JPH0672800U - 航空機用車輪 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 風力を利用して車輪を回転させ、着陸時にお
けるタイヤの摩耗や破損を防止できる航空機用車輪を提
供することを目的とする。 【構成】 ホイール２のディスク５又はホイールキャッ
プの側壁に複数個の風受け部７を放射状に突設したこと
を特徴とする航空機用車輪。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、航空機用車輪、詳しくは、航空機の着陸時に風力で自転するように した航空機用の車輪に関する。

【０００２】

【従来の技術】

航空機の車輪は、着陸時には回転フリーの状態になっており、着地後は徐々に ブレーキをかけて停止するよう構成されている。しかし、着地時において、車輪 は停止した状態で滑走路の路面と接触するため、タイヤと路面との間に大きな滑 り摩擦が発生する。その結果、タイヤの摩耗が激しく、破損する危険性が生じる とゝもに、滑走路の路面にタイヤから削り取られたゴムが付着し、これを除去す るのに多大の時間と労力を要するといった管理上の諸問題点もある。

【０００３】 このような問題点を解決するものとして、例えば、図４に示すように、タイヤ １のサイドウオール２に風受け用の突起３を設けたものが開示さている（特開平 ４−１３３８９９号公報）。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】

しかし、タイヤ１のサイドウオール２は円弧面で形成されており、しかもこの サイドウオール２はその高さも余り高くないため、前記図４に示す考案において は、このサイドウオール２に形成出来る風受け用の突起３の大きさにも自ずと制 約がある。特に、風力により車輪を航空機の進行方向に自転させる機能を果たす 部分Ｈは、全体の約１／３程度であるため、この風受け用の突起３にはある程度 の大きさが必要であるが、前記のような構造上の制約があって突起３の大きさを 十分に採れない従来のものでは、その目的を達成するのは相当の困難性があると 思われる。また、離着陸を繰り返すことにより、タイヤの磨耗や弾性変形によっ て突起３の形状も次第に磨耗，変形し、耐久性の点でも問題点がある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、上記のような従来の諸問題点を解決するためになされたもので、機 能性及び耐久性の点で優れたものを提供することを目的としたものであり、その 要旨は、ホイールのディスク又はホイールキャップの側壁に複数個の風受け部を 放射状に突設したことを特徴とする航空機用車輪にある。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案を図１乃至図３に示す実施例に基いて詳細に説明する。なお、図 １は本考案に係る車輪の側面図、図２は図１のＩ−Ｉ線断面図で、図３は図１の II−II線断面図である。

【０００７】 図において、１は航空機用の車輪で、ステンレス，アルミ合金などで形成され たホィール２と、該ホィール２に装着したタイヤ３とから構成されており、前記 ホィール２はタイヤ３を取り付けるリム部４とその内側に設けたデイスク５とを 具備し、該デイスク５の中央には車軸用のハブ穴６が形成されている。

【０００８】 ７は前記デイスク５の外壁面５Ａに形成した風受け部で、前記ハブ穴６を中心 として放射状に突設しているとゝもに、ハブ穴６の外周近傍からデイスク５の外 周近傍まで延びている。この風受け部７は、図３に示すように、前記デイスク５ の外壁面５Ａから円周方向に緩やかに立ち上がる斜面で形成された背面８と、該 背面８のやや水平に延びた先端８Ａから急角度で垂下する背面８方向へ湾曲した 円弧面からなる開口面９とから構成されており、図１に示すように、各風受け部 ７，７はそれぞれ同一方向に向け配設されている。

【０００９】 なお、図示の実施例において、前記風受け部７は、デイスク５と一体成形によ り形成したもであるが、別体で形成した風受け部７を溶接等によりデイスク５に 溶着したものでもよく、或いは又、図示しないホイールキャプに形成したもので もよい。図中、Ｆは飛行機の進行方向を示し、Ｗは風力を示す。

【００１０】 そこで、航空機の着陸時において、機体内に格納していた車輪１を機体外に出 し、着陸態勢に入ると、外部に露出した車輪１は飛行機の進行方向Ｆとは逆向き の風力Ｗを受ける。そのため、車輪１のデイスク５から突設した多数の風受け部 ７，７のうち、図４に示すと同じ範囲Ｈにある各風受け部が、その開口面９にお いてその他の風受け部より風を最も多く受け入れることになる。その結果、その 開口面９は風と衝当し、その風力Ｗにより車輪１は左回り、すなわち、飛行機が 進む場合の回転方向Ｒに回転することになる。

【００１１】 而して、航空機の着陸時において、車輪１は回転しながら滑走路の路面と接触 することになり、タイヤ２と路面との摩擦抵抗が極めて小さい。したがって、タ イヤ２の磨耗が少ないし、着陸時の衝撃も少なくてすむ。なお、上記は、車輪１ のデイスク５の外側一方の側壁５Ａにのみ風受け部７を設けたものについて説明 したが、両側に設けてもよいこともちろんである。また、風受け部７をホイール キャップに形成した場合も上記と同様な作用をする。

【００１２】

【考案の効果】

本考案に係る航空機用車輪は、上記のように、ホイールのディスク又はホイー ルキャップの側壁に、複数個の風受け部を放射状に突設した構成であるから、風 受け部の有効面積を大きく形成することができ、風力により確実に車輪が自転す る。したがって、タイヤの摩耗や破損が少なく、タイヤの寿命を延ばすことがで きるとゝもに、滑走路に付着するゴムが少なくてすみ、滑走路の管理の省力化が 図れる。また、着地の際の衝撃も少なく、着地時の安全を確保することができる といった諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る航空機用車輪の側面図である。

【図２】図１のＩ−Ｉ線断面図である。

【図３】図１のII−II線断面拡大図である。

【図４】従来例の航空機用車輪の側面図である。

【符号の説明】

１ 車輪 ２ ホイール ３ タイヤ ４ リム部 ５ ディスク ５Ａ 外壁面 ６ ハブ穴 ７ 風受け部 ８ 背面 ８Ａ 先端 ９ 開口面 Ｒ 回転方向 Ｆ 進行方向 Ｗ 風力

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホイールのディスク又はホイールキャッ
   プの側壁に、複数個の風受け部を放射状に突設したこと
   を特徴とする航空機用車輪。