JPH0672188B2 - アルキルポリ(ポリシリル)アザン及びその調製法 - Google Patents

アルキルポリ(ポリシリル)アザン及びその調製法

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JPH0672188B2
JPH0672188B2 JP80002988A JP80002988A JPH0672188B2 JP H0672188 B2 JPH0672188 B2 JP H0672188B2 JP 80002988 A JP80002988 A JP 80002988A JP 80002988 A JP80002988 A JP 80002988A JP H0672188 B2 JPH0672188 B2 JP H0672188B2
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【発明の詳細な説明】 米国政府は、米空軍が授けた契約番号F33615−83−C−
5006に従う本発明の権利を保有する。
(産業上の利用分野) 本発明は、セラミック材料及び物品の調製におけるプレ
セラミックポリマーとして有用なアルキルポリ(ポリシ
リル)アザン、特にメチル(ポリシリル)アザンに関す
る。
本発明は更に、このようなアルキルポリ(ポリシリル)
アザ及びメチル(ポリシリル)アザンの調製法並びにこ
の種のプレセラミックポリマーから調製したセラミック
スに関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) バニー(Baney)らは、米国特許第4,310,651号(1982年
11月22日発行)において、一般式が(CH3Si)((CH3
2Si)で示され、0〜60モル%の((CH32Si)単位と4
0〜100モル%の(CH3Si)単位が存在し、ケイ素への残
りの結合が他のケイ素原子及び塩素原子または臭素原子
に付いているポリシランを発表している。このポリシラ
ンは、高温(約1400℃)でセラミック材料を含むβ‐炭
化ケイ素に転化された。米国特許第4,310,651号のポリ
シランは空気中では反応性が高いので取扱いが困難であ
る。
バニーらは、米国特許第4,298,559号(1981年11月3日
発行)において、一般式が(CH3Si)((CH32Si)で
示され、0〜60モル%の((CH32Si)単位と40〜100
モル%の(CH3Si)単位が存在し、ケイ素への残りの結
合が他のケイ素原子,及びこの他に1〜4個の炭素原子
を有するアルキル基、またはフェニル基に結び付いてい
るポリシランを発表した。これらのポリシランは、加熱
することにより高い収量でのセラミックスを含む炭化ケ
イ素に転化された。
バニーらは、米国再発行特許Re 31,447号(1982年11月2
2日再発行)において、一般式が(CH3Si)((CH32S
i)で示され、0〜60モル%の((CH32Si)単位と40
〜100モル%の(CH3Si)単位が存在し、ケイ素への残り
の結合が他のケイ素原子,及び1〜4個の炭素原子を有
するアルコキシ基、またはフェノキシ基に結び付いてい
るポリシランを発表した。これらのポリシランを高温に
焼くことにより炭化ケイ素を含有するセラミックスがえ
られた。
バニーらは、米国特許第4,314,956号(1982年2月9日
発行)において、一般式が(CH3Si)((CH32Si)で
示され、0〜60モル%の((CH32Si)単位と40〜100
モル%の(CH3Si)単位が存在し、ケイ素への残りの結
合がシリコン、及び一般式がNHRで表わされ、Rは
水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ま
たはフェニル基であるアミン基に結び付いているポリシ
ランを発表した。これらのポリシランを不活性雰囲気ま
たはアンモニア雰囲気で高温に焼くことにより炭化ケイ
素を含有するセラミックスがえられた。
これらのポリシランについては更にバニーらが「有機金
属」(Organometallics)2,859(1983)に論じている。
ハルスカ(Haluska)は、米国特許第4,546,163号(1985
年10月8日発行)において、一般式が(RSi)(R2Si)
(R′d(CH2=CH)Si)で表わされ、0〜60モル%
の(R2Si)単位、30〜99.5モル%の(RSi)単位、0.5〜
15モル%の(R′d(CH2=CH)Si)単位が存在し、
ケイ素への残りの結合が他のケイ素原子及び塩素原子ま
たは臭素原子に結び付き、Rは1〜4個の炭素原子を有
するアルキル基、R′は1〜4個の炭素原子、ビニル
基またはフェニル基を有するアルキル基であり、dは1
または2であるポリシランを調製した。同じ一般式のポ
リシランであるが、ケイ素に結び付いているアルキル、
アリル、アルコキシ、置換されたアミン、または置換さ
れないアミンの諸基を含むポリシランもまた調製され
た。これらのポリシランは、不活性雰囲気において高温
で熱分解されセラミックスを含む炭化ケイ素を造ること
ができる。ビニル基を含むポリシランは、紫外線に曝す
ことにより熱分解を起こす前に硬化させこれによって不
溶性とすることができた。
ウェスト(West)は米国特許第4,260,780号(1981年4
月7日発行)において、ジメチルクロロシランとメチル
フェニルシランのナトリウム金属還元により一般式が
((CH32Si)(CH3(C6H5)Si)で表わされるポリシ
ランを調製した。その結果えられたメチルフェニルポリ
シランは非常に高い軟化点(280℃以上)を持ってい
た。
ウェストらは、「ポリマー調製」(Polym.Prep.)25,4
(1984)においてジメチルクロロシランとメチルフェニ
ルシランのナトリウム金属還元により一般式が(CH3(C
H2=CHCH2)Si)(CH3(C6H5)Si)で表わされるポリシ
ランの調製を発表した。これらのポリシランは紫外線の
照射により容易にゲル化した。
新しく発見されたのは、単位式が (R2Si)(RSi) (I) (R2Si)(RSi)(R′Si) (II) で表わされ、式中のRは1〜4個の炭素原子を含むアル
キル基から独立に選ばれ、ケイ素原子に対して他のケイ
素原子及び式‐NHSiR″で表わされる基もまた結合さ
れ、上記のR″はそれぞれ、水素、1〜4個の炭素原子
を有するアルキル基、ビニル基またはフェニル基から独
立に選ばれるものであるアルキル(ポリシリル)アザ
ン、そして式(II)のものについては、R′は少なくと
も6個の炭素原子を含むアルキル基、フェニール基、及
び式AyX(3-y)Si(CH2)z-で表わされる基からなるグル
ープから独立に選ばれ、上記のAはそれぞれ、水素原子
または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から選ば
れ、yは0から3の間の整数であり、Xは塩素または臭
素であり、zは1よりも大きいか1に等しい整数である
アルキル(ポリシリル)アザンである。これらのアルキ
ル(ポリシリル)アザン・プレセラミックポリマーは、
不活性雰囲気内で高温で熱分解してセラミック材料また
は物品を造ることができる。これらのアルキル(ポリシ
リル)アザンは、セラミック材料または物品、特にセラ
ミック繊維を調製する技術に大幅な進歩をもたらすもの
である。
(課題を解決するための手段) 本発明は一般式(R2Si)(RSi) (I) で表わされ、0〜60モル%の(R2Si)単位及び40〜100
モル%の(RSi)単位を含有し、上式のRは1〜4個の
炭素原子を含むアルキル基から独立に選ばれ、また、式
中のケイ素原子はポリシリル主鎖を形成し、かつ式‐NH
SiR″で表される基と、塩素または臭素から選ばれた
ハロゲン原子と結合し、上記のR″はそれぞれ、水素、
1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ビニル基また
はフェニル基から独立に選ばれ、ハロゲン含有量が2重
量%以下、窒素含有量が2〜16重量%、数平均分子量が
600〜2,200、重量平均分子量が980〜29,000である、ア
ルキルポリ(ポリシリル)アザンに関する。
本発明はまた、一般式が (R2Si)(RSi)(R′Si) (II) で表わされ、上式のRはそれぞれ1〜4個の炭素原子を
含むアルキル基から独立に選ばれ、R′は少なくとも6
個の炭素原子を含むアルキル基、フェニール基、及び式
AyX(3-y)Si(CH2)z-で表わされる基からなるグループ
から独立に選ばれ、上記のAはそれぞれ、水素原子また
は1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から独立に選ば
れ、yは0から3の間の整数であり、Xは塩素または臭
素であり、zは1よりも大きいか1に等しい整数であ
り、0〜40モル%の(R2Si)単位、1〜99モル%の(RS
i)単位、及び1〜99モル%の(R′Si)単位を含有
し、また、式中のケイ素原子はポリシリル主鎖を形成
し、かつ式‐NHSiR″で表される基と、塩素または臭
素から選ばれたハロゲン原子と結合し、上記のR″はそ
れぞれ、ビニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキ
ル基、またはフェニル基から独立に選ばれ、ハロゲン含
有量が2重量%以下、窒素含有量が2〜16重量%、数平
均分子量が600〜2,200、重量平均分子量が980〜29,000
である、アルキルポリ(ポリシリル)アザンに関する。
本発明は更に、(R2Si)(RSi) (I) の一般式で表わされ、0〜60モル%の(R2Si)単位及び
40〜100モル%の(RSi)単位を含有し、上式のRは1〜
4個の炭素原子を含むアルキル基から独立に選ばれ、ま
た、式中のケイ素原子はポリシリル主鎖を形成し、かつ
式‐NHSiR″で表される基と、塩素または臭素から選
ばれたハロゲン原子と結合し、上記のR″はそれぞれ、
水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ビニル
基またはフェニル基から独立に選ばれ、ハロゲン含有量
が2重量%以下、窒素含有量が2〜16重量%である、ア
ルキルポリ(ポリシリル)アザンの調製法におて、
(A).(1) (R2Si)(RSi) (III) の一般式で表わされ、0〜60モル%の(R2Si)単位及び
40〜100モル%の(RSi)単位を含有し、それぞれのRは
1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から独立に選ば
れ、ケイ素原子はポリシラン主鎖を形成し、かつ塩素原
子または臭素原子に結び付いているポリシランと、
(2)一般式が(R″3Si)2NHで表わされ、ここでR″
は50〜300℃の温度で水素、1〜4個の炭素原子を有す
るアルキル基、ビニル基またはフェニル基から独立に選
ばれるジシラザンとの無水条件下での反応であり、
(B)その後アルキルポリ(ポリシリル)アザンが回収
されることを特徴とするアルキルポリ(ポリシリル)ア
ザンの調製法に関する。
本発明は更に、一般式が (R2Si)(RSi)(R′Si) (III) で表わされ、 上式のRはそれぞれ1〜4個の炭素原子を含むアルキル
基から独立に選ばれ、R′は少なくとも6個の炭素原子
を含むアルキル基、フェニール基、及び式AyX(3-y)Si
(CH2)z-で表わされる基からなるグループから独立に
選ばれ、上記のAはそれぞれ、水素原子または1〜4個
の炭素原子を含むアルキル基から独立に選ばれ、yは0
から3の間の整数であり、Xは塩素または臭素であり、
zは1よりも大きいか1に等しい整数であり、0〜40モ
ル%の(R2Si)単位、1〜99モル%の(RSi)単位、及
び1〜99モル%の(R′Si)単位を含有し、また、式中
のケイ素原子はポリシリル主鎖を形成し、かつ式‐NHSi
R″で表される基と、塩素または臭素から選ばれたハ
ロゲン原子と結合し、上記のR″はそれぞれ、水素、1
〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ビニル基または
フェニル基から独立に選ばれ、ハロゲン含有量が2重量
%以下、窒素含有量が2〜16重量%である、アルキルポ
リ(ポリシリル)アザンの調製法において、その調製法
が、(A)(1)一般式が (R2Si)(RSi)(R′Si) (IV) で表わされ、上式のRはそれぞれ1〜4個の炭素原子を
含むアルキル基から独立に選ばれ、R′は少なくとも6
個の炭素原子を含むアルキル基、フェニール基、及び式
AyX(3-y)Si(CH2)z-で表わされる基からなるグループ
から独立に選ばれ、上記のAはそれぞれ、水素原子また
は1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から独立に選ば
れ、yは0から3の間の整数であり、Xは塩素または臭
素であり、zは1よりも大きいか1に等しい整数であ
り、0〜40モル%の(R2Si)単位、1〜99モル%の(RS
i)単位、及び1〜99モル%の(R′Si)単位を含有
し、ケイ素原子はポリシラン主鎖を形成し、かつ塩素原
子または臭素原子に結び付いているポリシランと(2)
一般式が(R″3Si)2NHで表わされ、ここでR″は50〜
300℃の温度で水素、1〜4個の炭素原子を有するアル
キル基、ビニル基またはフェニル基から独立に選ばれる
ジシラザンとの無水条件下での反応であり、(B)その
後アルキルポリ(ポリシリル)アザンが回収されること
を特徴とするアルキルポリ(ポリシリル)アザンの調製
法に関する。
本発明に有用な塩素または臭素を含むポリシランは、一
般式 (R2Si)(RSi) (III)及び (R2Si)(RSi)(R′Si) (IV) で表わされ、Rはそれぞれ1〜4個の炭素原子を含むア
ルキル基から選ばれ、(IV)式のポリシランではそれぞ
れのR′は少なくとも6個の炭素原子を含むアルキル
基、フェニール基、及び式AyX(3-y)Si(CH2)z-で表わ
される基からなるグループから独立に選ばれ、上記のA
はそれぞれ、水素原子または1〜4個の炭素原子を含む
アルキル基から独立に選ばれ、yは0から3の間の整数
であり、Xは塩素または臭素であり、zは1よりも大き
いか1に等しい整数であり、(III)式のポリシランで
は0〜60モル%の(R2Si)単位及び40〜100モル%の(R
Si)単位を含有し、また、(IV)式のポリシランでは0
〜40モル%の(R2Si)単位、1〜99モル%の(RSi)単
位、及び1〜99モル%の(R′Si)単位を含有し、(II
I)(IV)いずれのポリシランもケイ素への残りの結合
は他のケイ素原子、塩素原子または臭素原子に結び付い
ている。本発明の実用には塩素を含むポリシランの方が
望ましい。(IV)のポリシランで、0〜40モル%の(R2
Si)単位、40〜99モル%の(RSi)単位、及び1〜30モ
ル%の(R′Si)単位を含むことが望ましい。最も望ま
しいものは、(IV)のポリシランで0〜10モル%の(R2
Si)単位、80〜99モル%の(RSi)単位、及び1〜20モ
ル%の(R′Si)単位を含むことである。
塩素または臭素を含む(III)のポリシランは、バニー
の米国特許第4,534,948号に記載された方法によって調
製することができる。一般的には、これらのポリシラン
は、1つまたはそれ以上の塩素含有または臭素含有のジ
シランを0.001〜10重量%の転位触媒と共に、副生成物
の揮発性物質を蒸留しながら100〜340℃の温度で1〜48
時間の間反応させることによって調製することができ
る。
塩素または臭素を含む(IV)のポリシランは、デュアン
・レイ・バジャルスキ(Duan Ray Bajalski)、ゲーリ
ー・エドワード・ルグロー(Gary Edward LeGraw)及び
トーマス・フェイ‐オン・リム(Thomas Fay-on Lim)
の名義で1986年12月22日に提出された米国特許出願第94
5,126号に記載された方法により調製することができ
る。一般にこれらのポリシランは、約40-99重量%の1
つ以上の塩素含有または臭素含有のジシランと、1〜60
重量%の式R′SiX3で表わされる1つ以上のモノオルガ
ノシランであってR′は少なくとも6個の炭素原子を含
むアルキル基、フェニール基、及び式AyX(3-y)Si(C
H2)z-で表わされる基からなるグループから選ばれ、上
記のAはそれぞれ、水素原子または4個の炭素原子を含
むアルキル基から独立に選ばれ、yは0から3の間の整
数であり、Xは塩素または臭素であり、zは1よりも大
きいか1に等しい整数であるものの混合物を、0.001〜1
0重量%の転位触媒と共に、副生成物の揮発性物質を蒸
留しながら100〜340℃の温度で1〜48時間反応させるこ
とによって調製することができる。望ましくは、これら
のポリシランは、約70-99重量%の1つ以上の塩素含有
または臭素含有のジシランと、1〜30重量%の式R′Si
Xで表わされる1つ以上のモノオルガノシランであって
R′は少なくとも6個の炭素原子を含むアルキル基、フ
ェニール基、及び式AyX(3-y)Si(CH2)z-で表わされる
基からなるグループから選ばれ、上記のAはそれぞれ、
水素原子または4個の炭素原子を含むアルキル基から独
立に選ばれ、yは0から3の間の整数であり、Xは塩素
または臭素であり、zは1よりも大きいか1に等しい整
数であるものの混合物を、0.001〜10重量%の再配列触
媒と共に、副生成物の揮発性物質を蒸留しながら100〜3
40℃の温度で1〜48時間反応させることによって調製す
る。
塩素含有または臭素含有のIIIまたはIVのポリシランを
調製するため使われる塩素含有または臭素含有のジシラ
ンの一般式は(RbXcSi)であり、ここでRは1〜4個
の炭素原子を有するアルキル基、bの値は0〜2.5、c
の値は0.5〜3で、bとcの和は3に等しく、Xは塩素
または臭素である。上記ジシランにおけるRは、メチ
ル、エチル、プロピルまたはブチル基のいずれでもよ
い。この種のジシランの例としては、CH3Cl2SiSiCl(CH
3、CH3Cl2SiSiCl2CH3、CH3Br2SiSiBr、(CH3
CH3Br2SiSiBr2CH3などがある。上記ジシランにおいて、
Rはメチル基でありXは塩素であることが望ましい。ジ
シランは適切なシランから調製するか、オルガノクロロ
シランの直接合成からの処理残留物成分として現われた
ジシランを利用することができる。オルガノクロロシラ
ンの直接合成には加熱されたケイ素及び触媒上に有機塩
素ガスを通すという処理が関係する。イーボーン著のバ
ターワース科学出版書「有機ケイ素化合物」1960年刊、
1ページを参照されたい。ジシランCH3Cl2SiSiCl2CH3
び(CH32Cl2SiSiCl2CH3は上記反応からの残留物に大
量に見出だされるので、直接法残留物は本発明に使用さ
れるポリシラン・ポリマーをえるための良好な開始物質
である。
塩素含有または臭素含有のIVのポリシランを調製するた
め使われるモノオルガノシランは、R′SiXの式でで表
わされるものであり、この式のR′は少なくとも6個の
炭素原子を含むアルキル基、フェニール基、及び式AyX
(3-y)Si(CH2)z-で表わされる基からなるグループから
独立に選ばれ、上記のAはそれぞれ、水素原子または4
個の炭素原子を含むアルキル基から独立に選ばれ、yは
0から3の間の整数であり、Xは塩素または臭素であ
り、zは1よりも大きいか1に等しい整数であるアルキ
ル基のグループから選ばれる。式AyX(3-y)Si(CH2)z-
中のA基は同一または異なるものとすることができる。
一般に、モノオルガノシランの沸点は1気圧で約180℃
以上でなければならない。適当なモノオルガノシランの
例としては、フェニルトリクロロシラン、n-ヘキシルト
リクロロシラン、n-オクチルトリクロロシラン、n-オク
チルトリブロモシラン、フェニルトリブロモシラン、Cl
3SiCH2CH2SiCl3、CH3Cl2SiCH2CH2SiCl3、(CH3)ClSiCH
2CH2SiCl3、H(CH32SiCH2CH2SiCl3などがある。モノ
オルガノシランとしてはフェニルトリクロロシラン及び
n-オクチルトリクロロシランが望ましい。
この種のモノオルガノシランの混合物もまた使用するこ
とができる。事実、ポリシランIVの調製には一般にモノ
オルガノシランの混合物が好ましい。モノオルガノシラ
ンの混合物の中で特に好ましいものはn-オクチルトリク
ロロシラン及びフェニルトリブロモシランである。単独
でも混合物としても、この種のモノオルガノシランを使
えばポリシランIVとアルキルポリ(ポリシリル)アザン
の軟化温度及びガラス転移温度の双方、及びポリシラン
IVの(R′Si)含有量を変えてこの種のアルキルポリ
(ポリシリル)アザンからえられえるセラミック材料の
ケイ素と炭素の相対的な含有量の制御を行うことができ
る。一般に、ポリシランIVの(R′Si)含有量、つまり
アルキルポリ(ポリシリル)アザンIIの(R′Si)含有
量を増せば、ガラス転移温度が低下することになるよう
である。(n-オクチル‐Si)単位を取り入れるとガラス
転移温度を大幅に下げることができ、その低下幅はアル
キルポリ(ポリシリル)アザンの(n-オクチル‐Si)単
位の量に依存する。(フェニル‐Si)単位を取り入れて
もまたガラス転移温度は下がるがその観測された効果は
一般に(n-オクチル‐Si)単位を取り入れた場合よりも
少ない。(n-オクチル‐Si)単位を含むアルキルポリ
(ポリシリル)アザンの熱分解に際し、n-オクチル基は
オレフィンとしてそのセラミック物質から失われ、この
ためそのセラミック物質は(n-オクチルSi)単位のない
同種のポリマーから調製されたセラミック物質に比べて
炭素の少ないセラミック物質が残る。少なくとも6個の
炭素原子を含む他のアルキル基も同様に振舞うと予想さ
れる。フェニル基は一般に熱分解によって失われない。
従って、(フェニル‐Si)単位を含んでいるアルキルポ
リ(ポリシリル)アザンの熱分解では最終セラミック物
質により多くの炭素を取り込むことができ、このため
(フェニル‐Si)単位を含んでいない同種のポリマーか
ら調製したセラミック物質に比べて炭素に富むセラミッ
ク物質を生じる。このように(R′Si)単位(R′はn-
オクチルまたはフェニル)を取り込むことによって、最
終的なセラミック物質のケイ素と炭素の相対的な含有量
を幅広く制御することができる。本発明を実施に移せ
ば、SiCを含むセラミック物質の調製にあたりケイ素と
炭素のどちらを多めにするか並びにそれぞれの化学量論
的な割合をどう決めるかが可能となる。(CH3Si)また
は((CH32Si)単位の形でのメチル基は一般に熱分解
により失われない。従って、ケイ素と炭素の相対的な含
有量は一部はアルキルポリ(ポリシリル)アザン内の他
の単位の存在に左右されるが(n-オクチルSi)及び(フ
ェニル‐Si)単位を取り入れることによってセラミック
スのケイ素と炭素の相対的な含有量を「微調整」するこ
とができる。
複数のジシランまたはジシランとモノオルガノシランの
混合物は転位触媒の存在下で反応させる。適当な転位触
媒としては、ハロゲン化アンモニウム、第3有機アミ
ン、第4アンモニウムハロゲン化物、第4スルホニウム
ハロゲン化物、ヘキサメチルスルホアミド、及びシアン
化銀がある。好ましい触媒には、式W4NX′を有する第4
アンモニウムハロゲン化物、式W4PX′を有する第4スル
ホニウムハロゲン化物、及びヘキサメチルスルホアミド
が含まれる。上式のWはアルキル基またはアリル基であ
り、X′はハロゲンである。好ましくは、Wは1〜6個
の炭素原子を含有するアルキル基またはフェニル基であ
り、X′は塩素または臭素である。特に好ましい触媒は
臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムである。
使用する触媒の量は、重量比率0.001〜10%、望ましく
は0.1〜2.0%にわたる始動ジシラン、または始動ジシラ
ン/モノオルガノシラン混合物とすることができる。触
媒及び始動物質には無水条件が必要であり、反応物を混
合する際は反応系から水分を確実に除去するよう注意し
なければならない。このため、一般に反応混合物を覆う
乾燥窒素またはアルゴン気流を用いる。
ジシラン、または約40〜99重量%のジシラン(単数また
は複数)と1〜60重量%のモノオルガノシラン(単数ま
たは複数)との混合物が、100〜340℃の温度で、0.001
〜10重量%の転位触媒の存在下で副生成物の揮発性物質
を蒸留しながら反応させられ、遂には塩素含有または臭
素含有のそれぞれポリシランIIIまたはIVが生成され
る。好ましくは、反応混合物は77〜99重量%の単数また
は複数のジシラン及び1〜30重量%の単数または複数の
モノオルガノシランを含有する。最も望ましい反応混合
物は80〜98重量%の単数または複数のジシラン及び2〜
20重量%の単数または複数のモノオルガノシランを含有
する。反応剤の混合の順序はそれほど重要ではない。反
応温度は150〜300℃であることが望ましい。ポリシラン
IVの調製において最終の反応温度がモノオルガノシラン
の沸点より高いときは、反応温度を徐々に上げて、モノ
オルガノシランが反応混合物から單に蒸留するのではな
くポリマー内へ取り込まれる傾向が強くなるようにす
る。モノオルガノシランの取り込み量はまた、反応の後
期段階のみにおいて揮発性副生成物を除くことにより増
すことができる。代表的な反応時間は1〜48時間である
が他の時間を採用することもできる。
本発明の実施により、塩素または臭素含有のポリシラン
III及びIVの反応性の高い塩素または臭素原子はもっと
反応性の低い基‐NHSiR″により置換することができ、
ここでR″は水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキ
ル基、ビニル基、またはフェニル基であり、これによっ
て本発明のプレセラミックポリマーであるアルキルポリ
(ポリシリル)アザンが形成される。
本発明のアルキルポリ(ポリシリル)アザンはポリシラ
ンIIIまたはIVなどの塩素または臭素含有のポリシラン
を、一般式が(R″3Si)2NHで表わされ、ここでR″は
水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ビニル
基またはフェニル基であるジシラザンと50〜300℃の温
度で処理して調製される。代表的な反応時間は1〜48時
間であるが他の時間を採用することもできる。ポリシラ
ンは、一般式が(R″3Si)2NHで表わされるジシラザン
と反応させられる。この式のR″は水素、1〜4個の炭
素原子を有するアルキル基、ビニル基またはフェニル基
である。従ってこの式の目的上、R″は水素、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ビニル及びフェニル基で代
表される。この式のそれぞれのR″は同じものでも違っ
たものでもよい。ジシランの例としては、((CH33CH
3Si)2NH、(C6H5(CH32CH3Si)2NH、((C6H52CH3
Si)2NH、(CH2=CH(CH32Si)2NH、(CH2=CH(C
H3)(C6H5)Si)2NH、(CH2=CH)(C6H52Si)2NH、
(CH2=CH(C2H5)2Si)2NH、(H(CH32Si)2NH及び
(CH2=CH(C6H5)(C2H5)Si)2NHがある。好ましいジ
シラザンはヘキサメチルジシラザンである。
塩素または臭素含有ポリシランとジシラザンとは、転位
触媒の存在下または存在なしのいずれかで反応させるこ
とができる。転位触媒の存在下での反応が一般に好まれ
る。適切な転位触媒は始動塩素または臭素含有ポリシラ
ンの調製に使った転位触媒と同じものであり、ハロゲン
化アンモニウム、第3有機アミン、第4アンモニウムハ
ロゲン化物、第4スルホニウムハロゲン化物、ヘキサメ
チル燐アミド、及びシアン化銀が上げられる。好ましい
触媒には、式W4NX′を有する第4アンモニウムハロゲン
化物、式W4PX′を有する第4スルホニウムハロゲン化
物、及びヘキサメチルホスホアミドが含まれる。上式の
Wはアルキル基またはアリール基であり、X′はハロゲ
ンである。好ましくは、Wは1〜6個の炭素原子を含有
するアルキル基またはフェニル基であり、X′は塩素ま
たは臭素である。特に好ましい触媒は臭化テトラ‐n-ブ
チルホスホニウムである。
使用する触媒の量は、一般的に重量比率0.001〜10%、
望ましくは0.1〜2.0%にわたる始動ジシラン、または始
動ジシラン/モノオルガノシラン混合物とすることがで
きる。触媒及び始動物質には無水条件が必要であり、反
応物を混合する際は反応系から水分を確実に除去するよ
う注意しなければならない。このため、一般に反応混合
物を覆う乾燥窒素またはアルゴン気流を用いる。
始動剤たる塩素または臭素含有ポリシランの溶剤は、そ
の材質を溶かすことができ所望の方法以外では材質と反
応しないどんな有機性溶剤でもよい。溶剤は有用ではあ
るが必須ではない。適当な溶剤には、例えばトルエン、
キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、エーテル、
そしてジシラザン自体が含まれる。特に好まれるのはト
ルエン及びジシラザンそのものである。ジシラザンを溶
剤として使うときは、反応剤ジシラザンを多めに加える
だけで反応剤としても溶剤としても作用する。ジシラ
ン、特にヘキサメチルジシランの使用は溶剤として最も
望ましい。ジシランの添加及び反応自体は、材料が撹拌
されたり他の方法でかき混ぜられる間に行われる。反応
は、反応容器内に水や酸素が入らないように不活性の本
質無水環境下で行われる。「不活性」とは、反応がアル
ゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスに包まれて行わ
れることを意味する。「本質無水」とは、反応が全くの
無水雰囲気で行われることを意味するが少量の水分は許
容される。反応は50〜300℃の温度で行われるが、150〜
250℃の方が望ましい。代表的に使われる反応時間は1
〜48時間である。
上述のように、ポリシランと、例えばヘキサメチルジシ
ランとの反応は、そのヘキサメチルジシランが反応剤と
しても溶剤としてもはたらくように多めのヘキサメチル
ジシランの存在下で行うことが望ましい。この方法でヘ
キサメチルジシランを使えば、トルエンなどの他の有機
溶剤を用いた同じ反応に比べてポリシランの塩素または
臭素がより多く‐NHSi(CH3基で置換されることに
なる。例えば、メチルポリシランとヘキサメチルジシラ
ンを反応剤及び溶剤として使った結果、約0.8重量%し
か塩素を含まないメチルポリ(ポリシリル)アザンを生
じた。同じ反応条件でトルエンを溶剤として使った場合
は、約2.5〜8.0重量%の塩素を含んだメチルキルポリ
(ポリシリル)アザンを生じた。溶剤、トルエンのよう
な有機溶剤やジシラザン溶剤を使わないで調製したアル
キルポリ(ポリシリル)アザンの塩素含有量は、アンモ
ニア処理を行うことによって更に少なくすることができ
る。トルエンなどの溶剤内のアルキルポリ(ポリシリ
ル)アザンは、所望であれば無水液体アンモニアで処理
して塩素または臭素を減少させてもよい。こうしてえら
れた溶液はろ過し、減圧下において溶剤をストリッピン
グしてハロゲン含有量の少ないアルキルポリ(ポリシリ
ル)アザンがえられる。塩素または臭素含有量を減らす
ため他のアンモニア処理法を使ってもよい。アンモニア
は、例えばポリカルボシラン、ポリシラン、ポリシラザ
ンなどを含む他のハロゲン含有プレセラミックポリマー
の塩素または臭素含有量を減らすため同じように使うこ
とができると思われる。アルキルポリ(ポリシリル)ア
ザンには残留塩素または臭素を含むことができ、それで
もなお本発明において有用である。しかし、これらのア
ルキルポリ(ポリシリル)アザンの塩素または臭素含有
量は始動物質である非誘導アルキルポリシランの塩素ま
たは臭素含有量よりも少ない。誘導体化されたアルキル
ポリ(ポリシリル)アザンは5重量%以下の塩素または
臭素を含有し、好ましくは2重量%以下の塩素または臭
素を含有し、より好ましくは1重量%以下の塩素または
臭素を含有し、最も好ましくは0.5重量%以下の塩素ま
たは臭素を含有する。これらのアルキルポリ(ポリシリ
ル)アザン中の塩素または臭素含有量を少なくすること
により、かなりの量の塩素または臭素を含む非誘導アル
キルポリシランと比べてアルキルポリ(ポリシリル)ア
ザンの取扱いがより容易でより安全になる。
こうしてえられたアルキルポリ(ポリシリル)アザンは
25℃において固体であり、その一般式は(R2Si)(RS
i) (I) で表され40〜60モル%の(R2 Si)単位及び40〜100モル
%の(RSi)単位を含有し、上式のRは1〜4個の炭素
原子を含むアルキル基から独立に選ばれ、また、式中の
ケイ素原子には他のケイ素原子及び式‐NHSiR″で表
わされる基もまた結合され、上記のR″はそれぞれ、水
素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ビニル基
またはフェニル基から独立に選ばれるものであるかまた
は,一般式が (R2Si)(RSi)(R′Si) (II) で表わされ、上式のRはそれぞれ1〜4個の炭素原子を
含むアルキル基から独立に選ばれ、R′はそれぞれ少な
くとも6個の炭素原子を含むアルキル基、フェニール
基、及びAyX(3-y)Si(CH2)z-で表わされる基からなる
グループから独立に選ばれ、上記のAはそれぞれ、水素
原子または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から独
立に選ばれ、yは0から3の間の整数であり、Xは塩素
または臭素であり、zは1よりも大きいか1に等しい整
数であり、0〜40モル%の(R2Si)単位、1〜99モル%
の(RSi)単位、及び1〜99モル%の(R′Si)単位を
含有し、また、式中のケイ素原子には他のケイ素原子及
び式‐NHSiR″で表わされる基もまた結合され、上記
のR″はそれぞれ、水素,1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基、ビニル基、またはフェニル基から独立に選ば
れるものである。好ましくは、式(II)のアルキルポリ
(ポリシリル)アザンは0〜40モル%の(R2Si)単位、
40〜99モル%の(RSi)単位、及び1〜30モル%の
(R′Si)単位を含有する。最も好ましくは、式(II)
のアルキルポリ(ポリシリル)アザンは0〜10モル%の
(R2Si)単位、80〜99モル%の(RSi)単位、及び1〜2
0モル%の(R′Si)単位を含有する。特に好ましいア
ルキルポリ(ポリシリル)アザンは、一般式が((C
H32Si)(CH3Si)(R′Si)のメチルポリ(ポリシリ
ル)アザンであって、式中のR′は少なくとも6個の炭
素原子を含むアルキル基、フェニール基、及び式AyX(3-
y)Si(CH2)z-で表わされる基からなるグループから選
ばれ、上記のAはそれぞれ、水素原子または1〜4個の
炭素原子を含むアルキル基から独立に選ばれ、yは0か
ら3の間の整数であり、Xは塩素または臭素であり、z
は1よりも大きいか1に等しい整数であり、0〜40モル
%の((CH32Si)単位、40〜99モル%の(CH3Si)単
位、及び1〜30モル%の(R′Si)単位を含有し、ま
た、式中のケイ素原子には他のケイ素原子及び式‐NHSi
R″で表わされる基もまた結合され、上記のR″はそ
れぞれ、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル
基、ビニル基、またはフェニル基から独立に選ばれるも
のである。好ましくは、メチルポリ(ポリシリル)アザ
ンは0〜40モル%の(CH32Si)単位、40〜99モル%の
((CH3Si)単位、及び1〜30モル%の(R′Si)単位
を含有する。最も好ましくは、メチルポリ(ポリシリ
ル)アザンは0〜10モル%の(CH32Si)単位、80〜99
モル%の(CH3Si)単位、及び1〜20モル%の(R′S
i)単位を含有する。
本発明のアルキルポリ(ポリシリル)アザンは少なくと
も750℃の高温で不活性雰囲気、真空またはアンモニア
含有雰囲気において十分な時間熱分解させセラミック物
質に転化させる。好ましくは、熱分解温度は約1000℃か
ら約1600℃とする。そのプレセラミックポリマーが十分
粘性が高いかあるいは融点が十分低ければ、成型後に熱
分解させて繊維のようなセラミック成型物品をえること
ができる。好ましくは、本発明のプレセラミックポリマ
ーの軟化点は約50〜300℃であり、最も好ましくは70〜2
00℃である。このくらいの軟化温度であれば、公知の紡
織技術によるプレセラミック繊維の成型が可能である。
前述のように、ジシランと式R′SiX3のモノオルガノシ
ランとから調製されたアルキルポリ(ポリシリル)アザ
ンの軟化温度またはガラス転移温度は、そのアルキルポ
リ(ポリシリル)アザンの(R′Si)単位の含有量を変
えることにより容易に制御することができる。
この技術に熟達した人々がより良く本発明を評価し且つ
理解することができるように、以下に実施例を挙げる。
特に指定しない限り、百分率はすべて重量百分率で示さ
れている。以下に示す例は本発明を例示しようとするも
のであって、本発明を限定しようとするものではない。
(実施例) これらの例において使用した分析法は次の通りである。
ガラス転移温度Tgは、デュポン・インスツルメント(Du
pont Instruments)社製のサーモメカニカル・アナライ
ザ1090型によって測定した。ガラス転移温度は軟化点に
関係がある。
炭素、水素、及び窒素は、イタリア国のカルロ・エルバ
・ストルメンタツィオーネ(Carlo Erba Strumentazion
e)社製のC,H,N元素分析器1106型により測定した。試料
は1030℃で燃焼させてから650℃の酸化クロム床及び650
℃の銅床の上を通過させた。次に、発生したN2、CO2
びH2Oを分離し熱伝導度検知器を用いて検出した。
ケイ素の含有率は、ケイ素物質を可溶性の形のケイ素に
変えてから原子吸収分光法により可溶性物質を全ケイ素
について定量的に分析する融解法により求めた。塩素の
含有率は、試料を過酸化ナトリウムとともに融解し硝酸
銀を使って電位差滴定を行って測定した。酸素はミシガ
ン州、セントジョセフ所在のレコ社(Leco Corp.)製の
酸素測定器316(Oxygen Determinater 316)(型番7837
00)及び電気炉EF 100(型番77600)を備えたレコ酸素
分析器を用いて測定した。酸素の分析には、赤外線によ
るCO分析によるCOへの高温カーボサーミック(carbothe
rmic)還元を用いた。
熱重量分析(TGA)は西ドイツ国ゼルプ所在のネッシュ
インスツルメンツ(Netzsch Instruments)社製のネッ
シュSTA429(2400℃)TGA測定器によって行った。
セラミックポリマーはアストロインダストリーズ(Astr
o Industries)炉100A(水冷黒鉛加熱型1000.3060-FP-1
2)またはリンドバーグ(Lindberg)炉(強力SBタイプS
4877A型)のいずれかを用いて高温で焼成した。
一般式が((CH32Si)(CH3Si)の塩素含有メチルポ
リシランは米国特許4,310,651号に記載されている一般
的な手順により調製した。一般式が((CH32Si)(CH
3Si)(R′Si)の塩素含有メチルポリシランは、米国
特許出願第945,126号に記載されている一般的な手順に
より調製した。特記した場合を除き、ポリマーの調製及
びジシラザンの誘導を含むすべての手順は窒素またはア
ルゴンの不活性雰囲気下で行われた。
(実施例 1) 塩素含有ポリシランは、米国特許4,310,651号に記載さ
れている手順を用い、調製した。不活性雰囲気下で1.1g
の臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムの存在下で114.5g
(0.50モル)のCH3Cl2SiSiCl2(CH3を反応させて調
製された。このジシランは約1.7%のCH3Cl2SiSiCl(C
H3を含んでいた。反応温度は室温から86℃までは5.
0℃/min、86℃から125℃までは2.0℃/minの割合で上昇
させ、6分間125℃に保持し、その間に揮発性副生成物
を蒸留により除去した。この塩素含有ポリシラン約58%
の塩素を含有していた。塩素含有ポリシランを室温で冷
却後、このポリシランを調製するのに用いたのと同じ装
置で、このポリシランに156.6g(0.97モル)のヘキサメ
チルジシラザンを加えた。温度は1.0℃/minの割合で160
℃まで上昇させた。その結果生じたポリマーは10.5%の
塩素を含有していた。次にこのポリマーをトルエンに溶
解させ、これを2.4のオートクレーブに移し、それか
らアンモニアを用いて約90 psi(6.3kg/cm2)に昇圧し
た。この混合物は一晩室温に維持した。オートクレーブ
をアルゴンでパージ後、ポリマーを過し、約220℃及
び20トルで約5分間ストリッピングを行って溶剤を除去
した。アンモニアで処理された最後のメチルポリ(ポリ
シリル)アザンは、その塩素含有量は0.1%未満であ
り、その元素組成はケイ素48.8%、炭素26.7%、水素8.
22%、窒素15.8%、そして酸素1.54%であった。このメ
チルポリ(ポリシリル)アザンはトルエンに可溶であ
り、またこのガラス転移温度は188.7℃であった。数平
均分子量及び重量平均分子量はそれぞれ1512g/モル及び
5043g/モルであった。このメチルポリ(ポリシリル)ア
ザンは、約4.1℃/minの割合で1200℃まで加熱して行う
熱分解により67.0%の収率でセラミック物質に転化され
た。このセラミック物質は、ケイ素57.2%、炭素18.2
%、水素0.2%、窒素22.0%、酸素0.6%そして塩素0.2
%を含有していた。
(実施例 2) 実施例1と同じ物質及び手順を用いていくつかの塩素含
有ポリシランを調製したが、この場合の違いは塩素含有
量が少ないことであった。臭化テトラ‐n-ブチルホスホ
ニウムを使ってジシランの反応条件を変えることによ
り、塩素含有量の少ない初期塩素含有ポリシランがえら
れた。試料Aについては、ジシランと触媒を5.0℃/min
の割合で室温から80℃まで、2.0℃/minの割合で80℃か
ら125℃まで加熱し、125℃に21分保持してから1.5℃/mi
nの割合で125℃から180℃まで加熱し、試料Bについて
はジシランと触媒を5.0℃/minの割合で室温から80℃ま
で、2.0℃/minの割合で80℃から125℃まで加熱し、125
℃に10分保持してから2.0℃/minの割合で、125℃から13
0℃まで加熱して130℃に29分保持し1.5℃/minの割合で1
30℃から250℃まで加熱した。塩素含有ポリシランA及
びBにはそれぞれ40.3及び21.2%の塩素が含まれてい
た。それぞれのポリシランはヘキサメチルジシランで誘
導体化されてから、ヘキサメチルジシランによる誘導体
化が試料Aはトルエンに、試料Bはキシレンに溶解させ
た以外は実施例1と同じにアンモニアで処理された。試
料Bはジシラザンによる誘導体化後に11.4%の塩素を含
んでいた。試料Aのメチルポリ(ポリシリル)アザンは
トルエンに可溶であったが、試料Bのそれはトルエンに
不溶性の処理しにくい固形物であった。熱分解を行って
いない、アンモニアで処理した最後のメチルポリ(ポリ
シリル)アザンについては次表に掲げる結果がえられ
た。
試料A 試料B Tg,℃ 234.9 ‐‐ Si,% 50.2 51.2 C,% 29.1 27.4 H,% 8.16 7.45 N,% 10.3 5.3 O,% 2.82 2.94 Cl,% 0.14 0.43 分子量(g/モル) 数平均 2170 1324 重量平均 28616 10270 次に、これらのポリマーを実施例1のようにアルゴン雰
囲気下で1200℃で焼成した。次表に掲げる結果がえられ
た。水素は検出されなかった。
試料A 試料B セラミック収率% 62.5 79.4 Si,% 63.7 64.0 C,% 23.0 22.4 N,% 12.0 5.99 O,% 1.34 4.56 Cl,% 0.10 0.18 試料Bののメチルポリ(ポリシリル)アザンは処理しに
くい固形物であったので、熱分解よりも前に試料Aがで
きたように付形物品に成型することはできなかった。し
かし、試料Bは例えばセラミック粉末を調製するのに利
用できるだろう。
(実施例 3) 実施例1におけると同じ一般的手順を使って、(CH3(C
H27Si)単位を有するいくつかの塩素含有ポリシラン
を調製した。約42.0%の(CH32ClSiSiCl2CH3、約55.8
%の(CH3Cl3Si)及び2.1%の低沸点のクロロシラン
を含有するジシラン混合物を使用した。試料Aにおいて
は、434.7g(2.0モル)のジシラン混合物と24.8g(0.1
モル)のn-オクチルトリクロロシランとを4.6gの臭化テ
トラ‐n-ブチルホスホニウムの存在下で反応させた。試
料Bにおいては、439.6g(2.0モル)のジシラン混合物
と49.9g(0.2モル)のn-オクチルトリクロロシランとを
4.9gの臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムの存在下で反
応させた。試料Cにおいては、438.6g(2.0モル)のジ
シラン混合物と24.8g(0.1モル)のn-オクチルトリクロ
ロシランとを4.7gの臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウム
の存在下で反応させた。試料A及びBの反応物は、1.5
℃/minの割合で室温から250℃まで加熱し、250℃に30分
保持した。試料Cの反応物は、1.5℃/minの割合で室温
から216℃まで加熱した。結果としてえられた塩素含有
ポリシランA及びBの塩素含有量は約20%であると推定
された。ポリシランCの塩素含有量は32.5%であった。
3つの試料はすべて実施例の一般的手順により触媒の助
けを借りないでトルエン内でヘキサメチルジシランを用
いて誘導体化された。これらの処理にアンモニアは使用
しなかった。その結果、次表に掲げるようなメチルポリ
(ポリシリル)アザンがえられた。
次に、ポリマーを実施例1のように1200℃でアルゴン雰
囲気下で焼成した。次表に掲げる結果がえられた。水素
は検出されなかった。
(実施例4) 実施例3におけると同じ一般的手順を使用し、臭化テト
ラ‐n-ブチルホスホニウム(5.1g)の存在下でジシラン
(487.4g,2.2モル)をn-オクチルトリクロロシラン(2
4.9g,0.1モル)とともに、不活性雰囲気下で室温から10
6℃まで2.0℃/minの割合で加熱して106℃に9分間保持
し、次に106℃から220℃まで1.5℃/minの割合で加熱す
ることにより、副生成物の揮発性シランを除去しながら
反応させて(CH3(CH27Si)単位を有する塩素含有ポ
リシランを調製した。上記のジシラン源は、約9.0%の
((CH32ClSi)、32.9%の(CH32ClSiSiCl2CH3
57.3%の(CH3Cl2Si)、及び0.8%の低沸点のクロロ
シランを含有している直接法(Direct Process)残留物
であった。結果としてえられた塩素含有ポリシランは、
30.8%の塩素を含有していた。この塩素含有ポリシラン
を0.1gの臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムと共に247.
3g(1.54モル)のヘキサメチルジシラザンを使用し、20
0℃まで加熱して誘導体化した。200℃及び20トルで約10
分間ストリッピングを行って、溶剤及び未反応のジシラ
ンを除去した。ポリマーの収量は96.5gであった。この
結果えられたメチルポリ(ポリシリル)アザンは、トル
エンに溶解し、そのガラス転移温度は128.2℃、また数
平均と重量平均の分子量はそれぞれ1325g/モル及び4904
g/モルであった。このメチルポリ(ポリシリル)アザン
は、49.1%のケイ素、31.6%の炭素、6.40%の窒素、8.
08%の水素、0.97%の酸素及び2.5%の塩素を含有して
いた。このポリマーは、不活性雰囲気において1200℃で
熱分解させて56.4%の収率でセラミックに変えられた。
このセラミック物質は、65.2%のケイ素、23.6%の炭
素、7.87%の窒素、検出不能の水素、1.50%の酸素及び
1.27%の塩素を含有していた。
(実施例5) 実施例3におけると同じ一般的手段を使用し、臭化テト
ラ‐n-ブチルホスホニウム(4.7g)の存在下でジシラン
(435.9g,2.0モル)をn-オクチルトリクロロシラン(2
4.8g,0.1モル)とともに、不活性雰囲気下で室温から25
0℃まで1.5℃/minの割合で加熱することにより、副生成
物の揮発性シランを除去しながら反応させて(CH3(C
H27Si)単位を有する塩素含有ポリシランを調製し
た。このジシランの源は、約10.0%の((CH32ClSi)
、39.1%の(CH32ClSiSiCl2CH3、48.8%の(CH3Cl2
Si)、及び2.1%の低沸点のクロロシランを含有して
いる直接法残留物であった。結果としてえられた塩素含
有ポリシランは、推定20%の塩素を含有していた。この
塩素含有ポリシランを1.0gの臭化テトラ‐n-ブチルホス
ホニウムと共に247.2g(1.54モル)のヘキサメチルジシ
ラザンを使用して誘導体化した。ヘキサメチルジシラザ
ンは溶剤としても反応物としてもはたらいた。誘導体化
は、混合物を室温から1.0℃/minの割合で200℃まで加熱
することにより行われた。ポリマーの収量は37.2gであ
った。結果としてえられたメチルポリ(ポリシリル)ア
ザンをA及びBの2つの試料に分けた。試料Aはそれ以
上の処理を行わなかった。試料Bは実施例1におけるよ
うにアンモニアを用いて処理を行った。両者の場合と
も、溶剤は250℃及び20トルで5分間ストリッピングし
て除去した。未焼成のメチルポリ(ポリシリル)アザン
については次表に掲げる結果がえられた。両ポリマーと
もにトルエンに溶解した。
試料A 試料B Tg,℃ 106.7 78.0 Si,% 47.9 48.2 C,% 34.5 34.6 H,% 8.16 8.16 N,% 5.48 6.27 O,% 1.01 1.35 Cl,% 2.49 0.07 分子量(g/モル) 数平均 955 998 重量平均 2802 2710 次に実施例1に置けるポリマーをアルゴン雰囲気下にし
て1200℃で焼成した。次表に掲げる結果がえられた。水
素は検出されなかった。
試料A 試料B セラミック収率% 51.5 40.5 Si,% 66.8 61.2 C,% 25.2 24.6 N,% 6.30 7.07 O,% 1.12 0.79 Cl,% 1.77 0.13 (実施例6) 実施例1におけると同じ一般的手順を使用し、(C6H5S
i)単位を有するいくつかの塩素含有メチルポリシラン
を調製した。試料Aは436.0g(2.0モル)のジシランと6
3.4g(0.3モル)フェニルトリクロロシランとの混合物
を5.0gの臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムの存在下で
1.5℃/minの割合で250℃まで加熱して反応させた。試料
Bは、438.9g(2.0モル)のジシラン、127.0g(0.6モ
ル)のフェニルトリクロロシラン、及び5.7gの臭化テト
ラ‐n-ブチルホスホニウムの混合物を1.5℃/minの割合2
50℃まで加熱して反応させて調製した。上記のジシラン
は実施例5におけるのと同じものであった。結果として
得られた塩素含有ポリシランは、推定20%の塩素を含有
していた。この両塩素含有ポリシランを約1.0%の臭化
テトラ‐n-ブチルホスホニウムと共に約270g(1.7モ
ル)のヘキサメチルジシラザンを使用して誘導体化し
た。ヘキサメチルジシラザンは溶剤としても反応物とし
てもはたらいた。250℃及び20トルで10分間ストリッピ
ングを行って、溶剤を除去した。この結果えられたメチ
ルポリ(ポリシリル)アザンを実施例1におけるように
アンモニアで処理した。この未焼成のメチルポリ(ポリ
シリル)アザンについて次表に掲げる結果がえられた。
両ポリマーともトルエンに可溶であった。
試料A 試料B Tg,℃ >250 135.3 Si,% 44.9 35.6 C,% 42.2 51.3 H,% 6.92 6.58 N,% 5.12 4.60 O,% 1.64 1.36 C1,% 0.42 0.23 ポリマー収量,g 77.8 91.5 分子量(g/モル) 数平均 1345 608 重量平均 3199 989 次に実施例1に置けるポリマーをアルゴン雰囲気下にし
て1200℃で焼成した。次表に掲げる結果がえられた。水
素は検出されなかった。
試料A 試料B セラミック収率% 69.4 59.6 Si,% 56.7 48.5 C,% 36.4 44.0 N,% 6.04 5.52 O,% 0.42 ‐‐ Cl,% 0.46 <0.1 (実施例7) 実施例1におけると同じ一般的手順を使用し、(CH3(C
H27Si)及び(C6H5Si)の両単位を有するいくつかの
塩素含有メチルポリシランを調製した。ジシランは実施
例5に使用したのと同じものであった。試料Aの塩素含
有ポリシランは438.4g(2.0モル)のジシラン、21.2g
(0.1モル)のフェニルトリクロロシラン、24.8g(0.1
モル)のn-オクチルトリクロロシラン、及び4.8g(1.0
%)の臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムから調製され
た。試料Bの塩素含有ポリシランは438.6g(2.0モル)
のジシラン、21.2g(0.1モル)のフェニルトリクロロシ
ラン、74.3g(0.3モル)のn-オクチルトリクロロシラ
ン、及び5.3g(1.0%)の臭化テトラ‐n-ブチルホスホ
ニウムから調製された。試料Cの塩素含有ポリシランは
437.7g(2.0モル)のジシラン、10.75g(0.05モル)の
フェニルトリクロロシラン、12.4g(0.05モル)のn-オ
クチルトリクロロシラン、及び4.6g(1.0%)の臭化テ
トラ‐n-ブチルホスホニウムから調製された。反応は実
施例1におけるように混合物を1.5℃/minの割合で室温
から250℃で加熱して行わせた。これらのポリシランは
推定約20%の塩素を含有していた。それぞれえの塩素含
有ポリシランを、ヘキサメチルジシラザン(試料A、
B、及びCについてそれぞれ140.1g、182.6g,120.4gを
使用)及び約1.0%の臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウ
ムを使用してトルエン溶剤中で誘導体化した。各メチル
ポリ(ポリシリル)アザンは実施例1におけるようにア
ンモニアを用いて処理を行った。試料Aのメチルポリ
(ポリシリル)アザンはトルエンに溶解したが、試料B
及びCのメチルポリ(ポリシリル)アザンは溶解しなか
った。次表に掲げる結果がえられた。
次に試料A及びBのポリマーを実施例1におけるように
アルゴン雰囲気下で1200℃で焼成し、それぞれ59.4%及
び61.3%の収率でセラミック物質をえた。
(実施例8) 実施例1におけると同じ一般的手順を使用し、(CH3(C
H27Si)及び(C6H5Si)の両単位を有するいくつかの
塩素含有メチルポリシランを調製した。ジシランは実施
例5に使用したのと同じものであった。試料A及びBの
塩素含有ポリシランは436.1g(2.0モル)のジシラン、2
1.2g(0.1モル)のフェニルトリクロロシラン、24.7g
(0.1モル)のn-オクチルトリクロロシラン、及び4.9g
の臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムを反応させて調製
された。試料Cの塩素含有ポリシランは436.4g(2.0モ
ル)のジシラン、63.5g(0.3モル)のフェニルトリクロ
ロシラン、24.7g(0.1モル)のn-オクチルトリクロロシ
ラン、及び5.3gの臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムを
反応させて調製された。試料Dの塩素含有ポリシランは
436.5g(2.0モル)のジシラン、127.1g(0.6モル)のフ
ェニルトリクロロシラン、24.7g(0.1モル)のn-オクチ
ルトリクロロシラン、及び5.9gの臭化テトラ‐n-ブチル
ホスホニウムを反応させて調製された。すべての試料
は、揮発性副生成物を除去しながら、混合物を1.5℃/mi
nの割合で250℃まで加熱した。これらの塩素含有ポリシ
ランは推定約20%の塩素を含有していた。次に全試料
を、約1.0%の臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムの存
在下で約179g(1.1モル)のヘキサメチルジシラザンを
用い、1.0℃/minの割合で200℃まで加熱して行う誘導体
化によってメチルポリ(ポリシリル)アザンに転化させ
た。試料B、C、Dのメチルポリ(ポリシリル)アザン
は、実施例1におけるようにアンモニアを用いて処理し
た。すべてのメチルポリ(ポリシリル)アザンはトルエ
ンに溶解した。次表に掲げる結果がえられた。
次に実施例1におけるようにこれらのメチルポリ(ポリ
シリル)アザンをアルゴン雰囲気下で約3.0℃/minの割
合で1200℃まで加熱して焼成した。次表に掲げる結果が
えられた。水素は検出されなかった。
(実施例9) 実施例3におけると同じ一般的手順を使用し、臭化テト
ラ‐n-ブチルホスホニウム(5.1g)の存在下でジシラン
(481.8g,2.2モル)とn-オクチルトリクロロシラン(2
4.7g,0.1モル)とを、不活性雰囲気下で室温から250℃
まで1.5℃/minの割合で加熱することにより、副生成物
の揮発性シランを除去しながら反応させて(CH3(CH2
7Si)単位を有する塩素含有ポリシランを調製した。使
用したジシランは実施例4と同じものであった。えられ
たポリシランは推定約20%の塩素を含有していた。この
塩素含有ポリシランをトルエン(約110g)中で145.2g
(0.78モル)のsym-ジビニルテトラメチルジシラザンと
1.0g(1.0%)の臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムを
使用して200℃まで1.0℃/minの割合で加熱することによ
り誘導体化した。このビニル基含有アルキルポリ(ポリ
シリル)アザンをトルエンに溶解させ、実施例1におけ
るようにアンモニアで処理した。220℃及び140トルで1
分間ストリッピングを行い溶剤を除去した。ポリマーの
収量は96.4gであった。結果としてえられたポリマーは
トルエンに可溶であり、そのガラス転移温度は125.5℃
であった。結果としてえられたこのポリマーの元素組成
はケイ素44.5%、炭素32.8%、水素7.5%、窒素4.0%、
酸素0.6%そして塩素0.2%であった。このアルキルポリ
(ポリシリル)アザンは、アルゴン雰囲気下で約3.0℃/
minの割合で1200℃まで加熱して焼成することにより82.
0%の収率でセラミック物質に転化された。このセラミ
ック物質は、ケイ素59.8%、炭素28.2%、検出不能量の
水素、窒素6.6%、酸素0.95%そして塩素0.22%を含有
していた。
(実施例10) 実施例1におけると同じ一般的手順を使用し、臭化テト
ラ‐n-ブチルホスホニウム(5.1g,1.0%)の存在下でジ
シラン(436.8g,2.0モル)を14.7g(0.05モル)のCl3Si
CH2CH2SiCl3及びn-オクチルトリクロロシラン(24.7g,
0.1モル)とを、不活性雰囲気下で室温から250℃まで1.
5℃/minの割合で加熱することにより、副生成物の揮発
性シランを除去しながら反応させて、(Cl3SiCH2CH2S
i)単位と(CH3(CH27Si)単位を有する塩素含有ポリ
シランを調製した。使用したジシランは実施例5と同じ
ものであった。えられたポリシランは推定約20%の塩素
を含有していた。この塩素含有ポリシランを242.8g(1.
5モル)のヘキサメチルジシラザンを用いて1.0g(1.0
%)の臭化テトラ‐n-ブチルホスホニウムで誘導体化し
た。ストリッピングを行い溶剤を除去した。結果として
えられた(ポリシリル)アザンはトルエンに可溶であ
り、そのガラス転移温度は166.2℃であった。このポリ
マーの元素組成はケイ素43.3%、炭素35.8%、水素9.3
%、窒素5.1%、酸素2.9%そして塩素3.5%であった。
数平均分子量及び重量平均分子量はそれぞれ、2512g/モ
ル及び9808g/モルであった。このアルキルポリ(ポリシ
リル)アザンは、約3.0℃/minの割合で1200℃まで加熱
して焼成することにより69.3%の収率でセラミック物質
に転化された。
(実施例11) 実施例3におけると同じ一般的手順を使用し、臭化テト
ラ‐n-ブチルホスホニウム(4.4g)の存在下でジシラン
(436.9g,2.0モル)とn-オクチルトリクロロシラン(1
0.0g,0.04モル)とを、不活性雰囲気下で室温から100℃
まで8.0℃/minの割合で100℃から230℃まで2.0℃/minの
割合で加熱することにより、副生成物の揮発性シランを
除去しながら反応させて(CH3(CH27Si)単位を有す
る塩素含有ポリシランを調製した。使用したジシランは
実施例5と同じものであった。えられた塩素含有ポリシ
ランは推定約20%の塩素を含有していた。この塩素含有
ポリシランを200g(1.5モル)のsym-二水素テトラメチ
ルジシラザンを用いて誘導体化した。未反応のジシラザ
ンはストリッピング蒸留により除去した。この結果えら
れたメチルポリ(ポリシリル)アザンはトルエンに可溶
であり、そのガラス転移温度は51.1℃であった。結果と
してえられたこのポリマーの元素組成はケイ素50.6%、
炭素28.6%、水素7.7%、窒素4.6%、酸素0.86%そして
0.1%未満の塩素であった。このメチルポリ(ポリシリ
ル)アザンは、アルゴン雰囲気下で約3.0℃/minの割合
で1200℃まで加熱して焼成することにより41.43%の収
率でセラミック物質に転化された。このセラミック物質
は、ケイ素68.1%、炭素24.8%、検出不能量の水素、窒
素3.8%、酸素0.82%そして塩素0.77%を含有してい
た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式が (R2Si)(RSi) (I) で表され、 0〜60モル%の(R2Si)単位及び40〜100モル%の(RS
    i)単位を含有し、 上式のRは1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から独
    立に選ばれ、 また、式中のケイ素原子はポリシリル主鎖を形成し、か
    つ式‐NHSiR″で表される基と、塩素または臭素から
    選ばれたハロゲン原子と結合し、 上記のR″はそれぞれ、水素、1〜4個の炭素原子を有
    するアルキル基、ビニル基またはフェニル基から独立に
    選ばれ、ハロゲン含有量が2重量%以下、窒素含有量が
    2〜16重量%、数平均分子量が600〜2,200、重量平均分
    子量が980〜29,000であるアルキルポリ(ポリシリル)
    アザン。
  2. 【請求項2】一般式が (R2Si)(RSi)(R′Si) (II) で表され、 上式のRはそれぞれ1〜4個の炭素原子を含むアルキル
    基から独立に選ばれ、 R′は少なくとも6個の炭素原子を含むアルキル基、フ
    ェニール基、及び式AyX(3-y)Si(CH2)z-で表される基
    からなるグループから独立に選ばれ、 上記のAはそれぞれ、水素原子または1〜4個の炭素原
    子を含むアルキル基から独立に選ばれ、yは0から3の
    間の整数であり、Xは塩素または臭素であり、zは1よ
    りも大きいか1に等しい整数であり、 0〜40モル%の(R2Si)単位、1〜99モル%の(RSi)
    単位、及び1〜99モル%の(R′Si)単位を含有し、 また、式中のケイ素原子はポリシリル主鎖を形成し、か
    つ式‐NHSiR″3で表される基と、塩素または臭素から
    選ばれるハロゲン原子と結合し、 上記のR″はそれぞれ、ビニル基、1〜4個の炭素原子
    を有するアルキル基、またはフェニル基から独立に選ば
    れ、ハロゲン含有量が2重量%、窒素含有量が2〜16重
    量%、数平均分子量が600〜2,200、重量平均分子量が98
    0〜29,000であるアルキルポリ(ポリシリル)アザン。
  3. 【請求項3】0〜40モル%の((CH32Si)単位、40〜
    99モル%の(CH3Si)単位、及び1〜20モル%の(R′S
    i)単位を含む請求項2記載のアルキルポリ(ポリシリ
    ル)アザン。
  4. 【請求項4】0〜10モル%の((CH32Si)単位、80〜
    99モル%の(CH3Si)単位、及び1〜20モル%の(R′S
    i)単位を含む請求項3記載のアルキルポリ(ポリシリ
    ル)アザン。
  5. 【請求項5】(R2Si)(RSi) (I) の一般式で表され、0〜60モル%の(R2Si)単位及び40
    〜100モル%の(RSi)単位を含有し、 上式のRは1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から独
    立に選ばれ、 また、式中のケイ素原子はポリシリル主鎖を形成し、か
    つ式‐NHSiR″で表される基と、塩素または臭素から
    選ばれるハロゲン原子と結合し、 上記のR″はそれぞれ、水素、1〜4個の炭素原子を有
    するアルキル基、ビニル基またはフェニル基から独立に
    選ばれ、ハロゲン含有量が2重量%以下、窒素含有量が
    2〜16重量%であるアルキルポリ(ポリシリル)アザン
    の調製法において、 (A) i)(R2Si)(RSi) (III) の一般式で表され、0〜60モル%の(R2Si)単位及び40
    〜100モル%の(RSi)単位を含有し、それぞれのRは1
    〜4個の炭素原子を含むアルキル基から独立に選ばれ、
    ケイ素原子はポリシラン主鎖を形成し、かつ塩素原子ま
    たは臭素原子に結び付いているポリシランと、 ii)一般式が(R″3Si)2NHで表され、ここでR″は50
    〜300℃の温度で水素、1〜4個の炭素原子を有するア
    ルキル基、ビニル基またはフェニル基から独立に選ばれ
    るジシラザンとの無水条件下での反応であり、 (B)その後アルキルポリ(ポリシリル)アザンが回収
    されることを特徴とするアルキルポリ(ポリシリル)ア
    ザンの調製法。
  6. 【請求項6】一般式が (R2Si)(RSi)(R′Si) (III) で表され、 上式のRはそれぞれ1〜4個の炭素原子を含むアルキル
    基から独立に選ばれ、 R′は少なくとも6個の炭素原子を含むアルキル基、フ
    ェニール基、及び式AyX(3-y)Si(CH2)z-で表される基
    からなるグループから独立に選ばれ、 上記のAはそれぞれ、水素原子または1〜4個の炭素原
    子を含むアルキル基から独立に選ばれ、yは0から3の
    間の整数であり、Xは塩素または臭素であり、zは1よ
    りも大きいか1に等しい整数であり、 0〜40モル%の(R2Si)単位、1〜99モル%の(RSi)
    単位、及び1〜99モル%の(R′Si)単位を含有し、 また、式中のケイ素原子はポリシリル主鎖を形成し、か
    つ式‐NHSiR″で表される基と、塩素または臭素から
    選ばれるハロゲン原子と結合し、 上記のR″はそれぞれ、ビニル基、1〜4個の炭素原子
    を有するアルキル基、またはフェニル基から独立に選ば
    れ、ハロゲン含有量が2重量%以下、窒素含有量が2〜
    16重量%であるアルキルポリ(ポリシリル)アザンの調
    製法において、その調製法が (A) i)一般式が (R2Si)(RSi)(R′Si) (IV) で表され、 上式のRはそれぞれ1〜4個の炭素原子を含むアルキル
    基から独立に選ばれ、 R′は少なくとも6個の炭素原子を含むアルキル基、フ
    ェニール基、及び式AyX(3-y)Si(CH2)z-で表される基
    からなるグループから独立に選ばれ、 上記のAはそれぞれ、水素原子または1〜4個の炭素原
    子を含むアルキル基から独立に選ばれ、yは0から3の
    間の整数であり、Xは塩素または臭素であり、zは1よ
    りも大きいか1に等しい整数であり、 0〜40モル%の(R2Si)単位、1〜99モル%の(RSi)
    単位、及び1〜99モル%の(R′Si)単位を含有し、 ケイ素原子はポリシラン主鎖を形成し、かつ塩素原子ま
    たは臭素原子に結び付いているポリシランと ii)一般式が(R″3Si)2NHで表され、ここでR″は50
    〜300℃の温度で水素、1〜4個の炭素原子を有するア
    ルキル基、ビニル基またはフェニル基から独立に選ばれ
    るジシラザンとの無水条件下での反応であり、 (B)その後アルキルポリ(ポリシリル)アザンが回収
    されることを特徴とするアルキルポリ(ポリシリル)ア
    ザンの調製法。
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