JPH0671186A - 触媒被覆層の形成方法 - Google Patents

触媒被覆層の形成方法

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JPH0671186A
JPH0671186A JP22816092A JP22816092A JPH0671186A JP H0671186 A JPH0671186 A JP H0671186A JP 22816092 A JP22816092 A JP 22816092A JP 22816092 A JP22816092 A JP 22816092A JP H0671186 A JPH0671186 A JP H0671186A
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slurry
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浩直 沼本
Tetsuo Terajima
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 連通孔を有する構造体に触媒被覆層を作業
性、生産性よく均一に形成するための製造方法を提供す
る。 【構成】 連通孔を有する構造体をスラリー中に浸漬、
乾燥、焼成して触媒被覆層を形成した後、前記構造体に
さらに触媒被覆層を形成させる際、酸性水溶液に浸漬
し、構造体に形成した触媒被覆層を中性あるいは弱酸性
にした後、スラリー中に浸漬、乾燥、焼成して触媒被覆
層を形成させる触媒被覆層の形成方法。連通孔を有する
構造体をスラリー中に浸漬する際、超音波振動を発生さ
せながら行い、取り出す際には超音波振動を止めて触媒
被覆層を形成させる触媒被覆層の形成方法。連通孔を有
する構造体を酸性スラリー中に浸漬後、連通孔中のに余
分なスラリーを除去した後、塩基性ガスに接触させてス
ラリー粘度を上昇させ乾燥、焼成して触媒被覆層を形成
させる触媒被覆層の形成方法より構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、灯油等の液体燃料や都
市ガス等の気体燃料を空気と混合させた後に触媒燃焼さ
せるために使用する触媒燃焼用触媒、あるいは家電住設
機器、自動車等から発生する排ガスを無害化するために
使用する浄化用触媒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に用いられている触媒はハ
ニカム状セラミックス、あるいは金属ハニカムにウォッ
シュコートと呼ばれる活性アルミナ等から成る被覆層を
形成させている。その結果、比表面積を通常10〜50
2/gに増大させることができ、前記担体被覆層に白
金族金属等の触媒金属を被覆層形成後に担持あるいは形
成前の粉末に吸着担持して調製することができる。ここ
で被覆層活性アルミナには耐熱性を向上させるためにア
ルカリ土類金属を添加したり、助触媒として希土類金属
酸化物(酸化セリウム、酸化ランタン等)を添加する場
合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の触媒
被覆層の形成方法では、以下の点が問題となっていた。
ハニカム状セラミックスあるいは金属ハニカムをウォッ
シュコートスラリーに浸漬、乾燥、焼成して、触媒被覆
層形成すると、その被覆層は強い固体塩基性を示す。す
なわち活性アルミナの耐熱性を向上させるために添加さ
れたアルカリ土類金属や助触媒(希土類金属酸化物)の
影響である。これを無視して触媒被覆層の形成を継続す
ると、ウォッシュコートスラリーは通常約pH3〜4
(粘度が最も低い領域)にコントロールされなければな
らないのに、次第に中性側にシフトし、スラリー粘度は
急激に上昇し、ハニカム状セラミックスあるいは金属ハ
ニカムに触媒被覆層を形成する作業が困難になってい
た。
【0004】また、ハニカム状セラミックスに一定量の
触媒被覆層を形成するためには、スラリー中の粉末濃度
を上げ、一度に形成できる触媒被覆層の量をできるだけ
多くしたしたほうが良い。しかし、スラリー粘度が大き
くなると、ハニカム状セラミックスをスラリー中に浸漬
した際、スラリー液がハニカム状の格子内を下から上に
上昇してくる途中で目詰まりを起こしてしまうこともあ
った。
【0005】また、ハニカム状セラミックスあるいは金
属ハニカムにおいて長さが長い場合にはスラリー中に浸
漬後、引き上げ、余分なスラリーを除去した後、乾燥中
徐々に液だれを起こし、上端と下端では触媒被覆層の量
にムラが発生していた。
【0006】本発明は上記課題を解決するものであり、
連通孔を有する構造体に触媒被覆層を作業性、生産性よ
く均一に形成することができる製造方法を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、連通孔を有する構造体をスラリー中に浸
漬、乾燥、焼成して触媒被覆層を形成し、前記構造体に
さらに触媒被覆層を形成させる際、構造体に形成した触
媒被覆層を酸性水溶液に浸漬し、中性あるいは弱酸性に
した後、スラリー中に浸漬、乾燥、焼成して触媒被覆層
を形成させる。
【0008】また、前記構造体をスラリー中に浸漬する
際、超音波振動を発生させながら行い、取り出す際には
超音波振動を止めて触媒被覆層を形成させる。
【0009】また、前記構造体を酸性スラリー中に浸漬
後、取り出して連通孔中の余分なスラリーを除去した
後、塩基性ガスに接触させた後、乾燥、焼成して触媒被
覆層を形成させるという構成である。
【0010】
【作用】本発明は上記した構成により、ハニカム状セラ
ミックスに触媒被覆層を形成した後、酸性水溶液に浸漬
し、触媒被覆層を中性あるいは弱酸性にし、その後スラ
リーに浸漬、乾燥、焼成して触媒被覆層を形成するの
で、焼成後の触媒被覆層が強い固体塩基性であってもス
ラリーのpHに焼成後の触媒被覆層が影響を与えること
はなくなる。
【0011】また、ハニカム状セラミックスをスラリー
中に浸漬する際、超音波振動させながら行うことによっ
てハニカム状セラミックスあるいは先に形成された触媒
被覆層の細孔へのスラリー浸入が容易となり、スラリー
液がハニカム状の格子内を下から上に上昇してくる途中
で目詰まりを起こす危険がなくなる。
【0012】また、スラリーから取り出す時には超音波
振動を停止することによってハニカム状セラミックスに
より多くのスラリー液を付けることができるものであ
る。
【0013】そのうえ、ハニカム状セラミックスあるい
は金属ハニカムをスラリー中に浸漬後、引き上げ、余分
なスラリーを除去した後、弱い塩基性のガスに接触させ
るので、スラリーpHを酸性から中性付近までシフトさ
せることができ、スラリー粘度は上昇し、スラリーの流
動性は急激に悪くなる。その結果、乾燥中に液だれを起
こすことを防止できるものである。
【0014】
【実施例】以下、具体的な実施例を数字を挙げながら説
明する。
【0015】(実施例1)ハニカム状セラミックス(1
06φmm×91mm、400セル/inch2、リフ゛厚0.15mm)1
0個を、BaO・Al23・CeO2粉末(比表面積1
20m2/g)1500g、硝酸アルミニウム9水塩6
0g、水2500gおよびジニトロジアンミン白金水溶
液とジニトロジアンミンパラジウム水溶液をそれぞれP
t、Pd換算で5g、10g加えてなるウォッシュコー
トスラリーに順次浸漬した後、引き上げて余分なスラリ
ーをエアーガンで除き、乾燥、500℃、1時間焼成し
た。その結果それぞれのハニカム状セラミックスには触
媒被覆層が約35g形成された。その後触媒被覆層が形
成されたハニカム状セラミックスをpH3にコントロー
ルされた硝酸塩水溶液に浸漬して触媒被覆層を中性ある
いは弱酸性にした後、触媒被覆層が形成されたハニカム
状セラミックスを上記ウォッシュコートスラリーに順次
浸漬した後、引き上げて余分なスラリーをエアーガンで
除き、乾燥、500℃、1時間焼成した。その結果それ
ぞれのハニカム状セラミックスには触媒被覆層が計約5
5g形成された。さらに触媒被覆層が形成されたハニカ
ム状セラミックスをpH3にコントロールされた硝酸塩
水溶液に浸漬して触媒被覆層を中性あるいは弱酸性にし
た後、触媒被覆層が形成されたハニカム状セラミックス
を上記ウォッシュコートスラリーに順次浸漬した後、引
き上げて余分なスラリーをエアーガンで除き、乾燥、5
00℃、1時間焼成した。その結果それぞれのハニカム
状セラミックスには触媒被覆層が計約80g形成され
た。
【0016】ウォッシュコートスラリーのpHは10個
のハニカム状セラミックスに触媒被覆層を形成した後も
ほとんど最初の値と同じであった。
【0017】実施例1では、触媒被覆層を中和するのに
硝酸塩水溶液を使用したが、その他酢酸塩水溶液、蓚酸
塩水溶液でもよい。またその酸性水溶液のpHは3にコ
ントロールしたものを使用したが、ウォッシュコートス
ラリーのpHに近いものであることが好ましい。
【0018】なお、比較例として実施例1と同様にハニ
カム状セラミックス(106φmm×91mm、400セル/
inch2、リフ゛厚0.15mm)10個に触媒被覆層を計約80g
形成する作業を行った。
【0019】しかし、触媒被覆層形成を2回行った後、
スラリーのpHは約6まで変化し、粘度はかなり上昇し
ていた。したがってそのままで3回目の触媒被覆を行う
ことは無理であった。
【0020】(実施例2)BaO・Al23・CeO2
粉末(比表面積120m2/g)1500g、硝酸アル
ミニウム9水塩60g、水2400gおよびジニトロジ
アンミン白金水溶液とジニトロジアンミンパラジウム水
溶液をそれぞれPt、Pd換算で5g、10g加えてな
るウォッシュコートスラリーに、圧電セラミックスを投
入して超音波振動を発生させながら、ハニカム状セラミ
ックス(106φmm×113mm、400セル/inch2、リフ゛
厚0.15mm)を浸漬した後、引き上げて余分なスラリーを
エアーガンで除き、乾燥、500℃、1時間焼成した。
その結果スラリー液はハニカム状の格子内を下から上に
スムーズに上昇してき、ハニカム状セラミックスには触
媒被覆層が約43g形成された。
【0021】なお、比較例として実施例2と同様にハニ
カム状セラミックスに触媒被覆層を形成する作業を超音
波振動を使用しないで行った。その結果スラリー液がハ
ニカム状の格子内を下から上に上昇してき、一番上まで
達する(貫通する)少し手前でハニカム状セラミックス
にスラリー中の水分が吸収されてしまい、流動性が急激
に低下し目詰まりを起こしてしまった。
【0022】(実施例3)ハニカム状セラミックス(1
06φmm×91mm、400セル/inch2、リフ゛厚0.15mm)
を、BaO・Al23・CeO2粉末(比表面積120
2/g)1500g、硝酸アルミニウム9水塩60
g、水2500gおよびジニトロジアンミン白金水溶液
とジニトロジアンミンパラジウム水溶液をそれぞれP
t、Pd換算で5g、10g加えてなるウォッシュコー
トスラリーに浸漬した後、引き上げて余分なスラリーを
エアーガンで除いた後、アンモニア30ppmガス(窒
素バランス)を空間速度100000h-1で10秒間接
触させて、スラリー液のpHをほぼ中性付近シフトさせ
た。その後ハニカム格子(連通孔)を垂直方向にして自
然乾燥し、500℃、1時間焼成した。
【0023】なお、比較例として実施例3と同様にハニ
カム状セラミックスをウォッシュコートスラリーに浸漬
した後、引き上げて余分なスラリーをエアーガンで除い
た後、そのままハニカム格子(連通孔)を垂直方向にし
て自然乾燥し、500℃、1時間焼成した。
【0024】実施例3と比較例の試験は液だれし易いよ
うにハニカム格子(連通孔)を垂直方向にして行った
が、この結果比較例は乾燥時液だれを起こし下端部に一
部ハニカム格子が閉塞されている所があった。また、ハ
ニカム状セラミックスに形成された触媒被覆層の厚みを
比較すると、比較例は上端と下端でほぼ2倍の膜厚の差
があった。しかし、実施例3は上端と下端で約20%し
か膜厚の差がなかった。またこれは余分なスラリーをエ
アーガンで除いた時に発生した膜厚の差であろうと考え
られる。
【0025】実施例3では塩基性のガスとしてアンモニ
アを使用したが、触媒毒にならない弱塩基性のガスであ
れば他のものでも同様の効果を得られることは言うまで
もない。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によればハニカム状セラミックスに触媒被覆層を形成し
た後、酸性水溶液に浸漬し、触媒被覆層を中性あるいは
弱酸性にし、その後スラリーに浸漬、乾燥、焼成して触
媒被覆層を形成するので、焼成後の触媒被覆層が強い固
体塩基性であってもスラリーのpHに焼成後の触媒被覆
層が影響を与えることはなくなる。
【0027】また、ハニカム状セラミックスをスラリー
中に浸漬する際、超音波振動させながら行うことによっ
てハニカム状セラミックスあるいは先に形成された触媒
被覆層の細孔へのスラリー浸入が容易となり、スラリー
液がハニカム状の格子内を下から上に上昇してくる途中
で目詰まりを起こす危険がなくなる。
【0028】また、スラリーから取り出す時には超音波
振動を停止することによってハニカム状セラミックスに
より多くのスラリー液を付けることができるものであ
る。
【0029】そのうえ、ハニカム状セラミックスあるい
は金属ハニカムをスラリー中に浸漬後、引き上げ、余分
なスラリーを除去した後、弱い塩基性のガスに接触させ
るので、スラリーpHを酸性から中性付近までシフトさ
せることができ、スラリー粘度は上昇し、スラリーの流
動性は急激に悪くなる。その結果、乾燥中に液だれを起
こすことを防止できる。
【0030】よって、触媒被覆層を作業性、生産性よく
均一に形成するための製造方法を提供することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連通孔を有する構造体を、スラリー中に浸
    漬、乾燥、焼成して触媒被覆層を形成する工程の後、前
    記構造体にさらに触媒被覆層を形成させる工程の前に、
    酸性水溶液に浸漬する工程を設け、前記構造体に形成し
    た触媒被覆層を中性あるいは弱酸性にすることを特徴と
    する触媒被覆層の形成方法。
  2. 【請求項2】連通孔を有する構造体を、スラリー中に浸
    漬する工程では、超音波振動を用い、取り出す工程では
    超音波振動を止めることを特徴とする触媒被覆層の形成
    方法。
  3. 【請求項3】連通孔を有する構造体を、酸性スラリー中
    に浸漬する工程と、前記酸性スラリー中から取り出して
    連通孔中の余分なスラリーを除去する工程の後、塩基性
    ガスに接触させる工程を設けることを特徴とする触媒被
    覆層の形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069160A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 触媒の製造方法
JP2010247079A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Denso Corp 排ガス浄化触媒の製造方法

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JP2007069160A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 触媒の製造方法
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JP2010247079A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Denso Corp 排ガス浄化触媒の製造方法

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