JPH0672875A - ペネム誘導体、その製造法および用途 - Google Patents

ペネム誘導体、その製造法および用途

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JPH0672875A
JPH0672875A JP4272258A JP27225892A JPH0672875A JP H0672875 A JPH0672875 A JP H0672875A JP 4272258 A JP4272258 A JP 4272258A JP 27225892 A JP27225892 A JP 27225892A JP H0672875 A JPH0672875 A JP H0672875A
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裕光 岩田
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隆 中塚
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性の優れた新抗菌剤を提供する。 【構成】 次の式(I) 【化1】 を有するペネム誘導体またはそれらの薬理学上許容され
うる塩、およびそれを有効成分とする抗菌剤、ならびに
式(II) 【化2】 (式中、Rは水酸基の保護基、Rはアリル基、また
はカルボキシル基の保護基、Zはアリール基を表わす)
で示される化合物から出発して、数工程を経て式(I)
の誘導体またはその塩を製造する方法。 【効果】 式(I)のペネム誘導体またはその塩は強い
抗菌活性を示し、かつ毒性も低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般式(I)
【化23】 (式中Rは水素又はアリル基、
【化24】 は、テトラヒドロフリル基、1,4−ジオキサニル基、
5−オキソ−オキソラニル基、2−オキソ−1,3−ジ
オキソラニル基または1,3−ジオキソラニル基を表わ
す。)を有するペネム誘導体またはそれらの薬理学上許
容される塩に関する。
【0002】本発明に係る前記一般式(I)を有する化
合物は新規化合物であり、グラム陽性菌およびグラム陰
性菌等の感染症の治療に対して極めて顕著な効果を有
し、医薬品のみならず動物薬として広範囲に使用されう
る。
【0003】
【従来の技術】フレミング(Fleming)によるペ
ニシリンの発明と、フローリイ(Florey)らによ
るペニシリンの化学療法剤としての用途を端緒として多
種多様の抗生物質が発明され使用されてきたことは周知
のことである。抗生物質の分野において今日わが国にお
いて最も汎用されている抗生物質はβ−ラクタム類であ
り、全抗生物質の80%以上を占めている。
【0004】このようにβ−ラクタム抗生物質が広く使
用されている理由は抗菌活性の強さや、抗菌スペクトル
の広さの他に安全性が高いこともある。これらβ−ラク
タム抗生物質が広く使用されてきたのは、これらが発酵
によって得られることもある。
【0005】微生物によって生産されるβ−ラクタム剤
にはペニシリン,セファロスポリン,ノカルジシン,ク
ラブラン酸,カルバペネムなどがある。カルバペネム化
合物はすでに数多くが放線菌やバクテリアにより産生さ
れているが、ペネム化合物は非天然型β−ラクタムであ
り、いまだ天然から見い出されていない。
【0006】ペネム骨格は以下に示す構造式のように、
【化25】 カルバペネム骨格の1位メチレン基を硫黄原子で置換し
たもので両者は極めて類似した構造を有する。又ペニシ
リンのペネム骨格は環内に大きな歪を持ち、一方セファ
ロスポリンのセファム骨格は6員環内の二重結合により
安定化が妨げられ細菌の細胞壁合成に関与しているトラ
ンスペプチダーゼを反応し、その働きを阻害する。これ
らのことよりペネム骨格にも強力な活性が期待された。
【0007】事実1−チアチエナマイシン(S.Ohy
aらAntimicrob.Agents Chemo
ther.,21巻,492頁,1982年)やSch
29482(A.K.GangulyらJ.Anti
microb.Chemother.,(Suppl,
C)9巻,1頁,1982年)などに強力な活性が見い
出されている。
【0008】前述した如く、骨格の類似性などから数多
くのペネム誘導体が合成されている。例えば特開昭54
−119486,特開昭54−88291,特開昭56
−25110,特開昭57−9784などが挙げられ
る。
【0009】又これらペネム誘導体の合成も数多く報告
されている。例えばA.Longoら〔Gazz.Ch
im,Ital.,111巻,371−77頁,198
1年〕、V.M.Girijavallabhanら
〔Tetrahedron Letters.,22
巻,3485頁,1981年〕などが挙げられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは新らしい
抗生物質を開発することを考えβ−ラクタム抗生物質に
照準をあわせた。
【0011】β−ラクタム抗生物質のなかでもペネム化
合物はその生物学的評価が未だ不明な点も多いが一般に
化学的に安定であり腎デヒドロペプチダーゼIに対して
もカルバペネムより安定である。
【0012】これらの利点を有しさらに広範囲のグラム
陽性菌、グラム陰性菌に強力な抗菌活性を持ち、その上
経口でも使用が可能であるペネム誘導体を見い出すべく
研究を行ない本発明を完成させた。又この研究の一部と
して合成法の改良も種々行ない、より安価にペネム誘導
体を合成することもあわせて行なった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(I)
【化26】 (式中Rは水素又はアリル基、
【化27】 は、前記と同一意義を有する)を有するペネム誘導体ま
たはそれらの薬理学上許容される塩である。
【0014】前記一般式(I)で表わされるペネム誘導
体は以下の方法で合成することができる。
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【0015】(式中Rおよび基
【化33】 は前記と同一意義、Rはカルボキシル基の保護基又は
アリル基、Xはハロゲン、Zはアリール基を表わす。)
【0016】基
【化34】 部分を表わす具体的な化合物を例示すると、
【化35】 が挙げられる。
【0017】前記一般式(I)を有する化合物において
は不斉炭素原子に基く光学異性体および立体異性体が存
在し、これらがすべて平面式で示されているが、これに
よって本発明の記載の範囲は限定されるものでない。し
かしながら、好適にはペネム骨格の5位の炭素原子がR
配位を有し、6位の炭素原子がS配位の化合物を選択す
ることができる。
【0018】6位置換基である1−ヒドロキシエチル基
に関してはR配位が好ましく、2位置換基に関してはそ
のα位炭素がR配位のものが選択される。
【0019】前述の工程を順次説明する。第1工程は一
般式(V)を有するチオカルボン酸エステルを得る工程
で、一般式(II)又は(III)のアゼチジノン誘導
体と、1.5〜2当量の一般式(IV)で示されるチオ
カルボン酸を水とメタノール、エタノールなどのアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン
類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類
を溶剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属水酸化物又はナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドの添
加で反応液のpHを8ないし10とすることにより反応
は進行する。反応終了後、うすめた鉱酸で中和し、水と
混合しない有機溶媒を用い抽出し、有機溶媒層を水洗す
る。乾燥剤で乾燥したのち、有機溶媒を留去することに
より目的物(V)は得られる。このようにして得られた
目的化合物は精製することなく次の工程に使用されるも
のもあるが、必要ならばカラムクロマトグラフィー,分
取用薄層クロマトグラフィー,再結晶などによりさらに
精製することができる。
【0020】第2工程は一般式(VII)で示されるN
−ヒドロキシルエステル体を製造する工程で、前記一般
式(V)を有する化合物に一般式(VI)で表わされる
グリオキシル酸エステルをテトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンの
ような芳香族炭化水素類中で加熱還流することにより目
的とする付加物である一般式(VII)の化合物は得ら
れる。本工程の生成物は溶剤を留去することにより得ら
れ、多くの場合精製することなく次の工程に使用される
が、場合によりカラムクロマトグラフィー,再結晶等に
よって精製することができる。
【0021】第3工程はハロゲン化し一般式(VII
I)で表わされる化合物を製造する工程である。本工程
の反応を実施するにあたって、一般式(VII)で表わ
される化合物を有機溶剤で希釈し塩基存在下塩化チオニ
ル、臭化チオニルの様なハロゲン化チオニル、オキシ塩
化リンのようなオキシハロゲン化リン、五塩化リンで代
表されるハロゲン化リンと接触させることによって達成
される。本工程において温度は−40℃〜0℃が好まし
く、反応は数時間以内に終了する。
【0022】又本工程で用いられる塩基としてはトリエ
チルアミン,ジイソプロピルエチルアミン,ピリジン又
はルチジン等の有機塩基が好ましい。溶剤は本反応に関
与しないものであればよいがテトラヒドロフラン,ジオ
キサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン,クロロホル
ム等の塩素系溶媒が好適である。
【0023】本工程の生成物は、反応後、水と混和しな
い有機溶剤で希釈したのち、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、水で洗浄し、乾燥剤を加え乾燥し、溶剤を留去す
ることにより得られる。本工程の生成物は精製すること
なく次の工程に使用されるが、再結晶、カラムクロマト
グラフィー、分取薄層クロマトグラフィー等の精製手段
を用い精製してもよい。また場合によっては、反応終了
後不溶物を濾別し、濾液を濃縮することにより精製する
ことなく次の工程へ用いることもできる。
【0024】第4工程は一般式(IX)で表わされるリ
ン−イリド化合物を製造する工程である。
【0025】本工程の反応を実施するにあたって、反応
は前記一般式(VIII)で示される化合物を有機溶剤
に混和し塩基存在下トリフェニルホスフィン等のトリア
リールホスフィンと処理する。反応温度は通常室温〜1
00でよく用いられる塩基としては、トリエチル,ジイ
ソプロピルエチルアミン,ピリジン,ルチジンなどの有
機塩基が好ましく、溶剤はテトラヒドロフラン,ジオキ
サンなどのエーテル系、ベンゼン,トルエンなどの芳香
族炭化水素系、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系
が好適である。
【0026】反応終了後、目的化合物(IX)は希酸,
希アルカリ,水で順次洗浄し、乾燥剤で乾燥したのち濃
縮することにより得られる。このようにして得られた目
的化合物は、必要ならばカラムクロマトグラフィー,再
結晶法,分取薄層クロマトグラフィー等の精製手段によ
り精製することができる。
【0027】一方一般式(X)で表わされる公知化合物
(特開昭56−25110)と一般式
【化36】 (式中、基
【化37】 は前記と同一意義を表わす)で表わされる酸塩化物を塩
化メチレン,クロロホルム等の塩素系、ベンゼン,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤中混合するこ
とにより一般式(IX)で表わされる目的化合物は得ら
れる。
【0028】この工程5を実施するにあたって、反応は
通常0℃ないし室温が好適で、5時間以内に終了する。
反応終了後、不溶物(主に銀塩)を濾過により除き、水
で洗い、乾燥剤にて乾燥後濃縮することにより目的化合
物(IX)は得られる。
【0029】このようにして得られる目的化合物(I
X)は必要ならば工程4で示される精製手段により精製
することができる。
【0030】第6工程は一般式(XI)で表わされる化
合物を製造する工程である。
【0031】水酸基の保護法は、それぞれの保護基の性
質により取り除く方法は異なる。例えばt−ブチルジメ
チルシリル基などのシリル系保護基を保護基として用い
た場合には溶剤で一般式(IX)を有する化合物を希釈
し、フッ化テトラブチルアンモニウムを接触させること
により容易に反応は進行する。反応は室温付近でよく、
使用する溶剤はジオキサン,テトラヒドロフラン等のエ
ーテル系有機溶剤が好適である。
【0032】反応終了後、混合物を水と混和しない有機
溶剤で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順
次洗浄し、乾燥剤にて乾燥した後濃縮することにより目
的化合物(XI)は得られる。この化合物(XI)はこ
のまま次の工程に使用できるが、必要ならばカラムクロ
マトグラフィー,再結晶,分取薄層クロマトグラフィー
等の精製手段により精製することができる。
【0033】第7工程は一般式(XIII)を有するペ
ネム誘導体を製造する工程で、一般式(XI)を有する
化合物を溶剤中加熱,閉環反応させる工程である。
【0034】本工程の実施にあたって、反応に使用され
る溶剤は特に限定はないが、ベンゼン,トルエン,キシ
レン等の芳香族炭化水素系、ジオキサン,ジエトキシエ
タン等のエーテル系溶剤が好適である。
【0035】反応終了後、本工程の目的化合物(XII
I)は、混合物より減圧下で溶剤を留去することによっ
て得ることができる。このようにして得られた化合物
(XIII)は、必要ならばカラムクロマトグラフィ
ー,再結晶,分取薄層クロマトグラフィーによりさらに
精製することができる。
【0036】第8工程は一般式(XII)を有するペネ
ム誘導体を製造する工程で一般式(IX)のリン−イリ
ド化合物を工程7と同様に加熱,閉環反応させる工程で
ある。
【0037】本工程は第7工程と同様で、反応終了後、
濃縮することにより目的化合物(XII)は得られる。
このようにして得られた化合物は必要ならばカラムクロ
マトグラフィー,再結晶,分取薄層クロマトグラフィー
等の常法により精製することができる。
【0038】第9工程は前述した一般式(XIII)を
有するペネム誘導体を製造する工程である。
【0039】本工程は前述した工程6と全く同様に行な
うことができる。工程9も工程6と同様に一般的な精製
法、例えばカラムクロマトグラフィー,再結晶,分取薄
層クロマトグラフィーなどを用い精製することができ
る。
【0040】第10工程は一般式(I)を有するペネム
誘導体を製造する工程で、一般式(XIII)を有する
ペネム誘導体のカルボキシル基の保護基を除去する工程
である。保護基の除去はその種類によって異なるが、一
般にこの分野の技術で知られている方法によって除去さ
れる。好適には、保護基が例えばベンジル,パラニトロ
ベンジルのようなアラルキル基の場合には水素およびパ
ラジウム−炭素のような接触還元触媒または硫化ナトリ
ウムのようなアルカリ金属硫化物を作用させる方法が挙
げられる。
【0041】又保護基がアリル基の場合はトリアリール
ホスフィン,パラジウムテトラキストリアリールホスフ
ィンを用いる方法が例示されるし、パラジウムテトラキ
ストリアリールホスフィン,トリ−ブチルチンヒドリド
を用いる方法も挙げられる。
【0042】反応は溶剤の存在下で行なわれ、使用され
る溶剤は本反応に関与しないものであれば特に限定はな
いが、メタノール,エタノールなどのアルコール類、テ
トラヒドロフラン,ジオキサンなどのエーテル類、酢酸
エチル,酢酸メチルなどのエステル類、酢酸などの脂肪
酸およびこれらの有機溶剤と水との混合溶剤が好適であ
る。
【0043】保護基がアラルキル基の場合、反応終了後
不溶物を濾過により除き、水および水と混和しない有機
溶媒を加え水と有機溶媒層に分配したのち水層を濃縮す
ることにより脱保護された目的化合物は得られる。この
目的化合物はさらに必要とあればカラムクロマトグラフ
ィー,再結晶,分取薄層クロマトグラフィー等を用いる
ことにより、さらに精製できる。又アリル基が保護基の
場合、反応終了後水及び水と混和しない有機溶剤で希釈
したのち炭酸水素カリウムなどの弱アルカリを加え、弱
アルカリ溶液とし、その水層を分離,濃縮することによ
り目的化合物は得られる。この目的化合物はさらに必要
とあればカラムクロマトグラフィー,再結晶,分取薄層
クロマトグラフィーなどによりさらに精製できる。
【0044】以上の工程のうち、工程1〜工程10で、
本発明化合物の一般的合成法を記述したが、これらが光
学活性体の合成にも全く同じように使用できることはい
うまでもない。一般式(II)又は(III)を有する
化合物として光学活性体を使用した場合、一般式
【化38】
【0045】(式中、基
【化39】 は前記と同一意義を表わす)を有する化合物がdl化合
物であっても、工程2,工程6および工程8のいずれか
に於いてラセミ分割され、光学活性な単一化合物が得ら
れる。又化合物(II)又は(III)がdl化合物で
あり、一般式
【化40】
【0046】(式中、基
【化41】 は前記と同一意義を表わす)を有する化合物が光学活性
な単一化合物である場合も、工程2,工程6および工程
8のいずれかの段階でラセミ分割され、光学的に単一な
化合物が得られる。
【0047】光学分割の方法は再結晶による方法、カラ
ムクロマトグラフィーによる方法又は分取薄層クロマト
グラフィーによる分割が好適である。
【0048】本発明の前記一般式(I)において基Rが
水素原子であるものは必要に応じて薬理学上許容される
塩の形にすることが出来る。そのような塩としては、リ
チウム,ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシ
ウムのような無機金属の塩、リジンなどのアミノ酸塩あ
るいはアンモニウム塩をあげることができるが、ナトリ
ウム又はカリウムが好適である。
【0049】又本発明の一般式(I)で表わされるペネ
ム誘導体はラセミ体でも強い抗菌活性を示すが、一般的
には、それらの異性体のうちで最も好ましいものは(5
R,6S)配位を有し、さらに6位置換基である1−ヒ
ドロキシエチル基に関してはR配位である化合物をあげ
ることができる。
【0050】この本発明化合物は新規な化合物であり、
その上強い抗菌活性を示す。このことは本発明者らが別
途合成した化合物との試験管内における抗菌力との比較
からも明らかである。この比較のために合成した化合物
は新規および既知の化合物であり、これらは特開昭56
−25110号および特開昭54−88291号に記述
されている。
【0051】本発明の化合物は標準的な試験管内の希釈
試験法で試験することにより測定され得る抗菌活性を有
している。このような標準微生物学的方法を使用してス
タフィロコッカス・アウレウス(Staphyloco
ccus aureus),ミクロコッカス・ルテウス
(Micrococcus luteus)などのグラ
ム陽性菌、エッセリヒア・コリ(Escherichi
a coli),クレブシエラ・ニウモニア(kleb
siella pneumoiae),セラチア・マル
セッセンス(Serratia marcescen
s),プロテウス・モルガニー(Proteus mo
rganii),エンテロバクター・クロアカ(Ent
erobactor cloacae),アルカリゲネ
ス・フェカリス(Alcaligenes faeca
lis),などのグラム陰性菌、プロテウス・ブルガリ
ス(Proteus vulgaris)又嫌気性菌と
してバクテロイデス・フラギリス(Bacteroid
es fragilis),フソバクテリウム・バリウ
ム(Fusobacterium varium)に対
して0.025〜50μg/mlの試験量で活性を示す
ことが見い出された。
【0052】本発明化合物は一般的なペネム誘導体と同
じように生体内の毒性値(LD50)はあまり高くな
く、抗菌剤として経口投与,非経口投与および外用投与
のために通常の方法で処方される。
【0053】本発明ペネム誘導体の投与量は多くの要因
に依存しているが、代表的な一日あたりの投与量は標準
の大人に対して50mg〜5gであり、好ましくは分割
投与で100mg〜4gである。一般的に、その投与は
適量の活性成分と適当な生理学的に許容される担体また
は希釈剤とを含む投与単位で投与されるであろう。
【0054】経口投与のためには錠剤またはカプセル剤
を用いることができ、これらは活性成分と共に希釈剤、
例えば乳糖,グルコース,シュークロース,マンニトー
ル,ソルビトールおよびセルロースと滑剤、例えばタル
ク,ステアリン酸もしくはその塩を含み、錠剤はさら
に、結合剤、例えば珪酸マグネシウム,澱粉などを含有
してもよい。
【0055】非経口投与、すなわち筋肉内投与,皮下投
与に適するには等張水性溶液又は懸濁液が適当である。
本発明の化合物は人間用のみならず、動物用にも用いら
れる。
【0056】本発明の化合物の合成において使用される
保護基はβ−ラクタムの技術分野で通常使用される保護
基のどれでもよい。適当な水酸基の保護基はt−ブチル
ジメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、p−ニ
トロベンジルオキシカルボニル基および2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0057】カルボキシル基の保護基としてはアリル
基、2,2,2−トリクロルエチル基、t−ブチル基、
p−ニトロベンジル基などであり、アリル基が好まし
い。
【0058】次の製剤実施例において、活性成分は、た
とえば、(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒ
ドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩また
は等量の他の本発明化合物のいずれであってもよい。
【0059】製剤実施例1 カプセル剤 番号 成分 mg/カプセル mg/カプセル 1 活性成分 250 100 2 トウモロコシデンプン 20 10 3 ステアリン酸マグネシウム 5 2 ────────────────── 全量 275 112
【0060】(製造方法)番号1および2の成分を適当
な混合機でまぜ、番号3の成分を加えさらに混合した。
その混合物をカプセル封入機を使用して充填した。
【0061】製剤実施例2
【0062】(製造方法)番号1〜3の成分を適当な混
合機で混合した。番号4の成分を加えて数分間混合し
た。この混合物を適当な錠剤成形機で所定の大きさおよ
び重さに圧縮した。
【0063】製剤実施例3 注射用剤 成分 1アンプル中の量 活性成分 1.0g 0.5g 0.25g 製造方法
【0064】活性成分の無菌水溶液を20ml,10m
lまたは5mlのアンプル中に活性成分が1.0g,
0.5g又は0.25gとなるように充填,熔封した。
【0065】参考例1 (1′R,2′′R,3S,4R及び1′R,2′′
S,3S,4R及び1′S,2′′R,3R,4S及び
1′S,2′′S,3R,4S)−3−(1′−ter
t−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−
(2′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチ
ジノン(2)
【0066】
【化42】 (1′R,3R,4R及び1′S,3R,4S)−3−
(1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)
−4−フェニルスルホニル−2−アゼチジノン(1)
(1.953g,5.29ミリモル)をアセトン(40
ml)に溶解し、水(14ml)を加えた。この混合物
にテトラヒドロフラン−2−チオカルボン酸(1.28
g,9.68ミリモル)を加え、攪拌下0℃にて1N
NaOHを滴下しpH11.0とした。次いで1N H
ClにてpH7.0とした後混合物をクロロホルムにて
抽出し、有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下溶媒を留去し、残留物をシリカゲルクロマト
グラフィー(シリカゲル70g,ヘキサン:酢酸エチル
=5:1)にて精製し、標記化合物(2)を無色油状物
として1.139g(60%)得た。
【0067】
【数1】 NMRδ(CDCl):1.20(1.5H,d),
1.21(1.5H,d),1.87−2.36(4
H,m),3.14−3.24(1H,m),3.92
−4.20(2H,m),4.20−4.33(1H,
m),4.48(1H,dd,J=5Hz,5Hz),
5.19(0.5H,d,J=2.3Hz),5.23
(0.5H,d,J=2.6Hz),6.28(0.5
H,br.s),0.30(0.5H,br.s)
【0068】参考例2 (1′R,2′′R,3S,4R及び1′R,2′′
S,3S,4R)−3−(1′−tert−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル)−4−(2′′−テトラヒド
ロフラノイルチオ)−2−アゼチジノン(4)
【0069】
【化43】 (1′R,3S,4R)−4−アセトキシ−3−(1′
−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2
−アゼチジノン(3)(2.26g,7.9ミリモル)
をテトラヒドロフラン(170ml)及び水(60m
l)の混合物に、テトラヒドロフラン−2−チオカルボ
ン酸(2.09g,15.8ミリモル;2R/2S=1
/1の混合物)を加えた。この混合物に攪拌下、1N水
酸化ナトリウムを滴下し、pH7.3とした。15分攪
拌し、さらにテトラヒドロフラン−2−チオカルボン酸
(0.32g,2.4ミリモル)を加え、1N水酸化ナ
トリウムにてpH8.0とした。
【0070】混合物に水(50ml)を加え、酢酸エチ
ル(150ml)にて3回抽出し、有機層を水洗し、無
水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られ
た粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製
し、標記化合物(4)を無色油状物として2.34g
(82%)得た。
【0071】参考例3 (1′R,2′′R,3S,4R)−3−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−
(2′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチ
ジノン(5)及び(1′R,2′′R,3S,4R)−
3−(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエ
チル)−4−(2′′−テトラヒドロフラノイル)−2
−アゼチジノン(6)
【0072】(A)
【化44】 (1′R,3S,4R)−4−アセトキシ−3−(1′
−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2
−アゼチジノン(3)(3.28g,11.4ミリモ
ル)をテトラヒドロフラン(170ml)及び水(60
ml)の混合物に、テトラヒドロフラン−2−チオカル
ボン酸(1.51g,14.7ミリモル;分割により得
られた2R/2S=3/1の混合物)を加えた。この混
合物を実施例2と同様に処理し、得られた粗生成物をフ
ラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル600g,4
%酢酸エチル−クロロホルム)にて注意深く分離し、第
一分画を濃縮し(1′R,2′′S,3S,4R)−3
−(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−4−(2′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−
2−アゼチジノン(5)を無色固型物として1.09g
得た。
【0073】
【数2】 NMRδ(CDCl):0.08(6H,S),0.
88(9H,S),1.19(3H,d,J=6.0H
z),1.86−2.37(4H,m),3.17(1
H,d,d),3.91−4.12(2H,m),4.
21−4.32(1H,m),4.48(1H,d,
d,J=5Hz,5Hz),5.23(1H,d,J=
2.6Hz),6.34(1H,br.s)
【0074】第2分画を濃縮し(1′R,2′′R,3
S,4R)−3−(1′−tert−ブチルジメチルシ
リルオキシエチル)−4−(2′′−テトラヒドロフラ
ノイルチオ)−2−アゼチジノン(6)を無色油状物と
して2.26g得た。
【0075】
【数3】 NMRδ(CDCl):0.08(6H,S),0.
88(9H,S),1.21(3H,d,J=6H
z),1.83−2.38(4H,m),3.18(1
H,d,d),3.90−4.18(2H,m),4.
20−4.33(1H,m),4.48(1H,d,
d,J=5Hz,5Hz),5.19(1H,d,J=
2.6Hz),6.40(1H,br.s)
【0076】(B)
【化45】
【0077】(1′R,3S,4R)−3−(1′−t
ert−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−フ
ェニルスルホニル−2−アゼチジノン(7)(9.26
g,25.06リモル)とテトラヒドロフラン−2−チ
オカルボン酸(4.96g,37.5ミリモル;分割に
より得られた2R/2S=3/1の混合物)を実施例1
と同様に処理し、得られた粗生成物をフラッシュクロマ
トグラフィー(シリカゲル1200g,4%酢酸エチル
−クロロホルム)にて精製し、(1′R,2′′S,3
S,4R)−3−(1′−tert−ブチルジメチルシ
リルオキシエチル)−4−(2′′−テトラヒドロフラ
ノイルチオ)−2−アゼチジノン(5)を無色固型物と
して1.67g得、このもののスペクトルデーターは参
考例3−(A)で得られたものと完全に一致した。また
(1′R,2′′R,3S,4R)−3−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−
(2′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチ
ジノン(6)を無色油状物として5.46g得、このも
ののスペクトルデータは参考例3−(A)で得られたも
のと完全に一致した。
【0078】参考例4 (1′′R,2′′′R,3S,4R及び1′′R,
2′′′S,3S,4R及び1′′S,2′′′R,3
R,4S及び1′′S,2′′′S,3R,4S)−1
−(1′−アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニ
ルホスホラニリデンメチル)−3−(1′′−tert
−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−
(2′′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼ
チジノン(10)
【0079】(A)
【化46】
【0080】(1′R,2′′R,3S,4R及び1′
R,2′′S,3S,4R及び1′S,2′′R,3
R,4S及び1′S,2′′S,3R,4S)−3−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−4−(2′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−
2−アゼチジノン(2)(1.225g,3.41ミリ
モル)とグリオキシル酸アリルエステル(0.540
g,4.09ミリモル)をベンゼン(100ml)に溶
解し、25時間加熱還流した。共沸される水はモレキュ
ラーシーブス4Aを通し除去した。減圧下ベンゼンを留
去し、得られたアルコール化合物(8)は精製すること
なく用いた。
【0081】粗アルコール化合物(8)(1.61g)
をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、2,6−ル
チジン(0.48ml)を加えた。−10℃にて攪拌
し、この混合物に塩化チオニル(0.25ml)を加え
た。20分後混合物を氷水(50ml)に移し、これを
クロロホルムにて3回抽出した。クロロホルム層は水洗
し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去
した。得られた粗生成物はフラッシュクロマトグラフィ
ー(シリカゲル35g,酢酸エチル:ヘキサン=1:
3)にて精製し、(1′′R,2′′′R,3S,4R
及び1′′R,2′′′S,3S,4R及び1′′S,
2′′′R,3R,4S及び1′′S,2′′′S,3
R,4S)−1−(1′−アリルオキシカルボニル−
2′−クロロメチル)−3−(1′−tert−ブチル
ジメチルシリルオキシエチル)−4−(2′′′−テト
ラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチジノン(9)を
淡黄色油状物として1.242g(74%)得た。
【0082】クロル化合物(9)(1.242g,2.
52ミリモル),トリフェニルホスフィン(1.322
g,5.04ミリモル)及び2,6−ルチジン(0.3
24g,3.02ミリモル)の混合物をテトラヒドロフ
ラン(15ml)に溶解し、55−60℃にて75時間
攪拌した。不溶物をロ別し、ロ液を酢酸エチルにて希釈
し、水洗し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を
留去し、得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフ
ィー(シリカゲル80g,酢酸エチル:ヘキサン=1:
2)にて精製し、標記化合物(10)を無色油状物とし
て0.854g(47%)得た。
【0083】(B)
【化47】 (1′′R,3S,4R及び1′′S,3R,4S)−
1−(1′−アリルオキシカルボニル−2′−トリフェ
ニルホスホラニリデンメチル)−3−(1′−tert
−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−銀チオ−
2−アゼチジノン(11)(0.614g)を塩化メチ
レン(5ml)に溶解し、0℃にて塩化メチレン(1m
l)に溶解した2−テトラヒドロフランカルボン酸クロ
リド(0.117g)を加えた。0℃にて15分攪拌
し、室温にて15分攪拌した。不溶物をロ別し、ロ液を
飽和炭酸水素ナトリウム,水にて洗浄し、無水硫酸ナト
リウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られた粗生成物
をフラッシュクロマトグラフィーにて精製し、標記化合
物(10)を無色油状物として0.295g(71%)
得た。
【0084】参考例5 (1′′R,2′′′R,3S,4R及び1′′R,
2′′′S,3S,4R)−1−(1′−アリルオキシ
カルボニル−2′−トリフェニルホスホラニリデンメチ
ル)−3−(1′′−tert−ブチルジメチルシリル
オキシエチル)−4−(2′′′−テトラヒドロフラノ
イルチオ)−2−アゼチジノン(14)
【化48】
【化49】
【0085】(1′R,2′′R,3S,4R及び1′
R,2′′S,3S,4R)−3−(1′−tert−
ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−(2′′−
テトラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチジノン
(4)(2.44g,6.79ミリモル)を参考例3−
(A)と同様に処理し、標記化合物(14)を無色アモ
ルファスとして1.21g(30%)得た。
【0086】参考例6 (1′′R,2′′′S,3S,4R)−1−(1′−
アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラ
ニリデンメチル)−3−(1′′−tert−ブチルジ
メチルシリルオキシエチル)−4−(2′′′−テトラ
ヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチジノン(17)
【化50】
【0087】(1′R,2′′S,3S,4R)−3−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−4−(2′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−
2−アゼチジノン(5)(1.09g,3.03ミリモ
ル)を参考例3−(A)と同様に処理し、標記化合物
(17)を無色アモルファスとして0.39g(18
%)得た。
【0088】参考例7 (1′′R,2′′′R,3S,4R)−1−(1′−
アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラ
ニリデンメチル)−3−(1′′−tert−ブチルジ
メチルシリルオキシエチル)−4−(2′′′−テトラ
ヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチジノン(20)
【化51】
【0089】(1′R,2′′R,3S,4R)−3−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−4−(2′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−
2−アゼチジノン(6)(4.96g,13.79ミリ
モル)を参考例3−(A)と同様に処理し、標記化合物
(20)を無色アモルファスとして1.62g(36
%)得た。
【0090】参考例8 (1′′R,3′′′R,3S,4R及び1′′R,
3′′′S,3S,4R)−1−(1′−アリルオキシ
カルボニル−2′−トリフェニルホスホラニリデンメチ
ル)−3−(1′′−tert−ブチルジメチルシリル
オキシエチル)−4−(3′′′−テトラヒドロフラノ
イルチオ)−2−アゼチジノン(22)
【化52】
【0091】(1′′R,3S,4R)−1−(1′−
アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラ
ニリデンメチル)−3−(1′−tert−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル)−4−銀チオ−2−アゼチジ
ノン(2)(1.88g)と3−テトラヒドロフランカ
ルボン酸クロリド(0.404g)とを参考例3−
(B)と同様に処理し、標記化合物(22)を無色アモ
ルファスとして1.048g(73%)得た。
【0092】参考例9 (1′′R,2′′′R,3S,4R及び1′′R,
2′′′S,3S,4R)−1−(1′−アリルオキシ
カルボニル−2′−トリフェニルホスホラニリデンメチ
ル)−3−(1′′−tert−ブチルジメチルシリル
オキシエチル)−4−(2′′′−テトラヒドロピラノ
イルチオ)−2−アゼチジノン(23)
【化53】
【0093】(1′′R,3S,4R)−1−(1′−
アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラ
ニリデンメチル)−3−(1′−tert−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル)−4−銀チオ−2−アゼチジ
ノン(21)(1.88g)と2−テトラヒドロピラン
カルボン酸クロリド(0.385g)とを参考例3−
(B)と同様に処理し、標記化合物(23)を淡黄色ア
モルファスとして1.033g(70.6%)得た。
【0094】参考例10 (1′′R,2′′′R,3S,4R及び1′′R,
2′′′S,3S,4R)−1−(1′−アリルオキシ
カルボニル−2−トリフェニルホスホラニリデンメチ
ル)−3−(1′′−tert−ブチルジメチルシリル
オキシエチル)−4−(2′′−パラジオキサノイルチ
オ)−2−アゼチジノン(24)
【化54】
【0095】(1′′R,3S,4R)−1−(1′−
アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラ
ニリデンメチル)−3−(1′′−tert−ブチルジ
メチルシリルオキシエチル)−4−銀チオ−2−アゼチ
ジノン(21)(0.88g)と2−パラジオキサンカ
ルボン酸クロリド(0.389g)とを参考例3−
(B)と同様に処理し、標記化合物(24)を淡黄色油
状物として1.007g(68.6%)得た。
【0096】参考例11 (1′′R,2′′′S,3S,4R及び1′′S,
2′′′S,3R,4S)−1−(1′−アリルオキシ
カルボニル−2′−トリフェニルホスホラニリデンメチ
ル)−3−〔1′′−tert−ブチルジメチルシリル
オキシエチル)−4−(2′′−(5′′′−オキソ)
オキソラノイルチオ〕−2−アゼチジノン(25)
【化55】
【0097】(1′′R,3S,4R及び1′′S,3
R,4S)−1−(1′−アリルオキシカルボニル−
2′−トリフェニルホスホラニリデンメチル)−3−
(1′′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−4−銀チオ−2−アゼチジノン(11)(0.3
63g)と(2S)−2−(5−オキソ)オキソラニル
カルボン酸クロリドとを参考例3−(B)と同様に処理
し、標記化合物(25)を0.25g得た。
【0098】参考例12 (1′′R,2′′′R,3S,4R及び1′′S,
2′′′R,3R,4S)−1−(1′−アリルオキシ
カルボニル−2′−トリフェニルホスホラニリデンメチ
ル)−3−(1′′−tert−ブチルジメチルシリル
オキシエチル)−4−〔2′′′−(5′′′−オキ
ソ)オキソラノイルチオ〕−2−アゼチジノン(26)
【化56】
【0099】(1′′R,3S,4R及び1′′S,3
R,4S)−1−(1′−アリルオキシカルボニル−
2′−トリフェニルホスホラニリデンメチル)−3−
(1′′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−4−銀チオ−2−アゼチジノン(11)(0.3
63g)と(2R)−2−(5−オキソ)オキソラニル
カルボン酸クロリドとを参考例3−(B)と同様に処理
し、標記化合物(26)を0.162g得た。
【0100】参考例13 (1′′R,2′′′R,3S,4R及び1′′R,
2′′′S,3S,4R及び1′′S,2′′′R,3
R,4S及び1′′S,2′′′S,3R,4S)−1
−(1′−アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニ
ルホスホラニリデンメチル)−3−(1′′−ヒドロキ
シエチル)−4−(2′′′−テトラヒドロフラノイル
チオ)−2−アゼチジノン(27)
【化57】
【0101】(1′′R,2′′′R,3S,4R及び
1′′R,2′′′S,3S,4R及び1′′S,
2′′′R,3R,4S及び1′′S,2′′′S,3
R,4S)−1−(1′−アリルオキシカルボニル−
2′−トリフェニルホスホラニリデンメチル)−3−
(1′′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−4−(2′′′テトラヒドロフラノイルチオ)−
2−アゼチジノン(10)(0.295g,0.41ミ
リモル)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、酢
酸(206ml)とテトラヒドロフラン(1ml)の混
合物を加えた。次いでテトラ−n−ブチルアンモニウム
フロリド(テトラヒドロフラン中1M溶液、1.23m
l)を加え、室温にて62時間攪拌した。反応物を酢酸
エチルにて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム,水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去
し、得られた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー
(シリカゲル10g,酢酸エチル:ヘキサン=2:1〜
酢酸エチル:ヘキサン=1:2)にて精製し、標記化合
物(27)を0.12g(48%)得た。
【0102】参考例14 (1′′R,2′′′R,3S,4R)−1−(1′−
アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラ
ニリデンメチル)−3−(1′′−ヒドロキシエチル)
−4−(2′′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−2
−アゼチジノン(28)
【化58】
【0103】(1′R,2′′S,3S,4R)−1−
(1′−アリルオキシカルボニル−2′−トリフェニル
ホスホラニリデンメチル)−3−(1′′−tert−
ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−(2′′−
テトラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチジノン(2
0)(1.40g,1.95ミリモル)と酢酸(0.9
8ml)及びテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド
(テトラヒドロフラン中1M溶液、5.9ml)を参考
例13と同様に操作し、標記化合物(28)を1.03
g(87%)得た。
【0104】参考例15 (1′′R,2′′′S,3R,4S及び1′′S,
2′′′S,3S,4R)−1−(1′−アリルオキシ
カルボニル−2′−トリフェニルホスホラニリデンメチ
ル)−3−(1′′−ヒドロキシエチル)−4−
〔2′′′−(5′′′−オキソ)オキソラノイルチ
オ〕−2−アゼチジノン(29)
【化59】
【0105】(1′′R,2′′′R,3S,4R及び
1′′S,2′′′R,3R,4R)−1−(1′−ア
リルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラニ
リデンメチル)−3−(1′′−tert−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル)−4−〔2′′′−
(5′′′−オキソ)オキソラノイルチオ〕−2−アゼ
チジノン(25)(0.25g,0.34ミリモル)、
酢酸(0.2ml)及びテトラ−n−ブチルアンモニウ
ムフロリド(テトラヒドロフラン中1M溶液、0.9m
l)を参考例13と同様に操作し、標記化合物(29)
0.060gを得た。
【0106】実施例1 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2−
(2′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボ
ン酸アリルエステル(30)及び(1′R,2′′R,
5R,6S)−6−(1′−tert−ブチルジメチル
シリルオキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフ
ラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(3
1)
【化60】
【0107】(1′′R,2′′′R,3S,4R及び
1′′R,2′′′S,3S,4R)−1−(1′−ア
リルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラニ
リデンメチル)−3−(1′−tert−ブチルジメチ
ルシリルオキシエチル)−4−(2′′′−テトラヒド
ロフラノイルチオ)−2−アゼチジノン(14)(1.
21g,1.69ミリモル)とトルエン(120ml)
の混合物を16時間還流し、冷後溶媒を留去した。得ら
れた粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ
ゲル90g,酢酸エチル:ヘキサン=1:15)にて注
意深く精製し、標題化合物(30)を0.247g(3
3%)得た。また標題化合物(31)を0.312g
(42%)得た。
【0108】実施例2 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2−
(2′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルホ
ン酸アリルエステル(30)
【化61】
【0109】(1′′R,2′′′S,3S,4R)−
1−(1′−アリルオキシカルボニル−2′−トリフェ
ニルホスホラニリデンメチル)−3−(1′−tert
−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−
(2′′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼ
チジノン(17)(0.394g,0.55モル)とト
ルエン(40ml)の混合物を実施例1と同様に操作
し、標題化合物(30)を0.176g(73%)得
た。
【0110】実施例3 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2−
(2′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボ
ン酸アリルエステル(31)
【化62】
【0111】(1′′R,2′′′R,3S,4R)−
1−(1′−アリルオキシカルボニル−2′−トリフェ
ニルホスホラニリデンメチル)−3−(1′−tert
−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−4−
(2′′′−テトラヒドロフラノイルチオ)−2−アゼ
チジノン(20)(2.04g,2.84ミリモル)と
トルエン(200ml)の混合物を実施例1と同様に操
作し、標題化合物(31)を1.12g(89.8%)
得た。
【0112】実施例4 (1′R,3′′S,5R,6S)−6−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2−
(3′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボ
ン酸アリルエステル(32)及び(1′R,3′′R,
5R,6S)−6−(1′−tert−ブチルジメチル
シリルオキシエチル)−2−(3′′−テトラヒドロフ
ラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(3
3)
【化63】
【0113】(1′′R,3′′′R,3S,4R及び
1′′R,3′′′S,3S,4R)−1−(1′−ア
リルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラニ
リデンメチル)3−(1′−tert−ブチルジメチル
シリルオキシエチル)−4−(3′′′−テトラヒドロ
フラノイルチオ)−2−アゼチジノン(22)(1.0
48g,1.46ミリモル)とトルエン(100ml)
の混合物を実施例1と同様に操作し、標題化合物(3
2)を0.329g(50%)、及び標題化合物(3
3)を0.286g(46%)得た。
【0114】実施例5 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2−
(2′′−テトラヒドロピラニル)ペネム−3−カルボ
ン酸アリルエステル(34)及び(1′R,2′′R,
5R,6S)−6−(1′−tert−ブチルジメチル
シリルオキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロピ
ラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(3
5)
【化64】
【0115】(1′′R,2′′′R,3S,4R及び
1′′R,2′′′S,3S,4R)−1−(1′−ア
リルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラニ
リデンメチル)−4−(2′′−テトラヒドロピラノイ
ルチオ)−3−(1′′−tert−ブチルジメチルシ
リルオキシエチル)−2−アゼチジノン(23)(1.
033g,1.41ミリモル)とトルエン(70ml)
の混合物を実施例1と同様に操作し、標題化合物(3
4)を0.194g(30.3%)及び標題化合物(3
5)を0.189g(29.5%)得た。
【0116】実施例6 (1′R,2′′S,5R,6S及び1′R,2′′
R,5R,6S)−6−(1′−tert−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル)−2−(2′′−パラジオキ
サニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(3
6)
【化65】
【0117】(1′′R,2′′′R,3S,4R及び
1′′R,2′′′S,3S,4R)−1−(1′−ア
リルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラニ
リデンメチル)−4−(2′′−パラジオキサノイルチ
オ)−3−(1′′−tert−ブチルジメチルシリル
オキシエチル)−2−アゼチジノン(24)(1.00
7g,1.37ミリモル)とトルエン(70ml)の混
合物を実施例1と同様に操作し、標題化合物(36)を
0.496g(79.5%)得た。
【0118】実施例7 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2−
(2′′−パラジオキサニル)ペネム−3−カルボン酸
アリルエステル(37)及び(1′R,2′′R,5
R,6S)−6−(1′−tert−ブチルジメチルシ
リルオキシエチル)−2−(2′′−パラジオキサニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(38)
【化66】
【0119】実施例6で得られた異性体混合物(1′
R,2′′S,5R,6S及び1′R,2′′R,5
R,6S)−6−(1′−tert−ブチルジメチルシ
リルオキシエチル)−2−(2′′−パラジオキサニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(36)
(0.333g)をメルク社製PLC13895(クロ
ロホルムにて5回展開)を用いて分類し、標題化合物
(37)を0.1647g(49.5%)、及び標題化
合物(38)を0.1544g(46.4%)得た。
【0120】実施例8 (1′R,2′′R,5R,6S)−1−(1′−te
rt−ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2−
〔2′′−(5′′−オキソ)オキソラニル〕ペネム−
3−カルボン酸アリルエステル(39)及び(1′S,
2′′R,5S,6R)−6−(1′−tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシエチル)−2−〔2′′−
(5′′−オキソ)オキソラニル)ペネム−3−カルボ
ン酸アリルエステル(40)
【化67】
【0121】(1′′R,2′′′R,3S,4R及び
1′′S,2′′′R,3R,4S)−1−(1′−ア
リルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラニ
リデンメチル)−3−(1′′−tert−ブチルジメ
チルシリルオキシエチル)−4−〔2′′′−
(5′′′−オキソ)オキソラノイルチオ〕−2−アゼ
チジノン(26)(0.162g,0.22ミリモル)
とトルエン(50ml)の混合物を実施例1と同様に操
作し、標題化合物(39)を23mg(23%)及び標
題化合物(40)を30mg(30%)得た。
【0122】実施例9 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(41)
【化68】
【0123】(1′R,2′′S,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸アリルエステル(30)(0.176
g,0.40ミリモル),酢酸(201μl)及びテト
ラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラヒドロフ
ラン中1M溶液1.2ml)を参考例15と同様に操作
し標題化合物(41)を0.105g(86%)得た。
【0124】実施例10 (1′R,2′′R,5R,6S)−6,(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(42)
【化69】
【0125】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸アリルエステル(31)(1.12g,
2.55ミリモル),酢酸(128ml)及びテトラ−
n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラヒドロフラン
中1M溶液,7.64ml)を参考例15と同様に操作
し標題化合物(42)を0.877g得た。
【0126】実施例11 (1′R,3′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(3′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(43)
【化70】
【0127】(1′R,3′′S,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−(3′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸アリルエステル(32)(0.200
g,0.45ミリモル),酢酸(0.228ml)及び
テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラヒド
ロフラン中1M溶液,1.36ml)を参考例15と同
様に操作し、標題化合物(43)を0.131g(89
%)得た。
【0128】実施例12 (1′R,3′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(3′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(44)
【化71】
【0129】(1′R,3′′R,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−(3′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸アリルエステル(33)(0.200
g,0.45ミリモル),酢酸(0.228ml)及び
テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラヒド
ロフラン中1M溶液,1.36ml)を参考例15と同
様に操作し、標題化合物(44)を0.149g得た。
【0130】参考例17 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロピラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(45)
【化72】
【0131】(1′R,2′′S,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸アリルエステル(34)(0.189
g,0.42ミリモル),酢酸(0.21ml)及びテ
トラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラヒドロ
フラン中1M溶液,1.25ml)を参考例15と同様
に操作し、標題化合物(45)を0.131g(92
%)得た。
【0132】実施例14 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロピラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(46)
【化73】
【0133】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−(2′′−テトラヒドロピラニル)ペネム−
3−カルボン酸アリルエステル(35)(0.194
g,0.428ミリモル),酢酸(0.21ml)及び
テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラヒド
ロフラン中1M溶液,1.28ml)を参考例15と同
様に操作し、標題化合物(46)を0.133g(92
%)得た。
【0134】実施例15 (1′R,2′′S,5R,6S及び1′R,2′′
R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−
2−(2′′−パラジオキサニル)ペネム−3−カルボ
ン酸アリルエステル(47)
【化74】
【0135】(1′R,2′′S,5R,6S及び1′
R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−tert−
ブチルジメチルシリルオキシエチル)−2−(2′′−
パラジオキサニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエス
テル(36)(0.163g,0.358ミリモル),
酢酸(0.179ml)及びテトラ−n−ブチルアンモ
ニウムフロリド(テトラヒドロフラン中1M溶液,1.
07ml)を参考例15と同様に操作し、標題化合物
(47)を0.120g(98%)得た。
【0136】実施例16 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−パラジオキサニル)ペ
ネム−3−カルボン酸アリルエステル(48)
【化75】
【0137】(1′R,2′′S,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−(2′−パラジオキサニル)ペネム−3−カ
ルボン酸アリルエステル(37)(0.165g,0.
361ミリモル),酢酸(0.18ml)及びテトラ−
n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラヒドロフラン
中1M溶液,1.08ml)を参考例15と同様に操作
し、標題化合物(48)を0.109g(88%)得
た。
【0138】実施例17 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−パラジオキサニル)ペ
ネム−3−カルボン酸アリルエステル(49)
【化76】
【0139】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−(2′′−パラジオキサニル)ペネム−3−
カルボン酸アリルエステル(38)(0.154g,
0.339ミリモル),酢酸(0.17ml)及びテト
ラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラヒドロフ
ラン中1M溶液,1.02ml)を参考例15と同様に
操作し、標題化合物(49)を0.111g(95.7
%)得た。
【0140】実施例18 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′−オキソ)オ
キソラニル〕ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(50)
【化77】
【0141】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−〔2′′−(5′′−オキソ)オキソラニ
ル〕ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(39)
(23mg,0.05モル),酢酸(0.035ml)
及びテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(テトラ
ヒドロフラン中1M溶液,0.21ml)を参考例15
と同様に操作し、標題化合物(50)を13mg(76
%)得た。
【0142】実施例19 (1′S,2′′R,5S,6R)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′−オキソ)オ
キソラニル〕ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(51)
【化78】
【0143】(1′R,2′′R,5S,6R)−6−
(1′−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチ
ル)−2−〔2′′−(5′′−オキソ)オキソラニ
ル〕ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(40)
(30mg,0.066ミリモル),酢酸(0.35μ
l)及びテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド(テ
トラヒドロフラン中1M溶液,0.5ml)を参考例1
5と同様に操作し、標題化合物(51)を15mg(6
7%)得た。
【0144】実施例20 (1′R,2′′R,3S,4R及び1′R,2′′
S,3S,4R及び1′S,2′′R,3R,4S及び
1′S,2′′S,3R,4S)−6−(1′−ヒドロ
キシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニル)
ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(52)
【化79】
【0145】(1′′R,2′′′R,3S,4R及び
1′′R,2′′′S,3S,4R及び1′′S,
2′′′R,3R,4S及び1′′S,2′′′S,3
R,4S)−1−(1′−アリルオキシカルボニル−
2′−トリフェニルホスホラニリデンメチル)−3−
(1′′−ヒドロキシエチル)−4−(2′′−テトラ
ヒドロフラノイルチオ)−2−アゼチジノン(27)
(0.666mg,1.10ミリモル)とトルエン(7
0ml)の混合物を実施例1と同様に操作し標題化合物
(52)を346mg(97%)得た。
【0146】実施例18 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(42)
【化80】
【0147】(1′′R,2′′′R,3S,4R)−
1−(1′−アリルオキシカルボニル−2′−トリフェ
ニルホスホラニリデンメチル)−3−(1′′−ヒドロ
キシエチル)−4−(2′′′−テトラヒドロフラノイ
ルチオ)−2−アゼチジノン(28)(1.03g,
1.71ミリモル)とトルエン(100ml)の混合物
を実施例1と同様に操作し、標題化合物(42)を0.
500g(91%)得た。
【0148】実施例19 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′−オキソ)オ
キソラニル〕ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(53)及び(1′S,2′′S,5S,6R)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′
−オキソ)オキソラニル〕ペネム−3−カルボン酸アリ
ルエステル(54)
【化81】
【0149】(1′′R,2′′′S,3R,4S及び
1′′S,2′′′S,3S,4R)−1−(1′−ア
リルオキシカルボニル−2′−トリフェニルホスホラニ
リデンメチル)−3−(1′′−ヒドロキシエチル)−
4−〔2′′′−(5′′′−オキシ)オキソラニルチ
オ〕−2−アゼチジノン(29)(0.060g)とト
ルエン(20ml)の混合物を実施例1と同様に操作
し、標題化合物(53)を10mg(30%)及び標題
化合物(54)を5mg(15%)得た。
【0150】実施例20 (1′R,2′′R,5R,6S及び1′R,2′′
S,5R,6S及び1′S,2′′R,5S,6R及び
1′S,2′′S,5S,6R)−6−(1′−ヒドロ
キシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニル)
ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(55)及び(1′
R,2′′S,5R,6S及び1′S,2′′R,5
S,6R)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−2−
(2′′−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボ
ン酸カリウム塩(56)
【化82】
【0151】(1′R,2′′R,3S,4R及び1′
R,2′′S,3S,4R及び1′S,2′′R,3
R,4S及び1′S,2′′S,3R,4S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒ
ドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(52)(43mg,0.13ミリモル),トリフェニ
ルホスフィン(33mg)及びパラジウムテトラキスト
リフェニルホスフィン(3.3mg)の混合物を塩化メ
チレン(0.4ml)に溶解し、室温攪拌下2−エチル
ヘキサン酸カリウム塩(酢酸エチル中0.5M溶液,
0.4ml)を加えた。1時間後混合物にアセトン(2
ml)を加え、不溶物をロ別した。不溶物をアセトン,
エーテルにて順次洗浄し、真空デシケーターにて乾燥
し、(1′R,2′′R,5R,6S及び1′R,
2′′S,5R,6S及び1′S,2′′R,5S,6
R及び1′S,2′′S,5S,6R)−6−(1′−
ヒドロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラ
ニル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(55)
(1′R,2′′R,5R,6S及び1′S,2′′
S,5S,6R/1′R,2′′S,5R,6S及び
1′S,2′′R,5S,6R=3/1の混合物)を無
色粉末として23.5mg(55.8%)得た。またロ
液より2番晶として得られる結晶をロ取し、真空デシケ
ーターにて乾燥し、(1′R,2′′S,5R,6S及
び1′S,2′′R,5S,6R)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(56)を無色
粉末として3.9mg(93%)得た。
【0152】実施例24 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(57)
【化83】
【0153】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒ
ドロフラニル)ペネム−カルボン酸アリルエステル(4
2)(0.500g,1.54ミリモル),トリフェニ
ルホスフィン(0.0384g),パラジウムテトラキ
ストリフェニルホスフィン(0.0384g)及び2−
エチルヘキサン酸カリウム塩(酢酸エチル中0.5M溶
液,3.1ml)を実施例20と同様に操作し、標題化
合物(57)を96mg(19.3%)得た。
【0154】参考例19 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロピラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(58)
【化84】
【0155】(1′R,2′′S,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒ
ドロピラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(45)(48.7mg,0.144ミリモル),トリ
フェニルホスフィン(1mg),パラジウムテトラキス
トリフェニルホスフィン(1mg)及び2−エチルヘキ
サン酸カリウム塩(酢酸エチル中0.5M溶液,0.2
8ml)を実施例20と同様に操作し、標題化合物(5
8)を14.2mg(29.2%)得た。
【0156】参考例20 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロピラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(59)
【化85】
【0157】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒ
ドロピラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(46)(43.8mg),トリフェニルホスフィン
(1mg),パラジウムテトラキストリフェニルホスフ
ィン(1mg)及び2−エチルヘキサン酸カリウム塩
(酢酸エチル中0.5M溶液,0.25ml)を実施例
20と同様に操作し、標題化合物(59)を13.8m
g(31.7%)得た。
【0158】実施例22 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′−オキソ)オ
キソラニル〕ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(6
0)
【化86】
【0159】(1′R,2′′S,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′
−オキソ)オキソラニル〕ペネム−3−カルボン酸アリ
ルエステル(53)(10mg,0.029ミリモ
ル),トリフェニルホスフィン(0.2mg),パラジ
ウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.2mg)
及び2−エチルヘキサン酸カリウム塩(酢酸エチル中
0.5M溶液,0.06ml)を実施例20と同様に操
作し、標題化合物(60)を3mg(30%)得た。
【0160】実施例28 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′−オキソ)オ
キソラニル〕ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(6
1)
【化87】
【0161】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′
−オキソ)オキソラニル〕ペネム−3−カルボン酸アリ
ルエステル(50)(15mg,0.044ミリモ
ル),トリフェニルホスフイン(0.2mg),パラジ
ウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.2mg)
及び2−エチルヘキサン酸カリウム塩(酢酸エチル中
0.5M溶液,0.1ml)を実施例20と同様に操作
し、標題化合物(61)を6mg(40%)得た。
【0162】実施例24 (1′S,2′′R,5S,6R)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′−オキソ)オ
キソラニル〕ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(6
2)
【化88】
【0163】(1′S,2′′R,5S,6R)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−〔2′′−(5′′
−オキソ)オキソラニル〕ペネム−3−カルボン酸アリ
ルエステル(51)(4.9mg,0.015ミリモ
ル),トリフェニルホスフィン(0.1mg),パラジ
ウムテトラキストリフェニルホスフィン(0.1mg)
及び2−エチルヘキサン酸カリウム塩(酢酸エチル中
0.5M溶液,0.004ml)を実施例20と同様に
操作し、標題化合物(62)を2.7mg(55%)得
た。
【0164】実施例25 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(63)
【化89】
【0165】(1′R,2′′S,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒ
ドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(41)(20mg,0.061ミリモル)とパラジウ
ムテトラキストリフェニルホスフィン(1.4mg)の
混合物をテトラヒドロフラン(0.8mg)に溶解し、
−10℃で攪拌下トリ−n−ブチルチンヒドリド(20
μl)を加えた。25分後酢酸(4μl)を加えさらに
10分間攪拌した。減圧下濃縮し、残留物に水(3m
l)及び酢酸エチル(2ml)を加えた。攪拌下、この
混合物2M炭酸水素カリウムを滴下し、pH8.1とし
た。有機を水で3回抽出し、水層は合わせて酢酸エチル
にて洗浄した。水層は凍結乾燥し、得られた残留物はX
AD−2(9ml)を用いたカラムクロマトグラフィー
にて精製し、標題化合物(63)を無色粉末として8.
8mg(44%)得た。
【0166】実施例26 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(57)
【化90】
【0167】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′テトラヒド
ロフラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(42)(0.87mg,2.70ミリモル),パラジ
ウムテトラキストリフェニルホスフィン(62mg),
トリ−n−ブチルチンヒドリド(0.87ml),酢酸
(0.18ml)を実施例25と同様に操作し、標題化
合物(57)を0.330g(38%)得た。
【0168】実施例27 (1′R,3′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(3′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(64)
【化91】
【0169】(1′R,3′′S,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(3′′−テトラヒ
ドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(43)(80mg,0.25ミリモル),パラジウム
テトラキストリフェニルホスフィン(5.6mg),ト
リ−n−ブチルチンヒドリド(0.079ml),酢酸
(17μl)を実施例25と同様に操作し、標題化合物
(64)を51mg(64%)得た。
【0170】実施例28 (1′R,3′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(3′′−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩(65)
【化92】
【0171】(1′R,3′′R,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(3′′−テトラヒ
ドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル
(44)(80mg,0.25ミリモル),パラジウム
テトラキストリフェニルホスフィン(5.6mg),ト
リ−n−ブチルチンヒドリド(0.079ml),及び
酢酸(17μl)を実施例25と同様に操作し、標題化
合物(65)を60mg(75%)得た。
【0172】実施例29 (1′R,2′′S,5R,6S及び1′R,2′′
R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−
2−(2′′−パラジオキサニル)ペネム−3−カルボ
ン酸カリウム塩(66)
【化93】
【0173】(1′R,2′′S,5R,6S及び1′
R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシ
エチル)−2−(3′′−テトラヒドロフラニル)ペネ
ム−3−カルボン酸アリルエステル(47)(85m
g,0.249ミリモル),パラジウムテトラキストリ
フェニルホスフィン(5.4mg),トリ−n−ブチル
チンヒドリド(78μl)及び酢酸(16.2μl)を
実施例25と同様に操作し、標題化合物(66)を14
mg(16.6%)得た。
【0174】実施例30 (1′R,2′′S,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−パラジオキサニル)ペ
ネム−3−カルボン酸カリウム塩(67)
【化94】
【0175】(1′R,2′′S,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′−パラジオ
キサニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(4
8)(108.8mg,0.318ミリモル),パラジ
ウムテトラキストリフェニルホスフィン(6.9m
g),トリ−n−ブチルチンヒドリド(100μl)及
び酢酸(20.7μl)を実施例25と同様に操作し、
標題化合物(67)を77mg(71.3%)得た。
【0176】実施例31 (1′R,2′′R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2′′−パラジオキサニル)ペ
ネム−3−カルボン酸カリウム塩(68)
【化95】
【0177】(1′R,2′′R,5R,6S)−6−
(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2′′−パラジオ
キサニル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(4
9)(110.7mg,0.324ミリモル),パラジ
ウムテトラキストリフェニルホスフィン(7mg),ト
リ−n−ブチルチンヒドリド(0.101ml)及び酢
酸(21μl)を実施例25と同様に操作し、標題化合
物(68)を59mg(53.4%)得た。
【0178】以上得られた化合物の物性データを表1〜
表10へ示した。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】 〔最小阻止濃度(MIC)の測定〕
【0179】本発明の最少阻止濃度(MIC)は、日本
化学療法学会MIC測定標準法に準じて、寒天平板希釈
法により行なった。接種菌量は10コロニー形成単位
で、37℃において18時間培養後に成長を阻止する最
低濃度をμg/mlとして表中に記載した。
【0180】〔マウスの実験的感染症における治療効
果〕本発明により得られた新規化合物のうち、化合物5
7について感染動物による治療実験を行なった。動物と
してICR系雄性マウス(5週令,体重23〜27g)
を用い、S.aureus SmithもしくはE.C
oli KC−14を腹空内接種し、2時間後に化合物
57を皮下投与もしくは経口投与し、5日後におけるマ
ウスの生死を観察し治療効果を比較した。
【0181】(皮下投与)S.aureus Smit
h(5.7×10コロニー形成単位)により感染させ
たマウスに化合物57を1.6mg/kgもしくはそれ
以上投与した群では全て生存した。またE.coli
KC−14 3.1×10(コロニー形成単位)によ
り感染させたマウスに化合物57を2.6mg/kgも
しくはそれ以上投与した群では全て生存し、1.5mg
/kg投与した群においても5匹中3匹が生存した。
【0182】(経口投与)S.aureus Smit
h 3.6×10(CFU/head)により感染さ
せたマウスに化合物57を9.6mg/kgもしくはそ
れ以上投与した群では全て生存し、3.9mg/kg投
与した群においても5匹中3匹が生存した。またE.C
oli KC−14 1.5×10(CFU/hea
d)により感染させたマウスに化合物57を12.5m
g/kgもしくはそれ以上投与した群では全て生存し
た。
【0183】なお皮下投与においては最高50mg/k
g,経口投与では最高70mg/kgを投与した。さら
に、以下の化合物についても最小阻止濃度(MIC)を
測定した。
【0184】化合物a: (1′R,5R,6S及び1′S,5S,6R)−2−
(2′′−フラニル)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩
【化96】
【0185】化合物b: (1′R,5R,6S及び1′S,5S,6R)−2−
(3′′−フラニル)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩
【化97】
【0186】化合物c: (1′R,5R,6S及び1′S,5S,6R)−6−
(1′−ヒドロキシ)−2−(3′′−チオフェンメチ
ル)ペネム−3−カルボン酸カリウム塩
【化98】
【0187】
【表11】
【表12】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中Rは水素又はアリル基、 【化2】 はテトラヒドロピラニル基を表わす。)を有するペネム
    誘導体またはそれらの薬理学上許容されうる塩。
  2. 【請求項2】 Rが水素,アリル基,または−COOR
    がナトリウム,カリウムもしくはカルシウム塩の形のカ
    ルボキシル基である特許請求の範囲第1項記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】 光学活性体である特許請求の範囲第1項
    および第2項記載の化合物。
  4. 【請求項4】 ペネム環において6位ヒドロキシエチル
    基の水酸基のつけ根の炭素がR配位でペネム環において
    5R,6Sの立体配置を有する特許請求の範囲第1,2
    項及び第3項記載の化合物。
  5. 【請求項5】 一般式 【化3】 (式中Rは水素又はアリル基、 【化4】 はテトラヒドロピラニル基を表わす。)を有するペネム
    誘導体または、それらの薬理学上許容される塩を製造す
    るに際し、一般式 【化5】 (式中基 【化6】 は前記と同一意義を表わし、Rは水酸基の保護基、R
    はアリル基,又はカルボキシル基の保護基、Zはアリ
    ール基を表わす)を有するリン・イリド化合物を加熱し
    て一般式 【化7】 (式中R,R及び 【化8】 は前記と同一意義を表わす)を有する化合物となし、次
    いで所望に応じて得られた化合物を水酸基の保護基R
    の除去反応ならびにカルボキシル基の保護基Rを除去
    して各々水酸基、カルボキシル基を復元する反応に付
    し、さらに必要ならば薬理学上許容される塩基と反応さ
    せてそれらの塩となすか、又は一般式 【化9】 (式中R,R,Zおよび基 【化10】 は前記と同一意義を表わす)を有するリン・イリド化合
    物の水酸基の保護基Rを除去し、さらに加熱して一般
    式 【化11】 (式中Rおよび基 【化12】 は前記と同一意義を表わす)を有する化合物となし、さ
    らに所望に応じて得られた化合物のカルボキシル基の保
    護基Rを除去し、カルボキシル基を復元する反応に付
    し、さらに必要ならば薬理学上許容される塩基と反応さ
    せてそれらの塩となすペネム誘導体およびそれらの薬理
    学上許容される塩の製造法。
  6. 【請求項6】 一般式 【化13】 (式中Rは水酸基の保護基、Rはアリル基又はカル
    ボキシル基の保護基、Zはアリール基、 【化14】 はテトラヒドロピラニル基を表わす。)を有するリン・
    イリド化合物を加熱して一般式 【化15】 (式中R,Rおよび基 【化16】 は前記と同一意義を表わす)を有する化合物となし、必
    要に応じて次に再結晶、カラムクロマトグラフィー又は
    分散薄層クロマトグラフィーなる群から選ばれた1種な
    いし2種以上の精製手段により光学分割を行ない、次い
    で水酸基の保護基Rおよびカルボキシル基の保護基を
    除去し、さらに必要ならば薬理学上許容される塩基と反
    応させることを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の
    光学活性ペネム誘導体又はそれらの薬理学上許容される
    塩の製造法。
  7. 【請求項7】 一般式 【化17】 (式中Rは水酸基の保護基、Rはアリル基又はカル
    ボキシル基の保護基、Zはトリアリールホスホニオ基、 【化18】 はテトラヒドロピラニル基を表わす。)を有するリン・
    イリド化合物の水酸基の保護基Rを除去したのち再結
    晶、カラムクロマトグラフィー又は分取薄層クロマトグ
    ラフィーなる群から選ばれた1種ないし2種以上の精製
    手段を用い光学分割し、次いで加熱し一般式 【化19】 (式中Rおよび基 【化20】 は前記と同一意義を有する)を有する化合物となし、次
    いでカルボキシル基の保護基を除去し、さらに必要なら
    ば薬理学上許容される塩基と処理することを特徴とする
    特許請求の範囲第5項記載の光学活性ペネム誘導体又は
    それらの塩の製造法。
  8. 【請求項8】 一般式 【化21】 (式中Rは水素又はアリル基、 【化22】 はテトラヒドロピラニル基を表わす。)を有するペネム
    誘導体又はそれらの薬理学上許容される塩を有効成分と
    する抗菌剤。
  9. 【請求項9】 1日分用量が50mgないし5gの有効
    成分を含有する特許請求の範囲第8項記載の抗菌剤。
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