JPH0670780A - 放線菌のシトクロムP−450sca遺伝子 - Google Patents

放線菌のシトクロムP−450sca遺伝子

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JPH0670780A
JPH0670780A JP22996992A JP22996992A JPH0670780A JP H0670780 A JPH0670780 A JP H0670780A JP 22996992 A JP22996992 A JP 22996992A JP 22996992 A JP22996992 A JP 22996992A JP H0670780 A JPH0670780 A JP H0670780A
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leu
ala
amino acid
polypeptide
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JP22996992A
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Nobuki Serizawa
伸記 芹澤
Ichiro Watanabe
一郎 渡辺
Tatsuji Matsuoka
達司 松岡
Futoshi Nara
太 奈良
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】放線菌ストレプトマイセス・カルボフィラスか
ら、ML-236Bの6位水酸化を触媒するシトクロムP-450
sca-2をコードするDNAを単離した。該DNAは配列
表の配列番号2で示される配列のアミノ酸番号2〜41
0のアミノ酸配列を有するシトクロムP-450sca-2をコー
ドするものであった。 【効果】このDNAを好適なベクター・プラスミドに組
み込み、宿主細胞を形質転換することにより、シトクロ
ムP-450sca-2を工業的に生産することが可能になり、高
脂血症治療薬プラバスタチン・ナトリウムの製造プロセ
ス等へ利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シトクロムP-450sca-2
をコードする遺伝子に関する。本発明により得られた遺
伝子を微生物細胞等で発現させることにより、該酵素を
工業的に生産し、高脂血症治療薬プラバスタチン・ナト
リウムの製造プロセスへ利用することができる。
【0002】さらに、該酵素の工業的生産はプラバスタ
チン・ナトリウムの製造ばかりではなく、プラバスタチ
ン・ナトリウム関連化合物の製造プロセスにも応用可能
である。また、該酵素の工業的生産は、マクロライド化
合物ミルベマイシン類の関連化合物の製造プロセスに利
用することができる。
【0003】
【従来の技術】シトクロムP450(以下P450と略する)は
微生物から哺乳動物にいたるまで広く生物界に存在する
ヘム酵素であり、広範囲の脂溶性化合物に対して、1原
子酸素を添加する反応を触媒する。P450の示す基質特異
性は広範囲であり、これは主として、P450の分子多様性
に起因すると考えられている。すなわち、生物界には多
数のP450分子種が存在し、それぞれのP450分子種は異な
る基質特異性を示す。
【0004】しかしながら、P450に電子を供給する経路
は共通であり、哺乳動物及び下等真核生物のミクロソー
ムでは、主として、分子内にフラビンアデニンジヌクレ
オチドとフラビンモノヌクレオチドを含むNAD(P)H −シ
トクロムP450還元酵素が、NAD(P)H から供給される電子
をそれぞれのP450分子種へ伝達する役割を果たす。ま
た、ミトコンドリアでは、フラビンアデニンジヌクレオ
チドを含むNAD(P)H −フェレドキシン還元酵素、およ
び、非ヘム鉄を含むフェレドキシンの2種類の酵素が、
NAD(P)H からP450への電子伝達に関与する。一方、原核
生物ではミトコンドリア型の電子伝達系が、P450に電子
を供給する。
【0005】例外的に放線菌のストレプトマイセス・カ
ルボフィラスでは、ミクロソーム型の電子伝達系が、P4
50に電子を供給する(バイオケミカ エト バイオフィ
ジカ、第1084巻、35-40頁、1990年;Biochimica et Biop
hysica, 1084, 35-40, (1990) )。
【0006】高脂血症治療薬プラバスタチン・ナトリウ
ムは血清中のコレステロールを低下させるという極めて
すぐれた薬効を有することが知られている(三共研究所
年報、40巻 、 1〜38頁、1988 ; Annu.Rep.Sankyo.Res.L
ab.,40,pp 1 〜38(1998)) 。そして、プラバスタチン・
ナトリウムは糸状菌ペニシリウム・シトリナム(Penici
llium citrinum)の生産するML-236Bを基質として用
い、微生物、特に放線菌ストレプトマイセス・カルボフ
ィラスSANK62585 号等を用いて微生物水酸化を行なうこ
とにより、生産することができる。また、その水酸化を
行なう本体がシトクロムP-450sca系であることがすでに
明らかにされている(バイオケミカ エトバイオフィジ
カ、第1084巻、35-40 頁、1990年;Biochimica et Bioph
ysica,1084,35-40,(1990) )。
【0007】本発明者らは、放線菌ストレプトマイセス
・カルボフィラスから、ML-236Bの6位水酸化を触媒す
るP-450sca分子種を精製し、その性質を明らかにした
(ヨーロピアン・ジャーナル・バイオケミストリー,第
184 巻,707-713 頁,1989;Eur.J.Biochem.,184,707-7
13,(1989) )。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、種々の動物種の
様々な臓器から、P-450 の遺伝子がクローニングされて
おり、これらのP-450 を工業的に生産することも可能と
なっている。P-450sca-2はP-450 分子種の一つであり、
ストレトミセス・カルボフィラスから「ヨーロピアン・
ジャーナル・オブ・バイオケミストリー」第184 巻、第
707-713 頁、1989[Eur.J.Biochem.,184,pp707-713,(198
9)] の方法により電気泳動的に単一までに精製された。
P-450sca-2は、ML-236Bからプラバスタチン・ナトリウ
ムへの反応を触媒する酵素の一つであり、現在、この反
応は放線菌ストレプトマイセス・カルボフィラスを用い
て工業化されている。従って、本酵素を含む遺伝子をク
ローニングして遺伝子増幅を行ない、例えば、放線菌ス
トレプトマイセス・リビダンス及びストレプトマイセス
・カルボフィラス等の他の微生物宿主細胞中で大量発現
させることが可能になれば、これを用いてのプラバスタ
チン・ナトリウムの生産効率の向上が期待できる。
【0009】本発明者らは、放線菌ストレプトマイセス
・カルボフィラスからP-450sca-2をコードする遺伝子の
クローニングに成功し、本発明を完成した。本発明によ
り、P-450sca-2の生産及び蛋白工学的な開発研究が可能
になった。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第1の目
的は、分子中に配列表の配列番号2に示されるアミノ酸
配列のアミノ酸番号2〜410のアミノ酸配列を含むP-
450 活性をもつポリペプチド(以下、このポリペプチド
を「P-450sca-2ポリペプチド」という。)をコードする
DNA、さらに好ましくは、配列表の配列番号1に示さ
れるヌクレオチド配列のヌクレオチド番号4〜1230
のヌクレオチド配列を含むDNAを提供することであ
る。
【0011】本発明はまた、P-450sca-2ポリペプチドの
N末端に水素原子又はMet 残基を有するポリペプチドを
コードするDNA、さらに好ましくは、配列表の配列番
号1に示されるヌクレオチド配列のヌクレオチド番号4
〜1230のヌクレオチド配列を含むDNAの5’末端
に ATG を有するDNAを提供することを目的とする。
【0012】本発明の第2の目的は、上記DNAを含む
ことから成る組換えベクターを提供することにある。該
ベクターは、宿主細胞内で自己増殖可能であること、即
ち、自己増殖するに必要な塩基配列を含むことを要し、
好ましくは、以下において、pSCA108 と命名されるもの
である。
【0013】さらに、本発明の第3の目的は、上記DN
Aを含み微生物細胞内で自己増殖可能な組換えベクター
により形質転換された宿主細胞微生物を提供することに
ある。特に好ましくは以下において、Streptomyces liv
idans TK21/pSCA205と命名されるものである。
【0014】本発明の第4の目的は、上記DNAを含み
微生物細胞内で自己増殖可能な組換えベクターにより形
質転換された宿主細胞微生物を、該DNAの発現可能な
条件下で培養して、P-450sca-2ポリペプチドを産生さ
せ、次いで、該ポリペプチドを回収することを特徴とす
る、該ポリペプチドの製造方法を提供することにある。
【0015】一般に、遺伝子組換え技術により、特定の
酵素あるいは、蛋白質を発現させるためには、次の工程
が必要である。
【0016】本発明のDNA は、例えば、P-450sca-2ポリ
ペプチドを発現する微生物からP-450sca-2ポリペプチド
をコードするmRNAを調製した後、既知の方法により2本
鎖cDNAに変換することによって得られる。前記mRNAの供
給源となる微生物は、本発明においては、放線菌ストレ
プトマイセス・カルボフィラスが好適であり、さらに、
SANK 62585株(微工研条寄第1145号:BP−114
5)が好適である。
【0017】mRNAの抽出にあたっては、グアニジン・チ
オシアネート・ホット・フェノール法、グアニジン・チ
オシアネート−グアニジン・塩酸法なども採用し得る
が、グアニジン・チオシアネート・塩化セシウム法が好
適である。
【0018】上記の如くして得られたmRNAがP-450sca-2
ポリペプチドをコードするものであることを確認するた
めには、mRNAを蛋白に翻訳させ生理活性を調べるか、該
蛋白質に特異的な抗体を用いてその蛋白を同定する等の
方法で行なえばよい。例えば、アフリカツメガエル(Xen
opus laevis)の卵母細胞にmRNAを注入して翻訳させたり
(Gurdon,J.B.et al.(1972)Nature 233,177- 182) 、あ
るいはウサギ網状赤血球系や小麦胚芽系を利用した翻訳
反応が行なわれている(Schleif, R.F.and Wensink,P.C.
(1981): “Practical Methods in Molecular Biolog
y”, Springer-Verlag,NY.)。
【0019】前述の如き方法で得たmRNAを鋳型として逆
転写酵素を用いて1本鎖cDNAを合成した後、この1本鎖
cDNAから2本鎖cDNAを合成するが、その方法としてはS1
ヌクレアーゼ法(Efstratiadis,A.et al.(1976)Cell 7,2
79-288) 、Land法(Land,H.etal.(1981)Nucleic Acids R
es.9,2251-2266),O.Joon Yoo 法(Yoo,O.J.et al.(1983)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79,1049-1053) なども採用し
得るが、本発明の目的にはOkayama-Berg法(Okayama,H.a
ndBerg,P.(1982)Mol.Cell.Biol.2,161-170) が好適であ
る。
【0020】次に、得られた組換えプラスミドを大腸菌
等の微生物に導入して形質転換させて、テトラサイクリ
ン耐性あるいはアンピシリン耐性を指標として組換体を
選択することができる。宿主細胞の形質転換は、Hanaha
n の方法(Hanahan,D.(1983)J.Mol.Biol.166,557-580)、
すなわち CaCl2 やMgCl2 またはRbClを共存させて調製
したコンピテント細胞に該組換えDNA 体を加える方法に
より実施することができる。なお、ベクターとしてはプ
ラスミド以外にもラムダ系などのファージベクターも用
いることができる。
【0021】上記により得られる形質転換株から、目的
のP-450sca-2ポリペプチドのDNA を有する株を選択する
方法としては、例えば以下に示す各種方法を採用でき
る。
【0022】(1) 合成オリゴヌクレオチドプローブを用
いるスクリーニング法 目的蛋白のアミノ酸配列の全部または一部が解明されて
いる(該配列は、複数個連続した特異的配列であれば、
目的蛋白のどの領域のものでもよい)場合、該アミノ酸
に対応するオリゴヌクレオチドを合成し(この場合コド
ン使用頻度を用いて導いたヌクレオチド配列または考え
られるヌクレオチド配列を組合せた複数個のヌクレオチ
ド配列のどちらでもよく、また後者の場合、イノシンを
含ませてその種類を減らすこともできる)、これをプロ
ーブ(32P又は35S で標識する)として、形質転換株のDN
A を変性固定したニトロセルロースフィルターとハイブ
リダイズさせ、得られたポジティブ株を検索して、これ
を選択する。
【0023】(2) ポリメラーゼ連鎖反応により作製した
プローブを用いるスクリーニング法 目的蛋白のアミノ酸配列の全部または一部が解明されて
いる場合、該アミノ酸の一部に対応するセンスストラン
ドとアンチセンスストランドのオリゴヌクレオチドを合
成し、これらを組合せてポリメラーゼ連鎖反応(Saiki,
R.K.et al.(1988) Science 239,487-491)を行ない、目
的のP-450sca-2ポリペプチドをコードするDNA 断片を増
幅する。ここで用いる鋳型DNA としては、P-450sca-2
リペプチドを産生する細胞のmRNAより逆転写反応にて合
成したcDNA、またはゲノムDNA を用いることができる。
このようにして調製したDNA 断片を32P または35S で標
識し、これをプローブとして用いてコロニーハイブリダ
イゼーションまたはプラークハイブリダイゼーションを
行なうことにより目的のクローンを選択する。
【0024】(3) P-450sca-2ポリペプチドに対する抗体
を用いて選択する方法 あらかじめ、cDNAを発現ベクターに組込み、形質転換株
内で蛋白を産生させ、P-450sca-2ポリペプチドに対する
抗体および該抗体に対する2次抗体を用いて、所望のP-
450sca-2ポリペプチド産生株を検出し、目的の株を選択
する。
【0025】(4) セレクティブ・ハイブリダイゼーショ
ン・トランスレーションの系を用いる方法 形質転換株から得られるcDNAを、ニトロセルロースフィ
ルター等にブロットし、P-450sca-2ポリペプチド産生細
胞からのmRNAをハイブリダイズさせた後、cDNAに結合し
たmRNAを解離させ、回収する。回収されたmRNAを蛋白翻
訳系、例えばアフリカツメガエルの卵母細胞への注入
や、ウサギ網状赤血球ライゼートや小麦胚芽等の無細胞
系で蛋白に翻訳させ、その蛋白のP-450 活性を調べる
か、またはP-450sca-2ポリペプチドに対する抗体を用い
て検出して、目的の株を選択する。
【0026】以上記載した mRNA を材料として cDNA を
作成する方法の他に、一般にある酵素をコードするDNA
断片の調製は、その酵素に対応したヌクレオチド配列を
含むDNA を供与体細胞から取り出し、制限酵素等で処理
することにより、行うことができる。
【0027】すなわち、本発明の放線菌ストレプトマイ
セス・カルボフィラスのP-450sca-2ポリペプチドをコー
ドするDNA を、ストレプトマイセス・カルボフィラスか
ら調製した全DNA を用いて、pUC18 をベクターとするゲ
ノム・ライブラリーを作製し、このライブラリーについ
てP-450sca-2ポリペプチドのN末端アミノ酸から予測さ
れるオリゴヌクレオチドを合成してプローブに用い、コ
ロニー・ハイブリダイゼーション法等によりスクーリー
ニングして取得することも可能である。しかしながら、
ゲノム・DNA のクローニング方法はこれに限るわけでは
なく、例えば、pBR322等のベクターに挿入する方法等市
販のクローニングベクターを用いる方法等いずれの方法
でもよい。
【0028】得られた目的の形質転換株よりP-450sca-2
ポリペプチドをコードするDNA を採取する方法は、公知
の方法(Maniatis,T.et al.(1982): “Molecular Clonin
g-ALaboratory Manual ”Cold Spring Harbor Laborato
ry,NY) に従い実施できる。例えば細胞よりプラスミドD
NA に相当する画分を分離し、該プラスミドDNA より該
ポリペプチドをコードする DNA領域を切り出すことによ
り行ない得る。
【0029】このようにして得られるDNA の配列決定
は、例えばマキサム−ギルバートの化学修飾法(Maxam,
A.M.and Gilbert,W.(1980):“Methods in Enzymology"
65,499-559)やM13 ファージを用いるジデオキシヌクレ
オチド鎖終結法(Messing,J.and Vieira,J.(1982)Gene 1
9,269-276)等により行なうことができる。
【0030】このようにしてクローン化されたP-450
sca-2ポリペプチドをコードする遺伝子を含む断片は、
適当なベクターDNA に再び組込むことにより、他の原核
生物または真核生物の宿主細胞を形質転換させることが
できる。さらに、これらのベクターに適当なプロモータ
ーおよび形質発現にかかわる配列を導入することによ
り、それぞれの宿主細胞において遺伝子を発現させるこ
とが可能である。
【0031】原核細胞の宿主としては、例えば放線菌ス
トレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividan
s )やストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptom
ycescarbophilus)、大腸菌(Escherichia coli)や枯草
菌(Bacillus subtilis) 等が挙げられる。目的の遺伝子
をこれらの宿主細胞内で形質発現させるには、宿主と適
合し得る種由来のレプリコン、すなわち複製起点および
調節配列を含んでいるプラスミドベクターで宿主細胞を
形質転換させればよい。またベクターは形質転換細胞に
表現形質(表現型)の選択性を付与することができる配
列を持つものが望ましい。
【0032】ベクターとしては一般にpBR322やpUC 系の
プラスミドがよく用いられるが、これに限定されず、公
知の各種の菌株およびベクターがいずれも利用できる。
プロモーターとしては、大腸菌においてはトリプトファ
ン(trp) プロモーター、ラクトース(lac) プロモータ
ー、トリプトファン・ラクトース(tac) プロモーター、
リポプロテイン(lpp) プロモーター、バクテリオファー
ジ由来のラムダ(λ)PLプロモーター、ポリペプチド鎖
伸長因子Tu(tufB)プロモーター等が挙げられる。
【0033】また真核微生物としては酵母が一般によく
用いられており、その中でもサッカロミセス属酵母、例
えばSaccharomyces cerevisiaeが好ましい。該酵母等の
真核微生物の発現ベクターとしては、例えばアルコール
脱水素酵素遺伝子のプロモーター(Bennetzen,J.L.and H
all,B.D.(1982)J.Biol. Chem.257,3018-3025) や酸性ホ
スファターゼ遺伝子のプロモーター(Miyanohara,A.et a
l.(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80,1-5)等を好ましく
利用できる。
【0034】上記で得られる所望の形質転換体は、常法
に従い培養することができ、該培養により細胞内または
細胞外にP-450sca-2ポリペプチドが生産される。該培養
に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて
慣用される各種のものを適宜選択できる。
【0035】上記により、形質転換体の細胞内または細
胞外に生産されるP-450sca-2ポリペプチドは、該P-450
sca-2ポリペプチドの物理的性質や化学的性質等を利用
した各種の公知の分離操作法により、それらより分離・
精製することができる。該方法としては、具体的には例
えば通常の蛋白沈殿剤による処理、限外濾過、分子ふる
いクロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラ
フィー、イオン交換体クロマトグラフィー、アフィニテ
ィクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)等の各種液体クロマトグラフィー、透析法、これら
の組合せ等を例示できる。
【0036】上記方法により、容易に高収率、高純度で
所望のP-450sca-2ポリペプチドを工業的規模で製造でき
る。このようにして得られる本発明の組換えP-450sca-2
ポリペプチドの諸性質はすでに文献に記載された天然の
P-450sca-2(ヨーロピアン・ジャーナル・バイオケミス
トリー,第184 巻,707-713 頁,1989;Eur.J.Bioche
m.,184,707-713,1989)の諸性質と共通し、この酵素はそ
れが有する生物活性より、前記した各種の分野で有用で
ある。
【0037】また、本発明により得られる組換えベクタ
ーを放線菌細胞へ導入することにより、発現されたP-45
0sca-2ポリペプチドが放線菌細胞内で電子伝達系を構成
し、ML-236Bの6位水酸化反応を触媒する微生物を取得
することができる。これらの組換え体細胞は、プラバス
タチン・ナトリウム等の製造プロセスへ応用することが
可能である。
【0038】一般に真核生物の遺伝子はインターフェロ
ン遺伝子等で知られているように、多型現象(polymorph
ism)を示すと考えられ(例えば、Nishi,T.et al.(1985)
J.Biochem.97,153-159を参照)、この多型現象によって
1 個またはそれ以上のアミノ酸が置換される場合もあれ
ば、ヌクレオチド配列の変化はあってもアミノ酸は全く
変わらない場合もある。
【0039】配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配
列のアミノ酸番号 2〜410 から成るP-450sca-2ポリペプ
チドのアミノ酸配列の中の、一つ若しくは二つ以上の部
位において、一つ若しくは二つ以上のアミノ酸残基が失
欠、挿入若しくは置換されている蛋白質でもP-450 活性
を有することがある。これらの蛋白質を本発明において
は、P-450sca-2の同効物と呼ぶ。
【0040】例えば、インターロイキン2(IL-2) 遺伝子
のシステインに相当するヌクレオチド配列をセリンに相
当するヌクレオチド配列に変換して得られた蛋白がIL-2
活性を保持することも既に公知となっている(Wang,A.et
al.(1984)Science 224,1431-1433)。それゆえ、それ等
天然に存在するかあるいは人工合成された蛋白がP-450
活性を有する限りそれ等の蛋白をコ−ドする、同効のヌ
クレオチド配列からなるDNA もすべて本発明に含まれ
る。
【0041】このような各種の本発明のDNA は、上記P-
450sca-2ポリペプチドの情報に基づいて、例えばホスフ
ァイト・トリエステル法(Hunkapiller,M. et al.(1984)
Nature 310,105-111) 等の常法に従い、核酸の化学合成
により製造することもできる。
【0042】なお、所望アミノ酸に対するコドンはそれ
自体公知であり、その選択も任意でよく、例えば利用す
る宿主のコドン使用頻度を考慮して常法に従い決定でき
る(Grantham,R.et al.(1981)Nucleic Acids Res.9 r43-
r74)。さらに、これらヌクレオチド配列のコドンの一部
改変は、常法に従い、所望の改変をコードする合成オリ
ゴヌクレオチドから成るプライマーを利用したサイトス
ペシフィック・ミュータジェネシス(site specific mut
agenesis) (Mark,D.F.et al.(1984)Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA81,5662-5666) 等に従うことができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例をあげ、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されない。
【0044】実施例1 P-450sca-2のN末端アミノ酸配
列 精製したP-450sca-2(Eur.J.Biochem.,184, 707-713,
(1989) )について450Aプロティン・シークエンサー
(アプライド・バイオシステム社製)を用いてN末端ア
ミノ酸配列の解析を行った。配列表の配列番号3に示さ
れるアミノ酸配列のアミノ酸番号1〜20のN末端アミ
ノ酸配列を得た。該アミノ酸配列の4位の残基はThr 又
はGln 、5位の残基はGlu 又はGly のいずれかであると
考えられた。また、9位の残基は決定できなかった。そ
の他の残基は、該アミノ酸配列に示される通りに決定さ
れた。
【0045】実施例2 オリゴヌクレオチドプローブの
合成 実施例1に記載したP-450sca-2のN末端アミノ酸配列の
うち、4位の残基をGln 、5位の残基をGly と仮定し、
9位の残基をCys と想定して、このアミノ酸配列をコー
ドすると考えられる4種のオリゴヌクレオチド(配列表
の配列番号4に示されるヌクレオチド配列のヌクレオチ
ド番号 1〜60のヌクレオチド配列から構成されるヌクレ
オチド:以下、「合成プローブ」という。)を固相ホス
ホアミダイト法(ビューケージら;「テトラヘドロン・
レターズ」,第22巻,第1859-1862 頁,1981年(Beauca
ge,et al.,Tetrahedron Letters,22,pp1859-1862(198
1))参照)により合成した。
【0046】合成オリゴヌクレオチドを設計する際、次
の点に留意した。
【0047】(1) 3番目のコドンは必ずG又はCとし
た。
【0048】(2) 合成オリゴヌクレオチドのGC含量は
70% になるようにした。
【0049】(3) Leu 又はSer のように可能なコドンが
多い場合には、既に報告されている放線菌の遺伝子のコ
ドン使用頻度を参考にし、ストレプトミセス・カルボフ
ィラスで使用されている可能性が高いコドンを選んだ。
【0050】合成プローブは、T4ポリヌクレオチドキ
ナーゼを用いた5’末端ラベリングキット(アマシャム
社製)を使用し、6000 Ci/mmol のγ−32P−ATP
(NEN)で標識した。
【0051】実施例3 ストレプトミセス・カルボフィ
ラスのゲノムライブラリーの構築 A.ストレプトミセス・カルボフィラスのゲノムDNA の
調製 ストレプトミセス・カルボフィラスSANK62585 株を肉エ
キス培地[グルコース2.5 g/l 、エルリッヒ肉エキス
(極東製薬( 株) 製)10g/l 、ポリペプトン(和光純薬
( 株) 製)5 g/l 、イースト・エキストラクト( ディフ
コ社製) 1 g/l 、グルタミン酸ナトリウム2.5 g/l 、シ
ョウ酸ナトリウム2.5 g/l 、リン酸二水素カリウム0.5
g/l (pH7.5) 含有]で28℃、200 rpm で4日間培養後
集菌した。菌体は直ちに液体窒素で凍結し、−80℃で
保存した。ドライアイスで冷却した乳鉢上で保存菌体3
gを粉状になるまで乳鉢で破砕した。破砕した菌体をあ
らかじめ62.5mM EDTA 、5%(w/v) SDS を含む50mMト
リス−塩酸緩衝液20 ml で満たしておいた50 ml 容
の遠心管に移し、激しく攪拌後、氷上で1時間静置し
た。これにTE緩衝液(1mM EDTA を含む10mMトリス−
塩酸緩衝液(pH8.0))で飽和したフェノール(以下、TE飽
和フェノールとする)を20 ml 加え、50℃、120 rp
m で1時間振盪した。遠心分離後、上清にTE飽和フェノ
ールを15 ml 加え激しく攪拌後再び遠心分離し上清を
得た。この上清に対してTE飽和フェノールを0.5 容量、
クロロホルムを0.5 容量加え、激しく攪拌後遠心分離
し、上清を得た(以下この操作をフェノール抽出とす
る)。上清に対して3M酢酸ナトリウム(pH7.0) を1/10
容量、エタノールを2.5 容量加えゆっくり攪拌後、−8
0℃で約30分静置し遠心分離によりDNA 沈殿を得た。
TE緩衝液4 ml を加えてDNA を溶解後、約40 ml のイ
ソプロパノールを加えDNA を沈殿させた(以下この操作
をイソプロパノール沈殿とする)。沈殿したDNA をピン
セットで取り出し、再びTE緩衝液4 ml に溶解させた。
以下イソプロパノール沈殿を2回繰り返した。
【0052】再びTE緩衝液400 μl にDNA を溶解し、フ
ェノール処理した。遠心分離で得た上清に当量のクロロ
ホルムを加えて激しく攪拌後遠心分離で上清を得た。
(以下この操作をクロロホルム処理とする。)上清をエ
タノール沈殿後、70%(v/v)エタノールでDNA 沈殿を
洗浄後、減圧乾燥し、得られた精製ゲノムDNA をTE緩衝
液 500μl に溶解し、−80℃で保存した。
【0053】以上の操作によりストレプトミセス・カル
ボフィラスの凍結菌体1gから約50μg のゲノムDNA を
得た。
【0054】B.ゲノムライブラリーの調製 精製したストレプトミセス・カルボフィラスのゲノムDN
A 30μg をPvu II( 宝酒造( 株) 製)200ユニッ
トあるいはSacI (宝酒造( 株) 製) 200ユニットで3
7℃で12時間反応後、それぞれプラスミドベクターpB
R322 (宝酒造(株) 製)のPvu II部位あるいはpUC18
(宝酒造( 株) 製)のSac I部位にストレプトミセス・
カルボフィラスのゲノムDNA の制限酵素断片をT4 DNAラ
イゲースを利用したDNA ライゲーションキット(宝酒造
( 株) 製)により挿入した。これらのプラスミドベクタ
ーを用いて大腸菌 HB101株をハナハン:「ジャーナル・
オブ・モレキュラー・バイオロジー」、第166 巻、第55
7-580 頁、1983年[Hanahan,D.J.Mol.Bio.,166,pp557-58
0(1983)]の一般的方法の修正法により形質転換し、これ
をストレプトミセス・カルボフィラスのゲノムライブラ
リーとした。
【0055】実施例4 P-450sca-2遺伝子をスクリーニ
ングするためのハイブリダイゼーション A.サザンハイブリダイゼーション 実施例2に記載した合成プローブがストレプトミセス・
カルボフィラスのP-450sca-2遺伝子とDNA/DNA ハイブリ
ッドを形成するかを確かめる目的でサザンハイブリダイ
ゼーションを行なった。
【0056】精製したストレプトミセス・カルボフィラ
スのゲノムDNA 12μg を25ユニットのPvu II(宝
酒造( 株) 製)あるいは25ユニットのSac I( 宝酒造
( 株) 製)で37℃で12時間処理した。それぞれの制
限酵素で処理したゲノムDNA2μg を0.8 %アガロース
ゲル電気泳動で1×TBE1) 中1時間泳動し、マニアティ
スら:「モレキュラー・クローニング.ア.ラボラトリ
ー・マニュアル」(1989年ニューヨーク州、ハーバー.
コールドスプリングス所在、コールドスプリングスハー
バーラボラトリー)[Maniatis,et al.,"Molecular Clo
ning.A.Laboratory Manual"(Cold Springs Harbar Labo
ratory.Cold Springs Harbor.N.Y.(1989)]第9章31項
に記載されているキャピラリー・トランスファー法に準
じてアガロールゲル上のDNA をニトロセルロースフィル
ターに転写した。フィルターは風乾後、80℃で2時間
減圧乾燥させてDNA を固定した。
【0057】フィルターを続いてハイブリダイゼーショ
ン緩衝液、(6×SET2),0.1 %(w/v)SDS,10×デンハ
ルト溶液3),100 μg/ ml サケ精子DNA)に浸し、60℃
で5時間プレハイブリダイゼーション処理し、ハイブリ
ーダイゼーション緩衝液を除去した。引き続いてフィル
ターに合成プローブを10 pmole含有する同一のハイブ
リダイゼーション緩衝液を10 ml 加え、60℃で24
時間フィルターを保持した。
【0058】ハイブリッド形成後、フィルターを振盪器
にて1.5 時間60℃で、次いで0.1×SSC を含む0.1 %
(w/v) SDS 溶液で60℃で30分間洗浄後、風乾しオー
トラジオグラフィーを行なった。
【0059】合成プローブを用いて実施した。
【0060】
【表1】
【0061】B.コロニーハイブリダイゼーション ストレプトミセス・カルボフィラスのゲノムDNA を有す
る形質転換大腸菌HB101 株を50μg/ ml のアンピシリ
ン含有プレート(トリプトン( ディフコ社製)10g/l
、イースト・エキストラクト( ディフコ社製) 5g/l
、および寒天15g/l )に、直径9cmのプレートあた
り500コロニーの密度で分散させた。ニトロセルロー
スフィルター(日本ミリポア社( 株) 製・カタログ HAT
FO8250) を同一のプレートにて予め湿潤させ、プレート
からコロニーを移しとった後、同一の培地にそのニトロ
セルロースフィルターを移し37℃、12時間以上大腸
菌を増殖させた。増殖したコロニーを、以下の溶液でそ
れぞれ飽和させた。1枚のワットマン3MM紙上にフィル
ターを連続的に置くことにより処理した。
【0062】(1) 10分間は0.5 M NaOH (2) 5分間は1Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.5) (3) 5分間は1.5 M NaCl を含む0.5 Mトリス−塩酸緩
衝液(pH7.5) (4) 5分間は2×SSC1) フィルターを次いで風乾後、80℃にて2時間減圧乾燥
させた。
【0063】フィルターを次に6×SSC に浸し風乾し
た。
【0064】フィルターを続いて、ハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液(6×SET 、0.1 %(w/v)SDS、10×デンハ
ルト溶液、100μg/ ml サケ精子DNA)に浸し、60℃
でおおむね4時間以上プレハイブリダイゼーション処理
し、ハイブリダイゼーション緩衝液を除去した。
【0065】ハイブリッド形成操作は以下の方法で行な
った。フィルター50枚に合成プローブを10 pmole含
有するハイブリダイゼーション緩衝液を30 ml 加え、
フィルターを60℃で36時間保持した。
【0066】ハイブリッド形成後、フィルターを振盪器
にて1.5 時間60℃で、次いで0.1×SSC を含む0.1 %
(w/v) SDS 溶液で60℃で30分間洗浄後、風乾しオー
トラジオグラフィーを行なった。
【0067】スクリーニングした約20000 コロニーの中
から1つの陽性クローンが見いだされ、このクローンを
pSCA101とした。(図1)
【0068】
【表2】
【0069】実施例5 P-450sca-2遺伝子の塩基配列の
決定 A.P-450sca-2遺伝子のN末端アミノ酸をコードする領
域の同定 クローンpSCA101 が合成プローブとハイブリッドを形成
した領域を調べるためpSCA101 の予備的な制限酵素地図
分析を行なった。pSCA101 0.5 μg をそれぞれ10ユニ
ットのPvu II、Sal I、BamHI、Sac I、Sph Iで3
7℃、12時間処理後、0.8 %(w/v) アガロースゲルで
1×TBE 中で100V、約3時間電気泳動した。電気泳
動後、実施例4のAで述べたキャピラリー・トランスフ
ァー法により、ニトロセルロースフィルターにDNA を転
写し、80℃で2時間減圧乾燥後、実施例4のBのコロ
ニーハイブリダイゼーションと同一の条件で合成プロー
ブとハイブリッドを形成させた。各制限酵素処理により
生じたDNA 断片の大きさ、およびプローブとハイブリッ
ドを形成する断片を解析した結果、図1に示すBamHI/Sa
c I 断片0.54kb中にプローブとハイブリッドを形成する
領域があることがわかった。
【0070】B.塩基配列決定法 鋳型DNA の調製は次の2通りの方法により行なった。
【0071】(1) DNA 断片をプラスミドpUC118(宝酒
造( 株) 製)あるいはpUC119(宝酒造( 株) 製)にサブ
クローニング後、大腸菌MV1184株(宝酒造( 株) 製)お
よびヘルパーファージM13KO7(宝酒造( 株) 製)を用い
てビエイラら:「メソッド・イン・エンザイモロジ
ー」、第153 巻、第3-11頁、1987年[Vieira,J.et al.,M
ethods in Enzymology,153,pp3-11(1987)]の方法により
1本鎖DNA を調製した。
【0072】(2) プラスミドをチャングら:「ヌーク
レイック・アシッド・リサーチ」,第16巻、第1220
頁、1988年[Zhang,H.et al.,Nucleic Acids Res.,16,pp
1220(1988)] の方法に準じてアルカリ変性し鋳型DNA を
調製した。
【0073】塩基配列の決定はシークエネース・バージ
ョン2.0 キット(東洋紡( 株) 製)により行なった。一
般に放線菌の遺伝子はGC含量が70%と高く、しばしば
二次構造を形成し、塩基配列の読み取りが困難な場合に
は、必要に応じて7−デアザシ−クエンシングキット
(東洋紡( 株) 製)あるいはシークエネースによる DNA
鎖伸長反応の時にSSB タンパク(東洋紡( 株) 製)を加
える方法(シークエネース・バージョン2.0 キットのプ
ロトコールに記載)により塩基配列を解析した。
【0074】塩基配列を解析した結果pSCA101 は1009bp
のp-450sca遺伝子の 5′上流域と681bpの構造遺伝子
のN末端領域を有していた。
【0075】実施例6 P-450sca-2遺伝子の全長を含む
DNA 断片のクローニング ストレプトミセス・カルボフィラスのゲノムDNA をSac
I処理し、pUC18 のSac I部位に挿入した大腸菌ライブ
ラリーを実施例3−Bの方法により、プレート上にコロ
ニーを形成させ形質転換した大腸菌が含有するプラスミ
ドをニトロセルロースフィルターに焼き付けたハイブリ
ッド形成用のフィルターを調製した。フィルターを6×
SSC 中に浸し風乾した。
【0076】フィルターを続いて5×SSC 、0.5 %(w/
v) SDS 、50%(w/v) ホルムアミド、5×デンハルト
溶液、100μg/ ml サケ精子DNA を含む10mMリン酸
カリウム緩衝液(pH7.0)中で42℃で2時間プレ
ハイブリダイゼーションした。
【0077】プレハイブリダイゼーションした35枚の
フィルターにプローブとして用いたpSCA101 のBamHI/S
acI断片0.54kbを100ng含む20 ml の同溶液で42
℃で15時間処理しハイブリッドを形成させた。プロー
ブ調製は以下の方法により行なった。BamHI/SacI断片
0.54kbはpSCA101 3μg をSamHI(宝酒造( 株) 製)1
00ユニット及びSac I(宝酒造( 株) 製)100ユニ
ットで37℃、12時間処理後、0.8 %アガロース(バ
イオラッド社製)によりDNA 断片を分離し、0.54kbの断
片を切り出した。その断片を透析チューブ(Bethesda R
esearch Laboratoriesコード15962A) に移し1×TBE 中
で100Vで2時間溶出後、フェノールクロロホルム処
理及びエタノール沈殿し減圧乾燥した。このようにして
調製したBamHI/SacI断片0.54kbをニックトランスレー
ションキット(Amersham 社製) を使用し6000Ci/mmol の
α−32P-dCTP(アマシャム社製)により標識した。
【0078】ハイブリッド形成後、2×SSC を用いて3
7℃で30分間、続いて 0.1×SSCを含む0.1 ×SDS 溶
液により37℃で1.5 時間フィルターを洗浄後、オート
ラジオグラフィーを行なった。
【0079】約20,000のクローンについてスクリーング
したところ12の陽性クローンを得た。そのうち3クロ
ーンがP-450sca-2遺伝子の全長を含んでおり、このクロ
ーンをpSCA108 とした(図2)。
【0080】実施例7 P-450sca-2遺伝子の塩基配列 決定したヌクレオチド配列において、配列表の配列番号
1に示されるヌクレオチド配列のヌクレオチド番号1 〜
1230のヌクレオチド配列が、配列表の配列番号2に示さ
れるアミノ酸配列のアミノ酸番号1 〜430 のアミノ酸配
列をコードすることが判明した。
【0081】すなわち、精製したP-450sca-2のN末端残
基であるスレオニン残基の直前にメチオニンをコードす
る翻訳開始コドンATG が存在した。そのスレオニンより
下流のアミノ酸配列がP-450sca-2のアミノ酸配列であ
り、4位の残基はThr 、5位の残基はGlu 、9位の残基
はThr であることが判明した。N末端のメチオニンを除
いたP-450sca-2は409アミノ酸残基から構成されN末
端のメチオニンを除いた翻訳領域の分子量は44924 ダル
トンであった。
【0082】実施例8 P-450sca-2遺伝子を放線菌スト
レプトミセス・リビダンスで発現させるためのプラスミ
ドpSCA205 の構築法 はじめに、pSCA101 10μg をPvu II 100ユニッ
トで37℃、3時間処理後、1%アガロースゲル電気泳
動を行ない、P-450sca-2遺伝子のN末端領域を含むPvu
II断片1.7kb を切り出した。これを透析チューブに移
し1×TBE 緩衝液中で100V、2時間処理し、目的の
DNA 断片をゲルから溶出した。これを常法によりフェノ
ール処理しエタノール沈殿後減圧乾燥した。
【0083】次に、pUC119 10μg をSma I 100
ユニットで37℃、3時間処理し、常法によりフェノー
ル処理後エタノール沈殿し、減圧乾燥した。このSma I
処理したpUC119を200μl のTE緩衝液に溶解し、アル
カリホスファターゼ(東洋紡(株)製)を4ユニット加
え、37℃、30分間反応させ末端を脱リン酸化した。
これを常法によりフェノール処理後エタノール沈殿減圧
乾燥した。このSma Iおよびアルカリホスファターゼ処
理したpUC119のSma I部位にP-450sca-2のN末端領域を
含むPvu II断片(1.7kb)をDNA ライゲーションキット
(宝酒造(株)製)を用いて挿入し、このプラスミドを
pSCA106 とした。(図4) 次にpSCA106 が有するP-450sca-2のプロモーター領域と
pSCA108 が有するP-450sca-2の構造遺伝子を連結したプ
ラスミドpSCA111 の構築は次のようにした。
【0084】即ち、pSCA108 10μg をSac I 100
ユニットで37℃、5時間処理し、1%アガロースゲル
電気泳動でP-450sca-2の構造遺伝子2.0kb を分離した。
このSac I断片(2.0kb) を切り出し1×TBE 中で100
V、2時間処理しDNA 断片を溶出した。これを常法によ
りフェノール処理後エタノール沈殿して減圧乾燥した。
【0085】一方、pSCA106 10μg をSac I 100
ユニットで37℃、5時間処理後1%アガロースゲル電
気泳動によりSac I断片4kbを分離した。この透析をゲ
ルから切り出し透析チューブに移した後1×TBE 緩衝液
中で100V、2時間処理しこのDNA 断片を溶出した。
これを常法によりフェノール処理後エタノール沈殿し減
圧乾燥した。これを200μl のTE緩衝液に溶解し、ア
ルカリホスファターゼ(東洋紡(株)製)4ユニットを
加え37℃、30分間処理して末端を脱リン酸化した。
これを再び常法によりフェノール処理後エタノール沈殿
し減圧乾燥した。
【0086】pSCA106 由来のアルカリホスファターゼ処
理してSac I 断片4kbとpSCA108 由来のSac I断片の連
結はDNA ライゲーションキット(宝酒造(株)製)によ
り行ない、作成したプラスミドをpSCA111 とした。(図
1) pSCA111 10μg を100ユニットのHind IIIで3
7℃、5時間処理した。これを常法によりフェノール処
理し、エタノール沈殿後減圧乾燥した。この Hind II
I処理したpSCA IIIをDNA ブランティングキット
(宝酒造(株)製)により末端を平滑化した。これを再
び常法によりフェノール処理し、エタノール沈殿後減圧
乾燥した。これをTE緩衝液200μl に溶解しアルカリ
ホスファターゼ(東洋紡(株)製)4ユニットを加え、
37℃で30分反応させ、末端を脱リン酸化した。これ
を再び常法によりフェノール処理し、エタノール沈殿後
減圧乾燥した。以上の処理をしたpSCA111 100ngにSa
c I リンカー(宝酒造(株)製)を16.5ng加えDNA ライ
ゲーションキット(宝酒造(株) 製) によりこれらを環
状化しpSCA111 のHind III部位をSac I部位に置換
したpSCA112 を構築した。(図3および図4) pSCA112 からP-450sca-2構造遺伝子およびそのプロモー
ターを含むSac I断片2.8kb を取得するため、pSCA112
のSac Iによる部分分解を行なった。すなわち、pSCA11
2 2.1mg をSac I 1250 ユニットで37℃、22時間処
理した。これを1%アガロースゲル電気泳動を行ない、
ゲルを0.5 μg/ ml 臭化エチジウムにより染色後、Sac
I断片2.8 kbを切り出した。これを透析チューブに移
し、1×TBE 緩衝液中で150V、1.5 時間処理しSac
I断片2.8kb を溶出した。これを常法によりフェノール
処理しエタノール沈殿後、減圧乾燥した。これを1g/ m
l の塩化セシウムを含むTE緩衝液に溶解し、0.1mg/ ml
になるように臭化エチジウムを加え120,000rpm、15℃
で2時間超遠心分離し、Sac I断片2.8 kbを分離後、塩
化ナトリウム及び50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0) で
飽和させたイソプロパノールで3回抽出して臭化エチジ
ウムを除き、TE緩衝液中で一晩4℃で透析した。これを
常法によりエタノール沈殿し、70%エタノールで洗浄
後減圧乾燥し、部分精製Sac I断片2.8kb を76μg 得
た。
【0087】このようにして精製したSac I断片2.8kb
はpSCA112 のpUC119に由来するDNA断片3.2kb を含んで
いた。そこで、これを除くため部分精製Sac I断片(2.8
kb)75 μg を205ユニットのPvu I で37℃、12時
間処理した。これを再び1%アガロースゲル電気泳動に
より分離しSac I断片2.8kb のバンドを切り出した。こ
れを透析チューブに移し1×TBE 中で150V、1時間
処理し、DNA 断片を溶出後、常法によりフェノール処理
しエタノール沈殿後減圧乾燥した。これを1g/ml の塩
化セシウムを含むTE緩衝液に溶解し、0.1mg/ ml になる
ように臭化エチジウムを加え120,000rpm、15℃で2時
間超遠心分離した。Sac I断片2.8kb を分離後、塩化ナ
トリウムおよび50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0) で飽
和したイソプロパノールで3回抽出して臭化エチジウム
を除き、TE緩衝液中で4℃、一晩透析した。これを常法
によりエタノール沈殿し、70%エタノールで洗浄後減
圧乾燥し、TE緩衝液20μl に溶解した。以上の操作に
よりP-450sca-2構造遺伝子およびそのプロモーターを含
むSac I断片(2.8kb) を9.8 μg 得た。
【0088】一方、pIJ702 200μg をSac I 30
0ユニットで37℃で20時間処理した。これを常法に
よりフェノール処理し、エタノール沈殿後減圧乾燥し
た。これをTE800μl に溶解し、アルカリフォスファ
ターゼを80ユニット加え、37℃で30分間処理後、
常法によりフェノール処理し、エタノール沈殿後、減圧
乾燥した。
【0089】これを1 g/ml の塩化セシウムを含むTE緩
衝液に溶解し、0.1mg/ ml になるように臭化エチジウム
を加え、120,000rpm、15℃で2時間超遠心分離した。
SacI処理したpIJ702のバンドを分離後、塩化ナトリウ
ムおよび50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0) で飽和した
イソプロパノールで3回抽出し臭化エチジウムを除去し
た。これをTE緩衝液に対して4℃で一晩透析後、常法に
よりエタノール沈殿し、70%エタノールで洗浄後、減
圧乾燥した。以上の処理によりSac Iおよびアルカリフ
ォスファターゼ処理したpIJ702を37μg 得た。
【0090】Sac Iおよびアルカリフォスファターゼ処
理した pIJ702 1μg にP-450sca-2構造遺伝子およびプ
ロモーターを含むSac I断片2.8kb を 2.4μg 加え、DN
A ライゲーションキット(宝酒造(株)製)により2つ
の断片を凍結後、これを用いてストレプトミセス・リビ
ダンスTK21株を形質転換し、形質転換株からホップウッ
ドらのアルカリ法および超遠心分離法(ホップウッド
ら:「ジェネティック・マニピュレーション・オブ・ス
トレプトミセス・ア・ラボラトリー・マニュアル」(19
85年、ノルウィッチ所在、ジョン・インズ・インスティ
テュート[Hopwood,et.al.,"Genetic Manipulation of
Streptomyces A laboratory Manual"(JohnInnes Instit
ute,Norwich,1985)] )によりプラスミドを精製しpSCA2
05 を得た(図3)。
【0091】実施例9 放線菌ストレプトミセス・リビ
ダンスTK21株の形質転換法 放線菌ストレプトミセス・リビダンスTK21株の形質転換
はトンプソンらの方法:「ジャーナル・オブ・バクテリ
オロジー」、第 151巻、第668-677 頁、1982年[Thomps
on,C.J.et al.,J.Bacteriol.,151,668-677(1982)] に準
じて行なった。すなわち、ストレプトミセス・リビダン
スTK21株を20 ml のGPY 培地1)に植菌し28℃、12
0rpm で3日間前培養した。前培養後テフロンホモジナ
イザーで3回菌体を細く砕き、そのうちの5 ml を11
0 ml のS-GGCy 2) 培地に植菌し坂口フラスコで28
℃、120rpm 24時間本培養した。本培養後3,000 rp
m 、4℃、10分間菌体を遠心分離し、P緩衝液3)で菌
体を洗浄し、再び3,000 rpm、4℃、10分間遠心分離
し沈殿を得た。P緩衝液による洗浄は、さらに2回行な
い湿菌体を得た。湿菌体1gに対してP緩衝液を10 m
l 加え、これを湿菌体懸濁液とした。
【0092】20mg/ml のリゾチーム(シグマ社製)を
含むP緩衝液をポアサイズ0.20μmのメンブランフィル
ター(日本ミリポア(株)製)によりろ過滅菌し、この
リゾチーム溶液15 ml に対して菌体懸濁液15 ml を
加え、30℃、120rpm で1.5 時間反応させ、ストレ
プトミセス・リビダンスTK21株をスフェロプラスト化し
た。これを8枚重ねのガーゼを用いて2回ろ過し、3,00
0 rpm 、4℃、10分間遠心分離し沈殿を得た。再びP
緩衝液でストレプトミセス・リビダンスTK21株のスフェ
ロプラストを2回洗浄し、3,000 rpm 、4℃、10分間
遠心分離し、沈殿を得これをP緩衝液0.8ml に懸濁し氷
上で静置した。このストレプトミセス・リビダンスTK21
株のスフェロプラスト懸濁液100μl にpSCA205( 1μ
g/ ml )を1μl 加え、0℃で2分間静置後、20%(w/
v) のポリエチレングリコール1540(和光純薬(株)
製)を含むP緩衝液を500μl 加え、0℃、2分間静
置後、P緩衝液を5 ml 加えた。これを100μl 2%
バクトアガー(ディフコ社製)を含む再生培地4)10 m
l 上にコーンラージ棒で静かに塗抹し、28℃で約20
時間静置培養した。これに45℃の 0.7%バクトアガー
(ディフコ社製)を含む再生培地にチオストプトン(シ
グマ社製)を75μg/ ml になるように溶解し、これを
5 ml 重層し、28℃で培養した。3−5日後に生育可
能なチオストプトン耐性株を分離し形質転換株を得た。
【0093】
【表3】
【0094】実施例10 下記表4記載の組成の培地 200 ml を含有する 100 ml
容三角フラスコにストレプトマイセス・リビダンス T
K-21/pSCA205 を植菌し、28℃、200 rpm で振盪培養
し、3 日後、ML-236B Na塩を最終濃度で 0.05%となるよ
うに添加して、更に1日目、28℃、 200 rpm で培養し
た。
【0095】
【表4】
【0096】培養終了後、変換反応液を 10,000 rpm
で10分間遠心分離して、上清液を得た。HPLCにて、生成
したプラバスタチンNa量を測定した。なお、同時にコン
トロールとして、ストレプトマイセス・リビダンス TK2
1 を培養した。
【0097】結果を表5に示す。
【0098】
【表5】
【0099】なお、形質転換体ストレプトマイセス・リ
ビダンス TK-21/pSCA205 の培養用培地には、別滅菌し
たチオストレプトン(シグマ社 No. T-8902)を最終濃
度で、20μg/ ml 添加して培養した。
【0100】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1233 塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:genomic DNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源: 生物名:ストレプトミセス・カルボフィラス(Streptom
yces carbophilus) 配列の特徴:1 - 1230 E CDS 配列 ATG ACC GAG ATG ACA GAG AAA GCC ACC ACA TTC CTC ACG TCG CAG GAG 48 Met Thr Glu Met Thr Glu Lys Ala Thr Thr Phe Leu Thr Ser Gln Glu 1 5 10 15 GCA CCG GCC TTC CCG GCG GAC CGC ACA TGT CCC TAC CAA CTA CCC ACG 96 Ala Pro Ala Phe Pro Ala Asp Arg Thr Cys Pro Tyr Gln Leu Pro Thr 20 25 30 GCC TAC AGT CGG TTG AGG GAC GAG CCG GAT GCG CTG CGC CCG GTG ACG 144 Ala Tyr Ser Arg Leu Arg Asp Glu Pro Asp Ala Leu Arg Pro Val Thr 35 40 45 CTC TAC GAC GGC CGC CGC GCC TGG GTG GTG ACC AAG CAC GAG GCG GCG 192 Leu Tyr Asp Gly Arg Arg Ala Trp Val Val Thr Lys His Glu Ala Ala 50 55 60 CGG CGG TTA CTC GCG GAC CCC CGG CTG TCC TCC GAC CGC CTG CAC GCC 240 Arg Arg Leu Leu Ala Asp Pro Arg Leu Ser Ser Asp Arg Leu His Ala 65 70 75 80 GAC TTC CCC GCC ACC TCG CCA CGC TTC AAG GCG TTC CGG CAG GGC AGC 288 Asp Phe Pro Ala Thr Ser Pro Arg Phe Lys Ala Phe Arg Gln Gly Ser 85 90 95 CCC GCG TTC ATC GGG ATG GAT CCC CCC GAG CAC GGG ACG CGT CGC CGC 336 Pro Ala Phe Ile Gly Met Asp Pro Pro Glu His Gly Thr Arg Arg Arg 100 105 110 ATG ACG ATC AGC GAG TTC ACC GTG AAG CGC ATC AAG GGC ATG CGC CCG 384 Met Thr Ile Ser Glu Phe Thr Val Lys Arg Ile Lys Gly Met Arg Pro 115 120 125 GAC GTC GAA CGC ATC GTG CAC GGC TTC ATC GAC GAC ATG CTC GCC GCG 432 Asp Val Glu Arg Ile Val His Gly Phe Ile Asp Asp Met Leu Ala Ala 130 135 140 GGA CCC ACC GCC GAT CTG GTC AGC CAG TTC GCC CTG CCC GTC CCG TCC 480 Gly Pro Thr Ala Asp Leu Val Ser Gln Phe Ala Leu Pro Val Pro Ser 145 150 155 160 ATG GTG ATC TGC CAT ATG CTC GGC GTC CCC TAC GCC GAC CAC GAG TTC 528 Met Val Ile Cys His Met Leu Gly Val Pro Tyr Ala Asp His Glu Phe 165 170 175 TTC CAG GAC GCG AGC AAG CGC CTG GTG CAG GCG GTG GAC GCC GAC AGT 576 Phe Gln Asp Ala Ser Lys Arg Leu Val Gln Ala Val Asp Ala Asp Ser 180 185 190 GCC GTC GCC GCC CGG GAC GAC TTC GAG CGC TAC CTG GAC GGG CTG ATC 624 Ala Val Ala Ala Arg Asp Asp Phe Glu Arg Tyr Leu Asp Gly Leu Ile 195 200 205 ACC AAG CTG GAG TCC GAA CCC GGG ACC GGG CTC CTC GGC AAA CTG GTC 672 Thr Lys Leu Glu Ser Glu Pro Gly Thr Gly Leu Leu Gly Lys Leu Val 210 215 220 ACC CAC CAG CTG GCG GAC GGC GAG ATC GAC CGC GCG GAG CTG ATC TCC 720 Thr His Gln Leu Ala Asp Gly Glu Ile Asp Arg Ala Glu Leu Ile Ser 225 230 235 240 ACC GCC CTG CTG CTG CTC GTC GCC GGT CAT GAG ACC ACG GCC TCG ATG 768 Thr Ala Leu Leu Leu Leu Val Ala Gly His Glu Thr Thr Ala Ser Met 245 250 255 ACC TCG CTC AGC GTC ATC ACC CTG CTC GAA CAC CCC GAC CAG CAC GCC 816 Thr Ser Leu Ser Val Ile Thr Leu Leu Glu His Pro Asp Gln His Ala 260 265 270 GCC CTG CGC GCC GAC CCG TCC CTC GTG CCC GGA GCG GTC GAG GAA CTG 864 Ala Leu Arg Ala Asp Pro Ser Leu Val Pro Gly Ala Val Glu Glu Leu 275 280 285 CTG CGC GTC CTG GCC ATC GCG GAC ATC GCG GGC GGC CGC ATC GCC ACC 912 Leu Arg Val Leu Ala Ile Ala Asp Ile Ala Gly Gly Arg Ile Ala Thr 290 295 300 GCC GAC ATC GAG ATC GAC GGA CAG CTC ATC CGG GCC GGT GAA GGA GTG 960 Ala Asp Ile Glu Ile Asp Gly Gln Leu Ile Arg Ala Gly Glu Gly Val 305 310 315 320 ATC GTC ACC AAC TCC ATC GCC AAC CGC GAC AGT TCG GTG TTC GAG AAC 1008 Ile Val Thr Asn Ser Ile Ala Asn Arg Asp Ser Ser Val Phe Glu Asn 325 330 335 CCG GAC CGC CTC GAT GTG CAC CGC TCG GCA CGC CAC CAC CTC TCC TTC 1056 Pro Asp Arg Leu Asp Val His Arg Ser Ala Arg His His Leu Ser Phe 340 345 350 GGG TAC GGG GTG CAC CAG TGC CTG GGC CAG AAC CTG GCC CGC CTC GAA 1104 Gly Tyr Gly Val His Gln Cys Leu Gly Gln Asn Leu Ala Arg Leu Glu 355 360 365 CTC GAA GTC ATC CTC ACC GTG TTG TTC GAC CGC ATT CCG ACC CTG CGC 1152 Leu Glu Val Ile Leu Thr Val Leu Phe Asp Arg Ile Pro Thr Leu Arg 370 375 380 CTG GCC GTC CCC GTG GAG CAG CTG ACG CTG CGT CCG GGC ACG ACG ATC 1200 Leu Ala Val Pro Val Glu Gln Leu Thr Leu Arg Pro Gly Thr Thr Ile 385 390 395 400 CAG GGC GTC AAC GAA CTC CCG GTC ACC TGG TGA 1233 Gln Gly Val Asn Glu Leu Pro Val Thr Trp 405 410 配列番号:2 配列の長さ:410 アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 Met Thr Glu Met Thr Glu Lys Ala Thr Thr Phe Leu Thr Ser Gln Glu 1 5 10 15 Ala Pro Ala Phe Pro Ala Asp Arg Thr Cys Pro Tyr Gln Leu Pro Thr 20 25 30 Ala Tyr Ser Arg Leu Arg Asp Glu Pro Asp Ala Leu Arg Pro Val Thr 35 40 45 Leu Tyr Asp Gly Arg Arg Ala Trp Val Val Thr Lys His Glu Ala Ala 50 55 60 Arg Arg Leu Leu Ala Asp Pro Arg Leu Ser Ser Asp Arg Leu His Ala 65 70 75 80 Asp Phe Pro Ala Thr Ser Pro Arg Phe Lys Ala Phe Arg Gln Gly Ser 85 90 95 Pro Ala Phe Ile Gly Met Asp Pro Pro Glu His Gly Thr Arg Arg Arg 100 105 110 Met Thr Ile Ser Glu Phe Thr Val Lys Arg Ile Lys Gly Met Arg Pro 115 120 125 Asp Val Glu Arg Ile Val His Gly Phe Ile Asp Asp Met Leu Ala Ala 130 135 140 Gly Pro Thr Ala Asp Leu Val Ser Gln Phe Ala Leu Pro Val Pro Ser 145 150 155 160 Met Val Ile Cys His Met Leu Gly Val Pro Tyr Ala Asp His Glu Phe 165 170 175 Phe Gln Asp Ala Ser Lys Arg Leu Val Gln Ala Val Asp Ala Asp Ser 180 185 190 Ala Val Ala Ala Arg Asp Asp Phe Glu Arg Tyr Leu Asp Gly Leu Ile 195 200 205 Thr Lys Leu Glu Ser Glu Pro Gly Thr Gly Leu Leu Gly Lys Leu Val 210 215 220 Thr His Gln Leu Ala Asp Gly Glu Ile Asp Arg Ala Glu Leu Ile Ser 225 230 235 240 Thr Ala Leu Leu Leu Leu Val Ala Gly His Glu Thr Thr Ala Ser Met 245 250 255 Thr Ser Leu Ser Val Ile Thr Leu Leu Glu His Pro Asp Gln His Ala 260 265 270 Ala Leu Arg Ala Asp Pro Ser Leu Val Pro Gly Ala Val Glu Glu Leu 275 280 285 Leu Arg Val Leu Ala Ile Ala Asp Ile Ala Gly Gly Arg Ile Ala Thr 290 295 300 Ala Asp Ile Glu Ile Asp Gly Gln Leu Ile Arg Ala Gly Glu Gly Val 305 310 315 320 Ile Val Thr Asn Ser Ile Ala Asn Arg Asp Ser Ser Val Phe Glu Asn 325 330 335 Pro Asp Arg Leu Asp Val His Arg Ser Ala Arg His His Leu Ser Phe 340 345 350 Gly Tyr Gly Val His Gln Cys Leu Gly Gln Asn Leu Ala Arg Leu Glu 355 360 365 Leu Glu Val Ile Leu Thr Val Leu Phe Asp Arg Ile Pro Thr Leu Arg 370 375 380 Leu Ala Val Pro Val Glu Gln Leu Thr Leu Arg Pro Gly Thr Thr Ile 385 390 395 400 Gln Gly Val Asn Glu Leu Pro Val Thr Trp 405 410 配列番号:3 配列の長さ: 20 アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列の特徴: 4 E Thr 又は Gln 5 E Glu 又は Gly 9 E 未決定 配列 Thr Glu Met Xaa Xaa Lys Ala Thr Xaa Phe Leu Thr Ser Gln Glu Ala 1 5 10 15 Pro Ala Phe Pro 20 配列番号:4 配列の長さ:60 塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成オリゴヌクレオチド) ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 配列の特徴: 31 - 33 E CTG 又は CTC 37 - 39 E TCC 又は AGC 46 - 48 E GCC 又は GCG 51 - 53 E GCC 又は GCG 配列 ACC GAG ATG CAG GGC AAG GCC ACC TGC TTC NNN ACC NNN CAG GAG NNN 48 Thr Glu Met Gln Gly Lys Ala Thr Cys Phe Leu Thr Ser Gln Glu Ala 1 5 10 15 CCC NNN TTC CCC 60 Pro Ala Phe Pro 20
【0101】
【発明の効果】本発明の、シトクロムP-450sca-2をコー
ドする遺伝子を好適なベクターへ組み込み、該ベクター
により好適な宿主細胞を形質転換することにより、該酵
素を工業的に生産し、高脂血症治療薬プラバスタチン・
ナトリウムの製造プロセスへ利用することができる。
【0102】さらに、該酵素の工業的生産はプラバスタ
チン・ナトリウムの製造ばかりではなく、プラバスタチ
ン・ナトリウム関連化合物の製造プロセスにも応用可能
である。また、該酵素の工業的生産は、マクロライド化
合物ミルベマイシン類の関連化合物の製造プロセスに利
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpSCA101 の制限酵素地図
【図2】プラスミドpSCA108 の制限酵素地図
【図3】プラスミドpSCA205 の構築図
【図4】プラスミドpSCA112 の制限酵素地図
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:465) (C12N 1/21 C12R 1:465) (C12N 9/02 C12R 1:465) (72)発明者 奈良 太 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に配列表の配列番号2に示されるア
    ミノ酸配列のアミノ酸番号2〜410のアミノ酸配列を
    含み、シトクロムP−450活性をもつポリペプチドを
    コードするDNA。
  2. 【請求項2】分子中に配列表の配列番号2に示されるア
    ミノ酸配列のアミノ酸番号2〜410のアミノ酸配列を
    含み、シトクロムP−450活性をもち、N末端に水素
    原子又は Met 残基を有するポリペプチドをコードする
    DNA。
  3. 【請求項3】配列表の配列番号1に示されるヌクレオチ
    ド配列のヌクレオチド番号4〜1230のヌクレオチド
    配列を含むDNA。
  4. 【請求項4】請求項1又は3記載のDNAの5’末端に
    ATGを有するDNA。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載のDNAを含
    むことから成る組換えDNAベクター。
  6. 【請求項6】請求項5記載の組換えDNAベクターによ
    り形質転換された宿主細胞。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3又は4記載のDNAを含
    むことから成る組換えDNAベクターにより形質転換さ
    れた宿主細胞を、該DNAの発現可能な条件下で培養し
    て、分子中に配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配
    列のアミノ酸番号2〜410のアミノ酸配列を含むシト
    クロムP−450活性をもつポリペプチドを産生させ、
    次いで、該ポリペプチドを回収することを特徴とする、
    該ポリペプチドの製造方法。
JP22996992A 1992-08-28 1992-08-28 放線菌のシトクロムP−450sca遺伝子 Pending JPH0670780A (ja)

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