmの光の透過率を測定した。さらに、前記滅菌後
の各液を蒸留水で10倍に希釈し、糖質分解の指標とし
て波長284nmの吸光度を測定した。これらの測定結
果(表3)から、α,α−トレハロースは、グルコース
より糖質の高濃度化に有利であり、pH7.0で極めて
安定であることが分かる。
【0024】
【表3】
【0025】試験例3 実施例3〜7の栄養輸液剤及び対照液4〜10の各液に
つき、105℃で90分間高圧蒸気滅菌した後、波長2
84nmの吸光度と波長430nm光の透過率を測定し
た。なお、実施例6の栄養輸液剤及び対照液10の各吸
光度は、蒸留水で6倍に希釈し測定した。その結果(表
4)、pH5.0〜7.0でα,α−トレハロースが最
も安定性に優れていることが判明した。
【0026】
【表4】
【0027】体重230〜260gのSD系ラット(5
匹)に、実施例2の栄養輸液剤10ml/kg(5g/kg)
を尾静脈から急速投与した。その結果、死亡例は認めら
れず、特記すべき一般症状も観察されなかった。
【0028】
【発明の効果】トレハロースは、水溶液のpHが7前後
でも十分安定な二糖類であり、生体での利用率がよく、
しかも安全性が高い。したがって、本発明によれば、必
要に応じて糖質の高濃度化が図れ、pHを5.5以上に
調整できることから、中心静脈から投与する高カロリー
輸液の基本液として、あるいは末梢静脈から投与する中
カロリー輸液剤として、極めて有用な栄養輸液剤を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 俊三 滋賀県野洲郡野洲町小篠原笹井田1853番地 の6

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糖質カロリー源としてトレハロースを含有
    することを特徴とする栄養輸液剤。
JP31394992A 1992-07-10 1992-10-28 栄養輸液剤 Expired - Lifetime JP3572085B2 (ja)

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JP4-207161 1992-07-10
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