JPH0672510B2 - 避難装置 - Google Patents

避難装置

Info

Publication number
JPH0672510B2
JPH0672510B2 JP62057696A JP5769687A JPH0672510B2 JP H0672510 B2 JPH0672510 B2 JP H0672510B2 JP 62057696 A JP62057696 A JP 62057696A JP 5769687 A JP5769687 A JP 5769687A JP H0672510 B2 JPH0672510 B2 JP H0672510B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nesting
tube
portions
nesting tube
flat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62057696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63223288A (ja
Inventor
千尋 市川
寿孝 川口
正男 加藤
Original Assignee
株式会社ナカ技術研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ナカ技術研究所 filed Critical 株式会社ナカ技術研究所
Priority to JP62057696A priority Critical patent/JPH0672510B2/ja
Publication of JPS63223288A publication Critical patent/JPS63223288A/ja
Publication of JPH0672510B2 publication Critical patent/JPH0672510B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ladders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主として中高層の建築物の室内やベランダ等
に設置され、火災等の緊急時に安全な避難路を構成する
避難装置に関するものである。
(従来の技術) 複数の入れ子管を順次テレスコピック式に連接して構成
した伸縮可能な支持柱と、この支持柱にその長手方向に
適当間隔をおいて固定された複数の足掛け部材とを有
し、非使用時には縮小された状態でほぼ水平に支持さ
れ、使用時には下方へ回動して伸長することにより吊り
下げ式の梯子を形成する避難装置は、例えば特開昭54−
23760号等に開示されている。
かかる避難装置は火災等の緊急時に使用されるものであ
るため、取り扱いが容易で、迅速且つ確実に作動するも
のでなければならない。従って、上述の避難装置も、例
えば下方蓋と吊り下げ式の梯子とを上方蓋に連動させ、
上方蓋を開放すると下方蓋が開放すると共に、吊り下げ
式の梯子が自重で自動的に伸長するように構成されてい
る。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、上述した従来の避難装置に使用されている支持
柱は楕円形の横断面を有する入れ子管で構成されている
ため、入れ子管相互間の安定性が低く、特に支持柱の伸
長時にガタつきを生じやすいばかりでなく、伸長後も支
持柱が前後左右に揺動しやすいという欠点を有する。
避難装置の支持柱としては、特公昭56−10879号に開示
されているように、横断面形状が方形のものや、特公昭
55−25264号に開示されているように、二つの係止突起
と二つの受止部によって二点支持されるものもある。し
かし、方形の入れ子管で支持柱を形成すると、入れ子管
の伸長時に入れ子管相互間でカジリを生じやすく、支持
柱の伸長動作が安定しないという欠点を生じる。また、
上述の二点支持される入れ子管も、その横断面形状が楕
円形のため、入れ子管相互間の寸法精度が出しにくくガ
タつきが生じやすい。
そこで、本発明の目的は、支持柱の伸長時には安定して
確実に伸長し、伸長後は各入れ子管を伝って降下する際
の荷重や衝撃に対して効果的な抗張力が働いて揺動を防
止し、安定した伸長状態を保ち、更に各入れ子管の部分
的な変形や損傷を防ぐことができる、吊り下げ式の避難
装置を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的を達成するため、本発明の避難装置は次のよ
うな構成を採る。即ち、複数の入れ子管を順次テレスコ
ピック式に連接して構成した伸縮可能な支持柱と、該支
持柱にその長手方向に適当な間隔をおいて固定された複
数の足掛け部材とを有し、使用時には下方に伸長するこ
とにより吊り下げ式のはしごを形成する避難装置におい
て、前記各入れ子管の形状を、平面部と、該平面部の両
側から該平面部に対してほぼ直角方向に延在する一対の
対向壁面部と、該対向壁面部を互いに連結する凸状湾曲
面部とを有する管形状とし、前記入れ子管の前記平面部
の上部には前記入れ子管の外部に突出する突起部(2e、
3e、4e、…)が形成され、前記入れ子管の前記平面部の
下部には、前記支持柱の伸長時に隣接する上方の前記入
れ子管の前記突起部と係合する係止部(2k、3k、4k、
…)が、前記入れ子管の内部に突出するように形成さ
れ、前記入れ子管の前記凸状湾曲面部の上部には前記入
れ子管の外部に突出する一対の突起部(2g、3g、4g、
…;2f、3f、4f、…)が形成され、前記入れ子管の前記
凸状湾曲面部の下部には、前記支持柱の伸長時に隣接す
る上方の前記入れ子管の前記一対の突起部とそれぞれ係
合する一対の係止部(2l、3l、4l、…;2m、3m、4m、
…)が、前記入れ子管の内部に突出するように形成さ
れ、前記足掛け部材を前記各入れ子管の前記平面部にそ
れぞれ面接触させて固定したことを特徴とする避難装置
である。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図ないし第3図は本発明の避難装置を構成する支持
柱の一実施例を示す。支持柱1は複数の入れ子管2、
3、4、…を順次テレスコピック式に連接して構成さ
れ、各入れ子管2、3、4、…は一側に平面部2a、3a、
4a、…を有する。各入れ子管2、3、4、…の平面部2
a、3a、4a、…の両側には、これらの平面部に対してそ
れぞれ直角方向に延在する一対の対向壁面部2b、2c、3
b、3c、4b、4c、…が形成され、更に、これらの対をな
す対向壁面部2b、2c、3b、3c、4b、4c、…はそれぞれの
凸状湾曲面部2d、3d、4d、…によって互いに連続してい
る。
各入れ子管2、3、4、…の平面部2a、3a、4a,…の上
部には、これらの入れ子管の外部へ突出する突起部2e、
3e、4e、…が形成され、また、それらの湾曲面部2d、3
d、4d、…の上部には、一対の突起部2g、2f、3g、3f、4
g、4f、…が形成されている。
また、入れ子管2、3、4…の平面部2a、3a、4a、…の
下方部位には、これらの入れ子管の内部に突出する一の
係止部2k、3k、4k…が形成され、また、これらの入れ子
管2、3、4、…の凸状湾曲面部2d、3d、4d、…の下方
部位にも入れ子管の内部に突出する一対の係止部2l、2
m、3l、3m、4l、4m、…がそれぞれ形成されている。係
止部2k、3k、4k…は、支持柱1の伸長時に、突起部3e、
4e、…とそれぞれ係合し、係止部2l、2m、3l、3m、…
は、このとき突起部3g、3f、4g、4f、…とそれぞれ係合
する。
かかる構成の入れ子管2、3、4、…を連接した支持柱
1によれば、支持柱1の伸長時に上位の入れ子管と下位
の入れ子管とは3つの突起を互いに係合させて連接さ
れ、下位の入れ子管は上位の入れ子管によって3点支持
されて、言わば静定構造を構成する。したがって、かか
る支持柱1を避難装置に使用すれば、各入れ子管を伝っ
て降下する際の荷重や衝撃に対して効果的な抗張力が働
いて揺動が防止され、安定した伸長状態が保たれるばか
りでなく、各入れ子管の部分的な変形や損傷も防止され
る。
第4図ないし第14図は本発明の避難装置を構成する支持
柱の他の実施例を示す。支持柱1は複数の入れ子管2、
3、4、5、6、7を順次テレスコピック式に連接して
構成され、各入れ子管2、3、…7は一側に平面部2a、
3a、…7aを有する。各入れ子管2、3、…7の平面部2
a、3a、…7aの両側には、これらの平面部に対してそれ
ぞれ直角方向に延在する一対の対向壁面部2b、2c、3b、
3c、…7b、7cが形成され、更に、これらの対をなす対向
壁面部2b、2c、3b、3c、…7b、7cはそれぞれの凸状湾曲
面部2d、3d、…7dによって互いに連続している。これら
の入れ子管2、3、…7は、第5図に示すように、プレ
ス成形によって端縁に凹凸状係合部8a、8bを連設した一
枚の鋼板を曲成し、これらの凹凸状係合部8a、8bを互い
に係合させてスポット熔接等で一体化して形成される。
これらの平面部の形成によってスプリングバックの発生
を防止すると共に凸状湾曲面部にのみわずかなスプリン
グバックを生じさせて、相互に反対方向に引張力を付与
し、凹凸係合部による蟻ざし結合を強固なものにしてい
る。また、このプレス成型の際、平面部の延びがほとん
どなく、かつ、その幅寸法がプレス金型で規制されるこ
とによって外径寸法の狂いが少ないから、精度の高い入
れ子管を形成することができる。
このようにして構成された入れ子管のうち、最外側及び
最内側の入れ子管2、7以外の入れ子管3、4、…6
は、第4図に示すように、それらの平面部3a、4a、…6a
の上部にこれらの入れ子管の外部へ突出する突起部3e、
4e、…6eを有し、また、それらの湾曲面部3d、4d、…6d
の上部には、第4図及び第6図に示すように、一対の突
起部3g、3f、4g、4f、…6g、6fが形成されている。更
に、これらの入れ子管3、4、…6の上縁部には平面部
3a、4a、…6aからその両側の対向壁面部3b、3c、…6b、
6cに延在する突条3h、4h、…6hが形成さされている。突
条3h、4h、…6hは支持柱1の伸長時に各入れ子管の伸長
動作を安定させる働きをする。また、入れ子管3、4、
…6の対向壁面部3b、3c、…6b、6cの上部には一対の楔
状突起部3i、3j、4i、4j、…6i、6jが形成されている。
これらの楔状突起部は支持柱1の伸長動作終了後に、対
応する楔状係合部(後述する)と係合して、上下の入れ
子管をより確実に固定するという機能をはたす。
なお、上述の説明では入れ子管3、4、5、6について
のみ説明したが、突起3e、3g、3f、突条3h、及び楔状突
起部3i、3jに相当する突起、突条、及び楔状係合部は最
内側の入れ子管7にも同様に形成される(図示せず)。
しかし、最外側の入れ子管2の上縁部は、後述するよう
に、支持軸9によって枠体10等に回転可能に取り付けら
れるから(第15図、第16(a)図参照)、突起3f、3g、
3h、突条3h、楔状係合部3i、3jに相当する突起、突条、
楔状係合部は不要である。
入れ子管2、3、…6の平面部2a、3a、…6aの下方部位
には、これらの入れ子管の内部に突出する一の係止部2
k、3k、…6kが形成され、また、これらの入れ子管2、
3、…6の凸状湾曲面部2d、3d、…6dの下方部位にも入
れ子管の内部に突出する一対の係止部2l、2m、3l、3m、
…6l、6mがそれぞれ形成されている。係止部2k、3k、…
は、支持柱1の伸長時に、突起部3e、4e、…とそれそれ
係合し、係止部2l、2m、3l、3m、…は、このとき突起部
3g、3f、4g、4f、…とそれぞれ係合する。入れ子管2、
3、…6の対向壁面部2b、2c、3b、3c、…6b、6cの下方
部位には、また、一対の楔状係合部2n、2o、3n、3o、…
6n、6oがそれぞれ形成され、これらの楔状係合部は、支
持柱1の伸長時に、前述の楔状突起部3i、3j、…7i、7j
とそれぞれ係合する。なお、これらの係止部2k、2l、2m
及び楔状係合部2n、2oに相当する係止部、係合部は、最
内側の入れ子管7には形成されていない。
入れ子管2、3、…7の平面部2a、3a、…7aの下方部位
にはボルト挿通孔2p、3p、…7pが形成され、これらのボ
ルト挿通孔には足掛け部材取り付け用のボルト11が挿通
されている。これらのボルト挿通孔は比較的太い入れ子
管2、3、4には二個ずつ並設され(第18(a)図参
照)、比較的細い入れ子管5、6、7には一個だけ設け
られる(第19(a)図参照)。
第18(a)、(b)図に示す場合には、足掛け部材12
は、その根元側を大径にしてスペーサ部13を形成したボ
ルト11、11とこれに螺合するナット14、14とによって各
入れ子管に取り付けられる。すなわち、足掛け部材12の
側壁には一対の突出部12a、12aがプレスにより一体形成
され、また、足掛け部材12の内部には断面コ字状の補強
部材12cが固定されている。そして、足掛け部材12は突
出部12aの間に入れ子管を挟むようにして入れ子管に係
合させられ、補強部材12cを介してナット14により固定
される。このとき、ボルト11はスペーサ部13の端面を補
強部材12cに当接させている。足掛け部材12をかかる構
造で入れ子管に取り付けることにより、足掛け部材12に
かかる垂直荷重を突出部12aを介して入れ子管の側壁で
受けることができるから、ボルト11が受ける荷重を緩和
しうる共に、入れ子管の変形も防止できる。また、ナッ
ト14を締め付けても補強部材12cのウエブはボルト11の
スペーサ部13の端面で支持されるから、補強部材12cの
変形は防止される。なお、図中、12dは合成樹脂製の滑
り止めカバーを示し、このカバー12dは足掛け部材12に
接着剤で固定される。また、15は足掛け部材12のナット
挿入孔12eを閉塞するためのキャップである。
他方、第19(a)、(b)図に示すように、比較的下位
の入れ子管用の場合には、一本のボルト11と、回転係止
部材16とによって足掛け部材12を固定する。回転係止部
材16はボルト孔6q、6qに挿通された一対のボルト17、17
とナット18、18によって入れ子管の下端部に固定され、
この回転係止部材16の両端部に形成した係止部16a、16a
を足掛け部材12のスリット12f、12fにそれぞれ挿入する
ようにしてある。このとき、係止部16aはそれぞれ、足
掛け部材12内に取り付けられた補強部材12cに当接し、
ナット14の締結による補強部材12cの変形を防止する。
なお、図中、12gは滑り止め用の突起である。かかる構
造で足掛け部材12を固定すれば、足掛け部材12にかかる
垂直荷重の一部を係止部16aで受けることができるか
ら、ボルト11にかかる荷重を軽減することができると共
に、入れ子管6のボルト孔6q付近の変形を防止すること
ができる。また、足掛け部材12にかかるX方向(第19
(b)図参照)への水平荷重は、入れ子管6の平面部6a
のみでなく、補強部材12cのウエブと回転係止部材16の
係止部16aの先端によって受けられるから、入れ子管6
と足掛け部材12の接合部の変形を防止することができ
る。なお、回転係止部材16は必ずしも下位の入れ子管に
のみ使用されるものではなく、上位の入れ子管に使用し
ても一向に差し支えない。この場合は、回転係止部材は
足掛け部材の回転を防止するという意義は有さず、補強
構造としての意義のみを有する。
以上のような構成を有する入れ子管2、3、…7は、第
15図のように組み立てられて伸縮可能な支持柱1を構成
し、この支持柱1は、第16(a)図に示すように、入れ
子管2の上部に挿通された支持軸9をブラケット19に支
持させることにより枠体10に取り付けられる。枠体10に
は上蓋21と下蓋22とが開閉自在に取り付けられ、これら
の上蓋21、下蓋22はリンク機構20a及び下蓋調整レバー2
0bを介して連結されている。図中、10a、10bは枠体10に
プレス成型された膨出部を示し、膨出部10aはリンク機
構20aの回動支点として使用され、また膨出部10bにはワ
イヤーロープrの一端が締結されている。ワイヤーロー
プrの他端は支持柱1に連結され、支持柱1の回転角度
を規御するストッパとして機能する。また、10cは枠体1
0に取り付けられたパッキンであり、21aは上蓋21に取り
付けられた取っ手である。そして、23は支持柱1の伸長
速度を調節するための緩機構を示す。支持柱1は、第15
図及び第17図に示すように、入れ子管2、3、…7の平
面部2a、3a、…7aが上蓋21側に位置するように枠体10に
取り付けられ、支持軸9を中心にしてF方向に回転可能
に支持されている。
パッキン10cは、第16(b)図に示すように、枠体10の
上端縁の内周面に溝10dを形成し、この溝10dに嵌着され
る。これにより、雨水等がパッキン10cと溝10dとの間に
侵入せず、錆の発生を防止できるとともに、パッキン10
cが外部に露出していないから紫外線等による劣化が生
じ難い。また、膨出部10bはプレスによる一体成型で枠
体10に形成されるから、別途ブラケットを設けた従来の
ものに比較して材料費、製作費を節減できると共に、膨
出部10bの全周が枠体10に連続しているから、強度が高
く、ワイヤーrにかかる荷重に十分耐えることができ、
また、この強度はその荷重方向に左右されない。
上蓋21の上面には、第16(c)図に示すように、傾斜面
21b、21cからなる水勾配が形成され、上蓋21上に水が溜
まって錆が発生しないようになっている。なお、21dは
滑り止め用の突起である。
リンク機構20aと下蓋22との間に介装された下蓋調整レ
バー20bは、上蓋21を閉じた時に、リンク機構20aの変形
や寸法誤差、あるいはピン枢着位置の誤差等で下蓋22が
完全に閉まらない場合に、これらの変形や誤差を吸収し
て下蓋22を完全に閉鎖できるようにするためのものであ
る。すなわち、このような場合は、第16(d)図及び第
16(e)図に示すように、上蓋21と下蓋22を開いた状態
で固定ボルト20cを緩め、調整ボルト20dのナット20eを
緩め付け方向に回転させて下蓋22が水平になるようにす
る。そして、下蓋22が水平状態で閉じられるか否かの確
認は、固定ボルト20cを緩めた状態で上蓋21と下蓋22を
閉じて行い、完全に閉じられる場合は固定ボルト20cを
締めて固定すればよい。なお、20fは係止爪を示す。係
止爪20fは下蓋調整レバー20bを下蓋22に直角に固定する
ためのもので、下蓋22のリブ22aに係合する。かかる下
蓋調整レバー20bを使用することにより、従来のターン
バックルを使用するものに比較してコストダウンを図る
ことができる。
以下、上記実施例の作用を上位の入れ子管2とその下位
の入れ子管3とを例にとって、(i)収納状態、(ii)
伸長状態、(iii)使用状態をそれぞれ説明する。
(i)収納状態 上位の入れ子管2とその下位の入れ子管3は、その収納
時において、第16(a)図に示されるように、縮小重合
されて収容されている。上位の入れ子管2と下位の入れ
子管3は、その下方において、上位の入れ子管2に形成
された3つの係止部2k,2l,2mが、下位の入れ子管3の下
方の平面3aおよび凸状湾曲面部3dの対応する内面にそれ
ぞれ当接し、その上方において、下位の入れ子管3の上
方側に形成された3つの突起部3g,3f,3eが上位の入れ子
管2の平面部2aおよび凸状湾曲面部2dの対応する内面に
それぞれ当接した状態で支持されている。
なお、第17図に示すように、垂直状態から回動して水平
状態で収納している場合には、下位の入れ子管3は、そ
の根元側(垂直状態における上方側)で、その凸状湾曲
面部3dの突起部3l,3mが上位の入れ子管2の凸状湾曲面
部2dの内面上に圧接し、また、その先端側(垂直状態の
下方側)では、その凸状湾曲面部3dの外面が上位の入れ
子管2の凸状湾曲面部2dに形成された一対の係止部2l,2
mによって圧接支持されている。即ち、下位の入れ子管
3の重量を上位の入れ子管2の根元側と先端側におい
て、その凸状湾曲面部2dで受止め、かつ下位の入れ子管
3の傾きが2つの入れ子管2,3の平面部2a、2bおよび対
向壁面部2b,2c;3b,3cで受止められているため、その収
納状態をきわめて安定した状態に保持している。また、
水平状態で収納している場合には、この状態から垂直状
態まで回動しなければならない。この際上位の入れ子管
2内の下位の入れ子管3が上下及び左右方向へ揺動しよ
うとするが、上述したように上下位の入れ子管2,3が当
接支持されているため、不要の動きを規制阻止して円滑
な回動を行うことができる。
(iii)伸長(降下)状態 縮小され、かつ略垂直状態に位置した支持柱1は、その
係止レバー23の係止を解くことによって、自重で伸長降
下する。なお、この場合上位の入れ子管2に設けられて
いる緩降装置23によって、その落下速度が調節され一定
の速度で伸長される。この伸長は、上位の入れ子管2内
を下位の入れ子管3が順次摺動することによって行われ
る。この際下位の入れ子管3はその上位の入れ子管2内
において、その上方側は、下位の入れ子管3に形成され
ている3つの突起部3g,3eが上位の入れ子管2の内面に
当接しながら、また、下方側においては、下位の入れ子
管3の平面部3a及び凸状湾曲面部3dの外面が、上位の入
れ子管2の下方に形成された内面に突出された係止部2
k,2l、2mにわずかに当接しながら、伸長するため、下位
の入れ子管3がその伸長に伴って傾きが生じたり、ガタ
が生じたりすることなく円滑に作動すする。しかしなが
ら、伸長降下においては、吊り下げ梯子を形成する入れ
子管2,3,4…に足掛け部材12を水平方向に連結している
ため、その重量等によって、下位の入れ子管3は凸状湾
曲面部(第17図のF方向)にわずかに傾斜しながら伸長
する傾向にある。なお、この複数本の入れ子管2,3,4…
で構成される支持柱1はその最上位の入れ子管2と収納
体10との間にワイヤロープrを張設して5度F方向に
傾斜することによって、吊り下げ梯子の使用(降下)を
容易ならしめる。すなわち、上述のように、この傾斜
(F方向)が生ずると、上位の入れ子管2の下端の凸状
湾曲面部2dに設けられる2つの係止部2l,2mと下位の入
れ子管3の凸状湾曲面部3dの外面、及び下位の入れ子管
3の平面部3aと外面上端と上位の入れ子管2の平面部2
の対応する内面にそれぞれ荷重が集中しやすい。これら
の傾斜に伴う荷重に対しては、上位の入れ子管2はその
下方側の凸状湾曲面部2dに内面に突出する係止部2l,2m
が下位の入れ子管3の凸状湾曲面部3dの下端外面と部分
的に当接してその摩擦抵抗を小さくして垂直状態と同様
円滑な伸長を可能としている。また、この上位の入れ子
管2の係止部2l,2mが間隔を有して対向状に設けられて
支持し、かつ平面部2aの全域で下位の入れ子管3の平面
部3a全域で支持され伸長する際安定した作動が得られ
る。
なお、この伸長時に発生する自然発生的な傾き、および
意図的な傾斜に対しては下位の入れ子管に形成される凸
条3hがその幅方向にわたって、延在し、集中荷重を防止
する曲げを防止している。さらに、荷重が集中しやすい
凸状湾曲面部においてその上下位の凸状湾曲面部2d,3d
より曲率を若干変化させて係止部2f,2gの全面が当接せ
ずその一部において支持させて円滑な作動をさせてい
る。
(iii)伸長状態 各入れ子管が全て伸長された状態では、上位の入れ子管
2と下位の入れ子管3は、 (イ)下位の入れ子管3の平面部3aに形成される突起部
3eが上位の入れ子管2aに形成される平面部の係止部2hの
係止部2kに、また、 (ロ)下位の入れ子管3の凸状湾曲面部3dに形成された
2つの突起部3g,3fが上位の入れ子管2の凸状湾曲面部2
dに形成された2つの栄部2l,2mに、 それぞ支承され、上下位の入れ子管2,3は、三角形を形
成する位置関係で3点支持されて係合している。
上記のように3点支持されているので、その垂直荷重
(自重による)や衝撃等に対してこれを分散して特定個
所に荷重が集中するのを防止している。また人が降下し
た場合その足掛け部材12の一方に足を載せるため入れ子
管に対してはそのいずれか一方側に偏荷重がかかるが、
これによる垂直荷重は他の一方の凸状湾曲面部3dの突起
3g又は3fと凸状湾曲面部2dの係止部2l又は2mと平面部3a
の突起2eと平面部2aの係止部2kとの係合によって分散さ
せることができる。また、入れ子管の足掛け部材12に負
荷される偏荷重は、その足掛け部材12の右側に負荷した
場合、上述の垂直荷重とともに水平荷重がW方向に生
ずる。この水平荷重(W)によって、その下位の入れ
子管3の凸状湾曲面部3dからその上位の入れ子管2の凸
状湾曲面部2dに向かってf方向の力が作用する。上位の
入れ子管2に設けられる係止部2lは、その位置が下端寄
りに形成され、しかもその下端において自由端となって
いるため点pに曲げ応力が生じやすい。しかしながら、
この係止部2lは凸状湾曲面部2dに形成されているので、
その面に沿って張力がf方向に働いて曲げ応力を緩和
することができる。
さらに、平面部2aにおける曲げ応力の発生はf方向に
生ずる力をその平面部2aの面部分に沿って作用させるこ
とによって、下位の入れ子管3の対向壁面部3bが上位の
入れ子管2の対向壁面部2bに強く衝接するのを防止して
いる。
その他の構成の作用としては、 直壁部2b,2cに形成される楔状係合部2n,2o及び直壁部
3b,3cに形成される楔状突起部3i,3jとの係合部分は、足
掛け部材12にかかる偏荷重によって生ずる左方向の水平
荷重に対して、その対向直壁部における変形を防止する
機能を有する。このF方向の力に対し係合部分において
楔状突起部3iにはf,f方向の力が作用する。f
向の力に対しては楔状係合部2nの上部で、また、f
向の力に対しては楔状係合部2nの下部で、それぞれ受け
ている。このf,f方向の力は楔状係合部2nのせん断
面で作用してこの部分で曲げ応力が生じないようにして
いる。従って、F方向の水平荷重はその大部分をこの係
合部2nのせん断面で受け、凸状湾曲面部および直壁部へ
の面圧を減少して変形を防止する。
凸状湾曲面部に形成される係止部2k及び突起部3fで
は、この係止部2k及び突起部3fを長形状とすることによ
ってそのせん断面における係合部分を多くとることがで
き、上述の楔状係合部と楔状突起部との係合と同様に、
その部分における曲げ応力の発生を防ぐことができる。
係止部2kと突起3eとの係合における「テーパー面」の
形成により、突起3eの係止部2kへの侵入を案内すると共
に、その係合時において、そのせん断面をより多く形成
することができ、ガタ等の発生をさらに防止することが
できる。
突条hを入れ子管の上端部において、平面部aから直
壁部2にわたって横方向にハチマキ状に突出させ、か
つ、凸状湾曲面部dの上端及びその下方に適宜間隔で突
部sを形成することによって、次のような作用を生じ
る。すなわち、この突条hと突部s(とくに下側)は上
述の水平荷重(F方向)が作用した場合その係止部lと
突起部gとの係合部分における座屈を防止して荷重を分
散させることができる。また、同時に上述したように入
れ子管の端部を補強することができる。
第20図は本発明の避難装置の他の実施例を示し、この実
施例の特徴は、支持柱1を枠体10に取り付ける変わりに
引っ掛け式のブラケット24に取り付けて、建築物のベラ
ンダ25等から吊り下げるように構成したことにある。そ
の他の構成は前述の実施例と同じである。
第21図ないし第23図は入れ子管の更に他の実施例を示
し、今、入れ子管3,4を例に採って説明すると、この実
施例の特徴は、楔状突起部を3′i、3′jのように2
分割構造とし、また、突起部3′e、係止部3′kをそ
れぞれ2分割構造にすると共に、平面部3aに一対の内方
向突起3qを形成したことにある。このうち、楔状突起部
3′i、3′jを2分割構造としたのは、これらの突起
部の両側面(係合面)の精度を向上させると共に、これ
らの傭側面に大きな荷重を受けたとき変形しにくくする
ためである。また、突起部3′eと係止部3′kを2分
割構造としたのは、荷重を分散させて平面部3aの強度を
向上させるためである。そして、内方向突起3qは支持柱
の伸長時に下位の入れ子管4の突条4hと係合して(第23
図参照)、平面部3aの変形を防止する。その他の構成
は、第7図ないし第14図の入れ子管と同様である。
なお、入れ子管は押し出し成型で形成することもでき
る。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の避難装置によれば支持柱
の伸長時に入れ子管相互の係合状態が極めて安定するか
ら、揺動の少ない、安全な避難路を提供することができ
る。
また、各入れ子管は揺動の少ない、極めて安定した伸長
動作を行なうから、避難路の下方にいる人を傷付ける危
険性が小さいと共に、迅速且つ確実に避難路を形成する
ことができる。
更に、本発明の避難装置では、足掛け部材を入れ子管の
平面部に面接触させて固定するようにしたから、入れ子
管に対する足掛け部材の取り付け構造が簡単化されると
共に軽量化され、ひいてははしご重量が大幅に軽減され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の支持柱の一部分解斜視
図、 第2図は、第1図に示した入れ子管の斜視図 第3図は、第1図の支持柱の係合状態をあらわす平面
図、 第4図は、本発明の他の実施例の入れ子管の係合状態を
表す斜示図、 第5図は、入れ子管の製造工程を表す斜示図、 第6図は、入れ子管の一実施例の斜示図、 第7図は、入れ子管の係合部の側面図、 第8図は、入れ子管の係合部の正面図、 第9図は、第7図のA−A線に沿う断面図、 第10図は、第8図のB−B線に沿う断面図、 第11図は、第9図のC−C線に沿う断面図、 第12図は、第9図のD−D線に沿う断面図、 第13図は、第9図のE−E線に沿う断面図、 第14図は、第9図のC′−C′線に沿う断面図、 第15図は、本発明の避難装置の一実施例の斜示図、 第16(a)図は、支持柱を縮小状態で収納した避難装置
の断面図、 第16(b)図は、避難装置の枠体の部分断面図、 第16(c)図は、避難装置の上蓋の斜視図、 第16(d)図は、避難装置のリンク機構の正面図、 第16(e)図は、避難装置の下蓋調整レバーの正面図、 第17図は、避難装置の作動状態を説明するための一部切
り欠き斜示図、 第18(a)図は、足掛け部材の取り付け構造の一実施例
の斜示図、 第18(b)図は、第18(a)図の足掛け部材の取り付け
部分の断面図、 第19(a)図は、他の足掛け部材の取り付け構造の分解
斜示図、 第19(b)図は、第19(a)図の足掛け部材の取り付け
部分の断面図、 第20図は、本発明の避難装置の他の実施例の斜示図、 第21図は、本発明の更に他の入れ子管の斜示図、 第22図は、第21図の入れ子管を他の方向から見たときの
斜示図、 第23図は、第21図の入れ子管の嵌合状態の平面図であ
る。 1……支持柱 2、3、4、5、6、7……入れ子管 2a、3a、4a、5a、6a、7a……平面部 2b、2c、3b、3c、4b、4c、5b、5c、6b、6c、7b、7c……
対向壁面部 2d、3d、4d、5d、6d、7d……凸状湾曲面部 2k、2l、2m、3k、3l、3m、4k、4l、4m、5k、5l、5m、6
k、6l、6m……係止部 3e、3f、3g、4e、4f、4g、5e、5f、5g、6e、6f、6g、7
e、7f、7g……突起部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 正男 埼玉県八潮市大字新町39番地 株式会社ナ カ技術研究所東京研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−54863(JP,A) 実開 昭61−98200(JP,U) 実公 昭57−16000(JP,Y2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の入れ子管を順次テレスコピック式に
    連接して構成した伸縮可能な支持柱と、該支持柱にその
    長手方向に適当な間隔をおいて固定された複数の足掛け
    部材とを有し、使用時には下方に伸長することにより吊
    り下げ式のはしごを形成する避難装置において、前記入
    れ子管の形状を、平面部と、該平面部の両側から該平面
    部に対してほぼ直角方向に延在する一対の対向壁面部
    と、該対向壁面部を互いに連結する凸状湾曲面部とを有
    する管形状とし、前記入れ子管の前記平面部の上部には
    前記入れ子管の外部に突出する突起部(2e、3e、4e、
    …)が形成され、前記入れ子管の前記平面部の下部に
    は、前記支持柱の伸長時に隣接する上方の前記入れ子管
    の前記突起部と係合する係止部(2k、3k、4k、…)が、
    前記入れ子管の内部に突出するように形成され、前記入
    れ子管の前記凸状湾曲面部の上部には前記入れ子管の外
    部に突出する一対の突起部(2g、3g、4g、…;2f、3f、4
    f、…)が形成され、前記入れ子管の前記凸状湾曲面部
    の下部には、前記支持柱の伸長時に隣接する上方の前記
    入れ子管の前記一対の突起部とそれぞれ係合する一対の
    係止部(2l、3l、4l、…;2m、3m、4m、…)が、前記入
    れ子管の内部に突出するように形成され、前記足掛け部
    材を前記各入れ子管の前記平面部にそれぞれ面接触させ
    て固定したことを特徴とする、避難装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の避難装置に
    おいて、前記入れ子管は、プレス成型によって端縁に凹
    凸状係合部(8a、8b)を連接した一枚の鋼板を曲成し、
    これらの凹凸状係合部を互いに係合させてスポット溶接
    で一体化して形成されている、前記避難装置。
JP62057696A 1987-03-12 1987-03-12 避難装置 Expired - Fee Related JPH0672510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62057696A JPH0672510B2 (ja) 1987-03-12 1987-03-12 避難装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62057696A JPH0672510B2 (ja) 1987-03-12 1987-03-12 避難装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63223288A JPS63223288A (ja) 1988-09-16
JPH0672510B2 true JPH0672510B2 (ja) 1994-09-14

Family

ID=13063104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62057696A Expired - Fee Related JPH0672510B2 (ja) 1987-03-12 1987-03-12 避難装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0672510B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0723519Y2 (ja) * 1988-09-27 1995-05-31 松下電工株式会社 天井はしごの取付構造

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6198200U (ja) * 1984-12-01 1986-06-24

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63223288A (ja) 1988-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8256164B2 (en) Safety hatch having rail mounting system
CN108868126A (zh) 一种圆管圆柱定位早拆头装置
WO2006024832A1 (en) A ladder for a manhole
NO172949B (no) Holdeinnretning for et horisontalt stillaseelement
US6088988A (en) Chord with inwardly depending ends and ridge connection system
JPH0672510B2 (ja) 避難装置
JPH07292802A (ja) 建築壁構造
US6471000B2 (en) Safety harness and ladder assembly
CN208633515U (zh) 一种圆管圆柱定位早拆头装置
AU2013100441B4 (en) Roof Anchor Cable System Having Shock Absorbing Means
JP3676652B2 (ja) 取付金具
EP3693510A1 (en) Work site barrier system
JP4316079B2 (ja) 可動梯子
JP2562667Y2 (ja) 梯子用安全ガード及び安全ガードを備えた梯子
JP4990199B2 (ja) 手摺型エキスパンションジョイント
KR100680277B1 (ko) 철골에 설치되는 승강수단용 브라켓
JPS629885Y2 (ja)
JP2500871Y2 (ja) 隔板構造
FR2547339A1 (fr) Support a courbure ajustable pour coffrages d'ouvrages de maconnerie bombes
JPS6328312Y2 (ja)
JPH01235790A (ja) 避難装置
JP2814069B2 (ja) 折版屋根用角度自在型吊子及びタイトフレーム
JPS6243051Y2 (ja)
JPS603920Y2 (ja) 建物の窓外梯子装置
JPH0656324U (ja) 仮設足場用の安全網

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees