JPH0670577B2 - タンクのレベル及び平均温度計測装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本装置は石油備蓄タンクやタンカーのタンク等、主とし
て大型タンクの液レベル測定用に使用する。

＜現状と問題点＞ 受信器からのコマンドにしたがって現場の計測器が動作
し、データを受信器に返信するいわゆる双方向通信形の
計測装置が広く実用に供せられるようになったが、この
種の計測装置の最も新しいものとして双方向通信に光フ
ァイバケーブルを使用した光通信式の計測装置がある。

タンクの液のレベル及び平均温度の計測装置において
も、近年光通信式が実用化されたが、現状では、第３図
のようにタンク１の上部にレベル計測器２と平均温度計
測器３を別々に設け、それぞれ光ケーブル4a,4bで受信
器５と通信するか、あるいは第４図のように平均温度セ
ンサ６の検出器７を多芯の電気ケーブル８でレベル計測
器２に接続し、レベル計測器２の内部に温度計測回路を
設けて温度データを求め、レベル、温度の両データをレ
ベル計測器２から電線９にて受信器５へ送信する方式を
用いている。

平均温度センサ６は第５図のような電気的構成を有して
いる。

すなわちセンサ内に数個の抵抗線式の側温素子6a,6b・
・・6nがあり、各素子は全体の抵抗_r1+r2+r3+r4の値は
互いに等しいが、抵抗線の分布長さはそれぞれ異なって
いる。

液の平均温度を測定する場合、これらの素子の中から、
すべての抵抗_r1+r2+r3+r4が液中にあって、かつ分布長
さが液レベルに最も近いものを選び、この素子の全抵抗
値から平均温度を求めており、したがって素子の選択に
はレベルデータが必要となる。

第３図の方式では、受信器５から平均温度計測器３に現
在のレベルデータを送信し、平均温度計測器はこのレベ
ルデータに適合する測温素子を選択して計測を行なうこ
とができるが、受信器は温度データを得るに先立って平
均温度計測器にレベルデータを伝送する必要があり、し
たがって受信器に接続される計測器の台数が多くなる
と、全データを集めるのに費される時間が長くなる。

第４図の方式は、レベル計測器２の内部で適する測温素
子を選択することができるから、受信器５はレベル計測
器２からレベル及び平均温度データを同時に受信するこ
とができ、全データを集めるための時間は第３図の場合
よりはるかに短くなる。

しかしながら測温素子とレベル計測器との間に多芯の電
気ケーブルが必要となり、耐雷性、耐電磁ノイズ性など
の光ケーブル式通信方式のメリットは著しく損なわれる
ことになる。

＜本発明の目的＞ 本発明は、信号処理、通信に電気ケーブルを一切使用せ
ず、光ケーブル式の長所を十分生かすとともに、平均温
度計測器へのレベルデータの伝送のために受信器が費や
す時間をなくして全データを収集するのに要する時間を
短縮でき、また、通信に必要となる光ケーブルの長さを
できるだけ短くし、ケーブル設置コストを低減できるよ
うにした。

＜本発明の手段＞ 本発明の装置はレベル計測器、平均温度計測器、受信器
から成り、これらの機器間の通信を光ファイバケーブル
によって行なう方式のタンクのレベル及び平均温度測定
装置において、レベル計測器が２個の光通信用入出力ユ
ニットを備え、一方を用いて受信器との通信、他方を用
いて、平均温度計測器との通信ができる機能を備え、平
均温度計測器がレベル計測器からレベルデータを受信し
てこのレベルに対応する平均温度を計測し、データをレ
ベル計測器に送信する機能を備える構造のものとしてあ
る。

＜実施例＞ 以下に本発明の実施例を第１、２図に基いて説明する。

本発明の装置は、従来の第３図のものと同様にレベル計
測器２、平均温度計測器３、受信器５により装置を構成
はするが、第１図のように、レベル計測器に光ケーブル
通信用入出力ユニット（光入出力ユニットと呼ぶ）10a,
10bを２個設ける。

この光入出力ユニット10a,10bは、光ケーブルを通して
送られて来る光信号を電気信号に、内部に入力された電
気信号を光ケーブルで送信可能な信号に変換する。

レベル計測器の２個の光入出力ユニットの一方のもの10
bで受信器５と、もう一方のもの10aで平均温度計測器３
と通信する機能を備え、三種の機器は光ケーブル４で接
続されて動作する。

レベル計測器３は受信器５からのデータ要求がない時に
は、定められた時間間隔でレベル計測を繰り返し、デー
タをメモリに記憶するが、レベル計測を行なった直後に
平均温度計測器に対してレベルデータを送信する。

平均温度計測器３はレベルデータを受信すると、適合す
る測温素子を選択して平均温度を測定し、このデータを
レベル計測器に送信する。

レベル計測器２は受信した平均温度データをレベルデー
タと共にメモリに記憶する。

受信器５からレベル計測器２にデータ要求が出される
と、レベル計測器２はメモリに記憶されているレベル、
平均温度のデータを即座に受信器に返信する。

このような動作においては、受信器はデータ要求を行な
うと即座にレベル、平均温度のデータを得ることができ
るので、データ収集の時間が短くてすむ。

また、平均温度計測器はレベル計測器よりレベルデータ
を受信するので、レベルデータに時間遅れがなく、正し
い測温素子を選択することができる。

また、第２図は１台の受信器５と３台のレベル計測器2-
1〜2-3及び平均温度計測器3-1〜3-3で構成される装置の
通信タイムチャートの例であるが、各レベル計測器は受
信器が他の２台のレベル計測器からデータを受信してい
る間にレベル計測と平均温度計測器との通信を行なえば
よいので、時間が有効に利用できる。

なお、第１図と従来の第３図の装置を比較すれば明らか
であるが、レベル計測器と平均温度計測器とは比較的短
い距離に置かれるので、光ケーブルの必要量も著しく短
縮でき、コストが低減される。

以上の述べた動作手順は一例であって、この手順以外の
手順であっても本発明の通信手段を用いることにより、
受信器が全データを集める時間の短縮が可能なことはい
うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置の一例を示す配線系統図、 第２図は測定時のタイムチャートを示す図、 第３図及び第４図は従来の例を示す図、 第５図は平均温度センサを示す図である。 図中 １……タンク、２……レベル計測器 ３……平均温度計測器、４……光ケーブル ５……受信器 10a,10b……入出力ユニット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】レベル計測器、平均温度計測器、受信器か
   ら成り、これらの機器間の通信を光ファイバケーブルに
   よって行なう方式のタンクのレベル及び平均温度測定装
   置において、レベル計測器が２個の光通信用入出力ユニ
   ットを備え、一方を用いて受信器との通信、他方を用い
   て、平均温度計測器との通信ができる機能を備え、平均
   温度計測器がレベル計測器からレベルデータを受信して
   このレベルに対応する平均温度を計測し、データをレベ
   ル計測器に送信する機能を備えることを特徴とするタン
   クのレベル及び平均温度計測装置。