JPH067229Y2 - 水路切換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、給水管や給湯管の先端に取付けられて、直放
水とシャワーとの切換え機能を有する水路切換装置に関
する。

水や湯を直放水とシャワーとに切換えることのできる水
路切換装置は、従来より種々提案されており、例えばシ
ャワー筒の前側および後側に突出するプッシュボタンを
設け、このプッシュボタンを交互に押すと直放水または
シャワーに切換えられるものが知られている。

しかし、この水路切換装置は、シャワー筒の前後に突出
したプッシュボタンを交互に押し込まねばならず、操作
が面倒で操作力も重いという難点があった。

そこで、この問題を改善すべく前記シャワー筒の外側に
シーソー式のプッシュボタンを露出して設け、このプッ
シュボタンの端部を押圧操作して切換えを行う水路切換
装置が提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記従来の装置は、操作性が良くなるもの
の、プッシュボタンに連動する切換弁機構が複雑とな
り、部品点数も多いために材料費が多くかかる共に、組
立て時に手間がかかり製作コスト高となっていた。

本考案は、上記課題に鑑みてなされたもので、切換操作
時の操作感を向上させると共に、切換弁機構の構造を簡
略化して部品点数が少なく安価でかつ組立て容易な水路
切換装置を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案は、給液管に連通する
筒状部が上端に、凹部が下端縁に設けられ、短軸が内部
に突設されたハウジング本体と、このハウジング本体に
螺合し、多数の小孔を設けたシャワーノズル板を下端に
備え、このノズル板の中央に整流筒が設けられたシャワ
ー筒と、前記ハウジング本体の周側壁に開口し、ハウジ
ング本体内に向けて並設された第１および第２挿通孔
と、この第１および第２挿通孔にそれぞれ挿入される先
端部にガイド溝が形成され、後端が押圧操作により前記
給液管からの湯または水をシャワーノズル板の小孔もし
くは整流筒の何れか一方から放出させる押圧操作部とさ
れた第１および第２押ボタンと、この第１および第２押
ボタンの各ガイド溝に係合するガイド軸が上面に、支軸
が下面にそれぞれ突設され、一方の端部に弁保持筒が、
他方の端部に前述の短軸を挿入するガイド孔が一体形成
された弁レバーと、前記整流筒に連通する整流用弁口と
シャワーノズル板の小孔に連通するシャワー用弁口およ
び前記支軸を回動自在に軸支する軸孔が上面に配設さ
れ、その下端部の外周縁に前述の凹部と掛合する突起を
突設した分流筒と、前記弁保持筒の下端に係止されたバ
ネ体と、このバネ体によって前記弁口に圧着され、弁レ
バーの回動に伴って各弁口を交互に開閉する可動弁体と
を備えたものである。

〔作用〕

上記構成により、第１押ボタンまたは第２押ボタンを押
圧操作すると、レバー弁が回動して可動弁体が整流用弁
口もしくはシャワー用弁口の何れかを開閉し、水路が切
換えられる。この際操作者は押ボタンを同一方向に押圧
するだけの操作で直放水またはシャワーに切換えること
ができる。

また、この水路切換装置を組み立てるときは、ハウジン
グ本体に突設させた短軸を弁レバーに形成されたガイド
孔に挿入し、弁レバーに突設させた支軸を分流筒に設け
た軸孔に挿入し、この分流筒に突設させた突起を前記ハ
ウジング本体に設けられた凹部に掛合させた状態で、ハ
ウジング本体にシャワー筒を螺合することにより、この
弁レバーの切換操作角の規制と整流用弁口およびシャワ
ー用弁口の位置と弁レバーの切換位置合わせを容易にか
つ確実に行うことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係る水路切換装置の縦断面図、第２図
は同分解斜視図であるる この水路切換装置は、ハウジング１のハウジング本体２
上部に筒状部が、ハウジング本体２の下部側にシャワー
筒４が装着され、内部には弁レバー７、分流筒８および
球状の可動弁体９等が配設されていて、周側壁に設けた
第１、第２押ボタン5,6の操作により、湯水の流路を直
放水もしくはシャワーに切換可能な構成となっている。

前記筒状部３は、テーパー面を有する外周の上部側に雄
ネジ3aが刻設されており、この雄ネジ3aにカバー12の雌
ネジ12aが螺合されて筒状部３にカバー12が装着される
ようになっている。また、筒状部３の内周壁には、段差
部3bを設けてニップル13が嵌入されており、このニップ
ル13に給液管、例えば瞬間湯沸器の給湯管の先端が挿入
されて、前記カバー12を螺入すると、給湯管に筒状部３
が装着される構成となっている。

前記ハウジング本体２は、略円筒状で、周側壁に開口
し、本体２内に向けて並設された第１，第２押ボタン挿
通孔2a,2bが形成されている。また、ハウジング本体２
の下部には、雄ネジ2cが刻設されており、この雄ネジ2c
にＯリング14を挟んでシャワー筒４の雌ネジ4cが螺合さ
れるようになっている。

前記第１および第２押ボタン5,6は、円柱状で略中央に
周溝を設け、先端側に凹状のガイド溝5a,6aが形成さ
れ、後端部を傾斜面として指による操作が容易な押圧操
作部5b,6bとしている。

そして、各押ボタン5,6は、前記第１押ボタン挿入口2a
および第２押ボタン挿入口2bにそれぞれガイド溝5a,6a
を下向きとして挿入され、弁レバー７に係合するように
なっている。

この弁レバー７は、プレート7aに弁保持筒7bを一体形成
したもので、プレート7aの先端部にガイド孔7cを形成し
ている。また、このプレート7aの上面には、前記ガイド
溝5a,6aに対応して２本のガイド軸7d,7eが突設されると
共に、下面には支軸7fが突設されている。そして、この
弁レバー７は、前記ハウジング１に突設した短軸15にガ
イド孔7cを緩挿し、第１ガイド軸7dに第１押ボタン５の
ガイド溝5aを、第２ガイド軸7eに第２押ボタン６のガイ
ド溝6aをそれぞれ係合した状態でハウジング本体２内に
収納されている。

前記分流筒８は円盤状で、上面8aには軸孔8bが形成され
ると共に、弁座16が設けられている。この弁座16には、
下面中央に向けて開口した分水エルボ17の上部開口であ
る整流用弁口16aと、後述のシャワー筒４によって形成
される下室1bの上部開口であるシャワー用弁口16bとが
開設されている。そして、分流筒８の周面には、段差部
8cを設けると共に外周縁に突起8dを突設しており、この
突起8dとハウジング本体２の下端縁に設けられた凹部2d
に係合し、ハウジング本体２内に水密を保って嵌入され
るようになっている。すなわち、この分流筒８を嵌入す
るに際しては、弁レバー７の弁保持筒7bにバネ体10の一
端を係止し、このバネ体10の他端と球状の可動弁体９と
の間に弁押え11を挟んだ状態で、可動弁体９を前記弁口
16a,16bの何れか一方に保持して装着する。そして、後
述のシャワー筒４が取り付けられると、分流筒８の上面
8aによりハウジング１内に上室1aと下室1bとが形成され
るようになっている。

前記シャワー筒４は、下面に複数の小孔4bを設けたシャ
ワーノズル板4aを一体形成したもので、このシャワーノ
ズル板4aの中央には複数枚の整流板18aからなる整流筒1
8が突設されている。また、シャワー筒４の内周面に
は、雌ネジ4cが刻設されており、この雌ネジ4cを前記ハ
ウジング本体２の雄ネジ2cに螺入して、シャワー筒４を
ハウジング本体２に対し着脱自在に装着するようになっ
ている。

しかして、上記のように構成された水路切換装置は、ガ
ス瞬間湯沸器や風呂の給湯管等に取り付けられて、直放
水またはシャワー水の切換用具として使用される。

第３図(a),(b)は直放水の使用状態の説明図、第４図
(a),(b)はシャワー水の使用状態の説明図である。

まず、直放水に切換えられた場合は、第３図(a)に示す
ように、第１押ボタン５が押圧されており、この押圧操
作部5aが外周面とほぼ面一で、第２押ボタン６の押圧操
作部6bのみが突出している。そして、第１押ボタン５の
ガイド溝5aにより押圧された弁レバー７は、その弁保持
筒7bがシャワー用弁口16bの上方に位置し、第３図(b)に
示す如く、シャワー用弁口16bを可動弁体９が閉弁する
状態に保たれている。従って、整流用弁口16aは開弁状
態となり、給湯管からの湯水は、上室1aから整流用弁口
16aに流入し、分水エルボ17を通過して整流筒18より流
出するので、直放水となるものである。

つぎに、シャワーに切換える場合は、第４図(a)に示す
第２押ボタン６を押圧操作する。すると、第２押ボタン
６のガイド溝6aによって第２ガイド軸7eが押圧されるの
で、支軸15を支点にして弁レバー７が反時計方向に回動
する。これに伴って、バネ体10に圧着されている可動弁
体９がシャワー用弁口16bから整流用弁口16a側に移動
し、この整流用弁口16aを閉弁する。よって、シャワー
用弁口16bが開弁するので、湯水は下室1bに流入し、複
数の小孔4bからシャワーとして放水されることとなる。
なお、再び直放水に切換える場合は、第１押ボタン５を
押圧操作するのみで簡単に切換えられる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る水路切換装置は、第
１押ボタンまたは第２押ボタンを押圧する簡単な操作で
直放水もしくはシャワー水に切換えることができる。こ
の際、押ボタンは同一方向に交互に押圧するのみでよい
から、操作が容易であり従来に比して操作性が格段に向
上する。また、第１および第２押ボタンに連動する切換
弁機構は、簡単な構成ですむから部品点数が少なく製作
コストが低廉となる効果がある。

加えて、ハウジング本体には内部に短軸および下端縁に
凹部を、弁レバーには短軸に対応させたガイド孔を、分
流筒には凹部に対応させた突起を設けて、弁レバーに突
設させた支軸を分流筒に設けた軸孔に挿入できるように
しているので、この水路切換装置を組み立てるときに
は、前記短軸を前記ガイド孔に挿入し、前記支軸を前記
軸孔に挿入し、前記突起を前記凹部に掛合させた状態
で、ハウジング本体にシャワー筒を螺合することによ
り、この弁レバーの切換操作角の規制と整流用弁口およ
びシャワー用弁口の位置と弁レバーの切換位置合わせを
確実に行うことができ、組立て作業が極めて容易に行え
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、第１図は
水路切換装置の縦断面図、第２図は同分解斜視図、第３
図(a),(b)は直放水に切換えたときの説明図、第４図
(a),(b)はシャワーに切換えたときの説明図である。 ２……ハウジング本体、2d……凹部、４……シャワー
筒、5,6……押ボタン、７……弁レバー、7b……弁保持
筒、7c……ガイド孔、８……分流筒、8d……突部、９…
…可動弁体、15……短軸、16……弁座、16a……整流用
弁口、16b……シャワー用弁口、18……整流筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給液管に連通する筒状部が上端に、凹部が
   下端縁に設けられ、短軸が内部に突設されたハウジング
   本体と、このハウジング本体に螺合し、多数の小孔を設
   けたシャワーノズル板を下端に備え、このノズル板の中
   央に整流筒が設けられたシャワー筒と、前記ハウジング
   本体の周側壁に開口し、ハウジング本体内に向けて並設
   された第１および第２挿通孔と、この第１および第２挿
   通孔にそれぞれ挿入される先端部にガイド溝が形成さ
   れ、後端が押圧操作により前記給液管からの湯または水
   をシャワーノズルの小孔もしくは整流筒の何れか一方か
   ら放出させる押圧操作部とされた第１および第２押ボタ
   ンと、この第１および第２押ボタンの各ガイド溝に係合
   するガイド軸が上面に、支軸が下面にそれぞれ突設さ
   れ、一方の端部に弁保持筒が、他方の端部に前述の短軸
   を挿入するガイド孔が一体形成された弁レバーと、前記
   整流筒に連通する整流用弁口とシャワーノズル板の小孔
   に連通するシャワー用弁口および前記支軸を回動自在に
   軸支する軸孔が上面に配設され、その下端部の外周縁に
   前述の凹部と掛合する突起を突設した分流筒と、前記弁
   保持筒の下端に係止されたバネ体と、このバネ体によっ
   て前記弁口に圧着され、弁レバーの回動に伴って各弁口
   を交互に開閉する可動弁体とを備えた水路切換装置。